【SS】かのん「ばーか」可可「はうぅっ！？」【ラブライブ！スーパースター!!】

可可(部室に忘れ物しちゃいマシタ)ﾄﾃﾄﾃ

可可(電気がついてる……誰かいるのデスか……？)

かのん「……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

可可(かのんが何か言ってマス)

可可(もうちょっと近付けば聞こえそう……)

かのん「ばーか」

可可「！？」

可可(あの優しいかのんがあんな暴言を！？ ドウシテ！？)

かのん「こんなかわいい衣装着れたら苦労しないっつーの」

可可(あれ、可可が作った衣装……。気に入らなかったのデスか……？)

かのん「みんなは似合うと思うけどこんなの私には似合わないし」

かのん「はぁ……」

可可(！)

可可「そんなことない！ かのんも似合いマス！」

かのん「く、可可ちゃん！？」ﾋﾞｸｯ

かのん「今の聞いてたの！？」ｱｾｱｾ

可可「かのん！」

かのん「な、なんでしょう……？」

可可「さっきの可可に向かって言ってクダサイ！」

かのん「さっきの、とは……？」

可可「ばーか、ってやつデス！」

かのん「やらないよ！？」

可可「どうしてデスか！？」

かのん「だ、だって人に見せるものでもないし」ｱｾｱｾ

可可「どうしてもデスか……？」ｳﾙｳﾙ

かのん「そんな顔されてもできないものはできないの！」

かのん「っていうか、ごめんね。さっきの衣装がダメっていうことではなくて――」

かのん「恥ずかしくて着れない自分への憤りというか」

可可「申し訳ない気持ちがあるなら可可にも言ってクダサイ！」

かのん「いやいや、そっちの方が申し訳ないよ！」

可可「可可、先程のかのんに心奪われてしまいマシタ」

可可「できればメガネとかかけて髪を上で結んでおデコを出してくれればカンペキなのデスが……」

かのん「ねえ、もしかして家に隠しカメラとかある？」

可可「へ？」ｷｮﾄﾝ

可可「とりあえずばーかって言ってクダサイ」ｸﾞｲｯ

かのん「えぇ、なんか可可ちゃん怖いよ……」

可可「いつも通りでいいのデス」ｽﾞｲｯ

かのん「顔が近いよぉ……」

可可「言ってくれるまで離れマセン」

かのん「わ、わかったから1回離れて！」

可可「っ！」ﾊﾟｱｱｱｱｱｱｱｱ

かのん「こほん、えっと……」

可可「……」ﾜｸﾜｸ

かのん「ば、ばーか」

可可「はうぅっ！」

かのん「ちょっと可可ちゃん、大丈夫！？」

可可「ダイジョブデス。ちょっとハートを射抜かれただけデス」

かのん「えぇ……」

可可「いつものかのんもカワイイデスけど、やさぐれてるかのんもカワイイデス！」

かのん「か、かわいいかな……？」

――――

可可「はぅあー……」

すみれ「何を気持ち悪い顔して聴いてるのよ」

可可「すみれには教えマセン」

すみれ「なんでよ！ 教えなさいったら、教えなさい！」

可可「イヤったら、イヤデス！」ｲﾔﾎﾝﾉｺｰﾄﾞﾇｹ

可可スマホ「ばーか」

可可「あぁっ！ なにするんデスかすみれ！」

4人「！？」

千砂都「今のってかのんちゃんの声？」

すみれ「にしてはなんていうか、かのんが言わなそうというか」

恋「しかし、わたくしの最初のかのんさんのイメージはこれが近かったような」

かのん「可可ちゃん録音してたの！？」

可可「だって、やさぐれかのんカワイイカラ……」

かのん「恥ずかしいから消して！」

可可「イヤデス！」

かのん「消して！」

千砂都「でも可可ちゃんの気持ちわかるなあ」

可可「千砂都！」

千砂都「なんていうか、やさぐれてるかのんちゃんってかわいいんだよね」

千砂都「家での素のかのんちゃんっていうか」

可可「うんうん」

千砂都「普段はいい子なだけにギャップがいいっていうか」

千砂都「っていうか普段からかのんちゃんってイケメンだし」

かのん「い、イケメン！？」

可可「たしかに、可可のためにレンレンと戦った時も物怖じせずカッコヨカッタ……」ﾎﾜｰ

かのん「可可ちゃんのためっていうか部活動の自由のためだから！」

恋「あぁ、あの時……。確かに友人のためにあそこまでできるというのはかっこいいですよね」

恋「わたくしも、自分なりの正義を持っているかのんさんはかっこいいと密かに思っていました」

かのん「そうだったの！？」

千砂都「そんな正義感の強いかのんちゃんがやさぐれてたらギャップでやられちゃうのも仕方ないよね」

可可「千砂都……！ アナタはわかってマス！」ｷﾞｭｯ

千砂都「幼馴染だからね」ｴﾍﾝ

すみれ「うーん、でもやっぱりやさぐれてるかのんってあんまり想像できないわね」

すみれ「かのんって表情が豊かって印象だし」

すみれ「コロコロ変わる表情が見てて面白いのよね」

可可「じゃあすみれもやさぐれかのんを目の当たりにするといいデス！」

かのん「やらないよ！？」

すみれ「私だけ何もわかってないの悔しいじゃない。かのん、お願いするわ」

かのん「だから無理だよぉ……」

すみれ「お願いったら、お願いよ！」

かのん「無理ったら、無理！」

千砂都「仕方ないなあ、秘蔵のちぃちゃんコレクションを見せてあげよう」

かのん「ちぃちゃんコレクション？」

千砂都「この動画だったかな」

かのん『カフェオレ焼きリンゴ～♪』

千砂都「あ、違う」

可可「これはこれでカワイイデス！」

恋「とてもいい笑顔ですね」

千砂都「ちぃちゃんコレクションの中でも屈指のお気に入りなんだ」ﾌﾝｽ

かのん「待って、それ部屋で1人で歌ってたやつ」

千砂都「幼馴染だからね」

かのん「幼馴染だからで片付けられないよ！？」

千砂都「ありあちゃん――かのんちゃんの妹の協力で集めてるコレクションなんだけどね」

かのん「だからありあおこづかいに余裕あるのか……」

かのん「っていうかあの場にありあもいなかったしどうやって、まさか盗撮……？」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

千砂都「あ、あった。これこれ」

かのん『ばーか。歌えたら苦労しないっつーの』

かのん「……ちぃちゃん、それ全部消してね」

千砂都「えー、折角バイト代で買ったのにー！」

かのん「本人の意向だから！」

かのん「ありあにもしっかり言っとかないと……」

可可「それで、すみれどうデシタ？」

すみれ「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かのん「すみれちゃん？」

すみれ「よ、予想以上の破壊力ね」

すみれ「動悸が早くなって、これはもしかして恋……？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

かのん「こんなんで恋されても困るんだけど」

すみれ「ねえ、かのん、直接お願い！」

かのん「だから、無理だってば！」

すみれ「お願いったら、お願い！」

かのん「もう、すみれちゃんしつこい！」

すみれ「はうっ！」

かのん「今のでいいの！？」

すみれ「ギャラクシーったら、ギャラクシーよ、かのん」

かのん「意味わかんないけど怖いよぉ……」

恋「怯えているかのんさんもギャラクシーですね」

可可「ギャラクシーデス！」

かのん「ギャラクシーって何かの隠語！？」

千砂都「こうしてかのんちゃん推しが増えていくんだね」ｼﾐｼﾞﾐ

可可「かのんは魅力的デスノデ」

かのん「全然嬉しくないんだけど！」

恋「かのんさん、わたくしにもお願いします！」

かのん「無理だってば！」

かのん「もう、みんなのばかー！」

4人「っ！」ｷｭﾝ

おわり

かのんちゃんにばーかって言われたい人生だった

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ｽﾊﾞﾗｼｲssﾉﾋﾄｰ