1:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:40:00 ID:???00
夏美「あがりですの!」パサッ
メイ「げっ、また大貧民かよ!!」
きな子「メイちゃんお気の毒っす」ニヤニヤ
四季「メイ、これで3連敗」
メイ「うるさいうるさいうるさい!」カァッ
四季「メイ。もう一回、リベンジする?」
メイ「いや、いい。もう寝ようぜ」ゴロン
きな子「えー!?きな子まだ寝たくないっす!!」ユサユサ
メイ「……わかったから揺らすなって!」ガバッ
夏美「せっかく三連休を利用して先輩たちとキャンプなんだから、ここはキャンプの醍醐味……怖い話ですの!」
メイ「げっ、また大貧民かよ!!」
きな子「メイちゃんお気の毒っす」ニヤニヤ
四季「メイ、これで3連敗」
メイ「うるさいうるさいうるさい!」カァッ
四季「メイ。もう一回、リベンジする?」
メイ「いや、いい。もう寝ようぜ」ゴロン
きな子「えー!?きな子まだ寝たくないっす!!」ユサユサ
メイ「……わかったから揺らすなって!」ガバッ
夏美「せっかく三連休を利用して先輩たちとキャンプなんだから、ここはキャンプの醍醐味……怖い話ですの!」
2:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:40:28 ID:???00
メイ「はあ!?なんでキャンプに来て、わざわざ夜のテントの中で怖い話すんだよ!?」
メイ「もっとあんだろ、みんなで星空をみるとか」
きな子「それはさっきかのん先輩たちとしたっす」
メイ「じゃあ恋バナとかスクールアイドルの話題とか──」
夏美「もしかして、メイちゃん怖い話苦手ですのー?」ニャハー
メイ「べっ、別に苦手とかじゃなくて……その、なあ……」チラッ
四季「……ある。とっておきの、怖い話」
3人「!?」
メイ「もっとあんだろ、みんなで星空をみるとか」
きな子「それはさっきかのん先輩たちとしたっす」
メイ「じゃあ恋バナとかスクールアイドルの話題とか──」
夏美「もしかして、メイちゃん怖い話苦手ですのー?」ニャハー
メイ「べっ、別に苦手とかじゃなくて……その、なあ……」チラッ
四季「……ある。とっておきの、怖い話」
3人「!?」
3:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:41:15 ID:???00
きな子「えっ、四季ちゃん怖い話を持ってるっすか!?」
四季「うん」コクリ
メイ「なんでそこでノッてくるんだよ……」
四季「そういう話、みんなとしてシェアしたいから」
夏美「オカルトとまったく縁がなさそうな四季ちゃんの、とっておきの怖い話……マニーになりそうですの」スッ
四季「だめ。録音禁止」バッ
夏美「ナッツー!?」ガクッ
きな子「それじゃ、聞かせてほしいっす!とっておきの怖い話!」
四季「うん。話すね」
四季「──これは、私がソロキャンプで体験した話、なんだけど」
四季「うん」コクリ
メイ「なんでそこでノッてくるんだよ……」
四季「そういう話、みんなとしてシェアしたいから」
夏美「オカルトとまったく縁がなさそうな四季ちゃんの、とっておきの怖い話……マニーになりそうですの」スッ
四季「だめ。録音禁止」バッ
夏美「ナッツー!?」ガクッ
きな子「それじゃ、聞かせてほしいっす!とっておきの怖い話!」
四季「うん。話すね」
四季「──これは、私がソロキャンプで体験した話、なんだけど」
4:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:42:06 ID:???00
四季(ある晴れた連休、私はひとりで関東にある海辺のキャンプ場を訪れた)
四季(目的はソロキャンプ。ひとりで何かをするのが楽しかった私の趣味で、まとまった休みの日には荷物を抱えてキャンプ場でひと晩過ごす)
四季(キレイに張ったテントに座り、夜は虫たちの美しい音に耳を傾け、都会では見られない満天の星空を飽きるまで眺める)
四季(森や川辺なら、そよ風で触れ合う木々の葉音に水の流れる音。海辺なら、リズミカルに寄せては来る波の音を楽しむ──)
四季(──大自然の息吹をひとり占めできるソロキャンプは、私に癒しと充実感を与えてくれた)
四季(目的はソロキャンプ。ひとりで何かをするのが楽しかった私の趣味で、まとまった休みの日には荷物を抱えてキャンプ場でひと晩過ごす)
四季(キレイに張ったテントに座り、夜は虫たちの美しい音に耳を傾け、都会では見られない満天の星空を飽きるまで眺める)
四季(森や川辺なら、そよ風で触れ合う木々の葉音に水の流れる音。海辺なら、リズミカルに寄せては来る波の音を楽しむ──)
四季(──大自然の息吹をひとり占めできるソロキャンプは、私に癒しと充実感を与えてくれた)
5:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:43:15 ID:???00
ドサッ
四季「……うん。ここ、いい」
ガサガサ
ギュッ
カンカン
四季「……よし」
四季(管理事務所から案内されたのは、青い海が見える砂浜のサイト。そこの近くに生えているマツの木の下でテントを張ることにした)
四季「……うん。ここ、いい」
ガサガサ
ギュッ
カンカン
四季「……よし」
四季(管理事務所から案内されたのは、青い海が見える砂浜のサイト。そこの近くに生えているマツの木の下でテントを張ることにした)
6:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:44:44 ID:???00
四季「……」ヌギッ
四季(夕方までかかった組み立てとペグ打ちを済ませ、最後に寝心地の確認でトレッキングシューズを脱いでテントの中に入る)
サッサッ
四季(四つんばいでテントの床の部分をさすり、石や尖った流木が埋まってないか最終確認)
四季(うん、寝心地はノープロブレム。芝生より砂地が多い地質、ちょっと固いけどよく眠れそう)
四季(そう思ったとき──ふいに背後から声がした)
四季(夕方までかかった組み立てとペグ打ちを済ませ、最後に寝心地の確認でトレッキングシューズを脱いでテントの中に入る)
サッサッ
四季(四つんばいでテントの床の部分をさすり、石や尖った流木が埋まってないか最終確認)
四季(うん、寝心地はノープロブレム。芝生より砂地が多い地質、ちょっと固いけどよく眠れそう)
四季(そう思ったとき──ふいに背後から声がした)
8:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:45:35 ID:???00
「入ってもいいですか?」
.
.
9:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:48:05 ID:???00
四季「!」
四季(ビクンッ、と私は驚いて肩を震わせた)
四季(なぜなら声が男とも女とも判断がつかない機械音声のように感情が無かったし、それ以上に……いきなり誰かに声を掛けられるのは想定外だったからだ)
バッ
四季(身体をねじって声がしたテントの入り口へ顔を向けると──テントの布にベッタリと黒い人影が映っていた)
四季「わっ……!」
四季(さすがにびっくりして声をあげると、その人影はスーッと後ろに下がったのか影が薄くなっていき……)
ザッザッ
四季(立ち去っていく足音が聞こえた)
四季(ビクンッ、と私は驚いて肩を震わせた)
四季(なぜなら声が男とも女とも判断がつかない機械音声のように感情が無かったし、それ以上に……いきなり誰かに声を掛けられるのは想定外だったからだ)
バッ
四季(身体をねじって声がしたテントの入り口へ顔を向けると──テントの布にベッタリと黒い人影が映っていた)
四季「わっ……!」
四季(さすがにびっくりして声をあげると、その人影はスーッと後ろに下がったのか影が薄くなっていき……)
ザッザッ
四季(立ち去っていく足音が聞こえた)
10:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:50:00 ID:???00
四季「!」タッ
バサッ
四季「いない……」
四季(急いでテントを出てあたりを見回したが、誰もいなかった)
四季「……」ハァ
四季(子供のイタズラだろうと思った。きっと、すこし奥に別のテントも数個あるから、そこから来たんだろう)
四季(科学が好きな私は、起こりうる自然現象をもとにそう結論づけたんだ)
バサッ
四季「いない……」
四季(急いでテントを出てあたりを見回したが、誰もいなかった)
四季「……」ハァ
四季(子供のイタズラだろうと思った。きっと、すこし奥に別のテントも数個あるから、そこから来たんだろう)
四季(科学が好きな私は、起こりうる自然現象をもとにそう結論づけたんだ)
12:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:52:30 ID:???00
四季(簡単な夕食を済ませ、ココア片手に満天の星空と月明かりが幻想的に映り込む夜の海を満喫。そのころには、さっきの出来事なんてとうに忘れていた)
四季「さて、と……」
四季(いいくらいの時間になって、テントの中に入って靴と靴下を脱いで端に置く)
四季(そこで一息ついて、持ってきたブランケットを膝にかけた。あとは睡魔がくるまでスマホを見てゆったり過ごす)
四季「……メイ、いま買ってきたスクールアイドルのDVD見てるんだ」
四季「ふふっ、顔が緩んでる。楽しそう」
四季(こっそりメイの部屋に設置したライブカメラがとらえた、メイの様子をリンクした携帯でひと通り観察)
四季(そろそろ寝よう……)
四季(まだ暑い時期。ひんやりとした地面の感触が、クッションのように思えるくらい快適な居心地。そこで横になって眠りについた)
四季「さて、と……」
四季(いいくらいの時間になって、テントの中に入って靴と靴下を脱いで端に置く)
四季(そこで一息ついて、持ってきたブランケットを膝にかけた。あとは睡魔がくるまでスマホを見てゆったり過ごす)
四季「……メイ、いま買ってきたスクールアイドルのDVD見てるんだ」
四季「ふふっ、顔が緩んでる。楽しそう」
四季(こっそりメイの部屋に設置したライブカメラがとらえた、メイの様子をリンクした携帯でひと通り観察)
四季(そろそろ寝よう……)
四季(まだ暑い時期。ひんやりとした地面の感触が、クッションのように思えるくらい快適な居心地。そこで横になって眠りについた)
13:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:54:44 ID:???00
四季「……」パチッ
四季(真夜中、ふと目が覚めた)
四季(うーん……いま何時?)
四季(時刻を確かめようと携帯を探すため、上体を起こすと──)
四季(私の目の前に、テントの壁に月明かりでくっきりと映り込んだ黒い人影が、ぼうっと立ちすくんでいた)
四季「わあっ」
四季(思わず声を上げ、頭が真っ白になる。それは、恐怖というより……いきなり現れたソレに対する困惑からの思考停止だったと今は思う)
四季(ソレは、テント越しにまるで私をジッと見ているような感じで、まるで動く気配がない)
四季(えっ、なに……誰?)
四季(科学的な知見を超えた、あまりにも不気味な存在を前に、ただただ困惑していると──)
四季(──ソレは、女とも男ともつかない淀んだ声でこうつぶやいた)
四季(真夜中、ふと目が覚めた)
四季(うーん……いま何時?)
四季(時刻を確かめようと携帯を探すため、上体を起こすと──)
四季(私の目の前に、テントの壁に月明かりでくっきりと映り込んだ黒い人影が、ぼうっと立ちすくんでいた)
四季「わあっ」
四季(思わず声を上げ、頭が真っ白になる。それは、恐怖というより……いきなり現れたソレに対する困惑からの思考停止だったと今は思う)
四季(ソレは、テント越しにまるで私をジッと見ているような感じで、まるで動く気配がない)
四季(えっ、なに……誰?)
四季(科学的な知見を超えた、あまりにも不気味な存在を前に、ただただ困惑していると──)
四季(──ソレは、女とも男ともつかない淀んだ声でこうつぶやいた)
14:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:55:41 ID:???00
「入ってもいいですか?」
四季(その聞き覚えのある台詞を聞き、すべて思い出した私は、困惑から明確な恐怖へと変わり、身体が硬直した)
四季(その聞き覚えのある台詞を聞き、すべて思い出した私は、困惑から明確な恐怖へと変わり、身体が硬直した)
15:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:57:08 ID:???00
「入ってもいいですか?」
四季(困惑のあまり動けないでいる中、声は繰り返し聞こえてくる)
「入ってもいいですか?」
四季(もし、ソレがこのテントの中に入ってしまったら──)
「入ってもいいですか?」
四季(──私はどうなってしまうのだろう?)
「入ってもいいですか?」
四季(たぶん、デンジャラスなことになる)
「入ってもいいですか?」
四季(それは、困る。すごく、困る)
「入ってもいいですか?」
四季「……入ったら、ダメ」
四季(ソレに対し、強めの口調で応じた。すると、ソレは地面に吸い込まれるようにシュウっと影を縮ませて、最終的に気配ごと消えてしまった)
四季(困惑のあまり動けないでいる中、声は繰り返し聞こえてくる)
「入ってもいいですか?」
四季(もし、ソレがこのテントの中に入ってしまったら──)
「入ってもいいですか?」
四季(──私はどうなってしまうのだろう?)
「入ってもいいですか?」
四季(たぶん、デンジャラスなことになる)
「入ってもいいですか?」
四季(それは、困る。すごく、困る)
「入ってもいいですか?」
四季「……入ったら、ダメ」
四季(ソレに対し、強めの口調で応じた。すると、ソレは地面に吸い込まれるようにシュウっと影を縮ませて、最終的に気配ごと消えてしまった)
16:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:58:27 ID:???00
四季「……ふぅ」
四季(緊張でこわばっていた全身の筋肉がほぐれ、安堵のため息がもれる)
四季(いったい、あれは何だったんだろう?声を真似する動物か何か?それとも……蜃気楼のような自然現象?)
四季(心を落ち着かせ、気持ちを整理する。が、私が今まで培った科学的知見からでは、ソレの答えを導き出すことができなかった)
四季(とにかく朝まで外に出ないように……しなきゃ)
四季「……」ペタリ
四季(もう眠れないし、携帯の動画サイトでも見て明け方まで過ごそう……って思ったとき)
四季(緊張でこわばっていた全身の筋肉がほぐれ、安堵のため息がもれる)
四季(いったい、あれは何だったんだろう?声を真似する動物か何か?それとも……蜃気楼のような自然現象?)
四季(心を落ち着かせ、気持ちを整理する。が、私が今まで培った科学的知見からでは、ソレの答えを導き出すことができなかった)
四季(とにかく朝まで外に出ないように……しなきゃ)
四季「……」ペタリ
四季(もう眠れないし、携帯の動画サイトでも見て明け方まで過ごそう……って思ったとき)
17:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/12(金) 23:59:15 ID:???00
「入ってもいいですか?」
.
.
18:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:01:00 ID:???00
四季「!」ビクッ
四季(再びあの声が聞こえ、私は驚いて周囲を見回す)
四季(──テントにソレの影はない。でも、空耳じゃないのは確かだ)
四季(聞こえてきた方向と距離から、位置を割り出す)
四季(もしかして……下から……?)
四季「……」ゾクッ
四季(こみ上げてくる恐怖を何とか抑えつつ、膝立ちでテントの床を見回すと──)
四季「あっ……」
四季(──テントの端、トレッキングシューズの片方が倒れていた)
四季(再びあの声が聞こえ、私は驚いて周囲を見回す)
四季(──テントにソレの影はない。でも、空耳じゃないのは確かだ)
四季(聞こえてきた方向と距離から、位置を割り出す)
四季(もしかして……下から……?)
四季「……」ゾクッ
四季(こみ上げてくる恐怖を何とか抑えつつ、膝立ちでテントの床を見回すと──)
四季「あっ……」
四季(──テントの端、トレッキングシューズの片方が倒れていた)
20:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:02:26 ID:???00
四季(シューズが倒れてる……入ったとき、確かにキッチリそろえて置いたはず)
四季(さっきの声もこの方向から……)
四季「……」サッ
四季(恐れと好奇心の混じった心境で、少しずつ倒れたシューズへゆっくり膝立ちでにじり寄る)
スッ
四季(手を伸ばし、その場所からシューズを片づけると……)
四季「なに、これ……」
四季(床のシートが、こんもりと盛り上がっていた)
四季(さっきの声もこの方向から……)
四季「……」サッ
四季(恐れと好奇心の混じった心境で、少しずつ倒れたシューズへゆっくり膝立ちでにじり寄る)
スッ
四季(手を伸ばし、その場所からシューズを片づけると……)
四季「なに、これ……」
四季(床のシートが、こんもりと盛り上がっていた)
21:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:05:34 ID:???00
モコモコ
四季(突然、ソレは蠢きだす)
グニッ
四季(丸く盛り上がった面が、少しずつ形を形成していく)
四季(両端にくぼみができ、そのすぐ下に三角形の盛り上がり。また下にだ円形のくぼみという順番で)
四季「ヒッ……!」
四季(ソレが布を押しあてた人間の顔みたいになったとき、私は恐怖のあまり息を短く吸い込んだ)
パクパクパク
四季(ヒトの頭くらいに盛り上がったソレは、口をぎこちなく動かし、聞き覚えのある台詞を言った──)
四季(突然、ソレは蠢きだす)
グニッ
四季(丸く盛り上がった面が、少しずつ形を形成していく)
四季(両端にくぼみができ、そのすぐ下に三角形の盛り上がり。また下にだ円形のくぼみという順番で)
四季「ヒッ……!」
四季(ソレが布を押しあてた人間の顔みたいになったとき、私は恐怖のあまり息を短く吸い込んだ)
パクパクパク
四季(ヒトの頭くらいに盛り上がったソレは、口をぎこちなく動かし、聞き覚えのある台詞を言った──)
22:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:06:39 ID:???00
「はイッテモいィでスヵ?」
.
.
23:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:09:41 ID:???00
四季(その瞬間。私は声にならない声をあげ、無我夢中でその盛り上がったソレを力いっぱい素足で踏みつけた)
ブチュ
四季(ひんやりした固いゼリーか生肉の塊を踏みつぶした感触を直に味わい、その気持ち悪さに顔を歪める。振り返ってみれば、あのとき完全に冷静さを失っていたと思う)
四季「……!」バッ
四季(さすがに素足で二度踏むことができず、倒れるように尻もちをついて、後方に下がった)
四季(すると、踏みつけた場所から白い煙のようなモヤが立ちのぼり、集まって形をつくると、スーッと海岸のほうへ向かってテントから出ていった)
四季(その白いモヤは人間の形をしていたような気がしたけど……あまりに一瞬のことだったし、今となっては分からない)
四季「消えた、の……?」
四季(完全に気配がしなくなったのを感じた私は、すぐ外に飛び出せるように急いで靴下と靴を履き、両ひざを左右の手で抱える体育座りのまま、朝までなんとかやり過ごしたんだ)
ブチュ
四季(ひんやりした固いゼリーか生肉の塊を踏みつぶした感触を直に味わい、その気持ち悪さに顔を歪める。振り返ってみれば、あのとき完全に冷静さを失っていたと思う)
四季「……!」バッ
四季(さすがに素足で二度踏むことができず、倒れるように尻もちをついて、後方に下がった)
四季(すると、踏みつけた場所から白い煙のようなモヤが立ちのぼり、集まって形をつくると、スーッと海岸のほうへ向かってテントから出ていった)
四季(その白いモヤは人間の形をしていたような気がしたけど……あまりに一瞬のことだったし、今となっては分からない)
四季「消えた、の……?」
四季(完全に気配がしなくなったのを感じた私は、すぐ外に飛び出せるように急いで靴下と靴を履き、両ひざを左右の手で抱える体育座りのまま、朝までなんとかやり過ごしたんだ)
24:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:11:30 ID:???00
四季「……それがあって、私は最近ソロキャンプをしていない」
四季「だって、あの声が、また聞こえてくるような気がするから、ね」ボソッ
四季「……という私の体験談、どうだった?」
きな子「ひぃい……怖いっす……」ガタガタ
夏美「な、なかなか、ですの……」ガタガタ
メイ「……」
きな子「き、気絶してる……」
四季「仕方ない」スッ
パチン
メイ「わっ!?」ビクッ
メイ「怖すぎだろ!てか、お前いつカメラ仕掛けたんだ!」
四季「まあいいじゃない、そういうことは」
メイ「よくねーよ!」
きな子「まあまあ……」
四季(そんな時だった──)
四季「だって、あの声が、また聞こえてくるような気がするから、ね」ボソッ
四季「……という私の体験談、どうだった?」
きな子「ひぃい……怖いっす……」ガタガタ
夏美「な、なかなか、ですの……」ガタガタ
メイ「……」
きな子「き、気絶してる……」
四季「仕方ない」スッ
パチン
メイ「わっ!?」ビクッ
メイ「怖すぎだろ!てか、お前いつカメラ仕掛けたんだ!」
四季「まあいいじゃない、そういうことは」
メイ「よくねーよ!」
きな子「まあまあ……」
四季(そんな時だった──)
25:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:12:22 ID:???00
「入ってもいいですか?」
3人「ぎゃあああああ!!!」
3人「ぎゃあああああ!!!」
26:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:14:40 ID:???00
「わぁっ!ど、どうしたんですか!?」
「なっ、何かあったのですか皆さん!?」
メイ「その声は……恋先輩……?」ビクビク
恋「はい。大丈夫ですか?ひどく驚いた声が聞こえたのですが……」
夏美「だっ、大丈夫ですの……!」
きな子「どうしたっすか?」
恋「実は、すみれさんが皆さんのお夜食にと、焼きりんごを作ってくれたのです」
恋「よかったら、一緒に食べませんか?」
きな子「いま行くっす!焼きりんご食べたいっすー!」バッ
夏美「あ、待つですの!」バッ
メイ「よし、気分転換に甘いもの、食べるか」バッ
四季「うん、いく……」スクッ
四季(テントを出たとき、私の背後から──)
「なっ、何かあったのですか皆さん!?」
メイ「その声は……恋先輩……?」ビクビク
恋「はい。大丈夫ですか?ひどく驚いた声が聞こえたのですが……」
夏美「だっ、大丈夫ですの……!」
きな子「どうしたっすか?」
恋「実は、すみれさんが皆さんのお夜食にと、焼きりんごを作ってくれたのです」
恋「よかったら、一緒に食べませんか?」
きな子「いま行くっす!焼きりんご食べたいっすー!」バッ
夏美「あ、待つですの!」バッ
メイ「よし、気分転換に甘いもの、食べるか」バッ
四季「うん、いく……」スクッ
四季(テントを出たとき、私の背後から──)
27:
◆CzqNJ4AC★
2025/09/13(土) 00:17:00 ID:???00
「入ってもいいですか?」
四季「ううん」ピタッ
四季「……入ったら、ダメだよ」
スタスタ
おわり
四季「ううん」ピタッ
四季「……入ったら、ダメだよ」
スタスタ
おわり