【SS】侑「なんか皆私以外で仲良くしてる」【虹ヶ咲】

愛「せっつー！　この映画観に行こ～！」

せつ菜「そ、それは……！　今リバイバル上映で大ヒット中の！」

愛「すっごい話題だったから、せっつーと観に行きたくてチケット買っちゃった！」

せつ菜「うっひょほはぁ～っ！　愛さん最高ですっ！　よーし、善は急げです！　行きましょう行きましょう！」



ドドドドドドド……


侑「……」
　
　

ランジュ「歩夢～！　いいお店の席が予約できたの、一緒に行きましょ！」

歩夢「うん、いいよ～」

ランジュ「ここのお店ね、本場の三不粘が食べられるの！」

歩夢「三不粘？」

ランジュ「三不粘って言うのは……」



てくてく

侑「……」
　
　

彼方「エマちゃんや。実は彼方ちゃん、東雲のライブに招待されてチケット貰ったんだけど、チケット2枚貰っちゃったんだ～」

エマ「わぁ、良かったね～」

彼方「一緒に観に行かな～い？　今日は遥ちゃんがセンターの曲もやるらしいんだ～」

エマ「良いね～、じゃあ私も観に行かせて貰うね～」

彼方「善は急げだぜ～」



たったかたったか

侑「……」
　
　

果林「もしもし……あら、クロエさん。
掛け間違いかしら？」

クロエ『間違えてないわよ、今日はミアじゃなくてあなた個人に用があるもの』

果林「そうなんですか。私に用と言うと、何かの相談事かしら？」

クロエ『そうなの。実は日本でやるステージに1つ日本らしい個性が欲しくて。
……私に恩を売るチャンスだと思わない？』

果林「ふふっ、いいですよ。今回のチャンスにはノらせて貰います」



すたすた

侑「……」
　
　

璃奈「ミアちゃん、今日はここ行こう」

ミア「えぇ～……昨日もあちこち行ったのに、今日もかい？」

璃奈「……だめ？　作曲の課題とか、あるかな」

ミア「おいおい璃奈、ボクを誰だと思ってるんだよ。
そんなもの貰ったその日に終わらせたよ。
ボクだって遊びたい気持ちは一緒さ」

璃奈「じゃあ……」

ミア「ははっ、アメリカ大陸横断くらいまでなら付き合うさ！」



たたたーっ

侑「……」
　
　

かすみ「もしもーし、うぇっ！？　ランジュママ！？　なんでかすみんに！？」

ランジュママ『グランプリの時のことで、改めてお礼をしたくって。
ランジュはいないけれど、よかったら来てくれるかしら？』

かすみ「んも～、大人の人にまでモテモテで困っちゃいますねぇ。
いいですよ～、かすみん奇跡的に暇なので！」

ランジュママ『嬉しい返事ね。
あなたに会いたがってる子もいるから』

かすみ「わっ、それを早く言ってくださーい！」



だだだだだだ……

侑「……」
　
　

部長「やぁしずく、このあと暇かい？」

しずく「はい、特に予定とかないですよ」

部長「それじゃあ、ちょっと付き合ってくれるかな？」

しずく「？　何かあるんですか？」

部長「2人きりで話したいんだよね」



つかつか

侑「……」
　
　

副会長「会長、少しいいですか？」

栞子「副会長。どうかされましたか」

副会長「実は『TRPG同好会』と『ゲーム部』が少しもめていて……」

栞子「それは……急ですね。すぐに向かいます！」

生徒会書記1「お供します！」

生徒会書記2「私は話し合いの場を設ける用意をします！」



だっ

侑「……」
　
　

侑「……なんか、1人になるって久しぶりだなぁ」

すたすた、がらっ

侑「んー……っ。横に誰もいないし、部室はがらーん」

侑「……いつか、同好会の皆ともお別れしたらこうなるのかな」

侑「歩夢だっていつまでも私の幼馴染じゃないもんね」

侑「……不思議な気分だなぁ、1人になるのって」
　
　

侑「1人の時、いつも何してたっけ」

侑「うーん……なんだか、スクールアイドル同好会の皆がいない時って、寂しいんだなぁ」

侑「はぁーっ……皆1人くらい、私に声をかけてくれてもよかったのに」

侑「もしくは、1日予定がズレ込むとか。
そうあって欲しかったなぁ」

侑「……でも、皆のこと応援する私にそんな我儘言えないよね」

侑「スクールアイドルやってる皆と、応援する私じゃ立つところが違うもんね」



「だから」
　
　

「だから私たちがいるんでしょう」

侑「！」

侑「や、焼き菓子同好会、コッペパン同好会、流しそうめん同好会の皆……！」

「スクールアイドルの皆には及ばないけれど。
今日一日、高咲さんを喜ばせるくらいのことは私たちだって出来るよ」

侑「わぁ……！」

「行こう、高咲さん！」

侑「うんっ！」

だっ……





侑「……まさか3kgも増えるとは」
　
　

おしまい。
　
　

ぽっちゃり侑
　
　

そこでワンゲル部の出番ですよ