【SS】果南「ああぁぁ~!!ゆ~ほ~!!」【ラブライブ!サンシャイン!!】

kananかなん14143jpg SS


1: 2020/10/04(日) 13:49:04.62 ID:DkclxaU8
果南「今夜は雲がなくて星がよく見えそうだなぁ」

果南「絶好の天体観測日和だ、ふふっ」

果南「この辺りでいいかな、―よいしょ」

果南「この前買った望遠鏡早く使いたかったんだよね~楽しみ~」カチャカチャ

果南「よし、組み立て完了。さっそく星を見てみよう」スッ

果南「―おぉ~流石最新の望遠鏡、まるで手を伸ばせば届きそうなくらい近くに星が見える~」

果南「こりゃお小遣い貯めて買った甲斐があったってもんだね、うふふ」

キラーンッ

果南「―ん?なにあれ……」

キラッキラキラッ

果南「あ、ああ……ああぁ……」プルプル

果南「ああぁぁ~!!ゆ~ほ~!!」

2: 2020/10/04(日) 13:49:44.30 ID:DkclxaU8
次の日 学校 図書室

果南「マル~マルマルマル~!!」ダダダッ

果南「マル!!いる!?」ガラッ

花丸「うわっ!?果南ちゃん!?」ビクッ

果南「いた!!ねぇマル~」

花丸「果南ちゃんしーっ、図書室では静かに」

果南「あ、ごめーん」

果南「―って、それどころじゃないの!!大変大変、大変なのぉ!!」

花丸「だからうるさいって……」

果南「ゆーほー!!ゆーほー見たんだよゆーほー!!」

花丸「え?ゆーほー?」キョトン

3: 2020/10/04(日) 13:50:32.66 ID:DkclxaU8
果南「そう、ゆーほー。図書室にゆーほーの本ない?」

花丸「ゆーほーってもしかしてUFOの事?」

果南「うん!!見たの!!」

花丸「……」ポカーン

花丸「えぇ~果南ちゃんUFO見たの~!?すご~い!?」パァァ

花丸「ね、ね、どんなUFOだったの?」

果南「お、意外な食い付き。マルもUFOに興味あるの?」

花丸「あるある、宇宙人には我々地球人の想像を遥かに越える科学力があるって思ってるから」

花丸「SF小説もよく読むんだ、大好き」

果南「へぇ、そういう本も読むんだ」

果南「紙とペンある?サンキュ、―えっとね……確かこんな形をしていたような」カキカキ

花丸「ん~まるで飛行船のような形、よくある円盤形とはまた違うね」

花丸「待ってね、確かあっちにUFOや宇宙に関する本があったはず」

4: 2020/10/04(日) 13:51:11.22 ID:DkclxaU8
花丸「果南ちゃん、これ」スッ

果南「ありがとマル、この本に載ってるかな~」ペラッ

花丸「NASAが監修している本だからそれなりに信憑性はあると思うけど」

果南「どれどれ~」ペラ……ペラ……

果南「……あ、これは。見てマル」

花丸「果南ちゃんが見たUFOとそっくりだね、本物だったんだ」

果南「やっぱり私が見たのはUFOだったんだ……私が星と見間違える訳ないもんね」

花丸「このUFOは今まで何度も目撃されているみたい、地上に降りたところを見たって人もいるらしいね」

果南「本当?て事はまたやって来る可能性もあるんだね」

果南「もしかしたら宇宙人にも会えるかも」

果南「よーし、今夜も望遠鏡でUFO探すぞー」

花丸「マルも行きた~い」

果南「お、マルも行く?いいよ、一緒に探してくれるとありがたいや」

5: 2020/10/04(日) 13:51:42.69 ID:DkclxaU8
放課後 部室

果南「はい、今日の練習は終わり。お疲れ様」

善子「はぁ……はぁ……なんだか今日は随分駆け足でやったわね、疲れた……」バタッ

花丸「マル達、このあと予定があるから」

善子「予定?どこかに遊びにでも行くの?」

果南「マルと一緒にUFOを探しに行くんだよ」

善子「え?UFOですって!?」ガバッ

善子「UFOを見たの!?どこで!?」

果南「えっと……家の前で星を見ていたら遠くの山の方に飛んで行くのを見て」

善子「どんなUFOだったの?」

花丸「こんな感じ」スッ

善子「ん?むむむむ……」ジーッ

善子「―なるほど、割りとリアルね。これは可能性があるわ」

果南「へぇ、善子ちゃんも食い付いてきた」

花丸「善子ちゃんもこういうオカルトな話は好きだから」

6: 2020/10/04(日) 13:52:10.45 ID:DkclxaU8
善子「あなた達、探すって言うけど準備はしてあるの?」

果南「準備?望遠鏡で探すくらいしか考えてないけど」

善子「はぁ~甘いわねあなたは」

果南「へ?」

善子「そんなの偶然見つけただけでしょ、本格的に探すのなら望遠鏡なんかじゃダメよ」

善子「他にもっと必要な物があるでしょう」

果南「他に必要な物……」

果南「あぁ、夜出かけるんだからお夜食持って行かないとね」

花丸「マル、のっぽパン持ってく~」

果南「私はなに作って持って行こうかなぁ~」

善子「ピクニックか!!夜食とかどーでもいいわよ!!」

花丸「じゃあなにが欲しいのさ」

善子「ふっ……2人共、私の家に来なさい」

善子「我に秘策あり!!」ギランッ

7: 2020/10/04(日) 13:52:43.59 ID:DkclxaU8
善子の家

花丸「相変わらず変な物がいっぱいあるねぇ」

果南「ん?なにこの杖?」スッ

善子「ちょ、勝手に触らないでよ!!それ高かったんだから」パッ

果南「おっと、ごめんよ」

果南「それで、秘策ってなんなの?」

善子「くっくっくっ……こんな事もあろうかと密かに用意しておいたのよ」

善子「見よっ!!これが『UFO探知レーダー』よ!!」ババーンッ

花丸「UFO探知レーダー!?すご~い」パァァ

果南「ほ~う、そんな物が」

善子「これはNASAが極秘に研究し開発した最新機器」

善子「―と言う触れ込みで売っていた物よ……」ボソボソ

果南「え?」

善子「な、なんでもないわよ。ともかくこれを使えばきっとUFOを見つけられるはず」

果南「いいね、せっかくだからもう少し計画を練っていこう」

8: 2020/10/04(日) 13:53:21.38 ID:DkclxaU8
果南「探す方法の他にさ、こっちから呼び掛ける方法とかないかな?」

花丸「UFOと交信するって事?」

果南「そうそう、向こうが反応してくれれば探す手間も省けるじゃない」

果南「そのレーダーには交信機能とかついてないの?」

善子「流石にそこまでの機能はないわよ」

善子「まぁでも呼び掛けるって言うのならこんな方法があるわ」

花丸「あるの?なになに?」

善子「地面にUFOを呼び寄せる魔方陣を描くのよ」

花丸「魔方陣?ミステリーサークルみたいな?」

善子「まぁそれと似たようなものね、元々ミステリーサークルは宇宙人が作った物なんて言われているし」

善子「そしてその魔方陣の上で円になりこう叫ぶの」

善子「UFO……来ぉ~い!!」バンザイ

善子「―ってね」

果南「うーん、なんか微妙な気もするけど一応参考にしとくよ」

善子「微妙言うな!!」

9: 2020/10/04(日) 13:53:54.48 ID:DkclxaU8
花丸「善子ちゃん、お腹空いた。なにかおやつないの?」

善子「なによあんた、図々しいわね」

善子「ほら、ハッピーターンでも食べてなさい」ガサッ

花丸「うわ~い♪マル、ハッピーターン大好き」パクッサクサク……

果南「……」ジーッ

果南「ねぇ、宇宙人ってなに食べるのかな?」

善子「なによ急に、そんなのわかる訳ないでしょ」

果南「もし宇宙人に会えたらさ、地球に来た記念になにかお土産あげたいなって」

果南「宇宙人の好きな物ってなんだろ……」

果南「わかめとかお魚食べるかなぁ」

善子「それは果南の好きな物じゃない」

果南「私が好きなら宇宙人も好きでしょ」

善子「なによその理屈は……」

花丸「じゃあマルはのっぽパンあげよっと」

善子「まるで動物に餌をあげるようなノリね……」

善子「―チョコレートとか食べたりするかな……」ボソッ

10: 2020/10/04(日) 13:54:24.91 ID:DkclxaU8
善子「あ」

花丸「なに?ハッピーターンならもうないよ」

善子「ちょ、あんたなに全部食べてるのよっ!!」

善子「―って、そうじゃなくて。私達大事な事を忘れてるわ」

果南「大事な事?」

善子「もし仮にUFOや宇宙人と遭遇出来たとしてよ、果たして彼らは友好的な存在と言えるのかしら?」

果南「どゆ事?」

善子「鈍いわね、攻撃されたり攫われたりするかもしれないのよ」

花丸「あぁ、確かに宇宙人が地球に来る理由と言えば地球侵略や人間の調査と映画や小説なんかじゃお決まりだよね」

花丸「宇宙人の高度な文明と科学力を前に人類は為す術もなく蹂躙されて……みたいな」

果南「いやいやまさか、2人共映画の見過ぎだよ」

果南「きっと宇宙人だって話せばわかってくれるよ」

果南「―ところで、宇宙語ってどこで習えるのかなん?」

11: 2020/10/04(日) 13:55:00.01 ID:DkclxaU8
花丸「もし宇宙人が襲ってきたりしたらちょっと怖いなぁ」

花丸「なにか護身用の道具とか持ってく?催涙スプレーとか」

善子「宇宙人に効けばいいけどね……」

善子「まぁでも安心しなさい、いざとなったらこの堕天使ヨハネが」

花丸「マル達の身代わりになってくれるの?ありがと~善子ちゃん」

善子「違うわよ!!身代わりなんて冗談じゃないわ!!」

善子「いざとなったらこの堕天使ヨハネが魔界の悪魔を召喚」

花丸「果南ちゃんはどうするの?」

善子「最後まで聞きなさいよ!!」

果南「んあ?私?そうだなぁ……」

果南「せっかくなら仲良くなりたいな、宇宙人にあったらまずは挨拶代わりにハグをして」

善子「そんな外国人じゃあるまいし」

花丸「あはは、果南ちゃんらしいや」

果南「うん、そこまで警戒しなくても大丈夫じゃないかな」

12: 2020/10/04(日) 13:55:39.63 ID:DkclxaU8
果南「それじゃ、あとは各自必要な物を用意して夕飯を食べたら私の家に集合ね」

花丸「わかった、夜にお出かけするのもなんだかわくわくするね」

善子「くくくっ……今宵宇宙からの来訪者との邂逅を果たすのね、楽しみだわ」

果南「うふふ、私も楽しみだよ。またUFO見られるといいなぁ」




花丸の家

花丸「えっとぉ、のっぽパンとお芋とみかんと……」

花丸「あ、あと善子ちゃんのハッピーターン食べちゃったからなにかお返ししないと」

花丸「―ぽたぽた焼でいっか」



善子の家

善子「ふふふ……さっき果南が手に取った杖」スッ

善子「この杖には最高の魔力が宿っているからね、壊されなくてよかったわ」

善子「宇宙人に堕天使ヨハネの恐ろしさを見せつけてやるんだから」ギランッ

善子「―そうだ、なにかオーパーツでもあったら持って帰ろうかしら」

13: 2020/10/04(日) 13:56:18.44 ID:DkclxaU8
果南の家

果南「望遠鏡とカメラ、テントにランタン」

果南「あ、あと毛布も欲しいかな。段々肌寒くなってきたし」

果南「なんだかまるでキャンプにでも行くみたいだな、あはは」

ピンポーン

果南「お、来たかなん」

果南「や、いらっしゃい」ガラッ

果南「マル……すごい荷物だね、なに入ってるの?」

花丸「この中にはお夜食がいっぱい入ってるよ」

果南「全部食べ物?すごいなぁ」

果南「で、善子ちゃん。その格好は?マントがひらひらしてる」

善子「これが私の正装よ、宇宙人に堕天使ヨハネの存在を知らしめてやるの」

花丸「その変な杖で刺激したりしないでね」

善子「へっ!?し、しないわよそんな事!!」

花丸「もしかして図星?怪しいな~」ジーッ

果南「はいはい、そろそろ行くよ2人共」

花丸「どこに行くの?」

果南「とりあえず、UFOが飛んで行ったあの山に行ってみようか」

14: 2020/10/04(日) 13:56:50.93 ID:DkclxaU8
善子「はぁ……はぁ……まだ登るの?」フラフラ

花丸「マル、もう歩けない……」フラフラ

花丸「果南ちゃんおんぶして~」ダキッ

果南「おっと。はは、あと少しなんだけどな。しょうがないねぇ、ほら」グイッ

花丸「わ~い楽ちん楽ちん♪」

善子「ちょ、ズルいわよずら丸。私だって」

花丸「私だって?」

善子「わ、私だって、そのぅ……」カァァ

花丸「果南ちゃん、善子ちゃんもおんぶして欲しいみたいだよ」コソッ

果南「え?善子ちゃんも?流石に2人をおんぶするのは厳しいよ」

善子「へ、平気だってば!!堕天使をなめないでよね!!」

善子「―ふぅ……ふぅ……」

果南「ほら善子ちゃん、手出して」

善子「え?」スッ

果南「おんぶは出来ないけどこうやって引っ張って行ってあげる、頑張って」ギュッ

善子「果南……」

善子「……あ、ありがと」

16: 2020/10/04(日) 13:57:35.67 ID:DkclxaU8
果南「山頂に到着~ここからなら周りを見渡せるからUFOも見つかるかもね」

果南「ふんふんふふ~ん♪」カチャカチャ

花丸「お、おんぶしてもらって言うのもなんだけど果南ちゃんすごい体力……」

善子「私の事も引っ張って山を登ったってのに何事もないかのように動いてる……」

果南「―よし、テントの設営完了。疲れたらいつでも休んでいいからね」

果南「さっそくUFOを探してみよ」

花丸「ほら善子ちゃん、例のレーダー出して」

善子「え、えぇ」ゴソゴソ

果南「どう?反応ある?」

善子「うーん、今のところ反応無しね」

花丸「ま、そう都合よく現れたりしないよね」

果南「だね、UFOが来るまで星でも眺めていようか」

17: 2020/10/04(日) 13:58:15.28 ID:DkclxaU8
果南「ほら、あそこに明るく光る星が4つあるでしょ」

果南「アルフェラッツ、シェアト、マルカブ、アルゲニブ」

果南「あれが秋の四辺形と呼ばれるペガスス座の胴体なんだ、他の星座を探す時の目印にもなるんだよ」

花丸「ふんふんなるほどなるほど」

善子「星の名前って中々中二心をくすぐられるわね、イカすわ~」

花丸「あ、善子ちゃんぽたぽた焼食べる?」

善子「もらうわ、―これも案外イケるじゃない」サクサク

花丸「でしょ~」

果南「私にもちょうだい」

花丸「はいどーぞ」

果南「ありがと、―うん、おいし~」サクサク

善子「これ食べるとお茶飲みたくなるわね」

花丸「そう言うと思ってちゃーんと温かいお茶も持って来たよ」トポトポ

果南「はは、準備がいいねマル」

善子「ずずずっ……はぁ~ホッとするわぁ」

18: 2020/10/04(日) 13:58:52.19 ID:DkclxaU8
善子「―って、いつの間にかただの天体観測になってるじゃないの!!」

善子「なにのんびりおせんべいかじってお茶飲んでるのよ!!」

花丸「え~お茶飲みたいって言ったのは善子ちゃんじゃないの」

善子「こののほほんとした雰囲気についつい飲まれたわ!!」

果南「ん~UFOも探してはいるんだけどねぇ、今日は来ないのかな」

善子「なによ、言いだしっぺのくせに弱気ね。諦めるの?」

果南「いや、もちろん諦めるつもりなんかないさ」

果南「そろそろ善子ちゃんの魔方陣、試してみる?」

善子「おおっ!!とうとう私の出番ね、任せなさい」スッ

善子「この杖で地面に魔方陣を描いてっと……」ガリガリガリ

花丸「その杖、そうやって使うんだ」

善子「我が魔力をこの杖で増幅して魔方陣に注ぎ込む事によりその力を解放して」ブツブツ

善子「くっくっくっくっ………」

19: 2020/10/04(日) 13:59:34.12 ID:DkclxaU8
善子「完成よ、最後に魔方陣の中心に贄を捧げなさい」

果南「にえ?」ポカーン

善子「貢ぎ物よ貢ぎ物、それを捧げる事により魔方陣が展開されて効果を発揮するのよ」

花丸「て言っても食べ物しかないけど」

善子「それでいいわ、あなた達の持って来た食べ物を置きなさい」

果南「じゃあ私はわかめとお魚を」スッ

花丸「マルはのっぽパンとお芋を」スッ

善子「私はちゃんと用意してきたからね、ふっ」チャラッ

果南「おお、なにそれコイン?」

善子「魔力が込められたコインよ、これでUFOがやって来る事間違いなしね」

善子「ではさっそく……―来たれ……UFO!!」バッ

果南「UFO来~い」バッ

花丸「UFO来ぉ~い」バッ

シーン……

果南「なにも起きないね」

花丸「インチキ魔方陣かな?」

善子「ま、まだよ!!呼び掛けを続けなさい!!」

20: 2020/10/04(日) 14:00:22.56 ID:DkclxaU8
善子「来たれUFO!!―来たれUFO!!―来たれUFO!!」バッ

善子「来たれ~!!ゆ~ほ~!!」バッ

花丸「もうやめない?全然現れる気配がないよ」

善子「ぜぇっ……ぜぇっ……こ、こんなはずじゃ……」

花丸「叫んだらお腹空いてきた、もったいないからこののっぽパン食べよ」

善子「ちょ、なに贄に手を付けてるのよ!!」

花丸「だってもったいないし、あむっ……」

善子「あぁ~魔方陣の効力が切れる~!!」

果南「む~UFO~来~い!!」バッ

果南「―ん~これでもダメかぁ、どうすれば来てくれるのかなぁ」グゥ~

果南「およ、マルじゃないけど私もお腹空いたな」

果南「一旦休憩しようか、善子ちゃんもなにか食べよ」

善子「仕方ないわね……わかったわ」

花丸「うぅっ……なんだか寒くなってきた」

果南「焚き火でもして暖まろうか、今準備するね」

21: 2020/10/04(日) 14:00:55.72 ID:DkclxaU8
パチパチ……パチパチ……

花丸「ほっ……暖か~い」

花丸「そうだ、この焚き火を使ってお芋焼こっと」ガサッ

果南「ほい善子ちゃん、おにぎり食べる?」スッ

善子「随分大きなおにぎりね、―あむあむ」

花丸「このおにぎり、わかめ入ってる。おいしいね~」モグモグ

果南「でしょ、今朝獲れたばかりの新鮮なわかめを使っているんだよ」モグモグ

善子「あ~あこれじゃなにをしに来たのかわからないわね、とんだ無駄足だったわ」

果南「無駄足ではないでしょ、こうして3人で星を見たりおにぎり食べたりして。私は楽しいよ」

花丸「ま、キャンプでもしに来たと思えばこれはこれでアリかな」

善子「もうすっかりそっち路線に切り替えたのね……」

善子「儀式の手順は完璧だったはず、なにか抜けでもあったのかしら……」

22: 2020/10/04(日) 14:01:32.27 ID:DkclxaU8
花丸「うにゅ……うう~ん」ウトウト

花丸「なんか暖まってお腹いっぱいになったら眠くなってきた……」クシクシ

果南「眠い?テントに行って横になる?」

花丸「ううん、ここでいい」コテン

花丸「―すぅ……すぅ……」

果南「あらら、私の膝の上で寝ちゃったよ」ナデナデ

果南「そろそろお芋焼けそうなんだけどねぇ」ツンツン

善子「まったく、だらしがないわね。本当の夜はこれからよ」

果南「しょうがないよ、マルは今頃寝るんだろうから」

花丸「うへへ……むにゃむにゃ……」スリスリ

果南「ふふ、この甘えん坊め」ナデナデ

善子「……」ジーッ

善子「わ、私も魔力を供給しないといけないわね」

善子「あなたの生命力を分けなさい」

果南「よくわからないけど、どうぞ」ギュウッ

善子「―でへ」ニヘラ

23: 2020/10/04(日) 14:02:31.01 ID:DkclxaU8
善子「すぅ……すぅ……」

果南「善子ちゃんまで寝ちゃって、夜には強いんじゃなかったの?」

善子「んん……お母さ~ん、えへへ……」スリスリ

果南「甘えん坊がここにもひとり、と」ナデナデ

果南「お、お芋焼けたな、取っておこう」

果南「ふぁ……なんだか私も眠くなってきたかも……」ウトウト

果南「ん……ううん……」コックリコックリ




ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

果南「わっ!?な、なんの音?」パチッ

花丸「んん~うるさいなぁ~」ムクリ

善子「―はっ!?これはUFO探知レーダーの音!!」ガバッ

花丸「えっ?て事は……」

ゴゥンゴゥンゴゥン……

果南「あ、ああ、あああ……」

果南「ああぁぁ~!!ゆ~ほ~!!」

24: 2020/10/04(日) 14:03:27.15 ID:DkclxaU8
花丸「ゆ、UFOだ……」パチクリ

善子「夢……じゃないわよね」

果南「夢じゃない!!本当に現れたんだ!!」

花丸「すご~い!!本物だぁ~!!」

善子「でも、なぜ急に……はっ!?そうか!!」

善子「思い出した、炎よ。魔方陣の中に焚き火をした事で効果が発動したんだわ」

花丸「あ~そう言えばここ魔方陣の中だった」

花丸「―あ、お芋焼けてる。もしかしたらこの匂いにつられて来たのかもね」

果南「はは、それもあるかもねぇ」

善子「ちょ、こっちに降りて来るわよ」

果南「おっとどけなくちゃ、ほらよけて」サッ

ゴゥンゴゥンゴゥン……ズシーン……

花丸「大きい……これが果南ちゃんの見たUFO、はあぁ~」キラキラ

善子「まさかこの目でUFOを見られるなんて……」

果南「私達に会いに来てくれたのかな」

プシュッ!!ウィーン……

果南「あ、扉が開いたよ」

善子「下がりなさい!!なにを仕掛けてくるかわからないわよ!!」

花丸「うわわっ、果南ちゃ~ん」シュバッ

25: 2020/10/04(日) 14:04:18.54 ID:DkclxaU8
ペカーッ!!

花丸「うわっ、眩しっ!!」

善子「くっ、眩い光線で先制攻撃とはやるわね。防壁展開!!」ブンッ

果南「うっ……これじゃ宇宙人の姿がわからない……」

キラキラ……

果南「―お?収まった」

花丸「ねぇ、宇宙人は?」キョロキョロ

善子「―そこよっ!!」ビシッ

ユラユラ……

果南「ん~なにかぼんやりと黒っぽい影が見える……」

花丸「あれだ、きっと迷彩のスーツかなにか着てるんだ」

善子「て事はプレデター!?マズイ、ならばこちらも急いで魔界の悪魔を召喚しないと」バッ

果南「待って善子ちゃん」ガシッ

善子「ふぎゃっ!?なにするのよ!?」

果南「いきなり喧嘩ごしじゃびっくりしちゃうよ、ここは私に任せて」

花丸「任せてって、どうするの……?」

果南「ん~そうだな……」

26: 2020/10/04(日) 14:04:55.69 ID:DkclxaU8
果南「よーし」ザッ

花丸「果南ちゃん!?」

善子「あ、危ないわよ!!近付かない方が」

果南「大丈夫、向こうも様子を見てるみたいだから」

果南「やぁ宇宙人さん、ようこそ地球へ。私は松浦果南」

果南「安心して、あなたに危害を加えたりはしないよ」

果南「よろしくね、一緒にハグしよ」パッ

花丸「宇宙人相手にハグを求めるなんて……」

善子「果南……恐ろしい子」

ペタ……ペタ……

果南「お、なんか触られてる感触。いいね、スキンシップから始めようか」

果南「そうだ、わかめ食べる?」スッ

フワッ……クルクル……

善子「わかめが空中で回ってるわ……」

花丸「まるで品定めでもしてるみたいだね」

ユラユラ……

花丸「あ、わかめがUFOの中に」

果南「どうやら気に入ってもらえたみたいだね、マル達もハグしてみなよ」

善子「お、襲われたりしないかしら……」

花丸「宇宙人とのふぁーすとこんたくと……ドキドキしてきたよ」

28: 2020/10/04(日) 14:05:53.51 ID:DkclxaU8
ペタ……ペタ……

花丸「姿はよく見えないけど確かに触られてる感じが」

善子「なんだかちょっと変な気分ね」

コチョコチョ……

善子「きゃうっ!?ちょっと!!なにくすぐってるのよ!!」

ユラユラ~

果南「なんか肩を揺すって笑ってるように見えるねぇ」

花丸「あはは、意外とお茶目なところもあるんだ」

花丸「宇宙人さん、マルののっぽパンも食べる?おいしいよ」スッ

フワッ……クルクル……―ユラユラ……

花丸「のっぽパンもUFOの中に、宇宙人にも認められたんだ」

花丸「―って、あぁっ!!お芋まで持って行った~マルが食べようと思ってたのに~」

果南「また焼けばいいでしょ、宇宙人さんにあげな」

善子「ならば私はこのマントを」ファサ

果南「おぉ~マントをかけたら輪郭がわかってきたね」

花丸「身長は果南ちゃんとそんなに変わらないんだ」

善子「嫌がる素振りを見せないとはこの宇宙人、よっぽど人間に慣れているのね」

善子「くくくっ……それならあなたも私のリトルデーモンにしてあげるわ」

善子「光栄に思いなさい、ギランッ!!」

ユランッ!!

29: 2020/10/04(日) 14:06:54.17 ID:DkclxaU8
花丸「そう言えば、この宇宙人さんはなにしに来たのかな」

善子「そうね、攻撃をしてこないところを見ると偵察かしら」

果南「宇宙人さん、地球にはなんの用で来たのかなん?」

ユラユラ……

果南「あ、しまった。言葉が通じないんだった」

果南「やっぱり宇宙語習っておけばよかったなぁ」

善子「だからないってば宇宙語なんて」

(……シヨ)

花丸「あれ?なにか聞こえた?」

果南「本当だ、頭の中でなにか囁いてるような」

(アンシンシテ、アナタニキガイヲクワエタリハシナイヨ……)

(ヨロシクネ、イッショニハグシヨ)

善子「この宇宙人、直接脳内に語り掛けて……!!」

果南「私がさっき言ったセリフだ……」

ペタペタ……ペタペタ……

果南「―なるほどね、あなたも私と同じく私達と仲良くなりたかったんだね」

ユラユラ~♪

30: 2020/10/04(日) 14:07:45.40 ID:DkclxaU8
果南「それにしてもUFOってこんな感じなんだ」コンコン

花丸「やっぱり宇宙人はマル達の想像を越えた科学力を持ってる、人間じゃこんなの作れないよ」サワサワ

善子「どうせなら中も見てみたいわね」

ベシベシベシベシッ

善子「痛い痛い痛い!!」

花丸「あはは、中を見られるのはイヤだってさ」

果南「まだそこまでは仲良くなってないか、しょうがないね」

花丸「今度来た時はぜひUFOの中も見せて欲しいな」

花丸「写真も……ダメ、だよね」

果南「こうして私達の目で見られるだけでもヨシとしよう、しっかり目に焼き付けておきな」

果南「宇宙人さん、この辺にいるのかな」ナデナデ

ユラユラ……

果南「お、触れた。意外と筋肉質。あなたも鍛えているのかな」

花丸「マルも触りた~い」ナデナデ

善子「まるでマスコット扱いね……」

31: 2020/10/04(日) 14:08:25.89 ID:DkclxaU8
ペカペカ……ペカペカ……

果南「ん?UFOが点滅し始めた」

ユラユラ……プシュッ!!ウィーン……

花丸「あ、宇宙人さんがUFOに戻って行く」

善子「帰還するのかしら、せめて少しだけでも中を」チラッ

ペッカーッ!!

善子「ぐぎゃあ!?目が、目が~!!」

ウィーン……パタン ゴゥンゴゥンゴゥン……

花丸「また宇宙に戻って行くんだね」

善子「結局最後まで姿を見せなかったわねあの宇宙人」

花丸「でもさ、マル達宇宙人さんと確かにコミュニケーション取ったよね」

花丸「あの感触と頭に響いてきた声……」

果南「うん、あれは忘れられないね」

果南「ハグも出来たしお土産も渡せたし、満足満足♪」

果南「宇宙人さん、また会おうね」

果南「それじゃ、もう遅いしこのままテントに泊まっていこうか」

32: 2020/10/04(日) 14:09:23.27 ID:DkclxaU8
次の日

果南「ん……んん~」パチッ

花丸「むにゃむにゃ……」ピトッ

善子「うへへへ……」ベッタリ

果南「やれやれ、大きいテントなのに二人共私にくっついて」

果南「ほら起きな、朝だよ」




花丸「ふぁ~興奮して眠れないかと思ったけどそんな事もなかったね」

善子「昨日UFOが現れたのが嘘みたいになにもないわね」

果南「でも私達はちゃんと覚えてるよ。さ、片付けして帰ろうか」

花丸「ほら善子ちゃんも手伝って」

善子「はいはい、―ん?なにかしらこれ」スッ

果南「なにそれ?」

善子「わからない、でもあのUFOの感触と似ているわ。UFOの外装の一部かしら」

善子「きっとこれはオーパーツね!!ようやく手に入れたわ」パァァ

花丸「マルにちょうだ~い」

善子「だ、ダメよ!!私が見つけたんだからね!!」サッ

花丸「ちぇっ、善子ちゃんのけちんぼ~」

果南「あはは、よかったね善子ちゃん」

33: 2020/10/04(日) 14:10:32.37 ID:DkclxaU8
数日後

果南「またこの山に来ちゃった、ここって意外と天体観測の穴場スポットかも」

果南「今日も星がよく見えそうだなぁ」カチャカチャ

果南「よし、始めるか」スッ





果南「―ん~秋の星空もいいもんだねぇ」

キラッキラキラッ

果南「お、あれは……」

果南「―遠いな……星なのかなあれ」

果南「ぴかぴか光るとついあのUFOかと思っちゃうな」

(イッショニハグシヨ……)

果南「え?」キョロキョロ

果南「今、あの宇宙人さんの声が聞こえたような……」

キラッキラッキラッ

果南「もしかしてあなたなの?」

ペカーッ

果南「はは、あの光は間違いない。この前のUFOだ」

果南「どこかへ行く途中かな?気をつけてね」

果南「今度会ったら一緒に星を見よ、ここから見る宇宙ってのも中々悪くないよ」

ペッカーッ!!

果南「ふふっ、さよなら宇宙人さん。またね」

34: 2020/10/04(日) 14:11:06.11 ID:DkclxaU8
終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

35: 2020/10/04(日) 14:30:42.61 ID:uwJap3/I
可愛くてよかった

39: 2020/10/04(日) 17:32:42.55 ID:H43CWR3R
お姉さん果南ちゃん最高ずらヨハねぇ…

40: 2020/10/04(日) 17:34:01.96 ID:qyw0hrox
ずらと1度も言わないのにずら丸と言われる理不尽ワロタ

45: 2020/10/05(月) 11:46:02.76 ID:NGMPwzjh
いや素晴らしい
果南ちゃんもマルちゃんも善子ちゃんもみんな可愛い
夢のある少し不思議な物語

43: 2020/10/04(日) 23:10:54.33 ID:zyeGGOdU
素晴らしい!乙です!

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1601786944/

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