4: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:45:58.53 ID:D1v7RdiB
菜々 (『大好き』に支えられてきた私が、『大好き』を隠すのは違う。そう決意して、公の場で正体をバラしたあの日から……)
菜々 (もちろん後悔はないですし、むしろ清々しい気持ちですが……少なからず悩ましいことも存在してて)
副会長 「せつ菜ちゃん!」 キラキラ
菜々 「あはは……」
書記1 「あのぉ……仕事が進んでないのですが……」
菜々 (もちろん後悔はないですし、むしろ清々しい気持ちですが……少なからず悩ましいことも存在してて)
副会長 「せつ菜ちゃん!」 キラキラ
菜々 「あはは……」
書記1 「あのぉ……仕事が進んでないのですが……」
5: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:46:49.99 ID:D1v7RdiB
副会長 「DON’T STOP MY LOVE!」 ギラッ
書記1 「ひっ!」
書記2 「あなたは吉川晃司さんですか……」 ハァ
菜々 (このように、明らかに生徒会活動に支障をきたしてしまってるのです)
菜々 「副会長!」
副会長 「えへへ、せつ菜ちゃん……」
書記1 「ひっ!」
書記2 「あなたは吉川晃司さんですか……」 ハァ
菜々 (このように、明らかに生徒会活動に支障をきたしてしまってるのです)
菜々 「副会長!」
副会長 「えへへ、せつ菜ちゃん……」
7: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:47:31.20 ID:D1v7RdiB
菜々 「副会長! 私の目を見なさい!」
副会長 「罵倒するせつ菜ちゃんも悪くない……」
菜々 「うぅ……どう対応するのが正解なんでしょう……」
副会長 「拗ねてるせつ菜ちゃんも可愛……」
菜々 「会長、です」
副会長 「それにしてもせつ菜ちゃんと一緒の空間にいるだなんて……」
菜々 「会長、ですっ!!!!」 ドンッ
副会長 「はっ!?」
副会長 「罵倒するせつ菜ちゃんも悪くない……」
菜々 「うぅ……どう対応するのが正解なんでしょう……」
副会長 「拗ねてるせつ菜ちゃんも可愛……」
菜々 「会長、です」
副会長 「それにしてもせつ菜ちゃんと一緒の空間にいるだなんて……」
菜々 「会長、ですっ!!!!」 ドンッ
副会長 「はっ!?」
11: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:49:12.65 ID:D1v7RdiB
菜々 「……あなたともあろう方が、公私混同し仕事を怠るなんて、らしくないですね」
副会長 「す、すいません、会長……! でもやっぱり目の前に大好きなせつ菜ちゃんがいると思うと……」
菜々 「それでもです! 良いですか!? 私はメガネをつけてる時は優木せつ菜ではなく、中川菜々です!! どっちも私ですが、仕事中はあくまで中川菜々として、今までと変わらず接してください!!」
副会長 「そ、そんな……」
副会長 「す、すいません、会長……! でもやっぱり目の前に大好きなせつ菜ちゃんがいると思うと……」
菜々 「それでもです! 良いですか!? 私はメガネをつけてる時は優木せつ菜ではなく、中川菜々です!! どっちも私ですが、仕事中はあくまで中川菜々として、今までと変わらず接してください!!」
副会長 「そ、そんな……」
13: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:49:53.76 ID:D1v7RdiB
菜々 「それと……タオルやらキーホルダーやら、せつ菜ちゃんグッズを生徒会室で纏うのをまずやめてください」
副会長 「なっ! 会長言えどそれを止める権利はありません! もはやこのグッズは私の制服と言っても過言ではないのです! 生徒手帳にも校則として載ってます!」
菜々 「載ってません!!」
副会長 「それにそんなこと言ったら、会長なんてせつ菜ちゃん本人なんだから、全身がせつ菜ちゃんグッズみたいなもんじゃないですか! きっーーー羨ましい!!」
菜々 「なっ、意味の分からない僻みはやめてください!」
副会長 「なっ! 会長言えどそれを止める権利はありません! もはやこのグッズは私の制服と言っても過言ではないのです! 生徒手帳にも校則として載ってます!」
菜々 「載ってません!!」
副会長 「それにそんなこと言ったら、会長なんてせつ菜ちゃん本人なんだから、全身がせつ菜ちゃんグッズみたいなもんじゃないですか! きっーーー羨ましい!!」
菜々 「なっ、意味の分からない僻みはやめてください!」
14: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:51:33.83 ID:D1v7RdiB
書記1 「しかし、会長……副会長の気持ちも分かってあげてください。ずっと心の奥底で我慢していた想いが、まさかの推しが目の前にいるという事実で、歯止めがきかなくなってしまったのです」
菜々 「そ、そうは言っても……」
書記2 「仕事をしないのは問題ですが、グッズに関しては許容してあげても良いんじゃないでしょうか? それすら認めなかったら、彼女何するか分かりませんよ?」
菜々 「……ですが私が恥ずかしいんです。目の前で自分のグッズを見せつけられると!」
副会長 「このグッズなんて、見てください、せつ菜ちゃんのサインがあるんですよ!」 ニコッ
菜々 「〜〜〜!!///」 カァァ
書記1 「追いうちかけないで!」
菜々 「そ、そうは言っても……」
書記2 「仕事をしないのは問題ですが、グッズに関しては許容してあげても良いんじゃないでしょうか? それすら認めなかったら、彼女何するか分かりませんよ?」
菜々 「……ですが私が恥ずかしいんです。目の前で自分のグッズを見せつけられると!」
副会長 「このグッズなんて、見てください、せつ菜ちゃんのサインがあるんですよ!」 ニコッ
菜々 「〜〜〜!!///」 カァァ
書記1 「追いうちかけないで!」
16: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:52:13.24 ID:D1v7RdiB
菜々 「とにかく! メガネをかけてる時は中川菜々として、会長として接してください! もしも規則を破ったら、今後せつ菜で出会った時も、あなたにだけ冷たい対応をしますよ?」
副会長 「そ、それは勘弁してください!!」 アセアセ
菜々 「……ならば、お願いしますね?」
副会長 「うぅ……分かりました……せつ……」
菜々 「せつ?」
副会長 「切ない心を持っている会長!」
菜々 「それでよろしい」
…
…
…
副会長 「そ、それは勘弁してください!!」 アセアセ
菜々 「……ならば、お願いしますね?」
副会長 「うぅ……分かりました……せつ……」
菜々 「せつ?」
副会長 「切ない心を持っている会長!」
菜々 「それでよろしい」
…
…
…
17: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:53:02.32 ID:D1v7RdiB
副会長 「会長。この書類なんですが」
菜々 「はい。問題ありませんよ」
副会長 「ではいつも通りハンコお願いします」
菜々 「了解です」 トンッ
書記1 「ふぅ、どうやら副会長もようやく割り切れたみたい」
書記2 「いやよく見て?」
書記1 「えっ?」
菜々 「はい。問題ありませんよ」
副会長 「ではいつも通りハンコお願いします」
菜々 「了解です」 トンッ
書記1 「ふぅ、どうやら副会長もようやく割り切れたみたい」
書記2 「いやよく見て?」
書記1 「えっ?」
18: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:54:02.91 ID:D1v7RdiB
副会長 「ではこの書類もハンコお願いします」
菜々 「分かりまし……」
【せつ菜ちゃん一日デート券】
優木せつ菜はこれを了承します。
菜々 「シュレッダーにかけておいてください」
書記2 「分かりました」 ウィーーーン
菜々 「それと、副会長。メガネがいつものと違いますね」
菜々 「分かりまし……」
【せつ菜ちゃん一日デート券】
優木せつ菜はこれを了承します。
菜々 「シュレッダーにかけておいてください」
書記2 「分かりました」 ウィーーーン
菜々 「それと、副会長。メガネがいつものと違いますね」
19: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:54:45.59 ID:D1v7RdiB
副会長 「えっ……!?/// やっぱりせつ菜ちゃん、私のことを見てくれて……」
菜々 「小型カメラ付きメガネなんて没収かつ破棄です」 バキッ
副会長 「あぁ! そんなまるでパキッとたれみたいに……」
書記1 「なんというか、攻防戦が繰り広げられている……!?」
書記2 「さすが一時期スパイ説もあった優木せつ菜……瞬時に見破るとは見事です」
菜々 「それはデマですからね!?」
菜々 「小型カメラ付きメガネなんて没収かつ破棄です」 バキッ
副会長 「あぁ! そんなまるでパキッとたれみたいに……」
書記1 「なんというか、攻防戦が繰り広げられている……!?」
書記2 「さすが一時期スパイ説もあった優木せつ菜……瞬時に見破るとは見事です」
菜々 「それはデマですからね!?」
20: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:55:29.85 ID:D1v7RdiB
副会長 「はぁ……ため息が出てしまいます……」
菜々 「こっちのセリフですよ!? 副会長……私はあなたを信用してるのです、仕事をしっかりこなしてください」
副会長 「で、ですが」
菜々 「そのかわり、せつ菜としてファンの一人であるあなたに会ったときは、あなたに『大好き』な想いを全力で届けますから」
副会長 「えっ!?///」 ドキッ
菜々 「こっちのセリフですよ!? 副会長……私はあなたを信用してるのです、仕事をしっかりこなしてください」
副会長 「で、ですが」
菜々 「そのかわり、せつ菜としてファンの一人であるあなたに会ったときは、あなたに『大好き』な想いを全力で届けますから」
副会長 「えっ!?///」 ドキッ
21: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:57:21.72 ID:D1v7RdiB
菜々 「ですから、生徒会として仕事をしている時は、中川菜々でいさせてください。私はどちらの自分にも誇りを持っているのです。ね? 副会長?」
副会長 「は、はい……///」
書記1 「一見、うまく解決したみたいですけど、これからも大変そうですね会長……」
書記2 「まあそのときは私たちが支えていきましょう」
菜々 「ではそろそろ部長会議の時間なので、会議室に移動しましょうか……って」 ヨロッ
副会長 「大丈夫ですか!? 会長!?」 ダキッ
副会長 「は、はい……///」
書記1 「一見、うまく解決したみたいですけど、これからも大変そうですね会長……」
書記2 「まあそのときは私たちが支えていきましょう」
菜々 「ではそろそろ部長会議の時間なので、会議室に移動しましょうか……って」 ヨロッ
副会長 「大丈夫ですか!? 会長!?」 ダキッ
22: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 18:58:15.20 ID:D1v7RdiB
菜々 「あはは、転びそうになってしまいました。ずっと座りっぱなしなのに急に立ち上がってはいけませんね。ありがとう副会長」
書記1 「って会長、メガネは?」
菜々 「副会長の肩にぶつかって勢いよく飛んでしまったようですね。拾いましょう」
副会長 「……」 ギュ
菜々 「えっと? 離してくれないと拾いに行けないのですが……副会長?」
副会長 (メガネをかけてない。つまり)
書記1 「って会長、メガネは?」
菜々 「副会長の肩にぶつかって勢いよく飛んでしまったようですね。拾いましょう」
副会長 「……」 ギュ
菜々 「えっと? 離してくれないと拾いに行けないのですが……副会長?」
副会長 (メガネをかけてない。つまり)
24: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:00:21.94 ID:D1v7RdiB
副会長 「せつ菜ちゃん!!!??」
菜々 「なっ!? メガネかけてなくても今は中川菜々ですよ!?」
副会長 「メガネをかけてない時は、せつ菜ちゃん扱いでも良い。二言はありませんよ!!」
菜々 「ひぃぃぃ!」
書記1 「私たちで支えていけるかな……?」
書記2 「……気合いで頑張るしかない」
…
…
…
菜々 「なっ!? メガネかけてなくても今は中川菜々ですよ!?」
副会長 「メガネをかけてない時は、せつ菜ちゃん扱いでも良い。二言はありませんよ!!」
菜々 「ひぃぃぃ!」
書記1 「私たちで支えていけるかな……?」
書記2 「……気合いで頑張るしかない」
…
…
…
26: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:01:52.32 ID:D1v7RdiB
副会長 (あれもダメ……これもダメ……)
副会長 「そもそも神聖なスクールアイドルのそばにいる、というのは矛盾してるんです」
副会長 「せつ菜ちゃんのファンはたくさんいる。なのに私だけがそばにいてこんなに幸せだなんて……」
副会長 「だからこそ、弁えないといけない。会長の言う通り、生徒会ではせつ菜ちゃんとして考えてはいけないんです」
副会長 (それに私は元々会長を尊敬していた……せつ菜ちゃんとはまた違う憧れ……同一人物だと分かっても、その想いだけは同一視したくない。会長は会長なんだ)
副会長 「そもそも神聖なスクールアイドルのそばにいる、というのは矛盾してるんです」
副会長 「せつ菜ちゃんのファンはたくさんいる。なのに私だけがそばにいてこんなに幸せだなんて……」
副会長 「だからこそ、弁えないといけない。会長の言う通り、生徒会ではせつ菜ちゃんとして考えてはいけないんです」
副会長 (それに私は元々会長を尊敬していた……せつ菜ちゃんとはまた違う憧れ……同一人物だと分かっても、その想いだけは同一視したくない。会長は会長なんだ)
27: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:02:44.82 ID:D1v7RdiB
副会長 「だからこそあれから我慢し続けました。しかし、会長自体が意識し過ぎというか、過剰反応になっているというか、流石に少し近寄るくらいでビビられても困ります」
副会長 「はぁ……難しい……」
ワイワイ
ワイワイ
副会長 「えっと、スクールアイドル同好会に書類を届けにきましたが、確かこの部室でしたよね?」
副会長 (今思えば、会長がスクールアイドル同好会に関する手続きだけは他の人に任せたがらなかった理由もよく分かります)
副会長 「はぁ……難しい……」
ワイワイ
ワイワイ
副会長 「えっと、スクールアイドル同好会に書類を届けにきましたが、確かこの部室でしたよね?」
副会長 (今思えば、会長がスクールアイドル同好会に関する手続きだけは他の人に任せたがらなかった理由もよく分かります)
28: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:03:23.42 ID:D1v7RdiB
ガチャ
副会長 「失礼しま……」
歩夢 「ねえしずくちゃん。こないだのせつ菜ちゃんのモノマネ、もう一回やってよ」
しずく 「え?」
歩夢 「ふふ、結構似てて実は気になってたんだ」
しずく 「もー仕方ないですねー」
しずく 「せつ菜ならここにいますよ? せつ菜スカーレットストームっ! ふぅ、今日もまた世界を救ってしまいましたーー!」
歩夢 「おおっ」 パチパチ
副会長 「……」
副会長 「……せつ菜ちゃんはここにいた」
…
…
…
副会長 「失礼しま……」
歩夢 「ねえしずくちゃん。こないだのせつ菜ちゃんのモノマネ、もう一回やってよ」
しずく 「え?」
歩夢 「ふふ、結構似てて実は気になってたんだ」
しずく 「もー仕方ないですねー」
しずく 「せつ菜ならここにいますよ? せつ菜スカーレットストームっ! ふぅ、今日もまた世界を救ってしまいましたーー!」
歩夢 「おおっ」 パチパチ
副会長 「……」
副会長 「……せつ菜ちゃんはここにいた」
…
…
…
29: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:05:25.52 ID:D1v7RdiB
書記2 「副会長、この書類なんですが」
副会長 「目を通しておきますね。そこに置いておいてください。それと次の会議の会議室は確保できましたか?」
書記2 「それが……少し難しいようで……」
副会長 「なぜです?」
書記1 「それは私から。実はプレゼンテーション同好会が使用したいらしくて……」
菜々 「……」
菜々 (副会長もようやく集中力が戻ったようですね。もちろん優木せつ菜的には、こんなにも喜んでくれるなんてすごく嬉しいですけど……だからってそれはそれ。生徒会長として、もう少し厳しくしなければ)
副会長 「目を通しておきますね。そこに置いておいてください。それと次の会議の会議室は確保できましたか?」
書記2 「それが……少し難しいようで……」
副会長 「なぜです?」
書記1 「それは私から。実はプレゼンテーション同好会が使用したいらしくて……」
菜々 「……」
菜々 (副会長もようやく集中力が戻ったようですね。もちろん優木せつ菜的には、こんなにも喜んでくれるなんてすごく嬉しいですけど……だからってそれはそれ。生徒会長として、もう少し厳しくしなければ)
30: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:06:17.78 ID:D1v7RdiB
副会長 「そうですか、なら改めて予定を考えないといけませんね……はぁ、私のミスだ」
菜々 「! 副会長、それはあなたのミスではありません。仮に生徒会のミスだとしても、あなた一人のミスではない!」
副会長 「し、しかし……」
しずく 「そうですよ副会長!! あなたは悪くありません!! この優木せつ菜がそう断言します!! あなたはあなたのできることをしましょう!!」
副会長 「うぅ……せつ菜ちゃん……ありがとう……!」 ポロポロ
菜々 「……」
菜々 「はい?」
菜々 「! 副会長、それはあなたのミスではありません。仮に生徒会のミスだとしても、あなた一人のミスではない!」
副会長 「し、しかし……」
しずく 「そうですよ副会長!! あなたは悪くありません!! この優木せつ菜がそう断言します!! あなたはあなたのできることをしましょう!!」
副会長 「うぅ……せつ菜ちゃん……ありがとう……!」 ポロポロ
菜々 「……」
菜々 「はい?」
31: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:07:21.87 ID:D1v7RdiB
菜々 (なんかもう一人いません? ていうか)
菜々 「しずくさん!? なぜここに!?」
しずく 「何言ってるんですか、せつ菜さん。私が優木せつ菜じゃないですか!」 ペカー
菜々 「???」
副会長 「せつ菜ちゃん……でもやっぱり私心折れそうだよ……だからあれやってくれる?」
しずく 「もちろんです!!」
菜々 「えっと、どういうことですか、あれは」
菜々 「しずくさん!? なぜここに!?」
しずく 「何言ってるんですか、せつ菜さん。私が優木せつ菜じゃないですか!」 ペカー
菜々 「???」
副会長 「せつ菜ちゃん……でもやっぱり私心折れそうだよ……だからあれやってくれる?」
しずく 「もちろんです!!」
菜々 「えっと、どういうことですか、あれは」
33: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:08:14.86 ID:D1v7RdiB
書記1 「私たちも明らかにおかしいとは思ってたんですけど……」
書記2 「優木せつ菜不足の彼女が覚悟の末辿り着いた答えなんです……いくら間違っていようと、それを安易に止められるはずがありません」
菜々 「いや、しかし……」
しずく 「優木に染まる! 行きますよーーー!
せつ菜スカーレットストームっ!!」 ダキッ
副会長 「うぅ……! せつ菜ちゃんの優しさが伝わってくるよぉぉ……!!」 ポロポロ
しずく 「なら良かったです!!」 ペカー
書記2 「優木せつ菜不足の彼女が覚悟の末辿り着いた答えなんです……いくら間違っていようと、それを安易に止められるはずがありません」
菜々 「いや、しかし……」
しずく 「優木に染まる! 行きますよーーー!
せつ菜スカーレットストームっ!!」 ダキッ
副会長 「うぅ……! せつ菜ちゃんの優しさが伝わってくるよぉぉ……!!」 ポロポロ
しずく 「なら良かったです!!」 ペカー
35: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:09:15.33 ID:D1v7RdiB
【報告】
高校1年生国際交流学科に所属してる桜坂しずくに対し、生徒会室をしばらく出禁とすることを命じる。
副会長 「せつ菜ちゃんを追放するなんて!! 酷いですよ!?」
菜々 「そのせつ菜は私なんですよ! 部外者を用もないのに生徒会室に入れないでください」
副会長 「せつ菜は私?? 会長がせつ菜ちゃん??」
菜々 (あれ、これもしかしてあまりのショックに記憶飛んでます?)
高校1年生国際交流学科に所属してる桜坂しずくに対し、生徒会室をしばらく出禁とすることを命じる。
副会長 「せつ菜ちゃんを追放するなんて!! 酷いですよ!?」
菜々 「そのせつ菜は私なんですよ! 部外者を用もないのに生徒会室に入れないでください」
副会長 「せつ菜は私?? 会長がせつ菜ちゃん??」
菜々 (あれ、これもしかしてあまりのショックに記憶飛んでます?)
37: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:10:46.56 ID:D1v7RdiB
せつ菜 「あっ、メガネ落とした」 ポトッ
副会長 「せつ菜ちゃん!?」
菜々 「無事にかけ直しました」 カチャ
副会長 「会長!? 今せつ菜ちゃんが近くに」
せつ菜 「あっ、メガネがピタゴラスイッチのように転がっていって」 ポトッ
副会長 「せつ菜ちゃん!? 瞬間移動!?」
菜々 「なんちゃってメガネ装着です」 カチャ
副会長 「会長!?」
菜々 (……ちょっと面白いかも、なんて思ってしまいました)
…
…
…
副会長 「せつ菜ちゃん!?」
菜々 「無事にかけ直しました」 カチャ
副会長 「会長!? 今せつ菜ちゃんが近くに」
せつ菜 「あっ、メガネがピタゴラスイッチのように転がっていって」 ポトッ
副会長 「せつ菜ちゃん!? 瞬間移動!?」
菜々 「なんちゃってメガネ装着です」 カチャ
副会長 「会長!?」
菜々 (……ちょっと面白いかも、なんて思ってしまいました)
…
…
…
38: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:11:24.14 ID:D1v7RdiB
副会長 「会長。提案があります」
菜々 「提案? 今ちょうど時間も空きましたし、分かりました、聞きましょう。もしかしてスクールアイドルフェスティバルに関する新しい企画でも思いつきました?」
副会長 「いえ、生徒会室におけるせつ菜ちゃんへの対応のことです」
菜々 「……記憶戻ったんですね」
副会長 「会長がせつ菜ちゃんと同一人物だという夢のような話を忘れるなんて、一時の気の迷いでした」
菜々 「現在進行形で気の迷いですよ、あなた」
菜々 「提案? 今ちょうど時間も空きましたし、分かりました、聞きましょう。もしかしてスクールアイドルフェスティバルに関する新しい企画でも思いつきました?」
副会長 「いえ、生徒会室におけるせつ菜ちゃんへの対応のことです」
菜々 「……記憶戻ったんですね」
副会長 「会長がせつ菜ちゃんと同一人物だという夢のような話を忘れるなんて、一時の気の迷いでした」
菜々 「現在進行形で気の迷いですよ、あなた」
39: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:13:24.01 ID:D1v7RdiB
副会長 「それで提案なんですが、もう少しだけ規制を緩めてくれませんか? せっかくせつ菜ちゃんと一緒に過ごせてるのに、せつ菜ちゃんに関するトークは全くできないなんて! そんなの厳しすぎますよ!」
菜々 「うーん、確かに厳しすぎるかもしれませんが、あなたの仕事に支障をきたしているのも事実じゃないですか。それに単純に私が恥ずかしいんですよ」
副会長 「恥ずかしがってるせつ……」
菜々 「せつ?」
副会長 「恥ずかしがってる切なそうに窓の外を眺める会長可愛いですね」
書記1 「毎回、会長切なくなってますね」
菜々 「うーん、確かに厳しすぎるかもしれませんが、あなたの仕事に支障をきたしているのも事実じゃないですか。それに単純に私が恥ずかしいんですよ」
副会長 「恥ずかしがってるせつ……」
菜々 「せつ?」
副会長 「恥ずかしがってる切なそうに窓の外を眺める会長可愛いですね」
書記1 「毎回、会長切なくなってますね」
40: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:14:26.66 ID:D1v7RdiB
菜々 「……とりあえず、生徒会室で優木せつ菜トークは禁止です」 プイッ
副会長 「ん? なぜ会長、私と目を合わせないんですか?」
菜々 「うるさいっ!///」
書記1 (あ、これさっき可愛いって言われたから照れてるんだ)
副会長 「……それにしても」
副会長 (優木せつ菜ちゃんの話ができないなんて……今までは我慢できてたけど……)
副会長 (今の私じゃ……つらくて仕方ないよ……)
副会長 「あぁせつ菜ちゃん。そしてもう一度! BE MY BABY!」
書記2 「相変わらずの吉川晃司節ですね」
副会長 「Ah Fu! Ha!」
…
…
…
副会長 「ん? なぜ会長、私と目を合わせないんですか?」
菜々 「うるさいっ!///」
書記1 (あ、これさっき可愛いって言われたから照れてるんだ)
副会長 「……それにしても」
副会長 (優木せつ菜ちゃんの話ができないなんて……今までは我慢できてたけど……)
副会長 (今の私じゃ……つらくて仕方ないよ……)
副会長 「あぁせつ菜ちゃん。そしてもう一度! BE MY BABY!」
書記2 「相変わらずの吉川晃司節ですね」
副会長 「Ah Fu! Ha!」
…
…
…
41: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:16:45.07 ID:D1v7RdiB
副会長 (せつ菜ちゃんが目の前にいる)
副会長 (しかし、同時に会長でもある。いや生徒会室ではむしろ会長でしかない。生徒会室ではせつ菜ちゃん禁止令が出るくらいなんだから)
副会長 (はぁ……せつ菜ちゃんに関するグッズも、トークも禁止。ならどうすればいいの? もうできることは妄想くらいしか……)
副会長 (ん? そうだ、なら思い込めば……!!)
菜々 「その結果がこれですか……」
書記2 「ええ。難しいことになりました」
副会長 (しかし、同時に会長でもある。いや生徒会室ではむしろ会長でしかない。生徒会室ではせつ菜ちゃん禁止令が出るくらいなんだから)
副会長 (はぁ……せつ菜ちゃんに関するグッズも、トークも禁止。ならどうすればいいの? もうできることは妄想くらいしか……)
副会長 (ん? そうだ、なら思い込めば……!!)
菜々 「その結果がこれですか……」
書記2 「ええ。難しいことになりました」
42: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:18:13.60 ID:D1v7RdiB
書記1 「まさか優木せつ菜ちゃんの幻覚を作って過ごすなんて……」
せつ菜(妄想) 「頑張ってください!! 副会長!!」
副会長 「うぉぉぉーーーー!! 頑張りますよぉぉぉーーーー!!」
菜々 「まあでも前回のしずくさんのように不法侵入者もいませんし、仕事は頑張るしで、別に問題はありませんね」
書記2 「それはそうですが……」
せつ菜(妄想) 「頑張ってください!! 副会長!!」
副会長 「うぉぉぉーーーー!! 頑張りますよぉぉぉーーーー!!」
菜々 「まあでも前回のしずくさんのように不法侵入者もいませんし、仕事は頑張るしで、別に問題はありませんね」
書記2 「それはそうですが……」
43: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:19:24.84 ID:D1v7RdiB
副会長 「あっ、この書類は会長に確認してもらわないと……」
せつ菜(妄想) 「大丈夫です!! 私が確認しました!!」 ペカー
副会長 「いやでも、せつ菜ちゃんじゃなく会長に確認して……」
副会長 (ん? せつ菜ちゃんが会長なんだから、つまりオッケーってことだよね?)
副会長 「はい! 認証! これもオッケー! 次にこの書類も合格!」 トンッ トンッ トンッ
せつ菜(妄想) 「どんどん次行っちゃいましょーーー!!」
菜々 「!? ちょ、あなたがハンコ押しちゃダメでしょ!?」
せつ菜(妄想) 「大丈夫です!! 私が確認しました!!」 ペカー
副会長 「いやでも、せつ菜ちゃんじゃなく会長に確認して……」
副会長 (ん? せつ菜ちゃんが会長なんだから、つまりオッケーってことだよね?)
副会長 「はい! 認証! これもオッケー! 次にこの書類も合格!」 トンッ トンッ トンッ
せつ菜(妄想) 「どんどん次行っちゃいましょーーー!!」
菜々 「!? ちょ、あなたがハンコ押しちゃダメでしょ!?」
44: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:20:29.83 ID:D1v7RdiB
副会長 「なんですか、会長! せつ菜ちゃんが許可してるんです! 文句はないですよね!?」
菜々 「なっ!?」
書記1 「ついにやばい領域まで……どうしましょう会長!?」
書記2 「最終手段として、医学同好会に協力申請する手がありますが……」
菜々 「いや、医学に頼る前に優木せつ菜に頼りましょう」
書記2 「えっ?」
菜々 「なっ!?」
書記1 「ついにやばい領域まで……どうしましょう会長!?」
書記2 「最終手段として、医学同好会に協力申請する手がありますが……」
菜々 「いや、医学に頼る前に優木せつ菜に頼りましょう」
書記2 「えっ?」
45: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:24:14.27 ID:D1v7RdiB
菜々 「……私は副会長の想いに応えなければいけません。幻覚には本物をぶつけるまで!」 パッ
せつ菜 「行きますよ!!」
書記1 「おおっ、本物の優木せつ菜ちゃんだ」
書記2 「目の前で変身を見るのは初めてですが、なるほど副会長があそこまでハマるのも少しは分かります」
せつ菜 「副会長! ハンコは会長が判断して押さないといけないんですよ!?」
副会長 「え!? せつ菜ちゃん!?」
せつ菜 「行きますよ!!」
書記1 「おおっ、本物の優木せつ菜ちゃんだ」
書記2 「目の前で変身を見るのは初めてですが、なるほど副会長があそこまでハマるのも少しは分かります」
せつ菜 「副会長! ハンコは会長が判断して押さないといけないんですよ!?」
副会長 「え!? せつ菜ちゃん!?」
46: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:25:40.01 ID:D1v7RdiB
せつ菜(妄想) 「構いません!! どんどんハンコ押しちゃいましょう!!」
副会長 「優木せつ菜ちゃんが二人!?」
せつ菜 「ちょ、どう見たって私が本物じゃないですか! いや偽物の私がどんな感じなのかは見えてないですけど」
せつ菜(妄想) 「おおっーーー!! まるでヒーローモノに一話はある、どちらが本物か友情パワーで当てる的なやつじゃないですか!!」
副会長 「あーなんか、特撮の話してるしこっちが本物のせつ菜ちゃんっぽい!」
副会長 「優木せつ菜ちゃんが二人!?」
せつ菜 「ちょ、どう見たって私が本物じゃないですか! いや偽物の私がどんな感じなのかは見えてないですけど」
せつ菜(妄想) 「おおっーーー!! まるでヒーローモノに一話はある、どちらが本物か友情パワーで当てる的なやつじゃないですか!!」
副会長 「あーなんか、特撮の話してるしこっちが本物のせつ菜ちゃんっぽい!」
47: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:26:14.39 ID:D1v7RdiB
せつ菜 「ええっ!? なら私も特撮の話をしなければ……」
せつ菜 (いや待ってください? 同じ話をしたところで、結局本物アピールはできないのでは? こうなったら、本物だからこそ知ってるとっておきの情報を……)
せつ菜 「このスマホを見てください! 優木せつ菜のプライベート写真ですよ! 特撮おもちゃを買いに行ってる私服姿なんて、本人しか持ってないはず……」
副会長 「優木せつ菜ちゃんはね」
せつ菜 「はい?」
せつ菜 (いや待ってください? 同じ話をしたところで、結局本物アピールはできないのでは? こうなったら、本物だからこそ知ってるとっておきの情報を……)
せつ菜 「このスマホを見てください! 優木せつ菜のプライベート写真ですよ! 特撮おもちゃを買いに行ってる私服姿なんて、本人しか持ってないはず……」
副会長 「優木せつ菜ちゃんはね」
せつ菜 「はい?」
48: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:28:45.95 ID:D1v7RdiB
副会長 「こんな中学生みたいな服は着ないし」
せつ菜 「な、なら動画はどうでしょう!」
せつ菜 『ちょ、侑さん!? もしかして動画撮ってます!?』
侑 『だって私服姿のせつ菜ちゃんが可愛すぎるんだYO!』
歩夢 『侑ちゃん……?』 ゴゴゴゴ
侑 『あ、歩夢……』
ザーザーザー
副会長 「そもそもせつ菜ちゃんはこんな照れないし」
せつ菜 「ええっ!?」
せつ菜 「な、なら動画はどうでしょう!」
せつ菜 『ちょ、侑さん!? もしかして動画撮ってます!?』
侑 『だって私服姿のせつ菜ちゃんが可愛すぎるんだYO!』
歩夢 『侑ちゃん……?』 ゴゴゴゴ
侑 『あ、歩夢……』
ザーザーザー
副会長 「そもそもせつ菜ちゃんはこんな照れないし」
せつ菜 「ええっ!?」
49: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:29:31.37 ID:D1v7RdiB
副会長 「やる事全部が私の理想を遥かに越えたかっこよさを秘めてなくちゃいけないの」
書記2 「幻覚を見過ぎた結果……副会長の中ですごい美化されてるみたいですね」
せつ菜 「いやしかし、これは事実で……」
副会長 「せつ菜ちゃんはそんなこと言わない!!」
せつ菜 「なっ……!」 ガーン
副会長 「行こう、せつ菜ちゃん!」
書記2 「幻覚を見過ぎた結果……副会長の中ですごい美化されてるみたいですね」
せつ菜 「いやしかし、これは事実で……」
副会長 「せつ菜ちゃんはそんなこと言わない!!」
せつ菜 「なっ……!」 ガーン
副会長 「行こう、せつ菜ちゃん!」
50: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:30:21.83 ID:D1v7RdiB
せつ菜(妄想) 「はいっ!!」 ペカー
ガチャ
書記1 「行っちゃいましたね……」
書記2 「あのまま学園中歩いてたら完全に不審者ですので、生徒会の名誉のために止めてきますね」 タッタッ
せつ菜 「わ……私が偽物に負けるなんて……」
せつ菜 「うぅ……」
…
…
…
ガチャ
書記1 「行っちゃいましたね……」
書記2 「あのまま学園中歩いてたら完全に不審者ですので、生徒会の名誉のために止めてきますね」 タッタッ
せつ菜 「わ……私が偽物に負けるなんて……」
せつ菜 「うぅ……」
…
…
…
54: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:40:01.60 ID:D1v7RdiB
せつ菜 「……」 ショボーン
歩夢 「……どうしたのかな、せつ菜ちゃん」
しずく 「……最近元気ないですよね」
歩夢 「しずくちゃんが生徒会を出禁になったのとは関係あるのかな」
しずく 「ふふ、全く関係ありません♡」
せつ菜 「実は副会長に距離を置かれてしまったんです」
歩夢 「ええっ!? どうして!?」
歩夢 「……どうしたのかな、せつ菜ちゃん」
しずく 「……最近元気ないですよね」
歩夢 「しずくちゃんが生徒会を出禁になったのとは関係あるのかな」
しずく 「ふふ、全く関係ありません♡」
せつ菜 「実は副会長に距離を置かれてしまったんです」
歩夢 「ええっ!? どうして!?」
55: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:40:39.41 ID:D1v7RdiB
せつ菜 「……副会長が幻覚の優木せつ菜と仲良くなってしまって、私が話しかけても軽くあしらわれてしまうし、挙句にこないだのライブにも来なかったんです。当たり前です、彼女の中ではせつ菜はライブじゃなく隣にいるんですから」
歩夢 「一言一句聞いてたけど、いまいち分からない……」
しずく 「うーん、話しかけても無駄だったんですよね?」
せつ菜 「はい……」
しずく 「なら本物だって見せつけてやれば良いんですよ! そうすれば聞く耳だって」
歩夢 「一言一句聞いてたけど、いまいち分からない……」
しずく 「うーん、話しかけても無駄だったんですよね?」
せつ菜 「はい……」
しずく 「なら本物だって見せつけてやれば良いんですよ! そうすれば聞く耳だって」
56: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:41:24.13 ID:D1v7RdiB
せつ菜 「動画を見せてもダメでした。それにライブにはそもそも来てくれない。この状態でどうすれば良いんですかっ!!」
しずく 「……」
歩夢 「……」
せつ菜 「あっ……ごめんなさい……二人は何も悪くないのに……」
歩夢 「……ライブって、ステージがなくちゃダメなのかな」
せつ菜 「えっ?」
しずく 「……」
歩夢 「……」
せつ菜 「あっ……ごめんなさい……二人は何も悪くないのに……」
歩夢 「……ライブって、ステージがなくちゃダメなのかな」
せつ菜 「えっ?」
57: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:42:10.40 ID:D1v7RdiB
歩夢 「私もね、侑ちゃんにだけ見せたライブがあるんだ。それは帰り道の途中にあった階段だった……つまり、別にライブ会場じゃなくても良いんだよ」
歩夢 「届けたい人がいる場所が、あなたのステージなんだよ」
せつ菜 「!」
しずく 「私も生徒会室に居座った時期があるので分かりますが、意外とあの部屋は広いですよ? 大勢動員するならまだしも、生徒会のメンバーだけなら十分にライブができます!」
せつ菜 「歩夢さん……しずくさん……」
歩夢 「届けたい人がいる場所が、あなたのステージなんだよ」
せつ菜 「!」
しずく 「私も生徒会室に居座った時期があるので分かりますが、意外とあの部屋は広いですよ? 大勢動員するならまだしも、生徒会のメンバーだけなら十分にライブができます!」
せつ菜 「歩夢さん……しずくさん……」
58: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:44:07.04 ID:D1v7RdiB
しずく 「せつ菜さんにとって、あの生徒会室も、みんなも一つの『大好き』なんですよね? なら後悔する前に走ってください! まだ間に合います!」
歩夢 「さぁ、頑張ってきてせつ菜ちゃん! 始まったのなら貫くのみだよ!!」
せつ菜 「分かりました……」
せつ菜 (待っててください、副会長!)
せつ菜 「行ってきますっ!!!!」
…
…
…
歩夢 「さぁ、頑張ってきてせつ菜ちゃん! 始まったのなら貫くのみだよ!!」
せつ菜 「分かりました……」
せつ菜 (待っててください、副会長!)
せつ菜 「行ってきますっ!!!!」
…
…
…
59: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:45:10.33 ID:D1v7RdiB
副会長 「せつ菜ちゃん!」
せつ菜(妄想) 「なんですか、副会長?」
副会長 「ふふ、なんでもありません。話しかけただけです」
せつ菜(妄想) 「じゃあ私も返事しただけですね」
副会長・せつ菜(妄想) 「「ふふふ」」
書記1 「こんなときに会長は一体どこに……」
書記2 「やはり前回のショックが大きすぎたのかもしれません」
せつ菜(妄想) 「なんですか、副会長?」
副会長 「ふふ、なんでもありません。話しかけただけです」
せつ菜(妄想) 「じゃあ私も返事しただけですね」
副会長・せつ菜(妄想) 「「ふふふ」」
書記1 「こんなときに会長は一体どこに……」
書記2 「やはり前回のショックが大きすぎたのかもしれません」
60: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:48:52.74 ID:D1v7RdiB
ガチャ
書記2 「! 会長!」
?? 「お待たせしました……!」
書記1 「その姿は……! つまりそういうことなんですね会長!!」
?? 「はいっ、今の私は!」
せつ菜 「優木せつ菜です!!」
副会長 「!」
せつ菜 「聞いてください……っ! 『DIVE!』」
書記2 「! 会長!」
?? 「お待たせしました……!」
書記1 「その姿は……! つまりそういうことなんですね会長!!」
?? 「はいっ、今の私は!」
せつ菜 「優木せつ菜です!!」
副会長 「!」
せつ菜 「聞いてください……っ! 『DIVE!』」
61: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:49:37.23 ID:D1v7RdiB
せつ菜 「そう……っ、たーーーーーーーかくぅぅ!!」
書記1 「狭い場所なのもあって、すごく声が響きますね……会長……! かっこいい!」
書記2 「頑張って会長ぉぉーー!!」
副会長 「……」 ポロポロ
副会長 「あれ? どうしてだろう?」 ポロポロ
副会長 「この曲はもう何回も聞いてるはずなのに……十分何回も泣いたのに……」 ポロポロ
副会長 「また涙が止まらない……」 ポロポロ
書記1 「狭い場所なのもあって、すごく声が響きますね……会長……! かっこいい!」
書記2 「頑張って会長ぉぉーー!!」
副会長 「……」 ポロポロ
副会長 「あれ? どうしてだろう?」 ポロポロ
副会長 「この曲はもう何回も聞いてるはずなのに……十分何回も泣いたのに……」 ポロポロ
副会長 「また涙が止まらない……」 ポロポロ
62: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:50:37.39 ID:D1v7RdiB
せつ菜 (届いてますか。副会長?)
せつ菜 (いつも一緒にいた人間が、あなたの大好きだったアイドルだった)
せつ菜(……そんなことがあったら、当然慌ててしまいますよね。私もスクールアイドルが大好きだからすごく分かります)
せつ菜 (でもだからこそ言わせてください
せつ菜 (いつも一緒にいた人間が、あなたの大好きだったアイドルだった)
せつ菜(……そんなことがあったら、当然慌ててしまいますよね。私もスクールアイドルが大好きだからすごく分かります)
せつ菜 (でもだからこそ言わせてください
63: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:51:06.07 ID:D1v7RdiB
せつ菜 (せつ菜に憧れるなら、せつ菜のライブに来てください。あなたの声が聞こえないと、少し寂しいんです)
せつ菜 (菜々に憧れるなら、生徒会ではせつ菜じゃなく会長として接してください。せつ菜に嫉妬しちゃうじゃないですか)
せつ菜 (……ねぇ、聞こえてますか。副会長)
副会長 「うぅ……せつ菜ちゃ……ん……」 ポロポロ
副会長 「ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!」 ポロポロ
…
…
…
せつ菜 (菜々に憧れるなら、生徒会ではせつ菜じゃなく会長として接してください。せつ菜に嫉妬しちゃうじゃないですか)
せつ菜 (……ねぇ、聞こえてますか。副会長)
副会長 「うぅ……せつ菜ちゃ……ん……」 ポロポロ
副会長 「ありがとぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー!!」 ポロポロ
…
…
…
64: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:52:45.93 ID:D1v7RdiB
副会長 「……ということで、妄想のせつ菜ちゃんとはお別れしてしまいましたが、改めて生徒会のみんな、そして会長と向き合いながら毎日を過ごすことになりました」
書記1 「何回聞いても、なんというか、めちゃくちゃな話ですね」
書記2 「なにはともあれ、無事この生徒会が元通りになったなら良かったよ」
菜々 「……何お喋りしてるんですか。まだ仕事は終わってませんよ?」
副会長 「は、はい! すみません! 今やります!」
副会長 (……もちろんせつ菜ちゃんは大好きだけど、妄想に逃げようとした私を止めてくれた会長も、やっぱり憧れのままで)
書記1 「何回聞いても、なんというか、めちゃくちゃな話ですね」
書記2 「なにはともあれ、無事この生徒会が元通りになったなら良かったよ」
菜々 「……何お喋りしてるんですか。まだ仕事は終わってませんよ?」
副会長 「は、はい! すみません! 今やります!」
副会長 (……もちろんせつ菜ちゃんは大好きだけど、妄想に逃げようとした私を止めてくれた会長も、やっぱり憧れのままで)
65: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:53:33.28 ID:D1v7RdiB
副会長 (だからこそ言わせてください!)
副会長 「ありがとうございます! せつ菜ちゃん! 会長!」 ペコッ
菜々 「! ……せつ菜は余計です。ここでは会長ですから」
副会長 「いえ、私は二人ともに感謝してますから!」
菜々 「……もう好きにしてください」 プイッ
副会長 「?」
菜々 「///」
書記1 (また会長照れてる……)
おわり
副会長 「ありがとうございます! せつ菜ちゃん! 会長!」 ペコッ
菜々 「! ……せつ菜は余計です。ここでは会長ですから」
副会長 「いえ、私は二人ともに感謝してますから!」
菜々 「……もう好きにしてください」 プイッ
副会長 「?」
菜々 「///」
書記1 (また会長照れてる……)
おわり
72: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 19:59:16.13 ID:D1v7RdiB
ありがとうございました。
六話での副会長のリアクションが印象に残ったので、一つ書かせてもらいました。
今回はギャグ寄りになってしまいましたが、もっと日常寄りの副菜々も、書いてみたいと思ったので近いうちに投稿するかもしれません。
前作
【ss】かすみんBOX vs 彼方ちゃんてるてる坊主
https://itest.2ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1649930990/
前々作
璃奈 「すべり台……楽しい、好き」 スッーー
https://itest.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1649672884/
六話での副会長のリアクションが印象に残ったので、一つ書かせてもらいました。
今回はギャグ寄りになってしまいましたが、もっと日常寄りの副菜々も、書いてみたいと思ったので近いうちに投稿するかもしれません。
前作
【ss】かすみんBOX vs 彼方ちゃんてるてる坊主
https://itest.2ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1649930990/
前々作
璃奈 「すべり台……楽しい、好き」 スッーー
https://itest.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1649672884/
73: (やわらか銀行) 2022/05/08(日) 20:01:50.66 ID:D1v7RdiB
また、投稿途中に、「副菜々をいつも書く人」というレスがありましたが、違う人です。
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1652003092/