【SS】花帆「梢センパイがゼクシィ読んでた……」【ラブライブ!蓮ノ空】

SS


1: (茸) 2023/04/27(木) 10:18:44.10 ID:nqejJXVa
さやか「……えっ?」

花帆「ど、どうしよう!梢センパイ結婚するんだー!」

さやか「落ち着いてください花帆さん、流石に早計ですよ」

花帆「うぅ……でも梢センパイってお嬢様なんだよ?」

花帆「きっとお相手は舞踏会で出会った、爵位持ちの貴族の長男なんだ……うぅ」

さやか「いったいいつの封建社会ですか……」
 
2: (茸) 2023/04/27(木) 10:21:21.19 ID:nqejJXVa
さやか「でも確かに、学生の身で結婚情報誌を読むなんて気になりますね」

花帆「だよね!? あたし達が知らないだけで、結婚を前提にお付き合いしてる人がいるのかも、ってずっと考えちゃって……」

さやか「スクールアイドルと言えどもアイドルですから、徹底的に隠してる可能性は無いとも言い切れません」

さやか「特に乙宗先輩はしっかりした方ですから、ユニットメンバーである花帆さんにも情報を漏らしていないこともあり得ます」

花帆「がーん!!あたしそんなに口軽いかな!?」

さやか「別にそういうわけではなくて!」

花帆「うぁーん!梢センパイ結婚しちゃうんだー!」
 
3: (茸) 2023/04/27(木) 10:23:51.21 ID:nqejJXVa
さやか「でも花帆さん、真相を知るには本人に聞くのが一番です」

花帆「センパイ、教えてくれるかな……」

さやか「確かにはぐらかされる可能性もあります、でも花帆さん」

さやか「乙宗先輩が花帆さんのことを誰よりも信頼してるのは、花帆さんだって知ってるはずです」

花帆さん「さやかちゃん……」

さやか「ちゃんと、真剣に聞いたら教えてくれるかもしれません。花帆さん、逃げたらだめ、ですよ」

花帆さん「うぅ……うん! ありがとう、さやかちゃん。あたし勇気出して聞いてみる!」

さやか「頑張ってくださいね、私も後ほど綴理先輩が何か知らないか聞いてみますので」
 
4: (茸) 2023/04/27(木) 10:24:59.68 ID:nqejJXVa


花帆「綴理先輩もゼクシィ読んでた……」

さやか「」バキッ

花帆「部室こっそり覗いたら、二人でゼクシィ読んでた……うぅ、結婚するんだー!!」

さやか(綴理先輩が幸せになるなら、それは私にとっても喜ばしいことのはずです)

さやか(でもなんででしょう……綴理先輩が他の誰かに起こされて、ご飯を作ってもらって、隣に立って……って光景を思い浮かべると)

花帆「もしかして二人で結婚するのかな……」

さやか「えっ!?」

花帆「だってだって、二人でゼクシィ読むんだよ? ぜったい式場とかドレス選んでるに決まってるよ」

さやか「ごめんなさい花帆さん、事態を甘く見ていたようです」
 
5: (茸) 2023/04/27(木) 10:29:32.52 ID:nqejJXVa
花帆「わ、待って待ってさやかちゃん!ほんとに突撃するの!?」

さやか「はい、します」

さやか(綴理先輩にお相手がいるかもしれないこと、それが乙宗先輩かもしれないこと……何故かモヤモヤしますがそれより重要なことがあります)

さやか(綴理先輩の生活を支えている私に相談も無く、大事な選択をしようとするなんて!)

花帆「さ、さやかちゃん……? 顔怖いよ?」

さやか「花帆さん、あなたも覚悟を決めてください」

花帆「!!? わ、わかった!」

花帆「行くぞー!」
 
6: (茸) 2023/04/27(木) 10:29:59.12 ID:nqejJXVa
梢「にしても、こんな雑誌が部室に残ってるなんてね」

綴理「こず、良いアイデアになりそうなのあった?」

梢「うーんどうかしら、衣装にドレスやタキシードのデザインを取り入れてみるのはアリかも知れないわね」

綴理「結構色んな形のがあるんだね、全然知らなかった」

梢「ふふっ、こんなの、本当に結婚する時にしか読まないものだもの」

綴理「うん……うん? 足音だ、怒ってる?」

梢「えっ?」

ドタドタ
 
さやか「遊びだったんですか!?」バーン

花帆「あ、遊びだったんですかー!」
 
7: (茸) 2023/04/27(木) 10:30:28.17 ID:nqejJXVa


さやか「ご、ごめんなさい。とんでもない勘違いを……」

花帆「あたしが発端なんです、ごめんなさい……」

綴理「修羅場ってこんな感じなんだね。今日は知らなかったことをよく知れる日だね」

梢「それはちょっと違うと思うけれど……」

梢「まあ、いいわ。とりあえず二人とも。想像力が豊かなのは良いことよ? でも自分の思い込みで暴走したらいけないわ」

綴理「今のこず、怒ってるけど怒ってないね。嬉しそうに見える」

梢「綴理、余計なこと言わないで」
 
9: (茸) 2023/04/27(木) 10:30:55.02 ID:nqejJXVa
梢「でも二人がそこまで私達のこと大切に想ってくれていたなんて、なんだか照れてしまうわね」

花帆「! もちろんです! 梢センパイも綴理センパイもあたしの大事な、憧れのセンパイなんです。隠し事なんて嫌です……」
 
綴理「さや安心して。ボクはさや以外のお弁当を食べたりしないよ」

さやか「それは食べてください……でも、なんだかホッとしてしまいました」

綴理「さや、ボクはさやが大好きだから大丈夫だよ」

さやか「」

綴理「さや、固まっちゃった」
 
10: (茸) 2023/04/27(木) 10:32:07.07 ID:nqejJXVa
いたなんて、なんだか照れてしまうわね」

花帆「! もちろんです! 梢センパイも綴理センパイもあたしの大事な、憧れのセンパイなんです。隠し事なんて嫌です……」
 
綴理「さや安心して。ボクはさや以外のお弁当を食べたりしないよ」

さやか「それは食べてください……でも、なんだかホッとしてしまいました」

綴理「さや、ボクはさやが大好きだから大丈夫だよ」

さやか「」

綴理「さや、固まっちゃった」

梢「あー……花帆さん、ちょっと場所を変えましょうか」

花帆「? はい!」
 
11: (茸) 2023/04/27(木) 10:32:44.13 ID:nqejJXVa
梢「今回は勘違いだったけれど、もしそんな相手が出来ることがあったら、私は花帆さんに隠したりしないつもりよ」

花帆「梢センパイ……その、本当にできた時は、隠してほしいかもーって……あはは」

梢「あら、それはどうして?」

花帆「たぶんあたし、耐えられないです」

花帆「梢センパイがどこかへ行って、あたしじゃない人がもっと近くに立ってるなんて……」

梢「花帆、さん……」
 
12: (茸) 2023/04/27(木) 10:33:06.41 ID:nqejJXVa
花帆「もちろん、梢センパイが幸せになったらあたしもすっごい幸せです!」

花帆「でも、想像するとちょっとズキズキするんです。結婚式なんて、とっても大きくて豪華なステージなのに、あたしじゃない人が隣にいるって」

梢「……花帆さん。花帆さん、こっち向いて?」

花帆「……」

梢「素直な気持ちを打ち明けてくれてありがとう。私も先輩として……ううん、今あなたの隣にいる1人として言わなきゃいけないわね」

梢「あの雑誌、新郎新婦の写真がいくつも載ってるの。もちろん本当の夫婦じゃなくてモデルさんだと思うけれど、笑顔で白い装いに身を包んで載ってる」

梢「読みながら、あの写真を私と花帆さんに置き換えてたの」

花帆「へっ、梢センパイ……」
 
13: (茸) 2023/04/27(木) 10:33:24.33 ID:nqejJXVa
梢「私も私の中にある気持ちを全部言葉にはできないわ。きっともっと曖昧で、複雑なものが浮かんでいるの」

梢「でもね、結婚するって言うのは、人生を共に生きていくということ」

梢「一緒に暮らして、一緒に起きて。送り出して迎え入れて、何日も傍に居続ける。そんな二人」

花帆「そう、ですね」

梢「……私はね、花帆さんとのそんな日常を少し夢見てしまったわ。恥ずかしいから、本当に隠しておきたかったことなのだけれど」

花帆「ぁ、梢センパイ。梢センパイっ……」

梢「あらあら、そんなに抱き着かなくても、私は消えたりしないわ」

花帆「違うんです、あたし、我慢できなくて! 嬉しくて、本当に嬉しくて」

梢「……ええ」
 
14: (茸) 2023/04/27(木) 10:33:47.98 ID:nqejJXVa
梢「だから花帆さん、私のわがままがひとつ。これは先輩からの教えでも、ユニットメンバーとしてのお願いでもなくて、私という一人の人間のわがままなのだけれど」

花帆「はい、なんでも言ってください。梢センパイ!」

梢「ありがとう……私がこの気持ちの輪郭を掴めたとき、またちゃんと伝えさせて、花帆さん」

花帆「っはい! いくらでも、どんな大量でも受け止めますから!」

花帆「その時には、あたしも応えますから!」

梢(ああ、幸せ者ね。本当に、本当に)

梢(花帆さん。あなたが私に教えてくれるのは、先輩としての景色だけでなくて……)


花帆「……っ!!! せ、せせせ、センパイ!? い、いま。おでこっ……」

梢「ふふっ、とりあえず今は……ここまでにしておこうかしら」

花帆「こずえせんぱいぃ~~!」
 
15: (茸) 2023/04/27(木) 10:34:09.74 ID:nqejJXVa


綴理「さやも、おかしな勘違いしたりするんだね」

さやか「私だって人間ですから、当たり前です。今回は早とちりまでしてしまったので、先輩方には申し訳ない気持ちでいっぱいですが……」

綴理「そんなに気にしないでほしい。ボクは何も気にしてないから」

さやか「……すみません、ありがとうございます、綴理先輩」

綴理「ボクに何か大事なことがあったら、ちゃんとさやに相談すると思うから。これは約束」

さやか「……はい、わかりました」

綴理「あ。それじゃあ早速気になることあるんだけど、聞いてもいい?」

さやか「本当に早速ですね。はい、なんでしょう?」

綴理「さやは結婚式するなら、どんな式場がいい?」

さやか「」


~BONFIRE LIT~
 
16: (光) 2023/04/27(木) 10:38:08.64 ID:AtTP5QwW
ふふ、素敵ね
どちらのカップルも将来が楽しみだわ
 
18: (もんじゃ) 2023/04/27(木) 10:45:16.22 ID:47xgE/Ad
綴理センパイ、直球過ぎてさやかちゃんが固まってます!
 
19: (遊動国境) 2023/04/27(木) 10:48:15.49 ID:FHzhhk7G
梢のゼクシィ読んでそう感分かる
 
20: (SB-iPhone) 2023/04/27(木) 10:48:59.58 ID:hpNQjVWC
あらˆ~
素晴らしいですわゾ~
 
21: (茸) 2023/04/27(木) 10:52:24.50 ID:eFYCG9Zn
実際梢は普通に親が決めた見合い結婚だろうよ
 
22: (らっかせい) 2023/04/27(木) 10:55:33.64 ID:jhQ3AZgR
政治家や企業重役ならまだしも音楽一家に見合いいるか?
 
23: (茸) 2023/04/27(木) 10:56:28.09 ID:+CCoiFdY
梢先輩はちゃんと親と話してわかってもらう努力をするから
 
24: (しまむら) 2023/04/27(木) 11:08:56.38 ID:tZ5kk847
梢センパイ、俺のためにそこまでしてくれるのか、
 
25: (もんじゃ) 2023/04/27(木) 11:26:33.56 ID:o0mdnEjf
運命の人ね…
 
26: (しまむら) 2023/04/27(木) 11:33:35.81 ID:sCb1NpHj
そのころ慈と瑠璃乃は屈伸をしていた


 
27: (たこやき) 2023/04/27(木) 11:34:57.80 ID:pAdIajhi
結婚は準備と結婚式が一番楽しい
 
28: (しまむら) 2023/04/27(木) 11:34:59.86 ID:gfNYU58r
蓮のSSはなんかおしゃれで良い
 
29: (もんじゃ) 2023/04/27(木) 11:36:00.54 ID:0+iJAaxo
婚前交渉を控えられるか心配ね
 
30: (もんじゃ) 2023/04/27(木) 11:40:00.51 ID:te05jilN
篝火挙式っていうのもあるんですね!
白無垢を着た梢センパイ、きっと花のように美しくて目を奪われちゃいますね!

SSを読むたびに頭の中でキャラエミュレートして感想書くから少しずつこっちの解像度も上がっていく
 
31: (茸) 2023/04/27(木) 13:16:12.63 ID:zc1YOoC7
運命の人は目の前にいるのよね
 
33: (たこやき) 2023/04/27(木) 17:30:19.12 ID:U6cAyoP4
さやかちゃんも花帆ちゃんに負けず劣らず芯の強さはあるよね
とても素晴らしい作品でしたわ
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1682558324/

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