1: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:30:02.03 ID:GmBrtfoA
裏路地
タッタッタッ……
あなた「ターゲット発見。射撃する」
しずく〈了解しました〉
あなた「っ……!」スッ
パァン!
あなた「あっ」
しずく〈……先輩?〉
あなた「ごめん、しずくちゃん……外しちゃった」
しずく〈はぁ……〉
あなた「多分そっちの方に向かっ――」
パァン!
あなた「……たと思うんだけど」
しずく〈ターゲット、確保しました〉
あなた「そ、そう……じゃあ私、移送班呼ぶね……」
しずく〈お願いします〉
――――――
――――
――
タッタッタッ……
あなた「ターゲット発見。射撃する」
しずく〈了解しました〉
あなた「っ……!」スッ
パァン!
あなた「あっ」
しずく〈……先輩?〉
あなた「ごめん、しずくちゃん……外しちゃった」
しずく〈はぁ……〉
あなた「多分そっちの方に向かっ――」
パァン!
あなた「……たと思うんだけど」
しずく〈ターゲット、確保しました〉
あなた「そ、そう……じゃあ私、移送班呼ぶね……」
しずく〈お願いします〉
――――――
――――
――
3: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:33:05.62 ID:GmBrtfoA
2週間前
しずく「本日付でこちらに配属になりました桜坂しずくです」
あなた「あ……うん」
しずく「……あなたですよね? 私のパートナーは」
あなた「パートナー……」
しずく「バディ、相棒、呼び方はなんでも構いませんが……私と組むんですよね?」
あなた「まあ、そうだけど……」
しずく「とても優秀な方だと伺っています。今日からよろしくお願いします」
あなた「うん……こちらこそよろしく……」
………………
…………
……
しずく「ひとつお聞きしたいのですが……」
あなた「なに?」
しずく「ここっていつもこんな感じなんですか?」
愛「おっ、ミアチ今日のは何バーガー?」
ミア「山賊焼きバーガー」
しずく「本日付でこちらに配属になりました桜坂しずくです」
あなた「あ……うん」
しずく「……あなたですよね? 私のパートナーは」
あなた「パートナー……」
しずく「バディ、相棒、呼び方はなんでも構いませんが……私と組むんですよね?」
あなた「まあ、そうだけど……」
しずく「とても優秀な方だと伺っています。今日からよろしくお願いします」
あなた「うん……こちらこそよろしく……」
………………
…………
……
しずく「ひとつお聞きしたいのですが……」
あなた「なに?」
しずく「ここっていつもこんな感じなんですか?」
愛「おっ、ミアチ今日のは何バーガー?」
ミア「山賊焼きバーガー」
4: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:36:03.54 ID:GmBrtfoA
愛「へー……なんで揚げてるのに山賊“焼き”なの?」
ミア「ボクが知るわけないだろ」
あなた「ミアちゃん、ハンバーガー好きだからね」
しずく「……まだお昼前ですけど」
あなた「それはほら、食べられるうちに食べとかないと、いつ出動かわからないし……」
しずく「なら私たちもなにか食べませんか? もう机も片付きましたから」
あなた「え……私も?」
しずく「これからは一緒に動くわけですし、お互いのことを知っておくべきかと」
ランジュ「アナタたち、今からお昼なの? だったらランジュたちと一緒に食べましょ!」
食堂
エマ「ん~! パンとライスとパンのセット、とってもボーノだよ~!」
しずく「斬新なメニューですね……」
ランジュ「エマのお昼はいつもそれよね」
エマ「いつもじゃないよ? 昨日はライスとパンとライスのセットだったもん」
しずく「……まずあなたをなんて呼んだらいいですか?」
ミア「ボクが知るわけないだろ」
あなた「ミアちゃん、ハンバーガー好きだからね」
しずく「……まだお昼前ですけど」
あなた「それはほら、食べられるうちに食べとかないと、いつ出動かわからないし……」
しずく「なら私たちもなにか食べませんか? もう机も片付きましたから」
あなた「え……私も?」
しずく「これからは一緒に動くわけですし、お互いのことを知っておくべきかと」
ランジュ「アナタたち、今からお昼なの? だったらランジュたちと一緒に食べましょ!」
食堂
エマ「ん~! パンとライスとパンのセット、とってもボーノだよ~!」
しずく「斬新なメニューですね……」
ランジュ「エマのお昼はいつもそれよね」
エマ「いつもじゃないよ? 昨日はライスとパンとライスのセットだったもん」
しずく「……まずあなたをなんて呼んだらいいですか?」
6: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:39:00.72 ID:GmBrtfoA
あなた「さあ……? お好きにどうぞ……」
しずく「うーん……では無難に“先輩”とお呼びしますね」
あなた「うん……」
しずく「先輩も私のことは好きに呼んでください」
あなた「あー、じゃあ……えっと、なんだっけ?」
しずく「桜坂しずくです。どうして覚えてないんですか……」
あなた「ご、ごめん……桜坂さん」
しずく「……なんだかしっくりきませんね。別の呼び方でお願いします」
あなた「好きに呼べって言ったじゃん……」ボソッ
しずく「なんですか?」
あなた「いや、なんでも……ならしずくちゃんで」
しずく「ふむ……まあいいでしょう」
ピリリリリ!
あなた「はい……了解」
しずく「どうしました?」
あなた「仕事だよ。行こう」
しずく「はいっ!」
しずく「うーん……では無難に“先輩”とお呼びしますね」
あなた「うん……」
しずく「先輩も私のことは好きに呼んでください」
あなた「あー、じゃあ……えっと、なんだっけ?」
しずく「桜坂しずくです。どうして覚えてないんですか……」
あなた「ご、ごめん……桜坂さん」
しずく「……なんだかしっくりきませんね。別の呼び方でお願いします」
あなた「好きに呼べって言ったじゃん……」ボソッ
しずく「なんですか?」
あなた「いや、なんでも……ならしずくちゃんで」
しずく「ふむ……まあいいでしょう」
ピリリリリ!
あなた「はい……了解」
しずく「どうしました?」
あなた「仕事だよ。行こう」
しずく「はいっ!」
7: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:42:03.55 ID:GmBrtfoA
銃器保管室
しずく「エマさんとランジュさんは同じ銃を使っているんですね」
ランジュ「そうよ。エマとおそろいにしたの!」
ミア「それってなにか意味あるの?」
ランジュ「エマとランジュが仲良しだってわかるでしょ?」
ミア「……特に意味はないってことか」
愛「おっと、愛さんとミアチはおそろじゃなくても仲良しだぞ~?」
ミア「なんで張り合うんだよ……」
しずく「あはは……」
エマ「ん……? あっ! しずくちゃんたちもおそろいにしてるんだね!」
しずく「はい?」
エマ「だってその銃……」
しずく「あっ」
あなた「えっ、なに……?」カチャッ
しずく「これは違います! たまたまですから!」
愛エマランミア「へ~……」
しずく「ほんとに違いますからねっ!」
あなた「あ、うん……」カチッカチッ
しずく「エマさんとランジュさんは同じ銃を使っているんですね」
ランジュ「そうよ。エマとおそろいにしたの!」
ミア「それってなにか意味あるの?」
ランジュ「エマとランジュが仲良しだってわかるでしょ?」
ミア「……特に意味はないってことか」
愛「おっと、愛さんとミアチはおそろじゃなくても仲良しだぞ~?」
ミア「なんで張り合うんだよ……」
しずく「あはは……」
エマ「ん……? あっ! しずくちゃんたちもおそろいにしてるんだね!」
しずく「はい?」
エマ「だってその銃……」
しずく「あっ」
あなた「えっ、なに……?」カチャッ
しずく「これは違います! たまたまですから!」
愛エマランミア「へ~……」
しずく「ほんとに違いますからねっ!」
あなた「あ、うん……」カチッカチッ
8: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:45:04.64 ID:GmBrtfoA
商店街
しずく「ターゲットは連続爆弾魔ですか……」
あなた「ここは人が多いから慎重にね」
しずく「わかってます。抵抗したら射〇してもいいんですよね?」
あなた「射〇はあくまでも最後の手段だから……できれば生け捕りで」
しずく「……善処します」
あなた「…………」
しずく「あっ! 先輩、あれって」
あなた「……うん、間違いない」
しずく「ターゲットを発見。追跡を開始します」
………………
…………
……
しずく「……左に曲がりました」
あなた「たしかその先は行き止まりだったはず……」
しずく「ならチャンスですね。確保しましょう」
あなた「待って待って! 爆弾持ってるかもしれないんだから……」
しずく「ターゲットは連続爆弾魔ですか……」
あなた「ここは人が多いから慎重にね」
しずく「わかってます。抵抗したら射〇してもいいんですよね?」
あなた「射〇はあくまでも最後の手段だから……できれば生け捕りで」
しずく「……善処します」
あなた「…………」
しずく「あっ! 先輩、あれって」
あなた「……うん、間違いない」
しずく「ターゲットを発見。追跡を開始します」
………………
…………
……
しずく「……左に曲がりました」
あなた「たしかその先は行き止まりだったはず……」
しずく「ならチャンスですね。確保しましょう」
あなた「待って待って! 爆弾持ってるかもしれないんだから……」
9: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:48:00.28 ID:GmBrtfoA
しずく「じゃあどうするんですか?」
あなた「……私が声をかける。しずくちゃんは隠れて待機してて」
しずく「わかりました。いざというときは私が、ということでいいですね?」
あなた「うん、お願い」
スタスタ……
あなた「こんにちは」
かすみ「っ!? こ、こんにちは……」
あなた「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
かすみ「……なんですか?」
あなた「うん……爆弾について少し――」
かすみ「!」ドンッ
あなた「うわっ!」ドサッ
タッタッタッ……
しずく「止まりなさい!」スチャッ
かすみ「ひいぃ! ごめんなさいごめんなさい! 逃げないから撃たないでぇ!!」
あなた「いてて……あれ?」
かすみ「あわわ……」ブルブル
あなた「……私が声をかける。しずくちゃんは隠れて待機してて」
しずく「わかりました。いざというときは私が、ということでいいですね?」
あなた「うん、お願い」
スタスタ……
あなた「こんにちは」
かすみ「っ!? こ、こんにちは……」
あなた「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
かすみ「……なんですか?」
あなた「うん……爆弾について少し――」
かすみ「!」ドンッ
あなた「うわっ!」ドサッ
タッタッタッ……
しずく「止まりなさい!」スチャッ
かすみ「ひいぃ! ごめんなさいごめんなさい! 逃げないから撃たないでぇ!!」
あなた「いてて……あれ?」
かすみ「あわわ……」ブルブル
10: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:51:00.79 ID:GmBrtfoA
取調室
彼方「――自分がやったって認めるんだね?」
かすみ「はい……かすみんがやりました……」
彼方「じゃあここでの取り調べはおしまい。続きは警察でね~」
かすみ「ええっ! これで全部終わりじゃないんですかぁ!?」
コンコン、ガチャッ
あなた「彼方さん、ちょっといい?」
彼方「ん? どうしたの?」
しずく「かすかすさんに聞きたいことがあるんです」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんなんだけど!!」
しずく「犯行に使った爆弾って、誰が作ったの?」
かすみ「……かすみんに決まってるでしょ」
しずく「取り調べの様子を見た限り、そうは思えないけど……」
かすみ「な、なんで?」
しずく「……言ってもいいんですかね?」
あなた「ちょっとかわいそうじゃないかなぁ」
かすみ「かわいそうってなんですか!?」
彼方「すやぁ……」
かすみ「寝ないでくださいっ!」
彼方「――自分がやったって認めるんだね?」
かすみ「はい……かすみんがやりました……」
彼方「じゃあここでの取り調べはおしまい。続きは警察でね~」
かすみ「ええっ! これで全部終わりじゃないんですかぁ!?」
コンコン、ガチャッ
あなた「彼方さん、ちょっといい?」
彼方「ん? どうしたの?」
しずく「かすかすさんに聞きたいことがあるんです」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんなんだけど!!」
しずく「犯行に使った爆弾って、誰が作ったの?」
かすみ「……かすみんに決まってるでしょ」
しずく「取り調べの様子を見た限り、そうは思えないけど……」
かすみ「な、なんで?」
しずく「……言ってもいいんですかね?」
あなた「ちょっとかわいそうじゃないかなぁ」
かすみ「かわいそうってなんですか!?」
彼方「すやぁ……」
かすみ「寝ないでくださいっ!」
11: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:54:01.58 ID:GmBrtfoA
夜 レストラン
栞子「どうでしたか? お仕事は……」
しずく「うーん……初日から出動だったけど、正直拍子抜けかな」
栞子「拍子抜け、ですか」
しずく「簡単に降参されちゃったからね。一発も撃たずに終わっちゃった」
栞子「……しずくさんが危険な目に遭わなくてよかったです」
しずく「栞子さん……私がどんなお仕事してるか知ってるよね?」
栞子「もちろんです。警察の手には負えない危険人物の逮捕や――」
栞子「裁判をすれば極刑確実の凶悪犯の確保、もしくは〇害……ですよね」
しずく「そう、つまり危険な目に遭うのが私のお仕事なの」
栞子「ですが……友人としてはやはり心配で……」
しずく「大丈夫! ちゃんと気をつけてるから」
栞子「…………」
しずく「それに私と組んでる先輩は優秀な人らしいし」
栞子「そうなのですか?」
しずく「……今のところはよくわからないけど」
栞子「本当に大丈夫なのでしょうか……」
栞子「どうでしたか? お仕事は……」
しずく「うーん……初日から出動だったけど、正直拍子抜けかな」
栞子「拍子抜け、ですか」
しずく「簡単に降参されちゃったからね。一発も撃たずに終わっちゃった」
栞子「……しずくさんが危険な目に遭わなくてよかったです」
しずく「栞子さん……私がどんなお仕事してるか知ってるよね?」
栞子「もちろんです。警察の手には負えない危険人物の逮捕や――」
栞子「裁判をすれば極刑確実の凶悪犯の確保、もしくは〇害……ですよね」
しずく「そう、つまり危険な目に遭うのが私のお仕事なの」
栞子「ですが……友人としてはやはり心配で……」
しずく「大丈夫! ちゃんと気をつけてるから」
栞子「…………」
しずく「それに私と組んでる先輩は優秀な人らしいし」
栞子「そうなのですか?」
しずく「……今のところはよくわからないけど」
栞子「本当に大丈夫なのでしょうか……」
12: (もなむす) 2023/11/05(日) 21:57:00.65 ID:GmBrtfoA
銃器保管室
あなた「…………」カチャカチャ
彼方「また銃のメンテナンス?」
あなた「彼方さん……」
彼方「まだ帰らないの?」
あなた「……私はもう少し残るよ」
彼方「そっか。彼方ちゃんはもう帰るから、戸締まりよろしくね」
あなた「うん、お疲れさま」
彼方「……じゃあ、また明日」スタスタ……
あなた「ふう……」カチャッ
ピリリリリ!
あなた「ん……? あ……」
スマホ画面〈着信:優木せつ菜〉
あなた「…………」カチャカチャ
ピリリリリ……ピリリリリ……
………………
…………
……
あなた「…………」カチャカチャ
彼方「また銃のメンテナンス?」
あなた「彼方さん……」
彼方「まだ帰らないの?」
あなた「……私はもう少し残るよ」
彼方「そっか。彼方ちゃんはもう帰るから、戸締まりよろしくね」
あなた「うん、お疲れさま」
彼方「……じゃあ、また明日」スタスタ……
あなた「ふう……」カチャッ
ピリリリリ!
あなた「ん……? あ……」
スマホ画面〈着信:優木せつ菜〉
あなた「…………」カチャカチャ
ピリリリリ……ピリリリリ……
………………
…………
……
13: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:00:00.48 ID:GmBrtfoA
数日後
しずく「……暇です」
あなた「えっ?」
しずく「私たちあれから一度も出動してないじゃないですか」
あなた「まあそう頻繁にはね……」
しずく「はぁ、退屈でどうにかなりそうです……」
あなた「あー、じゃあこのファイル資料室に戻しておいてくれる?」
しずく「…………」
あなた「しずくちゃん?」
エマ「ふんふ~ん♪」
しずく「あっ、エマさんどちらへ?」
エマ「ん? 資料室だけど……」
しずく「ちょうどよかったです。ついでにこのファイル持って行ってもらえませんか?」
エマ「うん、いいよ~」
しずく「ありがとうございます」
あなた「…………」
しずく「ファイル、戻しておきました」
あなた「うん……あとでパンでも買いに行こうかな……」
しずく「ん~……なにかありませんかね?」
あなた「……射撃練習でもしに行く?」
しずく「いいですね! ぜひ行きましょう」
しずく「……暇です」
あなた「えっ?」
しずく「私たちあれから一度も出動してないじゃないですか」
あなた「まあそう頻繁にはね……」
しずく「はぁ、退屈でどうにかなりそうです……」
あなた「あー、じゃあこのファイル資料室に戻しておいてくれる?」
しずく「…………」
あなた「しずくちゃん?」
エマ「ふんふ~ん♪」
しずく「あっ、エマさんどちらへ?」
エマ「ん? 資料室だけど……」
しずく「ちょうどよかったです。ついでにこのファイル持って行ってもらえませんか?」
エマ「うん、いいよ~」
しずく「ありがとうございます」
あなた「…………」
しずく「ファイル、戻しておきました」
あなた「うん……あとでパンでも買いに行こうかな……」
しずく「ん~……なにかありませんかね?」
あなた「……射撃練習でもしに行く?」
しずく「いいですね! ぜひ行きましょう」
14: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:03:02.04 ID:GmBrtfoA
射撃場
パァン! パァン! パァン!
しずく「……うん、まあ上出来かな。どうですか? 先輩」
あなた「えっ、あぁ……いいんじゃない?」
しずく「それ、褒めてるんですよね?」
あなた「そのつもりだけど……」
しずく「ふーん……まぁいっか。先輩の腕前も見せてくれますか?」
あなた「うん……じゃあちょっとだけ」スチャッ
パンパンパンパァン!
あなた「……こんな感じでいいかな?」
しずく「うそっ、連射してこんなに……? 先輩のこと、見直しました……」
あなた「あ、ありがとう……」
しずく「私ももっと頑張らなきゃ……!」スチャッ
パァン!
数日後 路地
スタスタ……
しずく「いつ仕掛けますか?」
あなた「……もう少し人通りの少ないところに入ったらかな」
しずく「わかりました」
あなた「いい? しずくちゃんは絶対私より前に出ないでね?」
パァン! パァン! パァン!
しずく「……うん、まあ上出来かな。どうですか? 先輩」
あなた「えっ、あぁ……いいんじゃない?」
しずく「それ、褒めてるんですよね?」
あなた「そのつもりだけど……」
しずく「ふーん……まぁいっか。先輩の腕前も見せてくれますか?」
あなた「うん……じゃあちょっとだけ」スチャッ
パンパンパンパァン!
あなた「……こんな感じでいいかな?」
しずく「うそっ、連射してこんなに……? 先輩のこと、見直しました……」
あなた「あ、ありがとう……」
しずく「私ももっと頑張らなきゃ……!」スチャッ
パァン!
数日後 路地
スタスタ……
しずく「いつ仕掛けますか?」
あなた「……もう少し人通りの少ないところに入ったらかな」
しずく「わかりました」
あなた「いい? しずくちゃんは絶対私より前に出ないでね?」
15: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:06:06.19 ID:GmBrtfoA
しずく「……私ってそんなに信用ないんですか?」
あなた「えっ?」
しずく「だって先輩が先に行くってことは、そういうことですよね?」
あなた「いや……だって危ないし……」
しずく「危険なのは百も承知です。私が新人だからって見くびらないでください」
あなた「見くびるって……そんなつもりは――」
しずく「じゃあどういうつもりなんですか!?」
女「……?」クルッ
あなた「まずいっ……!」
しずく「っ!」ギュッ
あなた「わっ! な、なに!?」
しずく「カップルのふりです。私に合わせてください」ヒソヒソ
あなた「そんなのでごまかせるかな……」ボソッ
女「……っ」タッタッタッ……
しずく「あ……」
あなた「やっぱり気づかれたっ!」スチャッ
しずく「先輩!」
あなた「…………」
しずく「……先輩?」
あなた「ターゲットが東方向に逃走。誰か確保お願い」スッ
しずく「…………」
あなた「えっ?」
しずく「だって先輩が先に行くってことは、そういうことですよね?」
あなた「いや……だって危ないし……」
しずく「危険なのは百も承知です。私が新人だからって見くびらないでください」
あなた「見くびるって……そんなつもりは――」
しずく「じゃあどういうつもりなんですか!?」
女「……?」クルッ
あなた「まずいっ……!」
しずく「っ!」ギュッ
あなた「わっ! な、なに!?」
しずく「カップルのふりです。私に合わせてください」ヒソヒソ
あなた「そんなのでごまかせるかな……」ボソッ
女「……っ」タッタッタッ……
しずく「あ……」
あなた「やっぱり気づかれたっ!」スチャッ
しずく「先輩!」
あなた「…………」
しずく「……先輩?」
あなた「ターゲットが東方向に逃走。誰か確保お願い」スッ
しずく「…………」
16: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:09:00.32 ID:GmBrtfoA
本部
しずく「どうして撃たなかったんですか?」
あなた「それは……ちょっとタイミングが悪かったっていうか……」
しずく「ランジュさんが確保してくれたからよかったものの……」
しずく「もしかしたら取り逃がしていたかもしれないんですよ?」
あなた「うん……」
しずく「はぁ、なんだか先輩には少しがっかりしてしまいました」
あなた「で、でもあれはしずくちゃんが大声出したから気づかれたわけで……」
しずく「う……それについてはすみませんでした……」
あなた「あっ、別に責めてるわけじゃないからね? お互い様っていうかさ……」
しずく「はい……同じ失敗は二度と繰り返しません。先輩も次こそはお願いしますね」
あなた「わ、わかったよ……」
………………
…………
……
しずく「どうして撃たなかったんですか?」
あなた「それは……ちょっとタイミングが悪かったっていうか……」
しずく「ランジュさんが確保してくれたからよかったものの……」
しずく「もしかしたら取り逃がしていたかもしれないんですよ?」
あなた「うん……」
しずく「はぁ、なんだか先輩には少しがっかりしてしまいました」
あなた「で、でもあれはしずくちゃんが大声出したから気づかれたわけで……」
しずく「う……それについてはすみませんでした……」
あなた「あっ、別に責めてるわけじゃないからね? お互い様っていうかさ……」
しずく「はい……同じ失敗は二度と繰り返しません。先輩も次こそはお願いしますね」
あなた「わ、わかったよ……」
………………
…………
……
17: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:12:00.36 ID:GmBrtfoA
数日後 カフェ
栞子「一度しっかりとお話したほうがいいのではありませんか?」
しずく「えっ?」
栞子「しずくさんから聞く限り、その方が優秀だという話は眉唾物のように思います」
しずく「うーん……一応射撃の腕はいいみたいだけど……」
栞子「そもそもしずくさんの相棒としての適性がないのではありませんか?」
しずく「そうなのかな……」
栞子「その方と直接お会いできれば、私がそれを見極めます」
しずく「……栞子さんってちょっと過保護じゃない?」
栞子「そんなことはないと思いますが……」
しずく「たとえ相性が悪いとしても、所詮私は欠員の補充だし仕方ないよ」
栞子「……つまり欠けたのはその方の元相棒ということですよね?」
しずく「そうだね」
栞子「どんな人だったのでしょう、その前の相棒は……」
翌日 裏路地
スタスタ……
愛「ターゲットを追跡中。これより確保する」
ミア「角を曲がったら行こう」
愛「オッケー」
ミア「……よし、今だ!」
タッタッタッ……
愛「あれっ、いない……」
ミア「What!?」
栞子「一度しっかりとお話したほうがいいのではありませんか?」
しずく「えっ?」
栞子「しずくさんから聞く限り、その方が優秀だという話は眉唾物のように思います」
しずく「うーん……一応射撃の腕はいいみたいだけど……」
栞子「そもそもしずくさんの相棒としての適性がないのではありませんか?」
しずく「そうなのかな……」
栞子「その方と直接お会いできれば、私がそれを見極めます」
しずく「……栞子さんってちょっと過保護じゃない?」
栞子「そんなことはないと思いますが……」
しずく「たとえ相性が悪いとしても、所詮私は欠員の補充だし仕方ないよ」
栞子「……つまり欠けたのはその方の元相棒ということですよね?」
しずく「そうだね」
栞子「どんな人だったのでしょう、その前の相棒は……」
翌日 裏路地
スタスタ……
愛「ターゲットを追跡中。これより確保する」
ミア「角を曲がったら行こう」
愛「オッケー」
ミア「……よし、今だ!」
タッタッタッ……
愛「あれっ、いない……」
ミア「What!?」
18: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:15:01.33 ID:GmBrtfoA
しずく「はぁ……今回は私たちの出番はなさそうですね」
あなた「なんで残念そうなの?」
しずく「やるからには手柄を立てたいじゃないですか」
あなた「そう……」
しずく「あー、お腹空いたなぁ……」
あなた「…………」
愛〈ターゲット、見失ったっぽい……〉
しずく「本当ですか!?」パァァ
あなた「しずくちゃん、喜ばない」
しずく「すみません……」
あなた「さて、どうしようかな……」
しずく「ここは二手に分かれて探しましょう」
あなた「えっ……で、でも――」
しずく「先輩は向こうをお願いします。では!」タッタッタッ……
あなた「あ……」
………………
…………
……
あなた「なんで残念そうなの?」
しずく「やるからには手柄を立てたいじゃないですか」
あなた「そう……」
しずく「あー、お腹空いたなぁ……」
あなた「…………」
愛〈ターゲット、見失ったっぽい……〉
しずく「本当ですか!?」パァァ
あなた「しずくちゃん、喜ばない」
しずく「すみません……」
あなた「さて、どうしようかな……」
しずく「ここは二手に分かれて探しましょう」
あなた「えっ……で、でも――」
しずく「先輩は向こうをお願いします。では!」タッタッタッ……
あなた「あ……」
………………
…………
……
19: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:18:03.15 ID:GmBrtfoA
しずく「うーん……いないなぁ。まだそう遠くには行っていないはずだけど……」
あなた〈ターゲット発見。射撃する〉
しずく「もう、なんでそっちに……了解しました」
パァン!
あなた〈あっ〉
しずく「……先輩?」
あなた〈ごめん、しずくちゃん……外しちゃった〉
しずく「はぁ……」
あなた〈多分そっちの方に向かっ――〉
しずく「っ!」スッ
パァン!
しずく「ふう……」
あなた〈……たと思うんだけど〉
しずく「ターゲット、確保しました」
あなた〈そ、そう……じゃあ私、移送班呼ぶね……〉
しずく「お願いします。それと先輩、あとで少しお話が」
あなた〈ターゲット発見。射撃する〉
しずく「もう、なんでそっちに……了解しました」
パァン!
あなた〈あっ〉
しずく「……先輩?」
あなた〈ごめん、しずくちゃん……外しちゃった〉
しずく「はぁ……」
あなた〈多分そっちの方に向かっ――〉
しずく「っ!」スッ
パァン!
しずく「ふう……」
あなた〈……たと思うんだけど〉
しずく「ターゲット、確保しました」
あなた〈そ、そう……じゃあ私、移送班呼ぶね……〉
しずく「お願いします。それと先輩、あとで少しお話が」
20: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:21:00.53 ID:GmBrtfoA
本部
しずく「先輩、やる気あるんですか?」
あなた「えっ……」
しずく「撃つ気がないのなら銃を持つ意味はありませんよ」
あなた「な、なに言ってるの? 今日はちゃんと撃ったでしょ……」
しずく「外していましたけどね」
あなた「う……」
しずく「ずっと気にはなっていたのですが、ようやく謎が解けました」
あなた「えっと……なんのこと?」
しずく「安全装置ですよ。先輩はいつもデコッキングしてからサムセーフティを掛けていますよね?」
あなた「うん……」
しずく「いいですか? 私たちは発砲する前提で銃を携行しているんです」
しずく「つまり先輩がしている警察のP230のような過剰なセーフティは無駄でしかありません」
しずく「本当に撃つ気があるのなら、そんなことをするはずがないんですよ」
しずく「まさかとは思いますが、今日はわざと弾を外したなんてことは……」
あなた「そ、そんなわけないでしょ?」
しずく「…………」
………………
…………
……
しずく「先輩、やる気あるんですか?」
あなた「えっ……」
しずく「撃つ気がないのなら銃を持つ意味はありませんよ」
あなた「な、なに言ってるの? 今日はちゃんと撃ったでしょ……」
しずく「外していましたけどね」
あなた「う……」
しずく「ずっと気にはなっていたのですが、ようやく謎が解けました」
あなた「えっと……なんのこと?」
しずく「安全装置ですよ。先輩はいつもデコッキングしてからサムセーフティを掛けていますよね?」
あなた「うん……」
しずく「いいですか? 私たちは発砲する前提で銃を携行しているんです」
しずく「つまり先輩がしている警察のP230のような過剰なセーフティは無駄でしかありません」
しずく「本当に撃つ気があるのなら、そんなことをするはずがないんですよ」
しずく「まさかとは思いますが、今日はわざと弾を外したなんてことは……」
あなた「そ、そんなわけないでしょ?」
しずく「…………」
………………
…………
……
22: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:24:03.07 ID:GmBrtfoA
しずく「係長、先輩のことで相談があります」
彼方「彼方ちゃんでいいよ~」
しずく「……彼方さん、私のパートナーを替えてもらえませんか?」
彼方「うーん……どうして?」
しずく「あんなやる気のない人と組むなんて無理です」
彼方「おぉ……これはまたずいぶんはっきりと……」
しずく「あの人、今日はわざと弾を外したんですよ? これは明確な職務放棄です」
しずく「厳正に処罰する必要があると、私は思うのですが」
彼方「……わざとだってあの子が言ってたの?」
しずく「いえ、本人は否定していましたけど……」
彼方「だったら決めつけるのはよくないんじゃないかなぁ?」
しずく「ですが――」
彼方「しずくちゃんは、あの子から前のパートナーのお話は聞いた?」
しずく「はい?」
彼方「あ~、やっぱり聞いてないかぁ……」
しずく「なんですか? もしかして、あのやる気のなさは前のパートナーに原因が?」
彼方「……しずくちゃん。ちょびっとだけ彼方ちゃんのお話、聞いてくれる?」
しずく「構いませんが……」
彼方「うん、それじゃあ語っちゃうよ~。あれはぁ、今から2ヶ月くらい前のこと……」
彼方「彼方ちゃんでいいよ~」
しずく「……彼方さん、私のパートナーを替えてもらえませんか?」
彼方「うーん……どうして?」
しずく「あんなやる気のない人と組むなんて無理です」
彼方「おぉ……これはまたずいぶんはっきりと……」
しずく「あの人、今日はわざと弾を外したんですよ? これは明確な職務放棄です」
しずく「厳正に処罰する必要があると、私は思うのですが」
彼方「……わざとだってあの子が言ってたの?」
しずく「いえ、本人は否定していましたけど……」
彼方「だったら決めつけるのはよくないんじゃないかなぁ?」
しずく「ですが――」
彼方「しずくちゃんは、あの子から前のパートナーのお話は聞いた?」
しずく「はい?」
彼方「あ~、やっぱり聞いてないかぁ……」
しずく「なんですか? もしかして、あのやる気のなさは前のパートナーに原因が?」
彼方「……しずくちゃん。ちょびっとだけ彼方ちゃんのお話、聞いてくれる?」
しずく「構いませんが……」
彼方「うん、それじゃあ語っちゃうよ~。あれはぁ、今から2ヶ月くらい前のこと……」
23: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:27:00.52 ID:GmBrtfoA
2ヶ月前 波止場
あなた「ターゲットはリボルバーを所持して逃走。現在追跡中」
せつ菜「どうしますか?」
あなた「ここに逃げ場はないはず。挟み撃ちして確保しよう」
せつ菜「わかりました」
………………
…………
……
あなた「おかしいな……どこに逃げたんだろう?」
ザザッ
あなた「せつ菜ちゃん?」
せつ菜〈……第3倉庫に来てください〉
あなた「了解……ひとりで確保しちゃったのかな?」
第3倉庫
あなた「せつ菜ちゃん、どこ? ターゲットは捕まえた?」
せつ菜「……こっちです」
あなた「ん? せつ菜ちゃ――」
女「フフッ……」
せつ菜「すみません……捕まっちゃいました」
あなた「っ……!」スチャッ
女「銃を下ろしな。でないとこの女の頭を撃ち抜く」
あなた「ターゲットはリボルバーを所持して逃走。現在追跡中」
せつ菜「どうしますか?」
あなた「ここに逃げ場はないはず。挟み撃ちして確保しよう」
せつ菜「わかりました」
………………
…………
……
あなた「おかしいな……どこに逃げたんだろう?」
ザザッ
あなた「せつ菜ちゃん?」
せつ菜〈……第3倉庫に来てください〉
あなた「了解……ひとりで確保しちゃったのかな?」
第3倉庫
あなた「せつ菜ちゃん、どこ? ターゲットは捕まえた?」
せつ菜「……こっちです」
あなた「ん? せつ菜ちゃ――」
女「フフッ……」
せつ菜「すみません……捕まっちゃいました」
あなた「っ……!」スチャッ
女「銃を下ろしな。でないとこの女の頭を撃ち抜く」
25: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:30:01.36 ID:GmBrtfoA
あなた「……せつ菜ちゃんを離し――」
女「銃を下ろせって言ってんだよ!!」
あなた「わかった! わかったから落ち着いて……」スッ……
女「よし、そのまま銃をこっちに――」
あなた「っ!」バッ
パァン!
女「っと……外れだよこの間抜けがあっ!」カチッ
女(!? まさかハンマーを――)
パァン!
女「うぐっ……ああああ!!」バタッ
あなた「ふぅ……大丈夫?」
せつ菜「はい、おかげさまで」
あなた「ターゲットを確保。移送をお願い」
女「ぐぁぁ!」バッ
あなた「っ!? せつ菜ちゃん危な――」
グサッ!
――――――
――――
――
女「銃を下ろせって言ってんだよ!!」
あなた「わかった! わかったから落ち着いて……」スッ……
女「よし、そのまま銃をこっちに――」
あなた「っ!」バッ
パァン!
女「っと……外れだよこの間抜けがあっ!」カチッ
女(!? まさかハンマーを――)
パァン!
女「うぐっ……ああああ!!」バタッ
あなた「ふぅ……大丈夫?」
せつ菜「はい、おかげさまで」
あなた「ターゲットを確保。移送をお願い」
女「ぐぁぁ!」バッ
あなた「っ!? せつ菜ちゃん危な――」
グサッ!
――――――
――――
――
26: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:33:02.12 ID:GmBrtfoA
彼方「ターゲットは銃の他にナイフを隠し持ってたんだ」
しずく「そっか……パートナーを亡くしたショックで先輩は……」
彼方「いや、死んでないよ?」
しずく「はい?」
彼方「怪我の後遺症のせいで今は別の部署に異動してるけど……」
しずく「つまり……今も生きているってことですか?」
彼方「うん」
しずく「……なおさら呆れました。その程度のことでああなってしまうなんて」
しずく「私たちの仕事に怪我はつきものですし、命を落とす覚悟だって必要なはずです」
しずく「やっぱりあの人にこの仕事は向いていないんじゃありませんか?」
彼方「あはは……言うねぇしずくちゃん」
しずく「至極当然の意見だと思いますが」
彼方「まあ普通はね……ただせつ菜ちゃんはあの子にとって特別だったから」
しずく「特別というのは?」
彼方「お仕事だけの関係じゃなかったってこと」
しずく「なるほど……あれっ、過去形ですね?」
彼方「もうお別れしちゃったみたいだからねぇ……」
しずく「へぇ……それでその時のターゲットは今どうしているんですか?」
彼方「死んじゃったよ、あの子に撃たれて」
しずく「……まさかとは思いますが、射〇許可が下りてなかったなんてことはありませんよね?」
彼方「おお、しずくちゃん大正解!」
しずく「大正解というより大問題じゃないですか……あの人よくクビになりませんね」
彼方「正当防衛ってことになってるから……残弾全部撃ち込んでたけど」
しずく「そっか……パートナーを亡くしたショックで先輩は……」
彼方「いや、死んでないよ?」
しずく「はい?」
彼方「怪我の後遺症のせいで今は別の部署に異動してるけど……」
しずく「つまり……今も生きているってことですか?」
彼方「うん」
しずく「……なおさら呆れました。その程度のことでああなってしまうなんて」
しずく「私たちの仕事に怪我はつきものですし、命を落とす覚悟だって必要なはずです」
しずく「やっぱりあの人にこの仕事は向いていないんじゃありませんか?」
彼方「あはは……言うねぇしずくちゃん」
しずく「至極当然の意見だと思いますが」
彼方「まあ普通はね……ただせつ菜ちゃんはあの子にとって特別だったから」
しずく「特別というのは?」
彼方「お仕事だけの関係じゃなかったってこと」
しずく「なるほど……あれっ、過去形ですね?」
彼方「もうお別れしちゃったみたいだからねぇ……」
しずく「へぇ……それでその時のターゲットは今どうしているんですか?」
彼方「死んじゃったよ、あの子に撃たれて」
しずく「……まさかとは思いますが、射〇許可が下りてなかったなんてことはありませんよね?」
彼方「おお、しずくちゃん大正解!」
しずく「大正解というより大問題じゃないですか……あの人よくクビになりませんね」
彼方「正当防衛ってことになってるから……残弾全部撃ち込んでたけど」
27: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:36:00.44 ID:GmBrtfoA
しずく「先輩にはそうまでして守る価値があると?」
彼方「あの子のためというより、組織のためかな。あんまり風当たりが強くなるとね……」
しずく「…………」
彼方「あ、でも彼方ちゃんはあの子のこと結構買ってるんだよ?」
しずく「そうなんですか?」
彼方「うん。だって辞めようとしてたあの子を引き止めたのは彼方ちゃんなんだぜ~」
しずく「……私の知っている先輩と彼方さんの知っている先輩は、なんだか別人みたいです」
彼方「そうだねぇ。しずくちゃんはもっとあの子のこと、よく知ったほうがいいのかもしれないね」
しずく「聞かせてください、彼方さんの知っている先輩の話を」
彼方「うーん、お話を聞くなら彼方ちゃんよりふさわしい人がいるんじゃないかなぁ?」
………………
…………
……
しずく「ここ、だよね……よしっ」
スタスタ……
しずく「すみません、優木せつ菜さんはいらっしゃいますか?」
果林「あら、見ない顔ね。用件はなにかしら?」
しずく「その……少しお話がしたいんです」
果林「そう。せつ菜、お客さんよ」
せつ菜「はいっ、今行きます」
ウィーン……
せつ菜「優木せつ菜です。あなたは……?」
しずく「桜坂しずくと申します。お時間、よろしいですか?」
彼方「あの子のためというより、組織のためかな。あんまり風当たりが強くなるとね……」
しずく「…………」
彼方「あ、でも彼方ちゃんはあの子のこと結構買ってるんだよ?」
しずく「そうなんですか?」
彼方「うん。だって辞めようとしてたあの子を引き止めたのは彼方ちゃんなんだぜ~」
しずく「……私の知っている先輩と彼方さんの知っている先輩は、なんだか別人みたいです」
彼方「そうだねぇ。しずくちゃんはもっとあの子のこと、よく知ったほうがいいのかもしれないね」
しずく「聞かせてください、彼方さんの知っている先輩の話を」
彼方「うーん、お話を聞くなら彼方ちゃんよりふさわしい人がいるんじゃないかなぁ?」
………………
…………
……
しずく「ここ、だよね……よしっ」
スタスタ……
しずく「すみません、優木せつ菜さんはいらっしゃいますか?」
果林「あら、見ない顔ね。用件はなにかしら?」
しずく「その……少しお話がしたいんです」
果林「そう。せつ菜、お客さんよ」
せつ菜「はいっ、今行きます」
ウィーン……
せつ菜「優木せつ菜です。あなたは……?」
しずく「桜坂しずくと申します。お時間、よろしいですか?」
28: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:39:01.25 ID:GmBrtfoA
夜
彼方「さて、そろそろ帰ろっかな~」
タッタッタッ……
璃奈「はぁ……よかった、まだいた……」
彼方「おや、璃奈ちゃん捜査官。そんなに急いでどうしたの?」
璃奈「事件の黒幕がわかった。わかったんだけど……」
彼方「うん?」
璃奈「……調べてみたら、その黒幕は――」
アパート
あなた「…………」スタスタ
せつ菜「おかえりなさい」
あなた「え……せつ菜ちゃん!? なんでうちに……」
せつ菜「電話、どうして出てくれないんですか?」
あなた「そ、それは……忙しくて、その……」
せつ菜「前はどんなに忙しいときでも出てくれたのに……」
あなた「…………」
せつ菜「部屋に上がってもいいですか?」
あなた「……どうぞ」
………………
…………
……
彼方「さて、そろそろ帰ろっかな~」
タッタッタッ……
璃奈「はぁ……よかった、まだいた……」
彼方「おや、璃奈ちゃん捜査官。そんなに急いでどうしたの?」
璃奈「事件の黒幕がわかった。わかったんだけど……」
彼方「うん?」
璃奈「……調べてみたら、その黒幕は――」
アパート
あなた「…………」スタスタ
せつ菜「おかえりなさい」
あなた「え……せつ菜ちゃん!? なんでうちに……」
せつ菜「電話、どうして出てくれないんですか?」
あなた「そ、それは……忙しくて、その……」
せつ菜「前はどんなに忙しいときでも出てくれたのに……」
あなた「…………」
せつ菜「部屋に上がってもいいですか?」
あなた「……どうぞ」
………………
…………
……
29: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:42:04.59 ID:GmBrtfoA
せつ菜「前に来たときよりも少し散らかってますね……」
あなた「せつ菜ちゃん、どうしてうちに来たの?」
せつ菜「……来ちゃ、ダメでしたか?」
あなた「だってさ……」
せつ菜「今日、しずくさんという方が私に会いに来たんです」
あなた「しずくちゃんが?」
せつ菜「はい。あなたのことを色々聞かれました」
あなた「そう、なんだ……」
せつ菜「はっきり言ってしずくさんは、あなたをまるでわかっていませんでした」
せつ菜「中でもあの勘違いは、腹が立ってしまって……」
あなた「勘違いって、どんな?」
せつ菜「……私たちが別れた、なんて言うんですよ? ひどいじゃないですか」
あなた「せつ菜ちゃん……それは勘違いじゃないでしょ? 私たちはもう――」
せつ菜「私はっ! 認めていません!! それだけは、受け入れられません……!」
あなた「……せつ菜ちゃん」
せつ菜「勝手に……終わりにしないでください……」
あなた「…………」
せつ菜「……すみません、取り乱してしまって」
あなた「いや……」
せつ菜「今日は久しぶりにあなたとお話ができて嬉しかったです」
せつ菜「また電話するので、今度は出てくださいね? おやすみなさい」
あなた「あ……」
ガチャッ……バタン
あなた「せつ菜ちゃん、どうしてうちに来たの?」
せつ菜「……来ちゃ、ダメでしたか?」
あなた「だってさ……」
せつ菜「今日、しずくさんという方が私に会いに来たんです」
あなた「しずくちゃんが?」
せつ菜「はい。あなたのことを色々聞かれました」
あなた「そう、なんだ……」
せつ菜「はっきり言ってしずくさんは、あなたをまるでわかっていませんでした」
せつ菜「中でもあの勘違いは、腹が立ってしまって……」
あなた「勘違いって、どんな?」
せつ菜「……私たちが別れた、なんて言うんですよ? ひどいじゃないですか」
あなた「せつ菜ちゃん……それは勘違いじゃないでしょ? 私たちはもう――」
せつ菜「私はっ! 認めていません!! それだけは、受け入れられません……!」
あなた「……せつ菜ちゃん」
せつ菜「勝手に……終わりにしないでください……」
あなた「…………」
せつ菜「……すみません、取り乱してしまって」
あなた「いや……」
せつ菜「今日は久しぶりにあなたとお話ができて嬉しかったです」
せつ菜「また電話するので、今度は出てくださいね? おやすみなさい」
あなた「あ……」
ガチャッ……バタン
30: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:45:00.68 ID:GmBrtfoA
翌日 本部
彼方「今日は彼方ちゃんから大事なお話がありま~す」
エマ「大事なお話……パン祭りのお知らせかなぁ?」
ランジュ「ランジュはお肉祭りのほうがいいわ!」
ミア「だったらハンバーガー祭りでよくない?」
愛「えー? 愛さんはダジャレ大会がいいなぁ」
彼方「はいはい、みんな静かに。真面目な話だからちゃんと聞いてね~」
彼方「え~、ここ数ヶ月の間に発生していた一連の事件の首謀者が判明しました」
彼方「というわけで、彼方ちゃんたちの出番! 今回のターゲット、犯人の名前は……上原歩夢!」
あなた「えっ……」
しずく「先輩?」
彼方「この任務の目的はターゲットの〇害だから、みんなバンバン撃っていこうぜ~」
ランジュ「きゃあっ! 腕がなるわ!」
愛「生け捕りにしないなんて珍しいね」
あなた「彼方さん……ちょっといいかな?」
彼方「……うん。場所、変えよっか。しずくちゃんもおいで~」
しずく「はあ……」
彼方「今日は彼方ちゃんから大事なお話がありま~す」
エマ「大事なお話……パン祭りのお知らせかなぁ?」
ランジュ「ランジュはお肉祭りのほうがいいわ!」
ミア「だったらハンバーガー祭りでよくない?」
愛「えー? 愛さんはダジャレ大会がいいなぁ」
彼方「はいはい、みんな静かに。真面目な話だからちゃんと聞いてね~」
彼方「え~、ここ数ヶ月の間に発生していた一連の事件の首謀者が判明しました」
彼方「というわけで、彼方ちゃんたちの出番! 今回のターゲット、犯人の名前は……上原歩夢!」
あなた「えっ……」
しずく「先輩?」
彼方「この任務の目的はターゲットの〇害だから、みんなバンバン撃っていこうぜ~」
ランジュ「きゃあっ! 腕がなるわ!」
愛「生け捕りにしないなんて珍しいね」
あなた「彼方さん……ちょっといいかな?」
彼方「……うん。場所、変えよっか。しずくちゃんもおいで~」
しずく「はあ……」
31: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:48:01.44 ID:GmBrtfoA
会議室
あなた「今回の任務から私を外してください」
しずく「ええっ!?」
彼方「うーん、理由を聞かせてもらってもいいかなぁ?」
あなた「歩夢ちゃ……上原歩夢は、私の……」
彼方「音信不通だった幼馴染が意外なところで現れてびっくりしたよね」
あなた「……知ってたの?」
彼方「うちには優秀な捜査官がいるからね~」
あなた「だったら――」
しずく「幼馴染は〇せないってことですか?」
あなた「…………」
しずく「……そうなんですね、先輩」
あなた「しずくちゃんはどうなの?」
しずく「はい?」
あなた「友達を〇せって言われたら、しずくちゃんはやれるの?」
しずく「……それが命令なら、私は甘んじて受け入れます」
あなた「つまり本当はやりたくないってことだよね?」
しずく「それは……」
あなた「今回の任務から私を外してください」
しずく「ええっ!?」
彼方「うーん、理由を聞かせてもらってもいいかなぁ?」
あなた「歩夢ちゃ……上原歩夢は、私の……」
彼方「音信不通だった幼馴染が意外なところで現れてびっくりしたよね」
あなた「……知ってたの?」
彼方「うちには優秀な捜査官がいるからね~」
あなた「だったら――」
しずく「幼馴染は〇せないってことですか?」
あなた「…………」
しずく「……そうなんですね、先輩」
あなた「しずくちゃんはどうなの?」
しずく「はい?」
あなた「友達を〇せって言われたら、しずくちゃんはやれるの?」
しずく「……それが命令なら、私は甘んじて受け入れます」
あなた「つまり本当はやりたくないってことだよね?」
しずく「それは……」
32: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:51:01.17 ID:GmBrtfoA
彼方「どうしてもできないって言うなら、無理にはやらせないよ」
彼方「ただ……あなたが嫌なのは幼馴染を〇すことなのかな?」
あなた「えっ?」
彼方「もしあなたが参加しないなら、きっとみんなは指示通りに上原歩夢を始末するはず」
彼方「だけどあなただったら、違う結果に変えられるかもしれない」
しずく「彼方さん、それって……」
彼方「命令無視なんて1回も2回も変わらないも~ん」
しずく「そうでしょうか……」
彼方「ふふ、しずくちゃんは真面目だねぇ」
しずく「……真面目なので聞いておきたいのですが、さっき言っていた一連の事件ってなんですか?」
彼方「あ~、しずくちゃんは知らないよね。簡単に説明すると……」
彼方「ここの関連施設とか関係者が狙われる事件が何件も起きててね」
彼方「こないだしずくちゃんが捕まえた爆弾魔もその犯人のうちのひとりなんだ」
しずく「もしかして、せつ菜さんの事件も……?」
彼方「うん。そして今のところそれが上原歩夢の起こした最後の事件」
しずく「……先輩。あなたはこの任務に参加すべきです」
あなた「できないよ……」
しずく「どうしてですか?」
彼方「ただ……あなたが嫌なのは幼馴染を〇すことなのかな?」
あなた「えっ?」
彼方「もしあなたが参加しないなら、きっとみんなは指示通りに上原歩夢を始末するはず」
彼方「だけどあなただったら、違う結果に変えられるかもしれない」
しずく「彼方さん、それって……」
彼方「命令無視なんて1回も2回も変わらないも~ん」
しずく「そうでしょうか……」
彼方「ふふ、しずくちゃんは真面目だねぇ」
しずく「……真面目なので聞いておきたいのですが、さっき言っていた一連の事件ってなんですか?」
彼方「あ~、しずくちゃんは知らないよね。簡単に説明すると……」
彼方「ここの関連施設とか関係者が狙われる事件が何件も起きててね」
彼方「こないだしずくちゃんが捕まえた爆弾魔もその犯人のうちのひとりなんだ」
しずく「もしかして、せつ菜さんの事件も……?」
彼方「うん。そして今のところそれが上原歩夢の起こした最後の事件」
しずく「……先輩。あなたはこの任務に参加すべきです」
あなた「できないよ……」
しずく「どうしてですか?」
33: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:54:03.20 ID:GmBrtfoA
あなた「また誰かが……しずくちゃんがせつ菜ちゃんと同じ目に遭うんじゃないかって……」
あなた「そう考えたら、怖くてたまらないの……」
しずく「なんですかそれ……先輩はただ、せつ菜さんから逃げているだけじゃないですか」
しずく「いい加減、けりをつけてください」
あなた「……しずくちゃんにはわからないよ。大切な人を守れなかった私の気持ちは」
しずく「…………」
彼方「あなたはひとつ、大きな勘違いをしてるみたいだね~」
しずく「勘違い?」
彼方「あの時のターゲットの目的って、なんだったと思う?」
あなた「さあ……それを聞き出す前に私が撃ち〇しちゃったから……」
彼方「実は彼方ちゃんは知ってるんだけど……あなたも聞きたい? ねぇねぇ~」
しずく「もったいぶらないで話してください!」
彼方「ご、ごめんごめん……あのターゲットの目的はね、せつ菜ちゃんの〇害だったんだよ?」
あなた「え……」
彼方「だけどせつ菜ちゃんは今もちゃーんと生きてるでしょ?」
彼方「ってことは、あなたはせつ菜ちゃんを守ったってことだよね?」
あなた「でも私は――」
しずく「先輩!」
あなた「……な、なに?」
しずく「先輩のパートナーは、誰なんですか?」
あなた「…………」
あなた「そう考えたら、怖くてたまらないの……」
しずく「なんですかそれ……先輩はただ、せつ菜さんから逃げているだけじゃないですか」
しずく「いい加減、けりをつけてください」
あなた「……しずくちゃんにはわからないよ。大切な人を守れなかった私の気持ちは」
しずく「…………」
彼方「あなたはひとつ、大きな勘違いをしてるみたいだね~」
しずく「勘違い?」
彼方「あの時のターゲットの目的って、なんだったと思う?」
あなた「さあ……それを聞き出す前に私が撃ち〇しちゃったから……」
彼方「実は彼方ちゃんは知ってるんだけど……あなたも聞きたい? ねぇねぇ~」
しずく「もったいぶらないで話してください!」
彼方「ご、ごめんごめん……あのターゲットの目的はね、せつ菜ちゃんの〇害だったんだよ?」
あなた「え……」
彼方「だけどせつ菜ちゃんは今もちゃーんと生きてるでしょ?」
彼方「ってことは、あなたはせつ菜ちゃんを守ったってことだよね?」
あなた「でも私は――」
しずく「先輩!」
あなた「……な、なに?」
しずく「先輩のパートナーは、誰なんですか?」
あなた「…………」
34: (もなむす) 2023/11/05(日) 22:57:00.35 ID:GmBrtfoA
しずく「そうです、私です。桜坂しずくです」
あなた「いや私なにも言ってな――」
しずく「私たちはまだ出会って日が浅いですし、お互いのこともあまりよく知りません」
しずく「正直に言ってしまうと、私は先輩のことを信頼しきれていないんだと思います」
しずく「だって私の知っている先輩は、頼りなくて鈍臭くてはっきりしないまるでダメな人ですから」
彼方「い、言いすぎじゃないかなぁ……」
しずく「ですがそれは先輩と半月程度の付き合いしかない人間の勝手な感想に過ぎません」
しずく「なので今は、先輩を心から信頼している人の言葉を信じてみようと思います」
あなた「それって、せつ菜ちゃんのこと……?」
しずく「はい。せつ菜さんは言っていました……先輩には優しさと、それを貫く強さがある、と」
しずく「そしてそんな先輩のことが大好きだとも言っていたと思いますが、それはひとまず置いておいて」
しずく「せつ菜さんが知っている先輩を、私にも見せてください。私の知らない、先輩を」
あなた「……私は強くなんかないよ。私ひとりじゃなんにも――」
しずく「先輩はひとりじゃありませんよ」
あなた「えっ……?」
しずく「言いましたよね、私は先輩のパートナーなんです」
しずく「パートナーというのは一方的に守るものではなく、支え合うものなんじゃありませんか?」
あなた「しずくちゃん……」
しずく「先輩には私がついています。私たちふたりで、事件を終わらせましょう」
あなた「……うんっ」
あなた「いや私なにも言ってな――」
しずく「私たちはまだ出会って日が浅いですし、お互いのこともあまりよく知りません」
しずく「正直に言ってしまうと、私は先輩のことを信頼しきれていないんだと思います」
しずく「だって私の知っている先輩は、頼りなくて鈍臭くてはっきりしないまるでダメな人ですから」
彼方「い、言いすぎじゃないかなぁ……」
しずく「ですがそれは先輩と半月程度の付き合いしかない人間の勝手な感想に過ぎません」
しずく「なので今は、先輩を心から信頼している人の言葉を信じてみようと思います」
あなた「それって、せつ菜ちゃんのこと……?」
しずく「はい。せつ菜さんは言っていました……先輩には優しさと、それを貫く強さがある、と」
しずく「そしてそんな先輩のことが大好きだとも言っていたと思いますが、それはひとまず置いておいて」
しずく「せつ菜さんが知っている先輩を、私にも見せてください。私の知らない、先輩を」
あなた「……私は強くなんかないよ。私ひとりじゃなんにも――」
しずく「先輩はひとりじゃありませんよ」
あなた「えっ……?」
しずく「言いましたよね、私は先輩のパートナーなんです」
しずく「パートナーというのは一方的に守るものではなく、支え合うものなんじゃありませんか?」
あなた「しずくちゃん……」
しずく「先輩には私がついています。私たちふたりで、事件を終わらせましょう」
あなた「……うんっ」
35: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:00:02.64 ID:GmBrtfoA
夜 廃工場
しずく「まだ隠れ家には戻っていないみたいですね……」
あなた「そう、だね……」
しずく「緊張してるんですか?」
あなた「……ほんの少しだけ」
しずく「ふふっ。そんな強がりが言えるなら問題ありませんね」
あなた「つ、強がりなんかじゃないよっ」
しずく「はいはい」
エマ〈ターゲットらしき人物を発見。確認次第射〇するね〉
しずく「えっ!?」
あなた「ど、どうしよう?」
しずく「行きましょう、時間がありません!」
あなた「そうだねっ」
タッタッタッ……
しずく「もうっ、私たちの前に出てきてくれないと――」
パァン!
しずく「まだ隠れ家には戻っていないみたいですね……」
あなた「そう、だね……」
しずく「緊張してるんですか?」
あなた「……ほんの少しだけ」
しずく「ふふっ。そんな強がりが言えるなら問題ありませんね」
あなた「つ、強がりなんかじゃないよっ」
しずく「はいはい」
エマ〈ターゲットらしき人物を発見。確認次第射〇するね〉
しずく「えっ!?」
あなた「ど、どうしよう?」
しずく「行きましょう、時間がありません!」
あなた「そうだねっ」
タッタッタッ……
しずく「もうっ、私たちの前に出てきてくれないと――」
パァン!
36: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:03:01.40 ID:GmBrtfoA
あなた「今の銃声……」
しずく「うそ、間に合わなかった……?」
ランジュ『エマっ!!』
あなた「ランジュちゃん?」
しずく「……様子が変です、急ぎましょう」
――――――
――――
――
ランジュ「エマ! ねぇエマってば!!」
あなた「エマさん!」
しずく「そんなっ……」
あなた「早く止血しないと! しずくちゃん救急車!!」
しずく「わかりました!」
あなた「ランジュちゃん、ここ押さえてて」
ランジュ「え、ええ……ぐすっ」
あなた「エマさん……行っちゃダメだからね」
………………
…………
……
しずく「うそ、間に合わなかった……?」
ランジュ『エマっ!!』
あなた「ランジュちゃん?」
しずく「……様子が変です、急ぎましょう」
――――――
――――
――
ランジュ「エマ! ねぇエマってば!!」
あなた「エマさん!」
しずく「そんなっ……」
あなた「早く止血しないと! しずくちゃん救急車!!」
しずく「わかりました!」
あなた「ランジュちゃん、ここ押さえてて」
ランジュ「え、ええ……ぐすっ」
あなた「エマさん……行っちゃダメだからね」
………………
…………
……
37: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:06:00.68 ID:GmBrtfoA
病院
ピッ……ピッ……
エマ「…………」
ランジュ「エマ……」
あなた「えっと……手術が無事に済んで、よかったね」
しずく「そう、ですね……」
あなた「私たちはそろそろ本部に戻ろうと思うんだけど……ランジュちゃんはどうする?」
ランジュ「……今日はここに泊まっていくわ」
あなた「そっか……じゃあエマさんのこと、よろしくね」
ランジュ「ええ」
あなた「行こう、しずくちゃん」
しずく「はい……」
ランジュ「待って」
あなた「ん?」
ランジュ「……ありがとう、エマを助けてくれて」
あなた「うん」
廊下
しずく「向こうは本気みたいですね」
あなた「だね……」
しずく「生きたまま捕まえるなんて、本当にできるんでしょうか……?」
あなた「もしそれが叶わないなら、私の手で……」
しずく「先輩……」
あなた「だけどまだ諦めない。私は、歩夢ちゃんを……」
しずく「なら私は全力でサポートしないとですね」
あなた「頼りにしてるよ、しずくちゃん」
しずく「はいっ!」
ピッ……ピッ……
エマ「…………」
ランジュ「エマ……」
あなた「えっと……手術が無事に済んで、よかったね」
しずく「そう、ですね……」
あなた「私たちはそろそろ本部に戻ろうと思うんだけど……ランジュちゃんはどうする?」
ランジュ「……今日はここに泊まっていくわ」
あなた「そっか……じゃあエマさんのこと、よろしくね」
ランジュ「ええ」
あなた「行こう、しずくちゃん」
しずく「はい……」
ランジュ「待って」
あなた「ん?」
ランジュ「……ありがとう、エマを助けてくれて」
あなた「うん」
廊下
しずく「向こうは本気みたいですね」
あなた「だね……」
しずく「生きたまま捕まえるなんて、本当にできるんでしょうか……?」
あなた「もしそれが叶わないなら、私の手で……」
しずく「先輩……」
あなた「だけどまだ諦めない。私は、歩夢ちゃんを……」
しずく「なら私は全力でサポートしないとですね」
あなた「頼りにしてるよ、しずくちゃん」
しずく「はいっ!」
38: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:09:01.18 ID:GmBrtfoA
本部
彼方「――というわけで、今回の任務は一旦中断ってことになりました」
彼方「みんな今日はもうお家に帰って、ゆっくりすやぴしてね」
しずく「……次のチャンスはしばらく先、ですかね?」
あなた「居場所が分からなくちゃどうしようもないからね……」
しずく「そうですよね……」
あなた「とりあえず今日のところは休もう。また明日から――」
ピリリリリ! ピリリリリ!
しずく「こんな時間に電話……?」
あなた「なんだろう……もしもし?」
歩夢〈あっ! その声、あなただよね?〉
あなた「えっ……歩夢ちゃん、なの?」
しずく「!?」
彼方「しずくちゃんスピーカー!」
しずく「は、はいっ!」ポチッ
歩夢〈まさかあなたが出てくれるなんて……きっと運命だね〉
あなた「あ……えっと……」
愛「どうしてエマっちを〇そうとしたの!?」
歩夢〈……誰? あの子以外に用はないんだけどなぁ〉
あなた「歩夢ちゃん、どうしてエマさんを……」
彼方「――というわけで、今回の任務は一旦中断ってことになりました」
彼方「みんな今日はもうお家に帰って、ゆっくりすやぴしてね」
しずく「……次のチャンスはしばらく先、ですかね?」
あなた「居場所が分からなくちゃどうしようもないからね……」
しずく「そうですよね……」
あなた「とりあえず今日のところは休もう。また明日から――」
ピリリリリ! ピリリリリ!
しずく「こんな時間に電話……?」
あなた「なんだろう……もしもし?」
歩夢〈あっ! その声、あなただよね?〉
あなた「えっ……歩夢ちゃん、なの?」
しずく「!?」
彼方「しずくちゃんスピーカー!」
しずく「は、はいっ!」ポチッ
歩夢〈まさかあなたが出てくれるなんて……きっと運命だね〉
あなた「あ……えっと……」
愛「どうしてエマっちを〇そうとしたの!?」
歩夢〈……誰? あの子以外に用はないんだけどなぁ〉
あなた「歩夢ちゃん、どうしてエマさんを……」
39: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:12:01.46 ID:GmBrtfoA
歩夢〈あれはね、仕方なかったの。私を〇そうとしてきたから〉
歩夢〈でも……その様子だとまだ生きてるのかな?〉
歩夢〈うーん、そっか……私失敗しちゃったぁ、えへへ〉
しずく「よかったですね、先輩のおかげでエマさんを〇さずに済んで」
歩夢〈先輩……ってことは、もしかしてあの子の新しいパートナー?〉
しずく「桜坂しずくです。以後お見知りおきを」
歩夢〈名前なんてどうでもいいんだけど……一応覚えておくね〉
歩夢〈それより私を襲ってきたってことは、全部バレちゃったってこと?〉
歩夢〈十分気をつけてたのになぁ……かすみちゃんあたりがなにか喋っちゃったのかな?〉
彼方「ねえ、彼方ちゃんたちにコンタクトをとってきたってことは、なにか用事があるんじゃないの?」
歩夢〈あぁ、今日の用事ならもう済みました。またかけるから次もあなたが出てくれると嬉しいな♪〉
歩夢〈それじゃ〉プツッ
しずく「あ、ちょっと!」
あなた「…………」
ミア「ベイビーちゃん、ターゲットとどういう関係なの?」
愛「実は上原歩夢の仲間だった、なんて言わないよね……?」
しずく「そんなわけないじゃないですか!」
彼方「心配しなくてもこの子はちゃんと彼方ちゃんたちの味方だよ。ね?」
あなた「うん。歩夢ちゃんのことはまた改めてちゃんと話すから」
ミア「……わかった。じゃあ全部終わったら聞かせてもらうよ」
………………
…………
……
歩夢〈でも……その様子だとまだ生きてるのかな?〉
歩夢〈うーん、そっか……私失敗しちゃったぁ、えへへ〉
しずく「よかったですね、先輩のおかげでエマさんを〇さずに済んで」
歩夢〈先輩……ってことは、もしかしてあの子の新しいパートナー?〉
しずく「桜坂しずくです。以後お見知りおきを」
歩夢〈名前なんてどうでもいいんだけど……一応覚えておくね〉
歩夢〈それより私を襲ってきたってことは、全部バレちゃったってこと?〉
歩夢〈十分気をつけてたのになぁ……かすみちゃんあたりがなにか喋っちゃったのかな?〉
彼方「ねえ、彼方ちゃんたちにコンタクトをとってきたってことは、なにか用事があるんじゃないの?」
歩夢〈あぁ、今日の用事ならもう済みました。またかけるから次もあなたが出てくれると嬉しいな♪〉
歩夢〈それじゃ〉プツッ
しずく「あ、ちょっと!」
あなた「…………」
ミア「ベイビーちゃん、ターゲットとどういう関係なの?」
愛「実は上原歩夢の仲間だった、なんて言わないよね……?」
しずく「そんなわけないじゃないですか!」
彼方「心配しなくてもこの子はちゃんと彼方ちゃんたちの味方だよ。ね?」
あなた「うん。歩夢ちゃんのことはまた改めてちゃんと話すから」
ミア「……わかった。じゃあ全部終わったら聞かせてもらうよ」
………………
…………
……
40: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:15:01.24 ID:GmBrtfoA
あなたの部屋
あなた「はあ……」ゴロン
あなた「歩夢ちゃん……なんで……」
あなた「…………」
………………
…………
……
しずくの部屋
しずく「ごめんね、こんな夜遅くに電話なんて……」
栞子〈いえ……なにかあったのですか?〉
しずく「うん……ちょっと、ね」
栞子〈……私、今からそちらへ――〉
しずく「大丈夫だから! 栞子さんの声を聞くだけで十分だよ」
栞子〈ですが携帯電話の音声というのは、実際には私の声では――〉
しずく「栞子さん」
栞子〈あっ、すみません……〉
しずく「ふふっ、なんだかちょっと安心したかも」
栞子〈そ、そうですか……?〉
………………
…………
……
あなた「はあ……」ゴロン
あなた「歩夢ちゃん……なんで……」
あなた「…………」
………………
…………
……
しずくの部屋
しずく「ごめんね、こんな夜遅くに電話なんて……」
栞子〈いえ……なにかあったのですか?〉
しずく「うん……ちょっと、ね」
栞子〈……私、今からそちらへ――〉
しずく「大丈夫だから! 栞子さんの声を聞くだけで十分だよ」
栞子〈ですが携帯電話の音声というのは、実際には私の声では――〉
しずく「栞子さん」
栞子〈あっ、すみません……〉
しずく「ふふっ、なんだかちょっと安心したかも」
栞子〈そ、そうですか……?〉
………………
…………
……
41: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:18:01.02 ID:GmBrtfoA
数日後 本部
ピリリリリ!
しずく「……!」バッ
しずく「はい、こちら――」
女〈あ、すいませーん、ピザ注文したいんですけど~〉
しずく「……うちはピザ屋じゃありません!」ガチャッ
あなた「ど、どうしたの?」
しずく「あぁ……間違い電話ですよ」
あなた「そっか。あんまり気を張りすぎるのもよくないよ?」
しずく「ですね……」
ピリリリリ!
しずく「はぁ、だからうちはピザ屋じゃ――」
歩夢〈こんにちは。その声はしずくちゃん……だったっけ?〉
しずく「あっ! 上原歩夢!!」
あなた「えっ!?」ガタッ
歩夢〈もう、あの子に出てほしかったのに……〉
しずく「電話をかけてきた、ということは話があるんですよね?」
歩夢〈…………〉
しずく「あの、聞こえてますか?」
ピリリリリ!
しずく「……!」バッ
しずく「はい、こちら――」
女〈あ、すいませーん、ピザ注文したいんですけど~〉
しずく「……うちはピザ屋じゃありません!」ガチャッ
あなた「ど、どうしたの?」
しずく「あぁ……間違い電話ですよ」
あなた「そっか。あんまり気を張りすぎるのもよくないよ?」
しずく「ですね……」
ピリリリリ!
しずく「はぁ、だからうちはピザ屋じゃ――」
歩夢〈こんにちは。その声はしずくちゃん……だったっけ?〉
しずく「あっ! 上原歩夢!!」
あなた「えっ!?」ガタッ
歩夢〈もう、あの子に出てほしかったのに……〉
しずく「電話をかけてきた、ということは話があるんですよね?」
歩夢〈…………〉
しずく「あの、聞こえてますか?」
42: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:21:01.57 ID:GmBrtfoA
あなた「……歩夢ちゃん」
歩夢〈よかったぁ、ちゃんとあなたもいたんだね〉
しずく「無視ですか? 私のこと無視しましたよね!?」
彼方「しずくちゃん、どうどう」
あなた「用件を聞かせてもらってもいいかな」
歩夢〈うんっ。えっと、あなたは私に会いたいんだよね?〉
あなた「……会いたいよ」
歩夢〈えへへ……私もね、あなたに会いたいんだ。だから待ち合わせしようよ〉
あなた「いいよ。いつ、どこに行けばいいのかな」
歩夢〈じゃあ今日の夜8時半、立ち入り禁止の波止場の第3倉庫で待ってるから――〉
歩夢〈しずくちゃんとふたりだけで会いに来てね。もし近くにあなたの仲間がいたら……〉
あなた「わかってる。しずくちゃんしか連れて行かないよ」
歩夢〈うふふっ、楽しみにしてるね〉プツッ
ツー、ツー、ツー……
しずく「……先輩」
あなた「彼方さん、そういうことだから」
彼方「うん。ふたり以外はみんなここで待機しててね」
愛「カナちゃんマジで言ってる!?」
ランジュ「アタシは嫌よ! エマの仇を取りたいの!!」
ミア「ボクたちを待機させて、それでなにかあったらどうするつもり?」
歩夢〈よかったぁ、ちゃんとあなたもいたんだね〉
しずく「無視ですか? 私のこと無視しましたよね!?」
彼方「しずくちゃん、どうどう」
あなた「用件を聞かせてもらってもいいかな」
歩夢〈うんっ。えっと、あなたは私に会いたいんだよね?〉
あなた「……会いたいよ」
歩夢〈えへへ……私もね、あなたに会いたいんだ。だから待ち合わせしようよ〉
あなた「いいよ。いつ、どこに行けばいいのかな」
歩夢〈じゃあ今日の夜8時半、立ち入り禁止の波止場の第3倉庫で待ってるから――〉
歩夢〈しずくちゃんとふたりだけで会いに来てね。もし近くにあなたの仲間がいたら……〉
あなた「わかってる。しずくちゃんしか連れて行かないよ」
歩夢〈うふふっ、楽しみにしてるね〉プツッ
ツー、ツー、ツー……
しずく「……先輩」
あなた「彼方さん、そういうことだから」
彼方「うん。ふたり以外はみんなここで待機しててね」
愛「カナちゃんマジで言ってる!?」
ランジュ「アタシは嫌よ! エマの仇を取りたいの!!」
ミア「ボクたちを待機させて、それでなにかあったらどうするつもり?」
43: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:24:02.35 ID:GmBrtfoA
彼方「上原歩夢が危険な人物だってことは、みんなよくわかってるよね?」
愛「わかってるから愛さんたちも――」
彼方「もし向こうの指示を無視したら、どうなると思う?」
ミア「それは……」
ランジュ「だとしてもランジュは――!」
彼方「ランジュちゃん。エマちゃんのことで怒ってるのはわかるけど、よく考えて?」
彼方「ランジュちゃんが一緒に行けば、ランジュちゃん自身はもちろん――」
彼方「この子やしずくちゃんが犠牲になるかもしれないんだよ?」
彼方「もしかすると、もっと酷いことになる可能性だってある……」
彼方「エマちゃんのために、他のみんなを傷つけることになってもいいの?」
ランジュ「…………」
しずく「ランジュさん、ここは私たちに任せてもらえませんか?」
あなた「これ以上、歩夢ちゃんの好きにはさせないよ」
ランジュ「……アナタたちのこと、信じてるから」
しずく「はい」
ランジュ「……エマのところに行ってくるわ」
彼方「夕方には戻ってきてね~」
………………
…………
……
愛「わかってるから愛さんたちも――」
彼方「もし向こうの指示を無視したら、どうなると思う?」
ミア「それは……」
ランジュ「だとしてもランジュは――!」
彼方「ランジュちゃん。エマちゃんのことで怒ってるのはわかるけど、よく考えて?」
彼方「ランジュちゃんが一緒に行けば、ランジュちゃん自身はもちろん――」
彼方「この子やしずくちゃんが犠牲になるかもしれないんだよ?」
彼方「もしかすると、もっと酷いことになる可能性だってある……」
彼方「エマちゃんのために、他のみんなを傷つけることになってもいいの?」
ランジュ「…………」
しずく「ランジュさん、ここは私たちに任せてもらえませんか?」
あなた「これ以上、歩夢ちゃんの好きにはさせないよ」
ランジュ「……アナタたちのこと、信じてるから」
しずく「はい」
ランジュ「……エマのところに行ってくるわ」
彼方「夕方には戻ってきてね~」
………………
…………
……
45: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:27:01.35 ID:GmBrtfoA
夕方
しずく「ランジュさん、私たちが歩夢さんを〇すと思ってますかね?」
あなた「どうかなぁ……」
しずく「先輩、怒られるかもしれませんよ?」
あなた「しずくちゃんもね」
しずく「……ま、ランジュさんに怒られるくらいならいいとして、問題は上ですよ」
しずく「二度も命令を無視して、今度こそクビになるんじゃありませんか?」
あなた「うーん、〇害なんて大げさに言ってるけど、捕まえるだけでも十分面子は保てるわけだし……」
あなた「万一クビになるとしてもそれは私だけだろうから、しずくちゃんは安心していいんじゃない?」
しずく「先輩……」
あなた「しずくちゃんはしっかりしてるし、私がいなくなってもきっと大丈夫だよ」
しずく「……私は嫌です」
あなた「えっ?」
しずく「だって私たちはまだ……」
あなた「しずくちゃん……?」
彼方「あぁ、いたいた。ふたりともそろそろ準備しないと」
しずく「すみません。行きましょう、先輩」
しずく「ランジュさん、私たちが歩夢さんを〇すと思ってますかね?」
あなた「どうかなぁ……」
しずく「先輩、怒られるかもしれませんよ?」
あなた「しずくちゃんもね」
しずく「……ま、ランジュさんに怒られるくらいならいいとして、問題は上ですよ」
しずく「二度も命令を無視して、今度こそクビになるんじゃありませんか?」
あなた「うーん、〇害なんて大げさに言ってるけど、捕まえるだけでも十分面子は保てるわけだし……」
あなた「万一クビになるとしてもそれは私だけだろうから、しずくちゃんは安心していいんじゃない?」
しずく「先輩……」
あなた「しずくちゃんはしっかりしてるし、私がいなくなってもきっと大丈夫だよ」
しずく「……私は嫌です」
あなた「えっ?」
しずく「だって私たちはまだ……」
あなた「しずくちゃん……?」
彼方「あぁ、いたいた。ふたりともそろそろ準備しないと」
しずく「すみません。行きましょう、先輩」
46: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:30:04.14 ID:GmBrtfoA
夜 波止場
しずく「彼方さん、聞こえますか?」
彼方〈うん、聞こえるよ~〉
しずく「今、波止場に到着しました」
彼方〈了解。できればもっと近くにいてあげたいんだけど……〉
しずく「心配しなくても先輩とふたりでうまくやってみせますよ」
彼方〈……あの子のこと、よろしくね〉
しずく「はい、任せてください」
あなた「倉庫にはまず私ひとりで入るから、合図をするまでしずくちゃんはここで待機ね」
しずく「わかりました」
………………
…………
……
あなた「……そろそろ時間かな」
しずく「先輩、お気をつけて」
あなた「うん」
しずく「彼方さん、聞こえますか?」
彼方〈うん、聞こえるよ~〉
しずく「今、波止場に到着しました」
彼方〈了解。できればもっと近くにいてあげたいんだけど……〉
しずく「心配しなくても先輩とふたりでうまくやってみせますよ」
彼方〈……あの子のこと、よろしくね〉
しずく「はい、任せてください」
あなた「倉庫にはまず私ひとりで入るから、合図をするまでしずくちゃんはここで待機ね」
しずく「わかりました」
………………
…………
……
あなた「……そろそろ時間かな」
しずく「先輩、お気をつけて」
あなた「うん」
47: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:33:02.21 ID:GmBrtfoA
第3倉庫
ギィィ……
スタ……スタ……
あなた「歩夢ちゃん……? いるなら返事して?」
あなた「おかしいな……どうしよう彼方さん、歩夢ちゃんが見当たらなくて……」
本部
彼方「もう少しよく探してみて。しずくちゃんのほうはどう?」
しずく〈倉庫の外で待機中ですが……特に変わった様子はっ――〉
彼方「……しずくちゃん? しずくちゃん、なにかあったの?」
シーン……
愛「なんか変じゃない……? 愛さんたちも向かったほうが――」
彼方「待って。ねぇ、しずくちゃんからの応答がないんだけど……」
あなた〈えっ……?〉
彼方「確認してきてくれる?」
あなた〈わかった〉
ギィィ……
スタ……スタ……
あなた「歩夢ちゃん……? いるなら返事して?」
あなた「おかしいな……どうしよう彼方さん、歩夢ちゃんが見当たらなくて……」
本部
彼方「もう少しよく探してみて。しずくちゃんのほうはどう?」
しずく〈倉庫の外で待機中ですが……特に変わった様子はっ――〉
彼方「……しずくちゃん? しずくちゃん、なにかあったの?」
シーン……
愛「なんか変じゃない……? 愛さんたちも向かったほうが――」
彼方「待って。ねぇ、しずくちゃんからの応答がないんだけど……」
あなた〈えっ……?〉
彼方「確認してきてくれる?」
あなた〈わかった〉
48: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:36:00.66 ID:GmBrtfoA
第3倉庫
あなた(どうなってるの……? まさか、狙いはしずくちゃん!?)
あなた「くっ……」バッ
歩夢「どこに行くの?」
あなた「!? 歩夢ちゃ――」
しずく「先輩……」
歩夢「ふふっ、捕まえちゃった」
あなた「しずくちゃんを離して!」スチャッ
歩夢「あっ、ひどいよ……幼馴染にそんな物向けるなんて」
あなた「歩夢ちゃんっ!!」
歩夢「……しょうがないなぁ」
あなた「…………」
歩夢「なら私はこうするね」チャキッ
しずく「……!」
歩夢「早く銃を下ろして。じゃないと……このまま首を切っちゃうよ?」
あなた「……目的はなんなの? 要求があるなら言って」
歩夢「私はね、ただあなたと普通に暮らしたいだけだよ?」
歩夢「一緒の家に住んで、ふたりでご飯を食べて、おんなじベッドで眠るの」
歩夢「そういうあなたとの平穏で幸せな生活を子供の頃から考えてたのに……」
歩夢「あなたは危ない仕事に就いて、私の知らない子と恋人ごっこまで始めて……」
歩夢「こんなの間違ってるよ……私が、あなたを守ってあげないと……」
あなた(どうなってるの……? まさか、狙いはしずくちゃん!?)
あなた「くっ……」バッ
歩夢「どこに行くの?」
あなた「!? 歩夢ちゃ――」
しずく「先輩……」
歩夢「ふふっ、捕まえちゃった」
あなた「しずくちゃんを離して!」スチャッ
歩夢「あっ、ひどいよ……幼馴染にそんな物向けるなんて」
あなた「歩夢ちゃんっ!!」
歩夢「……しょうがないなぁ」
あなた「…………」
歩夢「なら私はこうするね」チャキッ
しずく「……!」
歩夢「早く銃を下ろして。じゃないと……このまま首を切っちゃうよ?」
あなた「……目的はなんなの? 要求があるなら言って」
歩夢「私はね、ただあなたと普通に暮らしたいだけだよ?」
歩夢「一緒の家に住んで、ふたりでご飯を食べて、おんなじベッドで眠るの」
歩夢「そういうあなたとの平穏で幸せな生活を子供の頃から考えてたのに……」
歩夢「あなたは危ない仕事に就いて、私の知らない子と恋人ごっこまで始めて……」
歩夢「こんなの間違ってるよ……私が、あなたを守ってあげないと……」
49: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:39:01.24 ID:GmBrtfoA
しずく「つまり先輩を取り戻すために、せつ菜さんを〇そうと……?」
歩夢「そうだよ。死ななかったのは残念だけど、あの子とのごっこ遊びは終わってよかったかな」
あなた「……なら私が歩夢ちゃんのところに行けば、しずくちゃんを解放してくれる?」
歩夢「うーん……あなたはしずくちゃんを助けたいの?」
あなた「えっ?」
歩夢「どうして助けたいの? もしかして、しずくちゃんが大事ってこと?」
あなた「それは……」
歩夢「ふぅん、そっか……なら〇しといたほうがいいかな」
あなた「ま、待ってよ!」
歩夢「せつ菜ちゃんみたいになられたら困るし、芽は早いうちに摘んでおかないとね」
あなた「歩夢ちゃんっ!!」
歩夢「大丈夫だよ。苦しませたりしないから」
しずく「……ふふっ」
歩夢「……なにがおかしいの?」
しずく「いえ……歩夢さんはまだ芽だと思っているんですか?」
歩夢「え……?」
しずく「私と先輩の関係に気づいていないなんて……幼馴染も大したことないんですね」
歩夢「は……? なにを言って――」
しずく「私、先輩とお付き合いしてるんですよ?」
歩夢「――!」
しずく「聞きたいですか? 私の大好きな先輩のお話」
歩夢「……うるさい。うるさいうるさいっ!!」バッ
歩夢「そうだよ。死ななかったのは残念だけど、あの子とのごっこ遊びは終わってよかったかな」
あなた「……なら私が歩夢ちゃんのところに行けば、しずくちゃんを解放してくれる?」
歩夢「うーん……あなたはしずくちゃんを助けたいの?」
あなた「えっ?」
歩夢「どうして助けたいの? もしかして、しずくちゃんが大事ってこと?」
あなた「それは……」
歩夢「ふぅん、そっか……なら〇しといたほうがいいかな」
あなた「ま、待ってよ!」
歩夢「せつ菜ちゃんみたいになられたら困るし、芽は早いうちに摘んでおかないとね」
あなた「歩夢ちゃんっ!!」
歩夢「大丈夫だよ。苦しませたりしないから」
しずく「……ふふっ」
歩夢「……なにがおかしいの?」
しずく「いえ……歩夢さんはまだ芽だと思っているんですか?」
歩夢「え……?」
しずく「私と先輩の関係に気づいていないなんて……幼馴染も大したことないんですね」
歩夢「は……? なにを言って――」
しずく「私、先輩とお付き合いしてるんですよ?」
歩夢「――!」
しずく「聞きたいですか? 私の大好きな先輩のお話」
歩夢「……うるさい。うるさいうるさいっ!!」バッ
50: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:42:03.70 ID:GmBrtfoA
しずく「先輩!」
あなた「っ!」スッ
パァン!
歩夢「ぁ……」
歩夢(ナイフが――!)
パァン!
歩夢「かはっ……!」
ドサッ!
あなた「しずくちゃん離れて!」タッタッタッ
歩夢「…………」
あなた「……よし、息はある」カチッカチッ
しずく「わぁ……やればできるじゃないですか、せんぱ――」
ギュッ!
しずく「きゃっ!」
あなた「無事でよかった……」
しずく「……はいっ」
………………
…………
……
あなた「っ!」スッ
パァン!
歩夢「ぁ……」
歩夢(ナイフが――!)
パァン!
歩夢「かはっ……!」
ドサッ!
あなた「しずくちゃん離れて!」タッタッタッ
歩夢「…………」
あなた「……よし、息はある」カチッカチッ
しずく「わぁ……やればできるじゃないですか、せんぱ――」
ギュッ!
しずく「きゃっ!」
あなた「無事でよかった……」
しずく「……はいっ」
………………
…………
……
51: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:45:03.24 ID:GmBrtfoA
翌日 病室
エマ「そっかぁ、あなたが上原歩夢を捕まえてくれたんだね。ありがとう!」ギュウゥゥ
あなた「むぐぐ……え、エマさん苦しいよ……」
ランジュ「どうして〇さなかったの? ランジュ、納得いかないわ」
しずく「いいじゃないですか、代わりにきちんと法で裁かれるんですから」
ランジュ「でもでも!」
愛「そんなことよりしずくたちが付き合ってることのほうが愛さんびっくりだよ!」
ミア「だね。いつの間にそんなことになってたの?」
しずく「あぁ……あれ全部嘘ですよ? 隙を作るために一芝居打ってみました」
あなた「はぁはぁ……私もびっくりしたよ。急にあんなこと言いだして……」
しずく「でも上手くやってくれましたよね、先輩」
あなた「だってあのままじゃしずくちゃん本当に〇されてたし……」
彼方「うんうん、ふたりはいいパートナーになれそうだね~」
ピリリリリ! ピリリリリ!
あなた「あ……ちょっとごめん」
スタスタ……
しずく「先輩……?」
エマ「そっかぁ、あなたが上原歩夢を捕まえてくれたんだね。ありがとう!」ギュウゥゥ
あなた「むぐぐ……え、エマさん苦しいよ……」
ランジュ「どうして〇さなかったの? ランジュ、納得いかないわ」
しずく「いいじゃないですか、代わりにきちんと法で裁かれるんですから」
ランジュ「でもでも!」
愛「そんなことよりしずくたちが付き合ってることのほうが愛さんびっくりだよ!」
ミア「だね。いつの間にそんなことになってたの?」
しずく「あぁ……あれ全部嘘ですよ? 隙を作るために一芝居打ってみました」
あなた「はぁはぁ……私もびっくりしたよ。急にあんなこと言いだして……」
しずく「でも上手くやってくれましたよね、先輩」
あなた「だってあのままじゃしずくちゃん本当に〇されてたし……」
彼方「うんうん、ふたりはいいパートナーになれそうだね~」
ピリリリリ! ピリリリリ!
あなた「あ……ちょっとごめん」
スタスタ……
しずく「先輩……?」
52: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:48:00.70 ID:GmBrtfoA
エレベーターホール
あなた「――うん。じゃあ、また」ピッ
しずく「せつ菜さんですか?」
あなた「しずくちゃん! 聞いてたの?」
しずく「いえ、なんとなくそんな気がして……」
あなた「ふーん……まあいいや」
しずく「あっ、私のこと疑ってますね?」
あなた「そんなことないよ。だけどちょっと気になることはあるかな」
しずく「なんですか?」
あなた「私の勘違いかもしれないけど……しずくちゃん、わざと歩夢ちゃんに捕まった?」
しずく「うーん……先輩にはバレていましたか」
あなた「やっぱり。なんでそんな危ないことを……」
しずく「歩夢さんの演出プランに乗ってみようと思ったんです」
しずく「あの倉庫は先輩にとって忘れられない場所ですよね?」
あなた「……うん。あそこでせつ菜ちゃんが……」
しずく「きっと歩夢さんはその時のことを再現しようとしている……」
しずく「そう思って逆に利用させてもらっちゃいました」
あなた「……なんかしずくちゃんが怖くなってきたかも」
しずく「どうしてですか?」
あなた「――うん。じゃあ、また」ピッ
しずく「せつ菜さんですか?」
あなた「しずくちゃん! 聞いてたの?」
しずく「いえ、なんとなくそんな気がして……」
あなた「ふーん……まあいいや」
しずく「あっ、私のこと疑ってますね?」
あなた「そんなことないよ。だけどちょっと気になることはあるかな」
しずく「なんですか?」
あなた「私の勘違いかもしれないけど……しずくちゃん、わざと歩夢ちゃんに捕まった?」
しずく「うーん……先輩にはバレていましたか」
あなた「やっぱり。なんでそんな危ないことを……」
しずく「歩夢さんの演出プランに乗ってみようと思ったんです」
しずく「あの倉庫は先輩にとって忘れられない場所ですよね?」
あなた「……うん。あそこでせつ菜ちゃんが……」
しずく「きっと歩夢さんはその時のことを再現しようとしている……」
しずく「そう思って逆に利用させてもらっちゃいました」
あなた「……なんかしずくちゃんが怖くなってきたかも」
しずく「どうしてですか?」
53: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:51:00.49 ID:GmBrtfoA
あなた「だって自分を〇そうとしてる相手にわざと捕まってあんな大芝居するんだもん」
あなた「そのうち私もしずくちゃんに騙されちゃうんじゃないかってさ」
しずく「心配しなくても私は先輩を騙したりしませんよ」
あなた「どうかなぁ……昨日のアレを見ちゃったら、ね」
しずく「むぅ、人を詐欺師みたいに。たしかに昨日は大嘘をつきましたけど」
しずく「でも……ひとつだけ嘘じゃなかったかもしれません」
あなた「ん? どういうこと?」
しずく「私たぶん、先輩のこと……いえっ、やっぱりなんでもありません!」
あなた「ええっ? 教えてよ、気になるよ」
しずく「それより先輩、今度お食事にでも行きませんか? せつ菜さんも一緒に」
あなた「唐突だなぁ……なにか企んでるんじゃない?」
しずく「企んでませんっ。もう、先輩は私をなんだと思っているんですか?」
あなた「そんなの決まってるよ。しずくちゃんは私のパートナー、でしょ?」
しずく「……! そ、そうですよね。さすが先輩、よくわかってますね!」
あなた「さ、そろそろ病室に戻ろう。みんな待ってるよ」スタスタ
しずく「……先輩っ! 私、まだまだ未熟者ですが、これから先もよろしくお願いします!」
あなた「うん。よろしくね、しずくちゃん」
パタン
この物語はフィクションです♡
来週のこの時間は前田佳織里主演「ハッピーシュゴーライフ」をお送りします。
あなた「そのうち私もしずくちゃんに騙されちゃうんじゃないかってさ」
しずく「心配しなくても私は先輩を騙したりしませんよ」
あなた「どうかなぁ……昨日のアレを見ちゃったら、ね」
しずく「むぅ、人を詐欺師みたいに。たしかに昨日は大嘘をつきましたけど」
しずく「でも……ひとつだけ嘘じゃなかったかもしれません」
あなた「ん? どういうこと?」
しずく「私たぶん、先輩のこと……いえっ、やっぱりなんでもありません!」
あなた「ええっ? 教えてよ、気になるよ」
しずく「それより先輩、今度お食事にでも行きませんか? せつ菜さんも一緒に」
あなた「唐突だなぁ……なにか企んでるんじゃない?」
しずく「企んでませんっ。もう、先輩は私をなんだと思っているんですか?」
あなた「そんなの決まってるよ。しずくちゃんは私のパートナー、でしょ?」
しずく「……! そ、そうですよね。さすが先輩、よくわかってますね!」
あなた「さ、そろそろ病室に戻ろう。みんな待ってるよ」スタスタ
しずく「……先輩っ! 私、まだまだ未熟者ですが、これから先もよろしくお願いします!」
あなた「うん。よろしくね、しずくちゃん」
パタン
この物語はフィクションです♡
来週のこの時間は前田佳織里主演「ハッピーシュゴーライフ」をお送りします。
54: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:54:05.07 ID:GmBrtfoA
演劇部部長「残念だよ、しずく」
しずく「部長……? ここはいったい……」
演劇部部長「どうして私の忠告を無視したの?」
しずく「えっ?」
演劇部部長「ま、そんなこと聞いても意味ないか……」
しずく「あのっ! 説明してくれませんか?」
演劇部部長「……しずくはもう後戻りできないところまで来てしまったってこと」
しずく「それは、どういう……」
演劇部部長「言葉通りだよ。そして私にはもうどうすることもできない」
しずく「…………」
演劇部部長「そろそろ幕を下ろそうか……しずくの物語に」
つづく
しずく「部長……? ここはいったい……」
演劇部部長「どうして私の忠告を無視したの?」
しずく「えっ?」
演劇部部長「ま、そんなこと聞いても意味ないか……」
しずく「あのっ! 説明してくれませんか?」
演劇部部長「……しずくはもう後戻りできないところまで来てしまったってこと」
しずく「それは、どういう……」
演劇部部長「言葉通りだよ。そして私にはもうどうすることもできない」
しずく「…………」
演劇部部長「そろそろ幕を下ろそうか……しずくの物語に」
つづく
55: (もなむす) 2023/11/05(日) 23:55:00.97 ID:GmBrtfoA
お粗末さまでした。
【前回の日曜桜坂劇場】
日曜桜坂劇場「グレープフルーツミルク」[字][解][デ]目覚めたら見知った部屋、隣には裸で眠る後輩、抜け落ちた昨夜の記憶、この状況は…
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1684069205/
【前回の日曜桜坂劇場】
日曜桜坂劇場「グレープフルーツミルク」[字][解][デ]目覚めたら見知った部屋、隣には裸で眠る後輩、抜け落ちた昨夜の記憶、この状況は…
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引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1699187402/