【SS】果林 「小説家 朝香果林」【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS


3: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:21:52.88 ID:azrSav/x
彼方 「」

果林 (例えばこの表記だと、彼方が倒れているのか、単に寝ているのか、分からない。でも)

彼方 「……」

果林 (だからと言ってこうすると、今度は黙ってるように見える)

彼方 「zzz……」

果林 (こんな感じで情報を足すことで、彼方が寝ていることが分かる)

5: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:22:57.05 ID:azrSav/x
彼方 「果林ちゃん~? 何やってるの?」

果林 「小説を書くことに興味があって、少しずつ独学で学んでるのよ。まあ小説という割には会話文しかないのだけど」

彼方 「なるほどね~どれどれ? 彼方ちゃんが見てあげよう!」

彼方 「」

果林 「彼方が……血だらけで倒れてる……!」

彼方 「なんで彼方ちゃんが死んでるのぉ!?」

果林 「いや、あの、彼方が昼寝してるシーンを書きたかったんだけどつい」

6: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:23:52.17 ID:azrSav/x
彼方 「つい、で永眠させないでよ!?」

果林 「ごめんなさい」

彼方 『……もぅ、仕方ないなぁ』

果林 『許してくれるの?』

彼方 「うん、まあ……果林ちゃんが天然なのはずっとだし……」

果林 「ちょ! それってどういうことよ!」

彼方 「もう一回怒って!」

果林 「は? ……仕方ないわね。ちょ、それってどういうことよ!」 プンプン

彼方 「満足~」

果林 「???」

7: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:26:10.83 ID:azrSav/x
彼方 「それでこの事件はこれからどうなっていくの?」

果林 「実は何も考えてないのよねぇ、私が探偵になるか、後からエマを出してエマに解決してもらうかどっちかにしようと思ってるんだけど」

彼方 「ふむふむ」

果林 「まぁとりあえず書いてみるわ」

8: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:28:20.09 ID:azrSav/x
果林 『どうして彼方が……!』

エマ 『うぅ……彼方ちゃん……!』 ポロポロ

果林 『とりあえず現場近くにいる人を集めましょう。絶対犯人を捕まえてみせるわ!!』

そして季節が変わる直前になる頃。
つまりは数十分後。

果林 『現場近くにいたのはせつ菜、愛、かすみちゃんの三人……か』

せつ菜 『そんな……彼方さん……!!!!!!!!!!』

愛 『こんなの許されないよ……』

かすみ 『彼方先輩……彼方先輩……』 ポロポロ

10: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:30:44.73 ID:azrSav/x
果林 「導入はこんな感じね、ここから全く展開が浮かばないけど……」

彼方 「果林ちゃんはミステリを読んだことがあるの?」

果林 「ないわ」

彼方 「ないんだったら書くのは難しいよ? やっぱり小説はインプットも大事だからね~特にミステリに関しては情報が物を言うよ」

果林 「……なるほどね。でも私あんまり小説読まないのよねぇ」

彼方 「小説読まないのに小説書きたくなったの?」

果林 「ええ。なぜかビビッと来て」

彼方 「vividな~!」 テレテレテー

果林 「フリじゃなくてね」

12: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:33:39.13 ID:azrSav/x
彼方 「うーん……せっかくだから彼方ちゃんが手伝ってあげようか?」

果林 「ありがたいけど……さっきから引っかかってたんだけど、もしかして彼方って結構小説読んでるの?」

彼方 「うん、たくさん読んでるよ。本当は小説を書くことにも興味があったんだ」

果林 「なるほどね。なら、せっかくだから二人で小説を作ってみない? 漫画家ならよくコンビで描く人いるでしょ?」

彼方 「別にいいけど……ふふーん、果林ちゃん、彼方ちゃんの才能に追いつけるかな?」

果林 「悪いけど私も才能あると思うわ。だから」

果林・彼方 「「二人で書いたら最強」」

彼方 「ってことだね?」

果林 「ええ♪」

14: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:35:45.05 ID:azrSav/x
それから私たち二人はアイドル活動の傍ら、小説を書き始めた。そして、その活動は卒業後も続き、今現在は……。

果林 「彼方、今回の作品なんだけどこんな感じでどうかしら?」

彼方 「ふむふむ~。うん! すごくいいと思うよ。あとは彼方ちゃんの文才で味付けすれば完璧!」

果林 「一応言っておくけど、遥ちゃんみたいなキャラを勝手に追加するのはやめておいてよ?」

彼方 「そんなことするわけないじゃん」

果林 「前科があるから言ってるのよ!! 急に今をときめくアイドルとか出てきちゃうと世界観がおかしくなるの!!」

彼方 「だって~遥ちゃんの良さをテレビだけじゃなくて小説でも伝えたいんだもん」

15: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:37:53.17 ID:azrSav/x
果林 「なら個人名義の本で書きなさいよ」

彼方 「果林ちゃんの文章からじゃないとアイデアが浮かばないんだよね~」

果林 「それは嬉しいけど……///」

彼方 「じゃあ彼方ちゃんからも指摘なんだけど、また今日までの原稿の最後に日記書いてる! なんで都度その日あったことを書くの! これ全部消して編集に提出するの彼方ちゃんなんだよ!?」

果林 「うーん、悪いけど癖なのよね。その文章を書いたときの出来事とか、思いとかを言葉として残してないと、その文章をどういう気持ちで書いたのか忘れちゃいそうで」

彼方 「むー……そう言われたら言い返せないよぉ」

果林 「まあ喧嘩せずにこれからもコンビ頑張っていきましょ? 彼方」

彼方 「うん、もちろん、果林ちゃん!」






16: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:39:59.98 ID:azrSav/x
果林 「うーん……」

エマ 「どうしたの? 果林ちゃん?」

果林 「試しに小説というか、会話文を書いてるんだけど、難しくて……」

エマ 「なるほど、彼方ちゃんと果林ちゃんが小説を書いてる設定なんだね」

果林 「ええ、今話題の劇中劇みたいなものよ」

エマ 「でもまずはここを直さないと」

果林 「え? どこ?」

――

彼方 「」

果林 「彼方が……血だらけで倒れてる……!」

――

17: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:42:07.52 ID:azrSav/x
エマ 「その前の果林ちゃんの一人で考えてるシーンは、果林ちゃんの心情と、小説の中の彼方ちゃんしか登場人物がいなかったから、分かりやすかったけど」

果林 「うん」

エマ 「彼方ちゃんが小説を書いてる果林ちゃんに話しかけてからは、小説の中の彼方ちゃんと現実の彼方ちゃんの二人が出てくるから、表記から変えないと見分けがつかないよ」

果林 「つまりどうしたらいいのかしら?」

エマ 「私もあんまり詳しくないからなんとも言えないけど、小説の中のセリフは『』に変えてみたらどうかな?」

果林 「なるほど、こんな感じ?」

18: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:44:11.26 ID:azrSav/x
――

彼方 『……もぅ、仕方ないなぁ』

果林 『許してくれるの?』

――

果林 「今書いた新しいセリフに試しにつけてみたわ」

エマ 「なんで新しいセリフにつけちゃったの!? 果林ちゃん!?」

果林 「え? だめだったかしら?」

エマ 「さっきのところを直すだけで良かったのに……」

19: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:46:16.34 ID:azrSav/x
果林 「一度書いたのを直すと、やる気がなくなっちゃうのよね。だからまずは全体を完成させて、あとから細かいところは直すわ。でも今から書き始めるところはしっかり『』を意識するわよ」

エマ 「だとしてもここは現実の彼方ちゃんと語るシーンだから『』じゃなくてもいいんだよ」

果林 「あ、本当ね。でもそこもあとで直すわ」

エマ 「……あとが大変そうだなぁ」

果林 「そして、次のセリフはこんな感じでいいかしら?」

20: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:50:04.91 ID:azrSav/x
――

彼方 「うん、まあ……果林ちゃんが天然なのはずっとだし……」

果林 「ちょ! それってどういうことよ!」

――

エマ 「果林ちゃん、自分が天然なの自覚してたんだ……」

果林 「何言ってるの? 私は天然じゃないわよ、この小説の私が天然なの。さらに言えばこの小説の天然の私が書いてる小説の中の私も天然って設定よ」

エマ 「???」

21: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:52:09.91 ID:azrSav/x
果林 「にしても、なんというか小説って難しい……。ここはもっと怒ってる感じにしたいんだけど、上手く書けないわ」

エマ 「それだったら漫画みたいにオノマトペをつけてみたら?」

果林 「オノマトペ?」

エマ 「純文学だったら多分ダメな表記なんだろうけど、こういうssみたいな文章なら使ってもいいかも。この場合なら『プンプン』っていうのはどうかな?」

果林 「なるほど。音をつけることで感情や動きがわかりやすくなるのね。ならこのあとの展開はこんな感じでどうかしら?」

22: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:55:17.60 ID:azrSav/x
――

彼方 「うん、まあ……果林ちゃんが天然なのはずっとだし……」

果林 「ちょ! それってどういうことよ!」

彼方 「もう一回怒って!」

果林 「は? ……仕方ないわね。ちょ、それってどういうことよ!」 プンプン

彼方 「満足~」

果林 「???」

――

果林 「よし! これで大丈夫!」

エマ 「なにが大丈夫なの!?」

果林 「え?」

23: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 22:58:24.44 ID:azrSav/x
エマ 「普通にさっきの文にオノマトペ足せばよかったよね? なんで不自然にもう一回怒るシーンを入れるの? 彼方ちゃんが怒られて喜ぶ変態みたいになっちゃったよ!!」

果林 「設定はキャラの深みでしょ?」

エマ 「実際にいる友達を勝手に小説に出しといてこの仕打ちはないよ!! 果林ちゃん!!」

果林 「まぁ直すとしてもとりあえずあとね。ようやく小説を本格的に書くシーンに突入するわ」

エマ 「果林ちゃんが現場を仕切って、容疑者を集めるシーンだね」

果林 「時間経過を表現するなら、地の文が必要ね……こんな感じでどう?」

――

そして季節が変わる直前になる頃。

――

24: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:01:43.88 ID:azrSav/x
果林 「これでいいかしら?」

エマ 「良くないよ!? 季節が変わる直前になる頃って分かりにくいよ!! 実際どれくらい時間が経ってるの!?」

果林 「数十分くらいね」

エマ 「思った以上に時間が経ってない!! それなら最初からそう書こうよ、果林ちゃん!!」

果林 「だってぇ……純文学ってよく分かりにくい言い回しをしてるからそれを真似すればいいかもって……」 グスン

エマ 「きっと、その分かりにくい言い回しにもセンスがいるんだよ」

果林 「……なら普通に書くわね」

――

そして季節が変わる直前になる頃。
つまりは数十分後。

――

25: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:06:10.58 ID:azrSav/x
エマ 「意地でも文章は消さないんだね……」

果林 「あとでね。とりあえず執筆を再開するわ」

エマ 「……」

果林 「……」 カキカキ

エマ (正直色々とツッコんじゃったけど……)

エマ (一度私が注意した失敗は、果林ちゃん二度と繰り返してないし、文章の書くスピードも早い。それでいて、最終的には彼方ちゃんと良きコンビとしてハッピーエンドで話をまとめてる……)

エマ (もしかして果林ちゃんって本当に天才なんじゃ……)

果林 「どうかしら? エマ?」

エマ 「……すごくいいと思う」

果林 「本当!?」 パァァ

26: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:09:23.15 ID:azrSav/x
彼方 「あれ~? 果林ちゃんにエマちゃん~? 何やってるの?」

果林 「小説を書いてみたのよ」

彼方 「果林ちゃんが? 実は彼方ちゃん、書くことに興味があったんだよね~読んでみていいかい?」

果林 「もちろん!」

彼方 「……」 ペラッ ペラッ

果林 「……」 ドキドキ

彼方 「……これって」

果林 「!」

彼方 「すごい、才能あるよ果林ちゃん!!!!」

果林 「えっ!?」

27: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:12:27.80 ID:azrSav/x
彼方 「たしかに文章に慣れてない感じがあるけど、とにかくセンスがいいと思う……あのさ、果林ちゃん」

果林 「どうしたの彼方?」

彼方 「もし良ければ本当に彼方ちゃんと組まない? 小説コンビ?」

果林 「い、いいの彼方!?」

彼方 「彼方ちゃんは大歓迎だよ~!!」

果林 「じゃあ組むわ!! 組みましょう!!」 ワイワイ

28: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:15:34.63 ID:azrSav/x
エマ 「……」

エマ (二人で盛り上がってる……)

エマ (話邪魔したら悪いし、少し私離れようかな……それにしても良かった、果林ちゃんの才能が友達からとはいえ評価されて)

エマ 「……」 トボトボ

果林 「どこ行くの? エマ?」

エマ 「……!」

果林 「せっかく話が盛り上がってるのに。もしかしてもうお腹減ったの?」

エマ 「いや、二人が盛り上がってるから悪いなぁって……」

果林 「なに言ってるのよ。組むならエマもチームメイトよ?」

エマ 「えっ……」

29: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:19:50.27 ID:azrSav/x
果林 「だってこの場にいる三人で話してたんだから当たり前じゃない。ねぇ、彼方?」

彼方 「もちろんだよ~。エマちゃんがいてこそ、きっと果林ちゃんも彼方ちゃんも輝くと思うし」

エマ 「でも私、小説なんて書けないよ?」

果林 「なら私たちのマネージャーになってくれないかしら。エマがいないと起床もままならないのよ」

彼方 「それは切実だねぇ」

エマ 「本当にいいの!? 果林ちゃん……彼方ちゃん……」 ポロポロ

果林 「もちろん!」

彼方 「これからもよろしくね、エマちゃん!」

エマ 「二人とも、ありがとう……」 ポロポロ

30: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:22:54.88 ID:azrSav/x
それから私たち三人はアイドル活動の傍ら、小説を書き始めた。そして、その活動は卒業後も続き、今現在は……。

果林 「エマ、締め切りはあとどれくらい?」

エマ 「一時間しかないよ!!」

彼方 「まずいねぇ……果林ちゃん、そっちはどう?」

果林 「良い感じよ。でも、ここの展開が浮かばないのよねぇ」

彼方 「そこは彼方ちゃんも悩んでるんだよねぇ……試合を放棄するのも違うし」

31: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:28:10.75 ID:azrSav/x
エマ 「なら結局大会には出れなかったけど、ライバルとしての戦いは、翌日の河原で決着をつけるのはどうかな?」

果林 「俺は優勝したが、そんなのどうでもいい。お前に勝ちたいんだ、的な?」

エマ 「うん」

彼方 「おおっーーー! なんか彼方ちゃん、一気にイメージと文章が浮かんできたよ!! これならいけるかも!!」

果林 「私もその設定なら……ありがとう、エマ!! ナイスアイデアよ!」

エマ 「えへへ……///」

32: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:33:00.09 ID:azrSav/x
三人は幸せに過ごしてた。
でも。
その幸せはずっとは続かなかった。

エマ 「彼方ちゃんも……?」

彼方 「うん。果林ちゃんのことが好きなの、もちろん友達としてじゃない」

33: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:36:27.08 ID:azrSav/x
エマ 「……」

彼方 「……」

エマ 「なんでそれを私に……?」

彼方 「エマちゃん。果林ちゃんのこと好きでしょ?」

エマ 「えっ」

彼方 「もう、バレバレだったよ」 クスッ

エマ 「そ、そんな分かりやすかったかなぁ……///」

彼方 「だからちゃんと伝えておかないとフェアじゃないと思ったんだ」

エマ 「!」

34: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:39:34.29 ID:azrSav/x
彼方 「どっちが先に告白しても、それが上手く行っても行かなくても……溝ができないように」

エマ 「彼方ちゃん……」

彼方 「私、エマちゃんともずっと仲良くいたい」

エマ 「わ、私もだよ!!」

彼方 「だからこれからもよろしくね、エマちゃん」

エマ 「うん!!」

果林 「二人ともなんの話してるの?」

彼方・エマ 「「!?」」

36: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:43:27.92 ID:azrSav/x
彼方 「な、なんで果林ちゃんがここに!?」

果林 「なんでってエマに呼ばれたから……」

彼方 「エマちゃん!?」

エマ 「だってこんな話になるなんて思ってなくて……」

彼方 「……果林ちゃん、どこまで聞いてた?」

果林 「これからもよろしくってところからだけど」

彼方 「なんだ、そこからかぁ」 ホッ

果林 「?」

37: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:48:16.51 ID:azrSav/x
ある日。

エマ (とは言ったものの……)

エマ (正直分からないよ……彼方ちゃんの気持ちも、私の気持ちも)

果林 「彼方、ここの文章違和感ないかしら?」 スッ

彼方 「うーん……違和感はないけど、三人称にして他人事っぽい表現にした方が逆に伝わるんじゃないかな?」

果林 「なるほど……さすが彼方ね」

彼方 「ふふーん、果林ちゃん? もっと褒めてくれても良いんだよ~?」

果林 「もぅ、調子乗りすぎ」 ポンッ

彼方 「いて」

38: (やわらか銀行) 2021/06/23(水) 23:52:11.46 ID:azrSav/x
果林 「でもいつもナイスパートナーだと思ってるわ」

彼方 「果林ちゃん……///」

果林 「なに、照れてるのよ」

彼方 「べ、別に照れてないよ~」

果林 「いや、照れてたでしょ」

彼方 「ゼンゼンテレテナイヨ~」

果林 「……なら別に構わないけど」

エマ (ナイスパートナーか……彼方ちゃん、わざわざフェアにしなくても明白だよ)

エマ (果林ちゃんは彼方ちゃんのことが好きなんだよ、私じゃない)

エマ (そう、果林ちゃんは私じゃなくて……)

エマ 「……」

エマ 「……」 グスン

42: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:37:51.59 ID:cbEGfagw
また別のある日。

エマ 「うーん……」 ムムム

果林 「どうしたのエマ?」

エマ 「あのね? 彼方ちゃんが私に任せてくれたシナリオがあるんだけど」

果林 「ああ、あのシーンね。エマのアイデアはいつも面白い視点だから、私と彼方で、ここはエマに任せたら良くなるだろうって相談してたの」

エマ 「そう言ってくれて嬉しいんだけど、正直あんまり思いつかなくて……」

果林 「そうなの……なら一緒に買い物に行かない?」

エマ 「買い物?」

果林 「ええ。ネタに詰まったときは私はいつも外に出るの。歩くだけでも、街の風景を眺めるだけでも、十分気分転換になるし」

エマ 「じゃあそうしようかな」

43: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:39:26.34 ID:cbEGfagw
果林 「じゃあ彼方、そういうことだから留守番頼むわね?」

彼方 「……分かったよ」 ムス

果林 「あれ、彼方機嫌悪いの?」

彼方 「……別にぃ」 ムス

果林 「? まぁ、問題ないなら良いけど」

エマ (もしかして彼方ちゃん……一緒に買い物行きたいんじゃ……!)

エマ 「あのね果林ちゃ……」

彼方 「ねぇ、エマちゃん」 ボソッ

エマ 「!」

彼方 「たしかに買い物は羨ましいけど、エマちゃんの気持ちも分かってるから。彼方ちゃんのことは気にしないで楽しんできなよ。その方が私も嬉しいな」 ニコッ

エマ 「彼方ちゃん……」

果林 「置いていくわよ~? エマ~?」

エマ 「あ、今行くね!」

彼方 「……頑張って、エマちゃん」 グッ

エマ 「! う、うん!」 タタタ

44: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:40:44.64 ID:cbEGfagw
ガチャ

果林 「なんで彼方、機嫌が悪かったのかしら? もしかして私の原稿に不満でも!?」

エマ 「それはないよ~。だって果林ちゃんだって分かってるでしょ? 果林ちゃんの才能を誰よりも認めてるのは彼方ちゃんだって」

果林 「まぁ、それはそうなんだけどね」

エマ (それにしても)

エマ (やっぱり彼方ちゃんの気持ちが分からないよ)

エマ (なんで素直に私を応援できるの? もしかしたら私が告白しちゃうのかもしれないのに……)

果林 「エマ?」

エマ 「っ!? えっと、どうしたの果林ちゃん」

45: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:42:40.67 ID:cbEGfagw
果林 「どうしたのって……こっちの台詞よ。気分転換に出かけてるのに早速、浮かない顔しちゃって……無理にとは言わないけど、エマには笑ってほしいわ」

エマ 「果林ちゃん……」

果林 「それと! エマはこっち!」 ギュッ

エマ 「えっ!?」

エマ (て、手を握られてるぅぅ……!!///)

果林 「私が右側よ」

エマ 「えっと……」

エマ (急にどうしたんだろう、果林ちゃん?)

果林 「私が迷子になったら困るから、エマにはなるべく道の内側を通ってほしいわ」

エマ 「もしかして壁に手をつきながら歩いたら迷わない、っていう……」

果林 「ふふ、そうよ」

46: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:44:02.53 ID:cbEGfagw
エマ (なんていうか……私がたくさん悩んでも、彼方ちゃんが果林ちゃんを好きになっても)

エマ (私が大好きだった果林ちゃんは、いつも変わらずにいてくれる……それって)

エマ (素敵だなぁ)

果林 「そういえば二人で出かけたのっていつ以来かしら」

エマ 「そういえば相当前かも……学生の頃はよく二人で出かけたけど……」

果林 「ふふ、なんていうか、時が経っても、こうして変わらずエマがいて、彼方がいる。私って幸せね」 ニコッ

エマ 「私も幸せだよ、果林ちゃん」 ニコッ

47: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:47:02.51 ID:cbEGfagw
エマ (あれ? そういえばさっきから果林ちゃん……車道ばっか気にしてるようなぁ)

エマ (車は危ないもんね、しっかり気をつけないと……って、もしかして)

エマ (果林ちゃんが私を内側に歩かせたのって……)

エマ 「!?///」

果林 「ところであそこの公園のね」

エマ 「そういうところだよぉ……果林ちゃん……///」

果林 「ん? エマ、何か言った?」

エマ 「なんでもない……///」

エマ (果林ちゃんはすごく優しい……そんな果林ちゃんが大好きだから)

エマ (やっぱり私は果林ちゃんのことを諦められないよ……!)

48: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:50:17.64 ID:cbEGfagw
さらに別のある日。

果林 「彼方は相変わらず昼寝が好きね~」

彼方 「まぁ寝る時間は短いけどねぇ」

果林 「忙しいんだから仕方ないわよ。でも、もし本当に大変だったら無理しないで何日も休暇を取っても良いのよ?」

彼方 「いやそれは大丈夫かなぁ~そんなに大変な職場でもないから」

果林 「でもエマのスケジュール配分のおかげで問題なく休めてるとはいえ、執筆作業が大変なのは違いないし……」

彼方 「彼方ちゃんは果林ちゃんと仕事がしたいの!」

果林 「!」

49: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 18:51:37.79 ID:cbEGfagw
彼方 「彼方ちゃんだって昼寝大好きだけど、それ以上にここで働くのが大好きだよ? カッコいい果林ちゃんを見れる場所だし」

果林 「か、カッコいいって……/// そんなカッコいいもんじゃないわよ……///」

エマ 「……」

エマ (なんていうか、今日も仲良しだ)

エマ (まるで彼方ちゃんが私に見せつけてるみたいに……)

エマ (って!?)

エマ (なに考えてるの!! 彼方ちゃんはそんな子じゃない!! それに仲良しに越したことはないよ、私たち三人はずっと親友なんだから……)

エマ (うぅ……こんな嫌な気持ち……前は全然なかったのにどうして……)

彼方 「……」

彼方 (そろそろ。そろそろ動かないといけないかな……エマちゃんのためにも、果林ちゃんのためにも)

50: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 19:58:49.80 ID:cbEGfagw
とある日の夜。

エマ 「ただいま~」 ガチャ

エマ 「果林ちゃん? 彼方ちゃん? どこにいるの?」

エマ 「おーい……って」

目の前には。

彼方 「」

エマ 「彼方ちゃんが……血だらけで倒れてる……」

果林 「……」 ポロポロ

しかも。
泣きながら、血だらけの果林ちゃんが立っていた。

51: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:01:34.97 ID:cbEGfagw
エマ 「……」

昔、果林ちゃんが書いた小説では、ここで現場近くにいる人を集めたけれど……ここは一軒家で、鍵は私たち三人しか持ってなくて。しかもこの現場を見れば明らかに……。

エマ 「か、果林ちゃん……? こ、これは一体どういう……そ、そうだ、早く病院に連絡しなきゃ。そ、それに犯人がまだ近くにいるかもしれないから避難しなきゃ……」

果林 「……必要ないわ、エマ」

や、やめて、聞きたくない。
そんな言葉、果林ちゃんから聞きたくないよ。

52: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:03:03.33 ID:cbEGfagw
果林 「もう彼方は死んでるわ……それに、〇したのは私だから」

エマ 「……!」

果林 「……自首する。だって、もう、彼方はいない。私の罪は消えない」

エマ 「な、なんで……! なんでこんなことに……三人仲良くやってきたのに!! 本で稼いだお金だって三人で等分して……独立したいなんて話もなくて……!」

果林 「彼方が、私に話があるって急に呼び出したの。そしたら告白されて」

エマ 「……!」

エマ (彼方ちゃん、告白したんだ……)

53: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:04:07.55 ID:cbEGfagw
果林 「で、でも私分からなくて……彼方が私のこと好きって、嬉しいけど、でも、私には」

エマ 「果林ちゃん……」

果林 「彼方は告白を受け入れてほしいと迫った。でも、私はそれを拒んで……気がつけば小さな口論から大声で怒鳴り合うまでの大喧嘩になって……そして揉み合って突き飛ばしたら」

エマ 「……」

果林 「動かなくなった……」

エマ (そんな、そんなことって……)

果林 「何回も声をかけたわ。冗談かなって思って彼方をゆすってみたりもした……でも気が付いたら手は真っ赤で、服も血まみれだった」

エマ 「……」

54: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:05:11.56 ID:cbEGfagw
果林 「やっぱり警察なんかに行っても無駄かもしれない」

エマ 「それってどういう……!」

エマ (果林ちゃん、いつのまにナイフを……! それに自分に向けて……!?)

果林 「この部屋、今は寂しすぎるわ。やっぱり三人じゃないとダメなのよ。この寂しさは罪を償っても消えない。だったらもう……」 スッ

エマ 「や! やめて!! 果林ちゃん!!」

果林 「さようならエマ」

グサッ

55: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:06:36.65 ID:cbEGfagw
果林 「……っ」

エマ 「……」

果林 「……ごめんね、エマ」

エマ 「喋らないで……喋らないでよ……果林ちゃん……」 ポロポロ

果林 「……ゴホッ、もう私は死ぬわ。本当にごめんなさい、エマ」

エマ 「いやだぁ……いやだよぉ……」 ポロポロ

果林 「ゴホッ、最後に聞いて」

エマ 「さ、最後なんてぇ……」 ポロポロ

果林 「……私が好きだったのは、エマ。あなただったの」

エマ 「……!」

56: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:08:00.18 ID:cbEGfagw
果林 「……あなたを愛してた。でも、気持ちを伝える勇気がなくて、この三人の関係を壊すことができなくて、ずっと言えなかった」

エマ 「うぅ……」 ポロポロ

果林 「……彼方も、エマへの想いとは形が違うけど、それでも大好きだったことには変わらない。だから、私がエマと付き合ってしまえば、全てが変わってしまうって思ってた。だけど、今思えば彼方が私に想いを伝えた時点で、もう戻ることはできなかったのね」

エマ 「もう喋らないで……喋ったら血が、血が……」 ポロポロ

果林 「どちらにせよ、彼方はもういない。三人の関係を誰よりも壊したくなかった私が、まさか命を奪ってしまうなんて……皮肉なものね。せめて、最後にエマに愛されたかったけど……彼方の命を奪った私をあなたは許さないでしょう……ごめんなさい、エマ」

エマ 「……」 ポロポロ

57: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:09:09.75 ID:cbEGfagw
果林 「愛してるわ、エマ。あのとき、一緒に私たちと小説仲間になってくれてありがとう」

エマ 「……私も」

果林 「!」

エマ 「私も果林ちゃんが大好きだよっ!!!!!」

果林 「エ、エマ……」

エマ 「私もずっと昔から、学生の頃から、果林ちゃんのことが好きだった……勇気がなかったのは私も同じ。果林ちゃん、好きなの、私は果林ちゃんのことが……!」 ポロポロ

果林 「ふふ、最後にこんなプレゼントがあるなんてね……あの世で彼方に怒られちゃうかも」

エマ 「果林ちゃん……果林ちゃん……」 ポロポロ

果林 「さよならエマ……今までありがとう……」

果林 「……」

果林 「」

エマ 「うぅ……うぅ……」 ポロポロ

58: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:11:12.99 ID:cbEGfagw
彼方 「大成功だねぇ~」

エマ 「……」 ポロポロ

彼方 「でも少しやりすぎたかも」

エマ 「か、彼方ちゃん……?」 ポロポロ

彼方 「うん。彼方ちゃんだよ~」

エマ 「かかかか彼方ちゃん!?」

彼方 「そうだよ。彼方ちゃんだよ~」

エマ 「彼方ちゃん、ち、血まみれで……!!」

彼方 「それは血糊だよ~果林ちゃんも、もう演技やめたら?」

果林 「そうね、倒れるふりも疲れたわ」 スッ

エマ 「!!?」

59: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:13:16.40 ID:cbEGfagw
彼方 「それにしても果林ちゃん、名演技だったよ~小説家じゃなくて役者もできるんじゃない?」

果林 「まぁ元モデルだしできなくもないけど……」

エマ 「……!……?……!?……」 パクパク

彼方 「ってエマちゃんが口パクパクさせてる!?」

果林 「状況が分からないって顔してるわね……」

彼方 「えっと、じゃあ彼方ちゃんが簡単に説明しよーーう!! 果林ちゃんはエマちゃんがずっと好きだった! そしてエマちゃんも果林ちゃんがずっと好きだった!」

果林 「ちょ、恥ずかしいわよぉ……///」

彼方 「だけどお互い勇気が出ないから、彼方ちゃんと果林ちゃんで計画を立てた!」

果林 「彼方が実は朝香果林大好きでエマは焦るだろう大作戦、よ」

60: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:16:10.16 ID:cbEGfagw
彼方 「でもそれでも告白をしてこないエマちゃんに痺れを切らした果林ちゃんが」

果林 「次に、演技をしながら告白大作戦を閃いたってわけ。今生の別れって状況だったら、流石に告白してくれるでしょって思ってね」

彼方 「果林ちゃん自身も芝居がからないと告白する勇気がないって言うからこの作戦にしたんだけど……」

果林 「私でもドン引きなハードストーリーよ……しずくちゃんに依頼したんだけどね」 ハァ

彼方 「しずくちゃん、闇が深すぎるよぉ……」

果林 「まぁとりあえず、これで無事両思いね!! エマ! 正式に付き合いましょう!!」

彼方 「おめでとう二人とも~!!!! ちなみに二人が付き合い始めても彼方ちゃんは居座り続けるよ~」 パチパチ

61: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:18:15.30 ID:cbEGfagw
エマ 「……っ」 プルプル

果林 「エマ?」

彼方 「エマちゃん?」

エマ 「言って良い嘘と」 ゴゴゴゴゴ

果林 「!?」

エマ 「悪い嘘があるって」 ゴゴゴゴゴ

彼方 「!?」

エマ 「小学生でも分かるよ? ねぇ、二人とも……!!!!!」 ゴゴゴゴゴ

果林・彼方 「「ひっ」」

エマ 「絶対許さないからっ!!!!!」 ドカーーーーーーン

果林・彼方 「「ごめんなさいーーー!!」」 ドゲザ

62: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:20:30.40 ID:cbEGfagw
こうして私たち二人はエマに土下座し続けた。何回も焼き土下座の恐怖に晒されたが、さすがは永世中立国スイス出身。最後には笑って許してくれた。

果林 「……酷い目にあったわ」

エマ 「こっちの台詞だよ!! 果林ちゃん!!」 プンプン

彼方 「まぁでも無事両思いが叶って良かったよぉ」

果林 「念願の恋人ね!」

エマ 「こ、恋人……///」 カァァ

果林 「せっかくだからこの物語を小説にしちゃおうかしら」

エマ 「それは絶対やめてよ!?」

果林 「そんな怒らなくても」

彼方 「それにしても果林ちゃん、あのときも言ったけど演技上手だったねぇ。本当に役者目指してみたら?」

果林 「いやいいわよ、もう演技は懲り懲りよ!!」






63: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:36:47.99 ID:cbEGfagw
かすみ 「これって……」

果林 「見られちゃったわね」

かすみ 「! 果林先輩!?」

果林 「その原稿の中身、もう読み終わっちゃった……?」

かすみ 「……ええ、残念ながら」

果林 「どう? 私の小説なんだけど?」

かすみ 「……これ本当に小説なんですか?」

果林 「どういうことかしら?」

64: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:40:24.50 ID:cbEGfagw
かすみ 「もしこれが事実なら、説明がつきます。かすみんたちが来てから誰も外に出てないのに凶器が見つからないことに……」

果林 「その小説は全く事件には関係ないはずだけど……」

かすみ 「いえ、動機という点でこれほどの証拠はありません」

果林 「つまり?」

かすみ 「果林先輩とエマ先輩が恋人だということです。この小説、もしかしてノンフィクションなのでは? そして、この小説では彼方先輩も出てくる……それも、結ばれた二人と一緒に住み続けると言ってます」

果林 「素晴らしい友情でしょ?」

かすみ 「でも、たとえエマ先輩が構わないと言っても、彼方先輩が乗り気でも。あなたは、許せなかったんじゃないですか……ねぇ、果林先輩?」

65: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:43:31.15 ID:cbEGfagw
果林 「……かすみちゃん、もうとっくに私たちは卒業してるのだから、先輩とつけるのはやめなさい。それに、久しぶりに会ったのにそんな冷たい眼差しで見ないでよ」

かすみ 「……話を逸らさないでください」

果林 「……」

かすみ 「そしてこの証拠は、動機を証明しますが、それだけじゃなくて、この現場の不可思議も説明してくれます」

果林 「……続けて」

かすみ 「果林先輩の証言から、彼方先輩の少なくともここまでは生きてるであろう時間が予測されました。そして、その時間から、エマ先輩と何事もなかったかのように合流した果林先輩が現場を発見するまでの時間に、アリバイがない三人が疑われたわけですが、その三人とも外に出てないのに、凶器を持ってなかったんです。処分することなどできないのに」

果林 「それは不思議ね」

66: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:45:57.21 ID:cbEGfagw
かすみ 「……ならばそもそも、彼方先輩の生きてた時間が間違ってるのでは? かすみんたち三人が来る前にもう既に死んでいたなら、凶器の処分もとっくにされててもおかしくないはず」

果林 「……容疑者の一人であるあなたを信じるとでも?」

かすみ 「ですが、私から見たら、果林先輩以外犯人はありえないんですよ。最初は探偵役であることと、動機が分からないことから、そもそも疑ってませんでしたが……この小説を見てしまってはもう……」

果林 「……うーん、降参。残念、凶器を捏造して三人のうちの誰かに罪を押し付けようとしたのに」

かすみ 「……」

67: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 20:49:01.58 ID:cbEGfagw
果林 「でも一つ、忘れてることがあるわ」

かすみ 「……なんです? エマ先輩と一緒に発見することで第一発見者になったまでは良かったですけどもう逃げることなんて」

果林 「エマと私がいたときには都合良く発見されず、あなたたち三人が来てからエマに死体が発見されるなんて出来すぎじゃない?」

かすみ 「えっ」

?? 「ごめんねかすみちゃん」

かすみ 「ひっ……う……うしろ……!?」

ガッ

果林 「さようなら、かすみち

っと! とりあえずは今日はここまで。
今から彼方とエマとでカフェでコーヒータイムだからね。なんか今書いてる新作についても話したいって言ってたし、もしかして褒められるのかしら……ふふ、楽しみ。
ということで、じゃあまたね、私の世界♪

68: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 21:43:40.48 ID:cbEGfagw
おわり

71: (やわらか銀行) 2021/06/24(木) 22:05:48.47 ID:cbEGfagw
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引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1624454453/

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