【SS】千歌「果南ちゃんとの生活」【ラブライブ!サンシャイン!!】

SS


1: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:34:48.61 ID:WLxdbGXv
 ~十千万前~


果南「チカー」

千歌「果南ちゃんおかえり!」

果南「今日も大量だったよ」

千歌「わあ、おいしそうなマンモス!」

 

3: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:37:36.06 ID:WLxdbGXv
  バチバチ

千歌「早く食べたいなー」

果南「もうちょっとで焼けるよ」

千歌「わくわく」

果南「あはは、千歌はホントにマンモスが好きだね」

 

5: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:39:07.38 ID:WLxdbGXv
千歌「あ、果南ちゃん、木の実集めておいたよ」

果南「ありがと千歌」

千歌「これと一緒に食べるマンモスは絶品だよね」

果南「うん!」

 

7: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:45:42.17 ID:WLxdbGXv
千歌「ふう~、食べた食べた」

果南「ごちそうさまでした」

千歌「ねえ、チカの採ってきた木の実どうだった?」

果南「うん、おいしかったよ」

千歌「えへへ~」

 

9: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:49:30.77 ID:WLxdbGXv
果南「さ、お腹も膨れたし今日は何しよっか」

千歌「晴れてるし天体観測!」

果南「あはは、いいね」

千歌「果南ちゃん、星好きだもんね」

 

10: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:52:13.94 ID:WLxdbGXv
果南「ほら千歌、あれがデネブだよ」

千歌「うわあ~」

果南「それであっちがベガ」

千歌「きれいだなー」

 

11: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:54:57.39 ID:WLxdbGXv
千歌「果南ちゃんって本当に星に詳しいよねー」

果南「チカの言った通り、星が好きだから」

千歌「果南ちゃんと天体観測って全然飽きないよ」

果南「私も、千歌と一緒の天体観測は楽しいな」

 

12: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:56:38.38 ID:WLxdbGXv
  キラン

千歌「あ、流れ星!」

果南「ホントだ」

千歌「……」ブツブツ

果南「チカ、何をお願いしたの?」

 

13: (おにぎり) 2017/10/18(水) 23:59:32.60 ID:WLxdbGXv
千歌「ん、それはもちろん」

千歌「果南ちゃんといつまでも一緒にいられますようにって」

果南「チカってば…」

果南「もう、かわいいんだから」ハグ

 

14: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:02:58.25 ID:RVUMBPfM
《翌日》


果南「行ってきます」

千歌「いってらっしゃい」

果南「今日はいっぱい魚獲ってくるから」

千歌「うん、楽しみにしてる」

 

15: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:05:26.57 ID:RVUMBPfM
千歌「さて、私も木の実採ってこなきゃ」

男A「千歌ちゃん」

千歌「あ、男Aさん、おはようございます」

男A「あの話、考えてくれた?」

 

16: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:07:26.74 ID:RVUMBPfM
千歌「それは…」

男A「こんなこというのもなんだけど」

男A「僕はこの部族の長の息子だ」

男A「絶対キミに苦労はかけないよ」

 

18: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:08:52.19 ID:RVUMBPfM
千歌「……」

男A「いい返事を期待してるよ。じゃあね」

千歌「果南ちゃん」

千歌「私、どうしたら…」

 

19: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:11:24.21 ID:RVUMBPfM
果南「ふう、大漁大漁」

果南「今日も千歌を喜ばすことができそうでよかった」

男B「果南!」

果南「男Bさん、どうしたですか?」

 

20: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:15:46.35 ID:RVUMBPfM
男B「どうしたじゃないよ。早く俺と結婚してくれ」

果南「…こないだも言ったじゃないですか」

果南「私はまだ結婚する気は…」

男B「何故だ!?他に好きな男でもいるのか!?」

 

21: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:16:19.81 ID:RVUMBPfM
果南「別にいないですけど」

男B「じゃあなぜ!?」

果南「とにかく、結婚する気はありません」

男B「ガッデム!」

 

22: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:17:36.74 ID:RVUMBPfM
果南「ただいまー」

千歌「おかえり」

果南「ほら、今日もいっぱい獲れたよ」

千歌「わあ、おいしそう!」

 

23: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:19:30.54 ID:RVUMBPfM
  バチバチ

千歌「はふはふ」

果南「千歌ってば慌てて食べないの」

千歌「だっておいしいんだもん」

果南「ふふ、そう言われると獲ってきた甲斐があるよ」

 

24: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:21:52.41 ID:RVUMBPfM
果南「最後の一匹だね」

千歌「果南ちゃんが食べなよ」

果南「え、いいの?」

千歌「うん、だって果南ちゃん魚大好きでしょ」

千歌「それに、チカもうお腹いっぱいだし」

果南「ありがと千歌」ハムハム

 

26: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:28:16.89 ID:RVUMBPfM
長「失礼するぞい」

千歌「長さま」

果南「どうしたんですか、こんな時間に」

長「お前たちに話があってな」

 

27: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:42:32.98 ID:RVUMBPfM
長「千歌、果南よ」

長「お前たちももう年頃の娘だ」

長「他の娘たちのように男を迎える気はないのか」

千歌・果南「……」

 

28: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:43:12.00 ID:RVUMBPfM
長「ないのだろうな」

長「わしには分かる」

長「お前たちは互いに好き合っているのだろう」

千歌・果南「!」

 

29: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:43:44.79 ID:RVUMBPfM
長「隠さず話してみい」

千歌「はい…」

果南「その通りです」

長「やはりな」

 

30: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:44:21.48 ID:RVUMBPfM
長「だが、女同士で夫婦になるなどこの方聞いたことがない」

千歌「はい…」

長「部のためにも、ここは男を迎えて子孫を増やす気はないか?」

果南「……」

 

31: (おにぎり) 2017/10/19(木) 00:45:02.25 ID:RVUMBPfM
果南「私は…」

果南「ありません」

長「ふむ。千歌よ、お主はどうだ」

千歌「私も、ありません」

 

39: (おにぎり) 2017/10/19(木) 21:54:21.19 ID:RVUMBPfM
長「あい分かった」

長「千歌、そして果南よ」

長「お前たちには…」

長「この部を出て行ってもらう」

長「異端がいると部全体に悪影響が及ぶ」

長「分かってくれるな」

果南「…分かりました」

千歌「明日、出て行きます」

 

40: (おにぎり) 2017/10/19(木) 21:55:06.61 ID:RVUMBPfM
《翌朝》

果南「チカ、もう朝だよ」

千歌「うん、おはよう」

果南「おはよう。さ、支度しよう」

千歌「うん…」


果南「うーっと、絶好のお出かけ日和だね」

千歌「そうだね」

果南「これからは誰にもわずらわされることなく暮らせるね」

千歌「うん!」

 

41: (おにぎり) 2017/10/19(木) 21:56:03.92 ID:RVUMBPfM
果南「さて、まずは遠くに行かなくちゃね」

千歌「どうして?」

果南「部の近くにいたんじゃ、出て行った意味がないでしょ?」

千歌「あ、そっか」


千歌「私たち、本当に追い出されたんだよね」

果南「不安?」

千歌「果南ちゃんは不安じゃないの?」

果南「もちろん不安もあるよ。でも、楽しみもあるかな」

果南「誰の目も気にせず千歌と暮らせるからさ」

 

42: (おにぎり) 2017/10/19(木) 21:56:48.75 ID:RVUMBPfM
果南「せめてもの手向けに長が狩り道具もくれたから」

果南「飢える心配もなし」

果南「それに、何があっても」

果南「千歌は私が守るから」

千歌「果南ちゃん…」

   ギュ

果南「わわ、急にどうしたのチカ?」

千歌「えへへ、抱きつきたい気分なのだ」

 

44: (おにぎり) 2017/10/19(木) 23:34:05.99 ID:RVUMBPfM
《夜》

  ホー ホー

果南「今日はこの辺で寝ようか」

千歌「はあ、もうクタクタ」

果南「ふふ、そのうちお家も作ろうね」

千歌「でも野宿なんて初めてかも」


千歌「果南ちゃん、星がきれいだね」

果南「そうだね」

千歌「でもちょっと寒いかも」

果南「それじゃあ」

   ギュ

果南「抱き合って温まろうか」

千歌「わ///」

果南「いや?」

千歌「いやじゃないけど、ちょっと恥ずかしいな」

果南「誰も見てないよ」

千歌「だって、こういうこと初めてだから」

果南「あはは、じゃあ毎日こうやって寝る?」

千歌「うーん、考えとく」

果南「ふふ、分かった」

 

45: (おにぎり) 2017/10/19(木) 23:42:07.13 ID:RVUMBPfM
《数日後》


果南「ふう、今日のマンモスは手ごわかったな」

  ズルズル

果南「おっも」


果南「チカー、今帰った――」

果南「!」

果南「家が荒らされてる!」

果南「千歌!」

 

46: (おにぎり) 2017/10/19(木) 23:45:27.43 ID:RVUMBPfM
千歌「……」

果南「千歌、大丈夫!?しっかりして」

千歌「ん…」

千歌「あ、果南ちゃん」

果南「何があったの?」

千歌「違う部族の人が突然襲ってきて」

千歌「ごめんね果南ちゃん」

千歌「今まで集めた食糧、全部とられちゃった」

果南「いいよそんなのは!」

果南「千歌は大丈夫なの!?」

千歌「私は頭をぶたれただけだから」

千歌「平気だよ」

 

47: (おにぎり) 2017/10/19(木) 23:54:05.23 ID:RVUMBPfM
果南(しかしこの日を境に、千歌の体調は日に日におかしくなっていった)


千歌「この木の実固いなあ」

果南「もっと力を込めて割れば大丈夫だよ」

千歌「ふん」バキ

果南「ね、割れたでしょ」

千歌「うん――」

   フラ

千歌「あ……」ドサ

果南「千歌!?どうしたの!?」

千歌「えへへ、ちょっとめまいが」

果南「大丈夫?」

千歌「うん、平気だよ。さ、ご飯にしよう」

 

48: (おにぎり) 2017/10/19(木) 23:57:27.07 ID:RVUMBPfM
  ビョオオオ

千歌「冬が来たね」

果南「うん」

千歌「寒い」

果南「大丈夫、千歌?」

果南「もっと火の近くに寄って」

千歌「うん」ガタガタ

果南「温めるね」ハグ

千歌「ありがとう果南ちゃん」

 

50: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:06:54.38 ID:s3pwvk/f
千歌「果南ちゃん、お腹空いた」

果南「私もだよ。我慢しよ」

千歌「ごめんね、もうちょっと木の実集められたら」

千歌「それに、木の実とられなかったら」

果南「過ぎたことは言いっこなし」

果南「こういう時は寝るに限るよ」

千歌「うん」


果南(今までは部族で助け合って冬を乗り越えてきたけど)

果南(私たちだけじゃ、自分たちで何とかするしかない)

 

51: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:10:55.22 ID:s3pwvk/f
千歌「けほっ、けほっ」

果南「千歌、風邪?」

千歌「そ、そんなことないよ」

果南「おでこ出して」

  ジュ

果南「熱っ、やっぱり風邪ひいてるじゃん」

千歌「うん、ごめんね」

果南「こういう時は栄養つけて寝なきゃ」

千歌「栄養なんてないよ…」

果南「あ…」

果南「千歌、ちょっと待っててね」

果南「川から魚獲ってくるから」

千歌「寒いよ果南ちゃん!」

果南「平気平気」

果南「いい、じっとしてるんだよ」

 

52: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:18:44.13 ID:s3pwvk/f
  ビョオオオ

果南「うう、寒い」

果南「でもそんなこと言ってられない」

  ザザー

果南「あ、良かった。川は凍ってない」

  チャプ

果南「ひぎぃ!つ、冷たい」

果南「でも千歌のために、一匹でも多くの魚を」ジャブジャブ

 

53: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:19:43.48 ID:s3pwvk/f
千歌「……」

果南「ち、千歌」ガタガタ

果南「ほら、魚だよ。いっぱい食べよう」

千歌「果南ちゃん、ありがとう…」

果南「いま焼くからね」ガタガタ

 

54: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:20:54.75 ID:s3pwvk/f
果南「ふう、久しぶりに豪華な食事だったね」

千歌「うん…」

果南「千歌?」

  バタ

果南「ち、千歌!」

千歌「……」

果南「千歌!返事して千歌!チカァ!」

 

55: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:27:48.06 ID:s3pwvk/f
果南(この日から千歌は意識を覚ますことがなかった)

果南(食べ物をとらない体は日を増すごとにやせ衰えていき)

果南(そして――)


千歌「……」

果南「千歌、春が来たよ」

果南「今日ね、千歌の大好きなマンモスを獲ってきたんだ」

果南「いつまでも寝てないでさ」

果南「一緒に食べようよ」

千歌「……」

果南「…千歌、私さびしいよ」

果南「また前みたいに話しかけてよ」

千歌「……」

果南「…狩りに行ってくるね」

 

57: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:42:11.94 ID:s3pwvk/f
千歌「…かなん…ちゃ…」

果南「!」

果南「千歌、千歌!」

千歌「果南ちゃん、おはよう」

果南「…おはよう、千歌」

千歌「果南ちゃん、チカね」

千歌「もうダメみたい」

果南「な、なに言ってるの!」

千歌「だからね、最後に果南ちゃんに言いたいことがあって」

果南「最後だなんて言わないの!」

 

58: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:46:15.81 ID:s3pwvk/f
千歌「ごめんね、果南ちゃん」

千歌「私があの時告白なんかしなければ」

千歌「果南ちゃんは部族を追い出されず」

千歌「こんな辛い生活しなくてすんだのに」

果南「なに言ってるのさ!」

果南「私は本当に千歌が好きだから」

果南「部族を出て行って、後悔なんて一つもしてないよ」

千歌「ふふ、ありがとう、果南ちゃん。嬉しいなあ」

 

59: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:50:28.25 ID:s3pwvk/f
千歌「ねえ果南ちゃん。私ね」

千歌「果南ちゃんとの生活、すごく楽しかった」

千歌「一緒に魚を獲ったことや」

千歌「一緒に星を見たことや」

千歌「一緒に寝たことでも楽しかった」

千歌「だからね、ありがとう果南ちゃん」

千歌「ずっと、ずっと大好きだよ」

千歌「ぐふっ!」バタ

果南「…千歌?」

果南「千歌、冗談だよね…」

果南「ねえ、もう一回目覚ましてよ」

果南「千歌、チカァーーーーー!!」

 

60: (おにぎり) 2017/10/20(金) 00:53:46.59 ID:s3pwvk/f
果南(千歌の遺体は海がよく見える崖の上に埋めた)

果南(そして私は自分が死ぬその瞬間でも)

果南(生涯、千歌との思い出をずっと胸に思い起こしていた)

果南(いつかまた出会えることを信じて)

 

61: (おにぎり) 2017/10/20(金) 01:00:12.27 ID:s3pwvk/f
 ~201X年~


千歌「果南ちゃーん」

果南「どうしたの千歌?」

千歌「もうダイヤさんがいじめる」

ダイヤ「いじめてなどいません!」

ダイヤ「ただ千歌さんにはリーダーとしての振る舞いをさとしていただけです」

果南「あはは、よしよし」

果南「ダイヤも、あんまり千歌に厳しくしないであげて」

ダイヤ「果南さんは千歌さんに甘いんですわ!」

曜「仕方ないよ。あの二人は赤ん坊のころからずっと一緒だったんだから」


千歌「ありがとう、果南ちゃん。もう大好き」

果南「ふふ、ありがとう千歌」

千歌「果南ちゃんは、ずっとチカの傍にいてね」

果南「うん、ずっと一緒だよ、千歌」


おしまい

 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1508337288/

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