【SS】可可「さっさとお水を持ってくるデス、グソクムシ」すみれ「……」【ラブライブ！スーパースター!!】

可可「どうしたのデスか？」

すみれ「前々から黙って聞いてればなにしろだのグソクムシだの」

すみれ「私をなんだと思ってるのよ！？」

可可「グソクムシはグソクムシデス」

すみれ「それやめなさいよ！」

すみれ「っていうかなんであんた私にだけ当たりが強いわけ？」

可可「すみれがスクールアイドルを冒涜したからデス！」

すみれ「そんなの最初の話でしょ！？」

すみれ「今じゃみんなでラブライブ！を目指したいって思ってるしアマチュアなんて思ってない！」

可可「どうだか、口ではなんとでも言えマスよ」

千砂都「可可ちゃん言い過ぎだよ！」ｱｾｱｾ

すみれ「……」ｼﾞﾜｯ

可可「え、泣いてるんデスか！？」ｱｾｱｾ

すみれ「私はあなたのこと仲間だって思ってた」

すみれ「けど、あなたは違ったみたいね」

すみれ「信用されてないんじゃパフォーマンスなんていいものになるはずもない」

すみれ「私、抜けるわ」

かのん「え、ちょ、ちょっと待ってよすみれちゃん！」

可可「く、可可そこまで言ってないデス！」

すみれ「本当はこの5人でまだ続けたかったけど」

すみれ「でももう限界ったら、限界よ……！」

すみれ「大嫌いな私がいなくなってよかったわね、可可！」ﾀﾞｯ

恋「すみれさん！」

かのん「ごめん、私すみれちゃん追いかけてくる！」

可可「可可も――」

千砂都「行かない方がいいよ」

可可「えっ」

千砂都「可可ちゃんが行ってもすみれちゃんもっと怒るだけだと思う」

可可「で、でも……」

恋「……可可さんはすみれさんのことが嫌いなんですか？」

可可「そんなことないデス！」

恋「ではなんであのような言い方を？」

可可「……」

可可「すみれはとっても優しいデス」

可可「可可のわがままをいつも聞いてくれて、ちょっとくらい突っかかっても構ってくれて……」

可可「それが嬉しくて、楽しかったんデス」

可可「それがすみれを傷つけてるなんて可可全然思わなくて……」ｼﾞﾜｯ

可可「最初こそ、スクールアイドルを侮辱するコンチクショーだと思いマシタ」

可可「でもすみれは可可よりなんでもできて、それを鼻にかけなくて、努力を続けるような人デシタ」

可可「可可はなんでもできるすみれが羨ましかったんデス……」

千砂都「素直になれなかったってこと？」

可可「ハイ……」

かのん「……」

恋「かのんさん、すみれさんは？」

かのん「やっぱりもう無理だって」

かのん「可可ちゃんの顔、見たくないって」

可可「っ！」ｽﾞｷｯ

可可「ごめんなさい……」

可可「可可がやめればすみれは戻ってきてくれマスか……？」

かのん「えっ、でも可可ちゃん、スクールアイドルがやりたくて日本に来たんでしょ！？」

可可「そうデスが……」

可可「Liella!のためを思えば可可よりすみれがいた方がいいはずデス」

可可「すみれは優しくて、料理もできて、ダンスもできて、歌もうまくて……」

可可「可可にないものを沢山持ってマス……」

恋「可可さんはすみれさんのこと本当はどう思ってたんですか？」

可可「すみれのこと、お姉ちゃんみたいだって……」

可可「可可甘えてマシタ」

可可「すみれに何か言えば反応してくれるのが嬉しくて……」

可可「すみれのこと本当は大好きなのにきつい言い方しちゃって……」

かのん「大好きだから、ちょっかいかけちゃったんだ」

可可「ハイ……」

千砂都「構って欲しいからってあんまりきついこと言っちゃダメだよ？」

可可「わかりマシタ……」

かのん「好きな人にちょっかいかけたい気持ちはわかるけど、傷付いちゃう人もいるんだから」

可可「ハイ……」

恋「すみれさんへの接し方をきちんと見つめ直してくださいね」

可可「でも、もうすみれは可可に会いたくないって……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

可可「でももし可可がいても戻ってきてくれるなら、また一緒にスクールアイドルやりたいデス……！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

かのん「だって、すみれちゃん」

可可「……へ？」

すみれ「ま、まったく、恥ずかしいったら、恥ずかしいんだから！」ｶｱｱｱｱｱｱ

可可「す、みれ……？」

千砂都「というわけで！」

かのん「ドッキリでした！」

恋「ごめんなさい、可可さんを騙すのは心が痛んだのですが……」

可可「え、じゃあすみれ戻ってきてくれるんデスか！？」

すみれ「最初からやめる気なんてなかったわよ」

可可「っ！」

可可「グソクムシのくせに可可を騙そうだなんて――」

かのん「可可ちゃん？」

可可「……」

可可「すみれが戻ってきてくれて嬉しい、デス……」

千砂都「よく言えました」ｸｽｸｽ

すみれ「私はあんまり気にしてなかったんだけど、みんなが可可の私に対する態度が気になって、お灸を据えるのも兼ねてのドッキリだって」

かのん「可可ちゃんがすみれちゃんのこと大好きなのは伝わってきてたんだけどね」

千砂都「それでもちょっと目に余るものもあったから」

可可「……ごめんなさいすみれ、可可すみれのこと傷つけてるなんて思ってなくて」

すみれ「だから私は気にしてなかったって」

可可「すびれ゛ぇ～！」ｷﾞｭｯ

すみれ「暑苦しいから、離れなさいったら、離れなさいよ！」

すみれ「別に今まで通りで構わないったら、構わないのよ！」

可可「嫌デス……！」

可可「騙した責任トリヤガレ、デス！」ｷﾞｭｳｯ

恋「あれはいいのでしょうか、結構な汚い言葉を使ってますが……」

かのん「まあ、甘えてるみたいだしいいんじゃない？」

――
後日

可可「すみれ！」ｷﾞｭｯ

すみれ「……」

可可「どうしたのデスか？」

すみれ「あれからずっとくっついてない！？」

可可「家に帰る時や授業中はさすがに離れマスよ？」

すみれ「なんでずっとくっついてるのよ」

可可「だってそれはすみれが大好きだってちゃんと伝えるためで……」

すみれ「極端から極端に行き過ぎなのよ！」

かのん「お、2人とも今日も仲良しだね」

可可「ハイ！」

すみれ「まあ、仲良くないことは、ないったら、ないわね」

おわり