1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 21:29:11.50 ID:kUGaY8DM0
微工口。
シリアスです。
シリアスです。
2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 21:32:14.66 ID:+XWxXTQ+O
ことり「穂乃果ちゃんのことが好きです!ことりと、付き合ってください!!」
穂乃果「……はい、喜んで……///」
二人しかいない教室。
薄い扉を挟んだその向こう。
私の大切な幼なじみが、私の尊敬する親友が……私の大事な仲間のことりが……私の大切な幼なじみで、私の尊敬する親友で……私の愛した穂乃果と結ばれた。
一つの愛が生まれた歓喜の瞬間を見たとき、こんなにも心が空っぽになるとは思いませんでした。
二人は私に一番に付き合い始めたことを伝えてくれるでしょうか?
私と変わらず仲良くしてくれるでしょうか?
私は二人に気を遣わなければいけませんね。
……などと、現実から目を背けたように的はずれなことを思い。
嬉しさも、切なさも、悲しさも、喜びも、寂しさも……全てを汚ならしくかき混ぜたような重さだけを感じて、私はその場を離れました。
穂乃果……
ことり……
穂乃果……
ことり……
穂乃果……
私は……
嗚呼……この世に神様がいるのなら、どうか……私のこの思いを消してはいただけないでしょうか……
胸を締め付けるこの痛みを……拭い去ってはいただけないでしょうか……
穂乃果「……はい、喜んで……///」
二人しかいない教室。
薄い扉を挟んだその向こう。
私の大切な幼なじみが、私の尊敬する親友が……私の大事な仲間のことりが……私の大切な幼なじみで、私の尊敬する親友で……私の愛した穂乃果と結ばれた。
一つの愛が生まれた歓喜の瞬間を見たとき、こんなにも心が空っぽになるとは思いませんでした。
二人は私に一番に付き合い始めたことを伝えてくれるでしょうか?
私と変わらず仲良くしてくれるでしょうか?
私は二人に気を遣わなければいけませんね。
……などと、現実から目を背けたように的はずれなことを思い。
嬉しさも、切なさも、悲しさも、喜びも、寂しさも……全てを汚ならしくかき混ぜたような重さだけを感じて、私はその場を離れました。
穂乃果……
ことり……
穂乃果……
ことり……
穂乃果……
私は……
嗚呼……この世に神様がいるのなら、どうか……私のこの思いを消してはいただけないでしょうか……
胸を締め付けるこの痛みを……拭い去ってはいただけないでしょうか……
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 22:02:53.22 ID:+XWxXTQ+O
――――――――
次の日、いつも通りに二人と登校前の待ち合わせ。
いつも通り、私が一番早くに到着しました。
そして、いつもとは違う……ことりと穂乃果が一緒に来ました。
固くお互いの手を繋ぎながら。
――――――――
次の日、いつも通りに二人と登校前の待ち合わせ。
いつも通り、私が一番早くに到着しました。
そして、いつもとは違う……ことりと穂乃果が一緒に来ました。
固くお互いの手を繋ぎながら。
――――――――
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 23:13:59.93 ID:+XWxXTQ+O
ことり「……ビックリ……した?」
海未「え、ええ。まあ……そうですね……。なんと言いますか、おめでとうございます……?で、いいんでしょうか……?」
穂乃果「いやぁ♪照れるなあ……///」
海未「……ふぅ、そんなニヤついた顔では、すぐにみんなに知れ渡ることでしょうね」
ことり「とりあえずμ'sのみんなには伝えておこうかなって。でも、やっぱり一番最初に海未ちゃんに伝えないとって、穂乃果ちゃんが」
穂乃果「なんたって、海未ちゃんは最っ高の幼なじみだからねっ!」
ズキッ
海未「……ありがとうございます、穂乃果。改めて、二人とも……おめでとうございます」ニコッ
穂乃果「ありがとうっ!」
ことり「ありがとう///」
海未「え、ええ。まあ……そうですね……。なんと言いますか、おめでとうございます……?で、いいんでしょうか……?」
穂乃果「いやぁ♪照れるなあ……///」
海未「……ふぅ、そんなニヤついた顔では、すぐにみんなに知れ渡ることでしょうね」
ことり「とりあえずμ'sのみんなには伝えておこうかなって。でも、やっぱり一番最初に海未ちゃんに伝えないとって、穂乃果ちゃんが」
穂乃果「なんたって、海未ちゃんは最っ高の幼なじみだからねっ!」
ズキッ
海未「……ありがとうございます、穂乃果。改めて、二人とも……おめでとうございます」ニコッ
穂乃果「ありがとうっ!」
ことり「ありがとう///」
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/02(木) 23:14:53.20 ID:+XWxXTQ+O
――――――――
告白はどちらからですか?
……知っています。
きっかけはなんだったのですか?
……想像がつきます。
もう、口付けは済ませたのですか?
……知りたくありません。
私は深く聞かず、口を結び、幸せそうに手を繋ぐ二人を静かに見つめました。
そんな下世話な質問をして苦しむのは、きっと私の方なのですから。
――――――――
告白はどちらからですか?
……知っています。
きっかけはなんだったのですか?
……想像がつきます。
もう、口付けは済ませたのですか?
……知りたくありません。
私は深く聞かず、口を結び、幸せそうに手を繋ぐ二人を静かに見つめました。
そんな下世話な質問をして苦しむのは、きっと私の方なのですから。
――――――――
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 00:03:45.78 ID:fs9zJvp6O
絵里「ハラショー!!穂乃果とことりが!?」
希「おー♪おめでとう♪」
にこ「アイドルは恋愛禁止!……って怒鳴るのもヤボよね。でも、アイドルとして、節度ある交際を心がけなさ――――」
穂乃果「こーとりちゃーん♪」モッギュー
ことり「やーんっ♪」モッギュー
にこ「聞きなさいよ!!」
希「んふふ~♪ではでは~♪」
絵里「馴れ初めなんかね~、詳しく聞いちゃおうかしらね~♪」
ことり「ふぇっ!?は、恥ずかしいよぉ~///」
穂乃果「エヘヘ~///」
にこ「うわ、全力でニヤけてるわね……」
海未「知らぬ仲でなし、なにを照れているのですか……まったく」
海未「……………………」
海未「……ああ、ちょっと失礼します。喉が渇いたので、なにか飲み物でも買ってきます」
穂乃果「あ、私も行くー」
海未「穂乃果の分も買ってきてあげますよ。その間、根掘り葉掘り聞かれてしまいなさい」
穂乃果「うえぇ!?」
海未「……では」
絵里「観念しなさーい♪」
ことり「だ……」
ことほの「だれかたすけてぇ~!」
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 00:43:51.91 ID:fs9zJvp6O
――――――――
ダメですね……私は……
気を抜いたとたん、笑顔が崩れそうになってしまう。
二人が結ばれて、喜ばしいのはもちろん本心です。
共に同じ時間を過ごし、思いを募らせた……かけがえの無い友人。
喜ばしくないはずがありません。
だからこそ……
素直に二人を祝福出来ない自分が、とてつもなく嫌な存在に感じました。
このやり場の無い思いは、いったいどうすればいいのでしょう。
と、そんなやるせなく歩を進めていた私の耳に届いた――――
好きなの――――
という、甘く情熱的な言葉。
――――――――
ダメですね……私は……
気を抜いたとたん、笑顔が崩れそうになってしまう。
二人が結ばれて、喜ばしいのはもちろん本心です。
共に同じ時間を過ごし、思いを募らせた……かけがえの無い友人。
喜ばしくないはずがありません。
だからこそ……
素直に二人を祝福出来ない自分が、とてつもなく嫌な存在に感じました。
このやり場の無い思いは、いったいどうすればいいのでしょう。
と、そんなやるせなく歩を進めていた私の耳に届いた――――
好きなの――――
という、甘く情熱的な言葉。
――――――――
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 08:35:53.25 ID:fs9zJvp6O
真姫「……………………」
凛「……………………」
真姫「……………………好きなの、凛。……あなたのことが好き。お願い、私と……付き合って」
凛「……………………うん///」
凛「……………………」
真姫「……………………好きなの、凛。……あなたのことが好き。お願い、私と……付き合って」
凛「……………………うん///」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 09:00:45.45 ID:fs9zJvp6O
――――――――
間女のように物陰に隠れ、初々しく言葉を交わす一年生二人を見て、盗み見を懺悔しながらも私は昨日の出来事と重ね合わせました。
リフレインする光景。
告白した側とされた側。
紅潮した頬も、気恥ずかしそうに泳ぐ視線も。
そんな二人を見てしまい、希望と絶望が入り交じったような表情の花陽も。
全てが昨日を思い返させる。
私もきっと、あんな顔をしていたのでしょう。
形容し難い感情を塗りたくった、仮面のような顔を。
ふと花陽と目が合うと、花陽はなんとも切ない微笑みを浮かべました。
笑みを作る気にもなれずに、私は音も無く……気配も無く、そっとその場から姿を消しました。
――――――――
間女のように物陰に隠れ、初々しく言葉を交わす一年生二人を見て、盗み見を懺悔しながらも私は昨日の出来事と重ね合わせました。
リフレインする光景。
告白した側とされた側。
紅潮した頬も、気恥ずかしそうに泳ぐ視線も。
そんな二人を見てしまい、希望と絶望が入り交じったような表情の花陽も。
全てが昨日を思い返させる。
私もきっと、あんな顔をしていたのでしょう。
形容し難い感情を塗りたくった、仮面のような顔を。
ふと花陽と目が合うと、花陽はなんとも切ない微笑みを浮かべました。
笑みを作る気にもなれずに、私は音も無く……気配も無く、そっとその場から姿を消しました。
――――――――
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 09:25:33.48 ID:fs9zJvp6O
ピッ
ガコン
海未「………………これ、炭酸じゃないですか……。何故こんなものを……」
海未「……こう何度も告白の現場を目撃するとは、天文的な確率ではないですか……歌詞の一つや二つ出来てしまいそうですね」
海未「………………真姫と凛が……」
???「ビックリ……した?」
海未「……………………花陽」
花陽「エヘヘ……」
海未「…………そうですね。多少、驚きました。が、今はそうでもありません。人が人を好きになるのに、理由は要りませんから。それがたとえ、友人同士だとしても」
花陽「そうだよね……」
海未「……………………つかぬことを伺います」
花陽「うん……」
海未「……凛のことが、好きでしたか?」
花陽「……………………なんで?」
ガコン
海未「………………これ、炭酸じゃないですか……。何故こんなものを……」
海未「……こう何度も告白の現場を目撃するとは、天文的な確率ではないですか……歌詞の一つや二つ出来てしまいそうですね」
海未「………………真姫と凛が……」
???「ビックリ……した?」
海未「……………………花陽」
花陽「エヘヘ……」
海未「…………そうですね。多少、驚きました。が、今はそうでもありません。人が人を好きになるのに、理由は要りませんから。それがたとえ、友人同士だとしても」
花陽「そうだよね……」
海未「……………………つかぬことを伺います」
花陽「うん……」
海未「……凛のことが、好きでしたか?」
花陽「……………………なんで?」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 09:58:24.12 ID:fs9zJvp6O
――――――――
昨日の私と、同じ顔をしていましたから。
――――――――
昨日の私と、同じ顔をしていましたから。
――――――――
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 13:12:22.57 ID:fs9zJvp6O
海未「いえ。別に、なんとなくです」
花陽「海未ちゃんでもそんなこと言うんだ。ちょっと、意外。……うん、好きだった」
花陽「大好きだった。……ううん、大好きだよ」
花陽「子どものときからずっと一緒に遊んで、一番の仲良しで、私が一番……凛ちゃんのこと好きなんだって……凛ちゃんもきっと、私のことが一番好きなんだって……勝手に……そう思ってた……」
花陽「海未ちゃんでもそんなこと言うんだ。ちょっと、意外。……うん、好きだった」
花陽「大好きだった。……ううん、大好きだよ」
花陽「子どものときからずっと一緒に遊んで、一番の仲良しで、私が一番……凛ちゃんのこと好きなんだって……凛ちゃんもきっと、私のことが一番好きなんだって……勝手に……そう思ってた……」
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 13:25:45.33 ID:fs9zJvp6O
――――――――
同じです。
花陽……
私も、そう思っていました。
誰に言われるでもなく、どちらかが切り出すわけでもなく、いつしか自然と交際の始まるような……そんなことあるはずもないのに。
約束したわけでもないというのに。
ただ勇気が出なかっただけの言い訳は、湯水のように溢れ出てきました。
――――――――
同じです。
花陽……
私も、そう思っていました。
誰に言われるでもなく、どちらかが切り出すわけでもなく、いつしか自然と交際の始まるような……そんなことあるはずもないのに。
約束したわけでもないというのに。
ただ勇気が出なかっただけの言い訳は、湯水のように溢れ出てきました。
――――――――
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 14:03:09.33 ID:fs9zJvp6O
花陽「真姫ちゃんが凛ちゃんに告白したときね、私……嬉しかったんだよ?私の大好きな二人が付き合うことになって、とっても嬉しかったの……でもね……やっぱり、ちょっぴり寂しくて……泣きそうになっちゃった」
海未「……………………」
海未「……………………」
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 15:04:34.60 ID:fs9zJvp6O
――――――――
私もです。
だけど、泣くに泣けなかった。
それはあの二人を否定することになるのですから。
何故私でないのですかと。
何故横から拐うようなことをするのですかと。
私だけのものなのに。
そんなことを言う資格も思う権利も、誰にも有りはしないのに。
花陽を見れば、今にも泣きそうに身体を小さく震えていました。
スカートの裾をギュッと握って。
告白の瞬間を見ちゃうなんて、二人に悪かったかな……アハハ……
取り繕った笑顔を見るのが、心苦しくなりました。
だから――――――――
私は――――――――
――――――――
私もです。
だけど、泣くに泣けなかった。
それはあの二人を否定することになるのですから。
何故私でないのですかと。
何故横から拐うようなことをするのですかと。
私だけのものなのに。
そんなことを言う資格も思う権利も、誰にも有りはしないのに。
花陽を見れば、今にも泣きそうに身体を小さく震えていました。
スカートの裾をギュッと握って。
告白の瞬間を見ちゃうなんて、二人に悪かったかな……アハハ……
取り繕った笑顔を見るのが、心苦しくなりました。
だから――――――――
私は――――――――
――――――――
17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 19:45:27.42 ID:fs9zJvp6O
海未「……泣くことが出来ないなら、せめてその憂いは、私が片棒を担ぐことで楽にはなりませんか?」
花陽「……海未……ちゃん?」
海未「花陽……穂乃果とことりも、付き合うことになりました」
花陽「穂乃果ちゃんと……ことりちゃんが……?」
海未「ええ。……花陽、私も同じです。思い続けた愛しい人が、大切な友人と交際することとなり、どこか寂寥感のようなものを抱いています」
海未「けして憎くはないのです。それでこの先、関係が崩れることを望むはずもなく、関係を崩すこともしたくはない。無論、二人を愛憎故に傷付けることなどもっての外です。ですが……このやり場の無い思いは、一人で抱え込むにはツラいのです。張り裂けそうに脈打つ鼓動も、耳の奥でつんざくような耳鳴りも……私は花陽の苦しみを、花陽は私の苦しみを、お互いに少しずつ分けあうというのはどうでしょう」
花陽「……どういう……こと?」
花陽「……海未……ちゃん?」
海未「花陽……穂乃果とことりも、付き合うことになりました」
花陽「穂乃果ちゃんと……ことりちゃんが……?」
海未「ええ。……花陽、私も同じです。思い続けた愛しい人が、大切な友人と交際することとなり、どこか寂寥感のようなものを抱いています」
海未「けして憎くはないのです。それでこの先、関係が崩れることを望むはずもなく、関係を崩すこともしたくはない。無論、二人を愛憎故に傷付けることなどもっての外です。ですが……このやり場の無い思いは、一人で抱え込むにはツラいのです。張り裂けそうに脈打つ鼓動も、耳の奥でつんざくような耳鳴りも……私は花陽の苦しみを、花陽は私の苦しみを、お互いに少しずつ分けあうというのはどうでしょう」
花陽「……どういう……こと?」
18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 19:46:12.78 ID:fs9zJvp6O
――――――――
どうやら神様は無く、いたのは……冷たい血の流れた悪魔だったようです。
――――――――
どうやら神様は無く、いたのは……冷たい血の流れた悪魔だったようです。
――――――――
19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 19:50:59.48 ID:fs9zJvp6O
海未「花陽、私と付き合ってはみませんか?」
20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 21:04:37.07 ID:fs9zJvp6O
――――――――
腕を引き、身体を抱きしめ、耳元で甘く囁き、頬を撫で、目を見つめ、唇を重ねる。
唇を離すと、今度は花陽から唇を重ねてきました。
これが返事だと言わんばかりに。
なんの感動も無い……それは花陽も同じ。
なんと滑稽な。
なんと醜悪な。
そう思うのも無理はないでしょう。
お互いに、欠けたものを埋めるためだけの共依存。
誰でもいい。
花陽である必要も、私である必要も皆無。
ただ、都合が良かっただけのこと。
穂乃果と凛の代替品として。
恋愛という、光より眩しく、炎よりも熱い、何よりも尊い感情の一片も、ここには有りはしなかったのですから。
――――――――
腕を引き、身体を抱きしめ、耳元で甘く囁き、頬を撫で、目を見つめ、唇を重ねる。
唇を離すと、今度は花陽から唇を重ねてきました。
これが返事だと言わんばかりに。
なんの感動も無い……それは花陽も同じ。
なんと滑稽な。
なんと醜悪な。
そう思うのも無理はないでしょう。
お互いに、欠けたものを埋めるためだけの共依存。
誰でもいい。
花陽である必要も、私である必要も皆無。
ただ、都合が良かっただけのこと。
穂乃果と凛の代替品として。
恋愛という、光より眩しく、炎よりも熱い、何よりも尊い感情の一片も、ここには有りはしなかったのですから。
――――――――
21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:30:14.16 ID:fs9zJvp6O
――――――――
花陽と付き合うことになってから、一週間。
穂乃果とことり、凛と真姫たちが幸せそうに毎日を謳歌するのと同じくして、私たちも仲を睦まじいものにしていました。
私たちの仲は、誰にも話してはいません。
騒がれるのは好きではありませんし、穂乃果とことり、凛と真姫は、きっと私たちに気を掛けるでしょうから。
何よりも……話せるほど誇らしいものでもないことです。
――――――――
花陽と付き合うことになってから、一週間。
穂乃果とことり、凛と真姫たちが幸せそうに毎日を謳歌するのと同じくして、私たちも仲を睦まじいものにしていました。
私たちの仲は、誰にも話してはいません。
騒がれるのは好きではありませんし、穂乃果とことり、凛と真姫は、きっと私たちに気を掛けるでしょうから。
何よりも……話せるほど誇らしいものでもないことです。
――――――――
22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:49:29.92 ID:fs9zJvp6O
花陽「海未ちゃーん♪ご飯炊けたよー♪」
海未「花陽……家に泊まりにと呼んで、さっそく食事というのはどうなのですか?」
花陽「ううっ……だって、練習たくさん頑張って、お腹すいたから……」
海未「ほどほどにしておかないと、またすぐダイエットする羽目になるんですよ。日頃から節制していれば、そんなことにもならないでしょうに」
海未「三食をしっかり食べるのは基本中の基本ですが、食べ過ぎは論外です。間食も本当は抑えるべきなんですよ。わかっていますか?はな――――」グウゥ
花陽「……………………」
海未「~///」カアァ
花陽「……おにぎり、食べる?」つ△
海未「……いただきます///」ハムッ
花陽「おいしい?」
海未「ええ……とても」
花陽「よかった♪」
花陽「海未ちゃん、ご飯つぶついてる」
海未「んむ?」
花陽「」ペロッ
海未「……………………///」
花陽「おいしいね、海未ちゃん♪」
海未「…………ええ」
海未「そういえば、ご両親の姿が無いようですが」
花陽「町内会の慰安旅行だって。明日の夜には帰ってくるみたいだよ?」
海未「そうですか……」パクッ
花陽「……海未ちゃん」
チュウ
プハッ
花陽「エヘヘ……甘いね」
海未「……食事中ですよ。甘いのは、お米のせいです」
花陽「うん。そうだよね……」
海未「花陽……家に泊まりにと呼んで、さっそく食事というのはどうなのですか?」
花陽「ううっ……だって、練習たくさん頑張って、お腹すいたから……」
海未「ほどほどにしておかないと、またすぐダイエットする羽目になるんですよ。日頃から節制していれば、そんなことにもならないでしょうに」
海未「三食をしっかり食べるのは基本中の基本ですが、食べ過ぎは論外です。間食も本当は抑えるべきなんですよ。わかっていますか?はな――――」グウゥ
花陽「……………………」
海未「~///」カアァ
花陽「……おにぎり、食べる?」つ△
海未「……いただきます///」ハムッ
花陽「おいしい?」
海未「ええ……とても」
花陽「よかった♪」
花陽「海未ちゃん、ご飯つぶついてる」
海未「んむ?」
花陽「」ペロッ
海未「……………………///」
花陽「おいしいね、海未ちゃん♪」
海未「…………ええ」
海未「そういえば、ご両親の姿が無いようですが」
花陽「町内会の慰安旅行だって。明日の夜には帰ってくるみたいだよ?」
海未「そうですか……」パクッ
花陽「……海未ちゃん」
チュウ
プハッ
花陽「エヘヘ……甘いね」
海未「……食事中ですよ。甘いのは、お米のせいです」
花陽「うん。そうだよね……」
23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 00:30:51.60 ID:4QsTUdY+O
――――――――
甘いはずがないことなど、わかっているでしょう。
なんせ、私たちは……お互いを好いてはいないのですから。
足りないものを埋めるだけの、ギブアンドテイクの関係。
恋人ごっこと言うならばそうでしょう。
つまりは……ただの慰め合いです。
――――――――
甘いはずがないことなど、わかっているでしょう。
なんせ、私たちは……お互いを好いてはいないのですから。
足りないものを埋めるだけの、ギブアンドテイクの関係。
恋人ごっこと言うならばそうでしょう。
つまりは……ただの慰め合いです。
――――――――
24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 01:19:10.76 ID:4QsTUdY+O
花陽「お風呂湧いたけど……一緒に、入る……よね?」
海未「ええ。もちろんです。私たちは、恋人なのですから」
花陽「うん……///」
海未「ええ。もちろんです。私たちは、恋人なのですから」
花陽「うん……///」
26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 02:07:48.35 ID:4QsTUdY+O
――――――――
私は凛の代わり。
花陽は穂乃果の代わり。
それを理解し、受け入れた。
愛情などまるでない、酷く歪んでいることをわかっていながら、私たちはお互いを求めました。
お互いを見ようとはせず、重ねた影に思いを馳せるだけで。
――――――――
私は凛の代わり。
花陽は穂乃果の代わり。
それを理解し、受け入れた。
愛情などまるでない、酷く歪んでいることをわかっていながら、私たちはお互いを求めました。
お互いを見ようとはせず、重ねた影に思いを馳せるだけで。
――――――――
27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 07:44:24.92 ID:4QsTUdY+O
ピチャン…
花陽「気持ちいいね」
海未「ええ」
花陽「狭くない?」
海未「強いて言うなら、花陽の胸が邪魔ですね」ツンッ
花陽「ぴゃあ!?う、海未ちゃんっ!」
海未「フフ、つい。羨ましいと思いまして」
花陽「う、海未ちゃんだって……スタイルよくて……羨ましいよぅ……。この控えめな胸も……まるで、凛ちゃんみたいで……」ツウゥ
海未「っ……///」
花陽「感じる?」
海未「……………………っ」
チュッ
花陽「ん///」
海未「続きは、ベッドの上にしましょう……」
花陽「……ガマン、したくないの」
海未「はな――――」
ンムッ
花陽「気持ちいいね」
海未「ええ」
花陽「狭くない?」
海未「強いて言うなら、花陽の胸が邪魔ですね」ツンッ
花陽「ぴゃあ!?う、海未ちゃんっ!」
海未「フフ、つい。羨ましいと思いまして」
花陽「う、海未ちゃんだって……スタイルよくて……羨ましいよぅ……。この控えめな胸も……まるで、凛ちゃんみたいで……」ツウゥ
海未「っ……///」
花陽「感じる?」
海未「……………………っ」
チュッ
花陽「ん///」
海未「続きは、ベッドの上にしましょう……」
花陽「……ガマン、したくないの」
海未「はな――――」
ンムッ
28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 12:09:25.67 ID:4QsTUdY+O
――――――――
小さな浴槽の中で、私たちは唇と肌を重ね合わせました。
濡れた髪を掻き上げ、首もとに舌を這わせる。
白い肌に吸い付き、小さな赤い点を作った。
爪が背中をを柔らかく引っ掻くのがくすぐったくて、ピクンと身体を震わせてしまったり。
胸を……腹部を……大腿を……お湯の中で指が秘部に触れる。
慣れない手付きで、探り探りで。
時折口の端からもれる声が、色香を増しているようにも思えました。
憂い潤んだ瞳……上気する息遣い……
もしも……私が花陽を"ちゃんと"好きだったら……
もしも……花陽が私を"ちゃんと"好きだったら……
これはどれだけ……甘美な時間に成り得たことでしょう……
――――――――
小さな浴槽の中で、私たちは唇と肌を重ね合わせました。
濡れた髪を掻き上げ、首もとに舌を這わせる。
白い肌に吸い付き、小さな赤い点を作った。
爪が背中をを柔らかく引っ掻くのがくすぐったくて、ピクンと身体を震わせてしまったり。
胸を……腹部を……大腿を……お湯の中で指が秘部に触れる。
慣れない手付きで、探り探りで。
時折口の端からもれる声が、色香を増しているようにも思えました。
憂い潤んだ瞳……上気する息遣い……
もしも……私が花陽を"ちゃんと"好きだったら……
もしも……花陽が私を"ちゃんと"好きだったら……
これはどれだけ……甘美な時間に成り得たことでしょう……
――――――――
29:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 12:28:31.20 ID:4QsTUdY+O
花陽「お願い……海未ちゃん……。にゃあって……言ってくれないかな……?」
海未「……にゃあ」
花陽「丁寧な言葉遣いもやめて……自分のこと……名前で……呼んでくれないかな……?」
キュッ
花陽「ほら……私も……サイドテールにしてみたよ……。どうかな、海未ちゃん……」
海未「……かよちんがそれを望むなら、海未は……そうするにゃ」
30:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/04(土) 21:36:53.59 ID:4QsTUdY+O
――――――――
また重ねた唇は、もはや苦くしかなく……
そんなことをしても、なれるはずなんかないこと……私たちは、わかっているのに……
口の中に滑り込ませる舌を絡ませながら、頬に涙を伝わせた……
好き……
胸に歯を立てて。
好き……
秘部に指を沿わせて。
大好き……
強く身体を抱きしめながら、喘ぎ声と嗚咽とを混じらせて、けしてお互いにではない無情な愛の言葉を囁く私たち。
愛してる……
実るはずのない目の前の恋。
私たちは……これが間違いだとしても、お互いを求め続けるのでしょう。
お互いを見ぬまま。
二度と叶うことのない恋を抱いて。
――――――――
また重ねた唇は、もはや苦くしかなく……
そんなことをしても、なれるはずなんかないこと……私たちは、わかっているのに……
口の中に滑り込ませる舌を絡ませながら、頬に涙を伝わせた……
好き……
胸に歯を立てて。
好き……
秘部に指を沿わせて。
大好き……
強く身体を抱きしめながら、喘ぎ声と嗚咽とを混じらせて、けしてお互いにではない無情な愛の言葉を囁く私たち。
愛してる……
実るはずのない目の前の恋。
私たちは……これが間違いだとしても、お互いを求め続けるのでしょう。
お互いを見ぬまま。
二度と叶うことのない恋を抱いて。
――――――――
31:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 00:44:29.61 ID:7s4GIttcO
花陽「好きだよ……凛ちゃん……」
海未「海未もだよ……穂乃果……」
32:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 00:50:01.97 ID:7s4GIttcO
――――――――
そして私たちはまた口付ける。
吐瀉物のように込み上げてくる、途方もない不快感を甘露として呑み込みながら。
誰も正さない過ちであるも。
たとえそれが、どれだけ歪んだ形だとしても――――――――
そして私たちはまた口付ける。
吐瀉物のように込み上げてくる、途方もない不快感を甘露として呑み込みながら。
誰も正さない過ちであるも。
たとえそれが、どれだけ歪んだ形だとしても――――――――
33:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/05(日) 01:03:08.04 ID:7s4GIttcO
おわり。
グロ無しでうみぱなしてみました。
グロ無しでうみぱなしてみました。
引用元: http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1464870551/