【SS】愛「しおってぃーさぁちょっとは笑いなよ～」栞子「なぜ笑わないといけないんです？」【ラブライブ！虹ヶ咲】

愛「そんなの、しおってぃーの笑った顔がかわいいからに決まってんじゃん」

栞子「ふぇ？////」

栞子「……ふん、悪かったですね普段はかわいくなくて」ﾑｽｯ

愛「まぁそーゆーぶすくれた顔もまたかわいいんだけどね～」

栞子「んなっ……!?////ならば私はどんな顔をすれば」

愛「ん～？どんな顔してもかわいいって言ったげるよ」

栞子「─もう愛さんの方を向けません……////」ﾌﾟｲｯ
　

愛「なに顔そらしてんだよ～あっち向いていホイか～？」ｻｯ

栞子「!?」ﾌﾟｲｯ

愛「ほいっ」ｻｯ

栞子「!!」ﾌﾟｲｯ

愛「にっしししw」ﾆﾏｰ

栞子「ちょ、なんなんですかやめてください……w」ﾌﾟｲｯ

愛「おっ？ちょっと笑ってる？」

栞子「……笑ってません」
　

愛「それなら～こーだ!!」（渾身の変顔）

栞子「ぶっっ!?ww」

栞子「くっ……wくくく……w」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

栞子「─ふぅ……」

栞子「だからなんです？つまらない顔芸ですね」ｽﾏｼｶﾞｵ

愛「よく言うよ軽くツボったくせに」

栞子「それは不意を突かれたからであって冷静に見れば別に面白くもなんともありません」

愛「うはwしおってぃー辛辣ぅ～w」
　

愛「でもさ、笑ったらちょっとだけ気が楽にならない？」

栞子「え？」

愛「笑う事ってさ、健康にもいいんだよ。笑顔を作る事で顔の筋肉を動かすからシワが出来ないし」

愛「なにより笑う事でスッキリしてストレス発散にもなる、しおってぃーストレス溜まってないかー？」

栞子「─別に……ストレスなんて……」

愛「ホントか～？」ｼﾞｰｯ

栞子「─ぷっ……w」

栞子「今の顔……少し面白かったです」

愛「えぇ～真剣な顔だったのにな～」

愛「ま、いっか。ウケたし♪」
　

愛「やっぱしおってぃーは笑った方がかわいいって」

愛「色々忙しくて大変な時もあるかもだけどさ」

愛「どんな時も笑顔でいればなんとかなるよ」

栞子「笑顔で……いれば……」

栞子「……一応、覚えておきましょう」

栞子「では、私は生徒会の仕事があるのでこれで。失礼します」

愛「あまり根を詰めすぎないようにね～ガンバ～」
　

栞子「ええと、今期の予算の内訳はこれで……新たな部活申請の申し込みは……」ｱｸｾｸ

栞子「むむむ……」

栞子「─はぁ……」

栞子「……」ﾁﾗｯ

栞子（窓に映った私の顔……笑ってない）

栞子（最近、生徒会や私生活で忙しくて笑う暇もないくらい）

栞子（─あんな風に笑ったのは……いつ振りだろう）

栞子（いつから私は、笑わなくなったんだろう）

栞子「……ふぅ、なにを考えているんだか」

栞子「─早く書類をまとめないと、終わらない」ｱｸｾｸ
　

昇降口

栞子「やっと終わった……すっかり遅くなっちゃった」

栞子「早く家に帰らないと、夕飯の時間に間に合わないわ」

愛「おーいしおってぃー」

栞子「愛さん……なにやってたんですかこんな時間まで」

愛「バスケ部の助っ人だよ、大会が近いから練習にも熱が入ってね～遅くなっちゃった」

栞子「そうですか、お疲れ様です」

愛「しおってぃーも今帰り？んじゃ一緒に帰ろーよ」

栞子「いえ、結構。私は１人で帰ります」

愛「つれないこと言わないの～ほら行くよ～」ｸﾞｲｯ

栞子「ひゃっ!?ひっ、引っ張らないでください～!!」
　

栞子「まったく……愛さんは強引ですね」

愛「だってしおってぃーと帰りたかったんだもんよ」

愛「しおってぃーも今まで生徒会の仕事してたんだね、お疲れ～」

栞子「いえ、生徒会長として当然の責務を果たしたまでです」ｷﾘﾘｯ　ｸﾞｩ～

栞子「はぅ……!?////」

愛「あちゃ～かっこよくキメるとこだったのにおなか鳴っちゃったねw」ｸﾞｩ～

愛「─お、愛さんのお腹も鳴った、アタシ達って仲いいね～」

栞子「そんな事ありませんけど」ﾂｰﾝ

愛「なんだその唐突なツンは～」
　

愛「アタシもお腹ぺこぺこ～そうだ、ハンバーガー食べに行かない？」

栞子「ハンバーガー？それって買い食いですよね。いけません、下校時には速やかに帰宅するべきで」

愛「なーに堅い事言ってんの、いいじゃんよ別に」

栞子「愛さんはよくても私は生徒会長なのです、生徒の模範となるべきこの私が買い食いだなんて」

愛「これ見てよ～新発売のチキンタツタだって、ヤバくない？タルタルがめっちゃうまそ～」ｽﾏﾎﾐｾ

栞子「─ご、ごくり……」ｸﾞｩ～

愛「よっしお腹は正直だね、レッツゴー♪」

栞子「あ……////もぉ～私のお腹の馬鹿ぁ～////」ﾎﾟｺﾎﾟｺ
　

ハンバーガーショップ

栞子「……」ｷｮﾛｷｮﾛ

栞子「あの、愛さん……」

愛「ん？どしたのソワソワして、トイレならあそこだよ」

栞子「ち、違います!!私……こういう場所に来たのは初めてで、それで……」

愛「あぁ、もしかして緊張してんの？大丈夫だよ、しおってぃーの分もアタシが注文したげる」

栞子「ほっ……よ、よろしくお願いします」

愛「なに食べる～？」

栞子「愛さんと同じ物でいいです」

愛「じゃあ……すいませーん、チキンタツタのタルタル２つ、ポテトとドリンクもセットで」
　

愛「はいよ～お待ちどおさま」ｶﾀｯ

栞子「もう出来上がったんですか？早い……」

愛「そりゃ、ファストフードだからね」

栞子「ファスト……なるほど、こうやってお店の回転率を上げてお客さんをどんどんさばいているんですね」

愛「まぁその通りなんだけど、早く食べよーよ」

栞子「あ、ごめんなさい」

栞子「そう言えばハンバーガーのお金」

愛「いーよ、愛さんから誘ったんだからここはごちそうするって」

栞子「でも……」

愛「こーゆー時は素直にごちそうになる、これ社会の常識だよ」

栞子「そ、そうですか。わかりました」
　

栞子「では……いただきます」ﾊﾟｸｯ

栞子「─むふぅ!?」

栞子「こ、これ……おいしい～♪」ﾊﾟｧｧ

愛「うまいっしょ～？アタシもここのタツタ大好き♪」ﾊﾟｸｯ

愛「─んん～うんまっ!!タツタのジューシーさとタルタルのまろやかさがたまんな～い」

栞子「あむあむ……はむはむ……」

栞子「ハンバーガーがこれほどまでにおいしいとは……知りませんでした」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

愛「ははは、しおってぃーもすっかりハンバーガーの虜だね～」

愛「ポテトも食べてごらん」

栞子「はむっ、─わぁ、なんですかこれ手が止まらない……」ﾋｮｲﾊﾟｸﾋｮｲﾊﾟｸ
　

栞子「はぁ……気付けばあっと言う間に食べてしまいました、ごちそう様でした」

愛「すっごいおいしそうに食べてたね～ＣＭ出れるよ」

栞子「そ、そんな風に見えましたか……？////」

愛「うん、ほぅらこんなにいい笑顔」ｽｯ

栞子「きゃっ!?いつの間に写真を……恥ずかしい////」

愛「なんも恥ずかしい事じゃないよ、おいしい物を食べれば誰でもこうなるって」

栞子「……」ｼﾞｰｯ

栞子「私……こんな風に笑っていたんだ」

栞子「こうやって笑顔になる方法も、あるんですね」

愛「そうそう、誰かと一緒ならより一層ハッピーってね」ﾆｺｯ
　

愛「んふふ～♪」ﾆﾔﾆﾔ

栞子「な、なんです？いつまでニヤニヤしてるんですか」

愛「やっぱしおってぃーってかわいいなぁって思ってさ」

栞子「ま、まだ言うんですかそれ……////」

愛「もちろん笑った顔が１番かわいいけどさ、いちいち照れて恥ずかしがったりさ」

愛「ハンバーガーをおいしそうに食べる姿もかわいい」

栞子「あ、あまりかわいいかわいいと連呼しないでもらえますか……////」

愛「ほらそういうところだよ～w」ﾆﾁｬﾆﾁｬ

栞子「ああん!!もういやぁ～!!////」ﾌﾟｲｯ
　

愛「おーい悪かったよしおってぃー、こっち向いて～」

栞子「うぅ……からかうのも大概にしてくださいよ」

栞子「─でも、今日はありがとうございました」

栞子「おかげでいい気晴らしになりました、たまには買い食いも悪くないですね」

愛「そりゃよかった、アタシもしおってぃーと一緒にハンバーガー食べれて楽しかったよん♪」

愛「ちょーっと表情が柔らかくなったんじゃない？」

栞子「そうですか？おいしい物を食べたからかもしれませんね、うふふ」

愛「お、笑ったね。その調子その調子」
　

栞子の家

栞子「すみません、家の前まで送ってもらって」

愛「いえ、先輩として当然の責務を果たしたまでです」ｷﾘﾘｯ

栞子「それ、私の真似ですか？全く似てませんね」

愛「おおう、ハンバーガーでちょっとはデレたかと思えば」

栞子「ふふ、私はそれほど安くはありませんよ」

栞子「……」

栞子「─不思議ですね」

栞子「愛さんといると自分でも知らなかった一面が見える」

栞子「それがとても新鮮で、嬉しい発見になります」

栞子「愛さんの言葉の意味」

栞子「どんな私でもかわいいと言う言葉の意味が少しだけわかった気がします」
　

愛「アタシはそこまで深い意味を込めて言った訳じゃないんだけど……」ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ

愛「ま、しおってぃーがなにかに気付いてくれたならよかったよ」

愛「じゃあさ、今日のおさらいで最後にちょっと笑ってみよっか」

栞子「えっ!?そんないきなり言われても」

愛「またアタシが笑わしてやろうか～w」

栞子「ぷっ……wやっ、やめてください!!////」ﾌﾟｲｯ

栞子「か、帰ります!!愛さんもお気をつけて!!」ﾀﾀｯ

愛「また明日ね～」ﾌﾘﾌﾘ

愛「─あはは、やっぱかわいいなしおってぃーは」
　

その後

栞子「あ、鏡」

栞子「……」ｼﾞｰｯ

栞子（愛さんに笑えと言われた時の為に練習してみようかな）

栞子「─うふふ」ﾆﾍﾗ

栞子「うーん……ちょっとぎこちないな」

栞子「─ふふっ」ﾆﾔｯ

栞子「あ、ちょっといい感じ」

栞子「うふっ、ふっ、ふふふふ……」ﾆﾔﾆﾔ

愛「なーにしてんのしおってぃー」ﾎﾟﾝ

栞子「ふふふん？」ｸﾙｯ　ﾆﾁｬｧ

栞子「─は……？あ、愛さん……？」（真顔）

愛「なんだなんだ～鏡に向かって笑顔の練習か～？かわいいけど素に戻ってるぞ」

愛「ねねwもう１回やって見せてよ～w」

栞子「べっ、別に愛さんの為にやってた訳じゃ……!!////」

栞子「─見て……もらえますか？」

愛「うん、よく見せて」

栞子「はい」ﾆｺｯ

愛「いい笑顔だ、かわいい♪」ﾆｺｯ

栞子「えへへ……////」
　

終わりです、最後まで読んでいただきありがとうございました
　

珍しい2人だと思うけどすごい良かった