【スポ根SS】侑「公式ドッジボール?」 ~虹ヶ咲学園避球同好会 結成編~【ラブライブ!スクスタ】

ゆう AqoursーSS


1: 2021/02/09(火) 11:23:44.23 ID:Nom190Wt
注意事項

虹メンバーだけアニメ時空
μ's・Aqoursら登場予定
各キャラの中学時代はオリジナル設定

立ったら書く

2: 2021/02/09(火) 11:24:28.55 ID:Nom190Wt
~虹ヶ咲学園避球同好会結成編~

※※※

歩夢「ありがとう侑ちゃん、買い物付き合ってくれて」

侑「うん! 今日も楽しかったね!」

歩夢「ふふっ」


ワーワー


侑「? 何かあそこの体育館、すごく盛り上がってるね!」

歩夢「そうだね」

侑「ねね、ちょっと見に行って見ようよ!」

歩夢「いいよ」

3: 2021/02/09(火) 11:25:03.27 ID:Nom190Wt
※※※

『第19回 ODAIBAカップ』


ピーッ


審判「音ノ木坂内野ボール!」


ピッ


穂乃果「よーし、一発アタックいっくよー!」

海未「穂乃果、一発アタックは宣言したら効果半減ですよ……」

穂乃果「あ! そうだった!」


ピーッ


審判「キープフォーファイブ! 浦の星内野ボール!」


千歌「やったー!」

4: 2021/02/09(火) 11:25:36.00 ID:Nom190Wt
穂乃果「あ……」

にこ「何やってんのよ!」

穂乃果「あはは、ごめんごめん」


侑「……ドッジボール?」

歩夢「うん? でも、私たちが小学生の頃やってたのと全然違うね」

侑「今のだって、どうしてボールの支配権が移ったのかよくわからなかったよね」

歩夢「何でだろうね」

5: 2021/02/09(火) 11:25:53.84 ID:Nom190Wt
ピッピー


侑「あ、試合終わったみたい」

侑「よく分からなかったけど、世の中には色々なスポーツがあるんだね~」

歩夢「そうだね」

侑「じゃ、帰ろっか」

歩夢「うんっ」

6: 2021/02/09(火) 11:27:10.73 ID:Nom190Wt
※※※


歩夢「それであの時侑ちゃんが~」

侑「あはは」ニコニコ


バンッ


バンッ


「ふーっ、ふーっ」


侑「あの子何してるんだろ? ……壁当て?」

歩夢「さっきのドッジボール大会に出てた選手かな?」

侑「それにしても……」


「……ふんっ!」


バァンッ


侑「すごく綺麗な投げ方……。スピードも女の子とは思えない速さだね」

歩夢「うん。強い選手なのかも」

7: 2021/02/09(火) 11:27:41.73 ID:Nom190Wt
???「あの子は、優木せつ菜ちゃんやね。中学では名選手やったのに、わざわざドッジボール部がない虹ヶ咲学園に進学した変わり者や」


侑歩夢「「!?」」


希「ああ、いきなりごめんな? うちは音ノ木坂ミューズの、東條希っていうんよ」

希「二人は、どっかのチームを応援しに来たん?」

歩夢「ああいえ、すごく盛り上がってたから見に来ただけで、ドッジボールはよくわからなくて……」

希「ふーん? そっちの子は興味津々みたいやけど?」

歩夢「え?」


侑「……」ジッ

8: 2021/02/09(火) 11:28:14.81 ID:Nom190Wt
歩夢「侑ちゃん?」

侑「……歩夢」

歩夢「?」

侑「私、ときめいちゃった!」

歩夢「……?」

侑「私、あの優木せつ菜ちゃんって子の投げ方大好き! 応援したくなった!」

侑「虹ヶ咲ってことは、あの子もうちの学校の生徒なんだよね!? 仲良くなりたいなー!」

歩夢「ええ!?」


希「……」ニヤッ

9: 2021/02/09(火) 11:28:31.53 ID:Nom190Wt
※※※

翌日


侑「それでね、昨日家に帰ってすぐに公式ドッジボールの動画を見たの! ルールや基本的な戦術も覚えちゃった!」

歩夢「そう、なんだ……」

侑「キープフォーファイブは5秒間ボールを持ってちゃダメって反則なんだって!」

歩夢「……へえ」

侑「きっとこれで優木せつ菜ちゃんと仲良くなれるよ!」

歩夢「……」

侑「歩夢、早速せつ菜ちゃんを探しに行こ!」ニギッ

歩夢「え!? ちょ、ちょと! 侑ちゃ~ん!」

10: 2021/02/09(火) 11:28:54.88 ID:Nom190Wt


部室棟


侑「……あれ? これって……」

歩夢「どうしたの? 侑ちゃん」ハァハァ


『公式ドッジボール同好会』


歩夢「!」

侑「希さんは虹ヶ咲にドッジボール部は無いって言ってたけど……」

歩夢「本当はあったってこと?」

侑「そうみたい……」

11: 2021/02/09(火) 11:29:38.50 ID:Nom190Wt
???「何をしているんですか? 普通科2年、上原歩夢さん、高咲侑さん」

侑「!」

侑「え? 会ったこと、ありましたっけ?」


???「生徒会長たるもの、当然、全生徒の名前を覚えているものです」メガネカチャ


侑歩夢「「え!? 生徒会長?」」


菜々「……中川菜々と申します」

侑「そういえば、生徒集会で見た覚えがあるような……」


菜々「この同好会に、ご用ですか?」

12: 2021/02/09(火) 11:30:05.97 ID:Nom190Wt
菜々「この同好会に、ご用ですか?」

侑「はい! 優木せつ菜ちゃんに会いに来たんです」

菜々「……」

菜々「彼女はもう、ここには来ませんよ」

侑歩夢「「え?」」

菜々「ドッジボールは辞めたようです」

侑「?」

菜々「彼女だけではありません。この公式ドッジボール同好会は、ただ今をもって……」プレートトリハズシ


菜々「――廃部となりました」


侑歩夢「「!?」」


侑「そんな……」

歩夢「……」

13: 2021/02/09(火) 11:30:26.83 ID:Nom190Wt
※※※


しずく「明日もまた、同じ日が来るのだろう! 幸福は一生来ないのだ! けれども」

部長「はい、そこまで! じゃあ最後に、グラウンド10周!」


エェー!


部長「文句言わない! さっさと行く!」

トコトコ

部長「しずく、聞いたよ? 同好会の件」

部長「掛け持ちじゃなくなったわけだし、これからは演劇部に専念できるんでしょ?」

部長「元々しずくは球技苦手だったし、良かったじゃない」

しずく「……」

14: 2021/02/09(火) 11:30:53.98 ID:Nom190Wt
※※※


彼方「すやぁ……」

彼方「……はっ!」

彼方「もう夕方じゃん、急がなきゃ、またせつ菜ちゃんに……」

彼方「……」

彼方「もう、怒られないんだっけ」

15: 2021/02/09(火) 11:31:09.10 ID:Nom190Wt
※※※


果林「元気ないわね? エマ」

エマ「果林ちゃん……。モデルのお仕事は?」

果林「今日は休み」

エマ「そう」

果林「……どうするの? ドッジボール」

エマ「部長のせつ菜ちゃんに話そうとしたんだけど、連絡つかないんだ」

エマ「少し活動を休止するだけって話だったのに……。廃部だなんて……」

果林「……」

果林「そんな顔しないで」

果林「力になれることあるかしら?」

エマ「!」


※※※


かすみ「……ぬぬぬぬぬ」

かすみ「かすみんはやっぱり、諦めませんよ!」

16: 2021/02/09(火) 11:31:24.49 ID:Nom190Wt
※※※


侑「私に夢は無いけどさ」

侑「夢を追いかけてる人を応援してたら、私も何か始まる!」

侑「……そんな気が、したんだけどな」

歩夢「……」

侑「……なんてね」ニコッ

侑「お台場寄って、帰ろっか!」

歩夢「……」

侑「?」

歩夢「ううんっ、何でもない」

17: 2021/02/09(火) 11:31:54.17 ID:Nom190Wt
※※※


侑「あ、そういえば、明日の数学さ……」

侑「……? 歩夢?」

歩夢「……2人で」

歩夢「2人で始めようよ! 侑ちゃん!」

侑「!」

歩夢「……私も見てたの、ドッジボールの動画」

歩夢「試合時間はたったの5分なのに、捕って投げるだけの単純なスポーツなのに」

歩夢「そこには、いくつものドラマがあって――」

歩夢「私もあのコートに立ちたいって思えた」

歩夢「団体競技だから、2人だけじゃ難しいかもしれない。でも」

歩夢「最初は私たち2人だけでも、やってみようよ!」

侑「歩夢……」

18: 2021/02/09(火) 11:32:13.61 ID:Nom190Wt
歩夢「動き始めたなら、止めちゃいけない。我慢しちゃいけない」


歩夢「……私、好きなの!」

侑「……」ドキッ


歩夢「みんなで力を合わせるとか、同じ目標を追いかけるのとか、やってみたいって思う!」

歩夢「……自分に素直になりたい」

歩夢「……私の夢を、一緒に見てくれる?」


侑「……」


侑「もちろん!」ニコッ

侑「いつだって私は、歩夢の隣りにいるよ!」


歩夢「……!」


歩夢「うんっ」

19: 2021/02/09(火) 11:33:33.21 ID:Nom190Wt
※※※

翌日


かすみ(カラーコートは、世界で一番のワンダーランド)※

かすみ(そんな場所にいけると、思ってたのに……)


――――
――

せつ菜「かすみさん! 投げる時はもっと体重移動を意識して! 腕は顔の横を通過するタイミングでトップスピードに!」

せつ菜「この間の練習でも言ったはずですよ!」

かすみ「はぁ……はぁ……」

エマ「せつ菜ちゃん、少し休憩しよ?」

彼方「詰め込み過ぎは良くないよ~」

せつ菜「そんな暇はありません!」

せつ菜「ドッジボールが好きなんでしょう? 全国大会で、カラーコートを踏みたいんでしょう?」

せつ菜「こんな調子では、都大会すら突破出来ませんよ!」

彼方「まず人数が足りてないんだけど……」

しずく「高校生のドッジボールは8人制ですからね……。小学生のように12人制じゃないだけ、夏の都大会までに揃う希望はありますが……」※

せつ菜「人数なら私がどうにかして集めます! 今は私たち5人のレベルアップを図らなくては」

かすみ「……でも」

かすみ「こんなの全然可愛くないですっ!」

――
――――


かすみ(中学生の頃に偶然テレビで見た、全国女子高校生ドッジボール大会決勝戦)

かすみ(優勝したチームは、リードされててもずっと笑顔で楽しそうにプレーしてて)

かすみ(……とっても可愛かった)

かすみ(私も、あんなチームを作りたいって思ってたのに……)

20: 2021/02/09(火) 11:34:09.80 ID:Nom190Wt
※公式ドッジボールの全国大会では、各陣地が塗り分けられたカラーコートが使用されます。「カラーコートを踏んだ=全国大会に出場した」などの用法でよく使われます。

※現実では公式ドッジボールプレイヤーのボリュームゾーンは小学生で、全国大会は夏(8月)と春(3月)の2回です。中学生以上は上限なしに成人扱いとなり、年に1回地方ブロック大会→全国大会の流れとなります。今作では、8人制であること以外は小学生のルール・大会方式を採用しています。

22: 2021/02/09(火) 11:34:30.31 ID:Nom190Wt
※※※


侑「それで、パスは連続で4回までしか出来なくて~」

歩夢「なるほどね、キープフォーファイブと合わせて遅延プレーをやりづらくしてるんだ」

侑「そうそう! で、相手が直立してる状態で両手を左右に広げた範囲がアタックだから……」

歩夢「この動画では、相手の足元をワンバウンドで抜いてパスカウントをリセットしてるんだね」

侑「そうみたい。結構戦術が多くて覚えるのが大変だよ」

歩夢「まあ、まずは人数を揃えなきゃいけないんだけどね」

侑「そうでした」ニガワライ


???「先輩方、ドッジボールに興味あるんですか?」

23: 2021/02/09(火) 11:34:50.07 ID:Nom190Wt
侑「うん? あなたは?」

かすみ「かすみんはぁ、公式ドッジボール同好会2代目部長の中須かすみですっ!」

侑「え!?」


かすみ「ちょっーとトラブルがあって今は一人になっちゃってますけどぉ、一緒にカラーコートを目指してくれる仲間を募集中ですっ」

歩夢「ほ、本当?」

かすみ「嘘ついてどうするんですかぁ」

侑「嬉しい! 私たちも、公式ドッジボールやってみたいって思ってたんだ!」ニギッ

歩夢「よろしくね、かすかす」ニコッ


かすみ「かすかすじゃなくてかすみんですぅ!」

25: 2021/02/09(火) 11:35:44.75 ID:Nom190Wt


かすみ「というわけで、新生ドッジボール同好会の初活動は、キャッチボールです!」

侑「おおー!」

歩夢「私に出来るかな……」

かすみ「大丈夫ですよ、最初は近くからゆっくり投げますから!」

歩夢「う、うん」

侑「歩夢! 頑張ってー!」

かすみ「? 侑先輩はやらないんですか?」

侑「え? うん、私はマネージャーだよ?」

かすみ「そうなんですか?」

歩夢「私も何度か説得しようとしたんだけどね……」

侑「私は、応援する方が好きだから!」

かすみ「じゃあ、あと6人集めないと試合には出られないんですね……」


かすみ「……まあ良いです! とりあえず、今いるメンバーのレベルアップを考えましょう!」

かすみ「それじゃあ、いきますよぉ!」シュッ

26: 2021/02/09(火) 11:36:25.25 ID:Nom190Wt
ボンッ


歩夢「痛っ」

かすみ「あー! キャッチする時に指を突き出しちゃダメですよぉ! 突き指の原因になります!」

侑「歩夢、大丈夫!?」

歩夢「うん、突き指はしてないみたい……」

かすみ「……ふぅ」

かすみ「次は、投げてみてください」

歩夢「えいっ」ポイッ


パシッ


かすみ「うーん……」

歩夢「?」

かすみ「何というか、投げ方がすっごく女の子! って感じですねぇ」

侑「可愛いよねえ」アハハ

かすみ「笑いごとじゃないですよ、すぐにフォーム改造しないと、これじゃあ外野にパスが届くかどうか……」

かすみ「可愛いだけじゃ、カラーコートには」

かすみ「……!」

侑「? かすみちゃん?」

かすみ「あ、いえ……何でもないです」


かすみ(私今、せつ菜先輩と同じことを……?)

27: 2021/02/09(火) 11:37:02.56 ID:Nom190Wt
※※※

生徒会室


『ワーワー』?


菜々(……)

菜々(アタックを撃つ前の緊張、勝利の高揚感……)

菜々(今となっては、全てが懐かしい)


コンコンコン

ガチャ


菜々「!」

侑「失礼します!」


『ピッピー』?


侑「!?」

侑「それ、ドッジボールの試合見てるの?」

28: 2021/02/09(火) 11:37:23.81 ID:Nom190Wt
菜々「え、ええ……。まあ」

侑「生徒会長も、ドッジボール好きだったんだ!」ニギッ

菜々「! 別に好きというわけでは……」

侑「……」ジッ

菜々「?」


侑「これってもしかして、優木せつ菜ちゃんが出てる試合?」

菜々「そ、そうですけど」

侑「すごい! ネットで探したけど見つからなくてさ、ずっと見てみたいなって思ってたんだ!」

侑「でもこれDVDだよね? どうして生徒会長が」

29: 2021/02/09(火) 11:38:12.42 ID:Nom190Wt
菜々(高校入学前、ネット上で公開されていた動画は削除依頼したから……)

菜々(しかし、私が試合のDVDを持っているとバレたのは非常にまずい……)


菜々「先日、優木さんが生徒会室を訪れた際に忘れていったんです。中身は何か知らなかったので、つい興味本位で再生してしまいまして……」

侑「へぇ……。ねえ、私も一緒に見てもいい?」

菜々「え!?」

侑「ダメ?」ウワメヅカイ


菜々「……一試合だけですよ」


侑「やったー!」

30: 2021/02/09(火) 11:38:40.50 ID:Nom190Wt



『バチンッ』

『ナイスアタック!!』


侑「す、すごい! すごいすごい!」

菜々「……」

侑「今のって、ジャンピングアタックだよね!?」

菜々「……私には分かりませんが」

侑「外野からのパスに合わせて内野アタッカーが走り込んできてアタックするのを、ランニングアタックって言うんだけどね!」

侑「その中でもジャンプしながら捕球して、着地と同時に撃つアタックを、ジャンピングアタックって言うの!」メッチャハヤクチ

菜々「そ、そうなんですか……」

侑「高い運動神経はもちろん、リズム感と体幹がとっても重要になるんだ!」

侑「成功すればすごい威力だけど、失敗するとパスの流れを崩しちゃうから、ここまで使いこなせてるのはすごいよ! カッコいい!」

31: 2021/02/09(火) 11:39:33.25 ID:Nom190Wt
菜々(……)

菜々(私は、身長が低いのがコンプレックスだった。ドッジボールは、最終的にフィジカルがものをいうスポーツ……)

菜々(技術があれば、投げ方を工夫して球速を上げたり、捕球から投球までの時間を短縮してアタック成功率を上げたりすることも可能だけど……)

菜々(やはり、絶対的な筋肉量の差は埋められない……)

菜々(何よりもアタッカーに必要なのは迫力。背の低い私にはそれが決定的に欠けていた)

菜々(そこで思いついた苦肉の策が、ジャンピングアタックの習得。アタックを撃つ一瞬だけでも、体を大きく見せたかったから……)


菜々「……そんなにカッコいいものじゃないですよ」ボソッ

32: 2021/02/09(火) 11:39:59.01 ID:Nom190Wt
侑「? 何か言った?」

菜々「い、いえ……。高咲さんは、ドッジボールに詳しいんですね」


侑「うん! 大好きなんだ!」ニコッ


菜々「……! ……大好き、ですか」


侑「あ、ごめんね? 私だけ盛り上がっちゃって」

菜々「いえ……」

菜々「ドッジボールの、どういう所が好きなんですか?」

侑「アタックを撃つ瞬間、一気に高まる両チームの緊張感……。試合が終わった時の色んな感情が渦巻いた歓声、そういうのにときめいちゃったんだ……!」


菜々(……!)

菜々(私と、ほとんど同じ……!)

34: 2021/02/09(火) 11:40:26.39 ID:Nom190Wt
菜々「そう、ですか」


菜々「……素敵ですね」


『ピッピー』?


侑「あ、試合終わっちゃったね」

侑「ごめんね? 長居して」

菜々「いえ、大丈夫です。それより、元々は何の用でここに?」

侑「あ、忘れてた! 同好会の廃部を撤回して欲しいなって!」

35: 2021/02/09(火) 11:41:36.35 ID:Nom190Wt
菜々「……人数は、集まりそうなんですか?」

侑「うん! かすみちゃんが言うにはね、元々同好会にいたエマさん・彼方さん・しずくちゃんが戻って来てくれるみたいで」

侑「あとは私と幼馴染の歩夢と、エマさんの友達の果林さんを合わせて7人!」

侑「元々の同好会より多いよ! まあ、私はマネージャーなんだけど」エヘヘ 

菜々「そう、なんですか」


菜々「……わかりました。同好会の廃部を撤回しましょう」


侑「……! 良いの!?」


菜々「良いも悪いも、同好会設立の条件は満たしています。わざわざ頑張ろうとしている生徒の邪魔は出来ませんよ」


侑「や……」

侑「やったあああ!!!」

侑「ありがとう! 早速みんなに報告しなきゃ!」

36: 2021/02/09(火) 11:42:26.79 ID:Nom190Wt
タッタッタッ

ガチャン


菜々(……)

菜々(本当は、私だってまた大好きなドッジボールがしたい……)


菜々(――でも、私はコートに戻れない)

37: 2021/02/09(火) 11:43:00.10 ID:Nom190Wt
――――
――


菜々(中)「外野からのパスはもっと高めで! あと、アタックを要求するパスではボールの回転数を抑えてください!」

菜々(中)「レシーバー陣はやはり姿勢が高いです! 今後の練習では、スクワットと体幹トレーニングのセット数を増やしましょう!」


「「「……」」」


菜々(中)「? どうしたんですか?」


「正直、もう付き合ってられないよね」

「確かに菜々は上手いし天才だけどさ、ウチらは才能無いし、そんなにガチじゃないっていうか」

「今年受験生だし、むしろ練習減らした方が良くない?」

「最初は楽しかったんだけどなー。菜々がキャプテンになってから、何と言うか……」

「――ドッジボール、あんまり好きじゃなくなったんだよね」


菜々(中)「……そんな」


――
――――

38: 2021/02/09(火) 11:43:33.99 ID:Nom190Wt
菜々(その後、退部者が相次いだドッジボール部は、人数不足で春の都大会を欠場し、そのまま3年生は引退となった)

菜々(私はドッジボール部の無い虹ヶ咲学園に進学し、大好きなドッジボールから離れる決意をした)

菜々(でも……)

39: 2021/02/09(火) 11:45:25.71 ID:Nom190Wt
――――
――


菜々(あ、眼鏡、教室に忘れてきたみたい。中学まではコンタクトだったから、つい忘れちゃう……)

菜々(取りに戻らなきゃ)クルッ


かすみ「ええ!? ゆゆゆ、優木、せつ菜ぁ!?」


菜々(!?)

菜々(優木せつ菜は、中学2年生の頃、くじ引きで都大会の選手宣誓を任された私が、宣誓の最後に緊張のあまり名乗ってしまった、SNS上で使っている名前……)

菜々(つまり、その名を知っているのは中学時代に公式ドッジボールに関わっていた人間だけ)


かすみ「どうしてあの優木せつ菜が、虹ヶ咲学園にいるんですか!?」


菜々「……人違いでは?」

かすみ「そんなわけありませんっ! かすみんは、中学生の頃両親に連れられて都大会を観戦して以来、ずっと優木せつ菜の大ファンだったんですから!」

菜々「……」

40: 2021/02/09(火) 11:46:12.63 ID:Nom190Wt
菜々「そうです、私が優木せつ菜です」

かすみ「やっぱり! ぬっふっふ、これで、かすみんの計画が一歩成功に近付きましたよ!」

菜々「計画?」

かすみ「はい! 公式ドッジボール部すらなかった虹ヶ咲学園が、激戦区東京を勝ち抜いて全国大会へ出場! そこには可愛いすぎるドッジボールプレイヤー、かすみんの姿があった!」

かすみ「……大作戦ですっ!」

菜々「はあ……」


かすみ「まずは人数を集める段階だったんですが、せつ菜先輩がいれば百人力です! 一緒にカラーコートを目指しましょうよ!」


菜々「カラー、コート……」

41: 2021/02/09(火) 11:46:29.02 ID:Nom190Wt
――――カラーコート?

――――無理無理、うちは菜々に頼りっきりのチームだし。夏の都大会も、ベスト16が精一杯だったでしょ?

――――そういうのは、カラーコート目指してる人同士でチーム組んでから言いなよ」




菜々「……」

菜々「本気、なんですよね?」

かすみ「え?」

菜々「本気で、カラーコートを目指すんですよね?」

かすみ「もちろんですっ」


菜々(……もしかしたら、この子となら……!)


菜々「わかりました。やるからには全力ですからねっ!」

かすみ「はい!」


――
――――

42: 2021/02/09(火) 11:46:57.01 ID:Nom190Wt
菜々(それから、エマさんたち3人が加わり、一見同好会の活動は順調だった……でも)

菜々(私は、中学と同じことを繰り返してしまった)


コンコンコン

ガチャ


果林「こんにちは」

菜々「……今日は、来客が多いですね」

菜々「何かご用ですか?ライフデザイン学科3年、朝香果林さん」

果林「へぇ? 本当に生徒全員の名前を覚えているのね」

菜々「生徒会長として当たり前です」

果林「……そう」


果林「今日は、生徒会長中川菜々には用はないの」


菜々「?」


果林「元東京都屈指のエースアタッカー、優木せつ菜に用があってね?」


菜々「……!」

43: 2021/02/09(火) 11:47:40.67 ID:Nom190Wt
※※※


かすみ「ほ、本当ですかぁ!?」

しずく「あの生徒会長を説得してしまうなんて……」

エマ「すごいよ~! ええっと」

彼方「高咲、侑ちゃん?」

侑「別に説得したわけじゃないんだけど……。とにかく、同好会の活動は認めてもらえたよ!」

歩夢「良かったね侑ちゃんっ」

侑「うん!」


果林「今戻ったわ」


エマ「あ! 果林ちゃん!」

かすみ「ええっとぉ……。エマ先輩、この方が?」

エマ「うん! 新しく同好会に入ってくれる、朝香果林ちゃんだよ~!」

44: 2021/02/09(火) 11:48:13.02 ID:Nom190Wt
かすみ「ふ~ん、身長は高いみたいですけどぉ、そんな細い腕でドッジボールなんて出来るんですかぁ?」

果林「あら? 面白いこと言う子ね?」ニコッ

かすみ「ひっ!」ユウチャンノウシロニカクレー

かすみ「ごごごごめんなさいっ、コッペパンあげるので許してくださいぃ」スッ

侑「あはは!」

しずく「腕が細いのはかすみさんも同じでしょ……」

彼方「すやぴ」

歩夢「賑やかな同好会になりそうだねっ」ニコニコ


エマ「そういえば、果林ちゃんは何しに行ってたの?」

果林「ああ、ちょっと生徒会室に用があってね?」

エマ「?」

45: 2021/02/09(火) 11:48:50.40 ID:Nom190Wt



かすみ「えええ!? あのいじわる生徒会長が、せつ菜先輩!?」

果林「本人に確認したから間違いないわ」

エマ「それを聞きに行ってたんだね」

果林「まあ、そうなんだけど、もう一つ……」

エマ「?」

果林「一緒にやらないかって誘いに行ったのよ。当然断られたけど」

歩夢「そうだったんですね……」

しずく「それで、その、理由は?」

果林「あんまり思い出したくないみたいで、断片的にしか教えてくれなかったけど……」

46: 2021/02/09(火) 11:49:12.26 ID:Nom190Wt



侑「なるほど。そんなことが……」

かすみ「うぅっ、かすみん、罪悪感に押しつぶされそうですぅ」

歩夢「仕方がないよ。でも、温度差があったなら、きちんとお互いに話し合った方が良かったかもね」

かすみ「歩夢せんぱぁい」ウルウル

かすみ「かすみん、歩夢先輩にも同じことを」

歩夢「大丈夫だよ、気にしてないから」ニコッ

侑「歩夢のそういう優しいところ、好きだよ」

歩夢「え!? あぁ、うんっ……。ありがとう……」カァ

果林「……へぇ?」

47: 2021/02/09(火) 11:49:51.30 ID:Nom190Wt
エマ「私も後悔してるんだ。もっと本気でせつ菜ちゃんとぶつかるべきだったのかなって」

彼方「それは……彼方ちゃんも」

しずく「せつ菜先輩は、本当にもうドッジボールをやりたくないんでしょうか?」

果林「……私には、そうは見えなかったわ」

歩夢「だとしたら、私たちの本気を伝えて、きちんと話し合えば戻ってきてくれるかも……」

侑「じゃあさ! こんなのはどうかな?」

48: 2021/02/09(火) 11:50:05.06 ID:Nom190Wt
※※※

数日後


歩夢『中川菜々さん、優木せつ菜さん。至急体育館まで来てください』?


菜々「!?」

菜々(今の声は……上原さん? ……わざわざ優木せつ菜も呼び出したということは……)

49: 2021/02/09(火) 11:50:20.36 ID:Nom190Wt
※※※

体育館


菜々「……何の用ですか?」


エマ「あ! 来てくれたんだ~」

果林「流石にあんな呼び出し方をしたらね?」

歩夢「侑ちゃん」

侑「うん! あのね、せつ菜ちゃん」


侑「――私たちと、勝負してほしいんだ!」

51: 2021/02/09(火) 11:50:50.37 ID:Nom190Wt



菜々「勝負、ですか?」

侑「うん。今から私たち全員に1球ずつアタックを撃ってほしい」

侑「それで、全員をアウトに出来たらせつ菜ちゃんの勝ち、誰か一人でもキャッチできたら私たちの勝ち」

菜々「……何が目的ですか?」

彼方「簡単だよ。彼方ちゃんたちが勝ったら~」

果林「あなたには、同好会に戻ってきてもらう」

菜々「!」

52: 2021/02/09(火) 11:51:49.94 ID:Nom190Wt
菜々「どうして」

かすみ「や、やっぱり、全国大会に行くにはせつ菜先輩の加入は必須ですから……」

エマ「私は、またせつ菜ちゃんと一緒にドッジボールがしたいな~って」

しずく「かすみさんも本当はそうなんだよね?」

かすみ「ちが! くはないですけどぉ……」

しずく「うふふっ」ニコニコ

彼方「今日の彼方ちゃんは本気だよー」フンスッ

果林「まだ数日間だけど、練習も頑張ったしね?」

53: 2021/02/09(火) 11:53:08.70 ID:Nom190Wt
菜々「……お断りします。それでは、私自身が納得できません」

果林「どうして、戻ってくる前提で話をしてるのかしら?」

菜々「!」

果林「私たちは全員、高校生になってからドッジボールを始めた初心者。特に私と歩夢は、まだルールすら曖昧よ」

果林「そんな相手に、優木せつ菜のアタックが捕られると?」


菜々「それは、あり得ません!」


菜々「……わかりました。全員アウトにすれば戻らなくて良いんですよね? やりましょう」

果林「そ?」ニコッ


侑「よし、じゃあ始めるよ!」

54: 2021/02/09(火) 11:53:23.97 ID:Nom190Wt
※※※


バチンッ


しずく「きゃんっ」


ガッ


かすみ「うげっ!」


ボンッ


歩夢「うぅっ」


ダンッ


エマ「あっ……!」




果林「……で」

果林「あっという間に4人抜きされた訳だけど?」

55: 2021/02/09(火) 11:53:50.60 ID:Nom190Wt
しずく「球技は苦手なんです……」

かすみ「まさか肩口をあんなピンポイントで狙ってくるだなんて……」

歩夢「ごめんなさい……」ションボリ

エマ「やっぱりせつ菜ちゃんのアタックはすごかったよ~」


かすみ「ブランクがあるはずなのに、多分あれ75㌔は出てますよ……」

しずく「せつ菜さんが投げる位置から、私たちが構えている場所までは約5メートル。ドッジボールはボールの重さや距離を考えると、体感速度でいえば野球の3倍と言われていますからね……」

侑「……」


果林「次は、私の番ね」


バンッ


果林「……無理だったわ。足元は取れないわよ」

56: 2021/02/09(火) 11:54:27.14 ID:Nom190Wt
歩夢「仕方がないですよ。果林さんは今日初めてボールに触れたようなものですし」

エマ「ちゃんと正面を向いて当たっただけすごいよ~」

しずく「ごめんなさい……」

かすみ「しず子はどうやったらお尻に当たれるの……」

しずく「自分でも分からないよ……」


侑「彼方さん、準備お願い!」


彼方「はいよ~」コキッコキッ


菜々「……彼方さんですか」

57: 2021/02/09(火) 11:55:02.27 ID:Nom190Wt
歩夢「ねえかすみちゃん、彼方さんって」

かすみ「ああ見えて、同好会の守備の要です。眠気次第でかなりムラはありますけど……」

しずく「以前無理にお願いした他校との練習試合では、彼方さんが内野に一人だけ残って全滅負けは免れたって試合が何度かありましたね」

エマ「一人残るのと全滅するのじゃ、全然違うからね~」

果林「全滅するとどうなるの?」

しずく「試合時間5分を待たず即試合終了です。特に外野が最後の一人を当てると、外野が一人だったとしても、帰還する権利が与えられます」

かすみ「8-0、いわゆるパーフェクトゲームですね」

果林「それは屈辱的ね……」

58: 2021/02/09(火) 11:55:55.83 ID:Nom190Wt
エマ「とにかく、彼方ちゃんが最後の砦だよ~」

歩夢「彼方さん! 頑張ってください!」

かすみ「頼みますよ~!」


彼方「うんうん。みんなに頼られちゃったら、彼方ちゃん頑張るしかないよねー」


菜々「……これで最後の一人。手加減はしませんよ?」

彼方「もちろん」


侑「それじゃあ……」ピッ!


菜々「……」ザッ


エマ「さっきまでよりも……」

歩夢「助走距離が長い……!」

しずく「まだ、本気を出してなかったんですね」ゴクリッ

59: 2021/02/09(火) 11:56:29.15 ID:Nom190Wt
ビュンッ


かすみ「はやっ!」

エマ「かすみちゃんの時と同じ、肩口狙い!」

歩夢「……でも」


バシッ


エマ「上がった!」


彼方「……!」ダッ


――トンットンッ


彼方「……ぐっ」バタンッ

60: 2021/02/09(火) 11:56:54.80 ID:Nom190Wt
かすみ「……ああ」

果林「今のって」

しずく「仮にアタックを弾いてしまった場合、本人か味方がノーバウンドでキャッチ出来ればセーフです」

果林「……そう、惜しかったわね……」


菜々「……」

菜々「……私の勝ちのようですね。それでは」クルッ



侑「待って!」


菜々「!?」


侑「まだ、私がいる」

61: 2021/02/09(火) 11:57:23.89 ID:Nom190Wt
歩夢「ゆ、侑ちゃん!?」

かすみ「何言ってるんですか侑先輩! 先輩はマネージャーじゃ」

エマ「無茶だよ! 怪我しちゃう!」




菜々「……そうです。もう勝負は」

侑「諦めたくない!」

菜々「!」

侑「マネージャーでも、私だって同好会の一員だよ! せつ菜ちゃんと一緒にドッジボールがしたい! 一緒に……カラーコートに行きたい!」



果林「侑……」

しずく「侑さん……」



せつ菜「……本気なんですね?」

侑「うん。だから、せつ菜ちゃんも本気で撃ってきて」

せつ菜「……どうなっても、知りませんよ……」ザッ

62: 2021/02/09(火) 11:58:00.71 ID:Nom190Wt
かすみ「あわわわわ」

エマ「止めないと!」



侑「……」

侑「ねえ、せつ菜ちゃん」

菜々「……何ですか」

侑「私、本気で投げてって言ったよね?」

菜々「……? そのつもりですが」

侑「ジャンピングアタックを撃ってって言ってるの!」

菜々「!」


侑「歩夢、外野に入ってせつ菜ちゃんにパスを出して」

歩夢「え!? 私!?」

侑「うん。特に意味は無いんだけどね。歩夢に投げてほしいんだ」

歩夢「……わかった」タッタッタッ

63: 2021/02/09(火) 11:58:38.81 ID:Nom190Wt
果林「ジャンピングアタック?」

かすみ「せつ菜先輩の必〇技みたいなものです」

果林「まだ上があるって言うの……?」

しずく「はい。条件が難しいので、あまり多用はしていなかったですが……」



侑「……来て!」


歩夢「えいっ!」ブンッ

菜々「……っ!」ザッ



果林「条件?」

かすみ「はい。投げる側の身体能力はもちろんですが……」

かすみ「ジャンピングアタック成功の絶対条件、それは――」


フワッ


――パシンッ


菜々「!」

菜々(……これは……!)

64: 2021/02/09(火) 11:59:24.63 ID:Nom190Wt
かすみ「――高めにコントロールされた、回転数の少ない正確なパス!」

かすみ「ついこの間まで届きすらしなかったのに、歩夢先輩はいつの間にこんな……!」



菜々(まるで初めからボールを持っていたかのような、捕球時に全くストレスの無いパス!)

菜々(軽い! ボールが軽すぎる!)

菜々(撃ちたい! 早くこのアタックを撃ち込みたい!)

菜々(速く! 捷く! 疾く!)


トンッ……


ギュインッ


侑(なんて球威。正面から見たら、こんなに速いんだ(

侑(ビデオで見たのよりも、数段回転数、ノビの質が良い!)

侑(やっぱり中学時代は、せつ菜ちゃんがパスに合わせることによって辻褄を合わせていただけなんだ)

侑(つまり、これが本当のせつ菜ちゃんのジャンピングアタック……!)

侑(……でも!)



バシィン!!

65: 2021/02/09(火) 12:00:14.43 ID:Nom190Wt
林「……」


しずく「……」


かすみ「……と……」



「「「捕ったああああ!!!!」」」



侑「げほっげほっ!」

歩夢「侑ちゃん! 大丈夫!?」タッタッタッ

侑「うん、大丈夫! 捕れたというよりは、たまたま構えたところに綺麗に嵌ったって感じだけど」ニガワライ

侑「でも、これで……」チラッ


菜々「……」

菜々「私の負け、ですね」クスッ


かすみ「やったああ!!」

66: 2021/02/09(火) 12:00:48.12 ID:Nom190Wt
>>65
林って誰だよ
果林さんで脳内補完お願いします

78: 2021/02/09(火) 17:01:45.96 ID:Nom190Wt
※※※

翌日


エマ「ようやく復活だね~」

かすみ「それじゃあ、公式ドッジボール同好会、始めま~」


愛「やっほー!」


「「「???」」」


愛「もしかして、公式ドッジボール同好会の人たち?」

せつ菜「そうですが……。お二人は確か」

愛「情報処理学科2年、宮下愛だよ!」

璃奈「1年、天王寺璃奈……です」

愛「私たち、この間体育館でみんなの勝負見てドキドキしちゃってさ! 同好会に入りたいなって!」

侑「わかるよ! ときめいたんだね!」ガシッ

愛「うん! そうそう!」

璃奈「本当に、すごかった」

せつ菜「あ、ありがとうございます!」

79: 2021/02/09(火) 17:02:10.47 ID:Nom190Wt
かすみ「ほんとですよぉ、実はせつ菜先輩、こっそり練習してたんですかぁ?」

せつ菜「ええっと、まあ……。ちょっと壁当てをしていただけですが……」

かすみ「それだけであんな球投げれる女子高生はいませんっ」

せつ菜「……本当は毎日色々と」


エマ「せつ菜ちゃん、ドッジボール大好きだもんね~」

しずく「流石です」

せつ菜「う~っ」テレッ


愛「というわけで、二人とも入部希望です!」

かすみ「おーっ!」

エマ「大歓迎だよお!」

侑「これで私を除いて9人! 大会にも出られるね!」

彼方「やったね~!」

80: 2021/02/09(火) 17:02:46.28 ID:Nom190Wt
※※※

部室


侑「そういうわけで、早速ポジションを決めていきたいんだけど」

愛「はいはーい! 質問大丈夫ー?」

侑「いいよ!」

愛「ドッジボールって、どういうポジションがあるの?」

果林「私もよくわかってないのよね」

侑「あ、そうだよね。ちゃんと説明しなきゃ」

81: 2021/02/09(火) 17:03:18.77 ID:Nom190Wt
ホワイトボードカキカキ



内野アタッカー
基本は右・左・センターの3人。チームによって大体1~5人まで幅がある。後ろに予備のアタッカーが控え、ローテーションしながらほぼ全員がアタッカーを務めるチームも。
ほとんどの場合、センターアタッカーか元外野がそのチームのエースである。

元外野
試合開始時に外野にいる選手。内野アタッカーに適切なパスを出したり、自身もアタックを撃ったりする。後からアウトになった選手に指示を与え、アタッカーのアタックコースを誘導するなど、チームの司令塔的存在。最もボールに触れる機会が多いため、試合の勝敗は元外野が握っていると言っても過言ではない。
なお、公式ドッジボールでは、元外野もアタックを決めなくては内野に戻れない。

カット
公式ドッジボールでは守備時、基本的に一列に並び、常にボールと一定の距離を保つ。カットはこの時、ラインから離れて自由に動き回り、相手のパス回しを妨害する。
必然的に狙われる確率も上がるため、最も運動神経と動体視力が求められる。

82: 2021/02/09(火) 17:06:27.53 ID:Nom190Wt
ジャンパー
試合開始時のボールの支配権は、ジャンプボールによって決定される。ジャンパーはその名の通り、ジャンプボールを行うポジション。
トーナメントなど、必ず勝敗を決定しなければならない試合では、同点の場合Vポイントゲーム(旧サドンデスゲーム、先に一人アウトにした方が勝ち。先攻が圧倒的に有利)で勝敗を決めるため、ジャンパーは身長・跳躍力の他に、生存率の高さが必要。

レシーバー
守備時、外野とカット以外は全員がレシーバーとなる。パスカウントをコールしてアタッカーに伝えたり、パスの取りこぼしを防ぐなど、攻撃にも参加する。

大砲
あまり設置されることがない、ボール支配権移行後の一発アタック専門のポジション。球速・球威共に申し分ないが、捕球から投球までが遅い、制球力に難があるなどの理由でパス回しに参加出来ない選手がつく。
一発アタックは成功するか否かでチームの士気が大きく左右されるため、タイミングは慎重に選ぶ必要がある。




愛「へー! こんなにいっぱいあるんだね!」

せつ菜「細かいポジションを入れれば、まだまだありますけどね。呼び方も結構チームによって違います」

愛「そーなんだ! でも、今すぐ決めるってのは難しいよね?」

侑「うん。だから今から体育館に行って、紅白戦をしよう!」

かすみ「紅白戦!!!」ワクワク

83: 2021/02/09(火) 17:06:49.17 ID:Nom190Wt
※※※

体育館


侑「チームはくじ引きで決めたよ! それぞれチームで話し合って暫定ポジションを決めてね! 人数合わせのために、今回私はレシーバーで参加するよ!」

「「「はーい」」」


Aチーム
せつ菜 センターアタッカー
かすみ 元外野
愛 右アタッカー・ジャンパー・カット
しずく 左アタッカー
璃奈 レシーバー

Bチーム
エマ センターアタッカー・ジャンパー
歩夢 元外野
彼方 右アタッカー
果林 左アタッカー
侑 レシーバー

84: 2021/02/09(火) 17:07:15.66 ID:Nom190Wt
かすみ「エマ先輩たちはカット置かないんですね」

エマ「うん、私たちはあんまり素早く動くのは得意じゃないから~」

愛「全部用意しなきゃいけないってわけじゃないんだね?」

しずく「そうですね、元外野とジャンパー以外はいなくても試合が成立するので……」

侑「極端なところだと、カットが5人いるチームや、元外野が2人いるチームなんかもあるらしいんだけどね」

璃奈「そんなに自由度が高いんだ」

せつ菜「そこがドッジボールの魅力ですからね」

愛「すごい! そんなスポーツ初めてやるよ!」ワクワク

侑「よし、早速試合を……と言いたいところだけど」


「「「???」」」


侑「愛ちゃんたちに基本的なルールだけ教えとくね!」

愛「あ、そうだそうだ」

璃奈「お願い」

85: 2021/02/09(火) 17:08:55.40 ID:Nom190Wt



オーバーライン
線踏んじゃだめよ。

ホールディング
相手コートに転がってるボール取っちゃだめよ。(空中はセーフ)

アウトプレー
内外野の移動はコートの外を通ろうね。移動中はボールに触っちゃだめよ。

ダブルタッチ
当たった後、外野に出るまでボールに触っちゃだめよ。

ダブルパス
内野同士、外野同士でパスしちゃだめよ。

フライングスロー
試合が一回止まった後はボールを頭の上に上げて、審判が笛吹くの待とうね。

ファイブパス
パスは4回までね。

キープフォーファイブ
5秒以上ボール持っちゃだめよ。

ヘッドアタック
頭部はセーフ。当てられた方のボールになるよ。

86: 2021/02/09(火) 17:09:27.79 ID:Nom190Wt
イリーガルスロー
バレーみたいに弾いたり、サッカーみたいに蹴ってパスやアタックしちゃだめよ。

イリーガルキャッチ
アタックを意図的に一度弾いて捕っちゃだめよ。

ワンタッチ・ノータッチ
外野はパスを逸した時、手の平で触れようね。触れられなかった時や手の平以外に当たって出たら相手ボールよ。

ジャンパーアタック・ジャンパーキャッチ
ジャンパーは1球目プレーに参加できないよ。

ボールデッド
コート外にボールが出たら、最後に触れたチームじゃないほうに支配権が移るよ。

タッチザボディ
相手選手に触っちゃだめよ。



87: 2021/02/09(火) 17:09:59.01 ID:Nom190Wt
侑「出来る限り簡単にしてみたけど……」

璃奈「大丈夫そう」

愛「意外と多いんだね」

果林「まあ、やりながら覚えれば大丈夫よね」

侑「うん! じゃ、今度こそ試合開始! 今回はセルフジャッジで! 初戦は時間制限なしでフライングスローとキープフォーファイブは取らないから、ルールや戦術を確認しながらやっていこう!」


「「「おー!!」」」

88: 2021/02/09(火) 17:10:32.03 ID:Nom190Wt
~ジャンプボール~


エマ「えいっ!」ピョン

愛「よっと!」ピョン


エマ(……高い!)


パシンッ


しずく「先攻いただきました!」

愛「バスケ部の助っ人で、ジャンプボールは慣れてるからね」

せつ菜「すごいですっ!」


エマ「ごめんね~」

彼方「大丈夫だよー」

侑「どんまいどんまい」

果林「……来るわよ!」


しずく「かすみさん!」ブンッ

89: 2021/02/09(火) 17:11:40.02 ID:Nom190Wt
ピューン


かすみ「わ!? ちょ!?」ダッ


トンットンッ……コロコロ……


侑「ノータッチ! Bチーム内野ボール!」


かすみ「しず子どこ投げてるのぉ!!」

しずく「……ごめんなさい」シュン


果林「どうやったらあの角度にボールが飛んでいくの……?」

侑「右手と右足が一緒に前に出てた……」

エマ「八極拳みたいだったね~!」


しずく「うぅ~っ」

愛「あっはっは! 大丈夫だよ、まだまだ始まったばっかだし!」ポンポンッ

しずく「愛さん……」

せつ菜「さ、守備につきましょう!」

90: 2021/02/09(火) 17:12:18.15 ID:Nom190Wt
彼方「いくよー」


歩夢「……」バッ

愛「……」サッ


歩夢(……愛ちゃんのマークが厳しくて、上手くパスコースが作れない……!)


彼方「くっ、どこに投げたら……」

侑「歩夢! そういう時はサイドを使って!」



歩夢「う、うん!」タッタッタッ

91: 2021/02/09(火) 17:13:29.02 ID:Nom190Wt
果林「サイド?」

侑「うん。公式ドッジボールでは、外野は相手内野コートの横側から投げることも出来るんだ。強いチームはサイドを上手く使って攻撃してくるよ」

侑「とは言っても、サイドはアクセント。攻撃の基本は縦パスで如何に相手の陣形を崩すか……」

果林「なるほどね」

侑「サイドまで付いていけば、カットは至近距離で挟まれる形になる。だからこういう場合も有効……」

侑「……!」


愛「へへっ、逃さないよ?」ダッ


侑「自分から挟まれに来た!?」

彼方「それは自〇行為だよ……」

エマ「チャンスだよ彼方ちゃん!」

彼方「よーし」ブンッ

92: 2021/02/09(火) 17:14:00.58 ID:Nom190Wt
愛「よっ」ピョン


侑(開脚ジャンプで避けた!?)

侑(でも、すぐ後ろには歩夢がいる!)


歩夢「えいっ」ブンッ


愛「ほいっ」パシッ


かすみ「なっ……!」

せつ菜「ナイスキャッチです愛さん!」


侑「な、なんて反射神経……!」


愛「お返しだよ!」クルッ


彼方「!?」


バンッ


侑「……か、彼方さん、アウト……」


愛「いえーい!」ブイッ

93: 2021/02/09(火) 17:15:24.10 ID:Nom190Wt
しずく「す、すごすぎます……!」

せつ菜「あの彼方さんを、いきなり外野に……」


せつ菜(これが、部室棟のヒーローの実力……!)ゴクリッ


璃奈「愛さんカッコいい、好き」

愛「ありがとー!」


侑「でもこれで、外野が2人になってパスコースが確保できた」

果林「ええ、でも……」


愛「……」ザッ

94: 2021/02/09(火) 17:16:01.55 ID:Nom190Wt
エマ「2人のちょうど真ん中に……!」

侑「普通は、メインの外野をマークするんだけどね」

果林「歩夢と彼方はめい一杯広がってポジションを取ってる。流石に届くわけが……」

侑「いや、愛ちゃんはきっと届くよ」

果林「……そうね」

エマ「両サイドに移動させればパスは通るけど……」

侑「サイドが有効なのは、縦パスで陣形を崩した時や、相手の内野人数がある程度多い場合。今の状況じゃ、無駄にパスカウントが増えるだけ……」

果林「たった一人で、ここまで相手を牽制出来るなんて……」

エマ「……ここは」

侑「一発アタック、だね」

エマ「うんっ」


エマ「……よいっ、しょ!」ブゥンッ

95: 2021/02/09(火) 17:16:47.12 ID:Nom190Wt
 

ギュインッ


しずく「……!」


ドカッ


侑「しずくちゃんアウト! ボールデッド、Bチーム内野ボール!」


せつ菜「……速い……!」


エマ「えへへ、ずっと練習を続けてたのは、せつ菜ちゃんだけじゃないよ~?」

侑「すごいパワーだね!」

果林「ナイスアタックよエマ!」

エマ「うふふ~!」

侑「さ、もう一回マイボールだよ!」

エマ「よぉ~し」

96: 2021/02/09(火) 17:17:48.13 ID:Nom190Wt
せつ菜「璃奈さん、ラインを下げましょう! 外野側に寄ってください!」

璃奈「わかった」

せつ菜「愛さんは彼方さんを重点的にマークしてください! 内野に戻られると厄介です!」

愛「あいよー!」ダッ


彼方「ぐぬぬ……」


歩夢「……」


――――
――

『試合の勝敗は元外野が握っていると言っても過言ではない』

――
――――


歩夢「私がしっかりしなきゃ……!」

97: 2021/02/09(火) 17:18:25.03 ID:Nom190Wt
歩夢「エマさん!」ダッ


歩夢(相手はエマさんの一発アタックを警戒してラインを下げた! それなら外野から……!)


エマ「! おっけ~!」フワッ


歩夢「」パシッ


せつ菜「なっ!」クルッ

璃奈「……」


歩夢(ちょっと卑怯だけど、ここは初心者の璃奈ちゃんを狙って……!)


侑「いけー! 歩夢ー!」


歩夢(肩口は私の球威じゃ捕られるかもしれない。ここは)ブンッ

98: 2021/02/09(火) 17:19:11.12 ID:Nom190Wt
璃奈(足元を狙う……だよね)サッ


歩夢「……!」


果林「避けられた!」

果林「今のパスは不意打ちだったはずよ。なのになんて反応速度……!」

侑「いや、今のは……」

果林「?」

侑「まるで最初からエマさんがパスをして、歩夢がどこにアタックを撃つのか分かってたような動き……!」

エマ「でも、まだ私たちの攻撃だよ!」パシッ


ポロッ


エマ「あっ」トテトテ


せつ菜「今ですっ! 体勢を立て直しましょう!」

璃奈愛「「らじゃー!」」

99: 2021/02/09(火) 17:19:47.32 ID:Nom190Wt
エマ「うう~」

果林「これじゃあ同じことの繰り返しね……」

エマ「ごめんね、まだパスを捕るのが苦手みたいで……」


侑(なるほど……)





かすみ「せつな先輩!」ブンッ


せつ菜「うおおおぉぉぉおお」ダッ


ピョン

パシッ


せつ菜(……! 低い!)

せつ菜(でも、タイミングは合わせた!)


ギュンッ


エマ「きゃっ!」


ドンッ


侑「エマさんアウト!」

100: 2021/02/09(火) 17:21:06.07 ID:Nom190Wt



愛「よぉし、愛さんも!」


ピョン

パシッ


せつ菜「……!」


侑「ジャンピングアタック!?」


愛「ありゃ!?」カクンッ


フワッ


果林「うわっ! ちょっと!」


ポロッ


侑「……果林さんアウト」


愛「ありゃりゃ~、難しいもんだねー!」

璃奈「でも、ナイスアタック」グッ

せつ菜「……」ホッ


せつ菜(!?)

せつ菜(私、どうして安心して……)




パチンッ


侑「私、アウト……」


かすみ「やったー!」

愛「勝ったねー!」

101: 2021/02/09(火) 17:22:12.80 ID:Nom190Wt



エマ「良い試合だったね~」

彼方「終盤はほとんどボール触れなかったけどねー……」

侑「でも、思ったよりもみんな上手くて、なんだか……」

果林「本当に全国、目指せるんじゃないかしら?」


歩夢「……」


歩夢(この間の勝負でたまたま良いパスが出せたから任された外野だけど……)

歩夢(私、何も出来なかった……)


侑「よし! チームとポジションを変えてもう一回!」





侑「試合はここまで! 次はスピードガンで球速を測るよ!」

102: 2021/02/09(火) 17:24:38.58 ID:Nom190Wt



侑「色々考慮して、ポジションと背番号はこれでいこうかと思うんだけど……」ガサッ



1 せつ菜 センターアタッカー 75㌔(Jアタック80㌔)
2 歩夢 レシーバー 63㌔
3 かすみ レシーバー 68㌔
4 エマ 大砲 79㌔
5 果林 レシーバー 67㌔
6 彼方 左アタッカー 70㌔
7 璃奈 レシーバー 56㌔
8 愛 右アタッカー・カット・ジャンパー 77㌔
9 しずく レシーバー 測定不能

参考 侑 55㌔



「「「おー!!」」」


しずく「」


果林「背番号って何か意味があるの?」

侑「ルール上は、キャプテンが1番を付ける以外の決まりはないよ」

侑「基本的には総合力の順番で決めてるけど……」

侑「あるチームを参考にして、2番が副キャプテン、6番が守備の要で、8番をエースナンバーにしてみたんだ。せつ菜ちゃんはキャプテンだから、エースナンバーは愛ちゃんだね」

103: 2021/02/09(火) 17:25:30.35 ID:Nom190Wt
果林「なるほどね」

しずく「」


せつ菜「侑さん、元外野は?」

侑「うーんそれがね。試合を見てる限り複数候補がいて……。しばらく色々試しながら決定したいなって」

せつ菜「なるほど、現段階での候補は?」

侑「愛ちゃん・歩夢・かすみちゃんだね」

侑「でも愛ちゃんにはジャンパーとカットをやってもらいたいから、実質歩夢とかすみちゃんのどちらかかなあ」

愛「んー、愛さんも、カット楽しいから内野が良いかなあ」

侑「そっか」カキカキ

104: 2021/02/09(火) 17:26:33.49 ID:Nom190Wt
侑「ルールの理解とパス回しの速さ、自分でも当てられるアタック率を考えたらかすみちゃんなんだけど」

侑「せつ菜ちゃんのジャンピングアタックを活かすなら、歩夢なんだよね。あと、歩夢はアタックコースの誘導が上手だし、よく考えてプレーしてる」

かすみ「それって、かすみんが何も考えてないみたいじゃないですかぁ」

侑「そ、そういうわけじゃないよ! 取り敢えず、元外野は保留ってことで!」

侑「もちろん他のポジション含め、今後の練習や試合次第で変えていくから! みんなも頑張ってね!」


「「「はーい」」」



侑「それじゃあ改めて、虹ヶ咲学園公式ドッジボール同好会!」



かすみ「復活ですっ!」


「「「おおーー!!」」」


~虹ヶ咲学園避球同好会 結成編~ 完

105: 2021/02/09(火) 17:27:50.69 ID:Nom190Wt
※※※


次編予告



「「「練習試合!?」」」


かすみ「東雲フェニックス……」


彼方「うふふ、その子はね~」


果林「柔軟性?」


遥「――【ショットガンA】」


愛「愛さん、疲れちゃった」


璃奈「さようなら、愛さん」


しずく「これ以上お尻を大きくして、何になるって言うんですか!!」


次編、~VS東雲フェニックス編~


気が向いたら続く

107: 2021/02/09(火) 18:00:34.22 ID:Nom190Wt
【解説】

本編中で出てきた用語についての詳細な解説です。読まなくても特に問題はないので、作者がSS本編以外で長々と語るのが嫌いな方は、ユーザー名【湯豆腐】をNGにしてください。

○ジャンピングアタック
ランニングアタックの中で、特にパスの捕球時に高く跳躍し、着地と同時に放つアタック。
パスの質・タイミングを合わせるリズム感・動体視力・姿勢維持のための体幹など、様々な条件が一致しなくては成功しない高難易度技。
ランニングアタック自体が軽く跳躍して撃つアタックではあるが、ジャンピングアタックは更に距離・高さ共に数段大きく跳ぶ。
アタック成功率には球速の他に、回転数・球威・タイミング・投球フォーム・狙う部位・角度などが影響するが、ジャンピングアタックはこの内、狙う部位以外の要素を大きく向上させる。
作中でせつ菜が「アタッカーに必要なのは迫力」と主張しているが、ジャンピングアタックは体を大きく見せられる、相手の視線を揺らすことが出来るという点でも優れている。
ただし当然デメリットは存在し、失敗すれば攻撃の流れが切れる、体力を大きく消耗するため乱発は出来ない、投球まで至ってもコントロールが難しい(愛さんのように、かえって球速が落ちる可能性がある)、などが挙げられる。

○守備のフォーメーション
一列に並び、間を抜かれないよう間隔を詰めるのが基本形ではあるが、二列フォーメーション・バラバラフォーメーションなども存在する。特に二列フォーメーションは、過去に小学生の全国大会にて宮崎県代表チームが使用していたこともあり、使用するチームがほぼ存在しない割には有名である。
また、意図的に間を抜かせるように選手同士の間隔を空けるフォーメーションも存在するが、こちらは今後本編にて登場するため割愛する。
一列フォーメーションの場合、狙われやすい真ん中付近と左右の両端には、キャッチングの上手い選手を配置するのがセオリーである。
外野がサイドに移動した場合、中心から折りたたむようにして二列のフォーメーションに切り替える。

108: 2021/02/09(火) 18:51:29.97 ID:xc8athJ3
乙です
ドッジホールについていろいろ勉強になる

120: 2021/02/09(火) 22:36:51.01 ID:juYYR/kP
レクリエーション的なドッジボールしかやったことないけど公式はルール細かいのね

109: 2021/02/09(火) 18:58:24.57 ID:FzsSm7dF
乙 動画見てみたらほんとに一列で動いてて驚いた
あとしずくちゃんで笑ってしまうなw

110: 2021/02/09(火) 19:13:23.60 ID:Nom190Wt
>>108
解説ばっかりで読みづらくなってしまったかもしれないです……
ポジションとルールはほぼこれで全てなので、続きは戦術メインになって多少はマシになるはず……

>>109
しずくちゃんは公式で球技苦手設定あるからこうなってしまいますね。
そのうち活躍できる回を書きたいです。

118: 2021/02/09(火) 22:03:12.43 ID:hU9lBRX1
面白かった
続いてほしいなぁ

119: 2021/02/09(火) 22:03:12.93 ID:lgy+yaPp
続き楽しみ

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1612837424/

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