【SS】花陽「苦い味のチョコレート」

SS


1: 2017/02/14(火) 23:25:43.41 ID:GkGVjJa6.net
花陽「…」

海未「花陽、どうかしましたか?」

花陽「あっ…なんでもないよ」

海未「そうですか?何かあれば聞きますよ?」

花陽「ううん…本当になんでもないから…」

2: 2017/02/14(火) 23:26:22.47 ID:GkGVjJa6.net
花陽(また、やっちゃった…)

花陽(何回もこんな事止めようって思ってるのに、気を抜くと海未ちゃんの事を目で追っちゃう…)

花陽(でも、止められない理由も分かってる)

花陽(私は、海未ちゃんの事が好きなんだもん)

花陽(凛ちゃんに感じてる友達としての好きじゃなくて)

花陽(私は海未ちゃんに…恋してるんだもん)

3: 2017/02/14(火) 23:26:55.82 ID:GkGVjJa6.net
海未「花陽?」

花陽「あっ…ごめんね…」

海未「いえ、私は構いませんが、あまり無理をされないようにしてくださいね」

花陽「ありがとう、海未ちゃん」

4: 2017/02/14(火) 23:27:40.31 ID:GkGVjJa6.net
花陽「海未ちゃん、最近弓道の練習頑張ってるね」

海未「ええ、大会が近いので」

海未「なので、μ’sの活動にはあまり参加できず…すみません」

花陽「海未ちゃんが弓道の活動を大切にしてるの知ってるから大丈夫だよ」

海未「花陽…ありがとうございます」

花陽「今度の大会、海未ちゃんの事応援に行ってもいい…かな?」

海未「来ていただけるのですか?」

5: 2017/02/14(火) 23:28:18.28 ID:GkGVjJa6.net
花陽「海未ちゃんが良ければ…」

海未「ええ、とても心強いです」

花陽「ほ…本当?」

海未「はい」

花陽「良かった…それなら行かせてもらうね」

6: 2017/02/14(火) 23:29:09.86 ID:GkGVjJa6.net
海未「大会は次の日曜日なので、よろしくお願いします」

花陽「うん!頑張って応援するね!」

海未「気持ちは嬉しいですが、集中力が重要な競技ですので観戦中は静かにしてくださいね」

花陽「分かったよ」

海未「それでは、時間なので行きますね」

花陽「練習頑張ってね、海未ちゃん」

海未「はい、ありがとうございます」

7: 2017/02/14(火) 23:29:47.50 ID:GkGVjJa6.net
花陽(はぁ…花陽何やってるんだろう…)

花陽(こんな事すればするほど辛くなるって分かっているのに)

花陽(女の子同士の恋なんて、絶対に叶わないって分かってるのに、振り向いてなんかもらえないのに)

花陽(それでも、少しでも一緒にいたいって、海未ちゃんの為に色々したいって気持ちを抑える事は出来ないよ…)

花陽(本当…バカみたい…)

8: 2017/02/14(火) 23:30:49.65 ID:GkGVjJa6.net
絵里「お疲れ様、花陽…って大丈夫?」

花陽「えっ…?」

絵里「何か思いつめたような顔してるけど…」

花陽「そ…そんな事…」

絵里「嘘は駄目よ、花陽」

花陽「う…嘘なんか…」

絵里「だって、顔に悩んでいますって出てるんだもの。わかっちゃうわ」

9: 2017/02/14(火) 23:31:23.84 ID:GkGVjJa6.net
花陽「ごめんなさい…」

絵里「謝らなくていいわ」

絵里「ただ、悩んでいる時は誰かに話すと気持ちが軽くなるわよ」

花陽「うん…」

絵里「…」

10: 2017/02/14(火) 23:31:57.98 ID:GkGVjJa6.net
絵里「別にね、私に話せって言ってるわけじゃないのよ」

絵里「花陽は凛と一番仲が良いんだから、凛の方が私より話しやすいと思うし」

花陽「そ…そんな事…」

絵里「別に無理しなくていいのよ。それに、内容によっては他の人の方がいいかもしれないわ」

絵里「例えば、アイドルの事について悩んでいるなら、にこに聞いた方が良いと思うし」

絵里「勉強の事なら、真姫に聞いた方が参考になると思うわ」

花陽「うん…」

12: 2017/02/14(火) 23:32:53.32 ID:GkGVjJa6.net
花陽(確かに、絵里ちゃんの言う通りだと思う)

花陽(けど、恋の相談なんて誰にしたらいいの…?)

花陽(それに相手が海未ちゃんなんだもん…)

花陽(こんな事話したら気持ち悪いって思われるよね…好きな相手が同性なんだもん…)

13: 2017/02/14(火) 23:33:33.42 ID:GkGVjJa6.net
花陽「…」

絵里「ねえ、花陽。これだけは覚えておいてね」

絵里「私に希がいたように、花陽にも支えになってくれる人は絶対いるわ」

花陽「えっ…?」

絵里「当然、私は花陽の味方よ」

絵里「それに、凛も他のメンバーも味方になってくれるわ」

花陽「絵里ちゃん…」

花陽(絵里ちゃんは優しいし頼りになるけど、こんな事話したらどう思うのかな…)

花陽(味方だって言ってくれるのは嬉しいけど、いくら絵里ちゃんでも、花陽の事を変だって思うに決まってるもん…)

花陽(でも、この気持ちを抱えたままなんて辛いよ…)

14: 2017/02/14(火) 23:34:07.89 ID:GkGVjJa6.net
絵里「私から言える事はそれだけよ」

絵里「本当に困った時は、誰かの手を借りるって選択肢がある事を忘れないでね」

花陽「うん…」

絵里「それじゃあ、私行くから」

花陽「えっ…あっ…」

15: 2017/02/14(火) 23:34:42.42 ID:GkGVjJa6.net
絵里「ふふっ、どうしたの?」

花陽「ううん…何でもない…」

絵里「いいわ、今は側にいてあげるから」

花陽「で…でも…」

絵里「私は何も言わないし、何も聞かないから」

絵里「だから、そんな顔になるまで一人で自分の事を追い詰めないで」

花陽「絵里ちゃん…」

16: 2017/02/14(火) 23:35:38.78 ID:GkGVjJa6.net
花陽「今は…少しだけ…甘えていいかな…?」

絵里「ええ、いいわよ」

花陽「ありがとう、絵里ちゃん」

花陽(絵里ちゃんごめんね…今は一人でいる事に耐えられそうないから…)

17: 2017/02/14(火) 23:36:52.27 ID:GkGVjJa6.net
花陽(海未ちゃんの事、最初はかっこいい先輩だって思ってた)

花陽(ただ、それだけだったのに)

花陽(気が付いたら、自然と目で追うようになって)

花陽(海未ちゃんの事を知っていく度に、気が付いたの)

花陽(花陽は、海未ちゃんの事が好きなんだって)

18: 2017/02/14(火) 23:38:13.67 ID:GkGVjJa6.net
花陽(最初の好きはきっと、憧れだった)

花陽(海未ちゃんみたいに、かっこいい人になりたいって)

花陽(きっとその感情は本当の恋ではなかった…と思う)

花陽(初めてアイドルを見た時の気持ちに似てたから…)

花陽(でも、憧れの感情は直ぐに変わったの)

19: 2017/02/14(火) 23:40:04.30 ID:GkGVjJa6.net
花陽(海未ちゃんが、穂乃果ちゃんやことりちゃんと仲良くしているのを見ると心がもやもやしてきたの…)

花陽(最初はその感情は何か分からなかった)

花陽(時間が経つと、海未ちゃんと仲良くしている二人が羨ましく見えて)

花陽(海未ちゃんの事を何でも知っている二人が羨ましくて)

花陽(穂乃果ちゃんもことりちゃんも優しくて大好きな先輩なのに)

花陽(Printempsとして、三人で歌う事も大好きなのに)

花陽(初めて…嫌いになりそうだった)

花陽(この時初めて気が付いたの…私、二人に嫉妬してるんだって)

花陽(そして…)

花陽(海未ちゃんに恋をしたんだって)

20: 2017/02/14(火) 23:40:52.12 ID:GkGVjJa6.net
花陽(最初はそれでもいいって思ってた)

花陽(女子高だし、そういう話も聞いた事があるから、もしかしたらって希望を持っていたのかもしれない)

花陽(でも、海未ちゃんは、実家の道場の後を継がないといけないって話を聞いた時)

花陽(私じゃ海未ちゃんのそばに一生いられないって)

花陽(私は普通じゃない恋をしてるんだって)

花陽(絶対に叶わない恋をしてるんだって気が付いた)

21: 2017/02/14(火) 23:41:40.10 ID:GkGVjJa6.net
花陽(でも、その気持ちに気が付いた時にはもう手遅れで、海未ちゃんの事を考えない瞬間は無くなっていたの)

花陽(何度も諦めようとしたけど、海未ちゃんの事を好きだって気持ちが大きくなるだけで)

花陽(海未ちゃんの事を考える度に心が締め付けられるように痛くなって)

花陽(今じゃμ’sとして活動するのも辛くなって…)

花陽(もう、耐えられないよ…)

22: 2017/02/14(火) 23:42:50.79 ID:GkGVjJa6.net
花陽「ねえ、絵里ちゃん」

絵里「どうしたの?」

花陽「花陽…辛いよ…」

絵里「花陽…」

絵里「今は何も言わないで良いから思う存分泣いていいわ。少しだけ楽になるから」

花陽「絵里…ちゃん…ごめん…なさい…」

絵里「謝らなくていいわ」

花陽「うん…ありが…とう…」

23: 2017/02/14(火) 23:43:25.55 ID:GkGVjJa6.net
花陽「もう…大丈夫…」

絵里「そう?」

花陽「ごめんなさい…みっともない所見せて…」

絵里「これぐらい気にしないでいいわよ」

花陽「でも…」

絵里「私も希に似たような事したことあるから」クスッ

24: 2017/02/14(火) 23:44:08.41 ID:GkGVjJa6.net
花陽「絵里ちゃんが?」

絵里「ええ、μ’sに入る前にちょっとね」

花陽「そうなんだ…知らなかった…」

絵里「でも、少しは気が楽になったでしょ?」

花陽「うん」

絵里「それじゃあ、一緒に帰りましょうか」

花陽「でも…」

絵里「さっきいったでしょ?私は何も言わないし聞かないって」

絵里「だから、今日は美味しい物でも食べに行って気分転換しましょ?」

25: 2017/02/14(火) 23:45:18.30 ID:GkGVjJa6.net
花陽「ま…待って…」

絵里「あら、この後用事でもあった?」

花陽「そうじゃなくて…話、聞いてもらってもいい?」

絵里「構わないけど…無理してない?」

絵里「私の事なんて気にしなくていいからね」

花陽「ううん…絵里ちゃんに聞いてもらいたいの」

絵里「そう…分かったわ」

花陽(あんな姿見せちゃったのに…絵里ちゃんは何も言わないで花陽の事を見守ってくれて…)

花陽(そんな絵里ちゃんなら、花陽の話を聞いてくれると思うから…)

26: 2017/02/14(火) 23:46:04.12 ID:GkGVjJa6.net
花陽「あのね…こんな事話して変な子だって思うかもしれないけど」

花陽「私…好きな人がいるの」

絵里「そう…それで悩んでたのね…」

花陽「その相手が……あの…」

絵里「花陽、言いにくいなら…」

花陽「ううん…今聞いて欲しい」

花陽「もう一人で悩むのに耐えられないから」

絵里「…分かったわ」

27: 2017/02/14(火) 23:47:09.61 ID:GkGVjJa6.net
花陽「私が好きなのは…海未ちゃんなの…」

絵里「…そう」

花陽「ごめんね…変な事話して…」

絵里「いいえ、変な事じゃないわ」

花陽「でも、私女の子が好きなのに…」

28: 2017/02/14(火) 23:47:39.49 ID:GkGVjJa6.net
絵里「好きなんでしょ。海未の事」

花陽「う…うん…」

絵里「その気持ちに嘘がないならいいのよ。相手が誰でもね」

花陽「絵里ちゃん…」

29: 2017/02/14(火) 23:48:16.73 ID:GkGVjJa6.net
絵里「でも、花陽が海未の事を好きだなんて気が付かなかったわ」ニヤニヤ

花陽「や…やめてよ…///」

絵里「ふふっ、ごめんね。ちょっとからかいたくなっちゃうのよ」

花陽「う…うん…」

花陽(絵里ちゃんに話して良かった…)

花陽(いつも通りの絵里ちゃんでいてくれるから…)

30: 2017/02/14(火) 23:49:01.89 ID:GkGVjJa6.net
絵里「花陽が悩んでる事はなんとなく想像ついたわ」

花陽「うん…」

絵里「花陽は優しいから、きっと色々な事を考えてると思うの」

絵里「自分の事以上に、海未の事とか、μ’sの事とか」

花陽「…」

31: 2017/02/14(火) 23:50:01.67 ID:GkGVjJa6.net
絵里「花陽、一番大切なのは、自分の気持ちだと思うわ」

花陽「自分の気持ち…?」

絵里「さっき言ってたでしょ?女の子が好きな自分はおかしいって」

花陽「だって…その通りだし…」

花陽「海未ちゃんに告白して…気持ち悪いって思われたら…」

花陽「それに、アイドル一緒に続けるのを断られるかもしれないし…」

絵里「でも、海未の事は好きなんでしょ?」

花陽「うん…」

32: 2017/02/14(火) 23:50:45.73 ID:GkGVjJa6.net
絵里「それなら、とことん自分のエゴを押し通していいんじゃないかしら」

花陽「えっ…?」

絵里「告白した後の事は、私に任せておけばいいわ。最悪の状況にはさせないから」

絵里「だから、ね?」

花陽「…でも」

33: 2017/02/14(火) 23:51:20.42 ID:GkGVjJa6.net
絵里「後はこれだけ伝えておくわ」

絵里「海未なら花陽の真剣な想いを受け止めて、その上で答えを出してくれると思うわ」

絵里「その答えが花陽にとって良いか悪いものかは分からないけど」

絵里「それでも、花陽が思う最悪の状況にはならないから」

絵里「もう少し、海未の事信じてあげてもいいんじゃない?」

花陽「海未ちゃんの事を…信じる…」

絵里「ええ」

34: 2017/02/14(火) 23:51:56.09 ID:GkGVjJa6.net
絵里「それと今週の日曜日、バレンタインデーでしょ?」

絵里「いい機会なんだし、告白しちゃえばいいじゃない」

花陽「え…ええっ!?」

絵里「だって、チョコは渡す予定だったんでしょ?」

絵里「いや、作る予定はあるんでしょ?の方が正しいかしら?」

花陽「う…うん…」

35: 2017/02/14(火) 23:52:56.94 ID:GkGVjJa6.net
花陽「でも、日曜日は海未ちゃん、弓道の大会があって…」

絵里「それなら終わった後にでもいいじゃない」

絵里「要はきっかけが大事なのよ」

花陽「きっかけ…」

絵里「そうよ。こういうことは勢いで行った方がいいわ」

36: 2017/02/14(火) 23:53:30.69 ID:GkGVjJa6.net
花陽「いいの…かな」

花陽「私なんかが告白して…」

絵里「大丈夫よ」

絵里「それに、ちゃんと骨は拾ってあげるから」クスッ

花陽「…ありがとう」

37: 2017/02/14(火) 23:54:00.09 ID:GkGVjJa6.net
花陽「やっぱり、自分の気持ちに嘘をつきたくないから」

花陽「だから、海未ちゃんに…してみる…」

絵里「ふふっ、決まりね」

花陽「だから…後の事はお願い…します」

絵里「ええ、任せなさい」

38: 2017/02/14(火) 23:54:31.25 ID:GkGVjJa6.net
絵里「それと、もう一つ大切な事があるわ」

花陽「大切な事…?」

絵里「ええ、これを聞かないと私、協力できないわ」

花陽(な…なんだろう…)

花陽(でも、答えないと…一人じゃ何もできないから…)

絵里「海未の…」

花陽「…」

39: 2017/02/14(火) 23:57:09.92 ID:GkGVjJa6.net
絵里「どこが好きなの?」

花陽「…」

花陽「えっ?」

絵里「だから、海未のどんなところが好きになったの?」

絵里「せっかくなんだもの、それぐらい教えてくれたっていいじゃない」クスクス

花陽「そ…そんなの…恥ずかしいよ…///」

40: 2017/02/14(火) 23:57:47.80 ID:GkGVjJa6.net
絵里「あら、教えてくれないなら、協力するのやめちゃおうかしら」

花陽「ええっ!?」

絵里「ふふっ、冗談よ」

花陽「も…もう…///」

41: 2017/02/14(火) 23:58:15.91 ID:GkGVjJa6.net
絵里「良かったわ、少し明るくなったみたい」

絵里「さっきみたいな暗い表情じゃ、海未も困っちゃうから笑顔を忘れちゃダメよ?」

花陽「うん…ありがとう…」

絵里「ほら、口角あげて」

花陽「こ…これでいいかな?」ニコッ

42: 2017/02/14(火) 23:59:05.32 ID:GkGVjJa6.net
絵里「うーん…ダメね」

花陽「そんなあ…」

絵里「花陽が一番の笑顔を見せてる時って、ご飯食べてる時なんだもの」

花陽「そうかな…?ちょっと恥ずかしいかも…」

絵里「いいじゃない、私は美味しそうにご飯食べてる花陽を見るだけで幸せになるわ」

花陽「あ…ありがとう…」

絵里「それに、沢山泣いたら疲れたでしょ?美味しいもの食べて元気出しましょう?」

花陽「うん!」

43: 2017/02/14(火) 23:59:39.46 ID:GkGVjJa6.net
――喫茶店――

花陽「なんだか、おしゃれなお店だね」

絵里「ええ、前から気になっていたんだけど、一人じゃ入りにくくて」

絵里「ここのお店はケーキが美味しいって評判なのよ」

花陽「そうなんだ、それなら注文しようかな」

44: 2017/02/15(水) 00:00:18.59 ID:jad7jDG7.net
花陽「美味しそう…」

絵里「ええ、そうね」

花陽「それじゃあ、いただきます!」

花陽「…」

絵里「どうかしたの?」

花陽「…」

絵里「花陽…?」

45: 2017/02/15(水) 00:01:04.46 ID:jad7jDG7.net
花陽「…甘い」

絵里「ケーキなんだもの、甘いに決まってるじゃない」クスッ

花陽「そ…そういう意味じゃないの…」

花陽「最近、食べても味があまり分からなくなってて…」

花陽「久しぶりにちゃんと味が分かったなって思ったらつい…」

絵里「全くもう…そんなに悩んでるならすぐに相談してくれればよかったのに」

花陽「う…うん…」

絵里「まあいいわ」

絵里「それで、さっき聞きそびれちゃったんだけど」

花陽「何かな?」

46: 2017/02/15(水) 00:01:48.79 ID:jad7jDG7.net
絵里「海未のどこが好きになったの?」

花陽「!?」

絵里「これぐらい教えてくれてもいいでしょ?」

花陽「う…うん…///」

花陽「誰にも言っちゃダメ…だよ?」

絵里「当然じゃない」

花陽「海未ちゃんの事…全部好き…なの…///」

47: 2017/02/15(水) 00:02:36.51 ID:jad7jDG7.net
絵里「そ…そう…///」

花陽「絵里ちゃん…?」

絵里「聞いたこっちが恥ずかしくなるぐらい普通で最もな答えが返ってきたわ…」

花陽「ご…ごめんね…」

絵里「具体的にはどんなところが好きなのかしら?」

48: 2017/02/15(水) 00:03:41.31 ID:jad7jDG7.net
花陽「それも、答えないとダメ…かな?」

絵里「当たり前でしょ」

花陽「ううっ…///」

絵里「それでどんなところ?」

花陽「優しくて…かっこいいところ…です…///」

絵里「な…なるほどね…///」

49: 2017/02/15(水) 00:04:15.44 ID:jad7jDG7.net
絵里「自分で聞いておいてアレだけど、もうやめにしましょうか」

絵里「話を聞いてるこっちが恥ずかしくてしょうがないわ」

花陽「ひ…酷いよ…絵里ちゃん…」

絵里「だって、身体のあちこちがむず痒いんだもの」

絵里「あーもう余計な事聞くんじゃなかったわ」

50: 2017/02/15(水) 00:04:41.54 ID:jad7jDG7.net
花陽「も…もう…///」

絵里「ごめんね、許して」

花陽「いいけど…」

絵里「でも、今の花陽、可愛いと思うわよ」

花陽「えっ…?」

絵里「海未の事をかっこいいって言ってる時の花陽、かわいかったわ」クスクス

花陽「え…絵里ちゃん…からかわないでよ…///」

51: 2017/02/15(水) 00:05:25.46 ID:jad7jDG7.net
絵里「でも、その調子よ。花陽」

絵里「少しずつ調子を取り戻していって、日曜日は勝負ね」

花陽「勝負…」

絵里「ええ、そのためにはチョコレート作って、自信もって頑張りましょう」

花陽「そう…だね」

花陽「日曜日が勝負だもんね」

絵里「あと数日、花陽が出来る事全部頑張って、臨みましょう」

花陽「うん!」

絵里「いい返事ね。吹っ切れたみたい」

花陽「絵里ちゃんにあんなところ見せちゃったし、もう恥ずかしい事なんて無いから…」

絵里「ふふっ、そうね」

52: 2017/02/15(水) 00:06:17.83 ID:jad7jDG7.net
花陽「それと、最後に絵里ちゃん」

絵里「改まってどうしたの?」

花陽「この先も迷惑かけるけどよろしくお願いします!」

絵里「…」

絵里「ふふっ」

花陽「あ…あれ?なにか変な事言っちゃったかな?」

絵里「だって、これじゃあ私に告白してるみたいじゃない」

花陽「そ…そういうつもりじゃ…」

絵里「分かってるわよ。だから日曜日まで頑張りましょう?私もできる事は何でもするから」

花陽「うん!」

53: 2017/02/15(水) 00:07:31.01 ID:jad7jDG7.net
――日曜日――

花陽「絵里ちゃん、おはよう」

絵里「おはよう、花陽。準備は大丈夫?」

花陽「ちゃんとチョコレートを持ってきたし大丈夫!」

絵里「ふふっ、それにしても、良い表情するようになったわね」

花陽「そ…そうかな?」

絵里「最初、相談に乗った時はびっくりしたもの。花陽のあんなひどい表情を見るの初めてだったから」

54: 2017/02/15(水) 00:08:09.73 ID:jad7jDG7.net
絵里「それにしても、今日まで長かったわね」

花陽「絵里ちゃんには色々助けてもらったもん…何から何まで」

絵里「気にしないでいいわよ。それに今日が本番なんだから」

絵里「どんな結果になっても、私は待ってるわ」

絵里「いってらっしゃい、花陽」

花陽「いってきます!絵里ちゃん」

絵里「…」

絵里「本当…上手くいくといいわね」

55: 2017/02/15(水) 00:09:13.12 ID:jad7jDG7.net
――大会後――

花陽「お疲れ様、海未ちゃん!」

海未「花陽、今日はありがとうございました」

海未「花陽が応援してくれたおかげもあって、中々いい成績でした」

花陽「えへへ…そういってもらえるとうれしいな」

海未「それでは帰りましょうか」

花陽「…」

56: 2017/02/15(水) 00:09:43.03 ID:jad7jDG7.net
海未「花陽…?」

花陽「あ…あの!海未ちゃん!」

海未「ど…どうかされましたか?」

花陽「少し寄り道してもいいかな?」

海未「ええ。構いませんよ」

花陽「ありがとう。疲れてるのにごめんね」

花陽(良かった…後はこのチョコを渡して…告白するだけ…)

57: 2017/02/15(水) 00:10:31.37 ID:jad7jDG7.net
花陽(あれ…どんな結果になってもいいって覚悟は決めてきたはずなのに、手が震えが収まらないよ)

花陽(足も踏み出せなくて…どうして?)

花陽(このままじゃ、前と何も変わらないよ…)

海未「花陽?」

花陽(でも、今の私は絵里ちゃんに勇気を貰ったから大丈夫…!)

58: 2017/02/15(水) 00:11:27.89 ID:jad7jDG7.net
花陽「ごめんね、少し考え事をしていて」

海未「そうですか…?」

花陽「それじゃあ、行こうか」

海未「はい」

59: 2017/02/15(水) 00:11:55.64 ID:jad7jDG7.net
花陽「この公園でお話ししたい事があるんだけどいいかな?」

海未「ええ、大丈夫ですよ」

海未「それにしても、こんなところに公園があったなんて気が付きませんでした」

海未「人通りも少なくていいところですね」

花陽「うん、花陽もこの公園好きなんだ」

海未「のんびりするにはいいところかもしれません」

60: 2017/02/15(水) 00:12:34.92 ID:jad7jDG7.net
海未「それで、私に話したい事とは何でしょうか?」

花陽(…やっぱり緊張する)

花陽(私の好きな人が隣にいて…この先どうなるのかも分からない…)

花陽(もしかしたら…最悪の結果になって…アイドルを続けられなくなるのかもしれない)

花陽(海未ちゃんに近づく事すらできなくなるかもしれない)

花陽(でも、それを覚悟の上で伝えたいの…私は海未ちゃんの事が…)

61: 2017/02/15(水) 00:13:14.76 ID:jad7jDG7.net
花陽「海未ちゃん、今日は何の日か知ってる?」

海未「今日は…バレンタインデーですよね」

花陽「うん、だからね。花陽も作ってきたんだ、チョコレート」

海未「わざわざすみません…私は何も用意していなくて」

花陽「ううん、海未ちゃんは大会があったんだし仕方ないよ」

海未「明日、お返しを用意しておきますので」

花陽「ううん…お返しはいいよ」

海未「そうですか…?しかし一方的に頂くというのも…」

花陽「本当に大丈夫だから…」

花陽(だって、このチョコレートを受け取ってもらえるって事は…そういう事…)

62: 2017/02/15(水) 00:16:15.28 ID:jad7jDG7.net
花陽(そっか…後はこれを受け取ってもらえるかどうかだけなんだ…)

花陽(…)

花陽(やっぱり怖い…けど、決めたから)

63: 2017/02/15(水) 00:16:59.43 ID:jad7jDG7.net
花陽「海未ちゃん、私はあなたの事が好きです」

海未「…!」

花陽「花陽とお付き合いしてください!」

海未「…花陽」

64: 2017/02/15(水) 00:17:53.57 ID:jad7jDG7.net
海未「…」

海未「すみません…このチョコレートは…受け取れません」

花陽「うん…」

海未「ごめんなさい…」

花陽「ううん…大丈夫」

65: 2017/02/15(水) 00:18:21.51 ID:jad7jDG7.net
海未「…あの!」

花陽「花陽は大丈夫だから」ニコッ

海未「…っ」

海未「わかり…ました…」

海未「私はこれで…失礼します…」

66: 2017/02/15(水) 00:18:56.82 ID:jad7jDG7.net
花陽「…」

花陽「う…海未ちゃん、一つだけ聞いていい?」

海未「…はい」

花陽「私…これからも海未ちゃんの後輩でいてもいい…?」

海未「当然です…」

花陽「……ありがとう」

海未「それでは…私は…」

花陽「うん…引き留めてごめんなさい…」

67: 2017/02/15(水) 00:19:35.63 ID:jad7jDG7.net
花陽「やっぱりダメだった…」

花陽「こうなるって分かってたのに…」

絵里「お疲れ様…花陽…」

花陽「絵里ちゃん…」

絵里「ごめんね、やっぱり心配で来ちゃったわ…」

68: 2017/02/15(水) 00:20:09.80 ID:jad7jDG7.net
花陽「絵里ちゃん…花陽、海未ちゃんの前で泣かなかったよ」

絵里「ええ、そうね」

花陽「だけど、もう無理だよ…」

絵里「…おいで、花陽」

花陽「………っ……!」

69: 2017/02/15(水) 00:20:54.72 ID:jad7jDG7.net
絵里「花陽…良く頑張ったわ…」

絵里「ごめんね…私も泣けてきちゃって…」

絵里「頼りにならなくて…ごめん…」

花陽「そんな…事な…い」

花陽「花陽が…ここまで来られたのは絵里ちゃんのおかげ…だから…」

花陽「ありがとう…絵里ちゃん…」

70: 2017/02/15(水) 00:22:02.58 ID:jad7jDG7.net
花陽「絵里ちゃん、まだ泣いてるの…?」

絵里「ごめんね…一番つらいのは花陽なのに…」

絵里「花陽の気持ちを全部教えてもらったから…その事を考えると…」

花陽「花陽は…もう大丈夫」

絵里「そう…本当に偉いわ…」

71: 2017/02/15(水) 00:22:38.54 ID:jad7jDG7.net
花陽「今はね、もう決めたから」

絵里「…?」

花陽「海未ちゃんが後輩でいて良いって言ったから」

花陽「私は、海未ちゃんが今日の事を後悔するぐらいの魅力的なアイドルになるって!」

絵里「花陽…」グスッ

花陽「な…なんでまた泣くの!?」

72: 2017/02/15(水) 00:23:13.54 ID:jad7jDG7.net
絵里「だって…花陽が悪いのよ…」

絵里「私が好きな人に振られたら花陽みたいに健気な事なんか言えないもの…」

絵里「だから…私は花陽の代わりに泣くの…」

絵里「今、泣かない花陽の為に…」

花陽「ありがとう…絵里ちゃん」

花陽「絵里ちゃんに相談して良かった…」

73: 2017/02/15(水) 00:23:51.73 ID:jad7jDG7.net
花陽「ねえ、絵里ちゃん。このチョコ一緒に食べてくれないかな?」

絵里「うん…」

絵里「…美味しい」

花陽「…」

絵里「花陽はどう…?」

花陽「おかしいよ…甘く作ったつもりだったのに…」

花陽「とっても…苦い…」



おわり

74: 2017/02/15(水) 00:32:20.13 ID:0Zftxv3C.net

花陽はこういう恋してそう

75: 2017/02/15(水) 00:33:01.41 ID:+Rk+XAp3.net
孤独なHeaven…

77: 2017/02/15(水) 00:35:20.40 ID:reyQJw8N.net
花陽ちゃんはやっぱり強い子だね
絵里ちゃんめっちゃいい先輩

78: 2017/02/15(水) 00:43:37.03 ID:13SPKuik.net
乙。かなしいなあ

79: 2017/02/15(水) 00:44:41.68 ID:3lYC/uU3.net
こういうのもたまにはいいけど
辛い

80: 2017/02/15(水) 00:57:51.54 ID:/HKV4XVs.net
かしこいかしこいエリーチカもまた良い

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1487082343/

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