【SS】花丸「善子ちゃんは、それ以来学校に来なくなったずら」【ラブライブ！サンシャイン!!】

花丸「善子ちゃん、今日もノートを届けに来たずら」

花丸「部屋を開けるずら」

花丸「寝てるのかな」

花丸「マルが来たんだから起きるずら」

花丸「……」

花丸「反応がないずら」

花丸「善子ちゃん。本当は聞こえてるの知ってるずら」

花丸「さっき窓からマルのこと覗いてたでしょ」

花丸「昨日もその前も、マルが善子ちゃんの家に入るところ窓から見てたよね」

花丸「おばさんも心配してるずら」

花丸「しばらく部屋から出てないって聞いたずら」

花丸「ご飯ちゃんと食べてるずら？」

花丸「せっかく同じ高校で再会できたんだから、善子ちゃんともっとお話したいずら」

花丸「学校も楽しいよ」

花丸「友達のグループはだいぶ出来上がっちゃってるけど、マルがいるから大丈夫ずら」

花丸「ルビィちゃんもいるずら」

花丸「あと、先輩も」

花丸「善子ちゃん、スクールアイドルって知ってるよね」

花丸「浦の星には今年からスクールアイドルができたんだよ」

花丸「マルとルビィちゃんもそれに誘われて、毎日ダンスの練習してるずら」

花丸「善子ちゃんも出てきて一緒にやるといいずら」

花丸「善子ちゃんはかわいいからきっとアイドルに向いてるずら」

花丸「先輩にはオラから話しておくから、遠慮はいらないずら」

花丸「……」

花丸「まだ出てきてくれないかな」

花丸「善子ちゃん、そのままだと運動不足になっちゃうよ」

花丸「太っちゃったらアイドルは大変ずら」

花丸「健康にも悪いし」

花丸「勉強もオラのノートだけじゃ、ついていくのは無理ずら」

花丸「自分で授業を聞かないと身につかないずら」

花丸「マルとルビィちゃんと3人で勉強会するのもいいずら」

花丸「得意科目を教え合うの」

花丸「マルは国語が得意だから、教えてあげるね」

花丸「だから、安心するずら」

花丸「善子ちゃん」

花丸「……」

花丸「自己紹介の事なら、誰も気にしてないずら」

花丸「逆に善子ちゃんと話してみたいって子もいたずら」

花丸「面白そうな人だねって」

花丸「その子ともたぶん友達になれるずら」

花丸「学校は怖くないずら」

花丸「善子ちゃん、部屋にこもって何をしてるずら？」

花丸「マルも一日中こもって本を読むことがあるけど、やっぱり外に出るのも楽しいずら」

花丸「窓から同じ外の景色見てるだけじゃ、つまらないずら」

花丸「頑張って勇気を出してみるずら」

花丸「今日はそろそろ帰るずら」

花丸「スクールアイドルの件、考えておいて欲しいずら」

花丸「とりあえず学校に出てくるずら」

花丸「オラがついてるからね」

花丸「きっと楽しいずら」

花丸「じゃあ、またね、善子ちゃん」

津島家前


花丸「むぅ」ﾁﾗｯ

花丸「やっぱり二階の窓から覗いてるずら」

花丸「いつ見てもあそこに立ってるずら」

花丸「いつ見ても」

花丸「手を振っても返してくれないずら」

花丸「同じ表情でずっとあそこにいるずら」

花丸「善子ちゃんは、それ以来学校に来なくなったずら」

終

えっ

怖いのやめてって言ってるじゃない！