【SS】歩夢「時々」せつ菜「両想い」【ラブライブ！虹ヶ咲】

ぽむせつ
　

歩夢「せつ菜ちゃんさ」


せつ菜「なんでしょうか？」


歩夢「菜々ちゃんさ」


せつ菜「何故言い直したのですか」


歩夢「私のこと、好き？」


せつ菜「...」


歩夢「私のこと、好き？」


せつ菜「嫌いですが」


歩夢「ふーん」
　

せつ菜「歩夢さんは」


歩夢「せつ菜ちゃんのこと？」


せつ菜「はい」


歩夢「大っ嫌い」


せつ菜「...え」


歩夢「間違えた」


せつ菜「え？」


歩夢「嫌い、普通に嫌いかな」


せつ菜「泣きそうですが」


歩夢「両想いだね」


せつ菜「なんてマイナスな両想い...」


歩夢「あはは」


せつ菜「いや、面白くないですが」
　

歩夢「ふとした時にさ」


せつ菜「？」


歩夢「あっ、せつ菜ちゃんのこういうとこ可愛いな、って思うところがあって」


せつ菜「え、なんですかそれ...」


歩夢「せつ菜ちゃんはある？」


せつ菜「...歩夢さんの、可愛いなって思うところですか？」


歩夢「うん、ふとした時のね」


せつ菜「ふとした時...」


歩夢「私が可愛いのは当然のことだから、ふとした時限定で」


せつ菜「どこまで本気か分からないです...」
　

歩夢「あるの？ないの？」


せつ菜「そうですねぇ...」


歩夢「...」ｼﾞｰｯ


せつ菜「...」


歩夢「...」ｼﾞｰｯ


せつ菜「ちょ、歩夢さん、顔が少し怖いです」


歩夢「気にしないで、元からだから」


せつ菜「いやいや、そんなことないです、普通に睨まれてます、なうで」


歩夢「もぉ、焦らさないで早く言ってよぉ」
　

せつ菜「そんなすぐ思いつかないですよ」


歩夢「無いんだ...」


せつ菜「...」


歩夢「私の、ふとした時に感じる可愛さ、ないんだ...せつ菜ちゃん」


せつ菜「...」


歩夢「ねぇ、そのめんどくさそうな物を見る顔やめて？」


せつ菜「すみません、元からです」


歩夢「いやいや、そんなことないでしょ」


せつ菜「でしたら、先に歩夢さんから言ってくださいよ」


歩夢「わたし？うーん...」


せつ菜「歩夢さんこそ無いんじゃないですか？」


歩夢「ありすぎて困ってるの、選ぶのに」


せつ菜「怖いのでこれ以上の言及は控えますね」
　

歩夢「せつ菜ちゃんのふとした時に感じる可愛さはね」


せつ菜「はい」


歩夢「...」


せつ菜「...」


歩夢「...」


せつ菜「な、なんだか緊張しますね」


歩夢「二ヘラ、って、たまに笑うところかな」


せつ菜「...え？」


歩夢「たまにだよ、二ヘラって笑うところ」


せつ菜「な、...なんですかそれ」
　

歩夢「せつ菜ちゃんってさ、普段はうおおおおおおおおって感じでしょ？」


せつ菜「え？」


歩夢「せつ菜ちゃんってさ、普段はうおおおおおおおおって感じでしょ？」


せつ菜「...まぁ、はい」


歩夢「でね、笑顔が素敵で、にこー！！ってしてて、キリってしてて」


せつ菜「...なんだか、照れますね」


歩夢「そんなせつ菜ちゃんがね、たまーにだけと、ふにゃーってなって、二ヘラって笑う時があるんだよねぇ」


せつ菜「そ、そうなんですか...」


歩夢「そうなんです」ﾆｺﾆｺ


せつ菜「...」
　

歩夢「顔、引きつってるよ？」


せつ菜「引いてるのかも知れません」


歩夢「私に？」


せつ菜「はい」


歩夢「そっか」ﾆｺﾆｺ


せつ菜「なんで笑顔なんですか」


歩夢「素直に言ってくれるなぁって思って」


せつ菜「...」


歩夢「心が近づけた感じ」


せつ菜「引いてますけどね」


歩夢「遠のいた？」


せつ菜「どうでしょう」
　

歩夢「はい、次せつ菜ちゃんの番ね」


せつ菜「はぁ...」


歩夢「...」


せつ菜「この前、生徒会室に迎えに来てくれた時、ありましたよね」


歩夢「そうだったかなぁ」


せつ菜「私が仕事を終えたことを伝えた時の歩夢さんの顔」


歩夢「？」


せつ菜「飼い主が仕事を終えて、散歩に連れてってくれることがわかった瞬間の、子犬のような雰囲気というんでしょうか...」


歩夢「え、そんな顔してた？私...」
　

せつ菜「はい、...まぁ簡単に言うと、嬉しそうな表情でした」


歩夢「どんな顔だろ...」ﾑﾆﾑﾆ


せつ菜「歩夢さんが私にニコニコしてる時って、大抵なにか企んでる時じゃないですか」


歩夢「酷い勘違い」


せつ菜「でもあの時だけは、素直な嬉しさが伝わってきて」


歩夢「それで嬉しくなったの？」


せつ菜「...はい」


歩夢「両想いだね」


せつ菜「その時限定ですけどね」ｸｽｯ


歩夢「それでも十分だよ、私は」


せつ菜「...、そうですか」


歩夢「あっ」
　

せつ菜「？」


歩夢「ううん、なんでもない」


せつ菜「え、なんですか...気になります」


歩夢「...うん...えーと」


せつ菜「？」


歩夢「今、悲しい顔、させちゃったなって」


せつ菜「...」


歩夢「ごめんなさい」


せつ菜「歩夢さんは、よく見てますね...私のこと」


歩夢「自意識過剰じゃない？」


せつ菜「そうかもしれません」
　

歩夢「...」


せつ菜「あっ」


歩夢「？」


せつ菜「歩夢さんも...悲しい顔、してます」


歩夢「せつ菜ちゃんのせいかな」


せつ菜「なら、おあいこですね」


歩夢「両想い？」


せつ菜「かもしれません」


歩夢「...」


せつ菜「...」
　

歩夢「帰ろっか」


せつ菜「そうですね」


歩夢「生徒会のお仕事は、終わったの？」


せつ菜「はい」


歩夢「そっか」


せつ菜「...」


歩夢「出来てるかな、ふとした時のお顔」


せつ菜「ふふっ、できてないですね」


歩夢「だよね」ｱﾊﾊ


せつ菜「可愛いからいいんじゃないですか？」


歩夢「もぉ、おばか」
　

せつ菜「あっ」


歩夢「？」


せつ菜「ふとした時、というか」


歩夢「うん」


せつ菜「赤くなってるあなたが、私は好きですよ...今とか」


歩夢「...」


せつ菜「...」


歩夢「...夕日のせいじゃないかな」


せつ菜「そうでしたか」


歩夢「せつ菜ちゃん、嫌い」


せつ菜「両想い、ですね」ﾆｺｯ


おわり
　

甘々でよかった
　

よかった
また書いて