【SS】絵里(20)「ぷはぁ~っ!やっぱり夏はビールよねぇ~」 海未(19)「ただいま……って、絵里!?またそんなに飲んで…!」

えりうみ SS


【目次】
1
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3

1: 2015/06/16(火) 23:09:03.53 ID:tfuqokEf.net
絵里「あら海未~。おかえぃ~」


海未「あぁ…もう呂律が回らなくなってるではないですか…」


絵里「ビールは最高よ~。海未も一杯どう?」


海未「要りません!私、炭酸飲めませんし、そもそも未成年ですから飲酒は…!」


絵里「そんな堅いこと言わないの~。どーせ今年誕生日なんだし~」グビッ


海未「誕生日は毎年来るものですよ。しかも私が20歳になるのは今年ではなく今年度、来年です。まだ半年以上ありますから」


絵里「気にしない気にしない~♪ もう2年生なんだし、周りの子も飲んでるんじゃない?」グビッグビッ


海未「まあ、多少は…。というか、絵里!さっきからだいぶ飲んでるみたいですが大丈夫なんですか?」


絵里「へぇ~い~き~、だ~いじょ~ぶ~よ~♪ …なぁんちゃって☆」エヘヘ


海未「…」

10: 2015/06/16(火) 23:27:47.16 ID:tfuqokEf.net
海未「絵里…いい加減このやり取り飽きたのですが…。今日も相当酔っていますよね?」


絵里「そなことなぁわよ~。さぁて、6本目とっつにゅーっ!」


海未「いけませんっ!まったく、ようやくウイスキーからビールに乗り換えてくれたかと思ったのに、量を増やしては意味がないではありませんか…」


絵里「ちょっとぉ~。エリチカのこと舐めてるのぉ~?ロシアの血よ?ロ・シ・アの~!」


海未「馬鹿なことを言っていないで早く寝てください!明日は1限からでしょう?」


絵里「馬鹿なことって何よぉ~。うわぁん、海未がいじめる~っ!」


海未「な、泣かないでくださいよ!」


海未 (ぅ…こうなると結構面倒なんですよね)

11: 2015/06/16(火) 23:36:17.16 ID:tfuqokEf.net
海未 (ここは寝かせてしまうのが得策というものでしょう)


海未「絵里、とりあえず布団を敷いてきますから。それまで6本目には手をつけてはーー」


絵里「…」


海未「?」


絵里「スキありっ☆」ギュッ


海未「きゃあっ!ななな何するんですかいきなり!///」


絵里「何って…ぎゅーってしてるだけよ~♡」ギュゥウウ


海未「は、離してください…!」


絵里「え~?だめなの?」ウワメヅカイ


海未「…っ///」ドキッ


海未 (な、なんですか、この破壊力…)


海未 (ほんのり上気した頬、潤んだ瞳。抱きついたまま上目遣い…)


海未 (なんだか、さっきまでとは別人のように色っぽくて……)


海未 (……って何を考えているんですか私は!)

12: 2015/06/16(火) 23:37:15.37 ID:tfuqokEf.net
絵里「海未ぃ~どーしたのぉ?顔まっかよぉ~」


海未「な、なんでもないですっ!」


絵里「あら~?もしかして惚れ直しちゃったかしら♡うふふ」


海未「ち、違いますってば!そもそも、ほ、惚れてなんか…!」


絵里「そうなのぉ~?私は海未のこと、ダイスキなのになぁ~♡」


海未「もう!か、からかうのはやめてくださいっ!///」


海未「ほら、明日も早いんですから、早く寝ますよ!」


絵里「むぅ…海未はつぇないわねぇ…」フラフラ


海未「足元がフラついているではないですか…!さあ、肩を貸しますから……」



海未 (絵里は酔っているだけ…深い意味なんて…ない、はずです……)

13: 2015/06/16(火) 23:38:19.17 ID:tfuqokEf.net
………。


海未「ーーふぅ、すぐに寝てくれて助かりました」


絵里「…」ス-ス-


海未「お酒を飲むとああですけど…やっぱり絵里って美人、ですよね…」ハァ



海未「さて、夕食は…これでしょうか」


海未 (同じ大学ということで私と絵里がルームシェアを始めてから、食事は交代で作ることになりました)


海未 (とは言っても、朝食については家を出て行く時間に余裕のある方が、どちらも1限からの場合は早く起きた方が、といった適当さなのですが)


海未 (夕食については、私は弓道部に所属していて、絵里は飲食店でアルバイトをしているので、必然的に家に早く着いたほうが支度をします)


海未 (でも…私が部活のときは絵里はバイト無し、絵里がバイトありのときは私が部活無し、といった日が多いので、2人揃って夕食を食べることができる日はめったにありません…)

15: 2015/06/16(火) 23:39:30.13 ID:tfuqokEf.net
海未「今夜は豚肉の生姜焼きですか…。最近、絵里のレパートリーに和食が増えましたね」


海未「絵里はここのところ毎日のようにお酒を口にしていますけど、夕食に手を抜いたことはないんですよね…」


海未「はぁ、どうしてお酒ばかり飲むようになってしまったのでしょうか」


海未「絵里の飲酒癖はなんとかしなければなりませんね…」



海未「いただきます」


海未「…」パク
   


海未「………美味しいです…」




絵里「…」スヤスヤ

37: 2015/06/19(金) 22:09:25.50 ID:RqYOZ9e2.net
すみません
昨日は映画観たんですが海未ちゃんが可愛くてハラショーすぎてもうテンションがおかしくなって書けませんでした。
僕光と最後の練習着の映像をやけに鮮明に思い出してしまい「あ"ぁあああ」となったのが今日。
短いですがぼちぼち書いていきます。

39: 2015/06/19(金) 22:11:59.66 ID:RqYOZ9e2.net
ーー次の日ーー


海未 (部活がいつもより長引いてしまいました)


海未 (昨日は帰宅した時点で5本も飲んでいましたから心配です…)


ガチャガチャ キィ-


海未「ーー絵里、ただい………あら?」


海未「明かりが、消えて…」


海未「外出中?おつまみでも買いに行ったのでしょうか…」パチッ


海未「…?何でしょう、机の上に白いものが置いてありますね」


ペラ...ッ


海未「置き手紙…ですか。えぇ…と……」





海未「……………っ!?」

40: 2015/06/19(金) 22:13:49.02 ID:RqYOZ9e2.net
*********************

部活、お疲れ様。
突然だけど、ゼミのメンバーと飲みに行く
ことになっちゃった!
日付が変わる前には絶対帰ってくるけど、
先に寝ていても全然大丈夫よ。
簡単で申し訳ないけど、晩ご飯作っておいた
から温めて食べてね。

*********************



海未「そんな…絵里が、飲み会に…?」ワナワナ

 
海未「だ、大丈夫でしょうか…」


海未「そういえば、絵里が家以外の場所に飲みに行くことって初めてですね」


海未「絵里はいつも酒癖が悪いですから心配です…」


海未「ご友人方に迷惑をかけないでしょうか…。なんならそうなる前にお迎えに…」


海未「…いや、私がとやかく言う問題ではありませんね」


海未「お店の名前も場所もわかりませんし、それより……」




海未「だって…私は……」 ?
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

41: 2015/06/19(金) 22:15:51.39 ID:RqYOZ9e2.net
・・・


海未「ーー今日は親子丼ですか」


海未「絵里が初めて作ってくれた和食も、親子丼でしたね…」


海未「作ってくれるのはありがたいのですが、最近絵里は私の分しか作らないんですよね」


海未「お酒と少しのおつまみだけで済ませることが多くて…」


海未「しかもあんなに飲むんですから…絶対身体に悪いです…!」


海未「ああ、やっぱり気にしているのでしょうか。お金のこと…」


海未「働いているのは絵里だけですもんね」


海未「私は…居候同然」


海未「絵里は、部活を全うしてくれればそれでいい、なんて言いますけど」



海未「…はぁ……」



海未「…」

42: 2015/06/19(金) 22:18:38.61 ID:RqYOZ9e2.net
海未 (この家にひとりでいることは慣れているはずなのに…)


海未 (なんだか、虚しい、というか…)


海未 (何か物足りないような、そんな感じがします)



海未 (…いいえ。"何か"なんて、もう……)




海未 (絵里…)



海未 (本当は、私だって…)




海未「ーー私だって、大好きです…」ポツリ

47: 2015/06/19(金) 23:49:57.88 ID:RqYOZ9e2.net
絵里 (思ったより早く終わって良かったわ)


絵里 (あの子、表には出さないけど寂しがり屋なところがあるから…)


絵里 (……まあ、私が言えたことじゃないのかもしれないけれど)


ガチャ キィ-


絵里「ただいま、海未」


絵里 (明かりがついてる。まだ起きてるのかしら…)


絵里「ごめんね、友達からの誘いを断りきれなくてこんな突然ーー」



絵里「…あら?」

48: 2015/06/19(金) 23:51:24.31 ID:RqYOZ9e2.net
海未「…」ス-ス-   


絵里「海未…」


絵里 (食卓に突っ伏しちゃって…起きていようとして途中で寝ちゃったのかしら)


絵里 (やっぱり、二次会まで付き合わないでよかった)


絵里 (それにしても)


絵里「海未って普段はしっかりしててキリッとしてるけど…寝顔はちょっぴり幼くて可愛いのよね♪」クスッ



絵里「ほーら、いくら夏だからって、布団で寝ないと風邪ひくわよ」ポン


海未「…んっ……」ピクッ


海未「…」zzz


絵里「…ふふっ」

49: 2015/06/19(金) 23:55:05.88 ID:RqYOZ9e2.net
絵里「それじゃとりあえず、布団を引いてくるわねーー」


海未「…え、り……」ギュッ


絵里「…!?」


絵里 (そ、袖を…?)


海未「のみすぎ……だめ…です…」パタッ


海未「…」zzz


絵里「海未…」



絵里「……もう」クスッ


絵里「大丈夫よ、今日は酔っぱらってなんかないから」

50: 2015/06/19(金) 23:55:53.03 ID:RqYOZ9e2.net
絵里「ーーさ、布団が敷けたわ」


絵里「…」チラッ


海未「…」スヤスヤ


絵里 (起こすのも可哀想だし…布団まで運んであげましょうか)


絵里「起こしちゃったらごめんね……よいしょ」ダキカカエ


絵里 (海未ってびっくりするほど軽いのよね…。大丈夫かしら)


海未「…」ス-ス-


絵里 (…よかった、まだ起きてないみたい………ん?これは…)

51: 2015/06/20(土) 00:00:28.41 ID:bVcTswwf.net

52: 2015/06/20(土) 00:07:09.32 ID:5gLBPz3i.net
絵里「あなたまさか…泣いてたの?」


絵里 (そう…私の自惚れでないなら、海未はずっと私の帰りを待っててくれたのよね)


絵里「ごめんね、海未。ありがとう」


絵里「…おやすみ」ナデ



絵里 (ほんと、駄目ね。私、今夜は酒には酔っていないけれど…)


絵里 (毎日、お酒以外のものにも酔っているような気がするわ)


絵里 (お酒なんかよりもっと素敵なものに……なんてね)



絵里「ふぁああ~…。でもやっぱりほろ酔いかも。私も寝ようかしら…」


絵里「おやすみ…」

65: 2015/06/23(火) 18:23:14.16 ID:DFRGsZr5.net
ーーそのまた次の日ーー


海未 (絵里は…もうアルバイトのほうに行ったみたいですね)


海未 (そういえば、昨日は中ジョッキ1杯しか飲まなかったみたいですが本当でしょうか…)


海未「…!」ハッ


海未「そうでした。私は昨日、布団を敷いた記憶がありません。もちろん、そこに潜り込んだ記憶も」


海未「しかし私は今朝、布団で寝ていました。隣には絵里も寝ていて…」


海未「ということはつまり、寝ていた私を布団まで運んだのは絵里…」


海未「酔い潰れていたわけでは、なかったんですね」ホッ

66: 2015/06/23(火) 18:27:59.09 ID:DFRGsZr5.net
海未「しかし…今までお酒を口にした日はほぼ確実に悪酔いする絵里が、どうしてまた……」


海未「も、もしかして、ついにお酒を控える決意を!?」


海未「もしそうだとしたら、たいへんな進歩です!」


海未「ふふっ、気分が良くなってきました♪ 夕食は久しぶりにアレに挑戦しましょう!」


海未「ただその前にレポートの課題を終わらせなければ、ですね」


海未「そうと決まればちゃちゃっと終わらせてしまいましょうか」



………………

………


67: 2015/06/23(火) 18:29:08.77 ID:DFRGsZr5.net
………………。



海未「ーーできました!完成です!」


海未「初めて1人で作りましたが、味も……ふむ、悪くないですね」


海未「絵里は喜んでくれるでしょうか…」ワクワク


海未「ふふっ、今から楽しみです♪」キャッキャッ


海未「…」


海未「……」


海未「…………やめましょう。柄でもない」ハァ


海未「それに、逆に虚しくなるだけです…」

68: 2015/06/23(火) 18:30:49.04 ID:DFRGsZr5.net
海未「それにしても…今日は一段と帰りが遅いですね」


海未「アルバイトが長引いただけならいいのですが…」


ピッピッ


海未「ケータイにも連絡は来ていないみたいですね」


海未「ということは、昨日のように急に飲みに行くことになったわけではなさそうですが…」


海未「夜も遅いですし、いつ何が起こるかわかりません…」


海未「も、もし、絵里の身に何かあったら…」ガクガク



プルルルルルルル.....!!



海未「ひゃぁっ!!!」ビクッ

72: 2015/06/23(火) 18:38:24.61 ID:DFRGsZr5.net
海未 (だ、誰でしょうか、こんな時間に…)ビクビク


海未「ーーは、はいっ!こちら、園…じゃなくて絢瀬です……」


海未「…え?あ、そうですか、間違いですか………はい、失礼します…」ガチャ




海未「…はぁ………」ヘナヘナ



海未「…………い、一旦落ち着きましょうか…」

75: 2015/06/23(火) 18:48:28.46 ID:DFRGsZr5.net
海未「とりあえず飲み物でも…」パカッ


海未「…あ」


海未「ーーこれ…確か1ヶ月ほど前から飲まずに冷蔵庫に放置されたままですよね」


海未「…」


海未「何やらジュースみたいですし…もったいないですからいただきましょうか」

77: 2015/06/23(火) 18:52:42.64 ID:DFRGsZr5.net
海未「この香り…梅、でしょうか」


海未「梅ジュースなら、確かに絵里は飲まないかも…」


海未「…いただきます」



海未「…」ゴクッ



海未「……」ゴクゴク



………。

79: 2015/06/23(火) 20:14:57.34 ID:DFRGsZr5.net
タッタッタッタ...

絵里 (いつもより1時間遅くなっちゃった…)


絵里 (無事に用事を済ませることができたのはよかったけれど…)


絵里 (こんなときに限ってバイトが長引くなんて!)ギリッ


ガチャガチャ キィ-


絵里「海未、ただいまっ!」バタン


絵里「…」



しーん…



絵里 (あ、あら?もしかして今日も寝ちやったのかしら…)


絵里 (明かりはついているみたいだし、もしそうならそのほうがまだ嬉しいんだけど…)


絵里 (玄関でのお出迎えが無いのは、ちょっと寂しいわね)

80: 2015/06/23(火) 20:15:47.61 ID:DFRGsZr5.net
絵里「海未ぃー?寝てるのー?」


絵里「…あら?いないーーって海未!?」ビクッ


絵里「ちょ、ちょっと!あなた、なんでこんなところで寝てるのよ!?」


絵里「ほら、起きて。床なんかで寝てたらそれこそ風邪引いちゃうわよ?」ユサユサ


海未「…ん……」パチ


絵里「あ、よかった、起きたわね。さぁ、早くお風呂入っちゃいなさい」


海未「…?えぃ…?」トロン 


絵里「……え?」


絵里 (なにこれ…まさか…)



海未「えへへ…おかえぃなしゃぁい…」フニャリ


絵里「海未ぃいいいいいいいいいいいっ!」

99: 2015/06/27(土) 09:00:30.75 ID:Ew0g6AxS.net
絵里「海未、もしかして…いや、もしかしなくてもお酒飲んだでしょ?」


海未「おさ、け…?」


絵里「そう。ほら、テーブルの上に置きっぱなしになってるの、梅酒よね?」


海未「うめしゅ…。うめりゅーすではないのれすか…?」


絵里「ジュースではないわ。この梅酒、大学の友達に貰ったんだけど、梅だからあまり気が進まなくて冷蔵庫に放置したままになっちゃってたのよ」


絵里 (せめて炭酸入りだったら飲む前に気づけたんだろうけど…)


絵里 (意図的に飲んだわけじゃなかったのは不幸中の幸いね。何杯も飲んだわけじゃなさそうだし……って、ちょっと待って!?)

100: 2015/06/27(土) 09:01:17.17 ID:Ew0g6AxS.net
海未「ふぇ~…そーなんれすかぁ…」クテ-


絵里「……っ!?///」ビクッ


海未「ふふっ…えぃのひざ、きもちいいれす~…♡」スリスリ


絵里「う、海未ぃ~!///」


絵里 (な、なにこの子…!本当に海未なの…!?)


絵里 (ていうか減り具合とか見るからに1杯しか飲んでないわよね?)


絵里 (こんなの弱いなんてレベルじゃ…)

102: 2015/06/27(土) 09:05:31.85 ID:Ew0g6AxS.net
絵里「ねえ海未、そんなに酔ってるんじゃあお風呂に入るのはやっぱり危ないから、早いとこ寝ちゃいましょう?ね?」


海未「いやれすぅ~」ムゥ


絵里「ええっ!?な、なんでよ~!」


絵里 (いじけてる海未も可愛いけど、このままだと私が幸せすぎて死んじゃ…)


海未「…」


絵里「海未…?」


海未「…ずっと…まってたんれすよ…?」ジワッ


絵里「あ…」

103: 2015/06/27(土) 09:06:38.67 ID:Ew0g6AxS.net
海未「ぜったい、ねませんからぁ…」ギュッ


絵里「もう…」クスッ


絵里「ごめんね、寂しかったの?」ヨシヨシ


海未「ん…」コクコク


絵里「ふふっ、仕方がないわね~」


絵里「たまには存分に甘えなさい」ナデナデ


海未「ふにゃあ…えぃだいすきれす~♡」スリスリ


絵里「も、もう…///」



絵里 (海未はいつも自分に厳しいところがあるから…たまにはこうやって、人に甘えることも大事よね)


絵里 (まあ…なんだかんだ言って、私が海未に甘えられたいだけなのかもしれないけど♡)

104: 2015/06/27(土) 09:07:42.61 ID:Ew0g6AxS.net
妄想のままに書いてるので
ふわっふわの海未ちゃんと甘えられるのが大好きな絵里ちゃんが
ただイチャイチャしてるだけの内容になりそう…

113: 2015/06/27(土) 14:47:12.39 ID:Ew0g6AxS.net
絵里 (…とは言っても、もう10時半か…)


絵里 (今まで急いでたから忘れてたけど、やっぱり…)


ぐぅううう……


絵里「ぅ…///」


海未「えぃ…?」


絵里「あはは…私、お腹ぺこぺこだったの、すっかり忘れてたわ」テヘ


海未「おぉーっ!そぇなら、ごはんにしましょう~!」キラキラ


絵里「ええ、ありがとう」

114: 2015/06/27(土) 14:47:50.73 ID:Ew0g6AxS.net
絵里「それにしてもどうしたの?そんなに目を輝かせて」クスクス


海未「へへへ…」


海未「きょーは、とーってもおいしくできたんれすよぉ~♪」


絵里「ほんと?それは楽しみね」フフッ


海未「そぇじゃあ…ゆーしょくのよーいをしてきますね~」フラフラ


絵里「だ、大丈夫…?そんな状態で立ち上がって…!」


海未「ん…なんらか、ふらふら、しまーー」


フラッ  


絵里「危なーーーーッ」

116: 2015/06/27(土) 14:53:37.31 ID:MVUFBDMd.net
ポスッ


海未「あぅ…///」


絵里「もう…相当酔ってるんだから、無理に立ち上がったりしたら危ないわ」


絵里「どんどん甘えちゃっていいんだから。ね?」


海未「ふぁい……」


絵里「夕食の用意は私がやるわ。さ、座って待っーー」


海未「じゃあ~、たくさんあまえちゃいます~♡」ギュゥウウ


絵里「ひゃっ! あ、甘えてもいいって、今のはそっちの意味じゃ…!///」アワアワ

123: 2015/06/29(月) 22:35:14.24 ID:ELRIc76b.net
てす

124: 2015/06/29(月) 22:35:51.08 ID:ELRIc76b.net
………………。
 

カポッ


絵里「ーーあ、これ…」


絵里「ボルシチじゃない!とっても美味しそう…♪」


海未「いままれでいちばんうまくぇきたんれすよ~」エヘヘ


絵里「ふふ、本当ね。見た目と香りでわかるもの」



絵里「…あら?空のお皿が2枚用意してあるけど…もしかして海未、まだ夕飯食べてないの?」


海未「はい…。いちばんにえぃにたぇてもらいたくて♡」フニャリ


絵里「な…っ///」カァアアア


絵里 (あーもう!この海未はなんで平気でこんなことを…!)


絵里「お、お腹空いたでしょう?早く準備するわね…///」

125: 2015/06/29(月) 22:37:57.57 ID:ELRIc76b.net



絵里「ーー準備もできたし、早速いただこうかしら」


海未「そぇじゃあ、わらしがあ~ん、してあげます~♡」


絵里「えっ!?い、いいわよ、自分で食べれるから…///」


海未「いいらないれすかぁ~、へるもんらないれすし~」


絵里「で、でも…!///」


海未「…」


海未「…」ジワッ


絵里「…ひえっ!?」


海未「えぃは…わらしにあーんさぇるのいやなんれすか…?」ウルウル 


絵里「そ、そんな、違…っ!」アセアセ


海未「…ちがう……?」ピタッ




絵里「………あ」

126: 2015/06/29(月) 22:39:36.85 ID:ELRIc76b.net
海未「ちがうってことは…えぃもまんざられもなかったんれすね~!」パァアア


絵里「う、うぅ…」


絵里 (この子…酔うと途端にあざとくなるのね…)


絵里 (ま、まあ…海未が自分からこんなこと言ってくるなんて滅多にないし…)チラ


絵里 (あーん、はちょっと恥ずかしいけど…今回くらいは、乗ってあげても…)



海未「はぁい、あ~ん、してくらさい♡」

127: 2015/06/29(月) 22:48:46.46 ID:ELRIc76b.net
絵里「あ、あーん…///」


絵里 (もう、こうなったら何も考えないわ…!)


海未「はい、めしあがってくらさい♡」スッ


絵里「……んっ///」パク



絵里「…」モグモグ


絵里「…」


絵里「あ……」




絵里「…お、美味しい…!」パァアアア

128: 2015/06/29(月) 22:55:06.54 ID:ELRIc76b.net
海未「ほんとーですかぁ~!あぃがとーございますっ♪」ニコニコ


絵里 (よくおばあさまに作ってもらったのとも違って…)


絵里 (かと言って私が教えながら2人で作るのとも少し違う)


絵里 (私の味をベースにしているけれど、これは正真正銘、海未の味になってる)


絵里 (しかも…これ、とても、私好みの味だわ)





絵里「…ねえ海未、ちょっと、隣に行ってもいいかしら」

130: 2015/06/29(月) 22:56:39.73 ID:ELRIc76b.net
海未「ふぇ…?なんれすかぁ…?」


絵里「…」


絵里「ふふっ…」ナデナデ


海未「ふえぇ…っ!?///」


絵里「ボルシチが美味しくて、なんだか海未を撫でてあげたくなっちゃった♪」ナデナデ


海未「ひゃうぅ…///」


絵里「ほら、海未も。あ~ん♡」


海未「ふぁい…あーん…」パクッ


絵里「どう?自分で作ったボルシチは」


海未「えへへ…おいひいれす~」トロン


絵里「でしょう?私ももっと食べたいなぁ~♪」ニコニコ


海未「そぇじゃあもーいちど、あ~ん♡」


絵里「ふふっ、海未も、あ~ん♡」



………

……





絵里 (なんか、吹っ切れたら楽しくなってきちゃった…♪)


絵里 (たまにはこういう海未も、いいかも♡)クスッ

143: 2015/07/01(水) 20:06:55.09 ID:rdTaxE8n.net
絵里「ーーふぅ、美味しかったぁ~。ごちそうさま」


海未「ごちそーさまれしたぁ~…」


絵里 (結局、食べさせ合いだけで完食してしまったわ…/// )



海未「なんだか…たぇたらねむくなってきましたね~」フワフワ


絵里「そ、そうね…」


絵里 (私はむしろ眠気が吹き飛んじゃったけど…)


絵里 (でも、もう11時半過ぎてたのね…。海未なんかいつもこんな遅くまで起きてないし、眠くもなるわよね)



絵里 (それにしても…)

144: 2015/07/01(水) 20:08:36.20 ID:rdTaxE8n.net
海未「…」ボ-ッ


海未「はぅ…」トロ-ン


海未「…」コクン


海未「ん…」プルプル


海未「…」コクン


海未「……」コクン コクン


海未「すぅ……」クテ-





絵里 (はぁ…はらしょー…♡ 癒されるわ…)

145: 2015/07/01(水) 20:09:34.85 ID:rdTaxE8n.net
絵里 (このままずっと見ていたい気もするけど、海未も疲れてるだろうし、早いとこ寝かせてあげなきゃね…)


絵里「ーー海未、もう寝ましょう?お風呂は明日の朝入ればいいわ」ポンポン


海未「……ん…」パチパチ


海未「まだぁ…まだ…ねたくないれすぅ…」


海未「えぃと…いっしょに…おきて……」トロン


絵里 (ふふっ、可愛い♡まだいっしょにいたいのは私もだけど…。あ、いいこと考えちゃった♪)


絵里「あのね、海未。私も眠くなっちゃたから、もう寝ようと思うの」


絵里「だからね…?」


絵里「…いっしょに寝るのよ。私の布団で、ね」

147: 2015/07/01(水) 20:19:11.16 ID:rdTaxE8n.net
海未「いっしょの…ふとん…」


絵里「そうよ。それなら朝までいっしょにいられるわ」


海未「そぇじゃあ…あさのおふろもいっしょ…れすよ?」フニャリ


絵里「ふふ、了解」


絵里 (もう…どこまでが本心なんだか) クスッ



絵里「さあ、私はお皿洗ったり布団敷いたりしてるから、その間に歯を磨いてくるといいわ」


海未「ふぁああい……」ガタッ


海未「…」ヨロヨロ



絵里 (………………………あ)



絵里 (完っ全に忘れてた…っ!)



フラッ



絵里「海未ごめんっ!やっぱ座っててぇえええええっっ!!」ガバッ

148: 2015/07/01(水) 20:21:53.76 ID:rdTaxE8n.net
絵里「はぁ~っ…」


絵里 (なんだかんだで色々あったけど、なんとかようやく寝る準備ができたわね)


海未「えへへ…えぃのおふとん、きもちいいれすぅ…」スリスリ


絵里「も、もう…呑気なんだから…」ハァ


絵里 (着替えの手伝いにどれだけ苦労したと…/// )

149: 2015/07/01(水) 20:28:10.38 ID:rdTaxE8n.net
海未「このまま…あさまで……ふぁあああ~…」トロン


絵里「ええ、朝までいっしょよ。明日は土曜日なんだから、ゆっくり休んで」


海未「…えりぃ……」


絵里「なぁに?」


海未「わらしたち…こぇからも…ずっと……」


絵里「ええ」


海未「ずっと…いっしょ……す…よ………」


海未「…」ス-ス-


絵里「…ええ、もちろんよ」



絵里「おやすみ、海未」ナデナデ

159: 2015/07/01(水) 22:22:07.51 ID:rdTaxE8n.net
海未「すぅ…すぅ…」


絵里「…完全に熟睡ね」フフッ



絵里「ーーさてと、私もそろそろ…」


絵里「…」


海未「…」スヤスヤ


絵里「ぅ…」



絵里 (ど、どうしよう…)

160: 2015/07/01(水) 22:22:54.64 ID:rdTaxE8n.net
絵里 (まだ、今日はアレをやってないわ…)ソワソワ


絵里 (今…やっちゃう?)


絵里 (いや…!ね、寝込みを襲うなんて、そんなこと…!)


絵里 (で、でも…これは日課だし…やらないと落ち着かないわ…)


絵里「あぁもう…っ」ウズウズ




海未「…え……り………」


絵里「…っ!?」ビクッッ


海未「…だいすき………れす……」フニャリ


海未「…………すぅ…すぅ……」zzz




絵里「…」

161: 2015/07/01(水) 22:24:18.72 ID:rdTaxE8n.net
絵里 (もうこれ…襲っちゃっていいのよね?)


絵里 (そうよ、今のはどう考えたって海未が悪いもの)


絵里 (私はちゃんと一回は踏みとどまったんだから、神様だって許してくださるはずよ…)


絵里「…」ゴクリ




絵里 (海未、もう襲っちゃっていいわよね!?いいですよ!じゃあ遠慮なく襲うわ!!)ガバッ

162: 2015/07/01(水) 22:26:22.07 ID:rdTaxE8n.net
絵里「海未ぃ~っ!」ギュゥウウ


絵里 (はぁあ~…。これぞ毎日の癒し…)


絵里 (海未から抱きついてくるのももちろんいいけど…)


絵里 (やっぱり、自分から好きなだけぎゅーってするのが至高よね~♡)


絵里 (これで明日も頑張れるわ…)


絵里 (……って、もう日付変わってるか)


絵里 (ま、海未成分は補給できたし、もうそろそろ……)


絵里「…」


絵里 (うぅ~ん…あと、もうちょっとだけ…♡)ギュッ



海未「…えへへ……え…り……」


絵里「ふふっ。私も大好きよ、海未」ニコッ

167: 2015/07/02(木) 07:03:21.91 ID:w/6O8Cv0.net

174: 2015/07/02(木) 21:06:19.66 ID:3GmeSZ7/.net
>>167
二枚目が狂おしいほど好き
よく見たら涙目とかもうね

176: 2015/07/02(木) 22:09:40.13 ID:dE729EB5.net
亜里沙登場でドロドロ展開はよ

187: 2015/07/05(日) 15:12:16.29 ID:EXblwmyF.net
>>176
ありうみえり、いいですね
番外編お願いします

177: 2015/07/03(金) 01:10:38.20 ID:34kykKOC.net

188: 2015/07/05(日) 15:14:26.08 ID:EXblwmyF.net
チュンチュン(・8・)



海未「…」


海未「……」


海未「………」


海未「…………こ、これは…一体…どういう状況でしょうか…」ワナワナ



海未 (これ、絵里の布団ですよね…?なぜ私はこんなところで…)


海未 (い、いえ、そんなことより……)



海未 (私…絵里に抱きつかれてます…!?/// )

189: 2015/07/05(日) 15:15:47.27 ID:EXblwmyF.net
海未 (ま、まったく…また昨日もお酒を飲んだのでしょうか…)


海未 (でも…私自身もそんな記憶はないですし…)


海未 (第一、私が玄関まで絵里を迎えに行った記憶すら…)


海未 (頭でも打ったのでしょうか…。そういえば起きたときからずっと頭痛が…)ズキズキ


海未「あーもう!何が何だかわかりませんけどとりあえず起きてください~!」モゾモゾ



絵里「…」スヤスヤ



海未「うぅ…」

190: 2015/07/05(日) 15:17:13.73 ID:EXblwmyF.net
海未 (起きてはくれませんか…)


海未 (ーーはぁ…、しかしまあ…)



絵里「……すぅ…、すぅ…」



海未 (こんなに気持ち良さそうな寝顔を見たら…さすがにもう起きろなんて、言えませんよね…)


海未 (絵里が起きるまではこのまま、ですか)


海未 (……起きる、まで…)チラ



海未「…」

191: 2015/07/05(日) 15:21:52.98 ID:EXblwmyF.net
海未 (やっぱり…絵里の寝顔、綺麗ですよね…)ドキドキ



海未「絵里…///」スリ



絵里「ん…」



海未「…!?」ビクッ 



絵里「…う…み……」ボソッ



海未「~~っ///」




海未 (ぅ……吐息が…くすぐったいです…っ/// )

192: 2015/07/05(日) 15:27:01.26 ID:EXblwmyF.net
海未「もう…ずるいですよ…。絵里ばっかり…」


海未「私だって…」


海未 (私だって、たまにはこういうこと…/// )ポスッ


海未「…ふふっ、絵里のにおい……♡」ギュ


海未 (なんだか、こうしていると…とっても落ち着きます…)スリスリ


海未 (いいですよね…?絵里が起きるまで、ですから……)




「ーーへぇ~…?」




海未「っ!!??」ビクビクッッ



絵里「海未ったら…もしかして発情期?」クスクス



海未「な、な……っ///」

197: 2015/07/05(日) 16:15:01.72 ID:EXblwmyF.net
海未「え、え、絵里!?さ、さっきまで、寝て…」


絵里「ええ、寝てたわよ。それなのに突然海未が頬を寄せてくるんだもの…。それで目が覚めちゃった」


海未「あ、あのとき既に…!?そんな…起きてくださいって言っても起きなかったのに…!」


絵里「あら?そうなの?それじゃあ珍しいことをされたからかしら」


絵里「あんなに弛みきった顔で甘えてくるなんて…普段はぜーったいしないものねぇ~」ニヤニヤ


海未「あ、あ、あの、あれは、その、ほ、ほんの、出来心といいますか…!その、あの…わ、忘れてください…っ///」ウルウル


絵里「ふふっ、忘れるわけないじゃない。海未が甘えん坊なのは、昨日の夜だってそうだったわけだし」


海未「…!」

198: 2015/07/05(日) 16:16:25.36 ID:EXblwmyF.net
海未「さ、昨夜…何があったのです!?なぜ私は、絵里の布団で………ゔぅ…っ」ズキッ


絵里「ちょっ、海未!?大丈夫!?頭痛いの?」サスサス


海未「は、はい、少しだけ…。大したことはないのですが…」


絵里「……あの量で二日酔いかぁ…。やっぱり弱いのね」サスサス


海未「二日酔い…どういう、ことですか…」


絵里「覚えてないの?海未、私が帰ってくる前に梅酒飲んじゃったのよ」

199: 2015/07/05(日) 16:18:15.63 ID:EXblwmyF.net
海未「そ、そんな…!私、お酒なんて…!」


海未 (私は昨日、レポートを完成させて、ごはんを作って、そのあと間違い電話がかかってきて、それから…)


海未「お酒、なんて…」



『何やらジュースみたいですし…もったいないですからいただきましょうか』


『梅ジュースなら、確かに絵里は飲まないかも…』



海未「……………………いや…まさか…」ヒヤリ



『ほら、テーブルの上に置きっぱなしになってるの、梅酒よね?』


『ジュースではないわ。この梅酒、大学の友達に貰ったんだけど、梅だからあまり気が進まなくて冷蔵庫に放置したままになっちゃってたのよ』



海未「……あ、あれは…梅酒……だったのですか…?」ガクガク

200: 2015/07/05(日) 16:19:27.93 ID:EXblwmyF.net
絵里「ええ…。残念だけど、ね」


海未「そ、そうでした…。あのとき、あの飲み物を飲んでから、身体が熱くなって…」


海未「それで……」



『ふふっ…えぃのひざ、きもちいいれす~…♡』


『はぁい、あ~ん、してくらさい♡』


『えへへ…えぃのおふとん、きもちいいれすぅ…』




海未「……………あ……あぁ………//////」カァアアア

201: 2015/07/05(日) 16:21:35.68 ID:EXblwmyF.net
海未「わ、私…絵里に、あ、あんな……///」プルプル


絵里 (この様子だと、全部思い出したみたいね)


絵里「もう…そんなに恥ずかしがらなくてもいいのよ。甘えんぼさんの海未、とっても可愛かったし…」ポンポン


海未「………………ていです…」


絵里「…え?」


海未「私は…最低、です……っ」ポロポロ


絵里「え、ええ!?なんでそうなるのよ~!」

202: 2015/07/05(日) 16:23:12.86 ID:EXblwmyF.net
海未「だってぇ…だって私…未成年にもかかわらず飲酒をした上に、絵里にあんな痴態を晒してしまいました…」


海未「園田海未一生の不覚…もう生きていけません…っ」グスッ


絵里「ちょ、ちょっと…話が重いわよ!」アセアセ


海未「というかいつまで抱きついているんですか!離してください!あなたを〇して私も死にます~っ!!」ジタバタ


絵里「ふぇえっ!?そんなこと言われたら余計に離せないわよ!落ち着きなさい~っ!」



絵里 (まったく…こんなときでも海未の反応が可愛い、って思っちゃうなんてね…。やっぱり重症だわ)ハァ

203: 2015/07/05(日) 16:25:46.36 ID:EXblwmyF.net
海未「これが落ち着けますか!ではせめて記憶の抹消を……!」ジタバタ


絵里 (もう…仕方ないわね…)クスッ


絵里「……海未。もうちょっとだけ、顔を寄せてくれる?」スッ


海未「な、なんでですか!そもそも私があなたを起こそうとしたのは……」


絵里「…」




チュッ




海未「………えっ…」ピタ





海未「………………………ふぇえっ…!?/////////」

231: 2015/07/08(水) 23:12:39.78 ID:dIkxrqke.net
海未「あ、あわわ……///」パクパク


絵里「ふぅ、ようやくおとなしくなったわね」


海未「ここここんなの、は、破廉恥です……っ///」


絵里「頬っぺたにキスなんて、ロシアでは軽い挨拶みたいなものよ」


海未「で、ですがぁ…」ウルウル



絵里「…ねえ、海未」


海未「ひゃ、ひゃいっ!」

232: 2015/07/08(水) 23:13:21.29 ID:dIkxrqke.net
絵里「『ひゃいっ!』だって、可愛い♡」


海未「か、かわ…っ!?か、からかわないでくださいっ!///」


絵里「ふふっ、そうね。本題に入るわ」


絵里「今からの質問に、正直に答えてね。気をつかうとかは、しなくていいから」


海未「…?」


絵里「海未は今、私に軽くキスされただけで顔を真っ赤にして涙目になっていたわけだけど…」



絵里「私からのキスは…嫌だった?」



海未「……え…?」

233: 2015/07/08(水) 23:13:52.95 ID:dIkxrqke.net
海未「え、いや、どうして、そんな、いきなり…」


絵里「どうして、って…海未が不快に思ったなら謝ろうと思っただけよ?」


絵里「さあ、答えて」


海未「ぅ…」


海未「あ、あの、キ、キスは…その…恥ずかしかった…です、けど…」


海未「その、なんていうか…い、嫌では…なかった、です…///」カァアア



絵里「…そう。よかった」ニコッ 

234: 2015/07/08(水) 23:15:09.10 ID:dIkxrqke.net
絵里「あのね、私も、同じよ」


海未「同じ?」


絵里「ええ。ちょっと意味合いが違うかもしれないけど…、私も、海未が私に甘えてくれるのが、嫌どころか、とっても嬉しいの」


海未「……なぜ…ですか?」


絵里「う~ん、そうね…。もちろん、私が癒されるっていうのもあるけど…」


絵里「やっぱり一番は、甘えることが海未の本音だと思うから、かしら」


海未「…!」

235: 2015/07/08(水) 23:15:45.14 ID:dIkxrqke.net
絵里「海未…寂しかったのよね?」


海未「えっ、いや、その…っ……………は、はい…///」


絵里「…ごめんなさい、今までずっと寂しい思いをさせていたのよね…」ナデナデ


海未「っ…そんな…絵里のせいじゃ、ないです…。絵里はアルバイトを一生懸命やっているのですから…」


海未「むしろ私のほうがわがままなだけで…」


絵里「そう?そんなこと言ったら…私はもっともっとわがままかも」


海未「え…?」

236: 2015/07/08(水) 23:17:26.78 ID:dIkxrqke.net
絵里「私も…海未がいないときは、いつでも寂しくなるわ」


海未「絵里…」


絵里「私ね、実は、お酒の味自体が好きなわけではないのよ」


絵里「最初は寂しさをちょっぴり和らげてくれる、あの酔いの感覚が好きだった」


絵里「でも、ついつい飲む量が多くなっちゃって、結局べろんべろんになっちゃうでしょう?」


絵里「それでも、そうなると海未がつきっきりで相手してくれる。私は徐々に、海未が側にいてくれる、あの時間が好きになっていったわ」


絵里「もっと…ふたりでゆっくり話したりできる時間をつくるべきだったのに…」


絵里「ほんと、勝手よね。自分の気持ちばっかり考えて、自分ばっかり海未に甘えてたの」


海未「そ、そんなこと…!」


絵里「そんなことあるのっ!」


海未「え、えぇ…!?」

237: 2015/07/08(水) 23:18:08.76 ID:dIkxrqke.net
絵里「そういうことだから、ちょっと起き上がってくれる?」


海未「そういうことだから、って…繋がってない気がしますが…」


絵里「いいからいいから。…それじゃ、目を瞑って?」


海未「えっ、こ、こうで…いいんですか?」ギュ


絵里「そうそう。そのままじっとしててね…」


海未「…っ」ドキドキ


海未 (な、なんか、絵里が近づいてくる気配が…)


海未 (うぅ…髪が当たってくすぐったい…。こ、これ以上近づかれたら…っ!)


海未 (…って何を想像してるんですか私はぁああああ////// )



絵里「ーーはい、目を開けていいわよ」



海未「………………………へ?」ポカ-ン

238: 2015/07/08(水) 23:18:49.89 ID:dIkxrqke.net
絵里「なに、拍子抜けしたような顔をしてるのよ」


海未「あっ、い、いえ、その、お、思ったより早く終わったので、びっくりしただけで…っ!」アワアワ


絵里「ふふっ、あれくらいのキスなら何度でもやってあげるわよ♪ おはよう、行ってらっしゃい、おかえり、おやすみ……1日に4回はできるかしら」


海未「な、な…っ///」カァアア


絵里「もう、いちいち照れないのっ。それより…はい、鏡。見てごらんなさい♪」


海未「鏡…?わ、わかりました…」ソロソロ



海未「あ……」

239: 2015/07/08(水) 23:20:01.82 ID:dIkxrqke.net
海未「絵里…!こ、これは…」


海未 (青い花の髪飾り…。とても綺麗、です…)


絵里「気に入ってくれた?昨日バイトのお給料が入ったから、海未に似合うんじゃないかって前から気になってたパーツを買ってきて作ってみたの」


絵里「うん、やっぱり似合ってるわね~。エリチカの見立てに間違いはなかったわ!」


海未「そんな、どうして、急に…」


絵里「いつも寂しい思いをさせてしまっているお詫びと、毎日一緒にいてくれるお礼よ」


絵里「まあ…アクセサリーショップに寄ったせいで帰るのが遅くなっちゃって、逆に寂しい思いをさせてしまったかもしれないけどね」


海未「絵里…」



海未「あなたは…………ばかですか」ポツリ

240: 2015/07/08(水) 23:22:11.69 ID:dIkxrqke.net
絵里「え、ば……っ!?」


海未「ばかですよ!絵里のばか、ばかばかばか…っ!」


絵里「ちょっと、海未どうしたの!?」


海未「だって…だって…っ」


海未「おかしいです…。私のために徹夜だなんて…そんなの…!」


絵里「あ…」


絵里「バレちゃった…か」アハハ


海未「昨日の夜パーツを買ってきて、今完成しているというのですから、いくらなんでもわかります…!」


海未「いつも言っているではないですか…。身体を大切にしてください、って…」


絵里「海未…」

241: 2015/07/08(水) 23:24:30.77 ID:dIkxrqke.net
海未「それから…」


海未「確かに絵里がいないときは…寂しい…ですけど!でも、その分…」


海未「私は、絵里と一緒にいる時間なら、どんな時間だって好きなんです…っ!」


絵里「…!」


海未「だから…だから、お詫びなんて、言わないでください…」


絵里「海未…っ」ウルッ


海未「…」ハァ


海未「………ごめんなさい、バカは私でした…。いちばん言いたかったこと、まだ言えてませんでしたね」



海未「髪飾り、ありがとうございます。私の…一生の宝物です」ニコッ



絵里「…っ///」

242: 2015/07/08(水) 23:28:50.73 ID:dIkxrqke.net
絵里「あぁ~もう~っ!」ダキッ


海未「きゃっ!」


絵里「海未のばか!ばかばかばかっ!」


海未「い、いきなり抱きついてきたと思ったら『ばか』ってどういうことですか~!」


絵里「どういうこともこういうこともないわよ…!海未が大好きで大好きで大好きだってことっ!」


海未「え、絵里…!?///」


海未「あ、あ、あんまり耳元で大声を出さないでください…っ!そ、その…頭に…響きます、から…///」

243: 2015/07/08(水) 23:30:04.00 ID:dIkxrqke.net
絵里「もう…海未ったら、また顔赤くなってる」クスクス


海未「し、仕方ないじゃないですか…!慣れないものは慣れないんですっ!///」


絵里「ふふっ、慣れるまで何回でも言ってあげるわよ♪」


海未「そ、そんなぁ…!」


絵里「……まあ、それは置いといて。二日酔いで頭痛なのは事実でしょう?今日は寝てるといいわ」


海未「え、でも…今日も実家でお稽古をつけていただく約束で…」


絵里「体調が悪くては稽古にも身が入らないでしょう?…もしかしたらお酒飲んだことバレちゃうかもしれないし、ね」


海未「うっ…それは…」


絵里「午前中だけでも休んだほうがいいわ。お母様には、連絡を入れておけばいいし」


海未「……わかりました。…ただし、提案があります」


絵里「提案?」

245: 2015/07/08(水) 23:39:38.64 ID:dIkxrqke.net
海未「ええ。…絵里も、一緒に寝ませんか?」


絵里「わ、私も!?確かに今日のバイトは午後からだけど…」


海未「だから言ったんです。絵里も、徹夜でお疲れでしょうし…どうですか?」


絵里「…まったく。あなたにはかなわないわ」


絵里「二度寝、しましょうか」フフッ


海未「ありがとうございます♪ では、お母様に連絡を入れてきますね」



海未 (ーーうぅ…ひとりになった途端に痛みが…)ズキズキ


海未 (午前中はお休みで正解、ですね…)

247: 2015/07/09(木) 00:05:22.52 ID:LfCnU0DE.net
………………。



絵里「ーーそれじゃあ、12時になっても起きなかったら起こしてね」


海未「そんなに遅くていいんですか?」


絵里「あ、そっか!海未と一緒にお風呂入るんだものね!それなら…」


海未「え、ええっ!?ちょっと、なんでそんな話になっているのですか!?」


絵里「……やっぱりそれは本心じゃなかったかしら」


海未「よ、よくわからないですけど…本当に12時でいいんですか?」


絵里「う~ん…そうね…やっぱ11時……ふぁああ~…」


海未「ふふっ、わかりました。…おやすみなさい」


絵里「ん…おやふみぃ…」

248: 2015/07/09(木) 00:07:31.80 ID:LfCnU0DE.net
絵里「…」ス-ス-



海未「こんなに早く寝てしまって…よほど疲れていたのでしょうね…」ナデ


海未「素敵なプレゼント、本当にありがとうございました」


海未「でも…ちょっとキザなこと言いますけど……あなたといる毎日が、それ自体が、私にとってはかけがえのない宝物なんですよ?」


海未「……ねえ、絵里」



海未「これからもずっと…一緒にいましょうね」

273: 2015/07/10(金) 23:29:11.47 ID:TRg0HtpN.net
海未 (あれから、絵里の飲酒量は格段に減りました)


海未 (絵里は自分からは何も言いませんけど、前よりもっと2人の時間を大切にしようとしてくれているのが伝わってきます)


海未 (とは言っても、暑い日にはやっぱりビールが飲みたくなるみたいで…そんなときは私が簡単なおつまみをこしらえたり)


海未 (絵里は相変わらず酔うと面倒ですが、その相手をするのも相変わらず楽しくて…)



海未 (そんなこんなで時は過ぎーー)


海未 (地獄の中間試験を乗り越えた私たちにも、ついに夏休みがやってきました!)

274: 2015/07/10(金) 23:30:11.46 ID:TRg0HtpN.net
ガチャ


絵里「たっだいまーっ♪」


海未「絵里!おかえりなさい!」パタパタ


海未「暑い中、買い出しありがとうございます」


絵里「ううん、海未も部活お疲れ様♪」ニコニコ


海未「あの…絵里、何かあったんですか?随分と機嫌がいいようなーー」


絵里「海未ーっ!」ダキッ


海未「きゃあっ!」ヨロッ


絵里「聞いて聞いて聞いてーっ!!」


海未「もう、何かあるとすぐ抱きついてくるんですから…!何があったんですか?」


絵里「ふふふ…聞いて驚きなさい♪」



絵里「やったわ!温泉よ!お、ん、せ、ん、りょ、こ、う!」

275: 2015/07/10(金) 23:31:19.90 ID:TRg0HtpN.net
海未「え……?お、温泉、旅行…?」


絵里「そう!いつものスーパーで福引やっててね、当たっちゃったのよ!」


絵里「1等の、温泉旅行ペアチケット!」


海未「ほ…ほんとですか!?」パァアア


絵里「本当よ!つねっても……うぅ…ほら、痛いし!」


海未「絵里~っ!」ギュッ


海未「やりました!やりましたね!」


絵里「ええ!早速今週にでも行きましょう!」


海未「嬉しいです!久しぶりの遠出ですね!」キャッキャッ


絵里「そうね!今から楽しみ♪」キャツキャッ

289: 2015/07/14(火) 21:46:16.61 ID:tvfMX5RN.net
>>281
そうなんですか!
うちの大学では期末試験ではなく中間試験というんですよ。大学でそれぞれですね。

290: 2015/07/14(火) 21:48:38.42 ID:tvfMX5RN.net
ガタンゴトン…ガタンゴトン…



海未「わぁ………」キラキラ


海未「絵里!絵里!海がとっても綺麗ですね…!」


絵里「本当ね。宿からもこの海が見えるらしいわよ」


海未「そうなんですか!?こんなに美しい海が見えるお部屋…素敵です…!」


絵里「ふふっ、海未ったらさっきからはしゃぎすぎよ♪ そんなに楽しみだったの?」


海未「当たり前じゃないですか!絵里との久しぶりの旅行ですよ!?こんなの、浮かれずにいられませんっ!」


絵里「なんだか、今日の海未は子どもみたいね。可愛い♡」ポンポン

291: 2015/07/14(火) 21:51:59.26 ID:tvfMX5RN.net
海未「うぅ…もしかして馬鹿にしてます?」ムゥ


絵里「ううん、そんなことないわよ」


絵里「だって…私だって、今日が楽しみすぎて夜も眠れなかったんだから!」


海未「え…。でも絵里、ここのところ毎朝ぐっすり……」


絵里「ね、寝つきはいつもより遅かったんだから…っ!そこは察してよ!」


海未「な、なんですかそれ…絵里のほうがよっぽど子どもみたいじゃないですか。クリスマスの夜の小学生みたいです」クスクス


絵里「そ、そんなことないわよ!今の海未には流石に負けるわ!」


海未「む…そういうところが子どもっぽいと言っているのです!やはり絵里のほうが断然…!」


絵里「いいや、海未のほうが…!」


海未「いいえ、絵里です!」

292: 2015/07/14(火) 21:55:28.40 ID:tvfMX5RN.net
絵里「海未にはわからないと思うけど、海未の寝顔って本当に幼いのよ?」


絵里「しかも寝つきが良くって途中で起こされると不機嫌になるとか…完全に子どもじゃない。そんなところも可愛いけど!」


海未「それなら絵里は、これは知らないでしょう?絵里って酔うと駄々っ子になるんですよ?」


海未「そのくせまだ寝たくないとか言いつつすぐ寝ちゃうんです。そんなところも可愛らしいんですけど!」



絵里「海未の可愛いところなんてまだまだあるんだから!例えば……!」


海未「私だって絵里の可愛いところはたくさん知ってます!この前だって……!」




絵里「海未のほうが可愛いのっ!」


海未「そんなことありません!絵里のほうが…!」

293: 2015/07/14(火) 21:56:15.76 ID:tvfMX5RN.net
うみえり「……」ジ-



海未「…くすっ」


絵里「…うふふっ」



うみえり「「……ふふっ、…あはは、あははははははははっ…!」」



絵里「はぁ~、なんだか、バカみたいね」


海未「ええ…。どうしてこうなったんでしたっけ…」


絵里「ほんとにね…。ーーあ、次の駅で降りるわよ」


海未「電車内なのに、騒ぎすぎましたね…///」


絵里「そ、そうね…///」



絵里「……今年は、海にも行きましょうか」


海未「…はいっ」ニコッ

298: 2015/07/14(火) 22:23:22.02 ID:tvfMX5RN.net
ーー旅館ーー


うみえり「「おぉ~……!」」



海未「ここに…泊まるのですか…?」


絵里「ハラショー…。とても綺麗なお部屋ね…」


海未「み、見てください絵里!本当に部屋から海が見えます!」


絵里「ここはね~、海から昇る朝日が見られるらしいわよ~」


海未「そうなんですか…!?楽しみですね…!」



海未「ーーって絵里…何をしているのです?」

300: 2015/07/14(火) 22:26:31.88 ID:tvfMX5RN.net
絵里「え?何って…全身で畳を感じているのよ~?」ゴロゴロ


海未「な、なんですかそれ…。ただ畳に寝転がっているだけではありませんか…」


絵里「何よ~、わかってるなら聞かなくてもいいじゃない♪」ゴロゴロ


海未「だらしがないですよ、絵里」


絵里「もう~、海未はお堅いんだから~。誰もいないし問題ないわよ」


海未「誰もいないって、そういう問題では…」



海未「はぁ、では私はお茶を淹れますね。お冷もありますが…緑茶と梅昆布茶とお冷、どれがいいですか?」


絵里「私はお冷でいいわよ~」


海未「わかりました。私は梅昆布茶にしますね」

302: 2015/07/14(火) 22:31:11.21 ID:tvfMX5RN.net
海未「…」コトコト


海未「…」チラッ


絵里「はぁ~、畳ってほんとに気持ちいいわね~」クテ-


海未 (むぅ…こんなに気持ちよさそうに寝るなんて…目に毒です…)ウズウズ


海未「あ、あの…絵里、お冷を注ぎましたよ。一緒に飲みませんか?」


絵里「ええ、ありがとー。私はあと少ししたら飲むわね…」ゴロゴロ


海未「…」ムゥ


海未「……では先にいただきますね」


海未「ズズ-……あー、この梅昆布茶、とっても美味しいですー」チラチラッ


絵里「ん~、梅ねぇ…。私はちょっと遠慮したいかなぁ~」ゴロゴロ


海未「ああ…そ、そうでしたね…」


海未「ぅ…」ウズウズ



絵里「………ふふっ♡」

303: 2015/07/14(火) 22:32:48.13 ID:tvfMX5RN.net
絵里「うーみっ♡」ギュッ


海未「ひゃっ!?」ビクッ


海未「い、いきなり後ろから抱きつかないでくださいっ!お茶が溢れるところだったじゃないですか!」


絵里「まあまあ、そんな怒らないの。そんなことより、海未も一緒に全身で畳を感じてみない?」


海未「えっ」ピク


海未「な、な、何を言っているのですか。和室には作法というものがあるのです。私がそのようなはしたない真似をするわけがーー」


絵里「もー、面倒なんだから…」


絵里「ほーら、こうして…」ゴロン


海未「え、ちょっ、絵里ーーっ!?」


ポスッ


海未 (あ…)

305: 2015/07/14(火) 22:34:57.02 ID:tvfMX5RN.net
絵里「ーーどう?気持ちいいでしょう?」ニコニコ


海未「は…はい…///」


海未 (畳の香り…やはり落ち着きます…)


海未「久しぶりです…。この感覚…」


絵里「ふふ、私も畳の部屋なんて久しぶりだから、ちょっとはしゃぎすぎちゃった♪」


絵里「まあ…海未の『久しぶり』とは意味が違うのかもしれないけどね」


海未「そう、ですね…。ーー幼い頃に1度だけ、このように畳に寝転がったことがありました。ですがその時、ちょうど父上に見つかってしまって」


海未「それ以来、ずっとこのような無作法は慎んできたつもりですが…やはり身体は覚えているものですね、この心地よさを。確か、あれも夏の日でした」



海未「…ふふっ、なんだかくすぐったい気持ちです。ちょっぴりイケナイことをしているみたいで♡」

306: 2015/07/14(火) 22:38:09.32 ID:tvfMX5RN.net
絵里「イケナイことって…まさか、そんなわけないじゃない」クスッ


海未「それは…そうなんでしょうけど…」



海未「はぁ~、それにしても、本当に気持ちがいいです…。試験による疲れも癒されますね…」クテ-


絵里「もう、最初っからそうやってくつろげばいいのよ。ここは旅館なんだから」


海未「あの、絵里……ありがとうございます」


絵里「ん?なんのことかしら」フフッ


海未「絵里…」

307: 2015/07/14(火) 22:39:46.04 ID:tvfMX5RN.net
海未 (…絵里。私、わかってますよ。絵里っていつも、こうやって自然に私の手を引いてくれるんですよね)


海未 (私はその手に何度助けられたことか…)



絵里「ーーそういえば海未、どうする?ちょっと早いけど温泉入っちゃう?それとも……」


海未「…」ギュ


絵里「海未…?」


絵里「どうしたの?私の手なんか握っちゃって」フフッ


海未「……いえ…絵里の手って、あたたかいな、って」ニコッ


絵里「……何それ、変なの」クスクス



絵里 (こんなことしている間に、お冷ももうぬるくなってるかもね)


絵里 (…まあ、いっか♪)

327: 2015/07/20(月) 22:21:30.07 ID:sDSI0nNC.net
保守ありがとうございます
この忙しい時期にイベが絵里→海未とは…

328: 2015/07/20(月) 22:22:07.13 ID:sDSI0nNC.net
ーー大浴場ーー


絵里「ここも広いわね…」


海未「そうですね…。今は運良く人も少ないですし、くつろげそうです」


絵里「そうそう、ここ露天風呂あるのよ!あとで一緒に入りましょう、ね♪」


海未「露天風呂ですか…!素敵です!」


絵里「そうでしょう?その前にまずは、海未の髪を洗ってあげるわね」ニコニコ


海未「えっ、そんな…自分で洗えますよ…っ」


絵里「いいからいいから♪ たまには年上らしいことしたいし」


海未「それ…だいぶ方向性を違えている気が…」


絵里「細かいことは気にしないのっ。ささ、座って座って」グイグイ


海未「わっ!わ、わかりましたから押さないでください~!」

329: 2015/07/20(月) 22:23:04.09 ID:sDSI0nNC.net
シャアアアア……


絵里「ーーそれじゃ、シャンプーつけるわね」


絵里 (それにしても、海未の髪って綺麗よね…。羨ましいわ)


海未「は、はい…」ドキドキ


海未 (うぅ…大学生にもなって髪を洗ってもらうなんて…いくら人が少ないとはいえ恥ずかしすぎますよ…///)


絵里「ちゃーんと目を瞑っててねー」


海未「こ、子ども扱いしないでくだ………んぁっ///」


絵里「…どうかしら?痛くはない?」ワシャワシャ


海未「は、はいっ…だいじょうぶ、です…」


海未 (何ですかこれ…痛いどころかむしろ、絶妙な力加減ではないですかぁ…)

330: 2015/07/20(月) 22:25:16.77 ID:sDSI0nNC.net
絵里「よかったぁ。実は私、亜里沙のを洗ってあげることが多かったから、結構自信はあるのよ♪」ワシャワシャ


海未「ふぇ…そーなんれすかぁ…」トロ-ン


絵里「ふふっ、海未ったら声が蕩けてるわよ」


海未 (どうしましょう…絵里の指先が心地よくて…眠気、が…)




絵里「それじゃ、そろそろ流すわねー?」



シャアアアアアアア……



海未「はぅ…」ポ-




絵里「ーーはい、終わったわよ」


海未「え……」

331: 2015/07/20(月) 22:26:35.58 ID:sDSI0nNC.net
海未「もうおわり…れすかぁ…?」ポケ-


絵里「あら?まだやってほしいの?」ニコニコ


海未「ふぁい…もっ、と…」トロン


絵里「りょーかい。じゃあ、次は背中流してあげるわ」クスッ


絵里 (海未もなんだか寝ぼけてるみたいだし…ちょっとくらい、イタズラしてみても…いいわよね♪)


ピト  


海未「ひゃうっ!?」ゾクゾクッ


絵里「…いい声♡」


海未「…!」ハッ



海未「え、絵里…!?な、何して…!?///」

332: 2015/07/20(月) 22:29:46.75 ID:sDSI0nNC.net
絵里「何って…背中を洗ってあげてるのよ」サワサワ


海未「当然みたいな言い方しないでくださいっ!タオルがあるのに、ど、どうして、手で…っ!///」


絵里「でも…気持ちいいでしょう?髪洗っただけで眠くなっちゃうくらいなんだから」サワサワ


海未「そ、そんな、ことぉ……いやっ、くすぐった……っ、ひゃうぅ…///」ビクビク


絵里「困ったわね…。ちょっとだけのつもりだったのに、そんな可愛い声出されるともっとやりたくなっちゃうんだけど…」


絵里「う~ん、前もやっちゃう?」


海未「い、いい加減にしてください~っ!///」ウルウル

333: 2015/07/20(月) 22:30:50.09 ID:sDSI0nNC.net
………。


海未「ーーまったく、悪戯にしては度が過ぎますっ」プンプン


絵里「ご、ごめんなさい…。海未があまりに無防備だったから、つい…」シュン


海未「まあ過ぎたことはいいです。…それより力加減はどうですか?」ワシャワシャ


絵里「ええ、絶妙よ。髪洗うの上手いのね」


海未「ありがとうございます」


海未「それにしても…やっぱり絵里の髪って綺麗ですよね。憧れます」


絵里「えっ、本当に!?私は海未の髪が綺麗で羨ましいなーって思ってたんだけど…」


海未「そ、そうだったんですか?…ふふっ、お互いに同じようなことを考えていたのですね」


絵里「うふふ、そうみたいね」

334: 2015/07/20(月) 22:34:36.06 ID:sDSI0nNC.net
絵里「ーーあら?ということは、海未も私みたいな金髪になりたい、って思うことがあるの?」


海未「は…はい、そう、ですね…」


絵里「へぇ、意外。海未ってどんなものでも和を好むものだと思ってたわ」


海未「ええ…。確かに好みに関しては基本的にそうなのですが…」


海未「え、絵里と髪色が同じなら、その……っ」


絵里「?」



海未「……な、なんでもありませんっ!!///」


絵里「えぇ~!?何よそれ…」

336: 2015/07/20(月) 22:40:41.90 ID:sDSI0nNC.net
絵里「そこまで言っといてオチを言わないのは卑怯よ?」


絵里「ね、どんな妄想をしていたのかしら?」ニコッ


海未「い、いや、そんな、も、妄想なんて…!」アセアセ


絵里「…本当に?」ズイ


海未「ほ、本当ですとも!」


海未「絵里と髪色が同じなら姉妹みたいに見えるかもとか、そんなこと一切考えてなんかないんですからっ!///」



絵里「…へぇ~」ニヤッ



海未「…………あ」ハッ

337: 2015/07/20(月) 22:41:18.43 ID:sDSI0nNC.net
海未「か、考えてないって言ったんですからね?普段から絵里がお姉さんみたいだなんて全くと言っていいほど考えてませんからね!?」


絵里「お姉さん、ね…」ニヤニヤ


海未「え、いや、あの…っ!///」カァアア


絵里「嬉しいなぁ~♪ お、ね、え、ちゃ、ん、って呼んでもいいのよ?」


絵里「ねぇ、うーみちゃん♪」


海未「あー!あー!聞こえません聞こえませーんっ!」ギュ


絵里「もう、本当は聞こえてるくせに」クスッ


海未「だから、聞こえてません」プイ


絵里「ふふっ。海未のそういう抜けてるとこ、かぁわいい♡」


海未「なっ…///」

339: 2015/07/20(月) 22:45:26.74 ID:sDSI0nNC.net
海未「もうっ!絵里はすぐそうやってからかうんですから…!」


絵里「可愛いのは本当のことよ?」


絵里「あ、そういえば、私には亜里沙もいるから3姉妹ね!絢瀬海未…っていうのもなかなか♪」


海未「ぅ…」プルプル


絵里「ね、海未ちゃん。絵里お姉ちゃんの背中、流してくれる?」ニコッ


海未「うぅ…」


海未「え…えりのばかっ!///」


ピト


絵里「ひゃっ!///」ビクッ

340: 2015/07/20(月) 22:46:46.06 ID:sDSI0nNC.net
絵里「ちょ、うみ、何して…!」


海未「背中を流せと言ったのはどこのどちら様でしたか?」サワサワ


絵里「い、言ったけどぉ~!それは、く、くすぐった、から、やめ…っ///」クネクネ


海未「絵里、あまり動くと洗いにくいです!」


海未「というか何を言っているのです…この手法を最初にやってきたのは絵里ではないですか。さぞ心地よいのでしょう?」サワサワ


絵里「いやぁ…ご、ごめんってばぁああああっ!///」



海未 (…ふふっ。絵里のそういう無邪気なところも、可愛いです♡)


海未 (……『絵里お姉ちゃん』…いや、『絵里姉さん』のほうが自然でしょうか…)


海未 (まあ、また気が向いたら呼んであげますよ)ニコッ

385: 2015/07/28(火) 00:15:40.92 ID:q+8cNwrI.net
ーー露天風呂ーー


うみえり「「はぁあ~っ…」」ザバ-


絵里「最高ね…」


海未「ええ…。眺めも絶景です…」


絵里「なんだか生き返るわ~…」


海未「絵里…いつのまに死んでいたのですか…?」


絵里「ん~、それはもう…ねぇ…?」チラ


海未「あ、あれは私だって、さ、触るのは恥ずかしかったんですからね…///」


絵里「何よ…。それならやらなければよかったのに」


海未「それはダメです。やられっぱなしは性に合いませんから」


絵里「…やられてる自覚あったのね」クスッ


海未「むぅ…」

386: 2015/07/28(火) 00:16:27.62 ID:q+8cNwrI.net
絵里「…それにしても、あの日からまさか、こんなに早く一緒にお風呂に入ることになるなんてね」


海未「?どういうことですか…?」


海未「そういえば、以前にもそのようなことを言われた気が…」


絵里「本当に覚えてないの?あの日…海未が梅酒を飲んでべろんべろんに酔っ払っちゃったとき、あなた『お風呂も一緒ですよ』なんて言ったのよ?」


海未「え…」


海未「そんな…破廉恥な…っ///」


絵里「どうして?現に私と入ってるじゃない」


海未「そ、それは、そうなんですが…」


海未「家のお風呂と温泉や銭湯は別です…!あのアパートのお風呂って、狭いじゃないですか、だ、だからその…」


絵里「……密着しちゃう、ってことね」フフッ


海未「~~っ///」

387: 2015/07/28(火) 00:17:40.73 ID:q+8cNwrI.net
海未「あぁ……密な空間の中、一糸纏わぬ状態で肌と肌が触れ合うなど破廉恥極まりない…///」


絵里 (その表現も破廉恥なんだけど…)


絵里「でも、湯船でちょっと密着しちゃうくらい、海未にとってはどうってことないわよ♪ だって素手で他人の背中を洗うことができちゃうんだしーー」


海未「あの、あ、あれはその場の勢いで…!」アセアセ


絵里「ふふ、冗談よ♪」

389: 2015/07/28(火) 00:19:21.44 ID:q+8cNwrI.net
絵里「まあ、私としては毎日一緒に入ってもいいくらいなんだけどね」


海未「そ、そんなの無理ですよ…っ///」


絵里「いいじゃない、私と海未の仲でしょ?」


海未「ふぇっ!?///」


絵里「え?」


海未「べべべべべ別に、わ、私は絵里の、こ、こ、恋人になったつもりなんてーー///」ボソボソ


絵里「…恋人、とは言ってないのだけど…///」


海未「ぁ…///」カァアアア

390: 2015/07/28(火) 00:20:18.71 ID:q+8cNwrI.net
絵里「海未って、破廉恥ですとか言うわりに思考が破廉恥よね~」


海未「ああああもう何も言わないでください…!と、とにかく、たとえ絵里でも自宅で一緒に入浴なんて無理ですからね!」


絵里 (あ…)


絵里「…うふふ」


海未「な、何がおかしいのです…?」


絵里 (『たとえ絵里でも』…って、自惚れてもいいのかしら。…なーんて♪ )


絵里「ううん、なんでもない」ニコッ


海未「…?」

391: 2015/07/28(火) 00:21:53.40 ID:q+8cNwrI.net
絵里「…でもね、海未」


海未「はい?」


絵里「知ってる? 人間、押すなって言われたら押したくなるものよ」


海未「カリギュラ効果…ですか?」


絵里「そう。…『無理』って言われたら、むしろやってみたくなっちゃうものでしょう?」


海未「え、えと…それは…つまり…」


絵里「つまり…こういうことっ♡」ザバッ


海未「きゃっ!///」

392: 2015/07/28(火) 00:23:31.36 ID:q+8cNwrI.net
海未「ななな何するんですか!こ、こんなのダメです…!///」


絵里「甘いのよ、広いお風呂でもくっつくことはできるんだから」ギュ-


海未「ほ、ほんとに、ダメです…死んじゃいます…///」


絵里「大丈夫よ、毎日やってるじゃない。ぎゅーっ♡」ムギュ


海未「で、ですが、これはぁ…」ウルウル


海未 (絵里の…胸が、直接…っ//////)


絵里「ふふっ、海未ったら顔真っ赤よ?」


海未「だ、誰のせいだと…っ///」キッ


絵里「う~ん、…私のせい?」


海未「もう…」

394: 2015/07/28(火) 00:27:12.57 ID:q+8cNwrI.net



絵里「はぁ~、いいお湯だったわね~」


海未「ええ…。逆に疲れたような気がしないでもないですが…」チラ


絵里「ごめんっ!あとでコーヒー牛乳奢るから、ね?」


海未「…フルーツ牛乳がいいです」


絵里「ふふ、りょーかい♪」


海未「…絵里、まったく反省していませんよね?」


絵里「うーん、まぁね」


海未「まぁね、って…」

395: 2015/07/28(火) 00:32:25.94 ID:q+8cNwrI.net
絵里「だって、いちいち海未の反応が可愛いからいけないのよ?半分は海未のせいだもん」プク-


海未「ま、またそうやって…///」


海未 (まったく…こっちは心臓がいくつあっても足りないような心地だというのに…)


海未「まあ、でも…」


絵里「?」


海未「…」プニッ


絵里「ふぇっ!?///」

397: 2015/07/28(火) 00:34:30.94 ID:q+8cNwrI.net
海未「…絵里の反応だって、可愛いですよ♪」プニプニ


絵里「な、なにひてるのよぉ~!///」


海未 (絵里って、押すのは強いけれど、押されるのにはとことん弱いんですよね)


海未 (整った顔立ちの大人びた美人ですけど、ちょっと崩れると途端に子どもっぽく見えてしまうのですから、不思議です)


海未 (こんな絵里を知っているのは私だけであってほしいと思ってしまうのは、どうしてでしょうか…)


海未 (まあ何はともあれ、今このときの絵里を知っているのは私だけなのですから…主導権を握っていられる間くらい、楽しんでもいいですよね♪)


海未「ふふっ、絵里のほっぺた、柔らかいです…♡」プニプニ


絵里「むぅ…」

398: 2015/07/28(火) 00:36:00.80 ID:q+8cNwrI.net
絵里 (もう…背伸びなんかしちゃって…)


絵里 (…だらしない顔。せっかくの大和撫子が台無しだわ)


絵里 (でも、正直ちょっぴり嬉しい。…こういう海未は、きっと私しか知らないだろうから、ね)


絵里 (両手が塞がれてるわけではないから反撃しようと思えばできるけど…なんか主導権握った気でいるみたいだし、可愛い海未を見ていられるなら、このままでもいいかも♪)



絵里 (…ちょっとそうもいかないみたいだけど)

400: 2015/07/28(火) 00:36:45.72 ID:q+8cNwrI.net
絵里「ーーはい、これでおしまい」プニッ


海未「ひゃっ!?なにひゅるんれすか!」


絵里「…もう混んでくる時間みたいよ」


海未「え…」


ドタドタドタ…


海未「あ、確かに…外が少し騒がしくなってきましたね」


絵里「ね?だからさっさと髪を乾かしちゃいましょ」


海未「ええ、そうしましょうか」



絵里 (自分だけのヒミツってやっぱり、)


海未 (他の人には秘密にしておきたいものですからね♪)

401: 2015/07/28(火) 00:37:33.24 ID:q+8cNwrI.net
海未「では、今度は私が先に絵里の髪を乾かしますよ」ニコッ


絵里「え、べ、別にいいわよ!自分でできるから…///」


海未「私がそう言っても絵里は聞かなかったじゃないですか。そういうのはずるいですよ?」


海未「さあ、早くそこの椅子に座ってくださいっ!」グイグイ


絵里「わ、わかったから押さないで~!」

416: 2015/07/30(木) 00:54:36.49 ID:hEy7NVU0.net

423: 2015/08/01(土) 12:00:08.21 ID:Ok5Kvs0r.net
ーー客室ーー


海未「ーー戻ってきてから改めて見ると、この部屋…」


絵里「とっても落ち着くわよね~。やっぱり畳って最高…」ゴロン


海未「ああっ、絵里!浴衣で寝転んではいけません!着崩れしやすいのですから…」


絵里「だいじょーぶよ、また直せばいいし」ゴロゴロ


海未「そういう問題では…。それに、そろそろお食事が運ばれて来るのではないですか?」


絵里「夕飯になるまでのちょっとの間だけよ?だいたい、温泉に入ってコーヒー牛乳を飲んだ後は畳でくつろぐっていうのが温泉旅行の醍醐味なんだから♪」


海未「まあ、気持ちはわからなくもないですが……って違いますよ!私はこんなことを言おうとしたわけではありません!」

425: 2015/08/01(土) 12:03:54.93 ID:Ok5Kvs0r.net
絵里「え?何か言いかけてたかしら?」


海未「もう…見ればわかるでしょう?短時間しかこの部屋で過ごしていないはずなのに、どうしてこんなに散らかっているのですか?」


絵里「ああ…お風呂の準備のときにいろいろ出してからそのままだったのね。あとで片付けるわ…」


海未「またそんなこと言って、夕食になるまで片付けないのでしょう?中居さんに見られても恥ずかしいので、適当に片付けておきますね」


絵里「よろしく~。優秀な後輩を持って幸せよ」



海未 (はぁ、我ながら絵里に甘いような気がします…)

426: 2015/08/01(土) 12:05:42.23 ID:Ok5Kvs0r.net
海未 (えーと、タオル類はここで…)


海未 (し、下着…!?どうしてこんなものまで…///)


海未 (絵里って高校時代もこんなでしたっけ………あら?これは…)


海未 (……『㊙︎温泉旅行計画ノート』?)


海未 (㊙︎って…なんだか気になります…。す、少しくらいなら…いい、ですよ、ね…?)チラ



絵里「ふはぁ…、しあわせ~…」ゴロゴロ



海未 (ごめんなさい、絵里…!少しだけですから…!)ペラッ



海未 (…!)

427: 2015/08/01(土) 12:09:01.30 ID:Ok5Kvs0r.net
『泊まる部屋からは朝日が見られる!』

『温泉は広い!露天風呂あり♡』

『夕食はAコースのアオリイカのお刺身が絶品!』

『バスで20分のところに水族館がある!その近くのお店の海鮮丼が美味しいらしい!』



海未 (すごい…交通ルートや周辺の地図までびっしりと…)


海未 (知りませんでした…絵里がここまで調べていてくれたなんて…)


海未 (絵里…)



絵里「ねー、うみぃ~」


海未「は、はいっ!?」ビクッ パタッ

428: 2015/08/01(土) 12:10:26.61 ID:Ok5Kvs0r.net
海未「み、見てませんっ!」


絵里「え?」


海未「私、な、何も見てませんからっ!」アセアセ


絵里「何をそんなに慌ててるのよ?おおかた、偶然私の下着を見つけちゃったとかそういう感じだと思うけど…」


海未 (!よ、よかった…見られていなかったみたいです…)ホッ


絵里「それくらい、海未に見られたところで全然気にしないから大丈夫よ?…それより背中のマッサージしてくれない?最近凝っちゃって」


海未「な、なんだ、そういうことでしたか…。ちょっと待っててください、残りを片付けちゃいますから」

429: 2015/08/01(土) 12:13:03.38 ID:Ok5Kvs0r.net
海未「というか、だらしないのはダメですよ?下着まで散らかしておくなんて女性として…」


絵里「私だって、海未とふたりきりじゃなければあんなに散らかさないわよ」


海未「どういう理論ですか、それ…」


絵里「うーん、海未といると安心する…のかしら?なんか気を抜いちゃうっていうか…」


海未「……つまり、お互い様…ですか」


絵里「え?」


海未「いえ、なんでもないです」フフッ

431: 2015/08/01(土) 12:15:10.65 ID:Ok5Kvs0r.net
海未「それより背中が凝っているのでしょう?マッサージしますよ」


絵里「やったー!ありがと♪」


海未「…力加減、このくらいでいいですか?」コリコリ


絵里「ええ…いい感じよ。それにしても、マッサージはやけに素直にやってくれるのね」


海未「し、失礼な…!絵里が最近疲れているみたいだったので、私だって心配だったんですから…!」


絵里「えっ、そんなに顔に出てた…!?」


海未「見ていればわかりますよ、伊達に毎日絵里と過ごしているわけではありませんからね」


絵里「海未…」

432: 2015/08/01(土) 12:18:11.60 ID:Ok5Kvs0r.net
海未「最近は私以上にずっとパソコンに向かっていましたもんね。そうでないときはアルバイト…」


海未「7月は本当にお疲れ様でした、……絵里姉さん♪」


絵里「ええ、ありがと…………って、え!?///」


絵里「い、い、今、なんて!?///」


海未「7月はおつかれさーー」


絵里「違う!そのあと!」


海未「絵里姉さん…ですか?」ニコニコ


絵里「~~っ///」カァアア

433: 2015/08/01(土) 12:19:19.82 ID:Ok5Kvs0r.net
海未「ふふっ、絵里姉さんったら、顔が真っ赤ですよ」


絵里「もう!その呼び方はやめて!///」


海未「ついさっきは、呼んでもいいって言ってたじゃないですか…」ムゥ


絵里「不意打ちはずるいのっ!罰として肩もみも追加ね!」


海未「はいっ、よろこんで♪」


絵里「…いったいどうしたのよ…。さっきだって聞こえないフリまでして恥ずかしがってたのに」


海未「今はこういう気分なんです♪ …あ、やっぱり頑張っていた分、肩も凝ってますね」モミモミ


海未「…いつもありがとうございます、絵里姉さん♡」


絵里「もうやだぁ…///」




中居「ーーお客様、失礼いたします。今からお食事をお運びししてもよろしいですか?」



絵里「あ…」

海未「もうそんな時間…ですか」クスッ



海未 (お風呂のときの仕返しのつもりだったのですが…案外楽しかったです♪)

434: 2015/08/01(土) 12:21:28.67 ID:Ok5Kvs0r.net



絵里「ーーはぁ~っ、お腹いっぱい…」


海未「お食事も絶品でしたね…」


絵里「ね、アオリイカのお刺身、どうだった?」


海未「とっても美味しかったですっ!」


絵里「でしょ!?やっぱりAコース選んで正解ね!」ニコッ


海未「はい、そうですね!」


海未「…それはそうと…今日はビールを飲まなくてもいいのですか?温泉上がりのお酒は最高と聞きますが…」


絵里「ああ、それなら平気よ」


絵里「だって…」

435: 2015/08/01(土) 12:22:45.39 ID:Ok5Kvs0r.net
絵里「せっかくの二人旅だもの☆ 海未と一緒に楽しまなきゃ、でしょ?」ダキッ


海未「え、えり…!///」


絵里「こーんなに可愛い『妹』が近くにいるのに、ひとりで飲むなんてもったいないわ」ギュ-


海未「…///」


絵里「……な、なんか言ってよ…。さっき散々姉さん呼びしておいて、私のはスルーなんてずる………えっ///」


海未「…っ///」ギュッ


絵里「…ほ、本当にどうしたのよ?抱きしめ返してくるなんて、珍しいじゃない」


絵里「ふふっ、もしかして甘えたくなっちゃった?」ナデナデ


海未「い、今は…こういう気分な、だけです…///」


絵里 (あーもう、やっぱり可愛い♡ 本当に妹みたい…)


絵里 (でも亜里沙とはちょっと違う感じ。…なんでかしらね)

509: 2015/08/11(火) 09:32:28.47 ID:HVBrLY9C.net
長らく保守ありがとうございました!
ようやくレポートが終わったので再開します

510: 2015/08/11(火) 09:40:47.60 ID:HVBrLY9C.net
絵里「ーーところで海未」


海未「なんですかぁ…?」


絵里「その…いつまで抱きついてるつもりなの?」


海未「!?///」バッ


海未「す、すみませんっ!その、あまりに居心地がよくて、つい…///」


絵里「私は別にあのままでもよかったんだけどね」フフッ

511: 2015/08/11(火) 09:41:42.05 ID:HVBrLY9C.net
絵里「眠くなっちゃった?今9時だけど、眠いなら膝くらい貸すわよ」


海未「な、なぜ膝枕なのですか!?布団で寝るからいいですっ!」


絵里「1回言ってみたかったのよ。そんな本気で嫌がらなくても…」シュン


海未「えっ、あの、ち、違います!嫌がっているわけではなくて…!」アワアワ


絵里「ならいいじゃない♪ ほら、おいで」ポンポン

海未「な、なんだかハメられた気が…」


海未 (絵里、まさか私が絵里の落ち込んだ表情に弱いことを知ってて…!)


海未「でもダメですっ!膝枕はお断りします」


絵里「えー」

512: 2015/08/11(火) 09:46:03.16 ID:HVBrLY9C.net
絵里「まーた恥ずかしがっちゃって」ムゥ


海未「ダメなものはダメなんです!それに、恥ずかしいっていうのも…もちろん、そうなんですけど…」


絵里「?」


海未「せっかくのふたり旅ですから…私だって、もう少しだけこの時間を楽しみたいというか…」


海未「でも、絵里の膝って気持ちいいので、きっとすぐに眠くなってしまいますから、だから…///」


絵里「海未…」


絵里 (まったく、この子は…)クスッ


ポン


絵里「っふふ、やっぱりあなたには敵わないわ」ワシャワシャ


海未「え、絵里…!?」

513: 2015/08/11(火) 09:48:55.83 ID:HVBrLY9C.net
絵里「それじゃ、今夜はオールしちゃう?」ニコッ


海未「…おーる、ですか?」


絵里「ええ。一晩中起きてる、って意味よ」


海未「えぇ!?そ、そんなに長いこと起きてなくていいですよ…!」


海未「私は、あとちょっとだけ絵里と一緒にいたいと思っただけで…。その…身体にも悪いですし…」


絵里「ふふ、冗談よ。海未がオールなんてできるはずないもの」クスクス


海未「な…っ!?」

514: 2015/08/11(火) 09:52:37.72 ID:HVBrLY9C.net
絵里「さて、眠くなったらいつでも寝れるように、先に布団を敷いておきまーー」


海未「…やりましょう」


絵里「え?」


海未「おーるですよ、おーる!一晩寝なければよいだけでしょう?そのくらいできるに決まっているではありませんか、バカにしないでくださいっ」


絵里「ちょ、ちょっと正気!?」


海未「当然です!やると決めたからにはやってやります!全身全霊をもって!」


絵里「いやいや、試験週間ですら12時過ぎまで起きてたことないのに何言って…!」


絵里 (ちょっとからかっただけで…ちょろすぎるでしょ…)


海未「…」


絵里「…海未?」

515: 2015/08/11(火) 09:54:00.88 ID:HVBrLY9C.net
海未「…今、少し思ったのですが」


海未「このまま朝まで起きていて…日の出の瞬間からふたりで見ることができたらーー」


海未「素敵じゃないですか?」ニコッ


絵里「…っ///」


絵里「そ、それは…そうだろうけど…」


海未「では決まりですね!先に寝てしまったほうは罰ゲームです!」


絵里「えぇ~!?ほ、ほんとにいいの!?」


海未「まあ…夜更かしも鍛錬だと思えば、たまにはいいんじゃないですか?」


絵里「そういうこと言ってるんじゃないのだけど…」

516: 2015/08/11(火) 10:01:34.53 ID:HVBrLY9C.net
絵里 (でも、海未って変なスイッチ入ったら絶対止められないし…)


絵里「…仕方ないわね。その勝負、受けてあげるわ!」


海未「さすがです、絵里!」


絵里「ところで、罰ゲームって何を考えているの?」


海未「え…?あ…そうですね…」


絵里「何も考えていなかったのね…」


海未「ベタですけど、相手の言うことを何でも聞く、とかでいいのでは?」


絵里「…そういうのは随分と適当なのね。でも、まあ…」


絵里「なんだか、楽しそうかも♪」フフッ

518: 2015/08/11(火) 10:19:42.44 ID:HVBrLY9C.net
絵里「ーーさて、布団はこんな感じでいいかしら」


海未「そうですね。でも…念のためとはいえ、私も絵里もここに寝ることがあってはいけませんよ?朝日はふたりで見るんですから」


絵里「わかってるわよ。罰ゲームも受けたくないし、ね」


海未「…」


海未「…あの、絵里」


絵里「なぁに?」


海未「ところで…おーるとは何をしていればよいのですか?」

519: 2015/08/11(火) 10:21:01.41 ID:HVBrLY9C.net
絵里「何をしていれば、って…それは人それぞれじゃないかしら?」


絵里「勉強をしていたら朝になっちゃう人もいれば、朝までゲームばかりする人もいるし」


海未「では私たちは何をして過ごしましょう」


絵里「そうね…トランプくらいなら持ってきたけど」


海未「いいですね、やりましょう!」

520: 2015/08/11(火) 10:21:48.78 ID:HVBrLY9C.net
絵里「自分で持ってきておいてなんだけど、トランプなんて久しぶりだわ」


絵里「ふふ、夜更かしでわくわくするなんて修学旅行以来かも♪」


海未「修学旅行…」


絵里「どうする?2人でもできるゲームっていったら、スピード、ポーカー、ブラックジャック……」


海未「ば、ババ抜きでお願いしますっ!」


絵里「えっ、ババ抜き!?」

522: 2015/08/11(火) 10:40:21.04 ID:HVBrLY9C.net
絵里「それ…2人でやっても面白くないじゃない…」


絵里「他のゲームのルールがわからないなら教えてあげるわよ?ページワンとか簡単だし」


海未「いえ、ババ抜きでなければ意味がないのです!お願いします!」


絵里「そ、そんなにやりたいの…?そこまで言うならいいけど…」


海未「絵里とババ抜きをするのは初めてですね…。今夜こそは負けません!」


絵里 (今夜、こそ…?)

523: 2015/08/11(火) 10:41:14.21 ID:HVBrLY9C.net
絵里「じゃーんけーん、ぽんっ」


海未「あ、私からですね」


絵里 (2人でババ抜きなんてしたって、ジョーカーを引かない限り絶対ペアが揃うってわかってるから、緊張感も何もなーー)


海未「うわぁああああっ!!」


絵里「!?」ビクッ


海未「じょ、ジョーカーを…引いてしまいました…」ワナワナ


絵里「お、驚きすぎよ…。こっちがびっくりしちゃった」


絵里「それにしても、10枚もあったのに一発目からババを引くなんて」クスッ


海未「わ、笑ってないで早く引いてください!ジョーカーが絵里のもとに帰りたがっていますよ!」


絵里「さあ、どうかしらね」クスクス

524: 2015/08/11(火) 10:44:01.82 ID:HVBrLY9C.net


海未「うぅ……」


絵里「結局、ジョーカーさんは海未から離れたくなかったみたいね」


絵里 (本当は海未の顔見ればジョーカーがどれかわかっちゃうだけなんだけど…)


海未「いや、まだ…まだわかりませんよ!ここからが、本当の戦いなんですから…!」


海未「さ、さあ…引いてくださいっ…」ドキドキ


絵里「ふふ、それじゃあ、いくわよー?」

526: 2015/08/11(火) 10:49:12.39 ID:HVBrLY9C.net
絵里「うーん、こっちにしようかな…?」


海未「!」パァアア


絵里「じゃあこっち…?」


海未「ひ…っ」ビクッ


絵里「こっち…」


海未「…!」パァアア  


絵里「やっぱりこっち?」


海未「…っ」プルブル


絵里 (ああ…天使がいる…♡)

527: 2015/08/11(火) 10:50:05.88 ID:HVBrLY9C.net
海未「え、えりぃ…はやくしてください…」ウルウル


絵里 (ずるいわ…ここで上目遣いなんて…)


絵里 (この調子だとババ抜きで勝ったことなんてほとんどないんだろうけど…もっと見ていたくなっちゃうわ)


絵里「それじゃあ………こっち♪」スッ


絵里 (ここは花をもたせてあげましょうか)


海未「おぉ…!」キラキラ


絵里「あーあ、ババだったかぁー(棒)」


海未「わ、私の手元に、普通のカードが…!」キラキラ


絵里「ふふ、喜んでいるようだけど、次は海未の番よ」


海未「!」ハッ


海未「そう、ですよね…ババ抜きってそういうゲームですもんね…」ズ-ン


絵里 (かわいい♡)

529: 2015/08/11(火) 10:55:04.72 ID:HVBrLY9C.net
絵里「でも、どっちを引くか…確率はどちらも2分の1よ。まだ勝負はわからないわ」


海未「そ、そうですよね…!せっかく巡ってきたチャンスなのですから、ここで勝たせてもらいます!」


海未「いきます…!」ドキドキ


海未「…」


絵里「…」



海未「……こっちですっ!」スッ




うみえり「「………………あ…」」

530: 2015/08/11(火) 10:55:59.79 ID:HVBrLY9C.net
海未「………ジョーカーじゃ、ない…?」


絵里「あーあ、負けちゃった」フフッ


海未「そ、そんな…嘘、です…っ」


絵里「嘘じゃないわよ?ほら、ジョーカーは私が持ってるもの」


海未「私の、勝ち…」


絵里「そうよ。私としてはもうちょっと続いてもよかった気がするけーー」


海未「えりぃいいっ!」ダキッ 


絵里「ぅわあっ!」

531: 2015/08/11(火) 10:57:42.53 ID:HVBrLY9C.net
海未「勝ちました!私の勝ちですよ、絵里!」


絵里「うふふ、ババ抜きくらいで大袈裟よ」


海未「わかってますっ…!でも、はじめて…生まれてはじめて勝ったので、嬉しくて…!」ニコニコ


絵里「もう…だからって喜びすぎ」クスッ


海未「喜びすぎなことがあるものですか!記念すべき初勝利ですよ!初勝利!」


海未「なんだか、今なら絵里にばんばん勝てそうな気がしますっ!」


絵里「本当に~?そんなこと言ってると、今度は私が勝っちゃうわよ?」


海未「望むところです!」


絵里「…ふふ、決まりね」


海未「ええ」



絵里「もう一度よ!!」
海未「もう一度です!!」


………………

………


543: 2015/08/15(土) 11:11:11.79 ID:YcmEjz/V.net
絵里「ーーさ、次は海未の番よ」


海未「…」コクン…コクン…


海未「ん…」ゴシゴシ


絵里「…海未、もう眠いんでしょ?無理に起きてようとしなくても…」


海未「いえ…まだ…。やくそくが、ありますから…」


絵里「でも…」


海未「絵里…私の頬を、思いっきり叩いてくれませんか…」


絵里「えぇっ!?そんなことできるわけないじゃない…!」


海未「お願いします…どんなに痛くても、怒りません…から…」コクリ


絵里「…」


絵里「……わかったわ」ハァ

544: 2015/08/15(土) 11:14:30.81 ID:YcmEjz/V.net
絵里「それじゃ、じっとしててね…」


海未「はい…おねがい、します…」


絵里「いくわよ…?」


絵里「………せーのっ」


海未「…っ」







ーーポスッ



海未 (え…?)

545: 2015/08/15(土) 11:17:37.70 ID:YcmEjz/V.net
海未「え…り…?」


海未 (私…絵里の、腕の中に…?)


絵里「ふふ、私が本当に海未のこと叩くと思った?残念、今日はおやすみ♪」ポンポン


海未「う…うそ、つき……で…す…」


海未 (ずるいです…。絵里の温もりに包まれながら、眠くならないはずなんて、ないのに…)




海未「すぅ…すぅ…」zzz



絵里「…1時半、か。ふふっ、頑張ったわね」ナデナデ


絵里「寝顔が可愛いから、写真撮っとこー♪」パシャ

546: 2015/08/15(土) 11:18:39.55 ID:YcmEjz/V.net
ーー翌朝ーー


海未「んん……」モゾモゾ


海未「!」ハッ


海未 (目が覚めてよかったです…。えーと、時間は……)ゴソゴソ


海未 (…4時45分、ですか。日の出ももうそろそろなはず………というか)


海未 (ぅわぁあああああああああああああっ!なんで…なんで寝てしまったのでしょうか…!うぅ…やはり鍛錬が足りませんね…)ガックリ


海未 (いやいやそんなことより!)


海未「絵里~?起きてください、もう日が昇ってしまいますよ」ユサユサ


絵里「ん…あとごふん…」ムニャムニャ

547: 2015/08/15(土) 11:20:33.27 ID:YcmEjz/V.net
海未「そんな…日の出の瞬間から見るって約束じゃないですか、朝まで起きていられなかった私も悪いですけど…」ユサユサ


絵里「やだぁ~…まだねむい…」ギュッ


海未「ひゃっ!きゅ、急に抱きつかないでくださいっ!///」


絵里「うみぃ~えりちかもっとねるぅ~」ギュ-


海未「…っ///」


海未 (うぅ…一瞬でも可愛いと思ってしまった自分が恨めしいです…。いや、本当に可愛いんですけど…)


海未 (仕方がないですね…。ちょっと名残惜しいですが、奥の手を使うことにしましょう)

548: 2015/08/15(土) 11:22:46.93 ID:YcmEjz/V.net
海未「…」


海未「あーっ、あんなところにGODIVAのチョコレートがーー」


絵里「えっ!?」ガバッ


絵里「どこどこ!?チョコレートはどこにあるの…?」キョロキョロ


海未「…おはようございます、絵里」


絵里「海未!GODIVAのチョコは?まさか食べた!?」


海未「そんなもの、最初からありませんよ」クスクス


絵里「ああーもうっ、また騙されたぁ…」


絵里「もういいもん…海未になんか二度とチョコあげないから…」ムゥ


海未「そ、そんなに拗ねないでくださいよ。ーーあ、日が昇り始めたみたいです!」


絵里「えっ、本当!?」バッ

549: 2015/08/15(土) 11:25:16.00 ID:YcmEjz/V.net
絵里「はぁ……綺麗ね……!」


海未「ええ、とても…綺麗です…」


絵里「日の出の瞬間から見れるなんて、すっごく幸せ…。いや、海未と見てるから、かしら」クスッ


海未「なっ…!ま、また絵里はそうやって…///」


絵里「ふふ、今のはからかってるわけじゃないわよ?」


絵里「あ、そういえば、まだ言ってなかったわね」


海未「…?」


絵里「ーーおはよ、海未」チュッ


海未「~~っ!?///」

550: 2015/08/15(土) 11:28:29.92 ID:YcmEjz/V.net
海未「な、何するんですか!///」


絵里「何って…おはようのキス♪」


海未「い、今までそんなことしてなかったじゃないですか…!まさか、まだ寝ぼけているのでは…?」


絵里「寝ぼけてなんかないわよ。…あのね、ちょっとした言い伝えがあるの」


海未「言い伝え?」


絵里「そ。この旅館で日の出を見ながらキスをすると…その2人は永遠に結ばれるんだって」


海未「はぁ、そうなんですかーーって!え、えり、さっき……!」


海未「ま、待ってください、む、結ばれるって、結ばれるって…///」カァアア



絵里「っふふ、嘘よ。…そんな言い伝えないわ」クスクス


海未「……は、はぁ!?」

551: 2015/08/15(土) 11:33:13.19 ID:YcmEjz/V.net
海未「やっぱりからかってるじゃないですか!絵里はいつもそうですっ」


絵里「うふふっ…だって、だって…海未の反応が面白いんだもの。誰だっていじりたくなるわよ」


海未「…」ムゥ


絵里「でも、海未と一緒に朝日を見ることができたのが幸せ、っていうのは、ホントのこと」


海未「…」


海未「そういえば…あのときどうして、わざと私を寝かせるような真似をしたのですか?」


絵里「う~ん、そりゃあ…海未にはしっかり寝てほしかったから」


海未「え?」


絵里「眠くて仕方のない状態で見るより、ある程度目が覚めてから見た方が、朝日も綺麗に映るでしょう?」


海未「確かに、そうですけど…」

552: 2015/08/15(土) 11:34:02.09 ID:YcmEjz/V.net
海未「幸い私が早朝に起きることができたからよかったものの、起きることができなかったら2人して見逃していたじゃないですか…」


絵里「そ、そうだけど!ほ、本当は私だけは起きているつもりだったのよ!海未の寝顔見てたら、いつの間にか寝ちゃってただけで…!」アセアセ


海未「…ふふっ。でも、ありがとうございます」


海未「結果としてこうしてふたりで見れたのですし…気持ちだけで、充分です」ニコッ


絵里「海未…」


絵里「そんなこと言ってもらえると逆に心苦しいのだけど…私があなたをわざと寝かせる方向に仕向けたのには、もうひとつ理由があるの」


海未「?…なんでしょうか?」

553: 2015/08/15(土) 11:42:35.00 ID:YcmEjz/V.net
絵里「海未は…自分で取り付けた約束を破るようなことはしないわよね?」


海未「はい、もちろんです」


絵里「…ふふっ、言ったわね?」


海未「な…なんですか…?」




絵里「………………罰ゲーム」ボソッ


海未「!」ハッ


絵里「何にしようかな~♪」ニヤニヤ

554: 2015/08/15(土) 11:43:34.02 ID:YcmEjz/V.net
海未「ちょ、ちょっと待ってください!それはずるくないですか?」


絵里「ずるくなんかないわよ。海未は『先に寝たほう』としか言ってないし、私だって、別に睡眠薬を盛ったわけでもないしね」


海未「うぅ…」


絵里「あ、海未が先に寝たっていう証拠もあるの!寝顔がほんとに可愛いんだから♪見せてあげてもいいわよ?」


海未「み、見ませんっ!ていうかなんで撮ってるんですか!早急に消してください!」


絵里「嫌よ。…さーて、罰ゲームは何にしようかしら」ニコニコ


海未「…あ、あまり変なのはやめてくださいね…?」ビクビク

556: 2015/08/15(土) 11:45:50.57 ID:YcmEjz/V.net
罰ゲームの内容>>559

今やるものでなくても(後でやるものでも)OK

559: 2015/08/15(土) 11:49:38.22 ID:pIMx7grI.net
ずっと一緒にいて

589: 2015/08/20(木) 15:00:01.91 ID:8Frrroix.net
絵里「何でも…いいのよね」


海未「は、はい、私にできることなら…」


絵里「……それじゃあ…私のワガママを聞いてもらっても…いいかしら」


海未「わがまま…ですか?」


絵里「ええ。…おいで、海未」バッ


海未「えっ…?」


絵里「ほーら、早く。今は私の言いなりにならなきゃ」


海未「は、はいっ…///」オズオズ


絵里「…ねえ、海未」ギュ


海未「な、なんですか…?///」


絵里「…」



絵里「……ずっと、一緒にいて」



海未「えっ…///」

590: 2015/08/20(木) 15:03:57.02 ID:8Frrroix.net
絵里「…これが、私のワガママ」


海未「ま、待ってください、そんなことでいいのですか?」


絵里「…」


絵里「…ふふっ、心配しないで。ちゃーんと、罰ゲームだから」


海未「…?」


絵里「ずっと一緒…つまりね?」


絵里「これからは、寝るときも、お風呂に入るのも、一緒ってことよ♪」


海未「なっ…!?///」

591: 2015/08/20(木) 15:07:25.99 ID:8Frrroix.net
絵里「というわけで、さっそく朝の温泉にーー」


海未「えっ、そ、そんな…!///」


絵里「と、言いたいところだけど…遅寝早起きで眠いから、今からは一緒に寝るだけ。それなら、いいでしょ?」ニコッ


海未「あ、え、えっ…と…」


海未「……は、い…///」


絵里「ふふ、いい子ね」ワシャワシャ


海未「さ、先に布団に入ってますっ!///」ガバッ


絵里「もう…今の時期、布団に潜ったら暑いでしょうに…」


絵里「でもなんだかんだ、私の寝てた布団に入ってくれるのが可愛いわよね」フフッ


トテトテ…


ペラッ


絵里「ーーあら…?」

592: 2015/08/20(木) 15:09:40.13 ID:8Frrroix.net
海未「…」ス-ス-


絵里「くすっ…もう寝てる」


絵里「ていうか、先に寝ちゃったら全然罰ゲームにならないじゃない…」


絵里「ま、いっか。…失礼するわね」ゴソゴソ


海未「…」スヤスヤ



絵里「私たち…いつまで一緒にいられるのかしらね」


絵里「…なーんて、あんな罰ゲーム設定した人が言う台詞ではないか」



絵里 (あーあ…いっそ、これから寝るのもお風呂も一緒って、それだけにしておけば良かった)


絵里 (そういえば前に、海未も『これからもずっと一緒ですよ』って、言ってくれたっけ)


絵里 (だけど、だからこそーー)



絵里 (ーーこれは、最高にして、最低の、罰ゲーム)

593: 2015/08/20(木) 15:12:15.92 ID:8Frrroix.net
絵里 (…自分で言ったことだけど)


絵里 (ずっと、って…いつまでのことなのかしら)


絵里 (私はいつまでこの子と一緒にいられれば満足するの?)



絵里「はぁ…」


絵里 (もう…わからない)



海未「ん…」

海未「……え…り…ぃ」


絵里「…海未?」



海未「えり…ふふっ…」ギュ-


絵里「う、海未、ちょっと苦しい…///」


絵里「…んもう、仕返しっ」ギュ-


海未「えへへ…」フニャリ

594: 2015/08/20(木) 15:13:09.94 ID:8Frrroix.net
絵里「海未は今、どんな夢をみているの?隣にいるのは、私?」


絵里「ふふっ。夢の中でも一緒にいてくれるなんて、ほんと律儀よね」



絵里 (でも、ひとつだけ確かなことは…)


絵里 (ーー今がとっても楽しい、ってこと)


絵里 (なら、今は何も考えなくてもいいわよね)


絵里 (…うん、罰ゲームなんて、無いものと考えてもいいのかも)



絵里「ーー海未。これからも、よろしくね」ニコッ

595: 2015/08/20(木) 15:15:16.37 ID:8Frrroix.net



絵里「ーーはぁ…ついにこの宿ともお別れなのね」


海未「そうですね。なんだかんだ、とても楽しかったです」


絵里「…私がチケット当てたんだからね?」


海未「わかっていますよ、ありがとうございました」ニコッ


絵里「うふふっ」


絵里「さーて、これからどうする?海未は、どこか行きたいところはあるかしら?」


海未「えっと…私は特には…………あ」

596: 2015/08/20(木) 15:16:28.31 ID:8Frrroix.net
絵里「ん?なになに?遠慮せずに言っちゃいなさい♪」


海未「そ、その…水族館…とか」


絵里「水族館っ!?」

絵里「行きたいの?水族館!」キラキラ


海未「え、あ……は、はい、とても行きたいです!」


絵里「じゃあ行きましょうか♪ ふっふっふ、実はね~、ここからバスで20分のところにあるのよ!」


絵里「それからね、その近くに海鮮丼が美味しいお店があるのよ!お昼はそこにしない?」ニコニコ


海未「いいですね、そうしましょう」クスッ


絵里「ふふ、決まりね!バス停は、あっちよ」


海未「…はいっ」ギュ


絵里「ーー海未?」

597: 2015/08/20(木) 15:17:49.18 ID:8Frrroix.net
絵里「ど、どうしたのよ、海未から手を繋いでくるなんて、珍しいじゃない」


海未「…自分で、言ったんじゃないですか」ポツリ


絵里「え?」


海未「………ば、罰ゲームだから、仕方なく、です!///」


絵里「…っ///」


絵里 (あーもう、本当にこの子は…)


絵里「…………ばか」


海未「えと、あの、その…これじゃ、ダメ、でしたか///」


絵里「…ダメね」

598: 2015/08/20(木) 15:18:33.80 ID:8Frrroix.net
絵里「可愛すぎて…私、死んじゃう」


海未「ふぇ///」パッ


絵里「こーら、手を離すのはもっとダメよ。……罰ゲーム、でしょ?」ギュ


海未「……絵里は、ずるいです…///」


絵里「罰ゲームだから、って、海未が最初に言ったのよ?」クスッ


海未「そ、そうですけど……うぅ…」


絵里「ほら、早くしないとバスが来ちゃうわ。行きましょ♪」クイクイ


海未「やっ、ちょっと待ってください、えりぃ///」


絵里「…ふふっ」



絵里 (正直、一本取られたって感じね)


絵里 (でも…罰ゲーム、無いものと考えるのはやっぱりもったいないかも♡)

599: 2015/08/20(木) 15:19:38.81 ID:8Frrroix.net
【温泉旅行編 完】

653: 2015/08/24(月) 07:09:59.84 ID:PFj7KsXE.net
8月××日 猛暑



絵里「…」


絵里「……あづい…」ダラダラ


絵里「ちょっと何これ…暑すぎない?」


絵里「猛暑って?そんなの地球上に要らないんだけど…」


絵里「いくら狭いアパートって言ったって、このご時世なんでエアコンも無いのよ~!」


絵里「あーっ!もう、エリチカ溶けるーっ」バタバタ



海未「………人間はこれしきのことでは溶けません」ハァ


絵里「私は溶けるのーっ!……って、海未!?いつの間に帰ってたの!?」

654: 2015/08/24(月) 07:13:54.21 ID:PFj7KsXE.net
海未「先ほどからずっと声をかけていたのですが…」


絵里「あ、そうなの?ごめんなさい、気づかなくて…。おかえり」


海未「まったく…。暑い!溶ける!よく1人でそんなに騒げますよね…」


海未「それにしても溶けるって…チョコレートの食べ過ぎで身体までチョコレートになってしまったのですか?」ブツブツ


絵里「…海未、どうしたの?なんか、イライラしてる」


海未「……そう、見えますか?」


絵里「ええ…」


海未「そうですか…。だとしたら、それは、絵里のせい…なんです、けど」


絵里「わ、私のせい?」

655: 2015/08/24(月) 07:16:49.34 ID:PFj7KsXE.net
絵里「もしかして…私が海未の帰ってきたのに気づかなかったから…とか…?」


海未「…///」コクン


絵里「……いじけちゃった?」


海未「…っ//////」カァアア


海未「あ、あのっ、やっぱり今の無しーー」


絵里「もーぉっ、海未ったらほんと可愛いんだか、らっ♡」ダキッ


海未「うわぁっ!?そんな、勢い、あぶなーーっ」グラッ


絵里「ごめんね、海未。次からはこうやって、ぎゅーってしてお迎えしてあげるわ♪」


海未「そこまでしなくてもいいですよぉ~!///ていうか暑いと喚いていた人が何やってるんですか!」


絵里「ふふっ、確かに可笑しいかも」


海未「もう…今のは私も悪かったですし、今更言うことでもないと思いますが、いきなりはビックリしますよ…」


海未「コレを落としてしまうかと焦りました…」


絵里「?コレって……」

656: 2015/08/24(月) 07:22:35.75 ID:PFj7KsXE.net
絵里「わぁ…立派なスイカね!」


海未「ええ。門下生の方から2玉いただいたのですが、実家のほうではそんなに食べ切れないと、1玉私たちにくださったのです」


絵里「ふふっ、今度ご挨拶に伺わなきゃね」


海未「両親もきっと喜びます。絵里のこと、たいそう気に入っているようでしたから」


絵里「そうなの?それは嬉しいわ」


海未「…ちょっと、シャワーを浴びてきます。それからこのスイカ、切りますね」


絵里「いいわね~、楽しみ!私もシャワー浴びようっと♪」


海未「!?…え、えと、それって、やっぱり……」


絵里「ええ。もちろん、一緒に、よ♪」


海未「………………ですよね」

657: 2015/08/24(月) 07:29:19.65 ID:PFj7KsXE.net



絵里「ん~、甘くて美味しい~♪」シャクシャク


海未「色も鮮やかですし、みずみずしいですよね」シャクシャク


絵里「ほんと。スイカって、見てるだけで涼しい感じがするわよね~」


海未「そうですね。これぞ日本の納涼です!」


絵里「一度、縁側で食べてみたいわ。ちょっと憧れなの」


海未「では今度、実家に招待しますよ。風鈴の音も相まって、夜などはとても居心地がいいんです」


絵里「へぇ~!ご両親さえよければ、是非お邪魔したいわ!」


海未「いっそ、泊まりに来てはいかがですか?」


絵里「あ、いいわねそれ!日本家屋で納涼お泊まり会♪」


絵里「その次は私の家にも泊まりに来るといいわ。きっと亜里沙も喜ぶし」


海未「亜里沙ちゃんですか…!私も会いたいです!」


………

658: 2015/08/24(月) 07:38:16.10 ID:PFj7KsXE.net
絵里「ーーねえ、納涼といえば」


絵里「今夜、『納涼まつり』って、あるじゃない?」


海未「ええ」


絵里「去年はなんだかんだ行けなかったし、今年は行きましょうよ、ね?」


海未「はい、もちろんです!最近は私も部活や道場の稽古に没頭していましたから、たまにはハメを外すのもいいでしょう」


絵里「やったぁ!そうこなくっちゃ☆」


海未「ふふ、そうと決まれば早速準備です!残りのスイカ、食べちゃいますね」シャクシャク


絵里「あっ、ずるい、私も食べる!」シャクシャク



シャクシャク シャクシャク……

660: 2015/08/24(月) 09:00:48.92 ID:ulgLukBA.net
海未「そういえば絵里、浴衣はひとりで着られますか?」


絵里「んーっと…あんまり着たことないし、自信ないわ。ちゃんと着られるかしら…」


海未「心配しないでください。それなら、私が絵里の着付けをしますから」


絵里「えっ、海未が…?///」


海未「い、いけませんか?」


絵里「いやいや、そんなことはないけど…でも、それって海未の目の前で着替えるってことでしょう?だから、その、恥ずかしいっていうか…///」


海未「は…っ!?///」

662: 2015/08/24(月) 09:05:23.15 ID:ulgLukBA.net
海未「あ、あの、私、着付けをするのに〇らな感情など一寸たりとも持ち合わせていませんから!///ええ、絶対にです!」


絵里「な、なんでそういう話になるのよっ!///」


海未「だ…だって…そ、そんなことを言われたら、嫌でも意識、してしまうじゃないですか…///」


絵里「…ごめんなさい…///」


海未「…///」


絵里「…///」




海未「…………仕方がありません、絵里の着付けは母に頼みます」


絵里「え」.

664: 2015/08/24(月) 09:14:31.08 ID:ulgLukBA.net
海未「母もこちらが出向きさえすれば応じてくださるはずなので、今から連絡しますね」


絵里「あ…ちょ、ちょっと待って!」


海未「何ですか?」


絵里「そ、その…や、やっぱり、海未に、着付けてもらいたいかな…って…」


海未「はぁ!?どっちなんですか!」


絵里「どっちって…私は海未が嫌だともお母様がいいとも言ってないわよ…!」


海未「あ、そ、そうでしたね…」


海未「でも…本当に私でいいのですか?」


絵里「だ、だからいいって言ってるでしょう!?私は海未にやってもらいたいの!///」


海未「…っ///」ドキッ


絵里「…//////」カァアア



海未「……わかり、ました…やらせていただきます…っ///」

665: 2015/08/24(月) 09:38:17.89 ID:ulgLukBA.net
海未「も、もういい頃合いですから、き、着替え…始め、ますか?」チラ


絵里「そ、そうね。お願い、するわ」


海未「で、ではまず、浴衣のセットを一式、持ってきていただけますか?」


絵里「え、ええ、わかったわ。ちょっと、待ってて」スタスタ



海未 (あーもう、絵里のせいで、ただの着付けなのに妙に緊張してしまいます…)


海未 (で、でも、穂乃果の着付けを手伝ったときも何ということもなかったのですから、きっと大丈夫なはず…)


海未 (とりあえずは深呼吸を……)ス-ハ-


海未 (…ふぅ、少し落ち着きました。あとはいつものようにーー)



絵里「お、おまたせ、海未」

667: 2015/08/24(月) 22:03:12.74 ID:ulgLukBA.net
海未「ありがとうございます。ちょっと確認しますね……」


海未「……って、え…?」


絵里「ど、どうかしたの?何か足りなかった?」


海未「あ、あの…っ」


海未「…浴衣用の下着類は…無いのですか?」


絵里「えっ、そんなものがあるの?」


海未「その反応だと、持っていないようですね…」


海未「それなら…膝丈程度のキャミソールとかは…?」


絵里「ああ、それならあったかも…」

668: 2015/08/24(月) 22:06:13.24 ID:ulgLukBA.net
海未「では、それを着てきてください」


絵里「うん、わかっ……」


海未「あっ、そ、それと…///」


絵里「?」


海未「絵里は…む、胸が、その、大きい、ので…///」


海未「ぶ、ブラジャー…は…外したほうが、いい、かと…///」


絵里「っ…わ、わかった…///」

669: 2015/08/24(月) 22:07:21.43 ID:ulgLukBA.net
絵里「……う、海未…こんな感じで…いいかしら?」


海未「~~っ!///」ドキッ


海未「そ、そんな感じでいいので早く浴衣を羽織ってください!なんだか…え いです…!///」


絵里「ちょっと!最後の一言余計じゃない?///」


海未「し、仕方がないじゃないですか!もう、さっきから心臓が破裂しそうなんです…!///」ウルウル


絵里「は、羽織るから!羽織るから、そんな目をしないでよ…!///」ドキドキ

670: 2015/08/24(月) 22:12:29.85 ID:ulgLukBA.net
絵里「えぇ…と…羽織ったら、次はこう…?」


海未「あーっ!違います!合わせが逆ですよ!」


絵里「あ、そうなの?」


海未「もう…それでは死装束で……」ピタ


海未「あ、あわわ…///」アセアセ


絵里「…海未?」


海未「ご、ごめんなさい…っ!いや、あの、胸なんて見てないですけど!ほ、ほんとに、わざとではなくて…///」アワアワ


絵里 (…なにそれ。言ってること、めちゃくちゃじゃない)クスッ

671: 2015/08/24(月) 22:22:22.85 ID:ulgLukBA.net
絵里「あーあ、海未ってば面白すぎ…」クスクス


海未「な、何を笑っているのですか!///」


絵里「ぷく…っ、ふふ、だって、だって、ねぇ…?うふふふ…」


海未「…」ムゥ


海未「全部、絵里のせいなんですから…!罰として、一週間お風呂掃除の刑なんですから…!」


絵里「はいはい、わかったわよ。それより、続き、してくれる?」ニコッ


海未「うぅ……」



海未「あーもう!どうにでもなれ、です!」



…………

682: 2015/08/26(水) 11:32:43.09 ID:yiuIP6CX.net
ギュッ ギュッ


海未「ーー絵里、きつくないですか?」


絵里「大丈夫、ちょうどいいわ」


海未「では、終了です。お疲れ様でした」


絵里「ええ、ありがと」


海未「最後に、まっすぐ立って正面を向いていただけませんか?」


絵里「わかったわ」


絵里「…」スッ



海未「!」ハッ…




絵里「………どう、かしら?」

683: 2015/08/26(水) 11:33:34.01 ID:yiuIP6CX.net
海未「ぁ……」


絵里「…海未?どうかしたの?どこか…変?」


海未「…」フルフル


絵里「あ、じゃあ…」


絵里「…見惚れちゃった?」フフッ


海未「……は…はい…」コクン


絵里「ふふ、やっぱり………ね…?」



絵里「………えぇ!?///」

684: 2015/08/26(水) 11:35:27.68 ID:yiuIP6CX.net
海未「息を呑む、とはこういうことを言うのですね…」


海未「あまりに綺麗で、思わず見入ってしまいました」


海未「青い浴衣、とっても似合ってますよ、絵里」ニコッ


絵里「あ…ありがと…///」カァア


絵里 (恥ずかしがり屋のくせに、なんでこういうことは平然と言えるのかしら…///)


海未「絵里…もしかして照れてます?」


絵里「う、うるさいわね…っ!///」


海未「ふふっ」


絵里「笑わないっ!……まあ、でもーー」


絵里「やっぱり、海未に頼んでよかった」

685: 2015/08/26(水) 11:36:58.17 ID:yiuIP6CX.net
海未「え?どうして…ですか?」


絵里「んー、ヒミツ♡」


海未「えぇ…?気になるじゃないですか、教えてください!」


絵里「だーめ。だって…私の浴衣姿はいちばんに海未に見てほしかったから、なんて言ったら、あなた絶対顔を真っ赤にして逃げちゃうでしょ?」



海未「…………………は……え…?//////」



海未「か、からかうのもいい加減にしてくださいっ!///」


海未「私も浴衣、着てきますねっ!///」ダッ



絵里「やっぱり…ほら、こんなふうに……」クスクス


絵里「……………」




絵里「…なに言っちゃってるの、私…//////」

687: 2015/08/26(水) 12:20:07.15 ID:yiuIP6CX.net
絵里「…」

絵里「………」

絵里「………………」



絵里「…海未、遅いわね…」


絵里「やっぱり、ひとりで着るのはこれくらい時間がかかるものなのかしら」


絵里「…」


絵里「ちょっと、様子を見てこようかな」

690: 2015/08/26(水) 12:24:03.26 ID:yiuIP6CX.net
コンコン

絵里「海未ー?準備まだー?」


海未『ふぁあ!?ま、まだです!心の準備がまだですからちょっと待ってくださいっ!』


絵里「…」


絵里「開けるわね」


海未『えっ、ちょっ、えりーー』


ガチャ


絵里「もう、遅いわよ。準備できてるのなら早くーー」


絵里「…!」


海未「ぁ、あぁ…///」


絵里「…海未、それ……」

691: 2015/08/26(水) 12:27:03.43 ID:yiuIP6CX.net
海未「あ、あの、違うんです!一時の気の迷いというか、いや、ちょっと邪魔だったのでまとめただけで…!///」


海未「ご、ごめんなさーーっ!?」


絵里「…ほどいちゃ、もったいないじゃない」ガシッ


絵里「ポニーテール、とっても似合ってるわ。お揃いで行きましょうよ♪」


海未「…っ///」


絵里「それと…髪飾り、毎日つけてくれて、ありがと。浴衣にもよく合ってるわ」


海未「そ、それは…むしろ髪飾りにいちばん合う浴衣を選んできたのですから、当然です!」


絵里「ふふっ…そんなに大切にしてもらえると、嬉しいわね」



絵里「…」


絵里 (…あら?)



絵里 (…………選んで、きた…?)

692: 2015/08/26(水) 12:29:44.03 ID:yiuIP6CX.net
絵里「…ねえ、海未」


海未「はい?」


絵里「海未ってもしかして…最初からお祭りに行く気満々だった?」


海未「はっ!?な、なんでバレ……じゃなくて、どうしてそう思うのですか!?」


絵里「いや、だって…浴衣を『選んできた』って言ったでしょ?海未はこのアパートに浴衣なんて持ち込んでなかったはずだし、おおかた、今日お稽古に行ったついでに選んできたんじゃないかなーって」


海未「うっ…そこまでお見通しとは…」


絵里「実はものすごく楽しみにしてたんじゃない?髪型までおそろにしようとするくらいだもの」クスクス


海未「わ、笑わないでくださいっ!そもそも、まだと言っているのにいきなり部屋に入ってくるなんて…」


絵里「どうせあのまま待ってても長いこと出てこなかったでしょう?それに…」


絵里「私だって、海未とお祭りに行くの楽しみだったんだから///早く行きたいと思うのは当然よ!」


海未「え、絵里…///」

694: 2015/08/26(水) 12:33:02.83 ID:yiuIP6CX.net
海未「っ……//////」スタスタ


絵里「?」


海未「…」ピタッ


海未「…い、行かないんですか、お祭り///」チラ


絵里「…!///」ドキッ


絵里 (海未の、うなじ…///)ドキドキ


海未「ど、どうしたんです?そんなに、じっと見て…」


絵里「な、なんでもないわよ…」


絵里「……見返り美人に、見惚れちゃっただけ///」


海未「な…っ!?///」

695: 2015/08/26(水) 12:34:16.22 ID:yiuIP6CX.net
絵里「…綺麗よ、海未。私は…海未以上に和服が似合う女の子は知らない」


海未「…どうしてそんなこと平然と言えるのですか…///」


絵里「海未には言われたくないわよ」


海未「えぇ!?なんでですか!?」


絵里「それに…平然となんてしてないし///」ボソッ


海未「…絵里?」


絵里「い、いいから早く行きましょ、ほら///」ギュッ


海未「あ…///」


海未「…」



海未「……はいっ」ギュッ

712: 2015/08/27(木) 19:33:44.18 ID:xbnG/v2s.net

740: 2015/08/30(日) 12:29:06.62 ID:cNsSgmsH.net
ありがとうございます
では改変はせずに再開します

741: 2015/08/30(日) 12:31:40.32 ID:cNsSgmsH.net
絵里「うわぁ~!賑わってるわね~」


海未「そうですね。花火は8時からだそうですので、それまでは露店を楽しみましょう?」ニコッ


絵里「ふふ、そうね♪」




海未「…とは言ったものの…まずは何をしましょうか」


絵里「うーん、食べ物か遊びか…たくさんあって迷っちゃうわね~」キョロキョロ



「お~い、そこの嬢ちゃんたち」



うみえり「「…はい?」」



「金魚すくい、やっていかないかい?」

742: 2015/08/30(日) 12:33:57.87 ID:cNsSgmsH.net
絵里「金魚すくい、か…」


海未「懐かしいですね!1回だけやりましょうよ、絵里」


絵里「ええ、面白そうじゃない」


「まいどあり~。1回200円、ポイが完全に破れたら終了ね」


海未「…はい、ではお願いします」


絵里「海未は、金魚すくいは得意なの?」


海未「そうですね…。もう何年もやってないのですが、実は幼少時代は1匹も取れたことがなくて」アハハ…


絵里「そうなの?てっきり達人級なのかと思ってたわ」


海未「勝手に変なイメージを持たないでくださいよ…。あ、でも、なんだか今日は取れそうな気がするんです!」


絵里「ふふ、それは楽しみね」


海未「幼少期との違いを証明してやりましょう」



海未「ーーそれでは…行きますッ!」

743: 2015/08/30(日) 12:34:57.20 ID:cNsSgmsH.net
……


海未「やはり…難しいですね…」ガックリ


絵里「確かに…お世辞にも上手いとは言えないかも…」


「残念。ポイが完全に破れたから、これで終ーー」


海未「も、もう1回ですっ!今のでちょっと、感覚をつかみましたから!」


「おっ、いいね~。まいどあり~」


絵里 (1回だけって言ってたのにね)クスッ


海未 (う…次こそは…!)


海未「……………いざッ!」


ズボッ


海未「…」

744: 2015/08/30(日) 12:38:49.91 ID:cNsSgmsH.net
海未「くっ…もう1回…!」ギリッ


絵里「まあまあ、少し落ち着いて?」ポンポン


海未「あっ………す、すみません、つい…」


絵里「もう、すぐ熱くなっちゃうんだから。ーー親父さん、私もやるわ」


「はいよ。そっちの嬢ちゃんはもういいのかい?」


海未「ええ、今からは見取り稽古です!」


絵里「ふふっ、私、こう見えても金魚すくいは得意なのよ。コツを教えてあげるから、よく見ておいてね」


海未「は、はいっ、お願いします!」

745: 2015/08/30(日) 12:40:57.18 ID:cNsSgmsH.net
絵里「あのね、紙は乾いている部分と濡れている部分の境目がいちばん破れやすいの。だからまずは、そーっと水の中に入れて、あらかじめ濡らしておくのがポイントよ」


海未「なるほど」コクコク


絵里「それから、金魚は追っかけ回しちゃダメよ。自分のほうに寄ってきたのを狙うの」


海未「ふむふむ」コクコク


絵里「金魚はバックができないから、頭のほうから……よっ、と」スッ


海未「おおーっ!」


海未「絵里、すごいです!さすがですっ!」パチパチ


絵里「そ、そんなにすごいことではないわよ…///」


海未「いえいえ!もっと教えてください、絵里っ!」キラキラ


絵里「し、仕方ないわね…次は上級者編よ」

746: 2015/08/30(日) 12:46:22.39 ID:cNsSgmsH.net
絵里「ーーでね、こうやって自分で影をつくってやると……」


海未「…」ジ-


海未 (絵里って、やっぱり…)


絵里「ほら、金魚が集まってくるでしょう?金魚にはね、影に集まる習性があるの」


海未「…絵里ってやっぱり、絵になりますよね…」ボソッ


絵里「だから、これを狙ってーー」


絵里「……………えっ!?///」ズボッ


「はい、終了。全部で2匹ね~」

747: 2015/08/30(日) 12:46:59.87 ID:cNsSgmsH.net
絵里「ちょ、ちょっと海未っ!///」


海未「は、はい!?すみません、気が散ってしまいましたか…?」


絵里「気が散ったとかそういう問題じゃないでしょう!?な、何なのよ、絵になるって…///」


海未「はわっ!?こ、声に出てました…?///」


絵里「完っ全に出てたわよ!」


海未「うぅ…申し訳ないです…」


絵里「はぁ…」


絵里 (2匹、か…)

748: 2015/08/30(日) 12:49:54.06 ID:cNsSgmsH.net
絵里「…ねえ、海未。この2匹、私たちに似てると思わない?」


海未「え…?私たちに、ですか?」


絵里「そう。ーーこの黒い出目金は『エリーチカ』。メリハリのあるボディとか、そっくりでしょう?」


海未「あ、確かに…」


絵里「ちょっと…そこ、つっこむところよ」


海未「ふふ。でも、賢そうで少し抜けてるような可愛らしさがあって、絵里っぽいかもしれませんね」


絵里「な、なんか恥ずかしいんだけど…」

749: 2015/08/30(日) 12:50:28.70 ID:cNsSgmsH.net
海未「…ところで、どうしてこちらの赤いのは私なんですか?」


絵里「それは、『エリーチカ』に比べて小柄でスレンダーなボディと…」


海未「…どうせ貧相な身体ですよ」プク-


絵里「そ、そんなこと言ってないじゃない。ほら、あとは目元も可愛いし!極めつけはなんといっても赤色ね」


海未「赤色…?私にそんなイメージがありますか?」


絵里「イメージっていうか…海未ってしょっちゅう赤面するし。だから、この子は『うみちゃん』」


海未「な、なんですか、それ…///」


絵里「うふふ」



「いや~、おふたりさん仲いいね~」アハハ



うみえり「「はっ!?//////」」ビクゥ

750: 2015/08/30(日) 12:52:04.85 ID:cNsSgmsH.net
「もしかして夏祭りデートかい?」ニヤニヤ


海未「ちちち違いますよ!!長々とすみませんっ!」


「いやいや。ところで名前をつけた金魚、持って帰るかい?」


絵里「い、いえ、私たち、まだいろいろ回りたいので……失礼しますっ!」ペコ


海未「失礼しますっ!」ペコ


「どうも~、思いっきり楽しんでおいで~」

772: 2015/08/30(日) 23:47:12.88 ID:cNsSgmsH.net
絵里「はぁ…、途中から親父さんいるの忘れてたわ…」


海未「私もです…。し、しかし…わ、私たち…周りからは、こ、恋人…に見えるのでしょうか…///」


絵里「そ、そんなのわからないわよ…」


絵里「まあ、私は海未のことダイスキだから、間違われてもいいけどね☆」


海未「え、えりぃ~///」アワアワ


絵里「ふふっ、半分冗談よ♪ …にしても、混んできたわね~」


海未「で、ですね。私たちが金魚すくいに夢中になっている間に…」


♪ピ-ンポ-ンパ-ンポ-ン


『迷子のお知らせです。にった えみちゃんという、青い浴衣を着て、ポニーテールをしている、6歳の女の子が、迷子になっています。親御さんがお待ちですので、見つけた方は、至急、本部のほうへーー』


絵里「迷子も出るわよね、こんなにごった返してたら」

774: 2015/08/30(日) 23:49:30.30 ID:cNsSgmsH.net
海未「…にしても…青い浴衣にポニーテールって、なんだか絵里みたいですよね」


絵里「そうね~、もしその子が黒髪なら、今の海未だってポニーテールなんだから、海未にも似てるかもしれないわよ?」


絵里「あ、むしろ私たちに似てるのかも。名前だって、絵里の『絵』に海未の『未』で『絵未ちゃん』なら私たちの子どもみたい」


海未「く、くだらない話はやめましょう!?だいたい女同士で子どもなんてできるわけ…///」


絵里「でも、ちょっと想像したでしょ?」


海未「し、してませんっ!///」


絵里「…見つかるといいわね、その子」


海未「ええ、この人混みの中ですから…」


ーードンッ


絵里「あ…っ」ヨロッ

775: 2015/08/30(日) 23:50:44.23 ID:cNsSgmsH.net
絵里 (だめ…浴衣と下駄に慣れてないせいで、バランスがーー)


海未「絵里っ!?」


ギュッ


絵里「海未…」


海未「大丈夫ですか?足を捻ったりはしていませんか?」


絵里「ええ、平気よ。ありがとう」


海未「よかった…。私たちも、気をつけなきゃ…ですよ?」


絵里「そうね。気をつけるわ」


絵里「でも…ちょっとだけ得した気分」

777: 2015/08/30(日) 23:53:24.93 ID:cNsSgmsH.net
海未「…どういうことです?」


絵里「だって…海未が自分から抱きしめてくれることなんて、そうそう無いじゃない?」


海未「なっ…///」バッ


海未「た、ただ支えていただけじゃないですか!///」


絵里「そう思うならそれでもいいけれど。無意識のうちにそういうことするから、恋人に間違われちゃうんじゃないかしら」フフッ


海未「うぅ…///」



絵里「……まあ、それは置いておくとして。ねえ、次はどこに行く?」


海未「ど、どこでもいいです…っ///」


絵里「決まってないなら、少し歩いて決めましょうか」


海未「……はい…」


絵里「それじゃ、行きましょう?」ギュ


海未「…っ!?///」

778: 2015/08/30(日) 23:54:47.15 ID:cNsSgmsH.net
絵里「…どうかした?行かないの?」


海未「な、なんで…」


海未「なんで手をつなぐ必要があるのですか!///」


絵里「海未だってさっきも言ってたじゃない。…私たちも気をつけなきゃ。迷子にならないように、ね」


海未「……こういうことを平気でするのは絵里のほうじゃないですか。だから勘違いされるんです…」ギュ


絵里「ふふ、そんなこと口では言いながら手を握り返しちゃう海未も大概よね。嫌なら振りほどくこともできたのに」


海未「そ、それは…そう、ですけど…」

779: 2015/08/30(日) 23:58:14.83 ID:cNsSgmsH.net
海未 (…なんだか、怖い。この手を離してしまったら、本当に、絵里と離れ離れになってしまいそうで…)


海未「…こ、これも罰ゲームの一環ですから」プイ


絵里「もう…素直じゃないんだから」クスッ


海未「そんなこと…!ーーあ、次はアレです!行きましょう!」


絵里「アレって…射的?意外とこどもっぽいのね」クスクス


海未「い、いいじゃないですか!私、射的は得意なんです!ほら、行きますよ!」クイクイ


絵里「はいはい、そんなに急がなくても、射的は逃げないわよ~」



絵里 (…ふふっ、照れ隠しもわかりやすいんだから♪)


海未 (やはり、絵里には一生敵う気がしません…)

791: 2015/09/02(水) 20:54:28.96 ID:UbPDKNLL.net
海未「ーー1回5発で500円…100円相当の景品を狙えば一応元はとれますね」フムフム


絵里「えっ、まさか…5発全部当てるつもりなの!?」


海未「当然です!園田の血を継ぐ者として、外すわけにはいきませんよ!」ドンッ


絵里 (あらら…。変なスイッチ入っちゃったみたい…)


絵里 (ていうか園田の血云々は関係ないでしょうに…)


海未「まずは何から狙いましょうか……♪」キラキラ



「ーーあれ?海未さん…?」

792: 2015/09/02(水) 20:57:32.85 ID:UbPDKNLL.net
海未「………雪穂!?それに…」


絵里「亜里沙!」


亜里沙「お姉ちゃん!」


雪穂「久しぶりです、海未さん、絵里さん。お揃いのポニテなんて…もしかしてデートですか?」


海未「な、何言ってるんですか!?違いますよ!///」


絵里「…もし違くないとしたら?」


海未「絵里!誤解を招く発言はやめてください!///」


雪穂「…あ、相変わらず、仲がよろしくて…」


絵里「でしょう?」ニコニコ 


海未「…///」


雪穂 (よく2人で穂むらにおまんじゅう買いに来てくれるから、その度にこういうやりとりを見てきたけど…)


雪穂 (まだ付き合ってなかったんだ、この人たち…)
  

793: 2015/09/02(水) 20:59:48.11 ID:UbPDKNLL.net
絵里「それにしても、亜里沙は本当に久しぶりね。元気にしてた?」


亜里沙「うん、でもちょっと寂しかったから…今日会えて、嬉しい!」


絵里「ごめんね、寂しい思いさせちゃって」


亜里沙「ううん、電話とかくれたから、亜里沙は嬉しかったよ」


絵里「ありがとう。今度、海未と一緒に泊まりに行くから。…ね、海未」


海未「はい、亜里沙ちゃんさえ、良ければ」


亜里沙「もちろん大歓迎です!いつでも待ってます!」


絵里「ふふ、決まりね」

794: 2015/09/02(水) 21:00:32.96 ID:UbPDKNLL.net
海未「そういえば…2人とも、射的をやっていたのですか?」


雪穂「うん。なかなか狙ったところにいかなくて、欲しくもないカードゲームのカードを1枚当てただけだけど…」アハハ


亜里沙「雪穂はまだいいよ~。亜里沙なんて、1つも当たらなかったもん…」


絵里「意外と当たらないのよね~、これ」


雪穂「お二人も、今からやるんですか?」


絵里「私はやらないわ。海未が5発全部当てるって言ってるけど…


亜里沙「ハラショー…!」


雪穂「海未さん、昔から射的うまかったもんね~」

795: 2015/09/02(水) 21:02:10.35 ID:UbPDKNLL.net
海未「ふふっ♪ 皆さん、あの中で欲しいものはありますか?」


絵里「はーい!私、チョコレート!」


海未「絵里はぶれませんね…。2人はどうです?」


雪穂「えぇ…と…じゃあ、キャラメルで!」


亜里沙「亜里沙はキャンディが欲しいです!」


海未「3人ともお菓子ですね。後がつかえますから手短に済ませましょう」


海未「すみませーん、1回、お願いします!」


………

796: 2015/09/02(水) 21:02:53.12 ID:UbPDKNLL.net
海未「ーーはい、これ、雪穂と、亜里沙ちゃんの分です」


亜里沙「わぁ~、ありがとうございます!」


絵里「まさか、本当に5射皆中なんてね…」


雪穂「でも…ほんとにいいの?貰っちゃって…」


海未「はい!受験勉強を頑張っている、ちょっとしたご褒美ですよ」


雪穂「うっ…それだとお祭りなんか来ちゃって申し訳ないなぁ…」


絵里「たまにはこういう息抜きも必要よ♪ 私服で来たのも、そのためでしょう?」


亜里沙「うん、花火をちょっと見たら、すぐ帰って勉強できるようにって」


海未「あなたたちは偉いですね、…誰かさんと違って」


雪穂「あはは…」

797: 2015/09/02(水) 21:04:31.70 ID:UbPDKNLL.net
海未「最近は…都合が合わなくてほとんど顔を見ていませんけどね」


雪穂「お姉ちゃん、今は文化祭の準備で忙しいらしくて、ほぼ毎日遅くまで大学に行ってるからね…」


雪穂「でも海未さんたち、たまに穂むらでおまんじゅう買ってってくれるでしょ?そのこと言ったら、お姉ちゃんすごく喜んでるんだ。だから…これからも、ちょくちょく遊びに来てくれると嬉しいです!」


海未「ええ、もちろん」ニコッ


絵里「私も、穂むらのおまんじゅうは好きよ」


亜里沙「亜里沙も、大好き!」


雪穂「えへへ、なんか、嬉しいな」

798: 2015/09/02(水) 21:05:43.78 ID:UbPDKNLL.net
雪穂「ーーそれじゃ、そろそろ…」


絵里「そうね。久々に会えて、楽しかったわ」


海未「2人とも、元気で。穂乃果にも、よろしく伝えてください」


亜里沙「帰ってきてね、約束だよ!」


絵里「ええ、約束よ」


亜里沙「亜里沙、絶対お姉ちゃんや海未さんと一緒の大学に受かってみせるから!」


雪穂「私も、お姉ちゃんと同じ大学目指すことにしたよ。お店を継ぐのはお姉ちゃんだけど、やっぱり商業について勉強したいし」


海未「陰ながら応援しています。今はきちんと息抜きをしてくださいね」


ゆきあり「「はいっ!」」


絵里「それじゃあ…またね、2人とも」

799: 2015/09/02(水) 21:10:16.46 ID:UbPDKNLL.net
海未「ーー姉妹、ですか…」


絵里「…寂しい?」


海未「いえ、そんなことは…」


海未「ただ、気になるんです。もし姉が今もそばにいてくれたのだとしたら、私たちはどんな姉妹だったのか、と…」


絵里「海未…」


海未「でも案外、今の絵里との生活とほとんど変わらないのかもしれません。絵里は…姉に似ているところがありますから」


絵里「私が?」


海未「はい。なんとなく、雰囲気が。…時々、感情を激しく乱されるのに……やっぱり一緒にいると、安心するんです」


海未「だから、絵里のおかげで、全然寂しくなんかないですよ」ニコッ


絵里「ふふっ。私は海未の、第二の姉ってことね♪」

800: 2015/09/02(水) 21:11:14.65 ID:UbPDKNLL.net
絵里「…おいで、海未」


海未「はい」


絵里「いつか海未が、私のことをお姉さんみたいだって言ってくれたじゃない?私、実はけっこう嬉しかったの」


絵里「私はこんなんだから…海未の嫁いだお姉様の代わりにはなりきれないかもしれないけど…海未のこと、本当に大切に思ってるから」ナデナデ


海未 (やっぱり…絵里の手、あたたかくて…安心、しますね…)


海未「絵里…とても、嬉しいです」


海未「でも…代わりになんて、なろうとしなくてもいいんですよ」

801: 2015/09/02(水) 21:12:14.53 ID:UbPDKNLL.net
絵里「…どうして?」


海未「だって…私は、絵里が、絵里だからーー」



ぐぅううう……



海未「ハッ…///」


絵里「あら…」


海未「ち、違うんです、これは、その…っ///」


絵里「ぷっ…ふふふ…っ…あははははは……っ!もう、海未ったら…雰囲気台無し…っ」


海未「うぅ…///」カァアア


絵里「そこのたこ焼きでいいわよね?買いに行きましょ?」


海未「は、はい…///」

803: 2015/09/02(水) 21:38:55.62 ID:hycNac+u.net



海未「ふー、ふー」


海未「…」パクッ


海未「っ!?はふはふ…」


海未「…はぁ…、美味しいですね!」


絵里「ふふ、それは良かった♪」


海未「絵里も、私ばかり見てないで食べたらどうですか?」


絵里「ええ、そうするわ。なんか、ふーふーしてる海未が可愛くって、ついね………」パクッ


絵里「あっつ!」


絵里「ふー、ふー…」


海未「クスクス…」

804: 2015/09/02(水) 21:39:48.93 ID:UbPDKNLL.net
絵里「もー、笑わないでよ…」


絵里「でも、ほんと。美味しいわね!」


海未「たこ焼きを青のり抜きで頼む人、初めて見ました…。本当に美味しいのですか?」


絵里「いや…食べられないわけではないんだけどね…。風味があんまり好きじゃなくて。美味しいわよ?あ、もしかして食べたいから言った?」


海未「ち、違いますって!単純に気になっただけですよ!」

805: 2015/09/02(水) 21:40:33.48 ID:UbPDKNLL.net
絵里「私は海未のたこ焼きのほうが気になるわ。醤油のたこ焼きなんて、初めて見たもの。美味しいの?」


海未「ソースが王道ですが、私は醤油のほうが好きなんですよね。美味しいですよ」


絵里「へぇ~」ジ-


海未「な、なんですか…?」


絵里「いやぁ、美味しそうだなって♪」ジ-


海未「……えっと…食べます、か?」


絵里「もちろん♪」

806: 2015/09/02(水) 22:28:32.65 ID:UbPDKNLL.net
絵里「あー、美味しかった。次に食べるときは醤油にしてみようかしら」


海未「王道もなかなかでしたね」


絵里「ふふ、そうでしょう?」


絵里「でも、ちょっと喉が渇いちゃった。飲み物買ってくるわね」


海未「あ、では私も…」

807: 2015/09/02(水) 22:29:33.69 ID:UbPDKNLL.net
絵里「やっぱり祭りといえばラムネよね~。でもビールも捨てがたいし…。海未は、普段何を飲むの?」


海未「私は…穂乃果たちと来るときは、毎回のようにラムネを飲んでいましたね…」


絵里「え、ラムネってあのラムネよね?炭酸…大丈夫なの?」


海未「まあ、ラムネだけはなんとか…。唯一私が飲める炭酸飲料なんです!」


絵里「へぇ…ちょっと意外」


絵里「じゃあ、今年は私とラムネ、飲みましょうか♪」


海未「はいっ!」


絵里 (それにしても…ラムネだけ飲めるって、どういうことなのかしら…)

822: 2015/09/05(土) 11:53:31.96 ID:DfiA3CLe.net
カラン カラン


絵里「ラムネって、ビー玉の涼しげな音もいいわよね~」


海未「わかります…!この昔ながらのボトルもいい味も出していますよね~」


絵里「ね~。ーーそれじゃあ…かんぱ~い!」


海未「え、か、かんぱーい…?」


絵里「ノリが悪いわよ~!かんぱ~い!」


海未「か、かんぱーいっ!」


カチン


絵里「…」ゴクッゴクッ


絵里「かぁ~っ!喉越し最高!」


海未「…ふふっ。絵里、随分と楽しそうですね」

824: 2015/09/05(土) 12:00:27.66 ID:DfiA3CLe.net
絵里「あ、わかる?瓶ラムネって、特別感あって好きなの。ちょっぴりテンションあがっちゃう♪」


海未「特別感、ですか…。確かに、今では店頭で見かけることは少なくなりましたからね」


絵里「そうそう。お祭りだから飲める、みたいなのがあって。中身はサイダーとほとんど変わらないのに、ね」


絵里「あっ、サイダーは大丈夫なの?」


海未「………過去に間違えて飲んでしまって盛大にむせた経験が」ズ-ン


絵里「あはは…そうだったの…」


海未「恥ずかしながら、私は炭酸飲料を飲むのが下手なようで…」


海未「だから、少しずつしか流れてこないラムネだけは辛うじて飲めるのだと思います」


海未「…」コクッ


カラン

826: 2015/09/05(土) 12:07:07.38 ID:DfiA3CLe.net
絵里 (少ししか流れてこない、か…)


絵里 (なるほどね。海未ちゃんラムネを飲むのも下手なんじゃない)クスクス


絵里 (ボトルにある窪みって知ってる?…って教えてあげたい気もするけど、そしたら飲めなくなっちゃうかしら)


絵里 (それにしてもーー)


海未「…」コクコク


絵里「海未って両手で飲むのね。可愛い♡」クスッ


絵里 (こういうちょっとしたところで子どもっぽいのよね♪)


海未「なっ…!か、片手でも飲めますよ!///馬鹿にしないでくださいっ!」


海未「…」コクッ コクッ


絵里「べ、別に無理しなくてもーー」


絵里 (あ…)


絵里 (片手だと、むしろ艶っぽくて…絵になる、かも…///)ドキドキ

827: 2015/09/05(土) 12:12:29.65 ID:DfiA3CLe.net
海未 (もう、絵里はちょっとネタを見つけるとすぐからかってくるんですから…)


海未 (いくらなんでも片手で飲めないわけがないではありませんか…。こうやって、普通に飲んでいればーー)


海未「んぐっ!?」ゴクッ


絵里「…!?」


海未「ごほっ、こほこほ、けほっ…」


絵里「ど、どうしたの?大丈夫?」サスサス


絵里「とりあえず、落ち着いて…」サスサス


海未「けほ、けほ、だいじょうぶ、です…っ」


絵里「もう…無理するからよ。せっかく色っぽかったのに、台無し」クスクス



海未「ハァ…、ハァ…、わらわないで、くらさい…///」ウルウル



絵里「…っ!?//////」ドキッ



絵里 (ちょっと…今その表情は…反則…///)

828: 2015/09/05(土) 12:17:37.38 ID:DfiA3CLe.net
絵里「…やっぱり、海未に色気なんて要らない」


海未「な…なんですかいきなり…?」


絵里「オトナっぽい海未より、子どもっぽい海未のほうが可愛くていいなって思ったのよ」


海未「……そんなこと言って…絵里は単にからかいたいだけでしょう?」ジト 


絵里「そ、それもあるけど…それより…」


海未 (…それもあるんですね)



絵里「…………私の心臓が、もちそうにないもの…///」ボソッ

829: 2015/09/05(土) 12:19:04.96 ID:DfiA3CLe.net
海未「え?」


絵里「な、なんでもないわ、なんでも…!」アセアセ


海未「…?」


絵里「そ、そんなことより…海未はもう落ち着いた?少し休んでいく?」


海未「いえ、休んでいるなんて、時間がもったいないです!もっと見て回りましょう?」


絵里「でも…ほんとに大丈夫?」


海未「もう…絵里は大袈裟ですよ。ちょっとむせただけじゃないですか」クスッ


海未「ーーあっ、あそこにチョコバナナのお店がありますよ!」


絵里「あら、本当ね!これは食後のデザートに食べなきゃだわ…!」キラキラ


海未 (ふふっ、子どもっぽいのはどっちですか。……まあ…お互い様、ですね)

849: 2015/09/07(月) 23:27:27.87 ID:cywHnSn1.net



絵里「はぁ…、やっぱりお祭りにチョコバナナは欠かせないわ…♡」モグモグ


海未「絵里はとても幸せそうに食べるのですね」フフッ


絵里「だって幸せなんだもの♡」



絵里「海未はデザートどうする?奢るわよ」


海未「そんな、奢ってもらうなんて申し訳ないですよ…!」


絵里「別に気にしなくてもいいのよ、これくらい。先輩が奢るって言ってるんだから、素直に甘えておけばいいの」


海未「…そ、それでは、お言葉に甘えて」


絵里「そうそう。たまには私の顔を立ててよね♪」

850: 2015/09/07(月) 23:31:33.32 ID:cywHnSn1.net
絵里「それで…何が食べたい?綿菓子?クレープ?それともカキ氷かしら」


海未「えぇっと…そうですね…」チラ


絵里「…ふふっ、りんご飴ね。わかった、ちょっと待ってて♪」


海未「え、ちょ、私、りんご飴なんて一言も…!」


絵里「顔が食べたいって言ってたわ。間違いではないでしょう?」


海未「た、食べたくないと言ったら嘘になりますけど…///」モゴモゴ


絵里「ほーら、やっぱり♪」


絵里「ーーすみませ~ん、りんご飴の大、ください!」


海未「!?」

851: 2015/09/07(月) 23:39:16.44 ID:cywHnSn1.net
「はいよ~、500円ね~」


絵里「は~い、ありがとうございま~す♪」


海未「え、絵里!こんなに大きいの…いいんですか?」


絵里「いいのいいの。私だって、自分から奢るって言っておいて小さいの買ってくるほどケチじゃないつもりよ?」


絵里「それに、りんご飴って大きいほうがそれっぽいじゃない☆さ、遠慮しないで食べなさい」


海未「ありがとうございます!それでは…いただきますね」


海未「…」ペロッ


絵里「どう?」ニコニコ 


海未「美味しいです!とっても!」パァアア

852: 2015/09/07(月) 23:40:02.14 ID:cywHnSn1.net
絵里「でしょー?大きなりんご飴は美味しさ倍増よ♪」


絵里「あ、でもその反応、もしかして今まで食べたことなかった?」


海未「いえ、子供の頃に何度か食べたことがありますよ。ただ…本当に久しぶりに食べたので、なんだか新鮮というか」


海未「それに、この大きさのものは初めてなので…ふふっ、少し贅沢をしている気分です。食べ切れるでしょうか…♡」ペロ


絵里「そんなに幸せそうに食べてくれると、買ってあげた甲斐があったってものよね~♪」


絵里 (そしてついイタズラ心が湧いてしまうのは…私の悪い癖ね)

853: 2015/09/07(月) 23:49:04.13 ID:cywHnSn1.net
絵里「…ね、海未」


海未「はい、なんですか?」


絵里「食べ切れるか心配ならーー」



ペロッ



海未「っ!?」



絵里「…手伝ってあげても、いいわよ」ニヤリ

854: 2015/09/07(月) 23:56:54.66 ID:cywHnSn1.net
海未「な、何してるんですか!私のですよっ」


絵里「えへへ、ごめん。あまりに美味しそうに食べるから、つい、ね」


海未「もう…それなら絵里もりんご飴にすればよかったじゃないですか」ペロッ


海未「…」



海未 (…ん?これって、つまり………)



海未「…/////////」カァアアア



絵里「海未、どうしたの?顔がりんご飴みたいに真っ赤よ」クスクス


海未「な…なんでもない、です…///」


海未 (ここは、気づかなかったことにしてやり過ごしてしまうのが一番です…。もう、何も考えないように……)



絵里「大丈夫よ、女の子同士の間接キスなんて、たいしたことないじゃない♪」


海未「なっ…///」

855: 2015/09/07(月) 23:58:17.92 ID:cywHnSn1.net
海未「絵里!まさか気づいててやったんですか?確信犯ですか!?」


海未「というかなんで言ったんですか!?せっかく…せっかく、気づかなかったことにしようと思ってたのに…///」


絵里「…嫌だった?」


海未「……ずるいですよ、その質問は」プク-


絵里「ふふ、ごめんね」



海未「でもひどいですよ…。どっちにしても意識してしまうと…恥ずかしくてこのりんご飴がこれ以上食べられません…///」


絵里「それなら、私が食べてあげてもいいけど」


海未「それは嫌ですっ!絶対譲りませんから!」


海未「む…こうなったら……」

856: 2015/09/08(火) 00:16:56.70 ID:CUGNbFfx.net
海未「絵里、徹底的に祭りを楽しみますよ!」


絵里「え?」


海未「楽しんでいる間に忘れながら食べますから!」


海未「さて、次はヨーヨー釣りです!全屋台を制覇するつもりでいきますよー!!」グイグイ


絵里「ちょ、ちょっと海未、待ってー!私、浴衣慣れてないからー!」


………



海未 (内心そんなことできないと思っていたのですが…楽しさで、私は間接キスのことなんてすっかり忘れていました)


海未 (手には、いつの間にか食べ終わっていたりんご飴)


海未 (この楽しい時間が、この日が終わるまで、ずっと続けばよかったのですが……)

871: 2015/09/10(木) 23:01:41.64 ID:sZu8FCR6.net
海未「ーーはぁ…、結構回りましたね」


絵里「そうね…。楽しすぎて疲れちゃった。私ももう歳かしら」フフッ


海未「やめてくださいよ…20歳で歳だなんて」


絵里「でももうすぐ21よ。3月まで海未とは2歳も離れちゃう」


海未「……やめましょうよ、こういう話は苦手です…」


絵里「それもそうね。…花火は、もうすぐ?」


海未「そうですね…あと1時間くらいでしょうか。もう行きますか?」


絵里「ええ。でもその前に、お手洗いに寄ってもいいかしら」


海未「はい、では私はゴミを捨ててからここに戻ってきますね」


絵里「ありがと。助かるわ」

872: 2015/09/10(木) 23:04:59.34 ID:sZu8FCR6.net
海未「…くずかごは意外と遠かったのですね」


海未「さて、用は済んだので戻りましょうかーー」



「…………ママぁっ!」ダキッ



海未「!?」



海未「え、えぇっと…どちら様…でしょうか…」


少女「あっ…ママじゃなかった…。ご、ごめんなさい…っ」


海未「…お母様と、はぐれてしまったのですか?」


少女「あ、えっと…その…」オロオロ


少女「うぅ…」グスッ


海未「あぁ、泣かないでください…」ヨシヨシ



海未「…!」ハッ



海未 (青い浴衣にポニーテール、6歳の女の子…確か……)



海未「もしかして…あなた、にった えみちゃん、ですか?」

875: 2015/09/10(木) 23:12:52.79 ID:sZu8FCR6.net
少女「…ふぇ?」ピタ


海未「あっ、人違いならすみません、特徴が似ていたものでーー」


えみ「な、なんで…なんで、えみのなまえ、しってるんですか…?」ビクビク


海未「あ…迷子の放送は、聞いていませんか?」


えみ「ほ、ほうそう…?」


海未「ええ。お母様が待っていますよ、って、放送があったんです」


えみ「そ、そうだったんだ…。えみ、あたまがまっしろで、ぜんぜんきいていませんでした…」


海未「そうでしたか…。ここまでひとりで、よくがんばりましたね」ナデナデ


えみ「あっ…///」

876: 2015/09/10(木) 23:14:39.64 ID:sZu8FCR6.net
えみ「あ、あの…!」


海未「はい、なんですか?」


えみ「えっと、その…も、もしよければ、えみを、ママのとこまでつれていってくれませんか…?」


海未「あなたは…妙なお願いをするのですね」クスッ


えみ「え?」


海未「そんなの、もちろんに決まっていますよ。さあ、行きましょう?」ニコッ


えみ「は…はいっ!」パァアア



海未 (確か、本部とお手洗いは逆方向ですね…)


海未 (申し訳ないですが…絵里にはLINEで連絡を入れておきましょう)



**********************
迷子を見つけたので本部まで送り届けてきます。
花火のスポットまで行くのに、大提灯の辺りまで
来ていただけるとありがたいのですが、無理なら
そのまま待っていてください。
また連絡します。
**********************

877: 2015/09/10(木) 23:20:48.44 ID:sZu8FCR6.net
トテトテ…


海未「絶対に手を離してはダメですよ?しっかり繋いでいてくださいね」


えみ「…」コクリ


海未 (子どもの手って、こんなに小さかったのですね…。そういえば、最近は絵里の手しか繋いでいませんから、感覚が……)


海未 (……はっ!?よく考えるとこの歳になって絵里と手を繋ぐことがごく頻繁なこの状況って…///)


海未「確実におかしい…ですよね…///」ボソッ


えみ「…おねーさん?どうかしたんですか?」


海未「はわっ!?な、なんでもないですっ!」アセアセ


えみ「ふふ、へんなおねーさん」クスクス


海未「あ、あはは…」

878: 2015/09/10(木) 23:23:23.38 ID:sZu8FCR6.net
海未「えみちゃんも、さっきよりだいぶ明るくなりましたね。よかったです」


えみ「あ、ごめんなさい…。えみ、ちょっとひととはなすのがにがてで…」


海未「そんな、謝ることではないですよ。私も昔はもっと…オドオドしていて、臆病で、人見知りで…」


えみ「ええっ!?おねーさんが!?」


海未「はい、そうですよ。…臆病なのは、今も変わらないかもしれませんが、ね…」


えみ「そ、そうなんだ…。えみも、かわれるかなぁ…?」


海未「…変われますよ。きっと、これからの出会いが、あなたを変えてくれるはずです」


えみ「であい…」


えみ「あ、あのね、えみ、おねーさんとあえて、ほんとうによかったです!」


海未「ありがとう。私も、ですよ」ニコッ


えみ「…えへへ♪」

879: 2015/09/10(木) 23:28:08.76 ID:sZu8FCR6.net
海未「あっ、そうだ…。えみちゃんは、りんご飴は好きですか?」


えみ「はい、だいすきです!」


海未「よかった、それなら少し待っててくださいね」


えみ「?」


海未「ーーすみません、りんご飴の小、1つください」


「はいよ~、300円ね~」


えみ「お、おねーさん…?」


海未「…はい。これは、私からのプレゼントです」


えみ「い、いいんですか?」パァアア


海未「ええ、どうぞ♪」


えみ「やったぁ!おねーさん、だいすき!りんごあめより、だいすきです!」ダキッ


海未「え、えみちゃん…///」アワワ


海未 (どうして私の周りにはすぐ抱きついてくる人が多いのでしょうか…)

880: 2015/09/10(木) 23:29:39.31 ID:sZu8FCR6.net
海未「ーーもうそろそろ、お母様のところに着きますよ」


えみ「ほんとですか!?」


海未「…ほら、本部が見えてきましたよ。お母様はーー」



「ーーえみ!?」



えみ「…ママ!」タタッ


えみ母「えみ!心配したのよ!?」


えみ「ママぁっ!ごめんなさぁい!」ギュッ



海未「…ふふっ」

881: 2015/09/10(木) 23:31:22.23 ID:sZu8FCR6.net



えみ母「ーー本当に、ありがとうございました」ペコ


えみ「おねーさん、またね!」


海未「ええ、では、また会えたら」ニコッ




海未 (…………ま、まさか本当に『絵未』だったとは…)


海未 (黒髪だったとはいえ、容姿は絵里に似ているところがありましたし…)


海未 (あああああっ、これではますます絵里の言っていたことが頭から離れなくなってしまいますよぉ…!///)


海未 (…と、とりあえず絵里に連絡を入れなくては…)ゴソゴソ



海未「……………え?」





海未「『既読』が…ついていない…?」

1: 2015/09/20(日) 21:38:06.99 ID:dfD7Gzsp.net

2: 2015/09/20(日) 21:38:33.85 ID:dfD7Gzsp.net



えみ母「ーー本当に、ありがとうございました」ペコ


えみ「おねーさん、またね!」


海未「ええ、では、また会えたら」ニコッ




海未 (…………ま、まさか本当に『絵未』だったとは…)


海未 (黒髪だったとはいえ、容姿は絵里に似ているところがありましたし…)


海未 (あああああっ、これではますます絵里の言っていたことが頭から離れなくなってしまいますよぉ…!///)


海未 (…と、とりあえず絵里に連絡を入れなくては…)ゴソゴソ



海未「……………え?」





海未「『既読』が…ついていない…?」

3: 2015/09/20(日) 21:39:04.62 ID:dfD7Gzsp.net
海未「メッセージに気づいていないのでしょうか…」


海未「…電話をかけてみましょう」


prrrrrrrrrr………


海未「…」


prrrrrrrrrrr………


海未「…」



海未「嘘……繋がりません…」



海未「絵里…」



海未「何か、あったのでしょうか…」

4: 2015/09/20(日) 21:39:35.32 ID:dfD7Gzsp.net
(大提灯付近)

海未「この辺りにはいませんか…」


海未「やはり連絡が届いていないのですね」


海未「…まだ元の場所で待っているかもしれません、急ぎましょう」



(御手洗前)

海未「…絵里?」


海未「戻りましたよ、いるなら返事をしてください」


海未「…」


海未「……まだ、『既読』はついていませんか…」


prrrrrrrrrrrr…


prrrrrrrrrrrrr…



海未「そんな……絵里…っ」

5: 2015/09/20(日) 21:40:13.58 ID:dfD7Gzsp.net
ーーー30分前


絵里「海未ごめん、お待たせ……って…」


絵里「あら?まだ戻ってないのかしら?」


絵里「それか、海未も個室に入ってるのか…」


絵里「どっちにしろ、ちょっと待ってたほうがよさそうね」


ーー


絵里「…」


絵里「全然来ない…」


絵里「電話でもかけてみようかしら」ポチ


絵里「…」


絵里「…え」


ポチポチポチポチ


絵里「嘘…画面がつかない…」



絵里「ま、まさか……充電、切れてる…?」

6: 2015/09/20(日) 21:40:51.28 ID:dfD7Gzsp.net
絵里「ちょっと、冗談じゃないわよ…!家を出る前までちゃんと充電してたはずなのに…」


絵里「…?待って、私、コンセントにプラグ差し込んでたかしら…?」


絵里「…」


絵里「ああああぁんもう、私のバカっ!どうして、どうしてこんなときに限って…!」ポカポカポカッ


絵里「だめだめ、こうしている間にも海未の身に何が起こっているかわからないわ…」


絵里「…早く探しに行かなくちゃ」


………………


………



9: 2015/09/20(日) 21:41:29.68 ID:dfD7Gzsp.net
海未「ーーあ、あのっ、この辺りで、金髪の女性をみませんでしたか?背が高くて、ポニーテールで……」


海未「…そうですか、すみません、失礼します…」



海未「……まだ、メッセージは見ていないみたいですね…」


海未「こんなことになるなら…最初から絵里と一緒にえみちゃんを送り届ければよかったのです…」


海未「はっ…もしかして…もうここにはいなかったり、とか…」


海未「そんなの、考えたくもないです…っ!」ブンブン


海未「とにかく、探さなくては…!」



海未「ーーあの、すみません、人を探しているんです……」


………………


………



12: 2015/09/20(日) 21:42:12.37 ID:dfD7Gzsp.net
絵里「海未!海未!どこにいるの!?」


絵里「はぁ…、はぁ…。浴衣、歩きにくくてダメね…」


絵里「海未…本当に、どこに行ったの…?」


絵里「そもそも、海未が私に何も言わずにどこかに行くことなんて今までなかったのに…」


絵里「……あら?…っていうか…ま、まさかケータイに連絡はくれてたんじゃ…」


絵里「もしそうだったとしたら…あの場所から動かないほうが得策だったのかもね…」


絵里「はぁ……。ここは一体、どこなのかしら…」ヨタヨタ


ーードンッ


絵里「…きゃっ!?」


フラッ…

15: 2015/09/20(日) 21:42:51.08 ID:dfD7Gzsp.net
ドサッ


絵里「いたた…」


「ったく、どこ見て歩いてるんだ!?気をつけろ!」


絵里「す、すみません…」



絵里 (……あっ、今ので、鼻緒が…)


絵里 (とりあえず、端に避けなきゃ…)



絵里「…」


絵里「ふふ、情けないなぁ……」グスッ


絵里「…私、やっぱり海未がいないとダメね…」ポロポロ


絵里「気づかなかった…私の中で、海未の存在が、こんなにも、大きくなっていたなんて…っ」


絵里「海未…っ」グスグス




「…あれ?」




「…………………お姉ちゃん…?」

17: 2015/09/20(日) 21:43:26.37 ID:dfD7Gzsp.net
ーーーー


海未「なんで…なんで、見つからないんですか…」


海未「嫌です…っ、絵里に、何かあったら、私…っ」ジワッ



海未 (絵里…私は、あなたに出会ってから、変わってしまいました…)


海未 (あなたと接するとき…私は、私でなくなったような心地になるのです)


海未 (でも、あなたがいない今は…もっと、私じゃないみたい)


海未 (もしかしたら、絵里がいなくなったら私…壊れてしまうかもしれません)


海未 (…今だって)

18: 2015/09/20(日) 21:44:22.55 ID:dfD7Gzsp.net
海未 (この胸に抱くのは、ただ絵里の身を案じる気持ちだけではないんです)


海未 (……わかっています。気づかないフリをしていただけで…)


海未 (絵里にとっては、迷惑でしかない。そんな言い訳をしては閉じ込めてきた、この想いーー)


海未 (このまま閉じ込めておくつもりでした…。それは…伝えれば辛くなるとわかっていたから)


海未 (でも結局…どちらが辛いのでしょう…)



海未「絵里…会いたいです…っ」ポロポロ



prrrrrrrrrrrrrrr…



海未「!」ビクッ


海未「絵里!?」バッ




海未「………えっ…雪穂…?」

19: 2015/09/20(日) 21:44:55.46 ID:dfD7Gzsp.net



亜里沙「…お姉ちゃん、落ち着いた?」


絵里「ええ…。ごめんね2人とも、こんな情けない姿見せちゃって…」


雪穂「いいんですよ。それより、海未さんも無事だってわかったし、よかったじゃないですか」


絵里「そうね…。それがわかっただけでもう死んでもいいくらい」フフッ


亜里沙「えぇっ!?お姉ちゃん死んじゃ嫌だよっ!?」アワワ


雪穂「あ、亜里沙、落ち着いて!ーーあっ、来たかな?」


絵里「…!」





海未「はぁ、はぁ……………絵里…っ!」

20: 2015/09/20(日) 21:45:30.04 ID:dfD7Gzsp.net
絵里「海未ぃ!」ダキッ


海未「絵里…!もう、会えないかと思いました…」ギュウゥ


絵里「ごめんなさい…!私、ケータイの、充電、切らしちゃって…っ!」エグエグ


海未「私、も…絵里を待たずに、離れて、しまって…!こちらこそ、ごめんなさい…っ!」グスグス


絵里「でも、海未が無事で、ほんとに、よかった…っ」


海未「それは、こっちの台詞です…っ!充電くらい、ちゃんとしてください…っ」






雪穂「…行こっか、亜里沙。花火、始まっちゃうよ」


亜里沙「………うんっ、そうだね」ニコッ

21: 2015/09/20(日) 21:46:04.38 ID:dfD7Gzsp.net
ーーーー


絵里「ーーやだなぁ、こんなに泣いたの久しぶり…」コシコシ


海未「絵里、目が真っ赤ですよ」


絵里「ふふ、海未だって」


海未「今思えば恥ずかしいです…こんなところで…」


絵里「た、確かにね………あら?さっきより人が格段に少なくなってない?」


海未「本当です…雪穂たちもどこかにーー」


海未「はっ!?」


絵里「ど、どうしたの?」


海未「は、花火!花火が始まってしまいますっ!」

22: 2015/09/20(日) 21:47:04.43 ID:dfD7Gzsp.net
海未「あと10分です!早く行きましょう!」クイクイ


絵里「あっ…海未、ちょっと待って!」


海未「…どうしたんですか?」


絵里「あ、あのね、鼻緒が…切れちゃって」


海未「ああ…これは随分と派手に…」


海未「…仕方がありません、………どうぞ」スッ


絵里「えっ、そ、それって…///」


海未「…おぶりますから、乗ってください」


絵里「い、いいわよ、ゆっくりなら、裸足でもいけるしーー」


海未「ダメですよ。ゆっくりだと花火に間に合いませんし、それにせっかく綺麗な脚が傷ついてしまいます」


絵里「ま、またそういうこと…///」

24: 2015/09/20(日) 21:47:42.73 ID:dfD7Gzsp.net
絵里「でも…重いわよ?」


海未「鍛えてるから大丈夫です」ニコッ


絵里「ちょっと…それだと私は重いけど海未は力があるから大丈夫、みたいに聞こえるんだけど……まあ、自分で重いって言ったんだけどね」


海未「ふふ、冗談ですよ。それに…よっと、全然重くないですし、ね」


絵里「うわぁ…な、なんかこれ、すごく恥ずかしいんだけど…///会場までずっとこれなの?」


海未「花火がとても綺麗に見える、穴場のスポットを知っているんです。そこはあまり知られていないので人も少ないのですが…どうでしょう?」


絵里「…もう、いいわよ…」ハァ


海未「了解しました♪ 幸い、ここからだとそう遠くないので、ギリギリで間に合いそうです」


海未「…それでは、しっかりつかまっててくださいね」

25: 2015/09/20(日) 21:48:28.41 ID:dfD7Gzsp.net



海未「ーーあの、今思ったのですが…連絡がとれなかったら、本部の放送で呼び出してもらえばよかったのですよね。なぜ思いつかなかったのでしょう」フフッ


絵里「……確かに…そうね…」


海未「あっ、そういえば、絵里の言ってたこと、本当だったんです。にった えみちゃんって、絵里の『絵』に海未の『未』だったんですよ!びっくりしちゃいました」


絵里「……そ、そう…すごいわね…」


海未「…絵里?どうかしたんですか?やけに食いつきが悪いですね」


絵里「べ、別になんでもないわよ…っ」


海未「…」


海未「…もしかして」



海未「暗がりが怖い…とか」



絵里「…っ」ビクッッ

28: 2015/09/20(日) 21:50:12.32 ID:dfD7Gzsp.net
>>26
長いスレタイで申し訳ありません

29: 2015/09/20(日) 21:50:43.23 ID:dfD7Gzsp.net
絵里「だだだだからそそそんなんじゃないって…っ」ギュッ


海未「絵里…」


海未「…すみません、絵里が暗がりが苦手ということを考慮していませんでした…。場所を変えましょう、正規の会場なら多少は明るーー」


絵里「い、いいのっ!怖くなんか、ないから…っ」ギュゥウ


海未「どうして、そこまで…」


絵里「そんなの…こ、怖くないからに決まってるでしょ…?今から場所変えたら時間かかっちゃうし…それに」



絵里「…今向かっている場所からは、とっても綺麗な花火が見られるんでしょう?」


絵里「私は…海未と、いちばん綺麗な花火が見たいの」


海未「え、絵里…///」ドキッ


絵里「…ね?だから…」


海未「……わ、わかりました…。もう、着きますよ」

30: 2015/09/20(日) 21:51:37.53 ID:dfD7Gzsp.net
ーーーー


海未「ーー降ろしますよ、いったん下駄の上に足を置いてください、ここに座りましょう」


絵里「う、うん…っ」ソロソロ


海未「何とか間に合って良かったですね。…まだ暗いですが、本当に大丈夫ですか?」


絵里「だ、だから何度も平気だって言ってるじゃない…!」プルプル


海未「…」



『さーて、お待たせいたしました!打ち上げまで10秒前!』

『9! 8! 7! ………』



絵里「…っ」プルプル


海未「…あ、あの、絵里///」


絵里「な、なにーー」


ギュ


絵里「はっ…!?///」

31: 2015/09/20(日) 21:52:11.38 ID:dfD7Gzsp.net
海未「…始まります、ね///」ニコ


絵里「そ…そうね…///」ドキドキ



絵里 (海未の手…やっぱり安心する…)


絵里 (まったく…本当、こういうところがーー)



『……3! 2! 1!』



ヒュゥゥゥウウウウウ……



ド-----ンッ





絵里「……………大好き」ボソッ

32: 2015/09/20(日) 21:52:56.74 ID:dfD7Gzsp.net
絵里 (あはは…花火の音に隠すなんて、我ながら卑怯ね)


海未「おぉ…!見事な1発目です!」キラキラ


絵里「ええ…。ここからの花火って、遮るものが何もないから、本当に綺麗に見えるのね…」


海未「そうでしょう?…私、ここからの花火を今、絵里と見ていることが…たまらなく幸せです」


絵里「…私もよ。一時はもう会えないんじゃないかと思ったけど…だからこそ、かしら」


海未「そうかも、しれませんね。……あ、あの、絵里っ///」


絵里「…なぁに?」


海未「………いえ、…何でも、ないです」ニコッ


絵里「何よ…変な海未」クスッ

33: 2015/09/20(日) 21:53:42.11 ID:dfD7Gzsp.net
ヒュゥゥゥウウウ ド---ン  ヒュゥウウウ

ド----ン  パチパチパチ…



絵里「…見事ね…」


海未「ええ、そうですね…」



海未「た~まや~っ!」

絵里「は~らしょ~っ!」



海未「…なんですか、それ」クスクス


絵里「ふふっ、ロシア式よ」


海未「その言い方は、きっとロシアでも絵里しかしませんよ」


絵里「そうかしら?」


海未「そうですよ」



うみえり「「…うふふっ♪」」





海未 (きっと…今は言わないほうが幸せ、なのかもしれません)


絵里 (この想いがーーあなたに聞こえませんように)

34: 2015/09/20(日) 21:54:18.55 ID:dfD7Gzsp.net
【夏祭り編 完】

55: 2015/09/22(火) 22:22:47.18 ID:rv7hAyz5.net
ーー8月30日


海未「もう8月も終わりですね…」


絵里「そういえば…そうね。まだこんなに暑いのに」


海未「ふふ、この1ヶ月もあっという間でしたね」


絵里「温泉旅行から始まって、夏祭りにお泊まり会に…それぞれバイトやお稽古に明け暮れて…」


海未「少し夏休みを満喫しすぎているでしょうか?まだ1ヶ月も残っているのに遊び尽くした感じがします」


絵里「何言ってるのよ~。9月だって遊ぶわよ☆」


絵里「芸術の秋っていうから美術館でもいいし、食欲の秋ともいうからぶどう狩りとかも楽しそうよね…………あ」

56: 2015/09/22(火) 22:24:01.94 ID:rv7hAyz5.net
海未「…どうしました?」


絵里「9月の予定なんて考えてる場合じゃなかったわ…」


絵里「約束がもうひとつあったじゃない、海よ!」


海未「…?わ、私がどうかしたというのですか?」


絵里「違うわよ!あなたじゃなくて、海!泳ぎに行くの!」


海未「泳ぎにって…この時期に、ですか!?」


絵里「まだ暑いからいいでしょう?せっかく水着も買ったんだもの♪」


海未「それならそれでいいですけど…私は泳ぎませんからね?」


絵里「えぇ~なんでよ~。海未の水着も買ってあげたのに…」


海未「なんでって、水着を着たくないからですよ………って、買ったんですか!?」

57: 2015/09/22(火) 22:27:49.09 ID:rv7hAyz5.net
絵里「うん…海未のまで勝手に買うつもりはなかったんだけどね、海未に似合いそうだなって思ったら衝動買いしちゃったのよ。ちょっと待っててね……」ゴソゴソ


絵里「…これよ!」バッ


海未「えっ…」


海未 (か、可愛い…///)


絵里「ふふっ、今ちょっと着てみたいとか思ったでしょう?」


海未「なっ…///わ、私は水着なんて着ませんからね…!?」


絵里「強情ね…。何がそんなに嫌なのよ」


海未「だ、だって…恥ずかしいじゃないですか、ただでさえ露出が多いのに…」


海未「その…絵里と並んで歩くなんて…///」チラ


絵里「…ふ~ん、なるほどね」クスッ

58: 2015/09/22(火) 22:29:44.01 ID:rv7hAyz5.net
絵里「海未もそういうコト、気にするんだぁ~、かぁわいい♡」ツンツン


海未「や、やめてください…っ///」


絵里「ふふ、でもそんなの心配することないわよ。海未だって細いし美人だし…」


海未「絵里に言われても説得力ないですよ…」ハァ


絵里「私もそこまでスタイルに自信があるわけではないわよ…?」


絵里「まあ、私が勝手に買ってきちゃっただけだし、無理にとは言わないけど…海に行くの自体も、嫌?」


海未「いや、それは…行きたい、ですけど…」


絵里「っふふ、素直でよろしい♪」ナデナデ


海未「…」プク-

59: 2015/09/22(火) 22:31:28.66 ID:rv7hAyz5.net
絵里「それなら、さっそく明日行きましょう?朝早くに出発するから、日焼け止めとかちゃんと準備しておくのよ」


海未「明日ですか?急ですね…」


絵里「しょうがないじゃない、9月まで泳げるところってなかなかないんだもの」


海未「あ、確かにそうですね。クラゲが出るっていいますから…」


絵里「そうそう。ってことで、明日は6時に起こしてね」ニコッ


海未「いい加減ひとりで起きれるようになってくださいよ…」ハァ


絵里「とか言って、結局ちゃんと起こしてくれるのよね~。さっすが海未、頼りになるわ♪」ポンポン


海未「も、もう、またそうやって…」

60: 2015/09/22(火) 22:42:13.59 ID:rv7hAyz5.net
海未 (…相変わらず、私は絵里に甘いみたいです…)


海未 (ーー水着…どうしましょうか)


海未 (でもなんだかんだ、私の好みでもあるんですよね…)


海未 (胸元を強調しすぎないボリューム感のあるフリル、それでいて過激でないシンプルなデザイン…)


海未 (まったく…)


海未 (…やはり私は、絵里には当分敵いそうにありませんね)クスッ



海未 (なんだか、明日が楽しみになってきました…♪)ワクワク

68: 2015/09/25(金) 21:06:15.96 ID:bNpKesEa.net
ーー8月31日


ブゥゥゥン…


海未「…てっきり電車で行くものだと思っていたのですが…」


海未「ドライブなんて、新鮮ですね…!」キラキラ


絵里「まあ、ペーパーじゃあ意味もないしね。去年は私が車校に行ってたせいで全然遊べなかったから、その埋め合わせのつもりよ」


絵里「レンタカーで遠出、学生のうちに1回はやってみたかったのよね~。あ、長距離運転するのは初めてだから、少し時間がかかると思うわ」


海未「はい、それはもちろん構いませんっ!安全運転は大事ですからね!うわぁ…この辺初めて来ました…!」キャッキャッ

69: 2015/09/25(金) 21:09:52.54 ID:bNpKesEa.net
絵里「海未ったら、今日はやけにテンション高いじゃない」クスッ


海未「ふぇ!?」ピク


海未「い、いいじゃないですか、昨日から結構楽しみにしてたんですから…」ボソボソ


絵里「ふふっ、それはよかったわ♪」


海未「…運転に集中してください」


絵里「はいはい」クスクス



絵里 (!おっと…。ほんとに集中しないとね)

70: 2015/09/25(金) 21:12:04.98 ID:bNpKesEa.net
海未 (はぁ…それにしても…)


海未 (ふふ、運転している絵里も、なかなか新鮮ですね…♪)


海未 (本当に集中しているみたいです…。こんな真剣な眼差し…普段はあまり見られませんから貴重ーー)


海未 (…………え?ど、どうしましょう…なんだかドキドキしてきました…///)バクバク


絵里「ちょ、ちょっと…これでも緊張してるんだから、あんまりじーっと見ないでよ…。やりにくいわ」


海未「はわっ!?す、すみませんもう見ません…っ///」アセアセ


絵里「私の運転が心配なのはわかるけど…大丈夫よ、安心して寝てなさい?」


海未「…え?心配…寝て…え?」


絵里「ふふ、私の目は誤魔化せないわよ。昨日の夜、寝れなかったんでしょう?」


海未「ななな、なんでそれを…」


絵里「だって、夜中ずぅーっとブツブツ何か言ってたでしょう?今日を楽しみにしてくれたのよね?」ニコッ


海未「!?///」カァアア

71: 2015/09/25(金) 21:12:54.44 ID:bNpKesEa.net
海未「も、もう寝ますっ///」プイ


絵里「クスクス♪」


海未 (ああ…神様、ひどいです…。どうしてこうタイミング良く赤信号なのですか…)



ブゥウウン…


海未 (………今頃発進したって遅いですよ…)


海未 (ああ、でも…)


海未 (いい感じに揺れて…心地よい、です…ね……)



海未「…」ス-ス-

72: 2015/09/25(金) 21:14:13.69 ID:bNpKesEa.net
絵里「ーー海未、もう寝ちゃった?」


海未「すぅ…すぅ…」zzz


絵里「ふふっ、早いわね~。実はよっぽど眠かったんじゃないかしら」


絵里「…可愛い。私、海未の寝顔、好きよ」ナデナデ



絵里 (そういえば、車校以来、誰かを乗せて運転したのも、今日が初めてね)


絵里 (私が就職して車を買ったら…最初に乗せるのも、海未がいいなぁ…)


絵里「……なーんて、ね」ボソッ


絵里 (…)


絵里 (………就職、か…)



プップ-ッ!



絵里「…はっ!?信号、青になってた!?」

77: 2015/09/26(土) 15:14:46.43 ID:Pz72ZqvJ.net



絵里「はぁーっ!やっと着いたわ!」ノビ-


絵里「海未、着いたわよ、起きて」ユサユサ


海未「…?」パチ


海未「えりぃ…?」


絵里「うん、おはよう」ニコッ


海未「…」ボ-


海未「…」プイッ


海未「…」zzz



絵里「もう…途中で起こしたときの寝起きの悪さは相変わらずね」

78: 2015/09/26(土) 15:16:34.40 ID:Pz72ZqvJ.net
絵里 (このまま眺めていたいっていうのが本音だけど、それをするといつになるかわからないわね)


絵里 (かと言って無理やり起こすのは可哀想だし…)


絵里 (……そうだ!)



絵里「海未~?起きないの~?」ユサユサ


海未「…ん……」


絵里「……起きないと…穂乃果に写メ送っちゃうわよ…?」


海未「…やぁ……れす…」


絵里「ほーら、だったら起きて、ね?」ユサユサ


海未「…」zzz

80: 2015/09/26(土) 15:20:18.34 ID:Pz72ZqvJ.net
絵里「はぁ…」


絵里「…本当に撮っちゃうわよ?」


海未「…」zzz


絵里「それじゃ、遠慮なく…♪」


パシャ


海未「…はっ」パチ


絵里「ふふっ、上手く撮れーー」


海未「な、何を撮ったのですか!?対象によっては今すぐ削除してください!」ガバッ


絵里「海未の可愛い寝顔だけど…ダメよ、これ穂乃果に送るんだから♪」


海未「そんな…ひどいです…!」


絵里「私は言ったわよ?起きないと写メ送るって」ニヤ


海未「うぅ…そういえばそんな声が聞こえたような…」

81: 2015/09/26(土) 15:21:07.57 ID:Pz72ZqvJ.net
海未「お、お願いします…削除してください…っ」ウルウル


絵里「うーん、どうしよっかなぁ~♪」ニコニコ


海未「絵里ぃ~!」ウルウル


絵里「ふふ、冗談よ。送信はしないわ。もともと、海未を起こすためにやっただけだもの」


海未「本当ですか…?」


絵里「ええ、本当よ」


海未「ホッ…」


海未「…」


海未「…?」


海未「…………絵里」

82: 2015/09/26(土) 15:21:59.32 ID:Pz72ZqvJ.net
絵里「ん?なぁに?」


海未「…送信『は』しないって…どういうことです?まさか削除はしていないと…!」


絵里「してないけど…」


海未「ダメですよ!今すぐ!今すぐ削除してくださいっ!そうじゃないと意味がないではないですか…!」


絵里「えぇ…?せっかく可愛く撮れたのに…」


海未「そういう問題では…!」


絵里「……じゃーんけーん…」


海未「えっ」


絵里「…ぽんっ」


【絵里: チョキ 海未: パー】

83: 2015/09/26(土) 15:23:19.81 ID:Pz72ZqvJ.net
絵里「私の勝ちだから、削除は無しね」フフッ


海未「い、いきなりは卑怯じゃないですか…!」


絵里「じゃあもう1回やる?」


海未「…」


海未「…絶対に他の人に見せたりしませんか?」


絵里「それはもちろん♪」


海未「絶対の絶対の絶対、ですか?」ズイッ


絵里「ええ、約束するわ」


海未「…なら、いいです」ハァ

84: 2015/09/26(土) 15:29:32.14 ID:Pz72ZqvJ.net
海未「ーーあ、あの…絵里」


絵里「ん?」


海未「……お、おはよう、ございます…」


絵里「ふふ、おはよう」




絵里 (…言われなくても、誰にも見せないわよ)


絵里 (ーー海未の無防備な姿は…今くらい、私だけが独占していたいもの)




絵里「それじゃあ早速…行きましょうか」


海未「…はいっ!最高の海日和ですね!」ニコッ

90: 2015/09/27(日) 14:20:47.86 ID:NTXLZ74I.net
海未ちゃんの寝顔は芸術
no title

101: 2015/10/06(火) 17:37:27.16 ID:8lbZZGGS.net
指を骨折してしまいなかなか書く時間が取れませんが、夏物なので10月には頑張って終わらせます

103: 2015/10/06(火) 17:44:21.11 ID:8lbZZGGS.net
絵里「えーと…更衣室はあっちね」


海未「はい、そうみたいですね!」


トテトテ…


海未「絵里、絵里、ゴムボートが借りられるみたいですよ!」


絵里「あら、本当ね。私は乗ったことないのだけれど…海未は、乗ったことあるの?」


海未「いえ、私もないですけど…せっかくですし、借りてみましょうよ!」


絵里「ええ、もちろん♪」


絵里「…それにしても、海未ったら随分乗り気ね。昨日は散々水着なんて着ませんっ!って言ってたのに」クスクス


海未「き、気が変わったんです!せっかくの海なのですから、楽しまなくてはもったいないですからね」


絵里「ふふ、それはよかったわ。それじゃ早速、着替えましょうか」


海未「はい、そうしましょう!」

104: 2015/10/06(火) 17:48:40.21 ID:8lbZZGGS.net
ーー30分後


海未 (……とは言ったものの…やっぱり恥ずかしいです…///)


海未 (そもそも私がこんなに可愛らしい水着なんか着ていいのでしょうか…)


海未 (見た限り綺麗な女性も多かったですし、何より絵里が……)


絵里「海未ぃ~、もうさすがに着替え終わってるでしょ~?」


海未「ひええ!?え、絵里!?」ビクッ


絵里「な、何をそんなに驚いてるのよ…。それより、準備できた?」


海未「ま、まだです…っ。その、心のじゅん」


絵里「開けるわよ」


海未「だ、ダメです、ま、待って、絵里ーー」


絵里「そのくだりは浴衣のときに十分やったでしょーー」



うみえり「「ぁ……///」」ドキッ

105: 2015/10/06(火) 17:50:40.04 ID:8lbZZGGS.net
絵里「ハラショー…///」


海未「あの…そ、そんなにじーっと見ないでください…っ///」


絵里「し、仕方ないじゃない…。予想してたよりずっと似合ってて…可愛いんだから…///」


海未「嘘です…っ!そう言う絵里こそ綺麗で、スタイル抜群で、色気もあって…私なんか見劣りするにーー」


絵里「もう…またそんなこと言って…」


絵里「そんな子には……こうよっ!」ガシッ


海未「…へ?」


絵里「ふふっ、弱いのはこの辺かしら…♪」コショコショ


海未「や…えり、やめ、ひゃあっ、あはは、やめれ、くらさい…っ」バタバタ


海未「も、もう、いいまひぇんからあ…っ」


絵里「…わかればよろしい♪」パッ

107: 2015/10/06(火) 17:57:52.63 ID:8lbZZGGS.net
海未「はぁ…、はぁ…」グッタリ


絵里「あのね、海未が思ってるより、その水着似合ってるし、とても綺麗よ?そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」


海未「そ、そんなこと言われても…」


絵里「まあ…ほら、何だっけ、海未がμ'sやってた頃にやってた……」


絵里「ラブアローシュートぉ!♡」バァン!


絵里「…だっけ?あれより恥ずかしいことなんてなーー」


海未「ああああああああ!!わざわざ再現しなくていいですっっ!!///」


絵里「あれも可愛いかったけどね~♪」ニコニコ


海未「くぅ…///」


海未「も、もういいですよっ!海に入ってしまえば関係ないですからね!行きますよ!」スタスタ


絵里「はいはい♪」フフッ

110: 2015/10/06(火) 19:34:09.65 ID:8lbZZGGS.net
絵里「はぁ~、それにしても…」


海未「日差しが…すごいですね…」


絵里「これは日焼け止め、念入りに塗らなきゃね」ヌリヌリ


海未「あ、絵里、私にも貸してください」


絵里「いいわよ、どうぞ」


海未「ありがとうございます」


絵里「塗り残しの無いようにね。せっかく色白なんだから、しっかりケアしなきゃ」ヌリヌリ


海未「それはこっちの台詞です。…あっ、でも絵里は焼けても似合うかもしれませんね」ヌリヌリ


絵里「うーん…サンオイルもいいけど、この時期に焼けるのもね…」アハハ


海未「ふふ、それもそうですね。ーーえぇ…と…こんなものでしょうか、終わりまし…」


絵里「……まだでしょう?ほら、後ろ向いて」

112: 2015/10/07(水) 09:13:28.30 ID:yVXQtVAh.net
海未「え?」


絵里「塗り残しが無いようにって言ったそばから塗り残しよ。背中はひとりじゃ塗れないだろうから、塗ってあげるわ」


海未「あ、ありがとうございます、すっかり忘れていまし……ひゃっ!?///」ビク


海未「あ、あの、絵里、く、くすぐったいのですが…っ」


絵里「ふふ、温泉旅行を思い出すでしょう?」サワサワ


海未「なっ…///普通に塗ってください!絶対力加減おかしいですよね…!?」


絵里「そう?丁寧に塗ってるの間違いじゃないかしら」サワサワ


海未「それなら雑で結構です…!というかいつまで塗ってるんですかぁ…///」


絵里「海未の反応が面白いからつい、ね♪」サワサワ


海未「ひぇ…そ、しょんなのひろいれすぅ~///」


絵里「…でもまあ、このくらいにしておきましょうか」フフッ

113: 2015/10/07(水) 09:56:10.69 ID:yVXQtVAh.net
海未「はぁ…、ようやく解放されました…」ゼエゼエ


絵里「クスクス♪ まあ、これで完璧に塗れたわよ」


海未「そうですか…ありがとうございます。ではーー」


海未「次は絵里の番、ですね」ニコッ


絵里「えっ」

114: 2015/10/07(水) 09:57:07.14 ID:yVXQtVAh.net
海未「さあ、後ろを向いてください、絵里」


絵里「わ、私はいいわよ…」


海未「何を言っているのです。絵里だって色白なのですから、しっかりケアをしなければいけませんよ?」ガシ


絵里「ひっ…」


絵里 (ああバカ…。普通に考えたらこうなることくらいわかるじゃない…!先に私が海未に塗ってもらっておくべきだったわ…)


海未「では、塗りますね」


絵里「い、いや…」


ピト


絵里「ひゃああっ…………って…あら?」

115: 2015/10/07(水) 13:53:15.41 ID:yVXQtVAh.net
絵里「な、なんだ…普通に塗るんじゃない…」


海未「普通ではいけませんか?」ヌリヌリ


絵里「いや、そんなことはないけど…てっきり仕返しをしてくるものだと思ったから…」


海未「そんな…嫌ですよ。気づいていませんでしたか?先ほどまでの流れ、全部周りの人たちに見られていたんですよ?」


絵里「へ…?」


海未「絵里は後輩に無理やり破廉恥な行為を行う変態に見えたことでしょうけれど…」


絵里「ふぇえ…///」


海未「そんなふうには見られたくありません、私」


絵里「う、嘘でしょ…!?///」




海未「…ええ、嘘です」

116: 2015/10/07(水) 13:54:38.96 ID:yVXQtVAh.net
絵里「もう嫌ぁ…なんで教えてくれなかったのよ………って、嘘!?」


海未「くくっ…可愛かったですよ、絵里の慌てよう」クスクス


絵里「わ、笑わないでよ…!」


絵里「もう…こんなので時間食っちゃったわ…」ハァ


海未「ふふ、そうですね。そろそろ遊びますか♪」


絵里「賛成♪ ーーそれじゃあ…波打ち際まで競争よ!」ダッ


海未「ああっ、フライングはずるいですよー!」タタッ


絵里「遅いわよー!こっちこっちー!」


海未「待ってください、絵里ぃ~!」

127: 2015/10/14(水) 15:51:54.36 ID:0QNiNXpw.net
絵里「いぇ~い!いっちばーん☆」


海未「もう…いきなり走り出すなんて卑怯で……きゃっ!?冷た…!」


絵里「海未、動きが鈍くなったんじゃない?ほらほらっ♪」バシャバシャ


海未「なっ…!そっちがその気なら、私だって…それっ!」バシャッ


絵里「きゃっ!やったわね~?」


海未「ふふっ、私を侮ってはいけませんよ♪ 絵里、こっちです!」


絵里「ちょっと海未待ってーっ!ひゃっ、波がーー」


キャッキャッ
ウフフッ


………

128: 2015/10/14(水) 16:25:47.97 ID:0MDAb8dm.net



海未「はぁ~、こんなにはしゃいだのは久しぶりです」


絵里「結構遊んじゃったわね~。ボートを返したら、ひとまず休憩にしましょ?カキ氷でも食べて」


海未「カキ氷ですか…いいですね。では、ボートは私が返してきます」


絵里「ありがと。……あ、そうだ。ちょっと待っててね」タタッ


海未「?」

129: 2015/10/14(水) 16:43:16.65 ID:0MDAb8dm.net
絵里「ーーはい、お待たせ」パサッ


海未「こ、これは…」


絵里「何か羽織っておかないと、自分から誘惑してるみたいよ?誰に狙われるかわからないし…ただでさえ魅力的なんだから」


海未「え、絵里…!///」


絵里「私はカキ氷買ってくるわ。シロップは何がいい?」


海未「……絵里と同じもの…で」


絵里「ふふ、りょーかい♪」


絵里「それじゃ、私はテーブル席のほうで待ってるから。…やっぱり一緒に行く?襲われちゃうかもしれないし…」


海未「絵里は過保護すぎます…!ほぼ隣ですよ?ほんの少しの距離なのですから、大丈夫ですよ」


海未「……え、絵里こそかなりの美人さんなのですから…気をつけてくださいね///」スタスタ



絵里「…」


絵里「………海未って、いっつもズルいわよね」

130: 2015/10/14(水) 16:57:40.21 ID:HXke0v8j.net
海未「ーーボート、ありがとうございました」


「はい、どうも~」


海未 (意外にもボートを借りる方が多くて遅くなってしまいました…。早く戻らなければ)



「ーーねえねえキミぃ」



海未「…」スタスタ


「お~い、キミだよキミ。黒髪の美人さん♪」ポンッ


海未「…っ!?」ビクッ


男1「はいはい、こっちこっち~」グイグイ


海未「な、なんですか、あなたたち…!」

131: 2015/10/14(水) 17:02:10.21 ID:HXke0v8j.net
男1「いやぁ、可愛い子見つけたから声かけただけよ。そんな怯えんなって」


男2「キミ1人?俺たちボート借りたんだけどさぁ、一緒に乗らない?」


海未「い、いや、あの…私、今ボートを返したところで…」


海未「というか連れが待ってますので…急ぐので、すみませーー」


男1「連れ?それ男?」


海未「いえ、その…」


男2「そんな男なんかほっといて俺たちと遊ぼうよ~。あ、でも女の子だったら大歓迎だよ?」


男1「おお、それいいじゃん。…で、どっちだよ?男?女?」ガシッ


海未「どっちでもいいではありませんか!私はあなたたちと遊ぶ気はありません!」


男2「…まあ、確かにどっちでもいいかもね。ボートが乗り飽きたなら…別のアソビ、でもいいし」


海未「別の…あそ、び…」

132: 2015/10/14(水) 17:06:37.82 ID:HXke0v8j.net
男1「おっ、いいじゃん。胸はまあ…アレだけど、結構イイ身体してるしなぁ?」


海未「え」


男2「オレは貧乳のほうが好きだけどね~。あっ、ねえねえ、これなんで羽織ってるの?なんか逆にエ いよ?」


海未「や、やめて…っ、もう、いいでしょう…?」


男1「なぁに言ってんだよ、お楽しみはこれからだろ?」


海未「くっ…」


海未 (これでは…絵里に言われた通りではありませんか…)ギリッ

133: 2015/10/14(水) 17:08:43.20 ID:HXke0v8j.net
男2「ねえ、もう脱がせていいよね?」


海未「!?い、いや…」バタバタ


男1「おとなしくしてなって」ガシッ


海未「ぐっ…」


海未 (ダメです…やはり…殿方の力には…っ)


男2「そうそう、最初からそうしてればいいんだよ」ソ-ッ


海未 (いやです…っ、助けて…)ギュッ




「ーーわっ、冷たっ!」パッ




海未「えっ…」

134: 2015/10/14(水) 17:12:36.23 ID:HXke0v8j.net
男1「は!?お前何やって……がはっ、冷たっ!」


海未「あ…」



「あーあ…」



絵里「せっかくのカキ氷…台無しだわ」



海未「え、り…」



絵里「…」ギロッ


男「「ひっ…」」


絵里「…」


絵里「…行きましょう、海未」ギュ


海未「は、はい…」


絵里「ーーそうだ、あなたたちにひとつ言っておくわ」チラ


男1「な、なんだよ…」




絵里「……この子、私のだから。次に手を出したら、容赦しないわよ」

151: 2015/10/16(金) 19:44:09.08 ID:pZxIkNFN.net
絵里「…」スタスタ


海未「…」スタスタ


絵里「………ね、ねえっ」
海未「………あ、あのっ」


うみえり「「あ…」」


うみえり「「……ふふふっ♪」」



海未「絵里…」


絵里「なぁに?」

152: 2015/10/16(金) 19:45:05.19 ID:pZxIkNFN.net
海未「さっきの、冷たい瞳もかっこよくて素敵でしたけど…」


海未「やっぱり、私は笑っている絵里のほうが、好きです」


絵里「な、何よ、いきなり…///」


海未「今思ったから、今言っただけです」


海未「…それより絵里、顔が真っ赤ですよ」クスクス


絵里「ふぇっ!?そ、それは、その…」


絵里「ゆ、夕日のせい…じゃないかしら」


海未「夕日…?ーーああ…」


海未「もうこんな時間、だったんですね」

153: 2015/10/16(金) 19:48:13.03 ID:pZxIkNFN.net
絵里「……楽しい時間は…すぐに過ぎてしまうのね」ポツリ


海未「絵里…」


絵里「あ…ごめんなさい、変なこと言って…」


絵里「…それで?さっき海未が言おうとしてたことって、何かしら」


海未「はっ!そうでした!こんなことを忘れてしまうとは…」


海未「……絵里、ありがとうございました。助けに来てくれて…」


絵里「…え?なぁんだ、そんなこと」


海未「そ、そんなことってなんですか!絵里が来てくれなかったら、私は…」


絵里「だって…知ってるの?私、海未が全然帰ってこないから、心配で、冷静さの欠片も無かったのよ?」


絵里「とにかく焦ってて、海未に何かあったなんて早とちりじゃないのかとか、どうしてカキ氷まで持って外へ飛び出してしまったのかとか、考える余裕もなかったの…」


絵里「男たちを見たときには怒りで我を忘れて…後先なんて何も考えてなかった。たまたま相手が小心者だったから助かったけど、暴力沙汰になったら勝てる保証もないでしょう?」


絵里「…私からしたら、助けたなんてとても言えたものではなかったわ」

154: 2015/10/16(金) 19:49:41.50 ID:pZxIkNFN.net
海未「そんなこと…」


絵里「そ、それにねっ」


絵里「その…冷静さを欠いていたせいで、最後に、変なこと口走っちゃったし…」


海未「変なこと…ですか?」


絵里「ほ、ほら……みは…もの…って…」ゴニョゴニョ


海未「…?すみません、もう一度…」


絵里「うぅ……ああもうっ!」


絵里「勝手に海未は私のものだって言っちゃったでしょ!?だからーー///」


海未「ふぇえっ!?え、絵里、あの2人にそんなことを言ったのですか!?///」


絵里「えっ、聞いてなかったの!?」


海未「だ、だって、あのときは、すごくどきどきしていて…私だって、何も考えられなかったんですよ…!///」


絵里「……はぁ…、もういいわ。とにかく、勝手にそんなことを言ってしまったこと、謝りたかったの」


海未「そ、そう…ですか…」

155: 2015/10/16(金) 19:51:41.37 ID:pZxIkNFN.net
絵里「…///」


海未「…///」


絵里 (この、勢いで…言ってしまいたい…)


絵里「う、み…」


絵里 (言わなきゃ…。言ってしまっても苦しくなるのはわかってるけれど、隠しておくのだって、こんなに苦しい…)


海未「絵里…?」


絵里 (それなのにーー)


絵里「うみ…海を…独り占めしてるみたいよね。この辺、私たちのほかに誰もいなくて…あ、この場合、ふたり占め、かしら…あはは」


海未「…」


絵里 (…それなのに、言えないのは…私が臆病だから)


絵里 (私が本当に独り占めしたいのは……海じゃなくて、海未なのにね)

156: 2015/10/16(金) 19:52:50.08 ID:pZxIkNFN.net
絵里「……Я люблю тебя」


海未「えっ…」


絵里「…なんでもないわ。帰りましょう?もう暗くなっちゃうし…」スタスタ


絵里 (やっぱり私は…逃げるほうを選ぶのね)


海未「…」


絵里「…」スタスタ


海未「…」



海未「………絵里っ」ギュ



絵里「う、海未…!?」



海未「…まだ…まだ、帰りたくないです…」

157: 2015/10/16(金) 19:54:32.25 ID:pZxIkNFN.net
絵里「そ、そんな…困るわよ、暗くなったら…運転も…怖いし…」


絵里 (それに、何より…)


絵里 (このままここで二人きりなんて…苦しくて仕方がない…)



海未「そんなの、ずるいですよ…っ!言い逃げするつもりですか?」


絵里「言い、逃げ…?」


海未「せっかく今まで、この気持ちは胸に止めておこうと努めていたのに…絵里があのようなことを言うから!私、もう、抑えきれません…っ」


絵里「う、み…?何を…」



海未「……Я люблю тебя tooo」



絵里「…!?」



ギュッ……






海未「……絵里。私も…あなたが、好きです」

165: 2015/10/18(日) 13:00:24.02 ID:b1Lqrud3.net
海未「…」


絵里「な…海未、なんで…」


海未「私が第二言語でロシア語を選択しているの、忘れたんですか?簡単な言い回しくらいなら、わかるんですよ」


絵里「あ…」


海未「……絵里。もう一度、聞きたいです。次は、日本語で」


絵里「…」



絵里「………もう…馬鹿…っ」ポロポロ



海未「…」


絵里「海未は大学を卒業したらすぐに家を継いでしまう…。私たちが恋人同士ってことになったら、今よりもっと別れが辛くなる…」


絵里「だからこの気持ちは伝えないで、このままどこか遠くに就職して、海未のことはきっぱり忘れるつもりだった…!そのために車の免許も取ったの!」


絵里「なのに…なのに……っ」



絵里「どんなに臆病でも…どんなに逃げても…自分の気持ちからは、どうしたって逃げられないのね…」ニコッ



海未「絵里…」

166: 2015/10/18(日) 13:02:56.12 ID:b1Lqrud3.net
海未「…私も、同じでしたよ」


海未「別れがわかっているのに気持ちを伝えるのは、どう考えても苦しくて…私も、逃げていました」


海未「でも今、こうして抑えきれなくなってしまったみたいに…"好き"という気持ちに、嘘はつけないんです」


海未「もう、絵里の"妹"では満足できません。さっきは謝られましたけど…私、むしろ絵里のものになりたいんです。そして、絵里も…私のものにしたい」


海未「まだ来てもいない別れを考えても、今は意味がないと思います。そんなことをするくらいならーー」


海未「罰ゲームとか、関係なく…時間切れまで、一緒にいたいんです」



海未「ーーダメ…でしょうか」



絵里「海未…」



絵里「…ふふっ」


絵里「………珍しくよくしゃべるのね、こういうコト」



チュッ…

167: 2015/10/18(日) 13:04:38.98 ID:b1Lqrud3.net
海未「はっ…!?///」


絵里「ふふ♪ やっぱり私、海未の照れた顔、好きだなぁ」


絵里「笑った顔も、困った顔も、キリッとした顔も、可愛い寝顔も、怒った顔でさえも、ね。その黒髪も、海未の作ってくれる炒飯も餃子もボルシチも、全部、大好き」


海未「えり…」



絵里 (…海未の言う通りだと思うわ)


絵里 (逃げても、怯えても…ダメ、よね)



絵里「ーーねえ、海未。日課、やってもいい?」


海未「…いつもは確認なんかしないじゃないですか」クスッ


絵里「……それもそうね」ギュ-ッ

168: 2015/10/18(日) 13:07:21.97 ID:b1Lqrud3.net
絵里「…海未、大好き」


海未「はい」


絵里「この世で一番、大好き」


海未「…はい」


絵里「もう離さない…離したくない…っ!だから……」



ギュッ…



絵里「………離さないで」




海未「…………はい…っ…」ギュッ

169: 2015/10/18(日) 13:08:16.56 ID:b1Lqrud3.net
海未「…絵里…もっと…キス、してください…」


絵里「海未ったら…いつからそんなに大胆になったの?」


海未「大胆…そうでしょうか?でも、もしそうだとしたなら、それはーー」



海未「あなたの…絵里の、せいです」



絵里「もう、まったく…」


チュッ


絵里「…止まらないけど、いい?」


海未「ふふ…もちろん、です」

170: 2015/10/18(日) 13:09:56.08 ID:b1Lqrud3.net
ザ-ッ…… サ-ッ………




絵里「海未…」

海未「絵里…」



ーーーーもっと、もっと。



絵里「うみ…」

海未「えり…」



ーーーー身体中で、呼んで。



うみ……
え、り………





ーーーー溺れていく。

182: 2015/10/19(月) 17:22:37.26 ID:1aI/5sa4.net
チュンチュン(・8・)



絵里「ん…」パチ


絵里「もう、朝…?」ゴシゴシ


絵里「9時、か………あら?」


海未「…」ス-ス-


絵里「こんな時間まで寝てるなんて…珍しいわね」ナデナデ


海未「んにゃ…」


絵里「ぷっ…にゃ、だって。可愛いわねぇ、もう」クスクス


海未「……ん…」パチ


絵里「あっ、ごめん!起こしちゃった…?」


海未「えり…?」ボ-




海未「はっ…!今何時ですか!?」ガバッ

183: 2015/10/19(月) 17:23:44.50 ID:1aI/5sa4.net
絵里「え、えっと…9時、だけど…」


海未「はっ、す、すみません、今すぐ朝食を…!」


絵里「…ちょっと待ちなさい、海未」ガシ


海未「ひゃっ!?」ポフッ


絵里「まだ"夏休み"なんだから、急ぐ必要ないわよ。それに、ここホテルだしーー」


海未「ほほほほほホテル…!?ちょ、待ってください、私たち、まだ、そういうのは…」アワアワ


絵里「海未、落ち着いて。ただのビジネスホテルよ」


海未「ビジ……?あ、ああ、そういえば、そうでしたね…」ホッ


海未「あの後、絵里が暗いから怖くて運転できないと泣き喚いたからーー」


絵里「そ、その話はいいわよっ!///」

184: 2015/10/19(月) 17:26:39.04 ID:1aI/5sa4.net
海未「…はあ」


海未「仕方がありませんね…。近くにコンビニがあったような気がするので、私、朝食を買ってきます。絵里は、やはりおにぎりよりパンがいいですよね」


絵里「う~ん、そうねぇ…」サラサラ


海未「え、絵里…?」ピクッ


絵里「……海未。提案、なんだけど」ズイ


海未「は…はい…っ」


絵里「パンは要らないから……もっと、甘くて美味しいもの…いただいてもいいかしら」


海未「もっと、甘い…?ドーナツとか、パンケーキとか…ですか?」


絵里「……鈍感ね」


ガバッ


海未「…っ!?///」



絵里「私が欲しいのは………海未、あなたよ」

185: 2015/10/19(月) 17:27:50.23 ID:1aI/5sa4.net
絵里「いただいても…いい?」


海未「な、何を考えているのですか!は、破廉恥です!絶対無理です…っ!///」ウルウル


絵里「破廉恥、ね…。海未ちゃんはどんなことを想像したのかしら…?」ニコニコ


海未「ぁ…そ、それは…っ///」プルプル


絵里「…なーんてね、冗談よ♪」クスッ


絵里「私だって、無理やり食べたりしないわ。海未がいいって言うまで、待つから」


絵里「……まだ、時間はたっぷりあるもの」


海未「えり…」




絵里「だから今は、これで我慢するわ」チュッ


海未 (…は?///)

186: 2015/10/19(月) 17:29:26.13 ID:1aI/5sa4.net
海未「んむ……な、何するんですか!///」


絵里「キスなら昨日、散々やったのに、今さら恥ずかしがることもないじゃない。私たち、恋人同士なんだし♡」


海未「そ、それはそう、ですけど…///」


絵里「…ふふっ、私たち…恋人同士なのね」


海未「今でも信じられません…。私たちは、いつからお互いに惹かれていたのでしょう」


絵里「私は…わからないけどたぶん、ルームシェアを始める前からだと思う。じゃなきゃ、海未を部屋に誘ったりしないもの」


海未「…私も案外そうかもしれません。今思えば、大学の合格、穂乃果やことりよりも先に絵里に話したんですよね」


絵里「えっ…それは初耳よ」


海未「私自身、あのときは本当に気が動転していて…気がついたら絵里に電話を…という感じでした」


海未「いえ、その前に…絵里と同じ大学を目指してした時点で、もう惹かれていたのかもしれませんね」

187: 2015/10/19(月) 17:30:56.79 ID:1aI/5sa4.net
絵里「なんだかそう考えると…遅いわね、私たち」


海未「まあ、いいじゃないですか。私は"片想い"も楽しかったですよ」


絵里「そうね。今まで"片想い"だった分の埋め合わせは、これからじっくりとしていけばいいわ」


海未「はい…そうですね」


絵里「ーーさて、そろそろ出発する準備をしましょう?レンタカーの追加料金が増えちゃうわ」


海未「はっ、それは大変です!顔を洗って、歯を磨いて…あわわ…」


絵里「そんなに急がなくていいわよ。元はと言えば、ここに泊まったのも私のワガママなんだから」


海未「で、ですけど…」アワワ



絵里 (そう…ゆっくりでいいの。終わりなんか見ようとしないで…)

188: 2015/10/19(月) 17:32:27.45 ID:1aI/5sa4.net
絵里「うーみっ♪」ダキッ


海未「ふえっ!?なんですか!?」


絵里「…なんでもない」フフッ


絵里「なんだか幸せだなぁ~と思って、ね」


海未「…ずるいですよ、それは私の台詞でもあるんですからね」ギュ


絵里「もう…可愛いこと言うんだから♡」ギュ-ッ



絵里 (今日から9月…季節的には秋ということになるけれど)


絵里 (冬が来ても、来年の春になっても、また暑い夏がやって来ても…)


絵里 (できる限り、こうやって、一緒にいれたらいいな)

189: 2015/10/19(月) 17:33:53.42 ID:1aI/5sa4.net
絵里「……ねえ、海未」


絵里「私のあなたへの愛は、冬になっても真夏の暑さよりずっと熱いけど…しっかり耐えるのよ?」


海未「ふふ、何ですかそれ。望むところですよ」



海未「…絵里」

絵里「…海未」



ーーーーこれからも、ずっと…



「大好き」




Fin.

190: 2015/10/19(月) 17:34:35.92 ID:1aI/5sa4.net
一応これで全編完となります。
正直こんなに長く続くとは思わなかったので、ところどころ設定にブレがあると思いますが、大目に見ていただけると助かります。
最終編ではどうにかストラバを文章化してみたかったのですが力不足で中途半端に…。
最後に、夏物をこんなに長引かせてしまってすみません。保守、コメント、ネタ出しと、ここまで付き合ってくださった皆さん、本当にありがとうございました!

193: 2015/10/19(月) 17:41:42.13 ID:ICo8wFcS.net
完結してくれてありがとう
最高のえりうみだった!!

195: 2015/10/19(月) 20:19:41.98 ID:+oUiiJLl0.net
ハラショー! 圧倒的ハラショー!

197: 2015/10/19(月) 21:48:55.36 ID:Ta68vkWZ0.net
お疲れ様でした
幸せな時間をありがとう

202: 2015/10/20(火) 08:23:07.66 ID:tPxuZN3Qd.net
お疲れ様でした!
最高のえりうみでした

210: 2015/10/21(水) 20:47:05.27 ID:tpvnb2JQ0.net
おつおつ
えりうみは最高だわ

211: 2015/10/21(水) 22:31:27.04 ID:1Dw857CQ0.net
夏から良くここまで...乙

212: 2015/10/21(水) 22:45:45.09 ID:R8hLFvry0.net
えりうみ良いわ‥ホントに乙!

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1442752686/

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1434463743/

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