3: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:10:13.10 ID:Jh/J5Sws
こちらの続きとなっています。一応見なくても楽しめるようになってますが、読むとより楽しめると思います。
副会長 「せつ菜ちゃん!」 菜々 「会長、です」
副会長 「せつ菜ちゃん!」 菜々 「会長、です」
【SS】副会長 「せつ菜ちゃん!」 菜々 「会長、です」【ラブライブ!虹ヶ咲】
菜々 (『大好き』に支えられてきた私が、『大好き』を隠すのは違う。そう決意して、公の場で正体をバラしたあの日から……)
菜々 (もちろん後悔はないですし、むしろ清々しい気持ちですが……少なからず悩ましいことも存在してて)
副会長 「せつ菜ちゃん!」 キラキラ
菜々 「あはは……」
書記1 「あのぉ……仕事が進んでないのですが……」
5: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:10:57.54 ID:Jh/J5Sws
菜々 (紆余曲折を経て、優木せつ菜の正体をバラしてしまったあの日から……)
菜々 (もちろん後悔はないですし、むしろ清々しい気持ちではあるものの……悩ましいこともやっぱり存在してて)
菜々 「副会長。この書類をお願いします」
副会長 「……」 カタカタ
菜々 「副会長?」
菜々 (もちろん後悔はないですし、むしろ清々しい気持ちではあるものの……悩ましいこともやっぱり存在してて)
菜々 「副会長。この書類をお願いします」
副会長 「……」 カタカタ
菜々 「副会長?」
6: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:12:17.07 ID:Jh/J5Sws
書記1 「集中しすぎて聞こえてないみたいですね」
書記2 「? 今パソコンを使う手続きはないはずですが……」
菜々 (はて……) チラッ
【優木せつ菜ファンクラブを正式に同好会発足へ持っていくための会議について】
菜々 「副会長!? 何してるんですか!?」
副会長 「へっ!? 会長!?」
書記2 「? 今パソコンを使う手続きはないはずですが……」
菜々 (はて……) チラッ
【優木せつ菜ファンクラブを正式に同好会発足へ持っていくための会議について】
菜々 「副会長!? 何してるんですか!?」
副会長 「へっ!? 会長!?」
7: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:13:12.90 ID:Jh/J5Sws
菜々 「こ、これは……! 私のファンクラブがあるのは知ってましたが、それを同好会発足へ持っていくとは一体……!」 プルプル
副会長 「……なにを言ってるんですか?」 カタカタ
菜々 「な、なにって!」
副会長 「見てくださいよ、会長!」 カタカタ
【中須かすみのホームページ】
菜々 「えっ?」
副会長 「……なにを言ってるんですか?」 カタカタ
菜々 「な、なにって!」
副会長 「見てくださいよ、会長!」 カタカタ
【中須かすみのホームページ】
菜々 「えっ?」
8: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:14:19.90 ID:Jh/J5Sws
副会長 「かすみさんのファンメイドのホームページです。このホームページは容量が少なく開く時間がとても早いことで有名なんですよ?」
菜々 「……なぜ今それを?」
副会長 「パソコンの反応が遅かったので、ネット回線が遅いのか、パソコン自体の問題なのかを調べていたんです。このホームページを開くのにすら時間がかかったら、回線の問題ではないと分かりますから」
書記2 「まるで阿部寛さんのホームページみたいな……」
書記1 「中須かすみ、阿部寛さん説?」
菜々 「……なぜ今それを?」
副会長 「パソコンの反応が遅かったので、ネット回線が遅いのか、パソコン自体の問題なのかを調べていたんです。このホームページを開くのにすら時間がかかったら、回線の問題ではないと分かりますから」
書記2 「まるで阿部寛さんのホームページみたいな……」
書記1 「中須かすみ、阿部寛さん説?」
9: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:16:46.08 ID:Jh/J5Sws
菜々 「……ですが先ほどはこんな画面ではなかった気が」
副会長 「気のせいですよ、会長。では、仕事を再開しますので!」
書記2 「副会長」
副会長 「! なんです」
書記2 「嘘はいけません。仮に嘘じゃないなら、改めて会長の目を見て言ってください」
副会長 「っ、分かりました」
菜々 「……こほんっ。では聞きますね。今あなたが見ていた画面にはどのようなことが書いてましたか?」
副会長 「それはもちろん中須かすみさんのプロフィール……」
副会長 「気のせいですよ、会長。では、仕事を再開しますので!」
書記2 「副会長」
副会長 「! なんです」
書記2 「嘘はいけません。仮に嘘じゃないなら、改めて会長の目を見て言ってください」
副会長 「っ、分かりました」
菜々 「……こほんっ。では聞きますね。今あなたが見ていた画面にはどのようなことが書いてましたか?」
副会長 「それはもちろん中須かすみさんのプロフィール……」
10: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:17:51.89 ID:Jh/J5Sws
菜々 「……」 ジッー
副会長 「……!」
副会長 (やばい。せつ菜ちゃんに見られてると思うと胸がドキドキして……) ドキドキ
副会長 (しかもしょうもない嘘とはいえ、会長とせつ菜ちゃん二人の大好きな人を騙すと思うと罪悪感が……) ドキドキ
副会長 「ごめんなさい、会長……! 嘘つきましたっっ!」 ポロポロ
書記1 「折れるの早いなぁ」
副会長 「……!」
副会長 (やばい。せつ菜ちゃんに見られてると思うと胸がドキドキして……) ドキドキ
副会長 (しかもしょうもない嘘とはいえ、会長とせつ菜ちゃん二人の大好きな人を騙すと思うと罪悪感が……) ドキドキ
副会長 「ごめんなさい、会長……! 嘘つきましたっっ!」 ポロポロ
書記1 「折れるの早いなぁ」
12: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:19:16.88 ID:Jh/J5Sws
菜々 「……もう、嘘はいけませんよ?」
副会長 「はいっ……!!!!」 ポロポロ
菜々 (このように、副会長が私のファンであることを全く生徒会でも隠さなくなったことが私の最近の悩みです……)
菜々 「それで、いったい同好会発足とはどういうことなんです」
副会長 「こ、これはですね……せつ菜ちゃんファンクラブというものがあるのですが」
菜々 「はい」
副会長 「はいっ……!!!!」 ポロポロ
菜々 (このように、副会長が私のファンであることを全く生徒会でも隠さなくなったことが私の最近の悩みです……)
菜々 「それで、いったい同好会発足とはどういうことなんです」
副会長 「こ、これはですね……せつ菜ちゃんファンクラブというものがあるのですが」
菜々 「はい」
13: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:20:11.61 ID:Jh/J5Sws
副会長 「そのファンクラブに入ってるメンバーの中で、虹ヶ咲学園の生徒だけを集めて一緒に同好会を設立しようという話になりまして……」
菜々 「ん?」
副会長 「今パソコンを触っていたのは、サイトにて集合時間を連絡するためでした。今から一時間後に視聴覚室にて会議を行うと連絡しています」
菜々 「そ、そんな……困りますよ! 私の同好会なんて……。定期的に生徒会長として部室を巡回・見学していますが、なんです? ファンたちがいる部室に見に行けと!?」
副会長 「嫌なんですか?」
菜々 「ん?」
副会長 「今パソコンを触っていたのは、サイトにて集合時間を連絡するためでした。今から一時間後に視聴覚室にて会議を行うと連絡しています」
菜々 「そ、そんな……困りますよ! 私の同好会なんて……。定期的に生徒会長として部室を巡回・見学していますが、なんです? ファンたちがいる部室に見に行けと!?」
副会長 「嫌なんですか?」
14: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:21:05.97 ID:Jh/J5Sws
菜々 「そんなわけありません!! で、でも、嬉しいは嬉しいですけど、グッズもたくさん壁に並べられてるだろうし、流石に恥ずかしすぎるというか……///」 モジモジ
副会長 「恥ずかしがるせつ菜ちゃんもGood job!」
菜々 「いい加減にしてください!!///」
書記1 「その同好会発足のための会議は今のところ何回してるの?」
副会長 「実は今日が初めてで……そもそもファンクラブメンバー同士もそこまで顔を合わせてないというか……」
副会長 「恥ずかしがるせつ菜ちゃんもGood job!」
菜々 「いい加減にしてください!!///」
書記1 「その同好会発足のための会議は今のところ何回してるの?」
副会長 「実は今日が初めてで……そもそもファンクラブメンバー同士もそこまで顔を合わせてないというか……」
15: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:26:37.90 ID:Jh/J5Sws
書記1 「じゃあ初顔合わせ?」
副会長 「はい。でもせつ菜ちゃんのファンに悪い人はいません!! だから会えるのがすごく楽しみなんです」
書記2 「……会長。やはりこの同好会は」
菜々 「……ええ、発足は認められないでしょうね。いくら多様な文化のある虹ヶ咲学園でも、流石に一個人へのファンクラブが同好会になるのはちょっと」
副会長 「そんな!?」
菜々 「申し訳ありませんが」
副会長 「はい。でもせつ菜ちゃんのファンに悪い人はいません!! だから会えるのがすごく楽しみなんです」
書記2 「……会長。やはりこの同好会は」
菜々 「……ええ、発足は認められないでしょうね。いくら多様な文化のある虹ヶ咲学園でも、流石に一個人へのファンクラブが同好会になるのはちょっと」
副会長 「そんな!?」
菜々 「申し訳ありませんが」
16: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:27:57.47 ID:Jh/J5Sws
副会長 「そ、そんなこと言わずに……! ほら、せつ菜ちゃんのステッカーあげますから……」
菜々 「ステッカー!? いや要りませんよ!! せつ菜本人ですし!!」
副会長 「ぐぬぬっ……! 他の人ならこれで大体黙らせられるのに……!」
菜々 「何回か私のグッズで黙らせた経験があるんですか!?」
副会長 「……ノーコメントで」
菜々 「なっ!」
書記2 「これは常習犯の顔ですね」
菜々 「ステッカー!? いや要りませんよ!! せつ菜本人ですし!!」
副会長 「ぐぬぬっ……! 他の人ならこれで大体黙らせられるのに……!」
菜々 「何回か私のグッズで黙らせた経験があるんですか!?」
副会長 「……ノーコメントで」
菜々 「なっ!」
書記2 「これは常習犯の顔ですね」
17: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:30:09.03 ID:Jh/J5Sws
副会長 「……しかし、今から会議をすると言っちゃったのにどうすればいいんでしょう。もう望みはないことをメンバーに伝える? いや、そんな残酷なことできないし、うーん」
菜々 「そもそも、今から一時間後って、まだ生徒会の仕事中じゃないですか。仕事も終わってないのに勝手に退出する気ですか?」
副会長 「それに関しては安心してください。会長、あと一枚書類があるはずですが……」
菜々 「! そういえばすっかり忘れてましたね、副会長、改めてこの書類をお願いします」 サッ
副会長 「了解いたしました……えっと」 ヨミヨミ
菜々 「そもそも、今から一時間後って、まだ生徒会の仕事中じゃないですか。仕事も終わってないのに勝手に退出する気ですか?」
副会長 「それに関しては安心してください。会長、あと一枚書類があるはずですが……」
菜々 「! そういえばすっかり忘れてましたね、副会長、改めてこの書類をお願いします」 サッ
副会長 「了解いたしました……えっと」 ヨミヨミ
18: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:31:46.29 ID:Jh/J5Sws
副会長 「はい! この書類の確認終わりました、問題ありません! そして他の書類に関してはもう既に全て机にまとめております」
菜々 「全てですか!?」
副会長 「ええ、全てです。これなら抜けても問題ありませんよね?」
菜々 「まあ今日の分はそれで終わりでしたし……」
副会長 「もちろん、会長とは一分一秒でも長く一緒にいたいです……しかしっ!! せつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーとして、この会議はどうしても外せないのです。ごめんなさい!」 タッタッ
菜々 「全てですか!?」
副会長 「ええ、全てです。これなら抜けても問題ありませんよね?」
菜々 「まあ今日の分はそれで終わりでしたし……」
副会長 「もちろん、会長とは一分一秒でも長く一緒にいたいです……しかしっ!! せつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーとして、この会議はどうしても外せないのです。ごめんなさい!」 タッタッ
19: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:32:23.59 ID:Jh/J5Sws
ガチャ
書記1 「……行ってしまいましたね」
菜々 「……ええ。それと、今書類に目を通しましたが、本当に全てしっかりまとめられてました。さすが副会長です」
書記2 「優木せつ菜が関わらなければ、基本的には仕事が完璧な人ですからね」
書記1 「それでどうするんですか、会長?」
菜々 「もちろん私も一時間後に視聴覚室に向かいます。設立を許可しないにしても、ファンクラブの皆様には納得してもらえないといけませんから。今日の仕事も終わりましたし、早めに解散にしましょう」
…
…
…
書記1 「……行ってしまいましたね」
菜々 「……ええ。それと、今書類に目を通しましたが、本当に全てしっかりまとめられてました。さすが副会長です」
書記2 「優木せつ菜が関わらなければ、基本的には仕事が完璧な人ですからね」
書記1 「それでどうするんですか、会長?」
菜々 「もちろん私も一時間後に視聴覚室に向かいます。設立を許可しないにしても、ファンクラブの皆様には納得してもらえないといけませんから。今日の仕事も終わりましたし、早めに解散にしましょう」
…
…
…
21: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:34:03.41 ID:Jh/J5Sws
副会長 「……」 ドキドキ
副会長 「一時間かけて精神統一してましたが、それでも胸のドキドキが止まらない」
副会長 (この扉の先に普段からチャットしていた同志たちが……。心の準備はできてたつもりだけど、いざその時が来ると緊張するなぁ)
副会長 (特に、話が盛り上がって個人チャットでもよく話してた『適性』さんが気になる。どんな人なんだろう)
副会長 「……では、いざ出陣!」
菜々 「ちょっと待ってください」
副会長 「会長!? なぜここに!?」
副会長 「一時間かけて精神統一してましたが、それでも胸のドキドキが止まらない」
副会長 (この扉の先に普段からチャットしていた同志たちが……。心の準備はできてたつもりだけど、いざその時が来ると緊張するなぁ)
副会長 (特に、話が盛り上がって個人チャットでもよく話してた『適性』さんが気になる。どんな人なんだろう)
副会長 「……では、いざ出陣!」
菜々 「ちょっと待ってください」
副会長 「会長!? なぜここに!?」
22: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:35:00.65 ID:Jh/J5Sws
菜々 「……同好会発足は許可してはいけませんからね?? あなたが『全然大丈夫だ。会長からは許可をもらってる』とか適当なことを言わないようにチェックしに来ました」
副会長 「ええっ!?」
副会長 (みんなにはせつ菜ちゃんから許可をもらったように思わせて、あとで数の暴力で強引に突破しようとしてたのがバレた!?)
菜々 「バレた、とか思ってます?」
副会長 「声に出してましたか……?」
菜々 「いえ」
副会長 「ふぅ、なら良かった」
副会長 「ええっ!?」
副会長 (みんなにはせつ菜ちゃんから許可をもらったように思わせて、あとで数の暴力で強引に突破しようとしてたのがバレた!?)
菜々 「バレた、とか思ってます?」
副会長 「声に出してましたか……?」
菜々 「いえ」
副会長 「ふぅ、なら良かった」
23: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:37:17.04 ID:Jh/J5Sws
菜々 「では後から続きますので、先にノックして入ってください」
副会長 「分かりました」
菜々 「……ところで、先程時間帯を連絡したと言いましたが、一時間前に急に収拾をかけてメンバーは集まるものなんですか?」
副会長 「優木せつ菜ちゃんのファンに悪い人はいません!!」
菜々 「そういう問題ではないような……」
副会長 「大丈夫です。きっと、それはもう何百人もいてくれてますよ」
菜々 「視聴覚室にはその人数は入りませんよ」
副会長 「分かりました」
菜々 「……ところで、先程時間帯を連絡したと言いましたが、一時間前に急に収拾をかけてメンバーは集まるものなんですか?」
副会長 「優木せつ菜ちゃんのファンに悪い人はいません!!」
菜々 「そういう問題ではないような……」
副会長 「大丈夫です。きっと、それはもう何百人もいてくれてますよ」
菜々 「視聴覚室にはその人数は入りませんよ」
24: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:40:29.31 ID:Jh/J5Sws
トントン
副会長 「お邪魔します!!」
ガチャ
副会長 「えーと、みなさん、お待たせしてすいませんでした。私せつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーである……」
シーン
副会長 「へっ?」
?? 「来たようですね……」
副会長 「あっ、奥に……」
菜々 「一人しかいませんね……」
副会長 「そ、そんなあと百人はいる計算だったのに……」
副会長 「お邪魔します!!」
ガチャ
副会長 「えーと、みなさん、お待たせしてすいませんでした。私せつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーである……」
シーン
副会長 「へっ?」
?? 「来たようですね……」
副会長 「あっ、奥に……」
菜々 「一人しかいませんね……」
副会長 「そ、そんなあと百人はいる計算だったのに……」
25: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:41:07.67 ID:Jh/J5Sws
?? 「待っていました。初めてですね」 フリッ
?? 「私は一年生の……って」
副会長 「ええっ!? あなたは!?」
栞子 「……やはりあなただったんですね。チャットで数秒ごとに長文でせつ菜さんへの愛を語っていた『メガネ』さんは」
副会長 「……その喋り方はまさか三船さんが『適性』さん!?」
栞子 「ええ。その通りです」
副会長 「……」
副会長 (チャットで熱く語り合ってた相手がまさかの知り合いだったの少し堪えるな……)
?? 「私は一年生の……って」
副会長 「ええっ!? あなたは!?」
栞子 「……やはりあなただったんですね。チャットで数秒ごとに長文でせつ菜さんへの愛を語っていた『メガネ』さんは」
副会長 「……その喋り方はまさか三船さんが『適性』さん!?」
栞子 「ええ。その通りです」
副会長 「……」
副会長 (チャットで熱く語り合ってた相手がまさかの知り合いだったの少し堪えるな……)
26: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:46:14.28 ID:Jh/J5Sws
菜々 「栞子さんがまさか私のファンクラブにいたとは……」
栞子 「会長!? これは一体どういうことです、『メガネ』さん!!」
副会長 「知り合いだったんだからネットでの名前じゃなくて、普通に副会長って呼んでくださいよ三船さん!!」
栞子 「……これはどういうことです、副会長」
副会長 「実は会長に同好会設立計画がバレてしまいまして……設立は許可できないと伝えるために私についてきたんです」
栞子 「設立は許可できない!?」
栞子 「会長!? これは一体どういうことです、『メガネ』さん!!」
副会長 「知り合いだったんだからネットでの名前じゃなくて、普通に副会長って呼んでくださいよ三船さん!!」
栞子 「……これはどういうことです、副会長」
副会長 「実は会長に同好会設立計画がバレてしまいまして……設立は許可できないと伝えるために私についてきたんです」
栞子 「設立は許可できない!?」
27: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:47:12.85 ID:Jh/J5Sws
菜々 「……当たり前です。真面目な栞子さんなら分かりますよね? これは明らかに適切な同好会ではありません」
栞子 「っ、私たちの優木せつ菜さんへの愛は本物なのに……いったい誰が邪魔できるというのですか!」
菜々 「少なくとも優木せつ菜本人はできるでしょう」
栞子 「認められません。あなたは応援される適性がある」
菜々 「ならばファンクラブとして、応援してください。学園内に一個人への同好会を作るのが問題なので……」
栞子 「っ、私たちの優木せつ菜さんへの愛は本物なのに……いったい誰が邪魔できるというのですか!」
菜々 「少なくとも優木せつ菜本人はできるでしょう」
栞子 「認められません。あなたは応援される適性がある」
菜々 「ならばファンクラブとして、応援してください。学園内に一個人への同好会を作るのが問題なので……」
28: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:47:54.16 ID:Jh/J5Sws
栞子 「……せめて、認めないという書類を書いてください」
菜々 「はい?」
栞子 「書類として見てからでないと、何事も納得できない性分なのです」
菜々 「なんと厄介な……。分かりました、副会長。書類の用意をお願いします」
副会長 「はい、こちらに」 スッ
菜々 「? 早いですね?」
副会長 「事前に設立がダメであろうことは生徒会室にいたときから分かっていたので。あとこれハンコです。ここに押すだけでいいので」 スッ
菜々 「はい?」
栞子 「書類として見てからでないと、何事も納得できない性分なのです」
菜々 「なんと厄介な……。分かりました、副会長。書類の用意をお願いします」
副会長 「はい、こちらに」 スッ
菜々 「? 早いですね?」
副会長 「事前に設立がダメであろうことは生徒会室にいたときから分かっていたので。あとこれハンコです。ここに押すだけでいいので」 スッ
29: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:48:40.04 ID:Jh/J5Sws
菜々 「……了解しました」 トンッ
副会長 「……」
栞子 「……」
菜々 「お二人とも急に黙ってどうしたのです?」
栞子 「……会長ともあろうものが、急かされたとはいえ、書類の中身も見ずハンコを押すとは。ふふ、甘いんですよ」
菜々 「なっ!? 軽くは見ましたけどまさか!?」 チラッ
菜々 (……最初は『同好会設立は許可しません』という文言が書いてありますが、最後に何かおかしいことが書いてある!?)
副会長 「……」
栞子 「……」
菜々 「お二人とも急に黙ってどうしたのです?」
栞子 「……会長ともあろうものが、急かされたとはいえ、書類の中身も見ずハンコを押すとは。ふふ、甘いんですよ」
菜々 「なっ!? 軽くは見ましたけどまさか!?」 チラッ
菜々 (……最初は『同好会設立は許可しません』という文言が書いてありますが、最後に何かおかしいことが書いてある!?)
30: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:49:18.37 ID:Jh/J5Sws
副会長 「ふふ、お主も悪よのぉ。三船さん」
栞子 「ふふ、これが私の適性です」
【副会長とせつ菜ちゃん一日デート券】
優木せつ菜はこれを了承します。
菜々 「一日デート券……?」
栞子 「あなたには適性がないんですよ!!!!」 バシッ
副会長 「い、痛いっ!!」
栞子 「普通『同好会設立を許可する』書類にハンコを押させるでしょう!? なに自分のデートだけ確約させてるんですか!?」
副会長 「つい、欲が出てしまって……」
栞子 「ふふ、これが私の適性です」
【副会長とせつ菜ちゃん一日デート券】
優木せつ菜はこれを了承します。
菜々 「一日デート券……?」
栞子 「あなたには適性がないんですよ!!!!」 バシッ
副会長 「い、痛いっ!!」
栞子 「普通『同好会設立を許可する』書類にハンコを押させるでしょう!? なに自分のデートだけ確約させてるんですか!?」
副会長 「つい、欲が出てしまって……」
31: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:50:16.75 ID:Jh/J5Sws
菜々 「どちらにせよ、こんな強引に押させたハンコに効力はありません」
副会長 「そ、そんな……!?」
菜々 「……ということで、お二人には悪いのですが、ファンクラブを同好会として発足するのは止めていただけると」
栞子 「……っ。私ならもう少し上手くやったのに」
副会長 「三船さん、仮にあなたがやったとしても無理だったと思いますよ、この私がダメだったんですから」
栞子 「……そもそも納得いってなかったんです」
副会長 「えっ?」
副会長 「そ、そんな……!?」
菜々 「……ということで、お二人には悪いのですが、ファンクラブを同好会として発足するのは止めていただけると」
栞子 「……っ。私ならもう少し上手くやったのに」
副会長 「三船さん、仮にあなたがやったとしても無理だったと思いますよ、この私がダメだったんですから」
栞子 「……そもそも納得いってなかったんです」
副会長 「えっ?」
32: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:51:37.45 ID:Jh/J5Sws
栞子 「なぜあなたがせつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーなんですか!! どう考えても私の方がふさわしいのに!!」
副会長 「なっ!? 私がリーダーで文句はないはずですよ!! ライブだって一番先頭に……」
栞子 「でもこれから私はせつ菜さんと同じステージに立ちますけどね。隣で微笑み合いながら歌いますけどね」
副会長 「!?」
栞子 「……さらに言えば、せつ菜さんの正体に気付いたのは私の方が先でした。あなたはずっと前から一緒だったのに」
副会長 「なっ!? 私がリーダーで文句はないはずですよ!! ライブだって一番先頭に……」
栞子 「でもこれから私はせつ菜さんと同じステージに立ちますけどね。隣で微笑み合いながら歌いますけどね」
副会長 「!?」
栞子 「……さらに言えば、せつ菜さんの正体に気付いたのは私の方が先でした。あなたはずっと前から一緒だったのに」
33: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:52:22.14 ID:Jh/J5Sws
副会長 「な、なんだって……!? 本当ですか!? 会長!?」
菜々 「まあ……それはそうですけど……」
副会長 「」 ガーン
副会長 (せつ菜ちゃんを知ったタイミングは同好会メンバー以外みんな一緒だと思ってたのに……!)
栞子 「ならこうしましょう。今から私たちは勝負をします。勝った方が次のせつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーであり、同好会部長になります」
菜々 「まあ……それはそうですけど……」
副会長 「」 ガーン
副会長 (せつ菜ちゃんを知ったタイミングは同好会メンバー以外みんな一緒だと思ってたのに……!)
栞子 「ならこうしましょう。今から私たちは勝負をします。勝った方が次のせつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーであり、同好会部長になります」
34: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:53:30.24 ID:Jh/J5Sws
副会長 「……」
副会長 (ここで逃げたら私はせつ菜ちゃんのファンとして失格だっ!!)
副会長 「……分かりました。受けて立ちましょう」
栞子 「負けませんよ……っ!」 バチバチ
副会長 「こちらこそ……っ!」 バチバチ
菜々 「いや同好会設立は許可しないって言ってるじゃないですか……」
…
…
…
副会長 (ここで逃げたら私はせつ菜ちゃんのファンとして失格だっ!!)
副会長 「……分かりました。受けて立ちましょう」
栞子 「負けませんよ……っ!」 バチバチ
副会長 「こちらこそ……っ!」 バチバチ
菜々 「いや同好会設立は許可しないって言ってるじゃないですか……」
…
…
…
35: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:54:55.23 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「栞子。何やってるの?」
栞子 「……せつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーとして、鍛錬を積んでるんです」
ランジュ 「もう一回言ってくれる?」
栞子 「副会長とせつ菜さんへの愛で勝負をしてるんです。負けるわけにはいかない戦いなんです」
ランジュ 「栞子がせつ菜のファンだったなんて知らなかったわ……私は応援してくれないの?」
栞子 「……せつ菜ちゃんファンクラブ虹ヶ咲学園支部のリーダーとして、鍛錬を積んでるんです」
ランジュ 「もう一回言ってくれる?」
栞子 「副会長とせつ菜さんへの愛で勝負をしてるんです。負けるわけにはいかない戦いなんです」
ランジュ 「栞子がせつ菜のファンだったなんて知らなかったわ……私は応援してくれないの?」
36: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:55:48.83 ID:Jh/J5Sws
栞子 「何言ってるんです、ランジュは特別ですよ。次に好きなのがせつ菜さんなんです」
ランジュ 「そう……///」
栞子 「しかし、勝負をするとしたら、次の優木せつ菜のライブのときに相手は何か仕掛けてくるでしょう。こちらも対策を練らなければ」
ランジュ 「それで鍛錬をしてるのね。ちなみにどんな鍛錬を?」
ランジュ 「そう……///」
栞子 「しかし、勝負をするとしたら、次の優木せつ菜のライブのときに相手は何か仕掛けてくるでしょう。こちらも対策を練らなければ」
ランジュ 「それで鍛錬をしてるのね。ちなみにどんな鍛錬を?」
37: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:56:48.87 ID:Jh/J5Sws
栞子 「次のライブの先頭の席を確保し、なおかつ完璧なサイリウムパフォーマンスで派手なファンアピールをするため、サイリウムを振っては振り付けを考えたり腕の筋トレをしています。またチケット購入高速連打のため、高橋名人の動画を何回も見てます」
ランジュ 「そこまでしないと勝てない相手なのね……気になるわ」
栞子 「ランジュ? 申し訳ありませんがこれは私の勝負なのです。何もしないでくださいね?」
ランジュ 「もちろん! 無問題ラ」
…
…
…
ランジュ 「そこまでしないと勝てない相手なのね……気になるわ」
栞子 「ランジュ? 申し訳ありませんがこれは私の勝負なのです。何もしないでくださいね?」
ランジュ 「もちろん! 無問題ラ」
…
…
…
39: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:57:33.49 ID:Jh/J5Sws
タッタッタッタッタッ
書記1 「何の音?」
書記2 「副会長の席からですね」
菜々 「副会長。仕事中ですよ。何やってるんですか」
副会長 「はっ!? すいません、高橋名人の物真似をしていました」
菜々 (……それにしても、三船さんと副会長が、優木せつ菜の同好会を巡って戦うなんて。複雑な気持ちです)
書記1 「何の音?」
書記2 「副会長の席からですね」
菜々 「副会長。仕事中ですよ。何やってるんですか」
副会長 「はっ!? すいません、高橋名人の物真似をしていました」
菜々 (……それにしても、三船さんと副会長が、優木せつ菜の同好会を巡って戦うなんて。複雑な気持ちです)
40: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:58:38.19 ID:Jh/J5Sws
トントン
書記1 「どうぞ!」
ガチャ
ランジュ 「お邪魔するわ!」
菜々 「ランジュさん? なぜここに?」
ランジュ 「栞子のライバルを探しにきたんだけど、副会長、こうして向き合って喋るのは初めてかしら。突然で悪いけどしばらくあなたを観察させてもらうわ」
副会長 「私を観察ですか?」
書記1 「どうぞ!」
ガチャ
ランジュ 「お邪魔するわ!」
菜々 「ランジュさん? なぜここに?」
ランジュ 「栞子のライバルを探しにきたんだけど、副会長、こうして向き合って喋るのは初めてかしら。突然で悪いけどしばらくあなたを観察させてもらうわ」
副会長 「私を観察ですか?」
41: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 20:59:21.04 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「ええ。栞子のための敵情視察……と言ったら警戒するかしらね、ふふ。単純にランジュがあなたに興味があるの」
副会長 「……まあ別に構いませんが」
副会長 (逆に言えば、ランジュさんを通して私も三船さんを敵情視察できる訳ですし)
菜々 「しかし生徒会室に関係者以外が長時間いるのは……」
菜々 (待ってください? ランジュさんがいれば、副会長も警戒して下手に優木せつ菜関連の行動はできないのでは? 真面目に副会長に仕事をしてもらうにはむしろ都合が良いんじゃ……)
副会長 「……まあ別に構いませんが」
副会長 (逆に言えば、ランジュさんを通して私も三船さんを敵情視察できる訳ですし)
菜々 「しかし生徒会室に関係者以外が長時間いるのは……」
菜々 (待ってください? ランジュさんがいれば、副会長も警戒して下手に優木せつ菜関連の行動はできないのでは? 真面目に副会長に仕事をしてもらうにはむしろ都合が良いんじゃ……)
43: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:00:02.06 ID:Jh/J5Sws
菜々 「いや、分かりました。ランジュさんは特別に許可しましょう」
ランジュ 「ふふ、やったわ!」
書記1 「ええっ? 真面目な会長らしくないような……」
書記2 「きっと会長にも考えがあるのでしょう」
ランジュ (栞子をあそこまで本気にさせるなんて、少し羨ましい。何か秘密があるならそれを見て自分の技術にしちゃえばいいのよ……!)
…
…
…
ランジュ 「ふふ、やったわ!」
書記1 「ええっ? 真面目な会長らしくないような……」
書記2 「きっと会長にも考えがあるのでしょう」
ランジュ (栞子をあそこまで本気にさせるなんて、少し羨ましい。何か秘密があるならそれを見て自分の技術にしちゃえばいいのよ……!)
…
…
…
44: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:00:53.22 ID:Jh/J5Sws
侑 「あれ、ランジュちゃんは?」
ミア 「生徒会室さ。どうやらしょうもないbattleをしてるらしい」 チラッ
侑 「バトル?」
栞子 「……」
栞子 (ランジュ……結局私の言うことを聞きませんでしたね、まあ想定内ですが)
ガチャ
ランジュ 「ただいま! 練習だから戻ってきたわよ!」
ミア 「生徒会室さ。どうやらしょうもないbattleをしてるらしい」 チラッ
侑 「バトル?」
栞子 「……」
栞子 (ランジュ……結局私の言うことを聞きませんでしたね、まあ想定内ですが)
ガチャ
ランジュ 「ただいま! 練習だから戻ってきたわよ!」
45: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:01:24.13 ID:Jh/J5Sws
栞子 「おかえりなさい、ランジュ」
ランジュ 「あっ、栞子! ちょうど良かった、話があるんだけど」
栞子 「私もあります。侑さん、少し離れますね」
侑 「うん、分かったよ」
ガチャ
タッタッ
タッタッ
ランジュ 「栞子からでいいわよ」
栞子 「……おそらく同じ内容なので、ランジュからお願いします」
ランジュ 「あっ、栞子! ちょうど良かった、話があるんだけど」
栞子 「私もあります。侑さん、少し離れますね」
侑 「うん、分かったよ」
ガチャ
タッタッ
タッタッ
ランジュ 「栞子からでいいわよ」
栞子 「……おそらく同じ内容なので、ランジュからお願いします」
46: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:02:25.64 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「分かったわ。栞子と争ってる副会長のことなんだけど、試しに見てみたけど生徒会の活動中でも隙あれば優木せつ菜トークをしてたわよ? 私には警戒してたみたいだけどね」
栞子 「それがどうかしましたか?」
ランジュ 「いや……栞子、警戒する割には生徒会室には入ってこないなって。スクールアイドルフェスティバルが終わった今でも、栞子なら生徒会室に出入りしても違和感はないはずだし、普段一緒にいる分、副会長の方が有利になっちゃうわよ?」
栞子 「ふふ、ランジュ、まだ人間観察が足りないようですね」
ランジュ 「?」
栞子 「それがどうかしましたか?」
ランジュ 「いや……栞子、警戒する割には生徒会室には入ってこないなって。スクールアイドルフェスティバルが終わった今でも、栞子なら生徒会室に出入りしても違和感はないはずだし、普段一緒にいる分、副会長の方が有利になっちゃうわよ?」
栞子 「ふふ、ランジュ、まだ人間観察が足りないようですね」
ランジュ 「?」
47: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:03:02.48 ID:Jh/J5Sws
栞子 「彼女との本当の勝負はライブ会場。それ以外では決して差は開きません」
ランジュ 「どういうこと?」
栞子 「……先程始めたばかりでしょう、彼女の観察は。明日も明後日もしてみたら、きっと分かるはずです」
ランジュ 「もちろんそのつもりだわ」
栞子 「ただし、あくまで私たちの勝負なのは分かってくださいね?」
ランジュ 「ええ、観察してるだけだから安心して」
…
…
…
ランジュ 「どういうこと?」
栞子 「……先程始めたばかりでしょう、彼女の観察は。明日も明後日もしてみたら、きっと分かるはずです」
ランジュ 「もちろんそのつもりだわ」
栞子 「ただし、あくまで私たちの勝負なのは分かってくださいね?」
ランジュ 「ええ、観察してるだけだから安心して」
…
…
…
48: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:03:51.82 ID:Jh/J5Sws
書記1 「今日もいますね、ランジュさん」
書記2 「……副会長を観察するという言葉は本当だったみたいですね」
ランジュ 「……」 ジッー
副会長 「会長、今度のデートなんですが」
菜々 「ありもしない予定を自然に会話に入れないでくださいよ」
副会長 「水族館なんてどうでしょう?」
菜々 「……全く聞いてないですね。一応言っておきますが水族館よりは遊園地の気分です」
書記2 「……副会長を観察するという言葉は本当だったみたいですね」
ランジュ 「……」 ジッー
副会長 「会長、今度のデートなんですが」
菜々 「ありもしない予定を自然に会話に入れないでくださいよ」
副会長 「水族館なんてどうでしょう?」
菜々 「……全く聞いてないですね。一応言っておきますが水族館よりは遊園地の気分です」
49: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:04:49.97 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「……」 ジッー
副会長 「折り紙同好会を見に行ったら、『生徒会いつもお疲れ様』と言ってくださって、指輪の折り紙をくれたんですよ」
菜々 「それは良かったですね」
副会長 「会長もいかがですか? 二人分貰ったんです。お揃いの指輪を……」
菜々 「……ならば書記のお二人にあげましょう。私よりも働いてくれてますし、副会長は最近腑抜けてますし」
副会長 「!?」 ガーン
副会長 「折り紙同好会を見に行ったら、『生徒会いつもお疲れ様』と言ってくださって、指輪の折り紙をくれたんですよ」
菜々 「それは良かったですね」
副会長 「会長もいかがですか? 二人分貰ったんです。お揃いの指輪を……」
菜々 「……ならば書記のお二人にあげましょう。私よりも働いてくれてますし、副会長は最近腑抜けてますし」
副会長 「!?」 ガーン
50: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:05:25.42 ID:Jh/J5Sws
ランジュ (……栞子の言ってたこと、なんとなく分かったわ)
ランジュ 「副会長。適当に口説いてるけど、芯のある言葉は全然言ってないわね」
書記1 「本気で言おうとすると、照れちゃいますからね……副会長」
ランジュ 「……それに、せつ菜も上手く聞き流してるというか、本気で相手にしてないわ」
書記2 「本気で相手にすると、照れちゃいますから……会長も」
ランジュ 「副会長。適当に口説いてるけど、芯のある言葉は全然言ってないわね」
書記1 「本気で言おうとすると、照れちゃいますからね……副会長」
ランジュ 「……それに、せつ菜も上手く聞き流してるというか、本気で相手にしてないわ」
書記2 「本気で相手にすると、照れちゃいますから……会長も」
51: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:05:54.77 ID:Jh/J5Sws
ランジュ (彼女……副会長が本気でせつ菜への愛をぶつけられるのは、テンションが上がってるライブのときだけ。だから栞子はあんなに余裕だったのね)
ランジュ 「それにしても、自分の好きなスクールアイドルが目の前にいるのに、好きな気持ちをはっきりと伝えられないなんて……」
書記2 「愚かに見えますか?」
ランジュ 「……少なくとも私には分からないわ」
…
…
…
ランジュ 「それにしても、自分の好きなスクールアイドルが目の前にいるのに、好きな気持ちをはっきりと伝えられないなんて……」
書記2 「愚かに見えますか?」
ランジュ 「……少なくとも私には分からないわ」
…
…
…
52: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:20:48.37 ID:Jh/J5Sws
ガヤガヤ
ガヤガヤ
副会長 「今日はせつ菜ちゃんのライブ……!! 全力で応援するからねぇぇーーーーー!!!!」
栞子 「……すごいテンションですね」
ランジュ 「まあライブだし」
栞子 「そういえばランジュも観客席にいるのですか? もっと近くで見れるはずなのに」
ガヤガヤ
副会長 「今日はせつ菜ちゃんのライブ……!! 全力で応援するからねぇぇーーーーー!!!!」
栞子 「……すごいテンションですね」
ランジュ 「まあライブだし」
栞子 「そういえばランジュも観客席にいるのですか? もっと近くで見れるはずなのに」
53: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:21:26.63 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「観客の気持ちも知りたくてね。それに、今日はせつ菜がメインのライブだから私はステージ近くにいる必要はないの。栞子だってここにいるじゃない」
栞子 「私は彼女との勝負があるので」
ランジュ (……こんなにクールぶってるけど、あんなに練習してたんだからよっぽど熱い応援をするはず。この勝負どっちが勝つのかしら)
副会長 「! せつ菜ちゃん!」
栞子 「来ましたか!」
栞子 「私は彼女との勝負があるので」
ランジュ (……こんなにクールぶってるけど、あんなに練習してたんだからよっぽど熱い応援をするはず。この勝負どっちが勝つのかしら)
副会長 「! せつ菜ちゃん!」
栞子 「来ましたか!」
54: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:47:34.30 ID:Jh/J5Sws
バッ
せつ菜 「みなさん来てくれてありがとうございます!! 今日も『大好き』を届けますよぉぉぉーーー!!」
副会長 「きゃぁぁぁぁーーー!! せつ菜ちゃーーーん!! 頑張れぇ」
栞子 「頑張ってくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーい!!! せつ菜ちゃーーーーん!!!」
副会長 「!?」
副会長 (私より遥かに声量が大きい!?)
せつ菜 「みなさん来てくれてありがとうございます!! 今日も『大好き』を届けますよぉぉぉーーー!!」
副会長 「きゃぁぁぁぁーーー!! せつ菜ちゃーーーん!! 頑張れぇ」
栞子 「頑張ってくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーい!!! せつ菜ちゃーーーーん!!!」
副会長 「!?」
副会長 (私より遥かに声量が大きい!?)
55: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:48:15.12 ID:Jh/J5Sws
副会長 「全力で応援するよぉぉぉーー!!」 ブンブン
副会長 (サイリウム捌きなら負けない!!)
栞子 「せつ・菜・ちゃん!! LOVE!!」 ブンブン
副会長 (超高速で『せつ菜ちゃんLOVE』の文字をサイリウムで空中に描いてる!?)
せつ菜 「応援ありがとーーーう!!」 パチッ
栞子 「あっ、私にウィンクしましたよ!! ランジュ!!」
ランジュ 「えっそうかしら?」
副会長 (サイリウム捌きなら負けない!!)
栞子 「せつ・菜・ちゃん!! LOVE!!」 ブンブン
副会長 (超高速で『せつ菜ちゃんLOVE』の文字をサイリウムで空中に描いてる!?)
せつ菜 「応援ありがとーーーう!!」 パチッ
栞子 「あっ、私にウィンクしましたよ!! ランジュ!!」
ランジュ 「えっそうかしら?」
56: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:54:16.39 ID:Jh/J5Sws
副会長 「……」
ランジュ 「って、あなたどうしたのよ。応援は? 負けちゃうわよ?」
副会長 「負けました……」
ランジュ 「えっ?」
副会長 「三船さんがあんなに声を出し、あんなにサイリウム捌きにキレがあるだなんて……きっと相当練習したのでしょう。私よりもずっと多くの練習を」
ランジュ 「……」
ランジュ 「って、あなたどうしたのよ。応援は? 負けちゃうわよ?」
副会長 「負けました……」
ランジュ 「えっ?」
副会長 「三船さんがあんなに声を出し、あんなにサイリウム捌きにキレがあるだなんて……きっと相当練習したのでしょう。私よりもずっと多くの練習を」
ランジュ 「……」
57: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 21:54:44.17 ID:Jh/J5Sws
副会長 「あはは……愛なら負けないと思ってたんですけどね……努力不足でした」
ランジュ 「……あなた、諦めちゃうの?」
副会長 「……」
ランジュ 「そ、そんな……」
せつ菜 「じゃあ一曲目行きますよーーー!!」
キャァァァァ!
セツナチャーーーン!
トキメイチャウヨーー!
…
…
…
ランジュ 「……あなた、諦めちゃうの?」
副会長 「……」
ランジュ 「そ、そんな……」
せつ菜 「じゃあ一曲目行きますよーーー!!」
キャァァァァ!
セツナチャーーーン!
トキメイチャウヨーー!
…
…
…
58: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:04:25.83 ID:Jh/J5Sws
副会長 「あはは。せつ菜ちゃん、私を嘲笑ってください。好きという気持ちだけあって、何も成し遂げなかった私を……」
?? 「そ、そんな、副会長を嘲笑うなんて……それに大好きな気持ちに勝ち負けなんてないんですよ!!」
副会長 「それじゃ私の気が済まないんです。だからお願いします、せつ菜ちゃん、私を罵ってください」
?? 「……仕方ありません。分かりました。このバカっ! アホっ! マヌケっ!」
?? 「そ、そんな、副会長を嘲笑うなんて……それに大好きな気持ちに勝ち負けなんてないんですよ!!」
副会長 「それじゃ私の気が済まないんです。だからお願いします、せつ菜ちゃん、私を罵ってください」
?? 「……仕方ありません。分かりました。このバカっ! アホっ! マヌケっ!」
59: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:05:07.57 ID:Jh/J5Sws
副会長 「うぅ……そうです私は馬鹿で阿呆で間抜けなんですぅ……!」 ポロポロ
?? 「って副会長!? 泣かないでください!? ごめんなさい、やっぱり罵るなんて……!」
副会長 「良いの、せつ菜ちゃん! このくらい罵られないと、私つらくて……!」
?? 「っ、分かりました。このメガネ! 度が強いメガネ!」
副会長 「むしろせつ菜ちゃんに罵られて興奮するような……」 ゾクゾク
?? 「って副会長!? 泣かないでください!? ごめんなさい、やっぱり罵るなんて……!」
副会長 「良いの、せつ菜ちゃん! このくらい罵られないと、私つらくて……!」
?? 「っ、分かりました。このメガネ! 度が強いメガネ!」
副会長 「むしろせつ菜ちゃんに罵られて興奮するような……」 ゾクゾク
60: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:05:58.22 ID:Jh/J5Sws
かすみ 「ちょっとストッーーーーープ!!」
?? 「って邪魔しないでよ、かすみさん」
かすみ 「いや部室で何やってるんですか! 二人とも!」
しずく 「せつ菜さんの演技だけど……」
副会長 「もっと、もっと暴言プリーズ……!!」 ゾクゾク
かすみ 「あなたも新しい扉開けないでくださいよ!! やるなら生徒会でやってください!! なぜわざわざスクールアイドル同好会の部室で!?」
?? 「って邪魔しないでよ、かすみさん」
かすみ 「いや部室で何やってるんですか! 二人とも!」
しずく 「せつ菜さんの演技だけど……」
副会長 「もっと、もっと暴言プリーズ……!!」 ゾクゾク
かすみ 「あなたも新しい扉開けないでくださいよ!! やるなら生徒会でやってください!! なぜわざわざスクールアイドル同好会の部室で!?」
61: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:08:28.78 ID:Jh/J5Sws
しずく 「だって私が生徒会室を出禁になってるから仕方ないんだよ」
かすみ 「しず子、そもそもなんでこんな依頼受けるのさ!」
しずく 「副会長さんが、私の演じる優木せつ菜さんがどうしても必要だって言ってくれたから……」
副会長 「だってせつ菜ちゃんと話してる気分にでもならないと、私やりきれなくて……」 グスッ
かすみ 「しず子、そもそもなんでこんな依頼受けるのさ!」
しずく 「副会長さんが、私の演じる優木せつ菜さんがどうしても必要だって言ってくれたから……」
副会長 「だってせつ菜ちゃんと話してる気分にでもならないと、私やりきれなくて……」 グスッ
62: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:09:27.63 ID:Jh/J5Sws
かすみ 「生徒会室に行って本人と話せば良いじゃないですか……」
副会長 「それは無理ですよぉ〜〜!!」 ポロポロ
かすみ 「な、泣かないでください!!」
ガチャ
ランジュ 「……ここにいたのね、副会長」
副会長 「ランジュ……さん……?」 ポロポロ
副会長 「それは無理ですよぉ〜〜!!」 ポロポロ
かすみ 「な、泣かないでください!!」
ガチャ
ランジュ 「……ここにいたのね、副会長」
副会長 「ランジュ……さん……?」 ポロポロ
63: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:10:42.04 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「私は栞子の味方だけど! でも! 数日あなたと一緒にいて、あなたも応援したいと思った!」
副会長 「!」
ランジュ 「なのに何? この様なんて……とんだ期待はずれよ」
かすみ 「そこまで言う必要ないじゃないですか!」
副会長 「うぅ、せつ菜ちゃ〜ん!!」 ポロポロ
副会長 「!」
ランジュ 「なのに何? この様なんて……とんだ期待はずれよ」
かすみ 「そこまで言う必要ないじゃないですか!」
副会長 「うぅ、せつ菜ちゃ〜ん!!」 ポロポロ
64: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:11:28.39 ID:Jh/J5Sws
せつ菜(妄想) 「元気出してください、副会長!!」
副会長 「ありがと〜〜!! せつ菜ちゃ〜ん!!」 ポロポロ
かすみ 「ほら! あまりに厳しく言うから副会長さんの中で妄想のせつ菜先輩を作っちゃったじゃないですか!」
ランジュ 「妄想? 毎度逃げてばかりで、向き合わないあなたらしいわね」
副会長 「ありがと〜〜!! せつ菜ちゃ〜ん!!」 ポロポロ
かすみ 「ほら! あまりに厳しく言うから副会長さんの中で妄想のせつ菜先輩を作っちゃったじゃないですか!」
ランジュ 「妄想? 毎度逃げてばかりで、向き合わないあなたらしいわね」
65: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:13:26.21 ID:Jh/J5Sws
副会長 「I LOVE せつ菜〜!!」 ポロポロ
せつ菜(妄想) 「よしよし」 ナデナデ
ランジュ 「……この隙にさらに栞子はせつ菜と仲良くなるわよ?」
副会長 「!」 ピクッ
ランジュ (少し反応があった。まだ完全には現実から逃げてないみたいね。なら!)
せつ菜(妄想) 「よしよし」 ナデナデ
ランジュ 「……この隙にさらに栞子はせつ菜と仲良くなるわよ?」
副会長 「!」 ピクッ
ランジュ (少し反応があった。まだ完全には現実から逃げてないみたいね。なら!)
66: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:16:50.49 ID:Jh/J5Sws
ランジュ 「相変わらずみたいね、あなた」
副会長 「えっ?」
ランジュ 「そうやって遊んでる暇あるって言ってるの。せつ菜との仲はどうなのよ?」
副会長 「書記ちゃんから聞いたの? 前より少しは上がってるんだけどまぁギリギリはギリギリかな」
ランジュ 「やっぱりそうなのね。中途半端なのって見ててイライラするの。いい加減妄想の活動に付き合うのなんかやめてもっと自分の夢に向き合ったら?」
副会長 「えっ?」
ランジュ 「そうやって遊んでる暇あるって言ってるの。せつ菜との仲はどうなのよ?」
副会長 「書記ちゃんから聞いたの? 前より少しは上がってるんだけどまぁギリギリはギリギリかな」
ランジュ 「やっぱりそうなのね。中途半端なのって見ててイライラするの。いい加減妄想の活動に付き合うのなんかやめてもっと自分の夢に向き合ったら?」
67: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:17:35.84 ID:Jh/J5Sws
しずく(歩夢の演技) 「勝手なこと言わないで!」
せつ菜(妄想) 「そうですよ。副会長は……」
ランジュ 「そうやって甘やかすから良くないのよ」
ランジュ 「生徒会で夢を叶える。そう言っていたのに今のあなたはしずくにせつ菜を重ね合わせてるだけよ。あなたはそれで満たされたとしても何も生み出してないわ」
副会長 「……」
ランジュ (お願い。私の思い伝わって……!!)
せつ菜(妄想) 「そうですよ。副会長は……」
ランジュ 「そうやって甘やかすから良くないのよ」
ランジュ 「生徒会で夢を叶える。そう言っていたのに今のあなたはしずくにせつ菜を重ね合わせてるだけよ。あなたはそれで満たされたとしても何も生み出してないわ」
副会長 「……」
ランジュ (お願い。私の思い伝わって……!!)
68: (もんじゃ) 2022/05/29(日) 22:19:13.36 ID:Jh/J5Sws
副会長 「うわ〜〜ん!! 副会長帰る!!」 タッタッ
しずく 「副会長さん!?」
かすみ 「やっぱり言い過ぎたんじゃ……」
ランジュ 「……」
ランジュ (届いてくれたら良かったけど)
ランジュ 「もし届かなかったのなら、あなたはそれまでだったのね」 タッタッ
ランジュ 「……友達になれると思ったのに」 ボソッ
…
…
…
しずく 「副会長さん!?」
かすみ 「やっぱり言い過ぎたんじゃ……」
ランジュ 「……」
ランジュ (届いてくれたら良かったけど)
ランジュ 「もし届かなかったのなら、あなたはそれまでだったのね」 タッタッ
ランジュ 「……友達になれると思ったのに」 ボソッ
…
…
…
73: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:04:20.66 ID:H0Bg2fmh
菜々 「すいません。栞子さん。仕事を手伝っていただいて……」
栞子 「いえ、謝らなくても大丈夫ですよ。お役に立てて嬉しいですから」
書記1 「それにしても、栞子さんが来てくれたから良かったけど、あの副会長が無断で欠席するなんて……いったい何が……」
ピコンッ
書記2 「大変です会長!! 副会長からこんな連絡が!」 スッ
栞子 「いえ、謝らなくても大丈夫ですよ。お役に立てて嬉しいですから」
書記1 「それにしても、栞子さんが来てくれたから良かったけど、あの副会長が無断で欠席するなんて……いったい何が……」
ピコンッ
書記2 「大変です会長!! 副会長からこんな連絡が!」 スッ
74: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:05:04.41 ID:H0Bg2fmh
『帰国することにしました。今日飛行機に乗る予定です』
菜々 「なっ!? 帰国!?」
栞子 「それは…急ですね…」
菜々 「いやどこに帰るんですか!? 彼女日本生まれ日本育ちじゃないですか!!」
書記1 「きっとやけくそになってるんだと思います……会長! 行ってあげてください! 副会長を助けられるのは、優木せつ菜……中川菜々だけです!!」
菜々 「!」
菜々 「なっ!? 帰国!?」
栞子 「それは…急ですね…」
菜々 「いやどこに帰るんですか!? 彼女日本生まれ日本育ちじゃないですか!!」
書記1 「きっとやけくそになってるんだと思います……会長! 行ってあげてください! 副会長を助けられるのは、優木せつ菜……中川菜々だけです!!」
菜々 「!」
75: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:06:14.73 ID:H0Bg2fmh
書記2 「空港までの最速で行けるルートを今メールで送りましたので、参考にしてください」
栞子 「残りの書類は私たちでまとめておきますので会長は早く彼女を!」
菜々 「みなさん……」
ガチャ
ランジュ 「副会長が日本を出るって本当!?」
菜々 「ランジュさん……聞いてたんですか……!?」
栞子 「残りの書類は私たちでまとめておきますので会長は早く彼女を!」
菜々 「みなさん……」
ガチャ
ランジュ 「副会長が日本を出るって本当!?」
菜々 「ランジュさん……聞いてたんですか……!?」
76: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:08:01.42 ID:H0Bg2fmh
ランジュ 「こうしてる場合じゃないわ! せつ菜、一緒に来て!」 ギュッ
菜々 「ランジュさん!?」
タッタッ
タッタッ
書記2 「行ってしまいましたね……でも良いんですか三船さん?」
栞子 「何がでしょう……」
書記2 「優木せつ菜を巡ってあなたと副会長は勝負をしてる。なのに会長を、優木せつ菜を副会長に会いに行かせるなんて……」
菜々 「ランジュさん!?」
タッタッ
タッタッ
書記2 「行ってしまいましたね……でも良いんですか三船さん?」
栞子 「何がでしょう……」
書記2 「優木せつ菜を巡ってあなたと副会長は勝負をしてる。なのに会長を、優木せつ菜を副会長に会いに行かせるなんて……」
77: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:09:31.55 ID:H0Bg2fmh
栞子 「……そもそも副会長をここまで追い詰めてしまった一因は私なのかもしれません。だからというわけではありませんが、私は勝負をするなら気持ちの良い終わり方をしたいんです」
栞子 「大切な友情をバラバラにしてまで、勝負に勝ちたくはありません」
栞子 (まあ……でも、同じせつ菜さんファンとして、空港に来て出発を止めてくれる最高のシチュエーションの機会を手助けするなんて、少し癪ですけどね。これは貸しですよ副会長)
栞子 「今私たちができるのはこの仕事だけ。早く仕事を終わらせましょう。私も用事があるので」
書記1 「用事?」
栞子 「……ええ、お節介なくせに勝手に拗ねるであろう幼馴染のためのね」
…
…
…
栞子 「大切な友情をバラバラにしてまで、勝負に勝ちたくはありません」
栞子 (まあ……でも、同じせつ菜さんファンとして、空港に来て出発を止めてくれる最高のシチュエーションの機会を手助けするなんて、少し癪ですけどね。これは貸しですよ副会長)
栞子 「今私たちができるのはこの仕事だけ。早く仕事を終わらせましょう。私も用事があるので」
書記1 「用事?」
栞子 「……ええ、お節介なくせに勝手に拗ねるであろう幼馴染のためのね」
…
…
…
78: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:11:46.97 ID:H0Bg2fmh
キィーーーーン
副会長 「空港来ちゃったな……適当に国選んでチケット買っちゃったけど、どこだよニウエって」
菜々 「副会長!」 タッタッ
副会長 「えっ!? 会長!?」
ランジュ 「私もいるわよ! あなた帰国なんてどういうつもり!? 負けたままで外国に逃げる気!?」
副会長 「ランジュさん……。もう私はせつ菜ちゃんの隣にいる資格はありません、あなたに言われて気付いたんです。だから遠いどこか、優木せつ菜を見る機会がないような、そんな国に……」
ランジュ 「なっ! 私の言葉のどこをどう聞いたらそんな解釈になるのよ!」
副会長 「空港来ちゃったな……適当に国選んでチケット買っちゃったけど、どこだよニウエって」
菜々 「副会長!」 タッタッ
副会長 「えっ!? 会長!?」
ランジュ 「私もいるわよ! あなた帰国なんてどういうつもり!? 負けたままで外国に逃げる気!?」
副会長 「ランジュさん……。もう私はせつ菜ちゃんの隣にいる資格はありません、あなたに言われて気付いたんです。だから遠いどこか、優木せつ菜を見る機会がないような、そんな国に……」
ランジュ 「なっ! 私の言葉のどこをどう聞いたらそんな解釈になるのよ!」
79: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:14:38.80 ID:H0Bg2fmh
菜々 「副会長! 行かないでください! あなたがいないと……」
副会長 「生徒会活動が困る、ですよね。安心してください、副会長の仕事もきっと三船さんなら完璧にこなしてくれますよ」
菜々 「そ、そうじゃなくて」
副会長 「あっ、桜坂さんの生徒会室出禁は解除してあげてください……彼女を巻き込んだのは私ですから」
菜々 「違います!!!!」
副会長 「……え?」
副会長 「生徒会活動が困る、ですよね。安心してください、副会長の仕事もきっと三船さんなら完璧にこなしてくれますよ」
菜々 「そ、そうじゃなくて」
副会長 「あっ、桜坂さんの生徒会室出禁は解除してあげてください……彼女を巻き込んだのは私ですから」
菜々 「違います!!!!」
副会長 「……え?」
80: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:15:41.23 ID:H0Bg2fmh
菜々 「生徒会のこともそうですけど、それだけじゃありません!!」
副会長 「?」
菜々 「あー、もうっ! 鈍いですね!」
菜々 「中川菜々としてだけじゃなくて……」 パッ
せつ菜 「優木せつ菜として!! あなたにはいてほしいんです!! ライブでいつも聞こえるあなたの声!! それにどれだけ元気をもらえてたか!! 副会長!! お願いです、戻ってきてください!!」
副会長 「せ、せつ菜ちゃん……」
副会長 「?」
菜々 「あー、もうっ! 鈍いですね!」
菜々 「中川菜々としてだけじゃなくて……」 パッ
せつ菜 「優木せつ菜として!! あなたにはいてほしいんです!! ライブでいつも聞こえるあなたの声!! それにどれだけ元気をもらえてたか!! 副会長!! お願いです、戻ってきてください!!」
副会長 「せ、せつ菜ちゃん……」
81: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:35:52.87 ID:H0Bg2fmh
ランジュ 「はぁ。結局、あなたより先にせつ菜の方が『大好き』を届けたみたいね、今なら私の言ったこと、分かるでしょ?」
副会長 「ランジュさん……」
ランジュ 『……あなた、諦めちゃうの?』
ランジュ 『私は栞子の味方だけど! でも! 数日あなたと一緒にいて、あなたも応援したいと思った!』
副会長 「……ありがとうございます、私、向き合おうと思います」
ランジュ 「ふふ、さすがランジュが見込んだだけあるわね。今度こそ頑張ってね副会長」
スッ
副会長 「ランジュさん……」
ランジュ 『……あなた、諦めちゃうの?』
ランジュ 『私は栞子の味方だけど! でも! 数日あなたと一緒にいて、あなたも応援したいと思った!』
副会長 「……ありがとうございます、私、向き合おうと思います」
ランジュ 「ふふ、さすがランジュが見込んだだけあるわね。今度こそ頑張ってね副会長」
スッ
82: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:36:22.97 ID:H0Bg2fmh
せつ菜 「ランジュさん? どこに行くんですか?」
ランジュ 「ん? ランジュはもう帰るわ。二人を邪魔するのも悪いし、満足したから」
ランジュ 「バイバイ」
タッタッ
タッタッ
せつ菜 「……」
副会長 「……」
せつ菜 「あっ、えっと、副会長、その」
ランジュ 「ん? ランジュはもう帰るわ。二人を邪魔するのも悪いし、満足したから」
ランジュ 「バイバイ」
タッタッ
タッタッ
せつ菜 「……」
副会長 「……」
せつ菜 「あっ、えっと、副会長、その」
83: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:37:20.15 ID:H0Bg2fmh
副会長 「……ごめんなさい、せつ菜ちゃん。迷惑かけちゃったよね」
せつ菜 「! そ、そんなことは!」
副会長 「でもせつ菜ちゃんが、会長が、来てくれてすごく嬉しかったです。ありがとうございます」 ペコッ
せつ菜 「副会長……」
副会長 「……」
せつ菜 「なんだかしんみりした空気になってしまいましたね。気分転換も兼ねてせっかくだからあれに乗ってみませんか?」 チラッ
副会長 「えっ?」
せつ菜 「! そ、そんなことは!」
副会長 「でもせつ菜ちゃんが、会長が、来てくれてすごく嬉しかったです。ありがとうございます」 ペコッ
せつ菜 「副会長……」
副会長 「……」
せつ菜 「なんだかしんみりした空気になってしまいましたね。気分転換も兼ねてせっかくだからあれに乗ってみませんか?」 チラッ
副会長 「えっ?」
84: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:38:43.94 ID:H0Bg2fmh
せつ菜 「……観覧車です。ほら言ったでしょ、水族館より遊園地の気分だって」
副会長 「で、でも私、迷惑をかけたのに怒られるどころか、せつ菜ちゃんと一緒に観覧車に乗るなんて……」
せつ菜 「もう、仕方ない人ですね。ならこれならどうでしょう」 ペラッ
副会長 「そ、それは! 『一日デート券』!」
せつ菜 「ふふ、チケットはまだ有効ですか?」 ニコッ
…
…
…
副会長 「で、でも私、迷惑をかけたのに怒られるどころか、せつ菜ちゃんと一緒に観覧車に乗るなんて……」
せつ菜 「もう、仕方ない人ですね。ならこれならどうでしょう」 ペラッ
副会長 「そ、それは! 『一日デート券』!」
せつ菜 「ふふ、チケットはまだ有効ですか?」 ニコッ
…
…
…
85: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:39:20.95 ID:H0Bg2fmh
タッタッ
タッタッ
ランジュ 「……」
ランジュ (副会長。嬉しそうだった……良かった。思いが報われて)
ランジュ 「努力はしっかり結果に結びつけないとね。私もつい全力で走っちゃったわ」
ランジュ (そう、二人とも幸せで良かったのよ)
ランジュ (私は必要ない。少し寂しいけどね)
タッタッ
ランジュ 「……」
ランジュ (副会長。嬉しそうだった……良かった。思いが報われて)
ランジュ 「努力はしっかり結果に結びつけないとね。私もつい全力で走っちゃったわ」
ランジュ (そう、二人とも幸せで良かったのよ)
ランジュ (私は必要ない。少し寂しいけどね)
86: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:40:07.13 ID:H0Bg2fmh
栞子 「待ってください、ランジュ!」
ランジュ 「栞子!? 生徒会はどうしたの!?」
栞子 「……急いで終わらせました。用事があったので」
ランジュ 「用事?」
栞子 「友達のために全力で頑張るのに」
ランジュ 「!」
栞子 「自分は顧みずこっそりいなくなってるようなそんな幼馴染と」
栞子 「隣で笑い話をするために」
ランジュ 「栞子……!!」 パァァ
ランジュ 「栞子!? 生徒会はどうしたの!?」
栞子 「……急いで終わらせました。用事があったので」
ランジュ 「用事?」
栞子 「友達のために全力で頑張るのに」
ランジュ 「!」
栞子 「自分は顧みずこっそりいなくなってるようなそんな幼馴染と」
栞子 「隣で笑い話をするために」
ランジュ 「栞子……!!」 パァァ
87: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:40:55.24 ID:H0Bg2fmh
栞子 「ランジュは不器用なんですよ、いつも」
ランジュ 「あなたは最高の友達よぉぉぉーーーー!!」 ダキッ
栞子 「もう、痛いですよランジュ」 フフ
ランジュ 「うぅ、だって〜!!」 ポロポロ
栞子 「本当、ワガママなんですから」
栞子 (そんなワガママに振り回されてる時)
栞子 (なんやかんや私は幸せを感じますけどね)
栞子 「ありがとう、ランジュ」ボソッ
…
…
…
ランジュ 「あなたは最高の友達よぉぉぉーーーー!!」 ダキッ
栞子 「もう、痛いですよランジュ」 フフ
ランジュ 「うぅ、だって〜!!」 ポロポロ
栞子 「本当、ワガママなんですから」
栞子 (そんなワガママに振り回されてる時)
栞子 (なんやかんや私は幸せを感じますけどね)
栞子 「ありがとう、ランジュ」ボソッ
…
…
…
88: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:42:01.19 ID:H0Bg2fmh
ガタン
ゴトン
せつ菜 「以前遊園地に行ったときは、観覧車に乗れなかったんです。だからすごくワクワクします!」
副会長 「私も観覧車なんて、小学生以来かも……」
ガタン
ゴトン
せつ菜 「……」
副会長 「……」
ゴトン
せつ菜 「以前遊園地に行ったときは、観覧車に乗れなかったんです。だからすごくワクワクします!」
副会長 「私も観覧車なんて、小学生以来かも……」
ガタン
ゴトン
せつ菜 「……」
副会長 「……」
89: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:43:00.51 ID:H0Bg2fmh
せつ菜 (……しまった!! よくよく考えたら二人きりで観覧車に乗るだなんて自然と会話が減り気まずくなるのが目に見えるじゃないですか!!)
副会長 「……会長」
せつ菜 (助かった!! あっちから話しかけてきてくれた!!)
せつ菜 「な、なんですか! 副会長」
副会長 「私、前もこんなことありましたよね」
せつ菜 「こんなこと、とは?」
副会長 「……会長」
せつ菜 (助かった!! あっちから話しかけてきてくれた!!)
せつ菜 「な、なんですか! 副会長」
副会長 「私、前もこんなことありましたよね」
せつ菜 「こんなこと、とは?」
90: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:44:22.67 ID:H0Bg2fmh
副会長 「生徒会にせつ菜ちゃんのことを持ち込んで、仕事を疎かにしてしまったことです」
せつ菜 「あぁ……ありましたね」
副会長 「そのときはせつ菜ちゃんが生徒会室でライブをしてくれて、本来の自分を取り戻せました。そして今回も、せつ菜ちゃんの言葉があったから」
せつ菜 「……」
副会長 「きっと、これがスクールアイドルを応援するってことだと思うんです。日常でもつらいとき、いつでも支えてくれる。その歌が、その笑顔が」
せつ菜 「……あはは、少し照れますね///」
せつ菜 「あぁ……ありましたね」
副会長 「そのときはせつ菜ちゃんが生徒会室でライブをしてくれて、本来の自分を取り戻せました。そして今回も、せつ菜ちゃんの言葉があったから」
せつ菜 「……」
副会長 「きっと、これがスクールアイドルを応援するってことだと思うんです。日常でもつらいとき、いつでも支えてくれる。その歌が、その笑顔が」
せつ菜 「……あはは、少し照れますね///」
91: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:45:23.76 ID:H0Bg2fmh
副会長 「そんなせつ菜ちゃんが、空港まで来てくれて、今は観覧車に二人乗っている。こんなに嬉しい日はありません」
せつ菜 「副会長……」
副会長 「一日って短いじゃないですか。それでいて同じような繰り返し……毎日が大切だってよく言いますけど、やっぱり同じ一日の中でも、何もできないであっけなく終わっちゃう一日とか、空虚な日もあって」
副会長 「でも逆に、たった一日だったけど、一生忘れられないようなそんな大切な一日もあると思うんです。まさになんていうんだろう……一生の中の、本当に素敵なある一日。ア・デイ・インザライフ」
せつ菜 「ふふ、なんだか詩的ですね」
せつ菜 「副会長……」
副会長 「一日って短いじゃないですか。それでいて同じような繰り返し……毎日が大切だってよく言いますけど、やっぱり同じ一日の中でも、何もできないであっけなく終わっちゃう一日とか、空虚な日もあって」
副会長 「でも逆に、たった一日だったけど、一生忘れられないようなそんな大切な一日もあると思うんです。まさになんていうんだろう……一生の中の、本当に素敵なある一日。ア・デイ・インザライフ」
せつ菜 「ふふ、なんだか詩的ですね」
92: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:46:41.34 ID:H0Bg2fmh
副会長 「その私にとってのア・デイ・インザライフが、今日なんです。今日のことはきっと、いや絶対、私は忘れません」
せつ菜 「……それなら」
副会長 「!」
せつ菜 「私にとっても、今日はア・デイ・インザライフですね」 ニコッ
副会長 「せつ菜ちゃん……!」
ガタン
ゴトン
せつ菜 「今日のことはお互いに絶対忘れません。ね? 副会長」
副会長 「はい……!」
…
…
…
せつ菜 「……それなら」
副会長 「!」
せつ菜 「私にとっても、今日はア・デイ・インザライフですね」 ニコッ
副会長 「せつ菜ちゃん……!」
ガタン
ゴトン
せつ菜 「今日のことはお互いに絶対忘れません。ね? 副会長」
副会長 「はい……!」
…
…
…
93: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:47:46.73 ID:H0Bg2fmh
書記1 「それで勝負はどうなったんでしょうか?」
菜々 「……それは分かりませんが、どっちが勝ったとしても、そもそも同好会設立は承認しませんし些細なことです」
ランジュ 「さすがせつ菜ね。厳しいところはしっかり厳しい」
菜々 「それでなぜランジュさんが生徒会に?」
ランジュ 「今日は副会長と一緒に遊ぶ約束をしてるの。友達だから。でも見当たらないみたいだけど……どこにいるのかしら?」
菜々 「……それは分かりませんが、どっちが勝ったとしても、そもそも同好会設立は承認しませんし些細なことです」
ランジュ 「さすがせつ菜ね。厳しいところはしっかり厳しい」
菜々 「それでなぜランジュさんが生徒会に?」
ランジュ 「今日は副会長と一緒に遊ぶ約束をしてるの。友達だから。でも見当たらないみたいだけど……どこにいるのかしら?」
94: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:48:44.20 ID:H0Bg2fmh
書記2 「会長。そろそろ巡回の時間です」
菜々 「……副会長がいませんが、仕方ありません、副会長の範囲まで私が行ってきます」
ガチャ
タッタッ
タッタッ
菜々 「……」
菜々 (それにしても、そんなにせつ菜のための同好会設立を必死に頑張ってくれるなんて)
菜々 (会長としての立場では絶対に言えませんが、すごく嬉しいです。今度二人にお菓子でもお土産に渡しましょうか)
菜々 「……副会長がいませんが、仕方ありません、副会長の範囲まで私が行ってきます」
ガチャ
タッタッ
タッタッ
菜々 「……」
菜々 (それにしても、そんなにせつ菜のための同好会設立を必死に頑張ってくれるなんて)
菜々 (会長としての立場では絶対に言えませんが、すごく嬉しいです。今度二人にお菓子でもお土産に渡しましょうか)
95: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:49:26.69 ID:H0Bg2fmh
ワイワイ
ワイワイ
菜々 「ん? おかしいですね、この部屋は空き部屋だったはず……なぜ人の声が……」
ガチャ
菜々 「何をやってるんですか? ここは許可なしでは使っては……」
栞子・副会長 「「あっ」」
菜々 「……」
栞子・副会長 「「……」」
菜々 「あなたたち……」
ワイワイ
菜々 「ん? おかしいですね、この部屋は空き部屋だったはず……なぜ人の声が……」
ガチャ
菜々 「何をやってるんですか? ここは許可なしでは使っては……」
栞子・副会長 「「あっ」」
菜々 「……」
栞子・副会長 「「……」」
菜々 「あなたたち……」
96: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:50:04.24 ID:H0Bg2fmh
副会長 「あはは、こっそり活動すればバレないかなって……」
栞子 「ちなみに部長は私と副会長二人で担当しています。これなら争うことはありません!」
菜々 「わ、わ、私のグッズが壁にたくさん並べられて……!///」
副会長 「やっぱり恥ずかしがるせつ菜ちゃんはGood job!」
栞子 「こんなにテンションが上がるのは初めてです」
菜々 「いい加減にしてくださいっ!!!!///」
おわり
栞子 「ちなみに部長は私と副会長二人で担当しています。これなら争うことはありません!」
菜々 「わ、わ、私のグッズが壁にたくさん並べられて……!///」
副会長 「やっぱり恥ずかしがるせつ菜ちゃんはGood job!」
栞子 「こんなにテンションが上がるのは初めてです」
菜々 「いい加減にしてくださいっ!!!!///」
おわり
97: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:51:31.87 ID:H0Bg2fmh
ありがとうございました。
五話の観覧車のくだりと、最新話(九話)の帰国騒動のくだりを合わせたら面白いものになる気がして書いてしまいました。
副菜は体に良い。
五話の観覧車のくだりと、最新話(九話)の帰国騒動のくだりを合わせたら面白いものになる気がして書いてしまいました。
副菜は体に良い。
98: (もんじゃ) 2022/05/30(月) 13:57:50.92 ID:H0Bg2fmh
他の書いた虹ヶ咲ss(数が多いため一部抜粋)
かすみ 「かすみんは学びます!」
璃奈 「令和って元号カッコいい、好き」 愛 「ほう」
侑 「この歌詞……ちょっと変かも。数単語リライトしよう!」
璃奈 「恋愛感情を発生させる装置を作ってしまった」侑 「えー?」歩夢 「すごいね」
かすみ 「かすみんは学びます!」
かすみ 「かすみんは学びます!」【ラブライブ!SS】jo
■約65000文字■
短編三つ+αの四部構成になっています。
・かすみ 「かすみんは学びます!」
・歩夢 「笑いのレベルが赤ちゃんだから」
・果林 「また迷っちゃったわねぇ」
また、+αである4つ目の作品の題名は、展開上の都合で、三つ書き切るまで秘密とさせていただきます。
よろしくお願いします。
―かすみ 「かすみんは学びます!」―
かすみ 「せつ菜先輩の眼鏡を無断で盗んじゃいました!」
侑 「また怒られちゃうよ?」
かすみ 「大丈夫です。その代わり新しいメガネを一から作ってせつ菜先輩にプレゼントしましたから!」
愛 「おおっー! さすがかすかすぅー!」
かすみ 「なっ!? かすかすじゃなくて、かすみんですぅ!!」
かすみ (って怒っても愛先輩は懲りもせず繰り返すことを学びました……なので)
かすみ 「愛先輩!」
愛 「えっ? どうしたの?」
璃奈 「令和って元号カッコいい、好き」 愛 「ほう」
【SS】璃奈 「令和って元号カッコいい、好き」 愛 「ほう」【ラブライブ!虹ヶ咲】
それから愛さんは全力で頑張った。
常に成績はトップクラスを修め、
カシャ カシャ
カシャ カシャ
愛 「次の元号は……」
カシャ カシャ
カシャ カシャ
侑 「この歌詞……ちょっと変かも。数単語リライトしよう!」
【SS】侑 「この歌詞……ちょっと変かも。数単語リライトしよう!」【ラブライブ!虹ヶ咲】
■約72000文字■侑 「それでね、かすみちゃんがね……」 ペラペラ
歩夢 「ふふ、面白いね」
かすみ 「あっ、侑先輩ーー! 歩夢先輩ー! おはようございますー!」
侑 「あ、かすみちゃんおはよう」
歩夢 「おはよう、かすみちゃん」
かすみ 「登校ルートとは少しずれてますけど、先輩たちに用があったので待ち伏せしてました!」
侑 「用?」
かすみ 「次のライブで歌う曲の歌詞なんですけど……ここ、少しかすみんっぽくないかもと思って。侑先輩に相談しに来たんです」
璃奈 「恋愛感情を発生させる装置を作ってしまった」侑 「えー?」歩夢 「すごいね」
【SS】璃奈 「恋愛感情を発生させる装置を作ってしまった」侑 「えー?」歩夢 「すごいね」【ラブライブ!虹ヶ咲】
璃奈 「これは、特殊な電流を流すことで、擬似的な恋愛感情を起こす装置。脳は電気信号で動くから」
侑 「恐ろしい兵器だね」
璃奈 「作るつもりはなかった。実験中の副産物のようなもの。それに、まだ未完成だから、安易に使ったら危ない」
侑 「じゃあしまっておかなきゃだね。金庫を用意するよ」
璃奈 「かたじけない」
歩夢 「……」
…
…
…
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1653822436/