【虹4th発売記念SS】璃奈「出来た、ソングイメージシミュレーター」あなた「ソング⋯なにそれ?」【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS


1: (SIM) 2021/10/06(水) 22:43:24.12 ID:ciDaE892
璃奈「この装置を使えば、あなたの作った曲を読み込んでその歌詞やメロディ、込められた想いを解析して擬似世界を構築。出来上がった曲世界をこのVRマシンを使って精神をリンクしてそのまま疑似体験、つまりシミュレーション体験する事が出来るの」

あなた「うーんっと……つまり私の作曲した曲の世界に入れるって事?」
 
L!L!L! (Love the Life We Live)
公式アルバム、シングル、ミュージック ビ&#12487...
2:>>1代行助かります(もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:45:51.18 ID:+DnKrRzE
璃奈「わかりやすい例なら、かすみちゃんが本物の魔法使いになってる世界を体験できる」

あなた「それはすごい! 本物の魔法使いのかすみちゃんに会ってみたい!」

璃奈「あなたには今回も新しい曲をたくさん作ってもらった」

あなた「フィルムフェスティバルではみんなのいろんな一面が見れたからね~」

あなた「それにみんながくれる歌詞、すっごくキラキラしてて、だから曲も結構今までと印象の違う曲が多く出来てとっても新鮮だったよ」

あなた「あ~なんか想像してたらすっごくワクワクしてきちゃった! このVRマシンをかぶればいいの?」カポッ

璃奈「うん、是非あなたにこの装置の感想と使用データを貰いたい」
 
3: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:47:09.00 ID:+DnKrRzE
璃奈「曲はあなたが今一番記憶に新しい、フィルムフェスのために作ったものを合わせた計12曲のどれかの世界が一番」

あなた「うん! はやく曲世界のみんなに会ってみたいよ~!」ワクワク

璃奈「でも、注意して欲しい。このVRマシンは現実のあなたと精神をリンクするから……」

あなた「このボタンを押せばいいのかな?」ポチッ

璃奈「あっ……」


──ツナガルコネクト! リンクスタート!!


あなた「………」スヤスヤ

璃奈「……まだ説明途中だったのに」
 
4: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:48:16.77 ID:+DnKrRzE
──Now Loading……

……
…………
………………

──Load Complete!!

────『Break The System』START────
 
5: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:50:24.66 ID:+DnKrRzE
あなた「うん……ここは……?」

あなた「私の部屋?」キョロキョロ

あなた「うーん……いつも通りの私の部屋だね」

あなた「服装も制服だし特に変わった様子もないし、これは一体誰の曲世界なんだろう……」

あなた「少なくとも魔法少女の世界ではなさそうだね、だとすると…」

──ガチャ!!

歩夢「あなたっ!!」ガバッ

あなた「え? 歩夢ちゃ…うわっ!?」

歩夢「ごめんね…ごめんね…! 私、またあなたを……」ギュウ~…

あなた「どうしたの歩夢ちゃんっ!? なんで泣いて…どこか痛いところでもある!?」
 
8: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:53:28.48 ID:+DnKrRzE
歩夢「ごめんね……ごめんね……今度こそ絶対あなたを……」グスングスン

あなた「歩夢ちゃん泣かないでっ! 私はここにいるから!」ギュッ!

歩夢「ぁ……」

あなた「……落ち着いた?」

歩夢「うん……ありがとう」

あなた(歩夢ちゃん、急にどうしちゃったんだろう……というかよく見たら歩夢ちゃん、白衣着てる……? 科学者みたいでなんだかいつもよりかっこよく見えるなぁ……)

歩夢「ごめんね。もう泣かないっていつも言ってるのにね……」

歩夢「でも……うん、これで最後にするよ……」

あなた「……歩夢ちゃん?」
 
9: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:55:47.95 ID:+DnKrRzE
歩夢「聞いてっ! 信じられないかもしれないけど、ここは危険なの……今すぐここから逃げ出そう!」

あなた「危険? それってどういう…」

歩夢「とにかく今は私を信じてっ! 行くよっ!」ギュッ!

あなた「あ……うん」

あなた(歩夢ちゃんがこんなに強く私を引っ張るなんて……初めてかも……)

歩夢「あ、靴ひもちゃんと結んだ? 転んだら危ないからね?」

あなた(……でも、優しいところはいつもどおりの歩夢ちゃんだ♪)
 
10: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 22:59:39.74 ID:+DnKrRzE
・・・・・・・・・

あなた「歩夢ちゃん、一体どこまで行くの?」

歩夢「事故は……起きてない、ということはEルートだからこの先は……」ブツブツ

あなた「歩夢ちゃん……?」

歩夢「こっち!!」ギュルン!

あなた「わわっ!? 急に行き先変えて引っ張らないでよ~!」

歩夢「とりあえず、あれを手に入れなきゃ……」

あなた「歩夢ちゃん……? 行き先ってここ? なにかの建物みたいだけど……」

あなた(木製で二階建てのプレハブみたいな……ここに一体何の用が?)
 
12: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:05:55.21 ID:+DnKrRzE
歩夢「………」ゴソゴソ

あなた「? 一体何して……」

──ボワッ!!

あなた「歩夢ちゃん!? なんでライターで火をつけてるの!? そんなことしたらこの建物が火事に……」

歩夢「……大丈夫、私を信じて」

あなた「え……?」

歩夢「あなたは絶対に私が守ってみせるから…!」ギュッ

あなた「な、何言って……」

──キャー!!ウワァァァー!!

あなた「中に人が……!」

歩夢「今は黙って私に付いてきて!!」グイッ

あなた「わわっ!? 歩夢ちゃん……」スタスタ
 
13: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:10:31.21 ID:+DnKrRzE
歩夢「裏から中に入るよ」

あなた「えっ、火事起きてるのに?」

歩夢「二階にはまだ火が回ってないから大丈夫」

あなた(なにここ……なんだか物騒なものがいっぱい……まるでギャングの秘密基地みたいな……)

歩夢「………」ゴソゴソ

あなた「歩夢ちゃんっ!? その手に持ってるのって拳銃!?」

歩夢「……あなたはこれを着て」

あなた「こ、これって……防弾チョッキ?」
 
14: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:13:56.85 ID:+DnKrRzE
あなた「って、勝手に取っちゃダメだよ! これって火事場泥棒……」

歩夢「大丈夫。今は深く考えずに、取り敢えず危険だからそれを着て?」

あなた「……うん……でも危険なら、歩夢ちゃんも着た方が…」

歩夢「私は大丈夫……どうせ絶対死なないから……」

あなた「?」

歩夢「着がえたら人が来る前にすぐに出るよ」
 
16: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:20:28.78 ID:+DnKrRzE
あなた(……その後も、歩夢ちゃんはまるで何が起こるのかが全てわかってるかのように、常に先を動いて手際よく進んでいく……)

あなた(……多分、この世界は歩夢ちゃんの曲、『Break The System』の曲世界なんだと思う)

あなた(この曲の元となったお話は、タイムリープを繰り返す主人公のお話……だから歩夢ちゃんはきっとタイムリープをしていて、それであんなに手際がよくて……)

あなた(でも、元となったお話は火星人が侵略してくるお話だけど、そんなのは見当たらないし……それじゃあ、歩夢ちゃんは何をするためにタイムリープをしてるんだろう……?)


歩夢「……ついた、ここからは危険だから、絶対私から離れないでね?」

あなた「うん……」

あなた(ここは……なにかの施設? お台場にこんな場所があったんだ……ここに、歩夢ちゃんの目的があるのかな?)
 
17: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:31:07.86 ID:+DnKrRzE
歩夢「扉のパスワードは……」ピッピッ

──ブーーブーー!!!不正パスワードを検知!!

歩夢「……っそんな、間違えたっ!? あなた、逃げるよ!!」グイッ

あなた「うわぁっ!? いきなり言われてもっ!?」

──侵入者を排除します

あなた「!? なんか銃が出てきたよっ!?」

歩夢「とにかく走って!!」

あなた「っ! 歩夢ちゃん危ないっ!!」

──バァン!!

あなた「うっ……!」

歩夢「あなたっ!? っっこのっ!!!」バァン!!
 
19: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:36:16.02 ID:+DnKrRzE
歩夢「あなた……大丈夫っ!?」

あなた「うん……防弾チョッキのおかげでなんとか……」

歩夢「ばかっ!! どうして前に出たのっ!!」

あなた「歩夢ちゃんが危なかったから……防弾チョッキのある私が代わりに受けた方がいいと思って……」

歩夢「守りたいのは私なのに……どうしていつもあなたは……!」

歩夢「……ううん、もう平気。あとは階段で最上階まで行けば……」

あなた「……これって、ロケット?」

歩夢「うん、これに乗って火星まで行くよ」

あなた「えっ火星!?」
 
21: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:43:00.89 ID:+DnKrRzE
歩夢「この地球は……あと数分後に衝突する隕石によって崩壊するの……」

歩夢「だからこのロケットに乗って火星まで逃げ切れば……!」

あなた「ちょ、ちょっと待って……いきなりすぎて何が何だか……」

歩夢「大丈夫、あなたは私を信じていてくれれば何もかも上手く……あれ?」

歩夢「なんで…! どうしてっ!?」

歩夢「起動パスワードが違う……そんなわけない! だってこんな事一度も……」

歩夢「……また、ダメなの…?」

歩夢「どうして……どうしてどうしてっ!! 今度こそ絶対上手くいくって思ってたのに……」

歩夢「ごめんね……ごめんなさい……また私はあなたを救えない……」グスン

あなた「歩夢ちゃん……」
 
22: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:50:21.02 ID:+DnKrRzE
あなた「泣かないでっ!」ギュッ!

歩夢「ぁ……」

あなた「……話を、聞かせてもらえる?」

歩夢「……うん、信じられないかもしれないけど……私はこの世界をタイムリープしてるの」

歩夢「あなたが死なない未来にする為に……」

あなた「私が、死なない……?」
 
23: (もんじゃ) 2021/10/06(水) 23:54:25.45 ID:+DnKrRzE
歩夢「うん、さっきも言ったけどこの地球はあと数分後に隕石の衝突によって崩壊するの」

歩夢「だからこのロケットであなたと火星まで逃げようと思ってたのに……」

あなた「逃げる……えっと……それなら逃げるんじゃなくて、その隕石をどうにかすればいいんじゃないの?」

歩夢「……隕石は、私が何もしなければ破壊されるよ……」

あなた「え?」

歩夢「このロケットは本来は移動用なんだけど、対隕石用のミサイルに改造されてるの……だから私が奪おうとしなければ隕石にミサイルが発射されて地球は滅びずに済むの……」

あなた「じゃあ、どうして……」

歩夢「それでも崩壊した隕石の破片が、各地で多くの被害を出すの……」

歩夢「その被害に、あなたも巻き込まれる……」

あなた「それで歩夢ちゃんは……」
 
25: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:02:21.58 ID:kGqiBIRX
歩夢「あなたが死んだ世界なんて生きる意味が無いから……だから私はタイムマシンを作って、過去に戻ったの」

歩夢「未来を変えるために、隕石が直撃する前に、対隕石ロケットが発射される以前に……!」

歩夢「まずは逃げ出した、あなたを連れて破片の被害が出ない場所に」

歩夢「でも、ダメだった……逃げようとするとあなたは他の事故に巻き込まれて死じゃう……交通事故、通り魔、落下物……それでも何度も対策して、ループを繰り返して試行錯誤して、やっと安全な場所へ逃げ延びたの」

歩夢「でもダメだったの……!! どこへ逃げても、破片はあなたの場所めがけて落ちてくる……」

歩夢「何度も何度も何度も何度も繰り返しても、帳尻を合わせるように違う形であなたは死んでしまう……」

歩夢「まるでそう運命が決まってるかのように……」

歩夢「あなたは必ず死ぬ……そして私は必ず生き残る……」

歩夢「あなたの代わりに私が死のうとした…! でも必ずあなたは私を守ろうと自ら犠牲になるの…!!」
 
26: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:07:10.19 ID:kGqiBIRX
歩夢「だから、もう地球を救うのは諦めて、あなただけを救う方法を考えた。それでこのロケットを奪おうとしたんだけど……また失敗しちゃった……」

あなた「そんな……だったら歩夢ちゃんは私を救うためだけに、この地球も犠牲にして……」

歩夢「私が私のために全てをかけて何が悪いのっ!?」

あなた「っ…!」

歩夢「私、本当はわがままなんだよ…?」

歩夢「あなたのことになるといつだってわがまま……」

歩夢「おかしいって思われてもいい……」

歩夢「正義の味方になんてなれない……」
 
27: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:10:13.48 ID:kGqiBIRX
歩夢「私はあなたが居ない世界なんて、考えられないよ……」

歩夢「だから壊そうとした……このシステムを、この狂った世界を…!」

歩夢「でも、もう無理なのかな……」

歩夢「どんなに足掻いても……未来は変えられないのかな……」

あなた(そっか、この世界の歩夢ちゃんはまだ知らないんだ……)

あなた(……私は知ってる、このシステムから抜け出す方法を…!)
 
29: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:17:37.71 ID:kGqiBIRX
あなた「歩夢ちゃん、もしかしたらこのループを抜け出す方法があるかもしれない」

歩夢「え……?」

あなた「エントロピーって知ってる?」

歩夢「エントロピー……?」

あなた「えっと、エントロピーって言うのはなんというか……私も詳しくはよくわからないんだけどね?」

あなた「うーんっと、つまりタイムリープをして違う結果に向かおうとする度にエントロピーが減少するの。その減少した分だけパワーが余って帳尻を合わせようと未来が変わって…」

歩夢「うん……それであなたは何度も死んで……」

あなた「だから、そのパワーを隕石にぶつければいいんじゃないかな?」

歩夢「そ、そんなこと……! いや、でもその話が本当なら、エントロピーの減少によるパワーはタイムマシンを軸に発生してる……それに乗ってる私が核となって未来が変わるなら……」

歩夢「ロケットをタイムマシンに改造して隕石にぶつければ……!」

あなた「うん。そうすれば多分、隕石が破片も残さずに消滅する未来に変わると思うんだ」
 
31: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:21:04.01 ID:kGqiBIRX
歩夢「ま、まって……すごいことを言ってるけど……どうしてあなたはそんな事を知ってるの…!?」

あなた「……信じて貰えないかもしれないけどさ、私は違う世界からやってきた私なんだ」

歩夢「違う世界……?」

あなた「そこで、このループと似たような出来事を解決したお話を知ってるんだ」

歩夢「にわかには信じられないけど……でも、あなたが言うんだもん。信じる」

あなた「歩夢ちゃん……!」
 
32: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:25:51.16 ID:kGqiBIRX
歩夢「……そっか、これであなたを救えるんだね……」

歩夢「あなた…! ありがとうっ……」ギュウ~~

あなた「わわっ! えへへ、お役に立てて良かったよ」

歩夢「でも、今から改造するのは流石に間に合わないね……」

あなた「うん、このループは残念だけどここで終わるしかないね……」

あなた「ループしたら私も帰っちゃうのかな? うーん……この世界の歩夢ちゃんともうお別れなのはちょっと寂しいかなぁ」
 
33: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:29:30.46 ID:kGqiBIRX
歩夢「……あなたの世界の私は、どんな感じなの?」

あなた「変わらないよ、優しい所も、ひたむきに頑張る姿も、だからそんな歩夢ちゃんが私は大好き!」

歩夢「ふふっ♪ そっか、あなたもこの世界のあなたと変わらないよ」

歩夢「そんなあなたが、私も大好き……だから……///」

あなた「歩夢ちゃん…? どうして肩に手を置いて…」

歩夢「……んっ///」ンチュ

あなた「っ!?///」

あなた「え、えっ歩夢ちゃん……?///」

歩夢「えへへ、本当はこのループから抜け出したら伝えようと思ってたけど……あなたには特別に……///」

歩夢「今までもこれからも、ずっと大好きだよ……///」

歩夢「いつもそばにいてくれてありがとう、いつだってあなたは私の光だよ────」
 
36: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:32:53.22 ID:kGqiBIRX
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※ Warning ※※※※※ Warning ※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

──現実世界とのリンクが切断された為、強制終了します……
 
38: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:36:14.76 ID:kGqiBIRX
「……なたっ!」

あなた「……ん?」ムクリ

歩夢「あなたっ!!」ダキッ!

あなた「わわっ! 歩夢ちゃん……」

璃奈「よかった……上手く戻ってこれた」

あなた「えっと……これは現実?」

歩夢「もう……璃奈ちゃんからあなたが目覚めないかもって言われて本当に心配したんだよっ!」ギュギュウ~

璃奈「この機械はまだ試作段階、だから長時間の運用は危険……だけど、現実のあなたとの精神をリンクしてるから強制的に切断するのも危険で……」

璃奈「あなたの意識が曲世界から揺らぐ大きな衝撃がなければ危なかった……」

あなた「衝撃……あ……///」チラッ

歩夢「……? どうしたの?」

あなた「な、なんでもない……///」プイッ

歩夢「え? なんで目をそらすの?」
 
39: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:39:44.40 ID:kGqiBIRX
あなた「あ、いやえっと……///」

歩夢「本当に心配したんだからね! もう私、あなたに会えないかと……」ギュゥ~!

あなた「……歩夢ちゃんさ、もし私が早死しても……後追いとかするのはやめてね?」

歩夢「え? な、何言ってるの?」

あなた「あはは……」

璃奈(……あなた、歩夢さんの曲世界で何を見てきたんだろう……)
 
42: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:44:56.12 ID:kGqiBIRX
──次の日

あなた「もっと私にこの装置使わせて!」

あなた「なんかね、上手く言えないけどこのまま続ければもっといい曲が出来そうなんだ!」

璃奈「むしろお願いするのはこちらの方」

璃奈「今度は安全装置を付けたから安心して欲しい」

璃奈「次は、あなたが行きたがってた魔法少女になったかすみちゃんの世界に行ってもらいたい」

あなた「本当に!? やったー! ついに本物の魔法少女のかすみちゃんに会えるんだね!」

璃奈「前回の反省を活かして、今回は強制終了機能を作った」

あなた「強制終了機能?」

璃奈「その世界にずっといたいと思う気持ちや、あなたが強い感情の昂りを見せると強制終了する」

璃奈「これであなたが曲世界に取り残される心配は無くなる」

あなた「そっか、それじゃあ安心して曲世界を堪能できるね!」

璃奈「うん、それじゃあ行くよ?」


──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
44: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 00:48:58.70 ID:kGqiBIRX
きりがいいので今日はここまでとします。次はかすみんの曲世界。
4th発売日までに12人全員分書ききりたいのですが、書き溜めが無いので正直自信有りません……
また明日の夜からゆっくりとですが更新していきます
 
54: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 20:58:45.11 ID:kGqiBIRX
──Now Loading……

……
…………
………………

──Load Complete!!

────『TO BE YOURSELF』START────
 
55: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 21:02:05.28 ID:kGqiBIRX
あなた「うん……?」

あなた(見慣れない場所……中世のお城みたいな部屋……)キョロキョロ

あなた(それに、私の服装もなんだか魔法学生服みたいな……)

あなた「てことは本当に魔法少女の世界に来たんだ!!」

あなた「うわーすっごい!! わくわくしちゃう~!!」

──ガチャ

かすみ「せんぱーいっ!! 聞いてくださいよ~!」

あなた「うわぁーーっ!✨✨ かすみちゃん可愛い~~!!!」ダキッ!!

かすみ「ぴゃーーー!? な、なんでいきなり抱きつくんですかぁ!?///」

あなた(まさにTHE魔法少女って感じのフリフリ衣装っ! この姿を見れただけでもこの世界に来た価値があるよっ!)
 
56: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 21:10:38.46 ID:kGqiBIRX
かすみ「あ、あの先輩……/// いつまで抱きついてるつもりなんですかぁ……///」

あなた「ん……先輩?」

あなた(魔法少女のかすみちゃんの先輩ってことは……)

あなた「……えいっ、えいっ!」ブンブン

かすみ「……先輩? 何してるんですか?」

あなた「えっと、魔法使えるかなって……」

かすみ「え、先輩魔法使えませんよね?」

あなた「え、使えないのっ!!?」ガーーン

あなた「じゃあなんで私かすみちゃんの先輩なのっ!!?」

かすみ「なんでって……先輩は魔法は使えませんけど、魔法作成士の2年生で、一年生のかすみんの先輩じゃないですか」

あなた「あー……作成……」
 
58: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 21:22:42.48 ID:kGqiBIRX
かすみ「先輩の作る魔法で、かすみんいつもお世話になってますよ♪」

あなた(なるほど、かすみちゃんは魔法少女で、私はみんなの為に魔法を作る魔法作成士……まあ、私はどの世界でもそういう役職があってるのかな?)

あなた(使えないのはちょっと残念だけど、作るのもきっと楽しいよね。うん!)

かすみ「ってそんなことよりも聞いてくださいよ先輩っ!」

かすみ「またかすみん、『No.1かわいい魔法少女投票』で一位取れなかったんです〜〜」シクシク

あなた「No.1かわいい…?」

かすみ「そうですよぉ〜……今度こそ一番のかわいいになれると思ったのに……」
 
59: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 21:29:32.44 ID:kGqiBIRX
あなた(この世界のかすみちゃんも、かわいいで一番を目指してるんだね)

あなた「そうだったんだ、かすみちゃんこんなにかわいいのに…!」

かすみ「っ! あーんやっぱり先輩が一番かすみんの事を分かってくれてますね〜♡」

かすみ「いつでもかわいいって言ってくれる先輩が大好きです♡」スリスリ

あなた「あはは、よしよし」ナデナデ

かすみ「えへへ〜なでなですき〜♡」

かすみ「でも! かすみん先輩の一番かわいいだけじゃなくて、みんなの一番かわいいになりたいんです!」

かすみ「なので先輩っ! またかすみんの魔法を見てくれませんか?」

あなた「魔法っ! 見る見る是非見せて!」
 
61: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 21:44:53.13 ID:kGqiBIRX
かすみ「えへへ、それじゃあいきますよ?」スチャ

あなた(おぉ〜、やっぱり魔法のステッキ使うんだ!)

かすみ「輝けジュエルシャイン! スマイル・ダイアモンドー!」

──キラーン✨

あなた「うわ〜綺麗~~!!! これはなんの魔法なの?」✨✨

かすみ「ふふん♪ これは周りにキラキラを発生させる魔法です!」✨✨

かすみ「これでかすみんのかわいさがより光ってしまいますね!」✨✨

かすみ「って、これ先輩が作ってくれた魔法ですよね?」✨✨

あなた「え、あー……あはは、説明もできた方がいいかなって」✨✨

かすみ「なるほど、有効性とか説明できた方がアピール出来ますもんね」✨✨
 
62: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 21:53:40.51 ID:kGqiBIRX
あなた「ねえねえ! 他にも見せてっ!」

かすみ「も、もう〜しょうがないですね〜♪」

かすみ「それじゃあ次の魔法……」

かすみ「世界で一番スマイル! ハッピー・ワンダーランド!!」

──パパパーン🎉🎉🎉

あなた「すごいすごいっ!! これは?」

かすみ「これは紙吹雪を発生させる魔法です♪ 落ちた紙はマナになって消えるので掃除もいらないんですよ?」

かすみ「かわいいかすみんを注目させるためには打って付けの魔法です!」
 
64: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 22:01:19.67 ID:kGqiBIRX
かすみ「それじゃあ、今回の投票でも使用した魔法行きますよ……」

かすみ「聞いて! スペシャル・マーガレット!!」

──シャララーン✨

あなた「うわ~~……これは……」

かすみ「えへへ♪ ちょっぴり心が本音になれる魔法です♪」

かすみ「精神を動かす魔法……とっても難しい魔法ですけど、先輩が作ってくれたから頑張ってかすみん使えるようになったんですよ?」

あなた「そんなにすごい魔法を……頑張ったんだね。本当にすごいよかすみちゃん……」

あなた「でもここまですごい魔法が使えるなら、どうして票が集まらないの?」

かすみ「うっ……そこなんですよね……」
 
65: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 22:17:19.80 ID:kGqiBIRX
かすみ「この投票は、当人のかわいさ、そして魔法アピールのふたつの合計投票で決まるんです」

あなた「かわいさ、魔法アピール……かすみちゃんならどっちもクリアしてるね」

かすみ「えへへ、ありがとうございます♪ でも、魔法アピールに問題があるんです」

かすみ「魔法少女は、その力でこの世界を戦い抜き、魔物や敵国から人々を守る存在……だから評価の仕方が、魔法自体に戦力があるかどうかで決まるんです……」

かすみ「かすみんの魔法は戦うための魔法じゃないから、毎回票が集まらないんです……」

あなた「そんな……」

かすみ「そもそもおかしいんです! かわいいを決めるはずなのに、戦力が求められるなんて!」

かすみ「かすみんは戦うとかそんな野蛮なこと好きじゃありませんし、そもそも戦うための魔法って全然かわいくないじゃないですか…!」

かすみ「だからかすみんはいつもかわいい魔法で勝負するんですっ!」

かすみ「……毎回それで表が集まらないんですけど」

かすみ「あ、でもだからって攻撃的な魔法なんて作らなくていいですからねっ!」

かすみ「かすみんはかわいいで勝負したいんです。そこは譲れません……」
 
67: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 22:23:23.25 ID:kGqiBIRX
あなた「戦うのが嫌なら、どうしてかすみちゃんは魔法少女になったの?」

かすみ「だって、かわいいじゃないですかっ!」

かすみ「街で見る魔法少女の姿はいつもキュートでキラキラしてて……」

かすみ「そんな魔法少女に憧れてたんですけど、いざ蓋を開けてみれば魔物退治だの、他の国との戦争だの……」

かすみ「なんだが物騒で、全然かすみんの憧れてた姿じゃないんです……」

かすみ「だからかすみんはかわいい魔法少女になると決めたんですっ!」

かすみ「たとえ戦えなくても、誰もが認める、誰にも愛される、一番かわいい魔法少女に…!」
 
68: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 22:39:48.42 ID:kGqiBIRX
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた(城内を色々探索してみた所、ここはいわゆる魔法学校って所みたい)

あなた(さっきかすみちゃんも言ってたみたいにこの世界の魔法少女は、その力でこの世界を戦い抜き、魔物や敵国から人々を守る存在。言わば、私たちの世界での兵器みたいな感じで、国の戦力=魔法少女って感じかな?)

あなた(卒業後は魔法使いとして国のために働くことが義務になってるらしくて、そのせいもあってか戦力にならない魔法はあんまり評価されてないみたい……)

あなた(だから、戦力にならない魔法を使うかすみちゃんも……)


生徒「ねぇねぇ聞いた? かすみんの噂」


あなた(……ん?)
 
69: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 22:45:13.42 ID:kGqiBIRX
生徒「聞いた聞いた、今日の魔物退治演習、討伐数ゼロだからって評価されなかったって……」

生徒「かすみんは直接討伐はしなけど、いつも私たちを補助する魔法を使ってくれてるのに酷いよね」

生徒「なんでも、攻撃力のない補助魔法だけじゃ自分の身を守れないから評価対象になれないって……」

生徒「そのせいでかすみんの成績すっごく悪いみたいだよ……」

生徒「酷いよね~かすみんの魔法、強力で才能もあるのに……」

生徒「そうそう、あ、そういえばさっきのNo.1かわいい魔法少女投票見た? かすみん、一年生では到底扱えない精神魔法を披露したみたいだよ?」

生徒「精神魔法!? それって三年生でも難しいって言われてるのに……」

生徒「それなのに、戦力にならないからって票が集まらなかったみたいだよ……」

生徒「うそ……そんなの学園側がかすみんを完全に否定してるじゃん!」


あなた(かすみちゃん……)
 
70: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:01:06.80 ID:kGqiBIRX
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「ねえかすみちゃん! さっき出来たこの魔法、使ってみてくれない?」

かすみ「先輩の新作ですかっ! それなら是非……」

かすみ「……これって、攻撃魔法ですか?」

あなた「あ、うん……かすみちゃんに使用感を試して欲しくて……」

かすみ「……それなら、他の人に頼んだほうがいいんじゃないですか? かすみんは攻撃魔法使わないので使用感とかわかりませんし……」

あなた「お願いっ! どうしてもかすみちゃんがこの魔法を使ってる所が見たいのっ!!」

かすみ「えぇ~嫌ですよ……こんな魔法使ってるかすみんなんてかわいくないですし……」

あなた「大丈夫私しか見てないから!」

かすみ「……だからこそ嫌なのに」

あなた「え?」

かすみ「もう~にぶちん先輩!! そんなに見たいなら一回だけですよ?」

あなた「ほんとう!? やったー!」
 
72: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:11:50.01 ID:kGqiBIRX
かすみ「………」スゥゥ

かすみ「集え、コスモスライト! キラメキを放て! ミルキーウェイ・ハーモニー!!」

──ピカチュドーーン!!✨⚡⚡

あなた(すごい……さっき他の生徒に撃ってもらったのと全然違う……)

かすみ「……満足しましたか?」

あなた「うん! やっぱり攻撃魔法使うかすみちゃんもかわい…」

かすみ「雷魔法は……」

あなた「え?」

かすみ「雷魔法は……ビリビリして髪も乱れるし嫌いです……」

かすみ「次はもっと、かわいい魔法が使いたいです……」
 
73: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:21:16.11 ID:kGqiBIRX
あなた「……そんなに攻撃魔法は嫌? 別に攻撃魔法を撃つかすみちゃんも、かわいいのに……」

かすみ「先輩には、そう見えますか……」

あなた「うん! それに攻撃魔法が使えた方がみんなももっとかすみちゃんに注目するだろうし、せっかくすごい魔法が使えるのに勿体無いよ……」

かすみ「分かってますよ、攻撃魔法を使わないかすみんは学校側から評価されてないことも、このままじゃ票も集まらないことも……」

かすみ「……でも、譲れないものが、かすみんにもあるんです」

あなた「譲れない?」

かすみ「確かに攻撃魔法も完璧に使えたら、みんなからキャーキャー言われて、かわいいってたくさん言って貰えると思います」

かすみ「評価もされて、票も集まって……かすみん、きっとNo.1かわいい魔法少女になれると思います」
 
74: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:30:12.44 ID:kGqiBIRX
かすみ「でもそれは周りの人だけのお話です…! 攻撃魔法で傷つけられた魔物や敵国の人たちは、かすみんのことを絶対に嫌うと思います……」

かすみ「かすみんは、周りのみんなも、魔物も、敵国の人でも……みんなが笑顔になれる、最高にかわいい存在、魔法少女でいたいんです…!」

かすみ「それがかすみんの譲れないものなんです…!」

かすみ「それがなくなっちゃうと、自分じゃなくなっちゃいそうで……」

あなた(かすみちゃん……そんな想いが……)

かすみ「だからかすみんは誰かを傷付ける攻撃魔法を使いたくないんです……誰になんと言われようと、先輩に言われても……」

あなた「……わかった」

あなた「かすみちゃんの想い……しっかり伝わったよ!」

あなた「うん、作れる……待っててかすみちゃん、かすみちゃんの想いを込めた最高の魔法を作ってみせるから!」ダッ!

かすみ「え? 先輩……?」

かすみ「行っちゃった……」
 
76: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:39:57.47 ID:kGqiBIRX
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「かすみちゃん! できたよ!!」ガチャ!

かすみ「先輩っ!? 今、朝ですよ……まさかあれから寝ずに……?」

あなた「あれ、ほんとだ朝になってる。全然気付かなかったよ」

あなた「それより見てかすみちゃん!」

かすみ「こ、これは…!」

かすみ「こんな複雑な魔法……どうやって……」

あなた「かすみちゃんの話聞いてたら、どんどんアイデアが溢れちゃって!」

あなた「どうかな…? 難しいと思うけど、かすみちゃんなら……起こせると思うんだ。奇跡を……!」

かすみ「奇跡を……」
 
80: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:46:07.81 ID:kGqiBIRX
あなた「私にとって魔法はね、戦うためとかそういうのじゃなくて、前に進む勇気とか元気をくれるもの、そう思うんだ。だから私にとってはかすみちゃんが一番かわいい魔法少女…!」

あなた「この魔法なら、それをみんなにも伝えられると思うんだ…!」

かすみ「先輩……!」

かすみ「やりますよ……やるに決まってるじゃないですかっ!」

かすみ「先輩にとってかすみんが一番かわいい魔法少女なら、かすみんにとって先輩は一番の魔法使いです…!」

かすみ「こんなにかすみんのことを想って作ってくれた魔法……絶対にかすみんが使ってみせます!」
 
81: (もんじゃ) 2021/10/07(木) 23:55:26.64 ID:kGqiBIRX
・・・・・・・・・・・・・・・

──それでは、No.1かわいい魔法少女投票。最後の魔法アピールに入ります

あなた(かすみちゃん……頑張れ!! 絶対出来るよ、あんなに練習したんだもん!)

かすみ「………」スゥゥ

かすみ「やっほ〜♪ みんなの一番かわいい魔法少女、かすみんだよっ☆」

かすみ「今日みんなに見せる魔法は〜攻撃的な魔法じゃありません」

──ザワザワ…ザワザワ…

かすみ「皆さんの言いたいことは分かります、攻撃的な魔法じゃなきゃ評価されないことも」

かすみ「それでもこれは、私の想い。そして、この魔法を作ってくれた先輩の想いも詰まった魔法なんです!」

かすみ「だから、聴いてください!!」

かすみ「これが、今のかすみんが出せる最高で最高にキュートな魔法ですっ!」


かすみ「強く、美しく! 自分自身であれ! 
────TO BE YOURSELF!!────」
 
82: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:02:26.39 ID:IdMOv+fq
あなた(あの魔法は、過酷な世界で生きていても勇気を止めずに、自分自身でありつづけるかすみちゃんの譲れない想い、それをみんなへ届けるために作った魔法……)

あなた(かすみちゃんが歌うことによって発動する魔法…!)

あなた(その微笑みで起こして……奇跡を……!!)

あなた(……!! さっきまでざわついてた人達も、みんなかすみちゃんの歌に聴き入ってる…!)

あなた(かすみちゃんの想いが……その想いに向けて努力してきた姿も……最っ高にかわいい姿も全部皆に伝わってるんだ…!)

あなた(かすみちゃん、やっぱりかすみちゃんは最っ高にかわいい、一番の魔法少女だよ…!)


かすみ「──はぁ……はぁ……」

かすみ「この魔法は…!」

かすみ「最高にかわいい魔法少女かすみんが、最高の魔法使いと一緒に作った最強の魔法」

かすみ「歌を通して、みんなに元気と勇気を与える魔法です!!」

──ワァーーー!!パチパチパチパチ!!!
 
83: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:05:46.93 ID:IdMOv+fq
・・・・・・・

かすみ「せんぱーーいっ!! やりましたっ!! かすみん、一番になれましたよ!」

かすみ「ついに……ついに誰もが認めるNo.1かわいい魔法少女に選ばれたんですっ!」

かすみ「かすみんの想いが……奇跡を起こしたんです…!」

あなた「おめでとうかすみちゃん…! 私にとってもかすみちゃんは最っ高にかわいい、一番の魔法少女だよ…!」

かすみ「っ!/// 先輩のおかげです……やっぱり先輩はかすみんにとっての、一番の魔法使いです♪」

かすみ「かすみん、みんなの一番かわいい魔法少女になれましたけど……でもやっぱり……///」

あなた「?」

かすみ「先輩にとっての、一番の魔法少女でいられる事の方が嬉しいです…///」

あなた「かすみちゃん……///」

あなた「かすみちゃぁぁぁぁん!!!!────」ガバッ
 
84: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:06:46.94 ID:IdMOv+fq
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
──著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
86: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:12:54.14 ID:IdMOv+fq
あなた「かすみちゃんっ!!」ガバッ

かすみ「わひゃぁっ!!? いきなり起き上がらないでくださいよ……」

あなた「あれ……ここは……」

かすみ「えっと……りな子に様子見ててって言われたから見てたんですけど、先輩大丈夫ですか?」

あなた「かすみちゃん……偉いっ!! 偉いよよく頑張ったね!!」ワシャワシャ

かすみ「ぎゃああっ! なでなでが激しいです先輩っ!! なんですかっなんですかっそんなに偉いことしてませんよかすみんっ!?」クシャクシャ
 
88: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:16:25.40 ID:IdMOv+fq
かすみ「な、泣いてる……本当に大丈夫ですか先輩……?」

あなた「かすみちゃん、私にして欲しいことあったらなんでも言ってね? 私、かすみちゃんの為に頑張るから…!」

かすみ「ふぇ…な、なんでもですか……?」

かすみ「えーっとぉ……それじゃあ、帰りにクレープ奢ってください♪」

あなた「うん! いいよっもっと他に頼んでもいいんだよ?」

かすみ「えぇっ!? まだいいんですか……じゃあ、トッピングも……」

あなた「そんなに遠慮しなくても、私に出来ることならなんでもっ!!」

かすみ「な、なんでも……じゃあ……///」

かすみ「今日、かすみんの家にお泊りして、私が寝るまで一緒に居てもらってもいいですか…?///」
 
89: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:19:47.87 ID:IdMOv+fq
──次の日

かすみ「へぇ~これで曲の世界に……」

あなた「うん! かすみちゃんの曲世界も本っ当に良かったよ!」

かすみ「えへへ~流石かすみん! 別世界でも先輩をきゅんきゅんさせちゃってるんですね♪」

かすみ「……次は誰の曲世界に行くんですか?」

あなた「うーん……特に決めてないんだよね、かすみちゃんが決めていいよ!」

かすみ「かすみんがですか? 分かりました、このボタンを押せばいいんですね?」

あなた「お願い!」


──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
90: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 00:21:10.66 ID:IdMOv+fq
きりがいいので今日はここまでとします。

TO BE YOURSELFは、魔法少女という可愛いテーマでありながらも、『強く美しく自分自身であれ』
という歌詞にかすみんの強い志を感じさせられる曲だったためこんな世界感になりました。

続きはまた明日の夜に。
 
98: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:20:54.19 ID:IdMOv+fq
──Now Loading……

……
…………
………………

──Load Complete!!

────『エイエ戦サー』START────
 
99: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:26:08.39 ID:IdMOv+fq
あなた「うん……?」

あなた(ここは、森の中……?)キョロキョロ

あなた(薄暗くてなんか不気味だなぁ……)

──ガサガサッ!!

あなた「ん?」

人ならざる化物「グロワァァァァ!!!」

あなた「え」

人ならざる化物「キシュワァァァァ!!!」ガバッ

あなた「うわぁぁぁっ!!?」ダッシュ!!
 
100: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:29:40.83 ID:IdMOv+fq
あなた「なになになになんなのあの化物っ!?」ドタドタ

あなた「なんでいきなり襲いかかってくるの〜!?」

?「はぁぁぁ!!」

──ザシュッ!!

人ならざる化物「グボァァァ……」バタッ

あなた「え……?」

?「ふぅ……お怪我はありませんか?」

あなた「しずくちゃんっ!?」

あなた(水色の袴に傘帽子……いかにも時代劇に出てきそうな見た目で雰囲気がかなり違うけど……やっぱりしずくちゃんだよっ!)
 
101: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:35:32.47 ID:IdMOv+fq
しずく「なんですかあなたは……何故私の名前を……」

しずく「しかもこの私をちゃん付け……なんて無礼なっ!! さては敵国の刺客ですかっ!?」カチャッ

あなた「うわぁっ!? ちょっと待って違うよ! 多分私はそんなんじゃ……」

しずく「……ん? その服の紋章……」

しずく「っ!! ま、まさか隣国の姫様ですかっ!!?」

あなた「え、姫……?」

あなた(……確かによく見ると、私の服装……時代劇に出てくるお姫様みたいな格好だけど……)

しずく「と、とんだご無礼をっ!! 然らば私、腹を切ってお詫びを……」スッ

あなた「いやいや大丈夫だからっ!?」アセアセ

しずく「ですが、姫様ともあろう方に刃を向けたなんて知られれば……」

あなた「誰にも言わないし気にしてないからっ!! 早くその刀しまってっ!?」

しずく「うぅ……姫様の寛大なお慈悲に感謝申し上げます……」
 
103: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:45:07.91 ID:IdMOv+fq
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた(しずくちゃんのあの服装、そしてあの恐ろしい人ならざる化物……この世界はしずくちゃんの曲、『エイエ戦サー』の曲世界で間違いないね)

あなた(ということは、しずくちゃんは人に害をもたらす「怪異」から街の平和を守る、怪異討伐浪士隊の隊長ってことだよね!)

あなた(怪異を一太刀で倒す姿、かっこよかったなぁ〜!)


しずく「姫様、この部屋をお使いください」

あなた「ありがとうね、しずくちゃん」

しずく「いえ、姫様も災難でしたね……移動中に怪異に襲われ護衛ともはぐれてしまうなんて……」

あなた「あーうん、護衛の人も平気だといいね……」

しずく「姫様を置いて逃げた護衛の身を案じるなんて、人が良すぎますよ?」
 
104: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:52:16.89 ID:IdMOv+fq
しずく「……こんな部屋しか用意できなくてすみません……」

しずく「本来は隣国の姫様はお城へと招待しなくてはいけませんが、つい先日お城は焼き払われ……」

しずく「今この国で一番安全な場所はここ、浪士隊の本部ですので、何かとご理解を……」

あなた「しずくちゃんもここに住んでるの?」

しずく「はい、お呼び下さればいつでも駆けつけます!」

しずく「姫様の迎えが来るまで間、必要とならば私が護衛しますので!」

あなた「そっか、それは頼もしいね」

しずく「では、私は稽古へと参りますので。芸者をお呼びしているので姫様はそちらに……」

あなた「あっ、私も見学していいかな?」

しずく「えっ? 構いませんが、見ていてもそんなに面白いものでは……」

あなた「しずくちゃんの姿、見たいんだ!」ズイッ

しずく「ち、近いです姫様…///」

あなた「あ……ごめん……」スッ

しずく「……はい、では御案内致します」
 
105: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 22:57:22.63 ID:IdMOv+fq
──稽古場

しずく「はぁっ! そいやっ!!」スパッスパッ!


あなた(凄い……! まるで舞台上で舞っているかのような美しい剣捌き……!)

あなた(士隊長だもんね! 隊で一番強いんだろうなぁ…!)


しずく「何をしているのですかっ!?」

あなた「っ!?」

しずく「相手は人ならざる者、怪異なのですよ! そんな動きでは戦場では真っ先に死にますよ?」

隊員「すみません……」

しずく「返事は押忍っ!!」

隊員「押忍っ!!」

しずく「そこっ!! 手を休めないっ!!」


あなた(凄い……これが浪士隊隊長であるしずくちゃんの姿……)
 
106: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:02:34.36 ID:IdMOv+fq
しずく「今日の稽古はここまでです、夕餉時は規定の時刻までに集まること、それでは解散っ!!」

隊員「「押忍っ!!!」」


あなた「しずくちゃん、お疲れ様」

しずく「姫様っ! お気遣い感謝致します……すみません、あまり楽しいものではありませんでしたよね……?」

あなた「え? そんなことないよ! かっこいいしずくちゃんの姿が見れて大満足だよっ!」

しずく「か、かっこいい……? 恐ろしいの間違いでは……」

あなた「そんなことないよ、隊長として隊員を指導する姿、とってもかっこよかったよ!!」

しずく「……/// この後は、御夕餉をお持ちしますので、姫様は自室で待っていてください」
 
108: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:07:53.61 ID:IdMOv+fq
──廊下

あなた(しずくちゃんかっこよかったなぁ……確かにちょっと厳しい所もあるけど、それも隊長を思いやってのことだもんね)

あなた(ん? あれは隊員さん達……)


隊員「しずく隊長、今日もおっかなかったね〜」

隊員「ねぇ〜」

隊員「この前辞めちゃった子いるじゃん? あの子、規律破ったからってしずく隊長が辞めさせたらしいよ?」

隊員「えぇ〜!? たった一回破っただけなのに? 厳しすぎるよ……」

隊員「だよね、でも隊長恐すぎて誰も言い返せないんだよね〜……」

隊員「わかるわかる、ひょっとしたら怪異よりも怖い存在かも」

隊員「ちょっと! それは流石にダメだよ、こんな会話誰かに聞かれたら……」


あなた「………」

あなた(しずくちゃん、隊員と上手くいってないのかな……)
 
109: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:12:04.91 ID:IdMOv+fq
・・・・・・・・・・・・・・・

しずく「姫様、御夕餉をお持ちしました」

あなた「ありがとう、入っていいよ」

しずく「はい、失礼します」ガラッ

しずく「すみません……あまり豪勢なものではありませんが……」

あなた「ううん、気にしないよ。それよりも、しずくちゃんも一緒に食べない?」

しずく「え、私もですか…?」

しずく「私は規定の時刻に隊員全員で食べるという掟があるので……」

しずく「あっ! ですが姫様の命ならばお供しますが…!」

あなた「あ、ううんいいよ。約束があるならそっちを優先してよ」

しずく「……すみません、では失礼致します」ガラッ

あなた「……うーん、私が姫って立場だからなのかな、なんだかしずくちゃんとの距離を感じちゃうなぁ……」モグモグ
 
110: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:18:14.38 ID:IdMOv+fq
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた(うぅ……この時代のトイレは不便だったなぁ……そりゃトイレットペーパーもあるわけないもんね……)

あなた(……ん? 話し声? あの部屋から……)


しずく「分かっているのですか? 掟を破ることがどれだけ大罪なことであるか」

隊員「で、ですがたった少し遅れただけで……」

しずく「たった少し…? たった少しだとしても、あなたのたった少しで隊員全員が待たされているのですよ?」

しずく「夕餉時は規定の時刻までに集まること、毎日行っていることなのにどうしてそれが出来ないのですかっ!?」バンッ!
 
111: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:22:47.57 ID:IdMOv+fq
隊員「だ、だってそれは……」

しずく「言い訳など求めていませんっ!! 日常の規律遵守さえ出来ないのであれば、戦での連携に乱れが生じます」

隊員「自分が一番乱れとなる存在のくせに……」ボソッ

しずく「何か言いましたか?」ギロッ

隊員「い、いえ……なんでもありません……」

しずく「とにかく、この件に関しては相応の罰を与えますので」

隊員「そんな……」

しずく「分かったらさっさと自室へ戻りなさいっ!」

隊員「は、はいっ!」スタスタ


あなた(……確かに、しずくちゃん厳しいなぁ)
 
112: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:26:25.00 ID:IdMOv+fq
しずく「………はぁ」タメイキ


あなた(……?)


しずく「あぁ〜! またやっちゃった〜!」アタマカカエ

しずく「あの子、泣きそうになってたなぁ……すっごく恐かったんだろうなぁ……」

しずく「でも、ああしないとみんなをまとめられる人にはなれないし、何よりこうして厳しくしないと戦場では生き残れないから、みんなが死なないためには私が嫌われ者になるしか……」

しずく「でも、それだと私のせいでみんなの士気が……あぁもうどうすれば……」グスン

あなた「しずくちゃんっ!!」ガラッ!!

しずく「きゃぁっ!!? ひ、姫様っ!?」
 
115: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:29:54.07 ID:IdMOv+fq
しずく「ゴシゴシ、コホン……どうかされましたか?」キリッ

あなた「えっと……さっきの会話聞いてて……」

しずく「へっ? さっき、というのは……」

あなた「しずくちゃんが叱って、その後の独り言も……」

しずく「ぁ……/// あぁ……///」ワナワナ

しずく「聞かなかった事にしてください〜〜!!///」
 
116: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:34:32.17 ID:IdMOv+fq
・・・・・・・・・・・・・・・

しずく「すみません、取り乱した姿をお見せしてしまい……」シュン

あなた「いいよ、気にしてないから。しずくちゃんも隊長って立場で大変だね」

あなた「私でよければ話聞くよ?」

しずく「いえ……姫様にはそのような話をする訳には……」

あなた「……じゃあさ、こうしよう」

あなた「………」シュルッパサッ

しずく「ひ、姫様っ!?/// なぜ服をお脱ぎに…!?」
 
117: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:39:00.60 ID:IdMOv+fq
あなた「この服を着てるから私って姫なんでしょ? だから脱いじゃえば普通の女の子かなって」

しずく「そんな屁理屈……」

あなた「私、しずくちゃんと立場とか、そういうの一切なしにお話がしたいんだ」

あなた「だから今目の前にいるのはただの女の子だよ。しずくちゃんの話したい事、聞かせて欲しいな?」

しずく「姫様……」

しずく「……わかりました、その前に、服を着てください…///」

あなた「あ、ごめん…///」

しずく「……コホン、では──」
 
118: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:48:56.96 ID:IdMOv+fq
あなた「──なるほど、つまりしずくちゃんは隊の士気を上げるためにみんなをまとめてるんだけど、その姿が恐ろしくて、逆に士気が下がってもいると……」

しずく「はい……実際に戦場で私の命を聞くと、恐怖で体が硬直してしまい、上手く本領を発揮できない隊員もいまして……」

しずく「本当は厳しくなんてしたくないんです。ですが、怪異は恐ろしく強大です……私たちがひとつとなって立ち向かわなければ到底勝てません……」

しずく「ですからやはり私が厳しくしなくては…!」

あなた「しずくちゃん、優しいんだね」

しずく「へっ!? そ、そんな事……///」

あなた「もしかして、さっきの独り言言ってた時の方が、素のしずくちゃんなのかな?」ニヤニヤ

しずく「なっ!///」
 
119: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:53:22.63 ID:IdMOv+fq
あなた「みんなのことで悩んで泣いちゃうくらいだもんね♪」

しずく「その事は忘れてくださいと…!///」カァァァ

あなた「ふふっ♪ 私はどんなしずくちゃんでも素敵だと思うし、好きだと思うよ」

しずく「へっ……///」

あなた(しずくちゃんの本音はこんなにも優しいのにな……これが上手く伝われば……)

あなた(いや、私はこの答えを知ってる!!)

あなた「しずくちゃん、こんなのはどうかな?」
 
120: (もんじゃ) 2021/10/08(金) 23:58:13.90 ID:IdMOv+fq
・・・・・・・・・・・・・・・

しずく「何故ここに呼ばれたかは分かりますよね?」

隊員「はい……」

しずく「あなたは戦中に部隊を外れ、単独で行動を起こしましたね?」

しずく「これは戦での掟を破っています。もちろんその事はご存知でしたよね?」

隊員「はい……」

しずく「掟は絶対です。戦での掟となれば、除隊を下されることも承知のはずです」

隊員「………」
 
121: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:01:54.17 ID:aLM3mEFi
しずく「……ですが」

隊員「?」

しずく「あなたは他部隊の動きの違和感にいち早く気付き、単独ながらも助けへ行く行動をした」

しずく「失うことを恐れずに向かうその勇気は、本来は賞賛されるべきです」

しずく「それも踏まえ、今回の件はお咎め無しとします」

隊員「そ、そんな隊長…!」

しずく「ですが、今度からは一人ではなく、仲間を頼ってください。あなたは隊員の一員です。一人ではありません」

隊員「はい…! 肝に銘じます!」
 
122: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:13:46.63 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・・・・・・・・・

しずく「ど、どうでしたでしょうか?」

あなた「厳しいセリフの中にも、浪士隊のみんなを思いやる気持ちも込もってて……」

あなた「しずくちゃんの想いも、優しさもしっかり伝わる内容だったよ!」

しずく「そ、そうでしたか…///」

しずく「でも、今更みなさんの印象が変わったりするのでしょうか……」

あなた「大丈夫、続けていけばしずくちゃんの想いは絶対伝わるはずだよ」ナデナデ

しずく「ふぇっ!?/// あ、あの……姫様…?///」

あなた「あ、ごめんねっ……つい癖でというか、なんというか……」パッ

しずく「ぁ……いえ、平気です…///」

しずく「ぁ………///」

あなた「?」
 
123: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:18:17.23 ID:aLM3mEFi
しずく「えっと……姫様にこんなことを言っていいのかわかりませんので……」

あなた「言ったでしょ? 私は立場とか、そういうの一切気にしないって」ニコッ

しずく「………てください///」ボソッ

あなた「え?」

しずく「もう少し、私を撫でてください…///」

あなた「勿論♪」ナデナデ

しずく「ふぁ……///」

しずく「……♪」

あなた(浪士隊隊長で、私の知ってるしずくちゃんよりもかっこいい印象だったけど、こういう風に可愛く甘えてくる様は変わらないなぁ♪)ニコニコ
 
125: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:26:28.35 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・・・・・・・・・

隊員「ねえねえ、最近のしずく隊長、雰囲気変わったと思わない?」

隊員「私もそう思ってた! 厳しさは変わってないけど……なんか、節々に優しさを感じるというか」

隊員「わかるわかる! なんだか、隊長ってこんなにも私達のことを思ってくれてたんだって感じるよね」

隊員「私この前見たんだよね! しずく隊長がみんなの武器を磨いてる所!」

隊員「えっ! あの量を一人で!?」

隊員「口では厳しいけど、それは私達が戦で死んで欲しくないからなのかな……」

隊員「しずく隊長…!」


あなた「………ふふっ♪」
 
126: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:43:38.67 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・・・・・・・・・

しずく「姫様」

あなた「ん? どうしたの?」

しずく「姫様の迎えがそろそろ来るという話になったのですが……」

あなた「そっか……もうお別れの時なんだね……」

しずく「あ、それがですね……」

あなた「?」

しずく「実は姫様が通る帰路に、怪異の大群が押し寄せているという情報がありまして……」

しずく「この浪士隊が殲滅しに行くことなりました」

しずく「お別れは、その戦が終わった後ですね……」
 
127: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:48:06.21 ID:aLM3mEFi
あなた「そっか……しずくちゃん、大丈夫そう?」

しずく「姫様は自分の身を案じてください、護衛をいくつか残しますが、この拠点も安全とは言えなくなりますので」

あなた「あ、そっか……でも、私はそんな怪異の大群と戦うしずくちゃん達の方が心配だよ……」

しずく「姫様…///」

しずく「あ、あの姫様……この戦が終わったら…///」

あなた「?」
 
128: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 00:51:55.14 ID:aLM3mEFi
しずく「あ……いえ、戦が終わったら、やっと自分のお城へと帰れますね……」

あなた「……うん、寂しくなるね」

しずく「で、では私は戦に向けた準備がありますのでこれで…!」

あなた「……しずくちゃんっ!」

しずく「……はい?」

あなた「生きて、帰ってきてね?」

しずく「……約束します。この命に変えても、必ず生きて帰ると…!」
 
129: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:00:39.72 ID:aLM3mEFi
──戦場

しずく「敵の数は多く、衆寡不敵かもしれない!!」

しずく「だがこちらには、絶対に負けない意志がある!! 恐れを知らずに立ち向かう勇気がある!!」

しずく「この戦、誰一人欠けることなく勝利するぞ!!!」

しずく「武器を手に取れ!! エイエ戦サー!!!」

「「「エイエ戦サー!!!!!!」」」

しずく「騎馬隊、少し後方へ!! 鉄砲組は前進!!」スパッスパッ!

隊員「す、凄い……隊長、戦いながら指示を出している…!」
 
130: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:04:54.50 ID:aLM3mEFi
しずく(今の私は、絶対に負けられない……絶対に生きて帰ると、約束しましたから…!)

しずく(……? 怪異の動きが少し変わった?)

しずく(この先に何が……)

しずく(っ!! あれは…!!)

特大怪異「グルァビシャァァ!!」

しずく「怪異の親玉っ!? あれを叩けば…!!」

しずく「はぁぁ!!!」スパスパスパッ!!

特大怪異「グロゥェァァ??」

しずく「なっ! 効いていないっ!?」

──ドカァ!!

しずく「きゃぁっ!!?」ドサーー
 
131: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:08:21.54 ID:aLM3mEFi
特大怪異「ギャシャビドゥァァァ!!!」ブンッ!

しずく「うっ……なんのっ!!」

しずく(負けるわけにはいかない……これが私たちの定めだから…! 心まで強くなれ…!)

しずく「はぁぁぁぁ!!!」スパスパザシュッ!!

──ズブッ!

しずく「硬い……刃が通らない…!」ググッ

特大怪異「グロバドドァァァ!!!」ブンッ!

しずく「きゃぁぁぁっ!!?」ドゴォ!

しずく(刀が……ここまで、なのですか…?)

しずく(姫様……すみません……)

しずく(生きて帰ると、約束したのに……)

特大怪異「ドウゥビシュワァァァァ!!!────」ブンッ!
 
132: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:11:56.82 ID:aLM3mEFi
──キーーン!!

特大怪異「ヴロゥェェァァ??」

隊員「隊長っ!! 大丈夫ですかっ!?」

しずく「お前たち……何故ここに……」

隊員「助けに行くなら一人ではなく、仲間を頼って、ですよね? 隊長、隊長も一人ではありませんよ!!」

しずく「お前たち……」

しずく「行くぞ!! 皆でこいつを討伐するぞー!!」

「「「エイエ戦サー!!!」」」
 
133: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:18:40.37 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……しずくちゃん、大丈夫かなぁ」

──ガラッ

しずく「姫様っ!!」

あなた「っ!! しずくちゃんっ!!」

しずく「……ただいま、戻りました」ニコッ

あなた「しずくちゃ〜んっ!! よかった〜〜!!」ダキッ!

しずく「きゃあっ……もう♪」フフッ

あなた「私、もう心配で心配で……」グスン

しずく「姫様のおかげですよ」

あなた「え?」
 
134: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:22:56.16 ID:aLM3mEFi
しずく「姫様が私に助言を下さったおかげで隊の士気も高まり、誰一人として犠牲を出さずに戦を終えることが出来ました」

しずく「姫様にはなんとお礼を申し上げれば……」

あなた「私は何もしてないよ、しずくちゃんもみんなも頑張ったからこその結果だよ」

しずく「姫様……」

しずく「これで道も安全となり、姫様のお迎えも来られますね……」

あなた「そうだね……寂しくなっちゃうね」
 
136: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:27:16.42 ID:aLM3mEFi
しずく「……姫様っ!」ジッ!

あなた「?」

しずく「姫様、前に言ってくれましたよね、ここでは……浪士隊隊長の桜坂しずくではなく、そして隣国の姫でもなく、普通の女の子同士で話がしたいと……」

あなた「うん、そう言ったね」

しずく「でしたら、今は浪士隊隊長ではなく、桜坂しずくとして発言させていただきます…!」

しずく「スゥー……ハァー……///」ドキドキドキ

しずく「私、桜坂しずくはあなたの事が好きです…!///」

あなた「ぇ…///」
 
137: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:32:01.13 ID:aLM3mEFi
しずく「この戦を生きて帰ったら、伝えると決めていました…///」

しずく「あなたを一目見た時から、私の心はあなたを求めてやまないのです……あなたを想うだけで、この身は燃えるように熱く…///」

しずく「私は、どんな私でも受け止めてくれるあなたの優しさや、その全てが大好きです…///」

しずく「私を一人の女の子として、あなたに見ては頂けませんか…?///」

あなた「しずくちゃん…!///」ドキドキドキ!!

あなた「私も、絶対あきらめないで、自分の信念を貫くしずくちゃんが…!────」
 
138: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:32:15.69 ID:aLM3mEFi
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
──著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
139: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:36:00.02 ID:aLM3mEFi
あなた「しずくちゃんっ!!」ガバッ

しずく「おわぁっ!!? びっくりしたぁ……」

あなた「あれ……しずくちゃん、袴は…?」

しずく「へ? 袴…?」

しずく「大丈夫ですか、先輩? 寝ぼけているんですか?」

あなた「あ……」

あなた「そっか……しずくちゃん」

しずく「?」

あなた「……一回でいいから、姫様って呼んでもらってもいいかな?」ニコッ
 
140: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:40:09.89 ID:aLM3mEFi
──次の日

かすみ「先輩っ! どうでしたか? かすみんの選んだしず子の曲世界は?」

しずく「かすみさんが選んだの?」

あなた「曲世界のしずくちゃん、とってもかっこよかったけど、可愛い所はしずくちゃんのまんまだったよ♪」

しずく「せ、先輩…///」

かすみ「む~~!! かすみんとしず子、どっちの曲世界の方が良かったですか!?」

あなた「そんなの決められないよ~~!! どっちも最高の世界だったもん!!」

かすみ「はぁ……まあ先輩ならそう言いますよね……」ハァ

しずく「にぶちんさん……」ハァ

あなた「?」

璃奈「そろそろ始めてもいいかな?」

あなた「うん、お願い!」

璃奈「それじゃあ行くよ?」


──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
141: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 01:41:27.78 ID:aLM3mEFi
きりがいいので今日はここまでとします。
明日は休日なので、2人分ぐらい書きたいんですけどQU4RTZのライブもあるため
書けるかどうかわかりませんが、頑張りたいと思います。
 
147: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 12:14:40.72 ID:aLM3mEFi
──Now Loading……

……
…………
………………

──Load Complete!!

────『Turn it Up!』START────
 
148: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 12:16:30.44 ID:aLM3mEFi
あなた「うん……?」

あなた(ここは、学校……?)キョロキョロ

あなた(でも、見慣れない教室だし、制服も虹学のじゃないね?)

あなた(学校が舞台ってことは…)

?「ねえ、キミ」

あなた「……! 果林さん…!」

果林「あら、私のこと知ってるの? もしかして、読モファンかしら♪」

あなた「あ……えっと、はい……」

あなた(まあ、間違っていはいないよね?)

果林「なら、話が早いわね♪ ちょっと付いてきてっ!」グイッ!

あなた「え、どこに行くの〜っ!?」

果林「着いたら話すわ♪」グイッ!
 
149: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 12:21:20.88 ID:aLM3mEFi
・・・・・

あなた「あの……果林さん……」トコトコ

果林「何?」トコトコ

あなた「さっきから同じ場所をぐるぐるしてますけど……」

果林「………」
 
150: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 12:27:00.17 ID:aLM3mEFi
・・・・・

あなた「屋上……ここが目的地?」

果林「あら? 三階だから上に上がればいいと思ってたのに……」

あなた「三階なら登る回数が一回多いよっ!?」
 
151: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 13:16:18.20 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・

果林「うーん……ここだったような気がするんだけど……」

あなた(果林さん、この世界でも方向音痴なんだなぁ……)

「あれ? 果林どこ行ってたの?」

果林「あら? 場所変えたなら言ってよね!」

「いや、集合場所変えてないけど……」

果林「え?」

「あははっ、もしかしてまた迷子になってたのー?」

「で、その後輩ちゃんが例の子?」

果林「そうよ、どうやら私のファンみたいで協力してくれるらしいわ♪」

あなた(あれ? そんなこと言ったかな?)

「よろしくね、いやー私たちで作曲出来る子がいないから助かったよ〜!」

あなた「作曲? それが私に協力して欲しいことですか?」

「あれ、果林?? ちゃんと説明したの?」

果林「んー……説明したようなー……してないようなー……」

「はぁ……ごめんね、ちゃんと私から説明するね?」
 
152: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 13:26:58.96 ID:aLM3mEFi
あなた(話を聞くと、果林さんを含む仲良し5人組が、三年生の最後に何か一生の思い出になるようなことがしたくて、バンド活動を始めるって話になったらしい)

あなた(それで作曲を出来る子を探してて、音楽科の私に果林さんが声を掛けたって事みたい)

あなた(元になった映画の設定がまんま反映されてるし、この曲世界は『Turn it Up!』で間違いないね)

あなた(果林さんが主人公ということは……かっこよくサックスでバンド演奏する果林さんが見れるって事だよね!!)

あなた(うわぁ〜!! 楽しみだなぁ〜!!)
 
153: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 14:27:09.89 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……」ジーー

果林「……そんなに見られたら、少し恥ずかしいのだけど」

あなた「あ、ごめんね? 果林さんの練習する姿が見たくて」

果林「そういえば、あなたは私のファンだったものね。いいわよ、これもファンサービスね」

果林「……といっても、まだ見せられるようなものじゃないけど」

あなた「全然! 果林さんが頑張る姿も、成長する姿も見ておきたいから!」

果林「ふーん……あなた変わってるわね、私はあんまりそういう姿は見せたくないのだけど」

あなた「でも果林さん凄いよ! サックスをイチから始めてもうこんなに吹けるようになるなんて……」
 
154: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 14:35:15.71 ID:aLM3mEFi
果林「ふふっ♪ 始めてみたら楽しくなっちゃってね、特に納得いく音が出せた時なんかは……」

あなた「……」ニコニコ

果林「なに? そんなにおかしかった?」

あなた「あ、いや……嬉しそうに話す果林さんがなんだかかわいいなって……」

果林「かっ……へぇ〜♪ キミもなかなか言ってくれるじゃない♪」

果林「そんな生意気なこと言うのはこの口か〜♪」ムニー

あなた「ひょ、はりんはん! ひはいっへ〜〜!」

果林「ふふふっ♪」

あなた(この世界の果林さんは、ずっと仲の良かった友達が多いせいか、なんか少し幼いというか、ノリがかわいいんだよね♪)
 
155: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 14:53:44.66 ID:aLM3mEFi
果林「あ、そういえば作って欲しい曲の方向性が決まったのよ」

あなた「あ、本当?」

果林「キミ、歌詞無しで作曲したことはある?」

あなた「歌詞無しで…? それって、音だけを作るってこと?」

果林「ええ、私達5人でどんな曲を演奏しようかって話し合った結果ね」

果林「ボーカル無しのバンド演奏をしてみないかって話になったのよ」

あなた「ボーカル無しの、バンド演奏…?」

果林「そう♪ 普通はバンドといえば、ボーカルが必須みたいな所があるけど、あえてボーカル無しの楽器のみで演奏するバンド……」

果林「普通じゃない、特別な思い出になると思わない?」

あなた「歌わないバンド……面白そう!」

あなた「わかった! 早速その方向で作曲してみるね!」

果林「ええ、楽しみにしてるわ♪」
 
156: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 15:28:03.48 ID:aLM3mEFi
──次の日

あなた「果林さんっ! 早速曲作ってみたよ!」

果林「もう出来たの…? 早くない?」

あなた「まだAメロまでだけど、聞いてみてっ!」

果林「それじゃあ……」

果林「………」

果林「いい……すごくいいわ!」

果林「ボーカルが無い部分は、サックスの演奏で歌い上げるのね!」

あなた「うん! えっと、確かメンバーの楽器がサックス2、ギター、ベース、ドラムの5人だったよね?」

あなた「だからサックスをメインで演奏する曲にしてみたんだ」

果林「素晴らしいわ! こんなにいい曲を作るなんて……キミに頼んで正解だったわね♪」

あなた「えへへ、果林さんが気に入ってくれたなら作ったかいがあったよ」
 
157: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 15:40:27.51 ID:aLM3mEFi
果林「でもそうね……こんなにいい曲を作ってくれたんだもの、何かお礼をしなきゃね」

あなた「別にお礼なんて……私は、果林さんの頑張ってる姿を見るだけで十分だよ」

果林「それじゃあいつもと変わらないでしょ? そうね……それじゃあ、お姉さんとデートに行きましょうか♡」

あなた「デ、デート!?」

果林「いいでしょ♪ それじゃあ早速今から行きましょう!」

あなた「え、今からっ!?」

「あれ? 果林、その子とどっか行くの?」

果林「えぇ♪ 今から二人で大人のデートに行くの♡」

「果林が大人のデート?? ぷぷっ!」

「後輩ちゃん、果林が迷子にならないように見ててあげてね〜♪」

果林「ちょっと!! なんかバカにしてるでしょ!」

「してないしてない〜♪」

あなた(本当に果林さん、みんなと仲良いんだなぁ〜♪)
 
158: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 22:39:46.69 ID:aLM3mEFi
──別の日

果林「〜〜♪」

あなた「………」コソコソ

果林「〜〜♪」

あなた「えいっ♪」ポカリピトッ

果林「きゃぁぁっ!!?」ビクッ

あなた「果林さん、お疲れ様♪」

果林「もう……いきなりはびっくりするでしょ!」

あなた「あははっ、果林さん、きゃぁって可愛い声出てたね♪」

果林「へぇー♪ それじゃあ、次はキミから可愛い声を出してもらおうかしら!」ワキワキ

あなた「え、ちょっと果林さ…」

あなた「ひーーー!!! だめだってくすぐりは〜〜!! ほんとに息できないから〜〜ww」

「あれれ、また2人でじゃれてるの? 仲良いね〜♪」
 
159: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 22:47:27.45 ID:aLM3mEFi
・・・・

あなた「果林さん……どんどん上達してるね…!」

果林「そう? でもまだまだよ」

果林「それに、あの子にも負けられないしね」

あなた「あの子?」

果林「そう、メンバーのもう一人のサックス担当の子」

果林「あの子も、私と同じでイチから始めたのにどんどん上達してって……」

果林「いつの間にか、私も負けるかっ!って気持ちで練習するようになってきちゃったの」

あなた「果林さんにとってはいいライバルなんだね」

果林「そうかもね……」
 
160: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:01:36.51 ID:aLM3mEFi
「何? 私の話してたー?」

果林「してない、なんでもなーい」

「嘘だ~してたでしょ?」

果林「してないったらしてないわよ~」

あなた「ふふふっ♪」

果林「何笑ってるの?」

あなた「いや、果林さん私と話す時と全然違うなーって」

果林「そ、それはっ」

「果林ちゃん、後輩ちゃんにお姉さんアピールしてるんだよね♪」

あなた「そうなの?」

果林「ち、違うんだからっ!///」

「果林ちゃんって、黙ってれば大人っぽいんだけど、話すとすぐにポンコツが出るというか……」

果林「それはあなたたちのレベルに合わせてるのよっ!///」

「はいはい♪ そういう事にしておきますね~♪」

果林「もう……///」

あなた「ふふっ♪」
 
161: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:18:52.66 ID:aLM3mEFi
──また別の日

あなた「こんにちは〜」

「あっ! 噂をすれば〜♪」

果林「ちょ、ちょっと……」

「それじゃあ、私はお邪魔なので退散しますね〜♪」

果林「だからそんなんじゃ!」

「果林のこと、よろしくね〜♪」ササッ

あなた「?」

あなた「なんか私、お邪魔しちゃった?」

果林「別に……なんでもないわよ」
 
162: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:35:55.49 ID:aLM3mEFi
あなた「二人でなんのお話してたの?」

果林「……恋バナよ」

あなた「え、恋バナっ!? 果林さんも恋バナするの!?」

果林「ち、違うわよ……あいつが一方的に話してきただけで……」

あなた「どんな話を?」

果林「それは……」チラッ

あなた「?」

果林「……ふふっ♪ 私が、恋してるじゃないかって話♪」

あなた「えっ!? 果林さんがっ!?」

果林「ふふふ♪ キミ的には、それが本当だったらどう思う?」
 
163: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:43:30.52 ID:aLM3mEFi
あなた「えぇ……果林さんが……」

あなた「……幸せになって欲しい、とは思うかな?」

果林「……それだけ?」

あなた「え? それだけって…?」

果林「……つまんないの、もうこの話はやめにしましょう」

あなた「えぇ? なんか私、間違った事言っちゃった…?」
 
165: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:51:17.74 ID:aLM3mEFi
・・・・・・・・・・・・・・・

果林「〜〜〜♪♪」

あなた「果林さん、そろそろ仕上げって感じで張り切ってるね!」

果林「ええ、私たちのライブをする日が決まったのよ」

あなた「本当!?」

果林「ええ、それであの子とサックスのパート分けの話をしてね」

あなた「うん」

果林「本番2週間前に、どっちの方が上手くなってたかで、メインのパートを演奏をするか決めることになったの」

あなた「へぇ~~!」

果林「残念だけど、あの子にメインを譲るつもりはないわ♪」

果林「キミも期待しててよね♪」

あなた「うん! 果林さんの演奏、すっごい楽しみにしてる!」
 
166: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:55:51.27 ID:aLM3mEFi
果林「っ!」

あなた「?」

あなた「果林さん、どうかしたの?」

果林「あー……指がちょっとね、練習しすぎて疲れちゃってるみたい」

あなた「大丈夫? それなら無理な練習はやめた方が……」

果林「大丈夫よこのくらい、湿布貼っておけばすぐよくなるわ♪」

あなた「なら、いいけど……」
 
167: (もんじゃ) 2021/10/09(土) 23:59:53.80 ID:aLM3mEFi
──本番2週間前

果林「さあ、いよいよ決着をつける時が来たようね」

「果林ちゃん、私負けないからね!」

果林「ええ、もちろん私もそのつもりよ」

果林「審判は、キミに任せてもいいかしら?」

あなた「え、私…?」

「この曲を作ったのは後輩ちゃんだもんね、私もいいよ」

果林「いくら私が好きだからって、贔屓は無しよ?」

あなた「それはもちろん、公平に審査するよ!」

果林「それじゃあ、行くわよ?────」
 
168: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:05:01.02 ID:0vI+6RVj
「────あーあ、私の負けかぁ……」

果林「ふふん♪ 当然でしょ♪」

「でも、私も納得。果林ちゃんすっごく上手だったもん」

果林「あなたの演奏も素敵だったわよ。あなたがライバルになってくれたから、私もここまで上手くなれたのかも」

「果林ちゃん……でも、私と果林ちゃんの決定的な違いは、もしかしたら聞いて欲しい誰かがいるかどうか、かもね♪」チラッ

あなた「?」

果林「ちょ、そ、そんなんじゃないってば…!///」アセアセ

「ふふっ♪ わかりやす~♪」

あなた「??」

「こっちはだいぶ鈍感さんだね~……」

果林「も、もういいでしょっ!/// 私は練習に戻るからっ!///」
 
169: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:13:23.98 ID:0vI+6RVj
・・・・・

あなた「そういえば果林さん?」

果林「?」

あなた「最近ずっと練習ばっかりしてるけど、読モの方は大丈夫なの?」

果林「え? あー……」

果林「そういえば、キミは知らないのよね……言われてみればそうね、読者には言ってないものね」

あなた「?」

果林「私、読モはもう辞めてるのよ」

あなた「えっ!?」

果林「2年生の終わり頃に辞めてるから、もう半年以上も経つのね」

あなた「そ、そうだったんだ……どうして…?」

果林「んーそうね、気持ちの変化があったというか……」

果林「あとは、あの子たちともっと遊びたかったっていうのも少しあるのかも」

あなた「……そっか」

果林「でも、今はライブに向けた練習もあるし、辞めて正解だったと思うわ♪」
 
170: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:22:20.02 ID:0vI+6RVj
──次の日

果林「〜〜♪」

あなた(果林さん、メインの演奏が決まってより気合入ってるな~♪)

あなた(でも、なんか違和感が…? 昨日の演奏よりも音がぎこちないというか……)

果林「〜〜♪」

果林「……っ」

果林「……〜♪」

あなた(ん?)

あなた「果林さん……その指…!」

果林「え? な、何かしら?」

あなた「すごい震えてるよ…?」

果林「へ、平気よ……こんなの湿布貼っとけば治るわ……」

あなた「ダメだよ! 果林さん来てっ!」グイッ!

果林「えっ!? ちょっとどこ行くの!?」

あなた「病院! 果林さん迷子になって行けないから私が連れてく!!」

果林「えぇっ……そんな大袈裟な……」
 
171: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:22:20.02 ID:0vI+6RVj
──次の日

果林「〜〜♪」

あなた(果林さん、メインの演奏が決まってより気合入ってるな~♪)

あなた(でも、なんか違和感が…? 昨日の演奏よりも音がぎこちないというか……)

果林「〜〜♪」

果林「……っ」

果林「……〜♪」

あなた(ん?)

あなた「果林さん……その指…!」

果林「え? な、何かしら?」

あなた「すごい震えてるよ…?」

果林「へ、平気よ……こんなの湿布貼っとけば治るわ……」

あなた「ダメだよ! 果林さん来てっ!」グイッ!

果林「えっ!? ちょっとどこ行くの!?」

あなた「病院! 果林さん迷子になって行けないから私が連れてく!!」

果林「えぇっ……そんな大袈裟な……」
 
172: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:26:21.38 ID:0vI+6RVj
・・・・・・・・・・・・・・・

医者「腱鞘炎ですね」

果林「腱鞘炎……それってすぐ治りますよね?」

医者「いえ、これはかなり悪化が進んでいますね……長いこと無理をなされていたのでは? 大事をとって数ヶ月は安静にしておいた方がいいでしょう」

果林「そんな……ライブまで2週間を切ってるのに……」

あなた「果林さん……果林さんの体の方が大事だよ」

果林「……っ!」ガタッ!

あなた「果林さん…!」

果林「……わかってるわよ、今はひとりにさせて……」

あなた(果林さん……)
 
173: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:31:00.89 ID:0vI+6RVj
──次の日

あなた(果林さん、落ち込んでるだろうな……)

あなた(でも、果林さんには支えてくれるみんながいるから…!)

あなた(……ん? なんか騒がしい…?)
 
174: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:36:30.89 ID:0vI+6RVj
果林「……それ本気で言ってるの?」

「うん、ライブは中止にする」

果林「どうして…! 私は演奏できるわよ! メインは無理かもしれないけど、パート数を少なくすれば……」

「その指で、本当にできるの?」

果林「出来るわよ…! やるしかないじゃないっ! だってこれが私たちの高校生活最初で最後の……」

「だったら尚更ライブは無理だよ……果林の身に何かあったら……」

果林「どうしてよ……それなら私抜きで…」

「それはもっとダメだよっ!」

「この5人でやらなきゃ、意味ないんだよ……仲間はずれにはできない」

果林「……っ!」ダッ

「「果林(ちゃん)っ!!」」


あなた(果林さん……)
 
175: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:40:18.92 ID:0vI+6RVj
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「果林さん」

果林「……あら、どうしてここがわかったの?」ウズクマリ

あなた「もしかしたら果林さんなら勢いで飛び出して、そのまま迷って屋上にたどり着きそうかなって」

果林「……ふふっ、キミ、私の事よく分かってるじゃない……」

あなた「果林さんの異変には気付けなかったけどね……」

果林「そりゃそうよ、隠してたんだもの……」

果林「……私っていつもこうなの」

あなた「え?」
 
176: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:40:27.29 ID:0vI+6RVj
果林「本気でアツくなると、途端に空回りしちゃって、少し周りの事が疎かになっちゃうのかも」

果林「読者モデルもそうだった、アツくなり過ぎて周りがついて来れてない事にも気づかないで空回りし続けて……それで辞めちゃったの……」

あなた「そんな……」

果林「どうしてかしらね……キミにはいつもこんな姿ばっか見せちゃってる気がする……」

果林「ごめんなさいね、読モでのかっこいい私を見てファンになってくれたのに……こんな弱々しい私、失望したでしょ?」

あなた「そういう姿、見せられる人が一人ぐらいいてもいいんじゃないかな?」

あなた「それに私は、どんな果林さんでも果林さんだし、失望したりなんかしないよ…!」

果林「キミ……」

果林「……なんだか、本当にキミはどんな私でも受け入れてくれる気がする♪」

あなた「どんな姿でも応援するのがファンの務めですから♪」

果林「ふふっ嬉しいけど、なんか悔しいわ♪ だから、私のかっこいい姿をあなたに目一杯見せてあげる♡」

果林「また2人でデートに行きましょう♪ お姉さんが大人のエスコート、見せてあげる♡」
 
177: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:44:58.65 ID:0vI+6RVj
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「果林さん、そろそろみんなの所に戻らない?」

果林「合わせる顔がないわ……」

果林「キミにも謝らないとね……あんなにいい曲を作ってくれたのに無駄にしちゃって……」

あなた「……果林さん、諦めるの?」

果林「……仕方ないでしょ、私が無理したらみんなにも迷惑かけちゃうし」

果林「それでも楽しかったから別によかった、練習する時間も、みんなと演奏した時間も、まさに青春って感じで……私にとっては最高の思い出……」
 
178: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:48:02.72 ID:0vI+6RVj
果林「………だけど」

果林「……だけど……だけど…!」

果林「本当に楽しかった、アツくなれた…! あんなにアツくさせられちゃったら、やっぱり諦めきれないじゃない…!」グスン

あなた「果林さん…!」

「「果林(ちゃん)っ!!!」」

果林「え、みんな……」

「聞いてたよ、やっぱり諦めきれてないじゃんか」

「果林ちゃん、私たちね、やっぱり5人でステージに立ちたい」

「だから、みんなで考えたよ。ステージに上がれる方法」

「果林、これを……」

果林「これって……歌詞?」
 
179: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:54:02.27 ID:0vI+6RVj
「うん、後輩ちゃんと相談してね、みんなで作詞したんだ」

「だから果林、あんたにはボーカルとして一緒にステージに立って欲しい…!」

果林「でも、それじゃあ普通のバンドに……」

「いいんだよそこは重要じゃないんだよ」

「私達が作りたかったのは確かに、普通じゃない最高の思い出だけどさ」

「私達5人で作らなきゃ」

「果林がいなきゃ、そんなの最高の思い出にならないじゃん!」

果林「みんな……」

「何泣いてんのさっ」アハハ

果林「う、うるさいっ!! 泣いてなんかいないわよ……」

「あーあ、果林ちゃん泣かしちゃった〜♪」フフフッ

果林「ば、ばかっ! もう知らないんだからっ!」

全員「あははっ!」

あなた(よかった……全部上手くいったみたいだね)

あなた(あとは、ライブ当日を待つだけ…!)
 
180: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 00:57:59.23 ID:0vI+6RVj
── ライブ当日

果林「みんな、今日は集まってくれてありがとう」

果林「知ってる人もいるけど、今日披露する曲は、本当はボーカル無しの曲だったの」

果林「だけど、私が無理しちゃって演奏出来なくなっちゃって……」

果林「だから、精一杯思いを込めて歌うつもり! みんな、ちゃんと聞いててね!」

── Foooooooo!!!

果林「でも、せっかく練習したのに演奏しないのって、やっぱり悔しいじゃない?」

あなた(果林さん…?)

果林「だから、イントロ部分だけは私も演奏させてもらうわ!!」

── Foooooooo!!!

あなた(果林さん……!!)

果林「それじゃあ、行くわよ?『Turn it Up!』────」
 
181: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:02:21.53 ID:0vI+6RVj
・・・・・・・・・

あなた「果林さーーんっ!!」

果林「ふふっ♪……私たちの演奏、ちゃんと見ててくれた?」

あなた「うんうん! 果林さんの歌う姿も、サックスを持つ姿もかっこよくて…!」キラキラ

果林「ふふっ聞くのは野暮だったみたいね♪」

「相変わらず後輩ちゃんは、果林ちゃんラブだね〜」

「あ、そういえば果林、後輩ちゃんに何か言うことがあるじゃなかったっけ~?」ニヤニヤ

果林「えっ」

「ほら、私たちはもう行くからさ」

「ファイト〜♪」

果林「………///」

あなた「どうしたの果林さん?」

果林「はぁ……もう、あいつらったら……」
 
182: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:08:03.01 ID:0vI+6RVj
果林「今日の演奏、どうだった?」

あなた「最っ高のライブだったよ!! 私、生でバンド演奏する果林さんもボーカルも聞けて、もう大興奮しちゃって!!」

果林「ふふっ♪ それならよかった♪」

果林「……私はね、今日のこの歌は、キミに向けて歌ったのよ?」

あなた「え?」

果林「キミに一番に聞いて欲しかったから、キミのためにも歌ったの」

あなた「そうだったんだ……嬉しいな」

果林「……はぁ、これじゃあ伝わんないか……」

あなた「?」
 
184: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:12:29.03 ID:0vI+6RVj
果林「だから、私はあなたを一番想って歌ったのよ! 大好きなあなたに聞いて欲しかったから……///」

あなた「果林さんありがとう、私も嬉しいよ♪」

果林「あぁ〜もう〜!/// これでも伝わんないじゃない!///」

あなた「??」

果林「はぁ……やめた。回りくどいのはもうお終い」

果林「キミには、ちょっと強引にいかないとダメみたいね……」

あなた「?」

果林「私は……あなたの事が、世界で一番大好きなのよ」

あなた「…え?」
 
185: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:17:37.08 ID:0vI+6RVj
──カベドン!!

果林「だから、私のモノになりなさい♡」

あなた「え、か、果林さん…///」

果林「返事はYESしか、い・わ・せ・な・い♡」ンチュ

あなた「んんっ!?///」

果林「今夜の狙いは君に、き・め・た♡」ササヤキ
 
186: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:17:49.03 ID:0vI+6RVj
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
──著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
188: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:22:19.66 ID:0vI+6RVj
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「〜〜♪」

果林「あら、キミがサックスを吹いてるなんて珍しいじゃない」

あなた「あ、果林さん……ちょっと果林さんに影響されちゃってね」

あなた「でもやっぱり、果林さんの出す音の方がしっくりくるなぁ……」

果林「そう? 貸してみて?」

果林「〜〜♪」

果林「こんな感じ?」

あなた「うん…! やっぱり果林さんの出す音、好きだなぁ……」
 
191: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:25:00.00 ID:0vI+6RVj
果林「ふふっありがとう♪」

あなた「あっ……///」

果林「?」

あなた「いや、なんでも……/// サックス、吹奏楽部に返してこようかなって」アセアセ

果林「どうしたの? 急に照れちゃって……」

果林「……もしかして、関節キス」ニヤリ

果林「とか意識しちゃった?♡」

あなた「っ!?///」

果林「ふふっ♪ キミがそんな事考えるなんて珍しいじゃない♪」
 
192: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:30:12.36 ID:0vI+6RVj
──次の日

あなた「それでね、曲世界の果林さんはちょっとこの世界の果林さんと雰囲気が違ってね」

璃奈「なるほど、そんな変化が……興味深い」

璃奈「引き続きあなたにデータを取ってもらいたい」

あなた「うん、それはいいんだけどさ」

璃奈「?」

あなた「毎回、最後になるとみんなが私の事を好きって言うんだけど……」

あなた「あれは私を動揺させて現実世界に戻すための安全装置だよね?」

璃奈「え? えっと……」

璃奈(曲世界の人は、その歌詞に込められたあなたへの想いも反映されてる。だから……)

璃奈(でも、これは私から言うのはダメだよね……)

璃奈「うん、多分そうだと思う……」

あなた「だよね〜みんなが私の事そんな風に見てるわけないもんね!」

璃奈「この鈍感野郎…」ボソッ

あなた「え? なんか言った?」

璃奈「いくよ」ポチッ

あなた「え、ちょっ」


──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
193: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:34:30.49 ID:0vI+6RVj
※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※ Warning ※※※ Warning ※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※

──不完全な意識で精神リンクが発動された為、
対象との記憶リンクへ問題の可能性があります……
 
196: (もんじゃ) 2021/10/10(日) 01:36:51.46 ID:0vI+6RVj
きりがいいので今日はここまでとします。
明日はQU4RTZライブ現地参加しに行く為、更新はできないと思います。

この調子でいくと4th発売日までに全員分は間に合いそうにありませんが
それでも完走まで頑張りたいと思います。
反応こそしてませんがいつも支援コメ感想コメ助かります。
 
202: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:22:38.51 ID:M+S0s9vV
※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※ Warning ※※※ Warning ※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※

──不完全な意識で精神リンクが発動された為、
対象との記憶リンクへ問題の可能性があります……
 
203: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:23:10.59 ID:M+S0s9vV
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!

────『Diabolic mulier』START ────
 
204: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:24:46.25 ID:M+S0s9vV
────うーん……?

ここは、村……?

なんで私ここに……あれ、というか私って……

誰……?────
 
205: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:28:03.24 ID:M+S0s9vV
・・・・・・・・・・・・・・・

?「あ、ねえねえ君!」

あなた「え、私…?」

?「そうだよ、君しかいないっしょー?」

愛「アタシ、愛。宮下愛って言うんだ! 見慣れない顔だね? こんな所でウロウロ何してたの?」

あなた「えっと……それが──」
 
206: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:33:41.77 ID:M+S0s9vV
愛「──えぇっ!? 記憶喪失っ!?」

愛「それってかなりヤバいじゃん!」

あなた「うーん……そうなんだよね、何か目的があってここに来たって事は覚えてるんだけど、それ以外は漠然としなくて……」

愛「そっかー……君も……」

愛「それなら!」グイッ!

愛「君にこの村を案内してあげる!」

愛「楽しいことをすれば、なんか思い出すかもよっ!」ニコッ


そう言って、その元気の良さが良く似合うオレンジ色の大正ロマンな着物を着た彼女に、この村を案内してもらった。

ここは、山に囲まれた知る人ぞ知る隠れた名所って感じで、温泉もあるみたい!

記憶喪失という不安はいつの間にか消えて、私はしばしの楽しい時間を過ごした────。
 
207: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:39:37.55 ID:M+S0s9vV
あなた「愛ちゃん、ここの山道は?」


他の山道とは明らかに違う荒道。
その異様な存在感が、好奇心を掻き立てる。


愛「あー、そこね? なんか奥に神社があるらしいよ」

愛「でも誰も使ってなくて、ちょっと悪い噂もあってさ……村のみんなも近づこうとしないんだって」

あなた「へぇ~」

愛「君も近づかないほうがいいよ。獣道だし危険だからね」

あなた「うんわかったよ」

愛「そろそろ暗くなってきたね! 愛さんが宿を紹介してあげる!」
 
208: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:46:12.73 ID:M+S0s9vV
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「素敵な宿だね~!」


こぢんまちとしてるけど、大正浪漫溢れる素敵な外装!
それに温泉も付いてるんだって! 楽しみ~!


愛「でしょでしょ! 愛さん、ここに住んでるんだ」

あなた「そうなの?」

愛「うんうん! だから君も満足するまでここに泊まっていきなよ!」

愛「なんなら愛さんが君の記憶を取り戻すお手伝いしちゃうよ!」ニコッ

あなた「そんな、悪いよ……取り戻せるかもわからないのに……」

愛「気にしない気にしない、そんなに気後れしないの、記憶だけに!!」

あなた「ぷっ!! ぶひゃひゃひゃひゃっ!!」

愛「お! いい笑いっぷり!」

愛「じゃあじゃあ、君の不安も、ファーンって吹っ飛んだね!!」

あなた「ひ〜〜!! お腹痛い~~!ww」バンバン!

愛「そんなに笑ってくれると、愛さんも嬉しくなっちゃうな~♪」

あなた「もう~愛ちゃん……ありがとう!」

愛「えっへへ、どういたしまして♪ アタシも、君といるとなんか楽しいんだよね~♪」
 
209: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:51:35.72 ID:M+S0s9vV
・・・・・

あなた「うわ~~! 広いお風呂~~!!」

あなた「こんなに広いと泳げちゃうね~」バシャバシャ

愛「もう~子供じゃないんだからはしゃぎ過ぎだって~」アハハ

あなた「そういえば、他にお客さんいないんだね? 貸切状態だよ?」

愛「ん? あれほんとだ、いつもは人いるんだけどな……」

あなた「そうなんだ……じゃあ、ラッキーだね!」


たまたま、かなぁ? それとももしかしてこの宿、経営困難だったりするのかな……


愛「ほら、こっちおいで体洗ってあげる♪」

あなた「うん、お願い」
 
210: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 21:58:38.86 ID:M+S0s9vV
愛「君の肌、すべすべしてるね〜」ゴシゴシ

あなた「そう? 愛ちゃんの体も……いい体してるね!」

愛「お? それどういう意味〜??」

あなた「スタイルいいねってこと!」

愛「そう? 君の体だって十分……」サワサワ

あなた「? 愛ちゃん…?」

愛「……? 流すね」

あなた「うん、愛ちゃんの体も洗ってあげるね!」
 
211: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:01:57.84 ID:M+S0s9vV
・・・・・・・

愛「さて、そろそろ寝ますか」

あなた「もう寝るの? まだ早くない?」

愛「早く寝た分だけ、明日早く起きれるんだよ!」

愛「明日は君にとっておきの場所を案内するよ!」ニコッ

あなた「本当? 楽しみだな〜!」

あなた「……楽しみで、眠れないかも」

愛「あははっそんじゃ、愛さんが寝るまでお話し相手してあげる!」

愛「ほら、一緒の布団入ろ?」

あなた「うん……一緒の布団だとより温かいね♪」

愛「こうやってぎゅってしたらもっと温かいよ♪」ギュゥ~

あなた「ふふっ、愛ちゃんくるしいよお♪」
 
212: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:05:14.83 ID:M+S0s9vV
・・・・・・・・

その後、愛ちゃんとこの村の事や明日行きたい場所、私の記憶を取り戻す手がかりの話なんて、沢山してたらいつの間にか眠っちゃってた……

けど、早く寝たせいか夜中に少し目が覚める。


あなた「……ん?」

あなた「愛ちゃん…?」


気が付くと、愛ちゃんが布団から消えていた。


あなた「トイレにでも行ったのかな……」
 
213: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:09:10.03 ID:M+S0s9vV
私もトイレへと向かう。

あれ、トイレってどこだったっけ……
トイレを探しながら、なんとなく外へ出てみる。


あなた「今日は、月が綺麗で外も明るいなぁ……」


「────きゃぁぁぁ!!!」


あなた「っ!?」


遠くから確かに聞こえた悲鳴に戦慄が走る。


あなた「何…? もしかして、愛ちゃん…?」
 
214: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:20:01.33 ID:M+S0s9vV
真夜中、普通なら怖いはずなのに、私の足はその音の方へと向かっていった。


あなた「……ここって」


そこは、昼に愛ちゃんから注意された神社へ続くとされる獣道。


あなた「……月明かりで、よく見えるから行けるかな……」


立ち入ってはいけない背徳感、謎の悲鳴、好奇心が恐怖を上回る理由は揃っていた。
木々が生い茂る獣道をゆっくりと進んでいく……。
 
215: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:23:17.24 ID:M+S0s9vV
・・・・・

獣道は見た目とは裏腹に、そこまで険しい道のりではなかった。けれど、真夜中の山道。月明かりが指しているとはいえ、不気味な雰囲気は拭えなかった。


あなた「……おばけ、とか出ないよね?」


今更だけど、そんな不安が胸を締め付ける。
それでも、歩みを止めることは無かった。


──ガサガサ!!


あなた「っ!!?」

あなた「……なんだ、野生の動物かぁ……」
 
216: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:30:02.63 ID:M+S0s9vV
・・・・・

道を進むと、そこには古びた神社が。古びている以外は何の変哲もない神社、だけどこの異様感……

生臭い。

それに、チラホラと地面へ落ちているあれは……


あなた「これって、血…?」


流石に血を見たら誰だって怖くなる……体の本能が教える。ここは、来ては行けない場所だと。足を回転させ帰ろうとする。

が、その時、私は血の持ち主を発見してしまう。
いや、正確に言うならば"持ち主を喰らう"存在を……。


あなた「愛、ちゃん……?」
 
217: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:41:43.04 ID:M+S0s9vV
愛?「……ん? あれ、なんでこんな所に人がいるのかなぁ…?」


愛ちゃん。さっきまで一緒にいた、私の事を助けてくれた存在。その愛ちゃんが、今、私の目の前で人を"喰らっている"。

周りには血が飛び散り、愛ちゃん自身は返り血を浴びている……。

いや、でも愛ちゃんじゃない……?

姿容姿は瓜二つ……けど、さっきまでの可愛らしい村娘の袴とは真逆の着崩した花魁のような妖艶な衣装……何よりその身に纏う雰囲気があまりにも違いすぎる。


愛?「まいっか、取り敢えずそこで待っててくれる?」

あなた「っ!?」


体が動かない…!? 

声も出ない……完全に体が固まってる…?
 
218: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:51:28.00 ID:M+S0s9vV
愛?「お待たせ♪ 次は……君の番だよ♪」

愛?「ん? 君……この村の人じゃないね?」

あなた「っ……」コクコク

愛?「あー通りで……」

愛?「ダメじゃん♪ 村の人からここへ来ちゃダメって言われなかった?」


そう言って、私の頬へ手が触れる。

手に付いていた生暖かい血の感触が、つい先程までの信じ難い出来事が事実であることを告げる。
 
219: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:55:38.03 ID:M+S0s9vV
愛?「震えてるね、君。アタシに食べられると思ってる?」

愛?「……ふふっ♪」

愛?「まあ、アタシも鬼じゃないからさ、今日はもうお腹いっぱいだし……」

愛?「もう近づいちゃダメだよ? 可愛い迷える子羊ちゃん♡──」
 
220: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 22:59:44.98 ID:M+S0s9vV
・・・・・・・・・・

「ーい、……よー」

あなた「……んぅ?」

愛「そろそろ起きようよ〜」ユサユサ

あなた「……愛ちゃん…?」

愛「あ、おはよ♪ 昨日はぐっすりだったみたいね♪」

あなた「っ!?」

愛「ん? どしたん鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して? 愛さんの顔、なんかついてる?」
 
221: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:03:32.21 ID:M+S0s9vV
あなた「え、えっと……」

あなた「愛ちゃん、昨日の夜どこかへ行った?」

愛「え? 昨日…? うーん、トイレには行ったよ? もしかして起こしちゃった?」

あなた「その時、私いた?」

愛「うん? 行った時も戻った時も君は寝てたよ?」

あなた「そっか……」


……じゃあ、あれは夢…?
だとしても、なんて気味の悪い夢……
 
222: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:19:03.78 ID:M+S0s9vV
・・・・・・・・・

あんな夢を見たせいで、今日の愛ちゃんとのお出かけはあんまり楽しめなかったなぁ……

どうしても気になっちゃって、愛ちゃんに神社へ行こうって提案したんだけど、それはやめようよって断られちゃった

確かに私自身も、愛ちゃんとあの神社へと行くのは怖かった……

でも、なんでかは分からないけど……あの神社、そしてあの愛ちゃんの様な人との出来事が、夢じゃなかったなら……私の記憶の鍵を握っている気がする……
 
223: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:24:16.85 ID:M+S0s9vV
あなた「……」ムクリ

愛「……zzz」スヤァ

あなた「……愛ちゃん、ごめんね……」


今度は、愛ちゃんが寝ているのも確認した。
これでまたあの愛ちゃんに会えれば、違う人だって証明出来る……いや、そうであって欲しい…!

昨日よりも少し暗い真夜中、私は神社へと獣道を進んでいく。
 
224: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:30:22.37 ID:M+S0s9vV
・・・・・

……神社へたどり着くと、直ぐに美しくも目を惹かれる存在がそこにいた。
残念ながら、昨日の夢は現実だったみたい。


あなた「……愛ちゃん」

愛?「あれれ? 君は……」

愛?「……ふふっ♪ 夢にしておけば、よかったのに♪」


その怪しくも目を惹かれる妖艶な雰囲気は、やっぱり私の知る愛ちゃんとは完全に別人だった。
 
225: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:38:20.93 ID:M+S0s9vV
あなた「君は、愛ちゃんなの?」

愛?「んー……まあ、そうだね」

愛?「アタシは愛だよ、でも……君の言う"愛ちゃん"では無いかもしれないね」

愛?「それに、ちゃんだなんて可愛いものじゃないし、"愛さん"って呼んで欲しいな♡」

あなた「愛さん……」

愛さん「そ♡ 君、アタシに興味があって来たんでしょ?」

愛さん「ここじゃなんだからさ、神社へ入って話そうよ」


そう言って、神社へ入っていく愛さんについて行く。
 
226: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:44:48.80 ID:M+S0s9vV
愛さん「君、変わってるよね。アタシのあんな姿見てもまたここに来るなんて……」

あなた「えっとね私、愛さんに…」

愛さん「ま、関係ないか」


愛さん「──君、ここでもう死ぬもんね♡」


あなた「えっ……」


また、体が動かなくなる。声も出せない。
まずいっ!……逃げられない…!
 
227: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:49:27.71 ID:M+S0s9vV
愛さん「どうしたの? 怯えちゃって♡」

愛さん「ここに来たってことは……そういうことなんでしょ?」

愛さん「大丈夫、アタシに任せてよ…♡ 悪いようにはしないからさ…♡」ツーー


違う…! そうじゃなくって話を…!
声が出せなくて、何も伝えられない……

そんな私にはお構い無しに、愛さんは着物の袖から刀を取り出す。


愛さん「君、綺麗な体してるよねぇ……アタシ、そういうの見ると……」

愛さん「切り刻みたくなっちゃうんだよね…♡」スチャ


そう言って愛さんは、私の体に刀身を優しく当てる。

嫌だ! 私はこんな事して欲しくない……!
やっぱりこの人は私の知る愛ちゃんなんかじゃない!
 
228: (もんじゃ) 2021/10/11(月) 23:56:00.64 ID:M+S0s9vV
愛さん「あははっ♡ そんなに怯えちゃって可愛いなぁ♡ 痛い事されるのは想像してなかった?」

愛さん「そっかー……んじゃ、こっちの方がいいかな?♡」


そう言って愛さんは刀をしまい、私の頬へと手を寄せる。
そしてそのまま顔を近づけ……


愛さん「♡」ンチュ

あなた「んんっ!??///」
 
230: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:02:08.59 ID:wXPJUIPx
愛さん「んちゅ……♡……あむっ……♡んんっ……♡」


いきなりのキスに戸惑う私にはお構い無しに、愛さんは続けるように今度は舌を侵入させる。


愛さん「んふ♡ ごちそーさま♡」ペロッ

愛さん「君、もしかして初めてだった? 可愛い反応してくれるじゃん♡ アタシそういうの大好きだよ♡」

愛さん「あ、声出せるようにしてあげるね」スッ

あなた「っ!? あ、愛さん…?/// どうしてこんな…///」

愛さん「どうしてこんな事するって? 君、変な事言うね……あ、もしかしてそういうのが好きな感じ?」

愛さん「いいじゃん…♡ そのまま続けよっか♡」

あなた「違うっ! そうじゃなくっ…んむっ!?///」


まるで捕らえた獲物を弄ぶかのように、私の全てを侵略するかのように、息をする間もなくその行為は続けられた。
 
232: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:09:11.11 ID:wXPJUIPx
愛さん「いい感じに蕩けてきたね……♡」

あなた「ハァ…ハァ…/// 愛さん、話を…」

愛さん「じゃ、そろそろいいかな♡」ガプッ

あなた「〜〜っっ!!」


首筋に走る痛み……
首を、噛まれてる……?
そろそろいいかなって…?
私、このまま掻っ切られて〇されちゃうのかな……
 
233: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:15:51.21 ID:wXPJUIPx
けど、次に訪れる感覚は痛みではなく、快感だった。


あなた「うぁ……なにこれ……///」


痺れるような快感に、思わず声が蕩ける。


愛さん「んくんく……プハッ♡……吸血♡ 最初は痛いけど、だんだん気持ちよくなってくるんだよね♡」

愛さん「あはっ♡ 君の血すっごぉ♡ こんなに美味しい血は初めてかも♡」

愛さん「ねえ、このまま全部吸ってもいいよね♡ このまま続けたら君、死んじゃうけどいいっしょ?♡ 気持ちよく最後を迎えよう♡」ガプッ


死ぬ……? 私、このまま死んじゃうのかな……

とめどなく押し寄せる快感と、血が足りなくなった感触に思考がクラクラする。

でも、まぁ……このまま気持ち良く死ねるんだったら、それもまたいいのかな…?
 
234: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:28:55.43 ID:wXPJUIPx
諦めかけ、目を閉じたその時──


愛さん「……あっちゃー、まさかこんな形で会うことになるとはね……」

あなた「……え?」


急に吸血を辞めた愛さんの目線の先には、もう一人の愛。私のよく知る愛ちゃんが立っていた。


愛「その子を離して!!」

愛さん「わかったわかった、今は争うつもりは無いからさ」

愛さん「ほら、もう帰りなよ子羊ちゃん。また遊びたくなったら来てね♡」


そう言って、瞬きもする間もなく愛さんは闇に消えていった。
 
235: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:33:35.25 ID:wXPJUIPx
愛「君、大丈夫?」

あなた「あ、うん……」

愛「取り敢えず帰ろう?」

あなた「あの愛ちゃんと瓜二つのあの人は……」

愛「……わからない」

あなた「でも、あっちの愛さんの方は、愛ちゃんの事知ってるみたいだったけど……」

愛「……私、何も分からないの」

あなた「え?」

愛「愛さんね……実は……」

愛「君と同じで記憶喪失なんだ……」
 
236: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:40:41.24 ID:wXPJUIPx
・・・・・・・

話を聞くと、愛ちゃんも私と同じように記憶を無くしてこの村にたどり着き、今まで過ごしてきたらしい。

あの神社の事も、村の人から近づかないように言われてただけで詳しいことはわからなく、そしてあの愛ちゃんと瓜二つの愛さんの事も、本当に分からないらしい。


愛「これが、私の知ってる全て……」

あなた「……それなら、絶対にあの愛さんが記憶の鍵を握ってるはずなんだよ!」

愛「……私は、このままでいいと思ってる」

あなた「そんな……」

愛「君を危ない目にあわせたくないよ……君にいなくなって欲しくない……」

愛「だから辞めようこんな話! 愛さんは大丈夫だからさ?」

愛「あ、明日はどこに行く? もう全部忘れて楽しもうよ、楽しいことすればきっと気にならなくなるよ!」

あなた「愛ちゃん……」


確かに愛ちゃんの言う通りだ。
危険な目に合わせたくないのもわかるし、自分と瓜二つの存在が居るのも奇妙な話だ、忘れたくもなる。

それでも私には、愛ちゃんがどこか、あの神社と愛さんから逃げているような気がしてならない……
 
237: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:51:09.73 ID:wXPJUIPx
・・・・・・・

あなた「……」チラッ

愛「……zzz」スヤァ

あなた「……」モゾモゾ


夜、愛ちゃんを起こさないようにゆっくりと布団から抜け出す。

──が、腕を急に掴まれる。


あなた「っ! 愛ちゃん……?」
 
238: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 00:58:29.59 ID:wXPJUIPx
愛「……行かないでよ」

あなた「……ごめん、でもやっぱり私は行かなきゃ行けないと思うんだ」

愛「愛さんとここで一緒に暮らすだけじゃ、ダメ?」


その一言に、心が揺れる。
別にいいじゃないか、あんなことは忘れて、愛ちゃんとここでずっと暮らしたって。2人で過ごす時間はきっと楽しい。

……だけど、私は進まなきゃ行けない気がする。
帰らなきゃ行けない場所がある気がする。


あなた「ごめん……」


掴まれた手を離す。
その手を、再び握りしめられた。


愛「それなら、愛さんも行く……」

愛「君が行くなら、愛さんも行かなきゃ行けない気がする…!」

あなた「愛ちゃん…!」
 
239: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:04:23.92 ID:wXPJUIPx
・・・・・・・

愛さん「ありゃ? 子羊ちゃんはまた来ると思ってたけど……そっちが来るのは意外だったなぁ♪」


怪しく微笑むその姿は、やっぱり目を惹かれる。


あなた「愛さん……あなたは、愛ちゃんの事を知ってるの?」

愛さん「うん、知ってるよ。そっちの方は……まあ、覚えてないか」

愛「教えて、あなたは……そして私は何者なの…?」

愛さん「……どの口が言ってんだか」ハァ

愛さん「……ちょっと早い……いや、十分か♪」

愛さん「いいよ、教えてあげる♪」ニコッ
 
240: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:09:48.15 ID:wXPJUIPx
あなた「愛さん…! ありがとう!」

愛さん「ふふふっ♪ 君は本当に可愛いねぇ♡ 純粋で無垢で……」

愛さん「つい食べたくなっちゃう♡」ニヤ

愛「っ!!」キッ!

愛さん「おぉ~そんな怖い顔しないでって♪」

愛さん「それじゃ……昔話をしてあげる」
 
241: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:15:18.52 ID:wXPJUIPx
──ある村に、一人の吸血姫が迷い込みました。
村の人に優しくして貰った吸血姫は、お礼にその力で村を豊かにしてあげました。

力を見た村の人達は、吸血姫を神と崇め、神社に祀り、沢山の捧げ物を送りました。

友好な関係を築き、共に暮らしていた吸血姫はある時、1人の少女に出会います。

神と崇められていた吸血姫にとって、友達のように接してくれる少女と過ごす時間は、吸血姫にとってもかけがえのない楽しい時間でした。

やがて、吸血姫は少女に恋をします。


──その恋が、悲劇を生むとも知らずに……
 
242: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:20:27.55 ID:wXPJUIPx
ある時、村にこんな噂が流れました。
最近、村の人が神隠しに遭っていると。その犯人は神として崇められている吸血姫ではないのかと。
やがて村の人は神社にも吸血姫にも近づかなくなりましが、それでも少女は会いに来てくれて、吸血姫もそれで満足でした。

だけど、それで満足し、誤解を解かなかった愚かな吸血姫はやがて、自分の行動を恨みます。

ある日、神社に村人が1つの箱を運んできました。
箱を開けてみると……


──そこには体をバラバラに切り刻まれた少女が入っていました。


そして村人はこう言い放ちます。村で一番元気のある人です。これでどうか村の人々には手を出さないでください、と。
 
243: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:25:56.31 ID:wXPJUIPx
──ふざけんな


なんでそんなことが平気で出来る?
私は村の人に手を出したりなんてしてない
私は……私はただ愛されたかっただけなのに……!!!

……気付けば、村の人は消えていた。
残ったのは、一滴残さず飲み干した血によって得た強大な力と、それに呼応する虚しさだけ。

吸血姫は、苦しみ続けました。
好きな人を失った苦しみ……そして、それを奪った愚かな人が憎い……。
憎しみは日々増幅し、抑えきれなくなった吸血姫はやがて……。

負の感情を、切り離しました。

残虐な自分も、人間への憎しみも、全て忘れるように、二度と苦しまないために……。
 
244: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:32:19.51 ID:wXPJUIPx
愛さん「そして切り離された感情から生まれたのが、アタシ」

愛さん「そして、そっちの愛ちゃんは人間への憎しみも綺麗さっぱり忘れちゃってる綺麗な愛ちゃんって感じかな♪」

愛さん「許せないよね。そっちは全部忘れてのうのうと生きて、楽しく暮らしちゃってさ、こっちは苦しい気持ちも、残虐的な気持ちも抱えて生きてるっていうのに」

愛「嘘だ……嘘……そんな、私は……」

愛さん「思い出したでしょ? 綺麗で、無垢で、愚かな愛ちゃん♪」

愛さん「さて、昔話も終わったし」

愛さん「──終わらせますか♪」

あなた「……終わらせる?」
 
246: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:38:38.71 ID:wXPJUIPx
愛さん「ふふっ♪ なんでアタシがわざわざ昔話をしてあげたと思う?」

愛さん「最初はアタシの力はちっぽけだった……切り離された感情の数が違いすぎたんだよね」

愛さん「だから戦ってもかなうわけない。だから……蓄えてきてたんだよ? 少しずつ少しずつ力を吸収して……ずっとずーーっとこの時のために♡」

愛「私と……戦うつもりなの?」

愛さん「うん、戦って力を取り戻して……そして教えてあげるんだよ、愚かな人々に自分がどれだけ愚かな存在であるかを」

愛「違う! 人間はそんなに悪い人ばかりじゃないっ!!」

愛さん「それは、愛ちゃんが綺麗な心しか持ってないからそう思うんだよ?」

愛さん「大丈夫、一つになったら思いも一つになるからさ♪」

愛「だとしても……止めなきゃ行けない!」

愛「私は……愛さん、あなたを止めるよ!」
 
247: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:45:11.38 ID:wXPJUIPx
愛さん「そう、まあ争いは避けられないよね♪」

愛さん「本当はちょっと早いと思ったんだけどさ、なんでアタシがそっちに勝てる算段があると思う?」

愛さん「そこの子羊ちゃんのおかげだよ♡」

あなた「……私?」

愛さん「そう♡ 君の血がすっごく美味しくってさぁ……どんどん力が湧いてくるんだよねぇ♡」

愛さん「だからまずは……」ガバッ!

あなた「っ!?」

愛「っ!! させないっ!」

──ガシッ!

愛さん「捕まえた♡ 安直すぎ♡」

愛「えっ?」


──ガプッ!!


あなた「愛ちゃんっ!!」

愛「ぁ……ぁぁ……」ガクッ

愛さん「んふっごちそーさん♡ ま、本体から摂取するのが一番早いっしょ♡」

愛さん「んー今ので3分の1って所かな、でもまあもうこれで勝ち目無くなっちゃたね」

愛さん「さ、これで本格的におしまいだね、どうする?」

愛「くっ…! やぁっ!!」バッ

愛さん「目潰し? そんな事しても無駄……あれ、やるじゃん♪ ま、逃げても意味無いけどね♪」
 
248: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:50:27.15 ID:wXPJUIPx
・・・

愛「ハァ……ハァ……」

あなた「大丈夫?」

愛「うん……愛さんは大丈夫だから君は逃げて……」

あなた「そんな……」

愛「あの子の狙いは愛さんだから……今のうちに君は安全な場所へ…!」

あなた「でもそれじゃ愛ちゃんが……!」

愛「どの道このままじゃ二人とも捕まっちゃうよ……せめて君だけでも…」

あなた「嫌だよ!!」

愛「君……」
 
249: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 01:55:47.33 ID:wXPJUIPx
あなた「愛ちゃん……私の血を吸ってよ」

愛「え、何言って……」

あなた「愛さんが言ってた、私の血はすっごく力が出るって……だから愛ちゃんも私の血を飲めば……」

愛「でも、あの子に勝てるくらいの血を吸ったら君が……」

あなた「私はどの道逃げるつもりは無いよ」

愛「……もう、本当に君は……」カプッ

あなた「っっ……」

あなた「ふぁ……///」

愛「……っ!」パッ!

あなた「ダメ、もっと飲まなきゃ……」

愛「……っ」

愛「………」カプッ

あなた「………ぅ…///」

あなた「………ぁ」

愛「………」

愛「……ありがとう」

愛「待ってて、絶対に止めて見せるから…!」ダッ!

あなた「……愛ちゃん……頑張って……」ガクッ
 
250: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 02:01:11.86 ID:wXPJUIPx
・・・・・・・


「あ、こんな所にいた♡」

あなた「……え?」

愛さん「お待たせ♪ 次は君の番だよ♡」

あなた「どうして……愛ちゃんは……?」

愛さん「アタシがここにいる時点で、察しつかない?」

愛さん「それとも、アタシから言ってあげた方がいい?」

あなた「嘘だ……嘘だよ……」

愛さん「か細くて、今にも消えてしまいそう……」

愛さん「今、楽にしてあげるね……」

あなた「嫌だ……愛ちゃん……そんなの……!」

愛さん「……君には」

愛さん「君にこそ、この身の秘密を知って欲しかった……」

あなた「……え?」

愛さん「さようなら♡────」
 
251: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 02:06:47.65 ID:wXPJUIPx
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
──精神リンク対象の消滅を検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
252: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 02:11:51.10 ID:wXPJUIPx
・・・・・・・・・・・・・・・


あなた「……あれ?」

璃奈「あ、よかった」

璃奈「ごめんなさい。私がいきなりボタンを押したから、不完全な状態で精神リンクが発動しちゃった……」

璃奈「危ないから急いで強制終了したけど、大丈夫?」

あなた「え? でも私は……」

璃奈「?」

あなた「あれ、なんかちゃんと曲世界に行っていたような……でも、なにも覚えてないや……」

璃奈「そんなはずは……だってあなたが精神リンクを発動して解除するまで数秒しか経っていないのに……」

あなた「だよね、でも……」

璃奈「……ごめんなさい、今日はもう辞めた方がいいかも」
 
253: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 02:13:42.00 ID:wXPJUIPx
── 次の日

璃奈「今日は彼方さんの曲世界に行ってもらいたい」

あなた「彼方さんの…! ってことは、忍者になった彼方さんに会えるのか〜楽しみだな〜!」

璃奈「でも、あなたの方は大丈夫? なにか体に変化とか……」

あなた「? 特になんとも? そういえば、昨日のあれはどうだったの?」

璃奈「データは、取れてた」

あなた「やっぱり私、曲世界に行ってたんだよね?」

あなた「なんで覚えてないんだろう……」

璃奈「まだこの機械はまだ試作段階、だからそういうこともありえるのかも……」

あなた「うーん、難しいことは考えてても仕方ないよね!」

あなた「取り敢えず今は忍者の彼方さんに会いたい!」

あなた「璃奈ちゃん、お願い!」

璃奈「うん、それじゃあ行くよ?」
──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
254: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 02:16:36.69 ID:wXPJUIPx
きりがいいので今日はここまで。

『Diabolic mulier』は、その曲を愛さんが歌う事自体の意外性に加え。
元となった作品が和風伝奇ホラーという事でかなり意味深な終わり方を目指してみました。
色々とモヤモヤしてしまったらすみません……。

元々もっと短く終わる予定が長くなりすぎちゃって申し訳ない……以後気をつけます。
 
262: (もんじゃ) 2021/10/12(火) 23:33:46.13 ID:wXPJUIPx
今日は更新なしです。
フルで聴いてシナリオ考え直してみたいところが出てきちゃったので……
続きはまた明日に。

歩夢ちゃんとかすみんの曲、フルで聴いても世界観良すぎて最高でした⋯⋯
 
266: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 20:31:28.60 ID:AkmBo2fR
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!

────『Silent Blaze』START ────
 
267: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 20:36:11.47 ID:AkmBo2fR
あなた「うん……?」

あなた(ここは、家の中……?)キョロキョロ

あなた(藁の屋根に囲炉裏……まるで昔話に出てくるような内装)

あなた(確か、彼方さんの曲の元になった世界は室町時代だったっけ)

あなた(ということは、ここは私の家?)

── ガララ

彼方「ただいま〜」

あなた「彼方さん…! って、なんでそんなボロボロにっ!?」

彼方「あはは〜今日も頑張っちゃってね〜……」

あなた「取り敢えずお風呂沸いてるみたいだからまずは入って……」

彼方「うん、いつもありがとうね〜」
 
268: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 20:40:39.68 ID:AkmBo2fR
あなた(すみれ色のくノ一衣装、そしてあのボロボロ具合……彼方さんはきっとアヤカシと…)

彼方「あれ? どうしたの?」

あなた「え?」

彼方「入らないの?」キョトン

あなた「? 彼方さんが入るんじゃ……」

彼方「え……今日は、一緒に入ってくれないの…?」

あなた「……え?」
 
269: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 20:45:46.20 ID:AkmBo2fR
── お風呂場

あなた(曲の元になった設定からして、彼方さんは太古から人に危害を加える「アヤカシ」を討伐するために戦う主人公のくノ一)

あなた(そして私は……その主人公と共に暮らす仲の良い友達?)

あなた(それにしては……)

彼方「それでね〜今日は4体のアヤカシに囲まれちゃってね〜……」ギュギュー♡

あなた(なんか、距離近くないっ!?///)

あなた(いや、お風呂が狭いのもあるけどさすがに密着しすぎじゃないかなぁ…///)

彼方「ん〜? どうしたの、今日はなんだか大人しいね?」

あなた「え、あ……えっと……///」
 
270: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 20:51:03.50 ID:AkmBo2fR
あなた「彼方さん、ここって私の家……だよね?」

彼方「うん、そうだよ〜あなたと彼方ちゃんの家だね〜♪」

あなた「えっと……私って、彼方さんとどういう関係だったっけ…?」

彼方「関係…? あなたと彼方ちゃんは……同居人、いや家族……うーん、パートナー……」

彼方「……そう言われてみると確かに難しい関係だね?」

あなた「あはは、なんか気になっちゃってね?」

彼方「それじゃあ……」

彼方「恋人、とかどうかな…?///」

あなた「え?///」
 
271: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 20:56:41.04 ID:AkmBo2fR
彼方「彼方ちゃん、あなたのことが大好きだよ?/// あなたは、そういう風に見てなかった…?」

あなた「いや、えっと…///」

彼方「……?///」ジーー

あなた「私も、彼方さんの事が好きです……はい…///」

あなた(そんなに真剣な眼差しで見つめられたら断れるわけない…///)

彼方「えへへ〜よかった〜♡ じゃあこれからは恋人って事で♡」

彼方「これからもよろしくね、あなた♡」

あなた(なんだか凄いことになっちゃったなぁ…///)
 
274: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:13:04.26 ID:AkmBo2fR
・・・・・

彼方「やぁ〜!! とうっ!!」パシュ!

あなた「すごい! 全部的のど真ん中に当たってる!!」

彼方「えへへ〜手裏剣や苦無はもうお手の物だよ〜♪」

彼方「あとはもう少し早く走れるといいんだけどね〜……彼方ちゃん、走るのはどうも苦手で……」

彼方「瞑想は得意なんだけどね〜、すやぁ〜♪」

あなた「あははっ彼方さんらしいや♪」

彼方「すやぁ〜……あ、そうだ」

彼方「武器の調達に、くノ一の里に行こうと思うんだけど、あなたも一緒に行かない?」

あなた「くノ一の里……行くっ!」

彼方「えへへ〜そう言うと思った♪ それじゃあ、準備していこっか〜♪」
 
275: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:18:29.69 ID:AkmBo2fR
── くノ一の里

彼方「なんだか懐かしいね〜……あ、あなたと一緒に住んでたあそこも変わってないね〜♪」

あなた(……私と彼方さん、前はここに住んでたのかな?)

彼方「とりあえず里長様に挨拶しに行こっか?」

彼方「あなたも久しぶりに会いたいでしょ?」

あなた「あ、うん……」

くノ一「あー! 彼方お姉ちゃんだ〜!!」

彼方「お? 久しぶりだね〜君たちも元気してた?」

くノ一「うん! 彼方お姉ちゃん、また兵糧丸作ってよ〜」

彼方「おっけ〜♪ それじゃあ、今度一緒に作ってみようか?」

くノ一「本当!? わーい!」

あなた(彼方さん、この世界でもお姉さんしてるんだなぁ…♪)
 
276: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:24:01.11 ID:AkmBo2fR
・・・

彼方「こんにちは〜」

里長「お、彼方。それに君も久しぶりじゃないか、元気してたか?」

彼方「うん、元気元気〜里長様も変わりないね?」

里長「ああ、それなら何よりだ。今日はどうしたんだ?」

彼方「えっへへ〜実は彼方ちゃん、この子と結婚することにしましたっ!」

あなた「ええっ!?///」

里長「あっははは! そりゃめでたいな!」ケラケラ
 
277: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:29:42.55 ID:AkmBo2fR
彼方「というのは冗談で、武器の調達に来ただけで〜す♪」

あなた「もう、彼方さん…///」

里長「お前たちも相変わらずで何よりだ」

里長「……二人で上手くやってるみたいだな」

里長「噂は聞いている、一人で何体ものアヤカシを討伐しているくノ一がいると」

彼方「にゃはは〜彼方ちゃん頑張ってますから♪」

里長「……その様子だと、大丈夫そうだな彼方」
 
278: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:35:18.82 ID:AkmBo2fR
里長「お前が里を出ると言った時はどうなるかと思ったが……君がそばにいてくれたおかげかな?」

あなた「え、私は別に何も……」

彼方「えー? 彼方ちゃんは家であなたが待ってくれてるってだけでもすっごく頑張れてるよ?」

あなた「彼方さん…///」

里長「お、なんだ? 結婚は冗談にしても、二人はそういう関係になったのか?」

彼方「えへへ〜この子が、彼方ちゃんを死ぬまで離さない〜!って言うから…///」

あなた「えっ私そんなこと言ったっ!?///」

里長「そうかそうか、そういえば君は彼方が出ていく時、絶対一人にさせない!私も里を出る!と意地でも付いていくと聞かなかったもんな」

あなた(本当に私そんな事してたんだ…///)
 
279: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:42:06.34 ID:AkmBo2fR
里長「……二人で幸せならいいが、いつでも里へ戻ってきていいからな、彼方の料理は私もだが皆も喜ぶしな」

彼方「あーうん……ありがたい話だけど、当分は里には……」

里長「そうか……まあ気が向いたらでいい」

彼方「うん、それじゃあ、彼方ちゃん達は武器を貰いに行くからこれで……」

里長「……彼方」

彼方「ん?」

里長「近頃、アヤカシの動きが不穏なんだ……もしかしたら、元凶が動いているのかもしれない……」

彼方「……うん、知ってる」

里長「元凶は一人で太刀打ち出来るほどのものじゃない……無理はするなよ、彼方」

彼方「……わかってるよ、ありがとうね里長様」
 
280: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 22:49:27.98 ID:AkmBo2fR
・・・・・

彼方「さて、当面の武器も調達出来ましたし帰るとしますか〜!」

彼方「今から山奥の家まで歩かなきゃって思うと億劫だね〜……」

あなた「彼方さん、それなら今日はもう里に泊まっていけば……」

彼方「……それは、やめておこうかな」

あなた「……どうして?」

彼方「どうしてってそれは……」

彼方「あなたと二人きりで過ごせないじゃん♡」

あなた「え?///」

彼方「んふふ〜♪ 帰ったら膝枕してね〜♪」

あなた「か、彼方さん〜…///」モー

あなた(……里の皆からも好かれてて、いつでも帰ってきていいって言われてるのに、わざわざ人がいない遠い山奥の家に住んでいる……)

あなた(……何か、彼方さんに理由があるのかな?)
 
282: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:01:14.64 ID:AkmBo2fR
・・・・・・・・・

彼方「んふふ〜やっぱりあなたの膝枕は最高だね〜♪ 歩いた疲れも吹き飛ぶよ〜♪」ゴロゴロ

あなた「ふふっそんな大袈裟な…♪」

彼方「本当だも〜ん、あなたの膝からは、こうなんか疲れを癒す波動的な何かが……」

あなた「ちょっと怖いよそれ?」アハハ

あなた「……彼方さん、聞いてもいい?」

彼方「ん? 何ー?」

あなた「……彼方さんは、どうして里を抜け出したの?」

彼方「……あはは、ごめんね。それはちょっとまだ……言えないかな……」

あなた「……私、彼方さんの恋人なんだよね? それでもまだ言えない?」

彼方「っ!……そっか……そうだよね……」

彼方「……もうちょっとだけ、考える時間をくれないかな…?」

あなた「……うん、分かった。彼方さんが言いたくなったら言ってね?」

彼方「うん……」
 
283: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:13:09.08 ID:AkmBo2fR
・・・・・・・・・・

彼方「やあーーーー!!」ズブッ!!

あなた「彼方さんすごい!! 一突きで魚を2匹も!!」

彼方「えっへへ〜褒めて褒めて〜♪ 褒めた分だけ、今日の夕飯が豪華になるのです♪」

あなた「でも流石に取りすぎたら可哀想だからこのくらいにしとこうね」

彼方「そうだね〜これだけでも十分だもんね♪」

彼方「今日はこのくらいにして…」

彼方「……ん?」

あなた(山が急に静かに……この嫌な雰囲気って……)

アヤカシ「………」モワァ

あなた「アヤカシ…? なんでこんな山奥に……」
 
284: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:22:06.79 ID:AkmBo2fR
彼方「むむむ?……おかしいなぁ、こんな時間には普通出てこないのに……」

彼方「あなたはそこを動かないで? 一体ぐらいなら彼方ちゃんが……」

彼方「やぁっ!!」シュッスパッ!

アヤカシ「〜〜〜〜!!」シュワワー

彼方「ふっ……またつまらぬものを切ってしまったぜ…!」

あなた「流石彼方さん…!」

あなた(普段の彼方さんからは考えられない素早さ! まさにくノ一って感じの鮮やかな動き!)

彼方「えへへ〜もっと褒めて褒めて〜♪」

彼方「……ん?」

アヤカシ達「………」ゾロゾロ

あなた「あれ、いつの間にか囲まれて……」

彼方「うーん、この数はかなりやばいですなぁ……」
 
286: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:34:48.24 ID:AkmBo2fR
あなた「この数は流石にまずいよ! 早く逃げよう!」

彼方「……逃げる事はできるけど、この数を放っておく訳には行かないよ」

あなた「彼方さん…?」

彼方「……あなたにはいつかは言わなきゃいけないと思ってたけど……」

あなた「え?」

彼方「えへへ……あんまり驚かないでね?」

彼方「……お願い、遥ちゃん」

──フワァッ…

あなた(彼方さんの周りに、火の玉が浮かんで……)

彼方「風切れ! 静かなる焔(サイレントブレイズ)!!」

──シュワァッ…

あなた(……燃えている。アヤカシが、炎特有のぼうって音もなくまるで消えるように……)

あなた(でも、あの炎は……アヤカシの使う炎とまるで同じの……)
 
287: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:41:00.86 ID:AkmBo2fR
彼方「……」

あなた「彼方さん……今のって……」

彼方「……今まで、隠しててごめんね」

彼方「怖いよね、ただでさえ恐ろしいアヤカシの炎を使うなんて…」

あなた「そんなことないっ!」

彼方「っ!」

あなた「私には、かっこよく見えたよ? アヤカシの炎を使ってるなんて関係ない。私を守ろうとしてくれた彼方さんの姿が…!」

彼方「……怖く、ないの?」
 
288: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:50:41.52 ID:AkmBo2fR
あなた「怖いわけないよ、どんな姿でも彼方さんは彼方さんだよ……優しくて、頑張り屋さんな」

彼方「あなた……うぅ……」グスン

彼方「ずっと怖かったの……この姿を見て、あなたが離れていくんじゃないかって……」

彼方「里の皆も怖がらせちゃうんじゃないかって……だから、一人で里を離れて…!」ポロポロ

あなた「大丈夫だよ……私は彼方さんから離れたりしないから……」ギュッ

彼方「うぅ……グスン……あなたがそばに居てくれてよかった……」

彼方「ありがとう……やっぱり彼方ちゃん、あなたの事が大好きだよ……」ガクッ

あなた「彼方さん……? 彼方さんっ!! しっかりしてっ!!」
 
289: (もんじゃ) 2021/10/13(水) 23:58:18.90 ID:AkmBo2fR
・・・・・・・・・

彼方「んぅ?」ムクリ

あなた「あっ彼方さんっ!」

彼方「あっ……えへへ、彼方ちゃんすやぴしちゃったみたい?」

あなた「急に倒れるから心配したよ……」

彼方「……えっとね、心配かけてごめんね?」

あなた「さっきのアヤカシの力が関係してるの?」

彼方「……うん」

あなた「遥ちゃんって言ってたけど……それも関係あるの?」

彼方「うん……あなたには全部話すね?」
 
290: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:12:36.25 ID:g1FbKiXu
──彼方ちゃんの家族は、古里は皆、アヤカシによって消されちゃったの……
くノ一の里の子は皆そういう子達の集まりで……あなたもそうだったよね?

アヤカシの炎によって消された人は、灰になるか、はたまた新たなアヤカシとして生まれるか……

妹の遥ちゃんは後者の方だった……
彼方ちゃんの代わりに炎を受けて……それで……

それでも、彼方ちゃんはアヤカシになった遥ちゃんを抱きしめたの。遥ちゃんと離れるのが嫌だった
どんな姿になっても、例え彼方ちゃんが消えてしまおうと、一緒に居たかった……
 
291: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:19:13.79 ID:g1FbKiXu
──でも、消えたのは遥ちゃんの方だった。
抱きしめると、まるで吸い込まれるように彼方ちゃんの中に入り込んで……

気がついた時には周りにいたアヤカシは全て消えていて……
今思えば、あれが一番最初に発動した力なのかもしれないね……
村から一人だけ生き残った私は助けに来た、くノ一に保護されて、くノ一の里で暮らした。

そして、くノ一として、アヤカシを討伐する為に頑張るって決めた。
家族を、遥ちゃんを失ったのは辛かったけど……もう二度と、彼方ちゃんのように悲しい思いをさせる人を出さない為に……
 
292: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:31:03.32 ID:g1FbKiXu
彼方「そして、最近気づいたの……あの時吸収したアヤカシ、遥ちゃんの力が使える事を」

彼方「彼方ちゃんが本当に誰かを守りたいって……どうしようもなくなった時に、力を貸してくれるんだ……」

彼方「多分、私の中で今も生きている遥ちゃんが……」

あなた「そんなことって……」

彼方「不思議だよね? でも時々、遥ちゃんが私に話しかけてくる気がするんだ……」

彼方「だから彼方ちゃん、この力でみんなを救うって決めたんだ…!」

彼方「でも、この力は強力で、使うと彼方ちゃんの体もボロボロになっちゃうんだよね……だからさっきも倒れちゃって……」

あなた「そんな…! それなら何も彼方さんがボロボロになるまで戦わなくたって……」

彼方「……でも、もうすぐ終わるよ」

あなた「え?」
 
293: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:38:31.31 ID:g1FbKiXu
彼方「彼方ちゃん、分かるんだ……とっても強大なアヤカシが、近づいてきてる……」

彼方「元凶……全てのアヤカシの源となる存在……それさえ倒せれば、アヤカシは消えて、皆笑顔に…!」

あなた「でも、元凶ってすっごく大きな存在って……彼方さん一人だけじゃ太刀打ち出来ないって里長様も…!」

彼方「大丈夫だよ、彼方ちゃんには遥ちゃんがついているから……」

あなた「でも! 力を使ったら彼方さんの体がっ!」

彼方「……それでも、彼方ちゃんは戦わなきゃ行けないと思う。その為に遥ちゃんも……」

あなた「嫌だよ……皆の為に彼方さんが犠牲になる必要なんてない……」
 
294: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:48:12.36 ID:g1FbKiXu
あなた「行かないで……私のそばに居てよ……彼方さん……」ギュッ

彼方「っ!」グッ

彼方「………」

彼方「……ずるいよ……そんなこと言われたら、行けるわけないじゃん……」

あなた「……」ギュゥ~

彼方「……わかったよ、怖い話しちゃってごめんね?」ナデナデ

あなた「彼方さん…!」

彼方「えへへ、今日はもうすやぴしよっか〜♪」

あなた「うん…! 私、彼方さんのこと絶対離さないから……」

彼方「……」
 
295: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:54:56.13 ID:g1FbKiXu
・・・・・・・

あなた「……zzz」

彼方「……」パチリ

彼方「……」チラ

あなた「……彼方さん…zzz」

彼方「あなたったら……そんなにがっちり掴まれたら動けないよ〜……」

彼方「………」

彼方「……ごめんね」
 
296: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 00:59:36.56 ID:g1FbKiXu
・・・

彼方「よいしょ……準備はこれで大丈夫かな……」

彼方「さて、名残惜しいけどここともお別れ…」

あなた「彼方さん……」

彼方「っ!!? あ、あなた……起きてたの?」

あなた「……」

彼方「えっと……彼方ちゃん、お散歩に…」

あなた「帰ってきてね?」

彼方「っ!!」

彼方「………」

彼方「うん、絶対に帰ってくるよ──」
 
297: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:05:22.82 ID:g1FbKiXu
・・・・・・・

──陰と陽の狭間の時間、空はすみれ色に染まっている。

────
──

あなた「彼方さんすごいねっ!! この前もうアヤカシを討伐したんだって!?」

彼方「え? そ、そうかな……」

あなた「私ね、運動神経があんまり良くなくて、くノ一には向いてないって言われちゃって……だから彼方さんすごいなって!」

彼方「そうなんだ……でも、彼方ちゃんはあなたが皆の為に武器をお手入れしたり、率先して補給を運んでくれたり……すっごく助かってるよ?」

あなた「そう、かな…? 私の助けが……」

────
──

あなた「彼方さん、またお昼寝してるの?」

彼方「これは瞑想だよ〜♪ すやぁ……」

あなた「そっか、彼方さんは偉いね〜」

彼方「……? あなたは、お昼からすやぴしてる彼方ちゃんを怠け者だ〜とか言わないの?」

あなた「え? だって、彼方さんがすやぴしてるのって……夜遅くまで稽古してるからでしょ?」

彼方「え……なんで知ってるの?」

あなた「ふふっ♪ 皆のことをよく知って、補佐するのが私の役目だから!」
 
298: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:08:28.02 ID:g1FbKiXu
──傷だらけになって、嘆いた夜もあった……。

────
──

アヤカシ「……」モワァ

女の子「いや……来ないで……」

彼方「やぁぁっ!!」スパッ!

アヤカシ達「……」ゾロゾロ

彼方「数が多い……このままじゃこの子も……」

女の子「いやだよ……お姉ちゃんっ……」

彼方「っ!!」

彼方「遥ちゃん……力を貸して……!!──」


彼方「──はぁ……はぁ……」

彼方「……あ、もう大丈夫…」

女の子「怖い……」

彼方「……え?」

女の子「アヤカシと……同じ炎……怖いよぉ……」グスン

彼方「ぁ……」

彼方「こ、怖くないよー? この通り、彼方ちゃんは…」

彼方「いだっ!?」ズキズキ

彼方(体が焼けるような痛み……もしかして、遥ちゃんの力を使ったせい…?)

女の子「うぇぇん……来ないで……」グスン

彼方「っ……!」
 
299: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:13:47.69 ID:g1FbKiXu
────
──

里長「里を抜ける…? 急にどうして……」

彼方「えっと抜けるというか……一人で山篭りがしたくて……」

里長「……それなら、世話係の者を連れさせるが」

彼方「いや! 大丈夫…! 一人でいたいから……」

里長「……そうか、彼方の事だ。何か考えがあるのだろう?」

里長「山奥に、昔使っていた小屋がある。いつでも戻ってきていいからな?」

彼方「……はい、ありがとうございます」

────
──

あなた「嫌だ!! 彼方さんが一人で里を出るなら私も行く!!」

彼方「ええー……でも、彼方ちゃんは一人で……」

あなた「ダメだよ! 彼方さん、一人にしたらなんか……頑張りすぎるのを止められる人がいなさそうなんだもん……」

彼方「あなた……もう……」
 
300: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:17:12.50 ID:g1FbKiXu
──逃げ出すことだって、簡単に出来たはずだ。
それでも……

────
──

彼方「はぁ……はぁ……」

彼方「うっ…! きっついな〜この反動……どうにかならないもんかね〜……」ズキズキ

── ガララ

彼方「ただいま〜」

あなた「あっ! おかえり彼方さん!」ニコッ

あなた「またこんなにボロボロになって……早くお風呂に……」

彼方「……んふふ♪」

あなた「…? どうしたの笑って?」

彼方「んー? 帰る場所があるっていいなって♪」



──その笑顔が、私の道しるべだから…!
 
301: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:20:50.27 ID:g1FbKiXu
──────
────
──

彼方「……ん? 遥ちゃんも、私を心配してくれてるの?」

彼方「大丈夫、彼方ちゃんはお姉ちゃんだからさ♪」

彼方「ごめんね、いつまでも彼方ちゃんの中で縛り付けちゃって……」

彼方「全部、終わらせるからね」

彼方「これで最後……だから……」

彼方「だから、最後に力を貸して……!!」

彼方「────風斬れ! 
静かなる焔(サイレントブレイズ)!!────」
 
302: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:25:25.23 ID:g1FbKiXu
・・・・・・・・・・・・・・・

彼方「……」

あなた「彼方さんっ!!」

彼方「……ただいま」ニコッ

あなた「彼方さんっ…!」ウルウル

あなた「おかえりっ」ニコッ

彼方「……ぁ」フラッ

あなた「彼方さん……?」

彼方「えへへ、彼方ちゃん……疲れちゃったよ……」

彼方「少し、眠りたいな……いい?」

あなた「……うん」

彼方「あなたの膝枕がいいなぁ~……」

あなた「……これでいいかな?」ポフッ

彼方「うん……手、握って欲しいな~……」

あなた「……うんっ」ギュッ

彼方「……えへへ、あなたの手、温かくて……すぐそばにいるのがわかるよ~……」
 
303: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:30:08.87 ID:g1FbKiXu
あなた「………」ポロポロ

彼方「あれ、泣いてるの? 彼方ちゃんは……あなたの笑顔が見たいなぁ……」

あなた「……えへへ、こうかな?」ポロポロ

彼方「うん…♪ あなたがとびきりの笑顔になってくれてよかった……彼方ちゃん、頑張ってよかったよ……」

あなた「……っ」

彼方「……少し、眠ってもいいかな?」

あなた「……うん」

彼方「……おやすみ、大好きだよ」

彼方「………」

あなた「……おやすみ、彼方さん。私も大好きだよ────」
 
305: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:31:01.46 ID:g1FbKiXu
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 曲世界主の消滅を検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
306: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:33:35.02 ID:g1FbKiXu
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……」スチャ

あなた「……あは、ゴーグルがびしょびしょだ……」

彼方「……んぅ?」ムクリ

彼方「あれ、あなた起きてたの? ごめんね〜璃奈ちゃんに見てるように言われてたんだけど、いつ間にか一緒に…」

── ギュッ!

彼方「ほぇ? どうしたの急に…?」

あなた「彼方さん……彼方さぁん……」グスグス

彼方「なにー? 怖いものでも見たの?」ナデナデ

あなた「違うの……そうじゃなくて……彼方さんが……彼方さんがっ…!」グスグス

彼方「もう……彼方ちゃんはここにいるよ」

あなた「うぅ……ぅぁぁぁっ!!」

彼方「ありゃりゃ……これは本当にどうしちゃったんだか……」
 
307: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:35:51.33 ID:g1FbKiXu
── 次の日

璃奈「……大丈夫?」

あなた「うん、私は平気だよ? 昨日は彼方さんの家に泊まらせてもらったしね」

璃奈(あなた……すごい隈……)

璃奈(これはまずい……まさかここまで曲世界が現実に影響を与えるなんて……)

璃奈「あの、あなた……」

あなた「璃奈ちゃん……少し、休ませてくれないかな?」

あなた「分かってはいるんだけど……まだ気持ちの整理がつかなくてさ……」

璃奈(現実ではないと分かっていても、心が追いついてない……)

璃奈(非常にまずい……早く何とかしないと…!)

璃奈(曲世界があなたにここまで影響を与えた……いや、だったら曲世界が与える影響を利用すれば!)
 
308: (もんじゃ) 2021/10/14(木) 01:37:48.31 ID:g1FbKiXu
── 夜

あなた「……zzz」

あなた「……彼方さんっ……うぅ……zz」

── ガチャ…

歩夢「お邪魔しまーす……」

歩夢「……えっと、この装置をこの子の頭に付ければいいの?」

璃奈『うん、小型の精神リンクデバイス。それを付ければ遠隔でも曲世界へ接続できる』📱

歩夢「本当にこれでこの子が元に戻るの?」

璃奈『確証は無い……だけど、こうなったのも全て私の責任……もしダメなら私が責任をとるから……』

歩夢「……うん、わかった。今は璃奈ちゃんを頼るしかないもんね……付けれたよ」

璃奈『了解。それじゃあ、いくよ?』

璃奈(……お願い。どうか、この曲世界であなたの笑顔が戻るといいけど……)

──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
333: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 21:57:20.24 ID:ukL7NaVH
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!

────『ヤダ!』START ────
 
334: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:01:47.15 ID:ukL7NaVH
「おっっきろぉぉぉぉーーーー!!!!!!」

あなた「っ!??」ビクッ!?

あなた「な、なにっ!?」

せつ菜「もう、いつまで寝てるのお姉ちゃんっ!!!」

あなた「え、せつ菜ちゃん…? お、おねえちゃんって…?」

せつ菜「寝ぼけてないで、早く起きて〜〜!!」グイグイ

あなた「ちょせつ菜ちゃん待って! ベッドから落ちる…というかもう落ちてるから引きずらないで〜〜!!」ズルズル
 
335: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:11:35.17 ID:ukL7NaVH
・・・

せつ菜「いただきます!」ペカーーー

あなた「いただきます……」

あなた(……私、昨日は自分の部屋で寝たよね? なのにここはせつ菜ちゃんの家だし……)

せつ菜「お母さんおかわり!」ペカーーー

母「はいせつ菜。あなたはいいの?」

あなた「え、えっと……お願いします……」

母「どうしたの? 敬語なんて使って?」

せつ菜「むっお姉ちゃんまだ寝ぼけてるんでしょ?」ムスー

母「また夜遅くまで作曲してたの? 程々にしておきなさいっていつも……」

あなた(この反応……さっきのせつ菜ちゃんのお姉ちゃん呼びといい……これってもしかして……)

せつ菜「あっまさか今日の約束まで忘れてないよね…?」

あなた「え?」

せつ菜「朝ごはん食べ終わったら早速行くからね! 早く着替えてよね!!」

あなた「あ……うん?」
 
337: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:21:41.30 ID:ukL7NaVH
── 原宿

せつ菜「ほらほら行くよ!」

あなた(せつ菜ちゃんが妹で、私が姉……うーん……これって曲世界、だよね? それとも夢…?)

せつ菜「なにぼーっと立ってるの?」

せつ菜「今日は一日、私とデートしてくれるって約束でしょっ!」

あなた(なるほど、それが約束だったんだね)

せつ菜「んっ!」(手を差し伸べる

あなた「?」

せつ菜「んっ!!!」(手を差し伸べる

あなた「??」

せつ菜「ん~~~~!!」ブンブンブン!

あなた「えっと……手を繋げばいいの?」ギュッ

せつ菜「……ん」

あなた(……合ってたのかな?)

せつ菜「それじゃあ行こっか! 今日は私に付いてきてよね!!」ペカーーーー

あなた(なんだろう、その言動とかせつ菜ちゃんのいつもの私服の影響もあってか……可愛いというか、幼く見えるな〜)

あなた(もし、せつ菜ちゃんが私の妹だったらこんな風になってたのかな♪)
 
339: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:32:54.33 ID:ukL7NaVH
・・・・・

せつ菜「あ! お姉ちゃんクレープクレープ!!」キラキラ

せつ菜「買って!!」ペカッ

あなた「え、さっき朝ごはん食べたばかりなのに?」

せつ菜「買って!!!!」ペカーーー!

あなた(……かわいい)
 
340: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:39:39.15 ID:ukL7NaVH
・・・

せつ菜「モグモグ……うーん! おいしーー!!」ペカーーー!!

あなた(せつ菜ちゃんの笑顔、いつ見ても眩しいくらい良い笑顔だなぁ♪)

せつ菜「お姉ちゃんのも一口ちょうだい!」

あなた「うん、いいよ」

せつ菜「あーむ……美味しい! もう一口!」

あなた「しょうがないなぁ」

せつ菜「もう一口! もう一口!」モグモグ

あなた「せつ菜ちゃん? そんなに食べたら私の分が……」

せつ菜「あ……お姉ちゃんのクレープ、虫食いみたいになっちゃったね?」

あなた「んーそうだね、まあ食べれるからいいけどさ」パクッ

せつ菜「え…///」

あなた「? どうしたの?」モグモグ

せつ菜「なんでもない…っ!/// 次の場所行こっ!」
 
341: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:45:44.33 ID:ukL7NaVH
・・・・・

── ゲーマーズ

せつ菜「うおぉぉぉっ!! これが噂のっ!!」

せつ菜「今、この原宿ゲーマーズはとあるスクールアイドルアニメとタイアップしてるんだよっ!!」

あなた「へーそうなんだ」

せつ菜「ね、ね! 早く入ろっ!」ピョンピョン

あなた「ふふっ♪ そんなに急がなくても逃げないよ」

あなた(せつ菜ちゃん、相変わらず大好きな事へのテンション高いな〜♪)
 
342: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 22:53:44.76 ID:ukL7NaVH
・・・・・

あなた「何も買わなくて良かったの?」

せつ菜「うん! 見てるだけでも楽しかったし、本当は欲しいもの沢山あったけど……」

せつ菜「まだまだ行きたい所あるから荷物になっちゃうし! だからまた後で行こうねっ!!」ペカーーー

あなた「あはは、また行くんだ」

せつ菜「次はあそこに行って…次はあっちに行って…その次はそこでその次は……」

あなた「え、今日だけでそんなに回るの?」

せつ菜「むぅ……ダメ?」

あなた「いや、ダメじゃないけど……」

せつ菜「今日は一日私に付き合うって約束でしょ!! 朝から晩まで24時間付き合ってもらうんだからっ!!」ペカーーー

あなた「あはは……流石に夜には家に帰ろうね?」
 
344: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:00:35.83 ID:ukL7NaVH
・・・・・・

あなた「公園?」

せつ菜「そう! ここは今見てるアニメの聖地でねっ!」

せつ菜「小さい頃の主人公の女の子がいじめられてる幼馴染を助けるっていう感動シーンの場所なのっ!! そこで主人公と幼馴染の関係がより分かるシーンでね? 何よりも声を荒らげて幼馴染を助けようとする主人公がかっこよくて私あのシーンが大好きなんだ~!」(早口

あなた「へ~そんなことが……」

せつ菜「再現しよっ!」ペカッ

あなた「え?」

せつ菜「お姉ちゃんは主人公役やって!」

あなた「私が主人公なの? どっちかというと主人公はせつ菜ちゃんの方なんじゃ……」

せつ菜「いいからっ! 私はお姉ちゃんに主役をやって欲しいのっ!」
 
345: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:09:57.65 ID:ukL7NaVH
・・・・・・

あなた(……姉という立場になってわかったことがある)

あなた(妹って、かわいいな~♪)

あなた(わがままを言ってくるけどそれも愛嬌のある甘え方で、お世話してあげたいって気持ちになるんだよね~)

あなた(私は姉妹はいないけど、彼方さんとかはこういう気持ちで遥ちゃんと接してるのかな~♪)

あなた(……彼方さん)

せつ菜「お姉ちゃんっ!!」

あなた「え?」

せつ菜「食べさせてっ!」ペカッ

あなた「え…?」

せつ菜「食〜べ〜さ〜せ〜て〜〜!!!」

あなた「ちょ、せつ菜ちゃん……大声はお店に迷惑かかるから……」

せつ菜「あ……」

せつ菜「……」キョロキョロ

せつ菜「……食べさせて」(小声

あなた「えぇ、まだ言うの?」

せつ菜「……食べさせてよ」シュン

あなた「……しょうがないなぁ」

せつ菜「……!」パァァァ

あなた(……かわいい)
 
346: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:17:22.87 ID:ukL7NaVH
あなた「はい、あーん」

せつ菜「あーん…♪」

あなた「……美味しい?」

せつ菜「……美味しい♪」ペカッ

あなた「……ふふっ♪ それなら私も一口もらおうかな」パクッ

せつ菜「っ!!」

せつ菜「お、お姉ちゃん……今、私のスプーンで……///」

あなた「え? あ、ごめんね一口くらいなら貰ってもいいかなって……」

あなた「はい、あーん」

せつ菜「……信じらんない///」

あなた「え?」

せつ菜「なんでもないっ! あむ…///」

あなた(そんなに勝手に食べたの怒られるとは……)
 
347: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:24:28.37 ID:ukL7NaVH
・・・・・

「あ、あのっ!! 作曲家の優木さんですよね?」

あなた「え?」

「双子の姉妹でアーティスト活動してる……私、二人の大ファンなんですっ! 握手してください!」

あなた「あー……ありがとうっ」ニコッ

「きゃあ〜〜///」

せつ菜「おねえちゃ……あっ」

「あっ! せつ菜ちゃん…! 今日は二人でデート中でしたか!!/// お邪魔しました〜!!///」ピューーン

せつ菜「………」

あなた「あはは、なんか私たちのファンだったみたいで……」

せつ菜「……また一人で他の女の人と…!」ムスッ

あなた「え?」

── グイッ!

せつ菜「今日は私とのデートなんだから、私だけを見てて!!」プクッ
 
348: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:33:21.49 ID:ukL7NaVH
あなた「あ……えっと、ごめん?」

せつ菜「お姉ちゃんのバカ……女たらし……」ムスッ

あなた「せつ菜ちゃん……機嫌直してよ……」

せつ菜「……」プクー

あなた「せつ菜ちゃん…?」

せつ菜「ふんっ!」プクー

あなた「……えいっ」プスッ

せつ菜「プシュー……もうっ!! 何するのっ!!」プンプンッ!

あなた(……かわいい♪)
 
350: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:41:43.95 ID:ukL7NaVH
あなた「あはは、ごめんごめん機嫌直してよ? まだ行くところあるんでしょ?」

せつ菜「……じゃあ、おんぶして」

あなた「え?」

せつ菜「おんぶしてっ!!」

あなた「え、おんぶって流石にそれは……」

せつ菜「ヤダ! おんぶしてくれなきゃもう動かないもん!!」

あなた「でも、周りに人もいるのに……」

せつ菜「そんなの気にしないもんっ!」

あなた「……じゃあ、次の場所に行くまでだよ?」シャガミ

せつ菜「とうっ!!」ガバッ

あなた「うわぁっ!?」

せつ菜「えへへ♪ それじゃあお姉ちゃんタクシー次の場所までしゅっぱーつ!♪」ペカーーーー

あなた「あはは、もうしょうがないなぁ」

あなた(まさか、同い年の子をおんぶすることになるなんて……)

あなた(姉妹って、こんな感じなのかなぁ? 確かに大変だけど……なんか、悪くないね♪)
 
351: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:50:51.47 ID:ukL7NaVH
・・・・・

せつ菜「お姉ちゃんってさ……」

あなた「?」

せつ菜「好きな人……とかいるの?」

あなた「好きな人…? せつ菜ちゃんの事は大好きだよ?」

せつ菜「っ…/// そうじゃなくって! 恋愛的なお話っ!」

あなた「うーん……そういう人はいないかな〜」

あなた(姉妹ってやっぱり恋の話とかよくするのかな?)

せつ菜「……そうなんだ!」ペカッ

せつ菜「そうだよね〜お姉ちゃん、そういうの疎いもんねっ!」ペカーーー

あなた「うん? うん……」

あなた(なんか、急に機嫌良くなった?)

あなた「そういうせつ菜ちゃんは、好きな人いないの?」

せつ菜「私はお姉ちゃんが大好きだからっ!!」ペカーーー

あなた「あはは、そういう話じゃないってせつ菜ちゃんが言ったのに〜」

せつ菜「……そういう話じゃないのに」ムスッ

あなた「……あれ?」

あなた(また機嫌悪くなった…? うーん、姉妹の話って難しいなぁ……)
 
353: (もんじゃ) 2021/10/15(金) 23:58:31.55 ID:ukL7NaVH
・・・・・

「あれ? せつ菜ちゃんじゃない?」

せつ菜「! こんにちは!! こんな場所で会うなんて奇遇ですね!」

「そっちの人ってもしかして…」

せつ菜「はい! 私の姉です!」ペカーーー

「あ〜、よくせつ菜ちゃんが話してるお姉さんってその人なんだ。休日に二人でお出かけなんて仲良いんだね〜」

せつ菜「はい! 今日は二人でデート中なんです!!」ペカーーー

「そっか~じゃあお邪魔しちゃ悪いね。じゃあまた学校でね! ばいばーい」フリフリ

せつ菜「はい! さようなら〜!」フリフリ

せつ菜「……行こっかお姉ちゃん!」ペカーーー

あなた「……せつ菜ちゃん」

せつ菜「なに?」

あなた「友達の前では敬語使うんだね?」

せつ菜「え……そうだね」

あなた「どうして?」

せつ菜「どうしてって……」

せつ菜「お姉ちゃんだけだから……///」

あなた「え?」

せつ菜「こんな風に私が言うのは、お姉ちゃんの前だけなんだからっ!///」

せつ菜「だからついて来てよねどこまでもっ!」ペカーーー
 
355: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:06:38.39 ID:qRdX20nb
・・・・・・・・・・

あなた「すっかり暗くなっちゃったね、そろそろ帰ろっか?」

せつ菜「……うん」

あなた「? どうしたの?」

せつ菜「私ね、今日はすっっっごく楽しかったよ!!」ペカーーー

せつ菜「……お姉ちゃんは、今日は楽しかった?」

あなた「勿論楽しかったよ! せつ菜ちゃんと色んな場所回れて!」

せつ菜「……私のわがまま、嫌じゃなかった?」

あなた「え?」

せつ菜「私……わがままいつも言うけど、それはお姉ちゃんだけなんだよ?」

せつ菜「誰でもいいって訳じゃないから……お姉ちゃんだから言うのっ!!」

せつ菜「わがまま言ったり……困らせてばっかりだけど……」

せつ菜「それはお姉ちゃんが大好きだからっ!!///」

せつ菜「それを言っておきたくて…///」
 
356: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:12:35.90 ID:qRdX20nb
あなた「ふふっなんだ、そんなこと♪」

あなた「わかってるよ。せつ菜ちゃんがわがまま言うのも、お姉ちゃんにかまって欲しいからなんでしょ?」

あなた「私、そんなせつ菜ちゃんも、かわいいって思う!」

あなた「そんなせつ菜ちゃんも、大好きだよ♪」ニコッ

せつ菜「……///」

せつ菜「……やっといつものお姉ちゃんになってくれた」

あなた「え?」

せつ菜「今日のお姉ちゃんさ……朝からなんだか、落ち込んでる?」

せつ菜「なんか、悲しいことがあったみたいに少し曇ってるみたいで……」

あなた「あ……」

せつ菜「悲しいことがあって、別に言いたくないなら言わなくていいよ……」

せつ菜「でも、私はお姉ちゃんの悲しんでる姿は見たくない……」

せつ菜「だから今日は、目一杯お姉ちゃんに甘えたの! 私なりの大好きをいっぱい……」

せつ菜「大好きって気持ちがあれば……絶対大丈夫だからっ!!」

せつ菜「お姉ちゃんにはいつもみたいに笑っていて欲しいの…!」

あなた「せつ菜ちゃん……」
 
357: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:17:58.28 ID:qRdX20nb
あなた「……そう、だよね」

あなた「本当にその通りだと思う……悲しくても、いつまでもくよくよしてちゃダメだよね?」

あなた「……ありがとう、せつ菜ちゃん」

あなた「本当に、本当に大好きっ!」ニコッ

せつ菜「っ!!///」

せつ菜「もう…/// お姉ちゃんって絶対色んな人にそういうこと言ってるよね…///」

あなた「?」

せつ菜「そういうとこっ!」

せつ菜「悔しいから、私ももっと大好きを伝えるね?」

あなた「え? せつ菜ちゃ…」

せつ菜「ん……」ンチュ

あなた「んっ……!?///」

せつ菜「うふふっ♪ 姉妹なんて関係なーい!」

せつ菜「私にとっての大好きは、いつだってあなたに向いてるんだから!!」ニコッ

せつ菜「ずっと一緒だよ!────」
 
358: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:18:29.61 ID:qRdX20nb
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
359: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:24:33.13 ID:qRdX20nb
・・・・・・・・・

あなた「……ん?」パチリ

あなた「……私の部屋……あれ、これってなんかの機械…?」

あなた「やっぱり璃奈ちゃんが……ん?」

歩夢「……zzz」スースー

あなた「歩夢ちゃん? なんで一緒に……あ、もしかしてこれは歩夢ちゃんが……」

歩夢「んぅ…?」

あなた「おはよう歩夢ちゃん♪」
 
360: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:27:57.88 ID:qRdX20nb
歩夢「あれ…? どうしてあなたが……あ」

歩夢「ご、ごめんねっ!? 私、昨日あ、えっとそのまま寝ちゃって……ってそうじゃなくて……」アセアセ

あなた「ふふっ♪ 璃奈ちゃんに頼まれてこの機械を付けてくれたんだよね?」

歩夢「え、なんで知って……」

あなた「心配かけてごめん。もう大丈夫だから♪」

あなた「歩夢ちゃんも、ありがとうね」ナデナデ

歩夢「え……///」

歩夢「……珍しいね? あなたが私の頭を撫でるなんて…///」

あなた「あ……ごめんね? 曲世界で姉をしてたものだから……」アハハ

歩夢「姉……?」

あなた「そうそう、せつ菜ちゃんが妹でね? それでさっきの歩夢ちゃんもなんだか…」

歩夢「……なんか違う」

あなた「え?」

歩夢「私は、あなたの妹は……嫌だなぁ……」

あなた「……え」ガーン
 
361: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:33:28.62 ID:qRdX20nb
── 次の日

璃奈「癒されたい?」

あなた「うん! せつ菜ちゃんの曲世界のおかげで前向きになれたんだけどね」

あなた「なんかこう……もうひと踏ん張りの癒しが欲しいなって!」

璃奈「……なるほど、それで次の曲世界を」

あなた「そう! 次はエマさんの曲世界に行きたいんだ!」

璃奈「確かエマさんの曲はメイドさんの物語……」

璃奈「……いいと思うけど、少し注意が必要かも」

あなた「注意?」

璃奈「……エマさんはあなたを絶対ダメ人間にする」

あなた「え、そんなことは……ないとは言い切れない……」

璃奈「前も言ったけど、あなたがその曲世界にずっといたいと思う気持ちや、強い感情の昂りを検知すると強制終了する」

璃奈「エマさんの曲世界は、ひょっとしたら瞬〇かも……」

あなた「……どうにかできない?」

璃奈「強制終了条件を緩和することは出来る」

璃奈「でも、これをすると本当に戻れなくなる可能性が……」

あなた「だ、大丈夫! 私は絶対に戻ってくるから!」

璃奈「……それじゃあ一応、緊急脱出ボタンも追加しておく。本当に戻れなさそうな時はこれを押して欲しい」

あなた「わかった! それじゃあ早速お願い!」

璃奈「うん、それじゃあ行くよ?」


── ツナガルコネクト! リンクスタート!!


璃奈(……本当に大丈夫だといいけど……)
 
362: (もんじゃ) 2021/10/16(土) 00:36:28.37 ID:qRdX20nb
きりがいいので今日はここまで。

敬語使わないせっつーは可愛いけど、
書いてる分には違和感しかなくて一旦敬語文を作ってから崩すという作業をしてました。

続きはまた明日に。
 
371: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 20:57:55.56 ID:II/UOm+o
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!

────『いつだってfor you!』START ────
 
372: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:01:58.00 ID:II/UOm+o
あなた「うん……?」

「あ、お目覚めですか? ご主人様♪」

あなた「……エマさん」

エマ「あーっまたエマさんって言った〜! ダメですよ? わたしはメイドなんですから、エマって呼んでくれないと?」

あなた「え、えっと……エマ…///」

エマ「はいっ♪ なんでもお申し付けくださいませ、ご主人様♡」ニコニコ
 
373: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:05:30.79 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた(エマさんの曲世界の元になった舞台はファンタジー世界!)

あなた(確か主人公のメイドさんは、メイド養成学校に通う優秀なメイドで、身の回りのお世話は勿論、薬草調合アイテム鑑定なんでも出来ちゃうんだよね!)

あなた(話を聞くと、エマさんは養成学校の卒業試験、職業実体験として昨日からこの私の住む屋敷で働くことになったらしい)

あなた(私の両親は別の場所で暮らしてるみたいで……二人で暮らすには広すぎるような気がするけど、メイドのエマさんと二人暮らしなんてワクワクしちゃうね!)

エマ「ご主人様、お昼の準備が出来ましたよ?」

あなた「ありがとう! お昼は何かな?」

エマ「ふふっ♪ サンドイッチを作りました♪ お口に合うといいんですけど……」

あなた「美味しそう~! いただきまーす……」モグモグ
 
374: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:10:31.03 ID:II/UOm+o
あなた「うーん! 美味しい!!」

エマ「本当ですかっえへへ、よかったぁ〜♪」ニコニコ

エマ「それでは、わたしは洗濯の方をしてきますね♪」

あなた(エマさんは本当によく働いてくれる優秀なメイドさんって感じ♪)

エマ「えっと、ご主人様? これはどこへ持っていけばいいのかな…じゃなかった! 持っていけばいいのでしょう?」

あなた(時々、敬語が抜けちゃう所もかわいい♪)
 
376: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:17:11.22 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた(うーん……どうやら、私はこの世界だと特殊な楽譜を作ったりする吟遊詩人っていう職業みたい。なんか、どの世界でも大体何かしら作ってるな私……)

あなた「まあ、とりあえずこの楽譜作成でもしてみようかな……」

エマ「ご主人様、お茶をお持ちしました」

あなた「あ、ありがとうねエマさん」

エマ「ご主人様ー? だから、わたしのことはエマって……」

あなた「で、でも私、エマさんより年下なのに……」

エマ「年齢なんて関係ありませんっわたしはメイド、あなたは主人という関係がある以上、わたしはご主人様へ精一杯尽くします」

エマ「だからご主人様も、わたしになんなりとお申し付けくださいませ♪」

エマ「ご主人様を誠心誠意癒し、支えるのがメイドの役目ですから♡」ニコニコ
 
377: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:24:04.31 ID:II/UOm+o
── お風呂場

あなた「……ふぅ、やっぱりエマさんにご奉仕して貰うのは癒されるな〜♪」

エマ「ご主人様ー? お背中流しますよ♪」

あなた「っ!? え、エマさんっ!?」

エマ「もうーっ『エ・マ』ですよ?」

エマ「うふふっ、ご主人様のお体を流すのもメイドの役目ですから♪」

あなた「え、流石にそこまでしなくても…///」

エマ「遠慮しなくても大丈夫です♪ さあ、体ゴシゴシしますよ~♪」ニコニコ
 
378: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:31:20.00 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた(うぅ……あんなに誰かに全身を隈無く洗われたのは、小学生以来かも…///)

あなた(……そして、今度は寝ようと思ってたのに……)

あなた「なんでエマさんも一緒に寝るのっ!?///」

エマ「ご主人様がぐっすり眠るまでお供します♪」

エマ「あっ大丈夫ですよ? ご主人様が寝たら、わたしは部屋に戻りますので……」

あなた「そ、そういう事じゃなくて……」

エマ「ふふっ♪ ご主人様が安眠するまで付き添うのも、メイドの役目ですから♪」

エマ「子守唄がいいですか? それとも、眠るまで背中をさすりましょうか?」ニコニコ
 
379: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:35:34.63 ID:II/UOm+o
・・・・・・・

あなた「……ん」パチリ

あなた「ふわぁ〜〜よく寝た……」

あなた(エマさんのおかげでぐっすり眠れたなぁ……目覚めもバッチリだし……最高の朝だねっ!)

エマ「あ、ご主人様おはようございます♪」ニコニコ

エマ「ご朝食の準備出来ていますよ♪」

エマ「お着替えもお手伝いしますね〜♪」

あなた「さすがに着替えは一人で出来るから〜っ!///」

あなた(本当にこんな生活続けてたらダメ人間になりそう…///)
 
380: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:41:11.07 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた「〜〜♪」

エマ「素敵な音色〜♪」

あなた「これはフルートって楽器だよ」

エマ「フルート……へぇーわたしの故郷では見たことない楽器!」

あなた「でも、フルートよりもこの楽譜の方が凄くてね?」

あなた「この楽譜で演奏すると、聴いた人の力を増幅させる効果があるんだ!」

エマ「確かに……手に持ってる物がさっきより軽いかも!」

あなた「すごいよね、こんなのが作れちゃうなんて自分でもびっくりだもん!」

あなた「ただ、演奏する側は恩恵を受けれないのが残念なんだけどね」

エマ「そうなんですか……それって楽器じゃなくて、歌でも効果あるんですか?」

あなた「うん、この楽譜を手に持って演奏するのが発動条件だから歌でも大丈夫なはずだよ」

エマ「そうなんだ〜凄いね〜♪」
 
381: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:44:19.29 ID:II/UOm+o
あなた「まるで魔法みたいだよね、流石ファンタジー世界……」

あなた「エマ…は、魔法使えるの?」

エマ「うーん……残念ながら、わたしは魔法使えないんですよね……使えたら、お料理とかお洗濯も楽になるんだけど」

エマ「でも! その代わりこの鉄モップの扱いなら自信あるんだー♪」ブンブン

エマ「えへへ♪ ご主人様が危険な時は、わたしが守ってみせますからね♪」

あなた「ふふっ♪ エマが守ってくれるなら頼もしいや♪」
 
383: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 21:54:17.60 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた「あーん……うーん! 美味し〜♪」モグモグ

あなた「……でもどうして? 今日のサンドイッチ……なんだか私の好きな味ばっかり……」

エマ「ふふっ♪ ご主人様の反応を見て、この味が好きかなって……」

あなた「そんな……そこまで私のこと……」

エマ「ご主人様の好みの味も全部把握して、それに見合った料理をお出しするのもメイドの役目ですから♪」

あなた(エマさんは本当にご主人様の為に精一杯尽くす良いメイドさんだな〜♪)

エマ「もう♪ お口にソースが付いてますよ?」

エマ「じっとしててください?……はいっ取れました♪」

あなた「ありがとう…///」
 
384: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:00:46.07 ID:II/UOm+o
・・・

あなた「なんだかお腹いっぱいで風も気持ちいいし、眠くなって来ちゃったな……」ウトウト

エマ「それでは、わたしのお膝をどうぞ♪」

あなた「え、いいの?」

エマ「遠慮なんていりません! ご主人様を癒すためなら、枕にだってなるのがメイドの役目ですから♪」

あなた「……それじゃあ」ポフン

あなた「ふぁ……」

あなた(あ……これやばい……戻れなくなる……)

エマ「ふふふっ♪ 安眠できるように子守唄を歌いますね〜♪」

エマ「ら〜〜♪ら〜〜♪」ナデナデ

あなた(ふぁぁ……そんなことされたら……もう……)

あなた「……zzz」

エマ「うふふ♪ ゆっくりお休み下さい、ご主人様♡」ナデナデ
 
385: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:06:14.22 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた「エマ」

エマ「なんですか、ご主人様♪」

あなた「今日の夜さ、私の部屋に来てくれない?」

エマ「部屋に……もしかして、わたしになにかして欲しいことっ! あ、お耳掃除しますかっ♪」ニコニコ

あなた「そっそれはまた今度でいいよ…///」

あなた「取り敢えず、部屋に来てくればいいから」

エマ「……はい、了解しました?」
 
386: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:10:59.20 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた「実は今日作った楽譜の効果をエマに受けて欲しくてね?」

エマ「そうでしたか、いくらでも聴きますよ♪」

あなた「それじゃあ、そこに座ってリラックスして聴いてね?」

あなた「〜〜〜♪♪」

エマ「気持ちいい音色……なんだか体も落ち着くような……」

あなた「えへへ、いつも頑張ってくれてるエマにお礼も込めて!」

あなた「この特殊楽譜はね、疲労回復の効果があるんだ。エマにもゆっくり休んで欲しくて……」

エマ「わたしのために……ご主人様……///」
 
387: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:16:09.64 ID:II/UOm+o
エマ「それなら! その楽譜貸してください!」

あなた「え?」

エマ「歌でも、効果出るんでしたよね?」

エマ「今度はわたしが歌って、ご主人様の疲れをとってあげます♪」

あなた「え、でもこれはいつも頑張るエマのために……」

エマ「わたしもご主人様を癒したいのでっ!」

エマ「それに、いつも頑張っているのは作曲を頑張っているご主人様もですよ♪」

あなた「そっか……じゃあ、お願いするね?」

あなた(……エマさんは本当に、人を癒すのが好きでこの仕事をしてるんだろうなぁ……まさに天職ってやつだね♪)

エマ「うふふっかしこまりました♪ たっぷり癒されてくださいね~♡」
 
388: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:21:45.45 ID:II/UOm+o
── メイド養成学校

生徒「エマー久しぶりじゃない?」

エマ「あ、うん! 久しぶりだね〜♪ わたし、最近は住み込みで働いてるからあんまり学校に顔出せてなくて……」

生徒「へー……いい職場で働いてるみたいだね!」

エマ「え?」

生徒「だって、そう顔に書いてあるよ? とっても楽しそう♪」

エマ「えへへっそうだった? ありがとうっ♪」ニコッ

生徒「ん? なんか、エマちょっと変わった? 前より可愛くなってる……もしかして、職場の影響?」ニヤニヤ

エマ「えぇっそ、そうかな…?///」

エマ(……確かに、ご主人様と一緒にいると心がポカポカ……と言うより、少し熱いような……なんだかちょっと甘酸っぱい気持ち…///)

エマ(もしかして、この気持ちって…///)ドキドキ
 
389: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:29:33.83 ID:II/UOm+o
・・・・・・・・

エマ「ららら〜〜♪」

あなた「……」ウトウト

エマ「えへへ、もうそろそろおねむですかー?」

あなた「……うん……おやすみ、エマ……」ウトウト

エマ「おやすみなさい、ご主人様♪」ナデナデ

あなた「……zzz」

エマ「……うふふ、かわいい寝顔♪」ナデナデ

エマ「いつもかわいくて、いっぱいお世話してあげたくて……でも時々かっこいいと思う時もあって……そんなあなたが……」ナデナデ

あなた「……zzz」

エマ「……///」ドキドキ

エマ「……///」ソーーー(顔近づけ

あなた「……んぅ?」

エマ「っ!!?///」バッ

あなた「……エマ……お茶……zzz」ムニャムニャ

エマ「……ふふっ、夢でも私を見てるのかな?」

エマ「……///」

エマ「わたし、何してるんだろう…///」ドキドキ
 
390: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:36:14.22 ID:II/UOm+o
・・・・・・・

あなた「……ん」パチリ

あなた「ふわぁ〜〜よく寝た……」

あなた(やっぱりエマさんの子守唄は最高だねっ! ぐっすり眠れて目覚めもバッチリだし……)

あなた「……ん?」

エマ「……zzz」スースー

あなた「あれっエマさんっ!?」

エマ「…んぅ?」ムクリ

エマ「あ、あぁっ!? ご、ごめんなさいっ!! わたし、昨日そのまま寝ちゃったみたいで……///」

エマ「すっすぐに朝ごはんの準備するから〜!!」バタバタ

あなた「あはは……なんだか珍しいね?」
 
391: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:41:54.02 ID:II/UOm+o
── バタン

エマ「……はぁ、まさかあのままご主人様と一緒に寝ちゃうなんて…///」

エマ「………///」ドキドキ

エマ「……ドキドキが収まらない…///」

エマ「……これが恋なの?///」ドキドキ
 
392: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:47:30.16 ID:II/UOm+o
・・・・・・・・・

あなた「んー! エマのサンドイッチはいつ食べても最高だね〜! まさに毎日でも食べたい!!」

エマ「えへへ、そう言って貰えて光栄です♪」

エマ「あ、ご主人様? またお口にソースついてますよ?」

あなた「え? とって〜」

エマ「もう…♪」

エマ「……あ///」

あなた「……」(目を閉じて待ってる

エマ「……///」ソーー

あなた「? エマ…っ!?///」

エマ「ぁ……///」

あなた「えっと……近いよ?///」

エマ「……///」ドキドキ

あなた「……エマ?///」
 
393: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 22:55:27.98 ID:II/UOm+o
エマ「あ、あのご主人様っ!///」

エマ「わ、わたし……その……///」

あなた「?」

エマ「す……す…///」

あなた「す?」

エマ「す、スコーン作りますねっ!///」

あなた「スコーン? やったー! エマのスコーン大好きっ!」ニコッ

エマ「え、えへへ…///」

エマ(……わたしのいくじなし……どうして勇気出して言えないんだろ……)

エマ(……でも、ご主人様はわたしのことはメイドとして好きってだけだもんね……)

エマ(……わたしはメイド、ご主人様に恋するなんて……いけない、よね…?)
 
394: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:01:03.04 ID:II/UOm+o
・・・・・・・

あなた「え……他の場所で働く!?」

エマ「あ、えっとね……メイド学校の方針として、最低2つ以上は違う場所で職場実践を積まなくちゃいけなくて……」

エマ「だから、明日から二日間、別の主人の元へ行かなくちゃ行けないって事で……それが終わったら戻ってきますよ?」

あなた「あ、そっか……なんだそういうこと……」ホッ

エマ「ごめんなさいっわたしがいなくても、ご主人様大丈夫ですか?」

あなた「心配しなくても大丈夫だよ、二日くらいならエマがいなくても何とかなるよ!」

エマ「ほ、本当に大丈夫ですかご主人様……」
 
395: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:06:34.38 ID:II/UOm+o
── 次の日

あなた「……んぅ?」

あなた「うわぁっ!!? もうこんな時間!!」

あなた「もう、エマっ!! なんで起こしてくれなか……」

あなた「あ、そっか……今日は居ないんだった……」

あなた「……ま、まあ寝坊なんて今に始まったことじゃないしね……」


・・・・・

あなた「……」カキカキ(作曲中

あなた「………」カキ…

あなた「うーん……なんかイマイチだなぁ……」

あなた「エマ、お茶……」

あなた「って、いないんだった……」

あなた(うーん……なんか集中できないなぁ……)

あなた「……今日はもうやめようかな」
 
396: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:11:14.02 ID:II/UOm+o
・・・・・

あなた「……」グー

あなた(……お腹空いたし、何か軽いものでも作って……)

あなた「うーん……お肉が少しあるから、これでも焼いて……」ジューー

あなた「……いただきます」

あなた「……」モグモグ

あなた(……悪くないけど、エマのサンドイッチと比べると、なんか別に食べなくてもいいかなって感じだなぁ……)

あなた「……もういいや、ご馳走様」


・・・・・

あなた「……まだ、日が昇ってるなぁ」

あなた「……一日ってこんなに長かったっけ」

あなた「……エマ、頑張ってるかなぁ」

あなた(きっとエマは頑張り屋さんだから、他の主人の人も笑顔にさせて……)

あなた「……」モヤモヤ

あなた(……? なんか、エマが他の人を癒してるのを考えると……胸が苦しくなる……)

あなた「……この気持ちって…?」
 
397: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:16:51.06 ID:II/UOm+o
・・・・・・・・・・・・・

エマ「ただいま戻りました〜♪」

エマ「って、ご飯出しっぱなし……お皿もこんなに溜めちゃって……」

エマ「服も脱ぎっぱなし……曲制作の道具まで……」

エマ「……もう、ご主人様ったらしょうがないんだから♪」ニコニコ


・・・

エマ「ご主人様ー? ただいま戻りましたよー?」

エマ「あれ、寝ちゃってる…♪」

あなた「……zzz」
 
398: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:20:07.89 ID:II/UOm+o
エマ「……♪」ナデナデ

あなた「……んぅ? エマ……?」

エマ「あ、ただいま戻りましたよご主人様♪」

── ギュッ

エマ「っ! ご、ご主人様…?///」

あなた「……おかえり、なんか寂しかった」

エマ「そ、そうですか…/// それなら、いっぱいお喋りでもしますか?」
 
400: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:23:41.29 ID:II/UOm+o
エマ「えへへ、今日の出来事、ご主人様にもいっぱいおしゃべりしたくて」

あなた「……それって、他の主人へご奉仕した話?」

エマ「え? そうですよ、今日の働き先の…」

あなた「いやだ……」ギュッ

エマ「ほぇ?」

あなた「なんか、その話は聞きたくない……違う話がいい……」

エマ「あ……そうですか♪ それなら、わたしの故郷のお話でもする?」

あなた「うん……エマの故郷のお話聞きたいな…♪」

エマ「ふふっ♪ それなら、わたしの妹たちがね……」
 
401: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:35:11.73 ID:II/UOm+o
・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」パチリ

あなた「ふわぁ〜〜……」ノビーー

エマ「あ、ご主人様おはようございます♪」ニコニコ

エマ「ご朝食の準備出来ていますよ♪」

あなた「……ふふっ♪」

エマ「? どうしました?」

あなた「やっぱり、エマがいると朝が違うなって♪」ニコッ

エマ「っ/// えへへ、ありがとうございます♪」

エマ「それでは、お着替えもお手伝いしますね〜♪」

あなた「うん、お願い♪」

エマ「はーい、それじゃあばんざいして~♪」

あなた「……なんか私ね、エマがいないとダメかも……」

エマ「え?」

あなた「……これからも、私のメイドとして一緒にいてくれる?」

エマ「……勿論です♪」

エマ「これからもよろしくお願いしますね、ご主人様♡」ニコニコ
 
402: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:41:13.70 ID:II/UOm+o
・・・・・・・

あなた(好きって気持ちはいつもそばにある。作曲だって、スクールアイドルだって、みんなのことだって……)

あなた(勿論エマの事だって、そう思って接してきた……でも、エマが一緒にいてくれてドキドキするこの感じと、エマがいなくて、苦しかったこの感じは……)

あなた(まるで…///)ドキドキ


・・・

あなた「エマー? 試したい楽譜が……」

エマ「……zzz」スースー

あなた「あれ、お休み中だったか」

あなた「ふふっ♪ いつもありがとうね、エマ……」ナデナデ

あなた(ん? エマが出しっぱなしなんて珍しいな……)

あなた(これって成績表? うわぁすごい……ほとんど満点……)

あなた(ふふっ♪ 少なくとも私にとってはエマ以上のメイドさんはいないもんね♪)

あなた(……ん? この紙は……)ペラッ

あなた「………ぇ」
 
403: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:48:48.64 ID:II/UOm+o
・・・・・・・

エマ「ごはんごはん~♪ え? ご主人様……?」

あなた「あ、えっと……今日は自分で作ってみようかなって……」

エマ「えぇっ!? ご飯を作るのはメイドの仕事なのに……」

エマ「どうして急に……?」

あなた「……エマがいなくても、大丈夫になるように……」

エマ「わたしが、いなくても……?」

エマ「わたしはご主人様から離れたりなんて……」

あなた「見ちゃったの」

エマ「え? 見たって……?」
 
404: (もんじゃ) 2021/10/17(日) 23:55:51.07 ID:II/UOm+o
あなた「エマ、学校でも成績優秀でさ、すっごく有名なお屋敷からもオファーが来てるんでしょ?」

あなた「私の所よりも実入りが良くてさ、やりがいもあって……たくさんの人を癒せて……」

あなた「だから、私は大丈夫だからさ……エマは自分の行きたい場所に…!」

エマ「行きませんよ?」

あなた「え?」

エマ「わたしはもうここ以外で働く気はありません♪」

あなた「え……でも、エマは……」

エマ「約束したじゃないですか。これからも、ご主人様のメイドとして一緒にいるって♪」

エマ「それに、ご主人様はちょっと無理しすぎなんですよ?」

エマ「わたしがいなくても大丈夫なら、そんなに悲しい顔をしないでください……」

あなた「ぁ……」
 
405: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:09:31.07 ID:Pv5QCsMb
── ギュッ!

エマ「大丈夫、わたしはご主人様から離れませんから…♪」ナデナデ

あなた「うぅ……」グスン

あなた「本当は嫌だったよ……エマが他の所に行くなんて……ずっとそばにいて欲しい……でも、それじゃあエマを縛り付けてるだけって……」グスン

エマ「ご主人様は本当に優しいんですね……」ナデナデ

エマ「わたしもまだまだのメイドです」

エマ「だって、こんなに優しいご主人様一人を満足に笑顔に出来てないんですから…♪」

エマ「こんなわたしですが、これからも大好きなご主人様のお世話をずっとずーーっとしてもいいですか?」

あなた「エマ……エマっーーー!!!────」
 
406: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:11:29.40 ID:Pv5QCsMb
あなた「────あれ?」

エマ「? どうしました?」

あなた(……今の感覚って……私が現実世界に戻る時の……)

あなた(でも、戻ってない……?)

エマ「ご主人様…?」

あなた「あ、ううん何でもない」

あなた「エマ、これからもよろしくね!」ニコッ

エマ「はいっ♡」ニコニコ
 
407: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:18:17.87 ID:Pv5QCsMb
・・・・・

あなた(おかしい……明らかに感じたあの感覚……あれが感情が昂るって感覚なのかな?)

あなた(でも現実世界に戻ってない理由は……多分、私が璃奈ちゃんに現実世界に戻るための条件を緩和して欲しいってお願いしたからだよね……?)

あなた(戻れなかったってことは、足りなかったってこと? あれ以上の感情の昂りが必要?)

あなた(あ、そうだ緊急脱出ボタン!)

あなた「確か、この世界に来た時にこの机に……」ガサゴソ

あなた「あった……これを押せば……」

あなた(お別れの挨拶は……しない方がいいよね、寂しくなるだけだもん)
 
408: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:21:40.84 ID:Pv5QCsMb
あなた「えいっ」ポチッ

あなた「………」

あなた「………………」シーーン

あなた「え、戻らないんだけどっ!?」

あなた(じ、時間が掛かるとか? それともエラー?)

あなた(ど、どうしよう……)

エマ「ご主人様ー?」ガチャ

エマ「そろそろお夕飯の時間ですよ?」
 
409: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:26:53.70 ID:Pv5QCsMb
・・・・・・

あなた(どうしよう……このまま戻れなかったら……)

エマ「ご主人様?」

あなた「え?」

エマ「なにか、お悩みですか?」

エマ「ずっと考え込んでるようでしたから……」

あなた「でも、エマに相談していいのか……」

エマ「聞かせてくださいっ! ご主人様が困っているなら一緒に悩み、解決するのもメイドの役目ですから!」

あなた「……じゃあ、信じてもらないかもしれないけど──」
 
410: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:31:23.00 ID:Pv5QCsMb
エマ「───なるほど……そんな……」

あなた「ごめんね、こんな事言ってもよくわからないよね……」

エマ「いいえ! それなら、わたしはご主人様が元の世界に戻れるように精一杯協力します!」

あなた「エマ……なにから何までまでありがとう…!」

エマ「えへへ♪ 大好きなご主人様の笑顔の為なら、なんでもおまかせあれ♪」

エマ「それでその、現実? に戻る時の条件ってなんなのでしょう?」

あなた「そうだなぁ……感情が昂った時?」

エマ「昂る……例えばどんな?」

あなた「えっと……もう大好きっ!!って気持ちが溢れる感じ?」

エマ「……わたしには、それは溢れなかった……? 」

あなた「ううん! そんな事ないっ! あの時、エマが私を選んでくれた時……本当に大好きって気持ちが溢れてたよ?」

あなた「でも、それでも戻れなかったのは多分強制終了の条件が緩和されてるせいで……」

エマ「……やっぱり、足りなかったって事なんだね……」
 
411: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:34:42.56 ID:Pv5QCsMb
エマ「じゃあ、他に何か戻る時にしてたことはありますか?」

あなた「えっと他は…///」

エマ「?」

あなた「き、キス……されて戻った事が何度も…///」

エマ「き、キス…!?///」

あなた「や、やっぱり今のは無し!/// エマだって…」

エマ「……いいよ///」

あなた「えっ!?///」

エマ「ご主人様の命令なら……わたし、キスだって出来ますよ…?///」

あなた「え、えっとそれは流石に…///」

エマ「……///」ジリジリ

あなた「工  ょっと待ってまだ準備がっ…///」

エマ「……んっ///」ンチュ

あなた「……ん///」
 
413: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:42:11.83 ID:Pv5QCsMb
エマ「……どう、ですか?///」

あなた「え、えっと…/// ドキドキするけど、やっぱり戻れないみたい…///」ドキドキ

エマ「……足りないってことですか?///」

あなた「えっ!?/// ちがっそうじゃなくてっ!?///」

エマ「……んっ///」ンチュ

あなた「……んんっ///」

エマ「んっ……ふぁ……まだ足りませんか…?///」

あなた「ちっ違うのっ!?/// もうやめようっ!! これはよくないっ!!///」カァァァ

エマ「はい……///」シュン
 
414: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:51:04.66 ID:Pv5QCsMb
・・・・・

エマ「……ご主人様、眠れませんか?」

あなた「……うぅ///」

あなた(……違う意味で眠れないよ…///)ドキドキ

エマ「ご主人様……/// さっき、キス……しましたよね?///」

あなた「えっ!?/// いやそのっ……///」

エマ「キスでもダメなら……その先も、わたしは出来ますよ?///」

あなた「……っ!!?///」

エマ「ご主人様が望むなら、わたしは…///」

あなた「エマ…///」ドキドキ
 
416: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 00:57:28.83 ID:Pv5QCsMb
あなた「〜〜〜っ///」ゴクリ

あなた「エマ、それはダメだよ……恋人でもないのにそれはよくない……」

エマ「………」

あなた「エマが私の為に尽くしたいって気持ちは素直に嬉しい……」

あなた「でもそれは簡単に主人に捧げていいものじゃない……」

エマ「……はい、そうですよね……ごめんなさい……」

あなた(ダメだよ……抑えて……/// エマは主人の為に頑張ろうとしてるのに、私がそんな邪な気持ちで接するのはよくない……)
 
417: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:00:58.48 ID:Pv5QCsMb
・・・・・・・

あなた「……なんか、目が覚めちゃったな」


エマは……自室に戻ったみたいだね。
私、このまま現実世界に戻れないのかな……?

そんな不安を抱え、行き場を失った足は、なんとなく外へ向かった。

月明かりが眩しく、道がはっきりと見える。
こんな夜を、なんだか前にも経験したような……
 
418: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:06:08.76 ID:Pv5QCsMb
あなた「……え?」


人が立っていた。
月明かりに照らされて、怪しくも、神秘的なその姿に目を惹かれた。

私は、この人を知っている。
いや、知っているのは当たり前なんだけど……違う、そうじゃなくて、違う別の…?

何かが引っかかっていて……でも、その姿を見ていると、溢れかけてくる。

着崩した花魁のような、妖艶な衣装……
眩しい金色の髪が、その妖しさを惹き立てて目を惹かれる……

その人は……


あなた「……愛、さん……?」
 
420: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:15:09.35 ID:Pv5QCsMb
愛「ん? おっ! ぶちょー! いきなり会えるなんて運いいね!」

あなた「え……愛、ちゃん?」

愛「そうそう♪ りなりーに頼まれて君を連れ戻しに来たの♪」

愛「迎えに向かえーってね♪」

あなた「ぷふっ! あははっ! もう愛ちゃんったら〜♪」

愛「えへへ♪」

あなた「でも、愛ちゃんその格好は……」

愛「あ、これ?/// なんかちょっと際どいよね〜///」

愛「愛さんの曲世界のイメージだからしょうがないんだろうけどさ…///」

あなた「愛ちゃんの……曲世界…?」
 
421: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:20:25.17 ID:Pv5QCsMb
愛「あーうん、詳しく説明するとややこしいから、簡単に説明すると……」

愛「この曲世界は、君とエマっちが作った曲が元になってるから、本来は愛さんは入る事が出来ないの」

愛「そこで一旦、愛さんは君と愛さんで作った曲世界に接続してから、君を辿ってこの曲世界にやってきた。って所かな?」

あなた「なるほど……それで愛ちゃんの曲世界の衣装のままってことなんだね」

愛「そゆこと♪ なんか今の愛さんすっごくてね?」

愛「闇に消えたり、幻覚作り出したり……ほんとなんでも出来るって感じなの!」

愛「ちょっと血が飲みたいなって思うのが玉に瑕だけど……君の血も吸わせて♪」

あなた「っ!!?」ビクッ!?

愛「おわっじょーだんじょーだんっ! そんなに驚かれるとは思わなかったよ……」

愛「それで、君用の脱出ボタンもあるからこれ押せば帰れるよ?」

あなた「そ、そっか……」

愛「もう帰る?」

あなた「……最後に、お別れの挨拶だけしてもいい?」
 
422: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:27:18.04 ID:Pv5QCsMb
・・・

あなた「エマ……起きてる?」

エマ「んぅご主人様? どうしたの…?」

あなた「……お迎えが来たんだ」

エマ「え……そ、そうですか……」

エマ「……それは良かったです♪」

あなた「最後にお別れの挨拶がしたくて……」

あなた「私、エマに伝えたい事があって…!///」

エマ「……わたしから、いいですか?」

あなた「え、うん……」

エマ「えへへ……伝えたい事は沢山あるけど……わたし、ご主人様のメイドでいられて幸せでした♪」
 
423: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:33:02.21 ID:Pv5QCsMb
エマ「ご主人様の笑顔がかい間見えるだけで、毎日頑張れてしまうほどです♪」

エマ「まだまだあなたを支えて……癒して……ううん、十分です♪」

エマ「離れていても、わたしはずっとご主人様のメイドです♪」

エマ「そっとここで優しく見守っていますから……♪」

あなた「……そっか、ありがとう」ニコッ

あなた「私もね、ずっとエマに癒されてたよ! ずっとずっと……エマのこと、大好きっ!」ニコッ

エマ「えへへっわたしも大好きっ!!」ニコッ

あなた「……それじゃあ、行くね?」

エマ「うん、ばいばい♪」

── バタン

エマ「………」

エマ「……わたしのいくじなし……やっぱり、言えなかったなぁ……」
 
424: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:39:49.88 ID:Pv5QCsMb
・・・

あなた「おまたせ、帰ろっか?」

愛「おっけー♪……けど、なんかぶちょー浮かない顔してない?」

愛「まるで言い残したことがあるみたいな……」

あなた「……ううん、いいの。行こう?」

あなた「だって……」

あなた「言った方が、辛くなるだけだもん────」
 
425: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:40:37.50 ID:Pv5QCsMb
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 緊急脱出を承認、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
426: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:44:43.10 ID:Pv5QCsMb
・・・・・・・・・・・・・・・

璃奈「よかった……二人共無事に戻ってこれた……」

愛「愛さんはすっごく楽しかったよ!」

愛「また曲世界行ってみたいな♪ ねえ、君と一緒に愛さんの曲世界行くなんてどうかな?」

あなた「え……あーうん、そうだね……」

璃奈「ごめんなさい……強制終了条件の緩和が上手く出来てなかったみたいで……」

あなた「あーううん、それは全然いいんだ。あの曲世界では、癒されたのもそうだけど……とっても貴重な体験が出来たと思う」

璃奈「貴重な……?」
 
427: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:47:48.48 ID:Pv5QCsMb
あなた「ねえ璃奈ちゃん、気になったことがあるんだけど……」

璃奈「なに?」

あなた「私が居なくなった後の曲世界はどうなるの? 私って消えちゃうの?」

璃奈「それは無い、そもそも曲世界にもあなたは元々存在している」

璃奈「あなたは一時的にその曲世界のあなたと精神をリンクさせているにすぎない」

あなた「……そっか」

あなた(それなら曲世界のエマは、きっと今も私と暮らして…♪)


・・・・・

あなた「……」ボーー

歩夢「……ねえ、どうしたの? またなにか落ち込んでるみたいだけど……」

あなた「歩夢ちゃん……」

あなた「失恋ってこんな感じなのかな……」

歩夢「し、失恋っ!!?」ガーン
 
428: (もんじゃ) 2021/10/18(月) 01:51:14.68 ID:Pv5QCsMb
── 次の日

あなた「璃奈ちゃん。行きたい曲世界があるんだけど、いいかな?」

璃奈「驚いた……まだ、曲世界に行ってくれるの?」

あなた「うん、ここまで来たら全員分行くよ」

あなた「次は、璃奈ちゃんの曲世界に行かせて」

璃奈「私の……」

あなた「うん、今の私なら……きっと曲を作った時とは違う感触を体験できると思うんだ」

璃奈「……わかった」

璃奈「私とあなたで作ったこの曲に込めた想いが作る世界……ちゃんと、体験してね?」

璃奈「それじゃあ、いくよ?」

──ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
441: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 22:40:05.60 ID:wW2rdCU/
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!

────『First Love Again』START ────
 
442: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 22:44:52.42 ID:wW2rdCU/
あなた「うん……?」

あなた(ここは……公園?)キョロキョロ

── ファサ

あなた(ん? 紙飛行機が飛んで来て……)

あなた(あ、そっか! この紙飛行機を広げると……!)

『このメッセージを読んだ人、はじめまして! 私の冒険のパートナーになってくれますか?』

あなた「ふふっ♪ やっぱり文字が書いてあった♪」

あなた(璃奈ちゃんの曲『First Love Again』の元になった映画の冒頭は、かっこいい紙飛行機がワクワクすることを運んでくるお話)

あなた(だからまずは、この紙飛行機を探していけば……)
 
443: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 22:56:41.22 ID:wW2rdCU/
・・・

あなた(早速次の紙飛行機発見!)

あなた「どれどれ……」ペラッ

『この近くには、かくれんぼの天才猫ちゃんがいるよ。あなたは見つけられるかな?』

あなた「かくれんぼの天才猫ちゃん……?」

猫「にゃ〜♪」

あなた(うわほんとだ、猫ちゃんがいっぱい……!)

あなた(うーん……天才ってことは、隠れるのが上手ってことだよね……?)

あなた「君は……違うよね?」ヒョイ

猫「ぅにゃぁ〜?」
 
444: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:04:55.89 ID:wW2rdCU/
あなた(う〜ん……そもそも、かくれんぼの天才っていまいちピンと来ないんだよね……)

あなた(かくれんぼの天才猫ちゃん……かくれる……恥ずかしがり屋さんとか?)

あなた(それとも、なぞなぞかなにかだったりするのかな……?)

あなた「あ、紙飛行機……」

『ヒント:かくれるだけがかくれんぼじゃないよ』

あなた「かくれるだけじゃない……?」
 
445: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:20:10.79 ID:wW2rdCU/
あなた(うーん?? そもそもかくれんぼは、みんながかくれる遊びだよね? それを鬼役の子が探す……)

あなた「かくれるだけじゃないなら、見つけるのもかくれんぼ……?」

あなた「見つける……みつけ……」

あなた「あっ!! (みっけ)三毛猫!!」

あなた(そういうことか! かくれんぼは、かくれるだけじゃなくて見つける側もいるもんね!)

あなた「ふふっ♪ 君はかくれんぼの見つける天才だったんだね〜♪」ヒョイ

三毛猫「にゃぁ〜?」キョトン
 
446: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:29:51.44 ID:wW2rdCU/
・・・・・

あなた(また紙飛行機発見!)ペラッ

『夕暮れ時、あなたは魔法使いになれるよ。ビルだってキャンドルに出来ちゃう。写真に撮れるかな?』

あなた(魔法使い? ビルをキャンドル……うーん、どういうことなんだろう……?)

あなた(ビルは確かに見えるけど……夕暮れ時……)

あなた「夕日……あっ、もしかして……!」
 
447: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:34:16.52 ID:wW2rdCU/
あなた(今は夕日がまだビルの上にあるけど、やがて夕日が落ちて……)

あなた「うわー……綺麗……!」

あなた(遠くにある夕日がビルに乗ってるように……まるでキャンドルみたい……!)

あなた(そっか……こういう夕焼けの事、写真の撮影用語でマジックアワーって言うもんね。だから魔法使い……!)

あなた(すごい……! 本当に私、魔法使いになってビルをキャンドルにしちゃった♪)
 
448: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:39:41.28 ID:wW2rdCU/
・・・・・

あなた(……つい紙飛行機の内容がかわいくて楽しくって夢中になってたけど、そろそろこの紙飛行機の送り主を探さなきゃ!)

あなた(といっても、送り主は多分璃奈ちゃんだよね……?)

あなた(この曲世界が元になった映画の設定のままなら、璃奈ちゃんはきっと……)

あなた(あっ! 紙飛行機発見!)

あなた(まだ少しだけ温かい……きっと近くに璃奈ちゃんがっ!)キョロキョロ

あなた(あっいたっ!)

あなた「璃奈ちゃん!」

璃奈「え……?」

璃奈「……もしかして、あなた……?」
 
449: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:46:10.08 ID:wW2rdCU/
璃奈「……久しぶり。えっと、昔近所に住んでて一緒に遊んだよね? 覚えててくれたんだ」

あなた(この世界の主人公は確か、昔近所に住んでいた幼馴染……だったよね)

あなた「えっと、そうだね久しぶり。この紙飛行機を飛ばしてたのって……」

璃奈「あ、それ……あなたが拾ってくれたんだ」

璃奈「そっか……ありがとう。あなたが一緒に冒険してくれたんだね?」

璃奈「……嬉しい」

璃奈「あ……ごめんなさい……」

あなた「え? どうして謝るの?」

璃奈「私、今表情が上手く作れなくて……本当は嬉しいんだけど、伝わってないよね……?」

あなた(この世界の璃奈ちゃんも表情が……)
 
450: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:53:04.18 ID:wW2rdCU/
あなた「ううん、そんなことないよ」

璃奈「え?」

あなた「私にはわかるよ、璃奈ちゃんが本当に喜んでるってこと! 表情には見えないけど、気持ちは何となく伝ってくる」

あなた「だから気にしないで!」ニコッ

璃奈「……あなたは、相変わらず不思議な人だね?」

璃奈「昔遊んだ時も、そんな風に笑ってくれた気がする」

あなた「そ、そうだったかな?」

璃奈「うん、今日はありがとう。会えて嬉しかった、一緒に遊べて楽しかった」

あなた「私も! また璃奈ちゃんに会いたいな……せっかくこうして会えたんだもん! 明日も遊ばない?」

璃奈「明日も……えっと……うーん……」

あなた(この反応……やっぱりこの曲世界の璃奈ちゃんは……)

あなた「じゃあ明日がダメなら、今日もっと遊ぼうよ!!」

璃奈「え?」
 
451: (もんじゃ) 2021/10/19(火) 23:58:18.54 ID:wW2rdCU/
── 璃奈ホーム

璃奈「あなたを家に招くのも、久しぶり」

あなた「そ、そうだね……昔遊んだ時以来かな……?」

璃奈「……なにして遊ぶ?」

あなた「璃奈ちゃんが好きなことでいいよ? ゲームとかかな?」

璃奈「好きなこと……ゲームも確かにいいけど……」

璃奈「あなたとなら、懐かしい遊びがしたい」

あなた「懐かしい遊び……?」

璃奈「うん、おままごとがしたい。昔あなたと遊んだ……」

璃奈「あ、子供っぽかった? 流石にこの歳じゃつまらないよね……」

あなた「ううん! そんなことないよ! 私も璃奈ちゃんとおままごとしたいっ!」ニコッ

璃奈「……ありがとう♪」
 
452: (もんじゃ) 2021/10/20(水) 00:04:44.79 ID:iqWlSRlf
・・・

あなた「ただいま~。いや~今日も仕事疲れたよ~」

璃奈「おかえりなさい。ご飯にする? お風呂にする? それとも……」

璃奈「わ・た・し?」(無表情

あなた「え、えっと……」

あなた(お決まりのネタだけど、無表情でやられるとちょっと怖いな……まあ璃奈ちゃんだからかわいいんだけども……)

璃奈「……ごめんなさい」

あなた「え?」

璃奈「やっぱり私、うまく表情が作れなくて……」
 
453: (もんじゃ) 2021/10/20(水) 00:20:15.31 ID:iqWlSRlf
あなた「……璃奈ちゃん、紙か何かある?」

璃奈「紙? あるけど……」

あなた「これに、こうしてこうして……」カキカキ

あなた「できた! 見て!璃奈ちゃんボード『にっこりん♪』」

璃奈「璃奈ちゃん、ボード?」

あなた「そう! こうすれば表情がうまく作れなくても、伝えやすくなると思うんだ!」

璃奈「すごい……!」

あなた「ほら、そういう時は♪」

璃奈「あ、えっと……璃奈ちゃんボード『びっくり!』」

あなた「ふふっ♪ そうそう♪」
 
454: (もんじゃ) 2021/10/20(水) 00:26:27.48 ID:iqWlSRlf
璃奈「これ、すごい……!璃奈ちゃんボード『むんっ!』璃奈ちゃんボード『はっぴ~!』」

あなた「喜んでくれてよかった♪」

璃奈「それじゃあ、おままごとの続きしよっか」

璃奈「おかえりなさい。ご飯にする? お風呂にする? それとも……」

璃奈「わ・た・し?璃奈ちゃんボード『てれてれ(/ω\//)』」

あなた「……そのネタ好きだね」アハハ
 
455: (もんじゃ) 2021/10/20(水) 00:34:04.55 ID:iqWlSRlf
・・・

あなた「そろそろ帰らなきゃだね、璃奈ちゃんの両親も帰ってくるでしょ?」

璃奈「あ、うん……」

あなた「……やっぱり、明日も遊べない?」

璃奈「……私は、遊びたい」

璃奈「……だけど、あなたに悪いから……」

あなた「……悪いって?」

璃奈「……こんなこと急に言っていいかわからない……」

あなた「……聞くよ? なんでも教えて欲しい。そのために私、璃奈ちゃんに会いに来たんだもん」

璃奈「私……」

璃奈「……私ね、記憶が一日しか持たないの」

あなた(やっぱり璃奈ちゃんは……)
 
456: (もんじゃ) 2021/10/20(水) 00:43:28.23 ID:iqWlSRlf
璃奈「……何言ってるかわからないかもだけど、私、重い病気にかかってて……」

璃奈「病気にかかる以前のことは全部覚えてる……あなたと昔遊んだこと、離れ離れになったこと……」

璃奈「それでも、病気にかかってから……その日の出来事を忘れてしまう……今日の事も……明日も明後日も、全部忘れてしまう……」

璃奈「だから、明日あなたと会っても……私は……」

あなた「別にいいよ私は」

璃奈「え?」

あなた「璃奈ちゃんは、今日私と遊んで楽しかった?」

璃奈「それは……! もちろん楽しかった! とっても素晴らしい事も教えてもらった!璃奈ちゃんボード『いえいっ!』」
 
457: (もんじゃ) 2021/10/20(水) 00:47:16.68 ID:iqWlSRlf
あなた「ふふっならいいよ♪ また明日、璃奈ちゃんが忘れてるなら同じように遊ぼう?」

璃奈「え……でもそれじゃあ、あなたが楽しくない……」

あなた「そんなことないよ? また璃奈ちゃんと同じようにして遊べるんだもん♪ 何度でも楽しいに決まってる!」

璃奈「……やっぱりあなたって変わってる」

あなた「そうかなぁ……?」

璃奈「……でも、嬉しい」

璃奈「あなたがいいなら……また明日、遊ぼう?」

あなた「璃奈ちゃん……! もちろん!」ニコッ

あなた(……もし、元の映画の設定のままなら、この物語の結末は……)

あなた(……ううん、違う。ここは璃奈ちゃんと私が作った曲世界、映画とは違う。私が璃奈ちゃんを救ってみせる…!!)
 
465: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 21:47:33.66 ID:2OorUU6b
── 次の日

あなた「璃奈ちゃんっ!」

璃奈「あ……久しぶり。また会えたね、あなた。璃奈ちゃんボード『お久〜✋』」

あなた「え、璃奈ちゃんボード……」

璃奈「昨日、あなたが教えてくれたんでしょ?」

璃奈「私は覚えてないけど……ノートに書いておいたから」

あなた「ノート……そっか、メモしておけば昨日何したか分かるもんね」

璃奈「このボードはとても有効、これからも使っていきたい。璃奈ちゃんボード『むんっ!』」

あなた「あははっじゃあ、昨日遊んだ事も知ってるんだね?」

璃奈「うん、おままごと、したんだよね? 配役から流れまで全部メモしてあったから、相当楽しかったんだと思う」

あなた「そっか……そんなに楽しんでくれてたなら、またおままごとする?」

璃奈「ううん、今日は違う事がしたい」
 
466: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 21:52:51.88 ID:2OorUU6b
璃奈「猫ちゃんに会いたいの」

あなた「猫ちゃん?」

璃奈「そう、この近くに猫ちゃんが沢山いる場所があってね?」

あなた「あー、かくれんぼの天才猫ちゃんがいる所だね!」

璃奈「? かくれんぼの天才……?」

あなた「あれ……?」

あなた(……璃奈ちゃん、昨日の紙飛行機のことはメモしてなかったのかな?)

璃奈「……そこにね、子猫ちゃんがいるの」

璃奈「生まれてまだ一週間くらいの、ちっちゃくてすっごくかわいい!」

あなた「へー! 産まれたばかりの子猫ちゃん! 私も見てみたいな〜」

璃奈「是非あなたと一緒に見たい。璃奈ちゃんボード『れっつご~♪』」
 
467: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:00:32.81 ID:2OorUU6b
・・・・・

子猫「みゃ〜みゃ〜」

あなた「うわ〜! ちっちゃーい!」

璃奈「かわいい♪」

あなた「お母さん猫にしがみついちゃって、離れたくないんだろうね〜♪」

璃奈「……ちょっとだけなら、撫でても平気かな?」

璃奈「……怖くないよー……にゃー……」

璃奈「にゃー、にゃー……」ソー

あなた「………」

璃奈「にゃー……♪」ナデナデ

璃奈「……あ、ごめんなさい……夢中になってた」

璃奈「あなたも猫ちゃん見たかったよね?」
 
468: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:04:44.48 ID:2OorUU6b
あなた「あーううん、平気だよ。もう充分癒されたから♪」

璃奈「え?」

あなた「猫ちゃんもそうだけど、璃奈ちゃんを見てても癒されるなーって♪」ニコッ

璃奈「え……」

璃奈「………」つ璃奈ちゃんボード『』

あなた「? なんで白紙のボードで顔隠すの?」

璃奈「……なんとなく///」
 
470: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:12:58.55 ID:2OorUU6b
・・・・・

璃奈「あの子猫ね、もっと小さかったんだよ? 写真に残ってるの」

あなた「本当だ、これは数日前の写真? 今よりも一回り小さいね、数日であんなに大きくなるんだ……」

璃奈「うん、こんなに大きく変化してるのを身近に感じるとね……」

璃奈「私は覚えてなくても、ちゃんと時は動いてるんだなって思うの」

あなた「璃奈ちゃん……」

璃奈「……ごめんなさい、なんだか暗い話だった?」

璃奈「悲観してるわけじゃないの。私が忘れちゃっても、周りの人はちゃんと覚えててくれてる」

璃奈「だから私も、例え忘れちゃっても、少しでも変化していかなきゃいけないと思ってて……」

あなた「それなら、私が璃奈ちゃんの変化に気付くよ!」

璃奈「え……」

あなた「私が一緒にいて教えてあげる!」

璃奈「……でも、私は子猫のように大きな変化はしないよ……?」

あなた「大きな変化なんてしなくてもいいの! 少しづつ、それを身近で気付いてあげられる……それって凄く素敵だと思わない?」

あなた「私はそんな璃奈ちゃんをそばで見ていたいんだ!」ニコッ

璃奈「……やっぱりあなたは変わってる」

璃奈「……嬉しい、ありがとう!璃奈ちゃんボード『感謝〜🎉』」
 
471: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:18:53.60 ID:2OorUU6b
── 夜

璃奈「……♪」カキカキ

璃奈「……あ、そろそろ時間……」


急いでノートを書き終えて、ベッドに入る。

目を閉じて、朝になる頃……私は全てを忘れている。
別に怖いとは感じない、どんなに起きようとしても、気付いたら朝になっているから。
まるで時が飛んだように……
 
472: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:23:37.75 ID:2OorUU6b
・・・・・・・・・

璃奈「……ん」ムクリ


朝、目が覚めるとドキドキする……
覚えているのは、病気にかかる以前の記憶……
恐る恐るスマホのカレンダーを見て、患ってから何日経ったのかを知る……


璃奈「……一年は、経ってないんだ……」


少しだけほっとする。そんなに経っていないなら、身近な人も私の記憶とそんなに変わってはいないだろう。

でも、いつか……これが何年何十年も続くと思うと、怖くなる……


璃奈「あれ? これって……ノート?」

璃奈「……」ペラッペラッ

璃奈「……ふふっ♪」


それでも、今日もきっといい一日になると思う…♪
 
473: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:40:24.13 ID:2OorUU6b
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「璃奈ちゃんっ!」

璃奈「あ……久しぶり! また会えて嬉しい。璃奈ちゃんボード『いえーい!』」

あなた「私も会えて嬉しい! 今日は何して遊ぼっか?」

璃奈「……昨日は、カルタで遊んだんだよね? 私の圧勝だった。璃奈ちゃんボード『どや( *¯ ꒳¯*)』」

あなた「あはは……璃奈ちゃんカルタ強くてびっくりしたよ」

璃奈「だから、今日はトランプ……あ、でもトランプは10日前も遊んだんだっけ……」

あなた「……璃奈ちゃん、そんなに詳しくノートにメモして全部読んでるの? 大変じゃない?」

璃奈「そんなことない、あなたとの思い出はどれも楽しくて、読む度にトキメキが溢れるの」

璃奈「記憶には覚えてないけど……大切な思い出」

璃奈「……私ね、最近までノート見るの好きじゃなかったみたいなの」

あなた「え?」
 
474: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:47:26.16 ID:2OorUU6b
璃奈「病気にかかった最初の頃も、今日の出来事を忘れても、明日も思い出せるように全部ノートに書いてた」

璃奈「楽しい思い出、嬉しい出来事。全部ノートに書いて、読み返すのは楽しかった」

璃奈「でもね、私の記憶とは違って……ノートに書いてある事はどんどん積み重なって……」

璃奈「その内、なんでこんなたくさんの楽しい思い出も全部忘れちゃうんだろうって……見る度に辛くなっていく……」

璃奈「どうせ忘れちゃうなら、苦しくなるだけなら、もう別にノートにも書かなくていいやって、そうノートに書き残して、ある日からノートは終わってた」

あなた(璃奈ちゃん……もしかして、その影響で表情も……)

璃奈「でもね、あなたと再び出会ってからは違った」

璃奈「どんな思い出も忘れたくない……ノートを見るのが楽しくてしょうがない……!」

璃奈「例え忘れたとしても、何度でも楽しい思い出を体験できるって、そう思えたの……!」

あなた「……! 璃奈ちゃんは前向きだね?」

璃奈「あなたといると……どこまでも前向きになれる……♪」

璃奈「だから今日も、楽しい思い出いっぱい作ろう!璃奈ちゃんボード『にっこりん♪』」
 
475: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 22:56:36.34 ID:2OorUU6b
── 夜

璃奈「……♪」カキカキ

璃奈「……今日のあの子の顔、とってもかわいかった♪」

璃奈「……あ、もしかしてノートに書いてあるこの時も、こんな風に思ってたのかな?」


読み返す度に、全く記憶には無いのに、思い出すかのように情景が浮かび上がる。

キミの事を考えると、胸がドキドキ、心がキュンキュンする……///

寝る前も、キミのことを考えれば、明日も大丈夫だって、そう思える……///

この気持ちはきっと……///
 
476: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 23:05:59.50 ID:2OorUU6b
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ふふっ♪」

璃奈「? どうしたの? 急に笑って?」

あなた「私、璃奈ちゃんの変化に気づいたの!」

璃奈「私の、変化?」

あなた「璃奈ちゃんと一緒にいると、すっごく楽しいの! 昨日よりも確実にその気持ちは大きくなってる!」

あなた「きっと璃奈ちゃんが昨日よりも元気だから、楽しいって思えてるから私もそう感じるんだと思う!」

あなた「璃奈ちゃんの前向きで元気な姿を見てると、私もなんだか幸せな気持ちになるんだ」

璃奈「……それは、あなたが変化してるんじゃないかな?」

あなた「え? うーん……確かにそうとも言えるね……」

璃奈「……でも、あなたが言ってることも間違いじゃないかも」

璃奈「私、今はもう記憶が消えるのも嫌じゃないの」

璃奈「だって、あなたが会いに来てくれる度に久しぶりーって懐かしい気持ちになれる」

璃奈「毎日ドキドキを味わえる……」

璃奈「それに確かに楽しかったことも忘れるけど、失敗も忘れるから何度でもチャレンジできる!」
 
477: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 23:10:29.30 ID:2OorUU6b
璃奈「……だから、これもチャレンジ…///」

あなた「?」

璃奈「……スゥーハァー……///」ドキドキ

璃奈「………///」ドキドキ

璃奈「……私、あなたの事が好き…!///」

あなた「え……? ありがとう、私も璃奈ちゃんの事好きだよ?」

璃奈「……違う///」

あなた「違う?」

璃奈「あなたの好きは、友達としてって事でしょ?」

あなた「うん……?」

璃奈「私は…/// あなたに恋をしている…///」

璃奈「そう意味の、好き……/// 璃奈ちゃんボード『てれてれ(#/ω\#)』」
 
478: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 23:22:03.48 ID:2OorUU6b
あなた「えっと、私は……///」

璃奈「困るのは分かってる。いきなり言われても驚いちゃうよね……返事は今しなくてもいい」

璃奈「なんだったら忘れてもらっても構わない……告白したことは、ノートにも書かないつもり……」

あなた「でもそれじゃあ……」

璃奈「でも、私は明日もあなたに告白すると思う…!///」

あなた「っ!!」

璃奈「例え記憶が消えても、あなたを好きな気持ちは、記憶じゃない何かが覚えてる…!」

璃奈「だから私は、明日もきっとあなたに告白する…!/// 何度だって恋をする!///」

璃奈「迷惑ならもう会わなくてもいい……」

璃奈「でも……少しでいいから、考えて欲しい……///」

あなた「璃奈ちゃん…///」

あなた「……わかった。真剣に考えるって約束する」
 
479: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 23:27:30.14 ID:2OorUU6b
── 夜

璃奈「……///」カキカキ

璃奈「〜〜〜///」


言っちゃった……言っちゃった!!///

まだ心臓がドキドキしてる……///

この気持ちも、ノートに書きたい……でも、書かなくていい…///

書かなければ、また明日もこの初めてのドキドキを味わえる……///

……告白、断られたらどうしよう?

記憶が消えるのも、少し便利だなって思っちゃう。
もし断られても、泣いちゃっても、失敗も全部忘れられるから……


璃奈「……///」ドキドキ


目を閉じて、朝になった時……私は全てを忘れている。
別に怖いとは感じない、例え忘れていても、きっと朝になってもこの気持ちは蘇るから。
まるで毎日生まれ変わるように……
 
480: (もんじゃ) 2021/10/21(木) 23:31:18.89 ID:2OorUU6b
・・・・・・・・・

璃奈「……ん」ムクリ


朝、目が覚めるとドキドキする……
ドキドキの正体は恐怖じゃなくて……ワクワクと心がときめくドキドキ……///

まるで体が覚えてるかのように、机に置かれたノートを一目散に見る……


璃奈「……」ペラッペラッ

璃奈「……♪」


そして私は、今日も初恋をする……///
 
481: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:06:19.48 ID:r9l3S/me
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた(その日の出来事を忘れちゃうって、どういう感覚なんだろう?)

あなた(昨日までの璃奈ちゃんと遊んだ記憶は確かにあって……でも、実際それははるか昔の出来事……って感じなのかな?)

あなた(まるで自分だけ過去に取り残されているような……そんな気分なのかな?)

あなた(璃奈ちゃんがそんな苦しみを感じてるって思うと……私も苦しくなる……)

あなた(璃奈ちゃんのことは好き。表情が上手く作れなくても、精一杯伝えようとする姿や、前向きな所もかわいいって思う)

あなた(璃奈ちゃんが望むことなら、なんでも叶えてあげたいって思う……それが、恋人になりたいって願いでも……)

あなた(でも、それって私は璃奈ちゃんに恋してるって言えるのかな……?)
 
482: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:13:49.64 ID:r9l3S/me
あなた「……璃奈ちゃん、少しいいかな?」

璃奈「? なに?」

あなた「手、握るね?」

璃奈「ぇ……うん///」ドキドキ

あなた「……」ギュッ

あなた(確かめたい、私が本当に璃奈ちゃんに恋しているのかを!)

璃奈「……///」ドキドキ

あなた「……」

璃奈「………///」ドキドキ

璃奈「……何か言って欲しい…///」

あなた「あ、ごめん…///」
 
483: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:19:54.82 ID:r9l3S/me
あなた(私よりも少し小さい手。手を握ると、ドキドキが伝わってくる……)

あなた(言葉や表情に出なくても、私の事を本当に好きでいてくれてるんだって伝わる……///)

あなた「………」ジーー

璃奈「っっ///」プイッ

あなた(見つめると、堪らず恥ずかしがって目をそらすその仕草も愛おしい……///)

あなた(手から伝わる鼓動も早くなって……いや、これは多分私の…///)

あなた(私はきっと…///)

あなた「……璃奈ちゃん、目、閉じて?」

璃奈「え……うん……///」キュッ

あなた「……んっ」ンチュ

璃奈「っ!?///」
 
484: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:27:55.03 ID:r9l3S/me
あなた「んっ……えへへ///」

あなた「ドキドキする……心臓が破裂しちゃうそう……///」ドキドキ

あなた「私、ちゃんと璃奈ちゃんに恋してる…!///」

あなた「璃奈ちゃん、私も大好きだよっ」ニコッ

璃奈「……っ!」

璃奈「………」ポロポロ

あなた「璃奈ちゃん?」

璃奈「嬉しい……嬉しい……!」ポロポロ

璃奈「あなたに恋してよかった……!」ニコッ

あなた「えっ璃奈ちゃん!? 笑って……」

璃奈「え……? 私、笑えてる……?」

あなた「うん…! 笑えてるよっ!」

璃奈「そっか……」

璃奈「全部あなたのおかげ……ありがとうっ!」ニコッ
 
485: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:32:48.40 ID:r9l3S/me
── 夜

璃奈「……♪」カキカキ


幸せって、こういうことなんだと思う。
記憶が消えても、明日も知らないキミに恋していられる。
こんな幸せが続きますように。
ずっとずっと、、、


璃奈「……」ペラッペラッ


……書き溜めたノートは、もうすぐ一冊が終わりそう。
どれも何よりも大切な、かけがえない思い出……。


璃奈「……」ペラッ…


……忘れたくないよ


璃奈「やっぱり私は……」ポロポロ
 
486: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:44:45.86 ID:r9l3S/me
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「璃奈ちゃんっ!」

璃奈「あなたっ! 久しぶりっ!!! 璃奈ちゃんボード『やっほーう!!』」

あなた「っ! テンション高いね?」

璃奈「えへへっ♪」ニコッ

あなた「っ!///」ドキッ

璃奈「あ、そっか……ボードはもうなくてもよかったね? 私、笑えてたよね?」

あなた「うん……ドキッとしちゃった……///」

璃奈「ふふっ♪」

璃奈「不思議……」

あなた「?」
 
487: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:50:07.44 ID:r9l3S/me
璃奈「記憶は無くて、あなたと会うのは久しぶりなのに、あなたと過ごした楽しい感覚は体が覚えてる」

璃奈「だから明日も、あなたの顔を見たら、私は笑顔になっちゃうと思う」

璃奈「とびっきりの笑顔で「久しぶりー」って言うと思う」

璃奈「それがどんどん積もって、会うたび強烈な「久しぶりー」になっていくの♪」

あなた「だから今日も……♪」

璃奈「そう。あなたはきっと、いつか笑っちゃうと思うよ。私の挨拶が、強烈になっていくんだもん」

璃奈「そんなあなたをみたら、きっと私も笑っちゃう」

璃奈「それってなんだか、会う度に幸せが増えていくみたい♪」ニコッ

あなた「素敵だね……♪」

璃奈「……でもね」

あなた「?」
 
488: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 00:58:45.90 ID:r9l3S/me
璃奈「それも素敵だと思うけど、私はやっぱりあなたと同じ記憶を持っていたい……」

あなた「………」

璃奈「私、手術を受けようと思う」

あなた「手術……」

璃奈「上手くいけば私の病気が治るかも知れない。でも……高度な脳の手術だから、失敗すれば……」

あなた「璃奈ちゃん! その手術は…!」

あなた(ダメだよ……その手術は……元の映画の設定のままならきっと…!)

璃奈「受けるつもりはなかったよ?」

璃奈「失敗のリスクは大きいし、私はずっとこのままでもいいと思ってた」

璃奈「でも……」

あなた「璃奈ちゃん……?」

璃奈「私、夢が出来たの」

あなた「夢……?」
 
489: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:03:21.39 ID:r9l3S/me
璃奈「今は、忘れた記憶をノートに書いて、読み直して、やっとあなたと同じ位置……いや、少し後ろにいるんだと思う」

璃奈「別に悪い状況じゃない。忘れた分は何度でも思い出せるし、思い出す度にあなたに初恋をする……///」

璃奈「それもいいけど……」

璃奈「やっぱり私は、あなたと一緒の世界を歩きたい。あなたの隣、肩を並べて……」

璃奈「そしてね、今度会った時は「久しぶりー」じゃなくて、あなたに「おはよう」って言うの」

璃奈「きっと私、今よりもずっと凄いおはようが炸裂するよ? あなたはきっと笑っちゃう♪」ニコッ

あなた「璃奈ちゃん……」

璃奈「お願い、信じて?」

あなた(止めなきゃいけない……このままじゃ璃奈ちゃんは……)

あなた(でも、それでも……その真っ直ぐな瞳を向ける姿を……信じたい)
 
490: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:09:47.29 ID:r9l3S/me
── ギュッ!

璃奈「あ……///」

あなた「……手術は、いつ受けるの?」ギュッ

璃奈「……早くて、1週間後」

あなた「わかった……信じる」

あなた「……当日前に、会えるかな? 渡したいものがあるんだ……!」
 
491: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:16:29.37 ID:r9l3S/me
── 手術当日

あなた「………」

あなた(手術が始まってから、何時間経ったんだろう……)

あなた(こんなに時間が長いと感じたのは初めてだよ……)

あなた「………」

あなた「………」

あなた「……z」

あなた「……zz」

あなた「っ! ダメダメ! 璃奈ちゃんが頑張ってるのに私が寝ちゃ……」

あなた(璃奈ちゃんに渡したお守り……私にしか作れないあれが、奇跡を起こせば……)

あなた「……zzz」
 
492: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:22:18.01 ID:r9l3S/me
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……あれ?」パチリ

あなた「あ、あのっ! 手術は?」

看護師「終わりましたよ? 天王寺さんなら、病室に戻ってますよ」

あなた「っ! ありがとうございますっ!」ダッ!

看護師「あっ、病院は走っちゃ……」

あなた(璃奈ちゃん……! 璃奈ちゃん……!!)

あなた(お願い……! どうか奇跡を起こして……!)

あなた「璃奈ちゃんっ!!」


璃奈「……あ」





璃奈「……おはよう、あなた♪────」ニコッ
 
493: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:22:43.13 ID:r9l3S/me
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
494: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:24:37.74 ID:r9l3S/me
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」ムクリ

璃奈「あ……どうだった……? 私の曲世界……」

あなた「……璃奈ちゃん、おはよう♪」ニコッ

璃奈「? おはよう……」

── ギュッ

璃奈「ふぇ……/// あなた……?///」

あなた「……少しだけ、こうさせて? すぐに気持ち整えるから……」ギュウッ

璃奈「……また、悲しいことでも起きたの?」

あなた「ううん、その逆。とっても嬉しい事しか起きなかったよ!」ニコッ

璃奈「そう……どうだった? 私の曲世界?」

あなた「うん、びっくりしたのはね! 曲世界で私、璃奈ちゃんと恋人になったんだよね」

璃奈「え……///」
 
495: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:27:51.16 ID:r9l3S/me
あなた「あはは、こんなこと言っても困っちゃうよね? 曲世界は曲世界。現実世界の璃奈ちゃんは璃奈ちゃんだもんね」

璃奈「……参考までに聞きたい。曲世界の私は、なんて言ってあなたと付き合い始めたの?///」

あなた「え? うーん……普通に好きって言ってくれたかな?」

璃奈「好き……」

璃奈「………///」ドキドキ


璃奈「……私、あなたの事好き…!///」


あなた「ぇ……」

璃奈「………///」ドキドキ
 
496: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:31:23.01 ID:r9l3S/me
あなた「そうそうそんな感じ!」

璃奈「は?」

あなた「いや〜、あの時はびっくりしたなぁ〜」

璃奈(まじかコイツ……)

あなた「ん? どうかしたの?」

璃奈「あなたは曲世界から何も学んでない……」

あなた「え?」
 
497: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:35:13.66 ID:r9l3S/me
── 次の日

あなた「……てことがあってなんか、昨日から璃奈ちゃんが口を聞いてくれなくなっちゃった……」

あなた「ということで、歩夢ちゃん! 機械の操作お願い!」

歩夢「はぁ……璃奈ちゃんの気持ちわかるかも……」

あなた「え? やっぱり別世界とはいえ恋人になるとかそういう話はまずかったかな……」

歩夢「私はあなたのそういう所も含めて好きだよ」ニコニコ

あなた「え? 私も歩夢ちゃんの事好きだよっ!」ニコッ

歩夢「うん、そういう所」ニコニコ

あなた「?」

歩夢「曲世界行くんでしょ? 私が選んであげる♪ うーん、それじゃあこれにしようかな♪」

あなた「あれ? 歩夢ちゃんなんか少し怒って……」

歩夢「ボタン押すよ? 準備はいい?」

あなた「あ、うん大丈夫!」


── ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
498: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 01:35:38.12 ID:r9l3S/me
きりがいいので今日はここまで。

次回更新は多分また明日。
 
506: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 22:59:22.16 ID:r9l3S/me
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!


────『コンセントレイト!』START ────
 
507: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 23:03:06.25 ID:r9l3S/me
あなた「うん……ここは……?」

あなた「私の部屋?」キョロキョロ

あなた(うーん……いつも通りの私の部屋だね)

あなた(服装も制服だし特に変わった様子もないし……)

あなた(……ん? なんか手首にアザが……)

── ガチャ

栞子「おはぴ〜あれ、今日は起きてたんだ?」

あなた「……え?」

栞子「ん?」キョトン

あなた「し、栞子ちゃん……?」

栞子「どうしたの? 栞子ちゃんだよ? 付箋子ちゃんとかじゃないよー?」ニパッ

あなた「ふ、付箋……?」

あなた(え、栞子ちゃんだよね……? こんなフレンドリーな栞子ちゃん初めて見た……)
 
508: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 23:16:59.62 ID:r9l3S/me
あなた(あ! もしかして、この曲世界は『コンセントレイト!』の曲世界?)

あなた(あの曲は栞子ちゃんの親しみを感じさせる為に作った曲だから、それがこの曲世界の栞子ちゃんの性格に反映されてるのかな……?)

栞子「あれ、今の伝わらなかった? 栞と付箋、似たような存在だからって意味なんだけど……」

あなた「あ、あはは……」

栞子「はっはーさては寝ぼけてるな? 相変わらずあなたは寝坊助さんだなぁ♪」

栞子「シャキッとしなさい! ほら、顔でも洗って学校行こ?」ニパッ
 
510: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 23:29:04.00 ID:r9l3S/me
── 通学路

栞子「それでねー今日の血液型占いが最下位でさ〜」

あなた(同じ色のリボン……私と栞子ちゃんは同学年か……)

あなた(朝のお迎えといい、この曲世界の私にとって栞子ちゃんは幼馴染……歩夢ちゃんのような立ち位置なのかな?)

栞子「ラッキーアイテムはピアノ! ってイジワルだよね〜」アハハッ

あなた(……それにしても、気さくに笑う栞子ちゃんは新鮮でまたかわいいなぁ♪)

栞子「ん? 話聞いてた?」

あなた「あ、えっと……なんだっけ?」

栞子「もう〜だから今からあなたの家のピアノを背負って学校に行こうかって話を……」

あなた「……いつからそんな話にっ!?」
 
512: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 23:43:39.77 ID:r9l3S/me
── 学校

栞子「おはぴ〜!」

クラスメイト「あ、ぴっぴ〜! おはぴ〜」

あなた「ぴっぴ!?」

あなた「え、栞子ちゃん、ぴっぴって呼ばれてるの……?」

栞子「ん? そうだよ、ぴっぴ♪」ニパッ

栞子「あれ、なんで今更そんなこと聞くの?」キョトン

あなた「え、えっと……どういう経緯でそう呼ばれるようになったのかなって……」

栞子「んー? たしか栞子から、しおぴになって……ぴっぴ?」

あなた「栞子の原型がないっ!」

栞子「うふふっ言われてみればそうだね! あなた、いい所気付くね〜♪」

あなた「あはは……」

あなた(ぴっぴ……栞子ちゃんが生涯呼ばれなさそうなあだ名だなぁ……)
 
515: (もんじゃ) 2021/10/22(金) 23:57:41.57 ID:r9l3S/me
── 教室

あなた(栞子ちゃんが同じクラスの机に座ってるのもなんだか新鮮だなぁ……)

栞子「あれ? なんであなた席座ってるの?」

あなた「え?」

栞子「ほら、どうぞ?」ヒザポンポン

あなた「??」

栞子「あれ? どうしたの、いつも私が座ったら一目散に膝の上に座るのに」

あなた「え? あー……」

あなた「お邪魔します……?」チョコン

栞子「ふふっなんだか今日は遠慮気味だね? まるで借りてきた猫だね♪」ニパッ

栞子「よしよーし♪ かわいい猫ちゃんをなでてあげよう〜♪」ナデナデ

あなた「あ、あはは……///」

あなた(まさか栞子ちゃんに撫でられるとは……)

あなた(下級生に撫でられるのってなんだか恥ずかしいな…/// いや、この世界なら同い年か……?)
 
517: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 00:10:55.86 ID:zUPtxOkS
クラスメイト「あ〜! またぴっぴがあの子とイチャついてる〜!」

栞子「ふふっ♪ 私、この猫ちゃんを飼う事にしたの♪」ナデナデ

あなた「飼うって……」アハハ

クラスメイト「ふふっ相変わらず二人はお熱いね〜♪」

栞子「もう10年以上の付き合いですから! この子はもう私無しじゃ生きられないの……なんて可哀想……」ナデナデ

あなた「えぇ……そんな大袈裟な……」

栞子「でもあなた、私がいなかったら朝起きれないし、宿題もギリギリになって応援頼む人もいなくなるし、あとは……」

あなた(……この曲世界の私、相当栞子ちゃんに頼りっぱなしだったみたいだなぁ……)
 
518: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 00:17:22.24 ID:zUPtxOkS
クラスメイト「そんなこと言ってーぴっぴもその子無しじゃ生きられないんじゃないのー?」

栞子「んー……確かにそうかもね?」

栞子「よし、結婚しようかっ♪」ニパッ

あなた「えぇっ!?///」

栞子「えー私、三船栞子は病める時も健やかなる時も……」

クラスメイト「あっはは! この教室で結婚式挙げるの何回目よー?」

栞子「ゼクシィ買った方がいい?」

あなた「買わなくていいよっ!///」

クラスメイト「何度見ても2人の妻婦漫才面白いね〜♪」
 
520: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 00:39:52.93 ID:zUPtxOkS
・・・・・・・・・・・

栞子「ここの覚え方は、鳴くよウグイス(794)ヘイアンキョーに、いろんなイチゴ(1615)のブケショハット……」

クラスメイト「へぇ〜! そんな語呂合わせが……」

栞子「A子はこういう語呂合わせの方が覚えやすいと思うよ?」

クラスメイト「さっすが! よくわかってる~!」

栞子「ふふん♪ 人の適性を見抜くのは得意だからね♪」

クラスメイト「ぴっぴ~円周率教えてよ~」

栞子「いいよ~3.1415926535897…」

クラスメイト「ぴっぴ?」

栞子「あ、そこまでは要らなかった……よね?」テヘッ

クラスメイト「もうぴっぴったら~♪」

── アハハ!ワイワイ♪

あなた(親しみやすさの塊で、優しく適性に合った教え方をしてくれる……ひょっとしたら無敵なのでは?)
 
521: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 00:49:57.04 ID:zUPtxOkS
クラスメイト「ぴっぴ〜お昼一緒に食べよー?」

栞子「おっけ〜……あ、ごめん。今日は生徒会の仕事あるんだった」

クラスメイト「そっかー、いつもお疲れ様生徒会長♪ また今度ねー♪」フリフリ

栞子「うん、また誘ってね〜♪」フリフリ

あなた(……栞子ちゃん、生徒会長やってるんだ。あの性格なら、誰もが慕う人気の生徒会長って感じなんだろうな~♪)

栞子「よし、じゃあ行こっかあなた?」

あなた「え?」

栞子「? 今日も手伝ってくれるんでしょ?」

あなた「あ……うん!」
 
522: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 00:59:26.00 ID:zUPtxOkS
── 生徒会室

栞子「……♪」カチャ

あなた「それで、私は何を手伝えばいいかな?」

栞子「え?」

あなた「?」

栞子「えっと……取り敢えずこの資料に訂正がなければ印鑑押すだけでいいから……」

あなた「うん、わかったよ」

あなた「……」モクモク(作業中

栞子「……」

あなた「……」モクモク(作業中

栞子「……」

あなた「……? どうしたの?」

栞子「うーん、やっぱり今日のあなた変だね?」

あなた「え」ドキッ

栞子「いつもなら、生徒会室で2人きりになるや否や私にベタベタ擦り寄ってくるのに……」

あなた「え? えっとー……」
 
524: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 01:12:08.78 ID:zUPtxOkS
栞子「そして私がお仕事終わらせてからね?って言うまでがワンセットなのに……というかそうやって躾けてきたのに……」

あなた(私、躾けられて生徒会の仕事させられてるんだ……)アハハ

栞子「怪しいな……」ジーーー

あなた(う、疑われてる……栞子ちゃんこういうの鋭いもんね……)

あなた(説明してもややこしくなるだけだしここは何とかして……なんだっけ、ベタベタ擦り寄ればいいんだっけ?)

あなた「え、えっと……栞子ちゃーん……♪」ナデナデ

栞子「ふぇっ!?///」

あなた(あ、あれ? 間違えたかな?)

栞子「……/// やっぱり怪しい……あなた、撫でること要求することはあっても、自分から撫でるなんて普段しないのに……///」

栞子「何か隠してるでしょ?」ジトーーー
 
525: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 01:24:07.85 ID:zUPtxOkS
栞子「あ、じゃああれやってよ。いつものやつ♪」ニパッ

あなた「え、えっとー……いつもの?」

栞子「そう♪ あなたがしてくれるいつものやつ♪」

あなた(なんだろう……私が栞子ちゃんにするいつものやつ……)

あなた「……し、栞子ちゃん、今日もかわいい八重歯してるねっ!」ニ、ニコッ

栞子「……噛むよ?」ニパッ

あなた(ですよね~……)

栞子「私の八重歯は痛いぞ〜?」

栞子「この八重歯で今まで2人はこの世から……」

あなた「じょ、冗談だよね? 割と現実的な数字出すのやめてくれない……?」

栞子「……試してみる?」ニパッ

あなた「ごめんなさい、全部話します……」
 
526: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 01:36:08.79 ID:zUPtxOkS
・・・

栞子「うーん……別世界の……」

あなた「あはは……信じられないよね?」

栞子「まあ、にわかには信じられないけど納得ではあるかな」

あなた「え、信じてくれるの?」

栞子「あなたは嘘つかないと思うし、それに信じたほうが面白いし♪」

栞子「なるほどねー朝から感じてた違和感はそれだったんだね」

栞子「ちょっと興味あるな~あなたの知ってる私って結構違うの?」

あなた「うん、そうだね。私の知ってる栞子ちゃんは割と固くて……ちょっと融通のきかないところもあって……」

栞子「へ~私と真逆だね?」

あなた「そうだね♪ まるで薫子さんみたいに真逆で……」

栞子「薫子さん……?」

あなた「え、栞子ちゃんのお姉さんなんだけど……」

栞子「へ~姉がいるんだ……私一人っ子なのになんか不思議」

あなた(この世界には薫子さんいないんだ……そういえば栞子ちゃんが今の性格になったのって薫子さんの影響もあったって聞いたし……)

あなた(今思えば栞子ちゃんの親しみやすさのイメージって、薫子さんに影響されてるのかな……)
 
527: (もんじゃ) 2021/10/23(土) 01:42:09.88 ID:zUPtxOkS
あなた「でもね、変わらない部分もあるんだよ?」

あなた「栞子ちゃんの誰かの為に頑張れる姿とか、真面目なところとか……」

あなた「そんな栞子ちゃんが、私は大好きなんだっ!」ニコッ

栞子「っ!/// なるほど……///」

栞子「あなた、よく鈍感だ~とか、にぶちん~とかいわれるでしょ?」

あなた「え? 確かに言われる……かな?」

栞子「なーんとなくあなたの世界でのあなたの立ち位置分かっちゃった♪」ニパッ

あなた「流石栞子ちゃん! 理解力に長けてる!」

栞子「よし決めたっ!」

あなた「?」

栞子「今日はあなたに私の宝物(ジュエル)を見せてあげる!」

あなた「宝物(ジュエル)……?」

栞子「そうっ♪ 最っ高の一日って言わせてみせるから、楽しみにしててよねっ♪」ニパッ
 
553: (もんじゃ) 2021/10/27(水) 22:44:09.08 ID:oSc3z8WZ
・・・・・・・
%title%【虹4th発売記念SS】璃奈「出来た、ソングイメージシミュレーター」あなた「ソング⋯なにそれ?」【ラブライブ!虹ヶ咲】


栞子「おかえりなさいませ、ご主人様♪」

栞子「今日はメイドの栞子が、ご主人様を癒してあげちゃうぞ♪」ニパッ

栞子「……どうかな?」

あなた「いい!! 最高だよ栞子ちゃんっ!!」

あなた(にぱって笑う栞子ちゃん、何度見てもかわいいな〜♪)

あなた「でも、なんでメイド姿?」

栞子「これは、今度の文化祭で生徒会がメイド喫茶を開くんだ♪」

栞子「ふふん♪ あなたにも是非見て欲しくって♪」

あなた「へぇー……栞子ちゃんなら絶対看板娘だろうね!」

栞子「〜♪ ありがと♪」
 
554: (もんじゃ) 2021/10/27(水) 22:55:39.90 ID:oSc3z8WZ
あなた「これが、栞子ちゃんの見せたかった宝物?」

栞子「うーん、まあそうだけど、その一部って感じかな?」

あなた「一部……? ところで、なんで私も着替えさせられたの?」(メイド姿

栞子「え、私が見たいから?」

あなた「私欲だった!?」

栞子「ふふっ♪ メイド姿のあなたもかわいいよ〜♪」ナデナデ

あなた「……あ、あはは///」テレテレ

栞子「うーん……やっぱり新鮮で面白いなぁ♪」

あなた「新鮮?」

栞子「そ♪ いつものあなたならこうやって撫でたら、もっともっとー♡‬って甘えてくるんだよ?」

栞子「だから、照れてるあなたを見るのも可愛いくていいなぁって♪」ニパッ

あなた「そ、そっか…///」

あなた(私が栞子ちゃんを新鮮に感じるように、栞子ちゃんもそう感じてたんだね)

あなた(……というか、この世界の私もかなり性格が違うみたいだね……栞子ちゃんの影響なのかな?)
 
556: (もんじゃ) 2021/10/27(水) 23:09:56.49 ID:oSc3z8WZ
栞子「猫ちゃんカチューシャもあるんだよ?」スチャ

栞子「にゃんにゃん♪ しおにゃん、ご主人様に幸せになって欲しいにゃ〜♪」

あなた(普段だったら絶対に照れながらやる栞子ちゃんが、ノリノリで猫耳メイドに!!)

あなた(恥じらう姿も良いけど、こっちの栞子ちゃんも新鮮でやっぱりいいなぁ…♪)ジーー

栞子「……ぁ///」

あなた「?」

栞子「あ、あはは……/// 流石にそんなにジロジロ見られると、照れちゃうな…///」

あなた「あ、ごめん……つい見とれちゃって」

あなた「でも、恥ずかしがる栞子ちゃんもかわいいよ♪」ニコッ

栞子「っ!///」ドキッ!

栞子「うーん! なんかあなたに照れさせられるのは悔しいな~///」

あなた「え?」

栞子「せっかくだからあなたもやってよ、猫ちゃんメイド♪」ニパッ

あなた「え、私は別に……」

栞子「自分だけやらないなんて頂けないなぁ♪」
 
557: (もんじゃ) 2021/10/27(水) 23:23:06.47 ID:oSc3z8WZ
── 放課後

栞子「さ、帰ろっか」

あなた「うん、栞子ちゃん今日は習い事とか、ボランティアとか無いの?」

栞子「あー……そういえば今日は日舞の稽古日だったな……」

栞子「うーん、サボろっか♪」

あなた「えっサボるっ!?」

あなた(栞子ちゃんが絶対にしない行為TOP10に入る行為だよ!?)

栞子「あははっ、サボるって言ってもちゃんとお昼に別日に変更って連絡入れたから大丈夫♪」

栞子「今日はあなたとの時間を大切にするって決めたからね!」

栞子「約束したでしょ? 今日はあなたに私の宝物を見せてあげるって♪」ニパッ

あなた(性格は変わっても、栞子ちゃんにはまた違ったまっすぐさがあるんだなぁ……)

栞子「さあ、下校の時間だよ! 下校と言っても、見方を変えれば冒険の時間♪」

あなた「冒険……」

栞子「そ♪ ありふれた日常を私と一緒に彩ろう♪」
 
559: (もんじゃ) 2021/10/27(水) 23:44:42.48 ID:oSc3z8WZ
・・・・・・・

あなた「それで、どこか遊びにでも行くの?」トコトコ

栞子「うーん……特には何も考えてなかったなぁ……」トコトコ

あなた「ノープランだったんだ」アハハ

栞子「まあでも、こうやってあなたと二人で歩いて帰る時間も私は好きなんだよね~」

あなた「あー……確かに分かるかも、話しながら帰るとあっという間に家に着いてたりするもんね」

栞子「そうそう♪」

栞子「……ぁ」トコトコ

あなた「……?」トコトコ

栞子「……手、握ろっか?」スッ

あなた「え? う、うん……」ギュッ

栞子「ふふっ♪ 私とあなた、いつもこうやって帰ってるんだよ?」ギュッ

栞子「というか、あなたの方から掴んでくる感じ? でも、私も繋いでないと少し寂しくてさ~♪」

あなた「そ、そうなんだ…///」

あなた(栞子ちゃんにとっては、いつものことなんだろうけど……)

あなた(こう面と向かって握ろうって言われると、なんだかドキドキしちゃうな…///)
 
560: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 00:01:39.48 ID:2wiMlpKw
・・・

栞子「あ、猫ちゃん!」

栞子「こんな所にいるなんて珍しいね〜♪」

あなた「猫は気まぐれだからね〜」

栞子「おいで〜♪」

あなた「わっ! こっちに来た!」

栞子「おやおや君はそちらが好みでしたか、なかなか話が合いそうですな♪」

あなた「うわ〜かなり人懐っこいね♪ かわいい〜♪」ナデナデ

栞子「シャッターチャンス!」カシャ

栞子「うん、よく撮れてる!」

あなた「大人しくていい子だね〜」ナデナデ

栞子「……」カシャカシャ

あなた「……?」

栞子「……」カシャ…

あなた「なんで私も撮るの?」

栞子「あなたもかわいいから♪」ニパッ
 
561: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 00:12:09.73 ID:2wiMlpKw
栞子「あ、せっかくだから私も一緒に写真写りたい!」

栞子「撮るよー✌」カシャ

栞子「あれ、なんかインカメぼやけちゃってるな……」

栞子「まあいっか♪ これはこれで面白いしね♪」

あなた「どれ? ほんとだ、なんか曇ってるね?」

栞子「んーもしかしてカメラが悪いのかな……」

栞子「修理出さないと直らないかな? 思い当たる節があるとすれば水没してる可能性があるってことかな……」

あなた「水没したの?」

栞子「あー……iPhoneシャワーで洗ってるからかな……」

あなた「iPhoneシャワーっ!?」

あなた「それは多分やめた方がいいと思うよ……」

あなた(うーん、でもなんでだろ……これに関しては現実世界の栞子ちゃんもやってそう……)アハハ
 
566: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 00:28:15.32 ID:2wiMlpKw
・・・・・・・

あなた(その後も、栞子ちゃんと二人でちょっと寄り道もしながら、他愛もない会話をしていたらあっという間に家の前に)

あなた(なんてことないいつもの日常だったんだろうけど、私にとってはいつもと違って距離の近い栞子ちゃんとの会話が出来て大満足だったなぁ♪)


あなた「そういえば、栞子ちゃんの言ってた宝物ってなんだったの?」

栞子「あー、そういえば言ってなかったね?」

栞子「私の宝物はね……このいつもの日常だよ♪」

あなた「日常?」

栞子「そ♪ あなたやみんなと過ごすいつもの時間」

栞子「なんてことないけど、どんな時でも今がイチバン大好き!って今日も明日もあさっても言えたならとってもステキでしょ?」

栞子「私はそんな日常を目指してるの!」

栞子「そんな日常が、私だけじゃなくてみんなにもシェアして笑い合えたら……」

栞子「世界はもっとより善いものになると思わない?」

栞子「楽しいことも全部凝縮して詰め込んで、その全てが私の宝物(ジュエル)!」

栞子「それをあなたにも見せたかったんだ♪」ニパッ

あなた「そうだったんだ♪ 素敵な宝物だね♪」

あなた(この世界の栞子ちゃんも、形は違えど、世界を善くしたいっていう立派な夢は変わらないんだね…♪)
 
567: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 00:40:03.64 ID:2wiMlpKw
── 栞子ホーム

栞子「今日はどうだった? あなたの知ってる私とは違う私で、楽しめたかな?」

あなた「すっっごく楽しかったよ! 栞子ちゃんとこんなに身近な距離感で話す事ってなかったからもう新鮮で……♪」

あなた「この世界の私は私で、毎日幸せなんだろうなって羨ましくなっちゃった♪」ニコッ

栞子「そっかそっか♪ 私もあなたと居ると毎日幸せだよ♪」

栞子「なーでてー♪」スリスリ

あなた「♪」ナデナデ

栞子「うーん……不思議な感覚だね。いつもならあなたが甘える側なんだけど、自然と甘えたくなっちゃう♪」

あなた「そうなの? うーん、私は栞子ちゃんにあんまり甘えることってないし、どちらかと言うと甘やかす方だからそれが影響してるのかな……」

栞子「へぇーあなたの知ってる私ってよく甘えるの?」

あなた「うーん、甘えるっていうか、私が甘やかしてあげてるって感じかなぁ」ナデナデ

あなた「いつも頑張りすぎちゃうから放っておけないんだよね……」ナデナデ

栞子「ふーん、そっか……///」

栞子「……甘えるのも悪くないね♪」ニパッ

あなた「私も、栞子ちゃんがこんなに甘えてくれると嬉しいなぁ……♪」

栞子「……///」
 
568: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 00:47:58.69 ID:2wiMlpKw
栞子「……///」ウズウズ

栞子「……///」ウズウズウズ

栞子「〜〜〜/// うーんもう限界っ!!///」ガバッ!

あなた「え?」

栞子「……はむっ」カプリ

あなた「えっ栞子ちゃん…?/// なんで手を噛んで……?///」

栞子「手を甘噛みするのは……する時のサインだから……///」

あなた「え……?///」

栞子「いつもならさ、あなたの方から誘ってくるんだよ? 栞子ちゃん、栞子ちゃーん♡‬って…///」

栞子「それなのに今日はずっとお預けくらってる気分で、流石にもう我慢の限界…///」

あなた「……えっと、何の話?」
 
569: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 01:00:39.10 ID:2wiMlpKw
栞子「はぁー……あなたは鈍感だから分からないかぁ……」

栞子「私とあなたはね、いつもそうやって……」

栞子「恋人同士がすること、してるんだよ♡‬」ミミモトササヤキ

あなた「えっ!?///」ドキッ

栞子「言ってなかったね♪ 私さ、この世界のあなたと恋人なんだ♪」

あなた「そ、そうだったんだ……///」ドキドキ

栞子「だからさ、教えてあげるね……私とあなたのいつもの事……///」

あなた「お、教えるって……?///」ドキドキ

栞子「んふふっ♪ 大丈夫♡」ジリジリ

栞子「私が優しく教えてあげる♡‬────」
 
570: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 01:00:48.92 ID:2wiMlpKw
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
572: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 01:11:12.99 ID:2wiMlpKw
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「あっ栞子ちゃーん!」

栞子「はい、どうしましたか?」

あなた「……」ナデナデ

栞子「え……あ、あの……?///」

あなた「………」ナデナデナデ

栞子「あの……なぜ撫でるのですか?///」

あなた「………」ナデナデナデ

栞子「な、何か仰ってください!/// 無言で撫でられても困ります///」カァァァァ

あなた「うんうん、その反応だよやっぱり!」

栞子「えぇ……?」

あなた「親しみやすい栞子ちゃんも良いと思うけど、私は今の栞子ちゃんも大好きだよっ!」ニコッ

栞子「えっと……ありがとうございます?///」
 
573: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 01:20:59.26 ID:2wiMlpKw
── 次の日

ミア「Hey. ベイビーちゃんなんか面白いことしてるんだって?」

あなた「ミアちゃん! そうなんだ~璃奈ちゃんの機械を使ってね」

あなた「……まあ、璃奈ちゃんは最近何故か口聞いてくれないんだけど……」

ミア「Oh……璃奈の言った通りだね……」

あなた「?」

ミア「今日は璃奈に頼まれて、ボクがキミの面倒を見ることになったのさ」

あなた「ミアちゃんがってことは……次はミアちゃんの曲世界?」

ミア「そう。ベイビーちゃんさ、この曲に込めたボクの想いってちゃんと理解してる?」

あなた「想い……ミアちゃんが歌いたいって気持ちだよね? 一応理解しているつもりだよ?」

ミア「はぁ……40点」

あなた「え、低くない?」

ミア「そういうところ。ベイビーちゃんはわかってるようで肝心な所がわかってない、だから璃奈も怒ってるんだよ」

ミア「だからさ、理解してよね? ボクの曲世界を通して」

あなた「ミアちゃんの曲世界で……うん! わかったよお願い!!」

ミア「OK. Are you ready?」

あなた「GO!」


── ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
574: (もんじゃ) 2021/10/28(木) 01:24:25.02 ID:2wiMlpKw
きりがいいので今日はここまで。

ちなみに>>553の画像は、にぱっと笑う栞子ちゃんをイメージしやすくするために作ったコラ画像だと念の為に言っておきます。

次回更新は多分明後日。
 
592: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 22:01:27.74 ID:Gu7E3ooc
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!


────『Toy Doll』START ────
 
593: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 22:07:29.39 ID:Gu7E3ooc
あなた「うん……ここは……?」ムクリ

あなた(見慣れない部屋……)キョロキョロ

あなた「うわぁ……オシャレな部屋! それに大きなベッド!」

あなた「ふっかふかだぁ…♪ いつものソファと大違い……こんなベッドなら何度寝でも出来ちゃいそう♪」ポフン

── モゾモゾ

あなた(ん? 足が何かに当たって……)

ミア「んんぅ……noisy……」ムクリ

あなた「え、ミアちゃん……?」

ミア「んぅ? あぁ……」

ミア「Good morning. 今日はベイビーちゃんが起こしてくれたの?」

あなた「あ、えっと……おはよう?」

ミア「……」ズイッ(顔を近づける

あなた「?」

ミア「……♪」チュッ♪(頬にキス

あなた「っ!?///」
 
594: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 22:15:55.80 ID:Gu7E3ooc
あなた「ミアちゃん……?///」

ミア「? どうしたの? ボクにもほら?」

あなた「え、えっと……?///」

ミア「寝ぼけてるの? チークキスは基本の挨拶だろ?」

あなた「あ……えっと……///」

あなた「……///」チュ…(頬にキス

ミア「……ははっ相変わらずぎこちないね♪」

ミア「もうここに来て1ヶ月だろ? そろそろ慣れないの?」

あなた「1ヶ月? えっと……なんの事?」

ミア「? まだ寝ぼけてるの? ベイビーちゃんが短期留学で、このテイラー家に来て1ヶ月。だろ?」

あなた「……なるほど」
 
596: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 22:26:06.73 ID:Gu7E3ooc
・・・

あなた(どうやらこの曲世界では、私が前に行った2ヶ月間の海外留学。そのホームステイ先がニューヨークにあるミアちゃんの家になってるみたい)

あなた(あの有名なテイラー家にホームステイ出来るなんて、ワクワクしちゃうなぁ…♪)


ミア「なにボサってとしてんのさ?」

あなた「え? あーごめん、ちょっと考え事……」

ミア「What's? せっかくボクが勉強を見てやってるのに考え事?」

ミア「随分と余裕だね、それじゃあここの問題はわかるのかい?」

あなた「えっと……」

あなた(全然わからない……こんな問題高校生が解ける内容じゃないよ……)

ミア「はぁ……ダメダメじゃないか。このテイラー家で留学したっていうんだから、それなりの成果は出して帰ってもらわないとね」

ミア「ほら、ここの問題はこうやって解くんだ」

あなた「……なるほど、すごい! わかりやすい!」

ミア「当たり前だろ? ボクはもう高校なんてとっくに卒業したんだ」

ミア「次の問題はここをこうして……」

あなた(ミアちゃんがこんなに親身になってくれるなんて……! 1ヶ月一緒に暮らしたおかげなのかな?)
 
597: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 22:36:38.97 ID:Gu7E3ooc
あなた(……それにしても)

ミア「それでここはこうやって……」ギュウ~♡(密着

あなた「………」

ミア「ここはこうするんだ……」ギュギュ~♡(密着

あなた「……ミアちゃんさ///」

ミア「?」

あなた「……なんか、距離近くない?///」

ミア「……huh? 別に普通だろ? 家族なんだから」

あなた「え、でも私は……」

ミア「ベイビーちゃんだって、今はこの家に住んでる家族なんだ。……それとも、家族は嫌?」

あなた「ううんそんなことないよ! ミアちゃんの家族になれて嬉しい!」ニコッ
 
598: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 22:50:19.27 ID:Gu7E3ooc
ミア「ふふっ♪ そうだろ? ボクも妹が出来て嬉しいんだ♪」

あなた「私、妹なんだ……」アハハ

ミア「妹は嫌なの……?」

ミア「Wow……まさか、ペットになりたい……?」

あなた「いや、姉という選択肢は無いんだね?」アハハ

ミア「ベイビーちゃんがボクの姉? あははっボクの姉になりたいなら、まずはボクを超えるような作曲家になってもらわないとね?」

あなた「うーん……それは確かに難しいね……」

ミア「それに今だってほら、ボクが面倒を見てあげてるじゃないか。どちらが姉かなんて一目瞭然だろ♪」ニッ

あなた「あははっそう言われると確かにそうかも♪」

あなた(ミアちゃんがお姉さんか……自分より年下の子が姉ってちょっと複雑だけど、嬉しいな…♪)
 
600: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 23:03:04.25 ID:Gu7E3ooc
・・・・・・・・・

ミア「ここの歌詞は、和訳するとこういう表現になるんだ」

あなた「なるほど……そんな表現方法が……」

ミア「作曲家として、歌詞の表現力は何より大事だからね。一つの言語だけに囚われてるようじゃまだまだひよっこさ」

あなた「流石ミアちゃん! すっごく参考になるよ!」

ミア「ふふっ当然だろ?♪」

ミア「まあ、ベイビーちゃんならすぐに出来るようになるよ」

ミア「ボクも教えてあげるからさ、一緒にやろう?」ギュウ~♡

あなた「あ、うん……///」

あなた(ミアちゃんは、やたらと距離が近い……///)

あなた(まあ、これがミアちゃんの家族に対する距離感なら、しょうがないのかもしれないけど……///)

あなた(こうも密着されるとドキドキしちゃうなぁ……///)
 
602: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 23:15:42.24 ID:Gu7E3ooc
あなた「あ、ミアちゃんここの歌詞は……」

ミア「……♪」チュッ♪(頬にキス

あなた「え、ミアちゃん……?///」

ミア「ん? あぁ、ここの歌詞は……」

あなた「いや、なんでキスしたのっ!?///」

ミア「huh? 別にいつしたって構わないだろ?」

ミア「これがボクの家族にするスキンシップなんだ」

あなた「いや、でも急にされるとその……///」

ミア「なんだい? もしかして……」

ミア「ベイビーちゃんはボクに、家族とは違う感情でも抱いてるの?」ニヤニヤ
 
603: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 23:27:19.45 ID:Gu7E3ooc
あなた「えっ!?/// いや、別にそういうわけじゃ……///」

ミア「照れ隠しするなよ♪ ベイビーちゃんがボクのこと好きなのは知ってるんだからさ♪」

ミア「ほら、特別に好きなだけ近づいていいから好きにしなよ?」

あなた「え、えっと……///」

ミア「……///」ジーーー

あなた「………///」ドキドキ

ミア「………ぷっ」

あなた「えっ?///」

ミア「あははっジョーダンに決まってるだろ?」

ミア「顔を真っ赤にしちゃって、わかり易すぎ♪」

あなた「あ、あはは……///」

あなた(冗談とは分かっても、ドキドキしちゃったなぁ……///)

あなた(こんな冗談言うなんて私とミアちゃん、よっぽど仲良くなってるみたいだね…♪)

あなた(一ヶ月一緒に……一体どうやってこんなに仲良くなったんだろう……?)
 
605: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 23:39:10.43 ID:Gu7E3ooc
・・・・・・・・・

ミア「Huryy up!! ベイビーちゃん!!」グワッ!

あなた「どうしたの? そんなに急いで?」

ミア「ほら行こうよ! 行くしかないよ!!」

あなた「え? 行くってどこに?」

ミア「ベースボールだ!!」


── NYCスタジアム

あなた「すっごく大きな球場……」

ミア「あぁ……ここで今日、伝説が生まれるかも知れないんだ……!」ワクワク

あなた「ミアちゃん、とってもわくわくしてるね?」

ミア「当たり前だろ! たまたま当日券が手に入ったんだ、これは運命だ……何かが起こるに違いない!」

ミア「ベイビーちゃんも見たいって言ってただろ? これがわくわくせずにはいらないよ!」ワクワク

あなた「ふふっ♪」

あなた(ベースボールを語るときのミアちゃん、相変わらず良い顔してるなぁ…♪)
 
606: (もんじゃ) 2021/10/30(土) 23:56:42.40 ID:Gu7E3ooc
・・・・・

ミア「はぁ……白熱したね……!」

あなた「凄かったね、まさかあんな大逆転をするなんて!」

ミア「ああ! あれは歴史に名を刻む名勝負だよ!」

ミア「こんな瞬間に立ち会えるなんて……I'm happy to be alive……」

ミア「中継とは違う、生で見るベースボール……ベイビーちゃんも楽しんでくれただろう?」

あなた「うん、すっごく楽しかった!! それに、ミアちゃんが一緒にいたから尚更楽しかったかも♪」

ミア「Why? ボクが?」

あなた「うん! ミアちゃんが熱く解説してくれたり、楽しい!ってはしゃぐ姿を見てたら、こっちも楽しくなってきちゃって」

あなた「私、ミアちゃんがベースボールを語る時の顔、大好きなんだ♪」ニコッ

ミア「っ!!///」

ミア「……キミさ、どんだけボクのこと好きなんだよ?///」

あなた「え? そりゃあミアちゃんは私にとって憧れでもあるし、一緒にいて、本当に幸せだなって思うよ?」

ミア「……ふーん///」ニヤニヤ
 
607: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 00:36:55.17 ID:lTPGS6M3
・・・・・

ミア「あむっモグモグ……うーん! やっぱりハンバーガーは最高だね!」

あなた「あはは、私にとってはアメリカンサイズはちょっと大きすぎるかなぁ……」

ミア「ベイビーちゃんはいつもそう言ってるね? ボクからすれば日本人は少食すぎなんだよ」

ミア「まあ食べ切れないなら、ボクが貰うよ? ほら?」アー

あなた「はい♪」アーン

ミア「モグモグ……ん? ベイビーちゃん、口にソースついてるよ?」

あなた「え? ほんと?」

ミア「ほら、取ってあげるよ……」チュッ

あなた「っ!///」

ミア「ふふっ♪ ごちそうさま♡‬」ペロリ
 
609: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 00:45:36.18 ID:lTPGS6M3
ミア「さ、次はどこに行こうか? ベイビーちゃんの行きたいところはある?」

あなた「ミアちゃんとならどこでもいいけど、ミアちゃんはいいの?」

ミア「なにが?」

あなた「ミアちゃんってあんまり外をふらふらしないイメージだからさ」

ミア「あぁ……確かに気に入った場所に居続けることは好きさ。でも、誰かと一緒にいるなら話は別」

ミア「ベイビーちゃんと一緒なら尚更♪」

ミア「それに、これってもうデートってことでいいんだよね?」

あなた「え、デート?///」

ミア「そう♪ ベイビーちゃんも嬉しいだろ? ほら行こう? 楽しい時間はまだまだこれからだよ♪」
 
610: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 00:55:25.13 ID:lTPGS6M3
── ゲームセンター

あなた「うわぁ~!! また負けちゃった~!!」

ミア「あははっ! 今のは惜しかったね、もう一回!」

あなた「うん! 今度こそっ……!」

あなた「って、ごめんねミアちゃん。さっきから助けてもらってばっかりで……」

ミア「いいんだ。ベイビーちゃん、ゲーム下手っぴだけど一緒にすると楽しいし♪」

あなた「そうなの?」

ミア「そう♪ キミはいくら負けても、常に楽しそうにゲームするから一緒にいると楽しいんだ」

ミア「さっきベイビーちゃんだってボクにそう言ってただろ?」ニッ

あなた「っ! そっか♪」

ミア「大丈夫、次は勝ってみせるさ!」

ミア「ベイビーちゃんとボクがチームを組めば、最強ってことを見せてやろうぜ!」

あなた「うん! 頑張るよ!」
 
611: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 01:17:00.01 ID:lTPGS6M3
・・・

あなた「……やった!」

ミア「Yes! Game clear!!」

あなた・ミア「YEAH!」🤜🤛パチンッ

ミア「思った通りだ。ボクとキミが組んだら、最強になると思わない?」

あなた「ふふっ♪ ミアちゃんに頼りっぱなしな気もするけどね♪」

ミア「そうだけど、今回はベイビーちゃんが苦手分野だっただけだろ?」

ミア「だから、ボクが苦手分野な時はベイビーちゃんが助けてよね♪」

あなた「なるほど……任せて! そんな時が来たら、ミアちゃんも私を頼ってね♪」

ミア「……ん? この曲は……」

あなた「あれ、これってミアさんのお姉さんの曲だね」

ミア「あぁ……何度聞いても素晴らしい歌声だよ…♪」

あなた「すごいよね、ミアちゃんのお姉さん。何処に行っても流れてるイメージ、それでいてこんなに聴き入っちゃうんだもん♪」

ミア「………」

ミア「……」チュッ(頬にキス

あなた「え? ミアちゃん……?」
 
612: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 01:23:31.21 ID:lTPGS6M3
ミア「……なに聴き入ってるのさ」ムスッ

ミア「今はボクとのデートの時間だろ?」

ミア「ベイビーちゃんはボクだけのだってこと忘れないでよね♪」ニッ
 
614: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 01:40:00.46 ID:lTPGS6M3
・・・・・・・

あなた「ここって、クラブってやつ?」

ミア「Yes. 生で聴く演奏も作曲のインスピレーションに繋がるからね」

ミア「ここで歌われる曲はいつだって最先端な曲ばかりなんだ。ベイビーちゃんも楽しみながら学ぶといいよ」

あなた「へぇー……」

あなた「? なんか、店の人が揉めてるみたいだけど?」

ミア「騒がしいね……ちょっと聞いてくるよ」

ミア「Hey. What's wrong?」


・・・

ミア「……What's!?」

あなた「……なんて?」

ミア「……今日の演者が、事故で来れなくなったて……」

あなた「えぇっ!? そんなぁ……」

ミア「残念だけど、今日は中止だね……」

あなた「こんなに楽しみにしている人がいっぱいいるのに……残念だなぁ……」
 
615: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 01:49:23.76 ID:lTPGS6M3
ミア「………」

ミア「ベイビーちゃんさ、ここにいる人を笑顔にしたいって思う?」

あなた「え、そりゃもちろん。出来るならしてあげたいって思うよ?」

ミア「ふふっ♪ ボクも同じ考え♪」

ミア「だったらもう答えは出てるよね?♪」ニッ

あなた「えっ!? でも、そんな事……」

ミア「ボクとキミが組んだら、最強になる」

ミア「さっきはキミが苦手分野だったけど、今度はお互いに得意分野だ♪」

ミア「そんなボクとキミだったら、今度は無敵さ♪」

あなた「っ!!」

あなた「……やろうか♪ 曲は任せて! ミアちゃんに合わせるから!」

ミア「任せたよ! ボクはキミの曲に合わせて歌う!」

ミア「ボクとキミだったら、自由に飛び回って世界に立ち向かえる!」

ミア「今ここに、最高で無敵のチームが完成したことを、世界に教えてやるんだ!!」
 
616: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:07:54.18 ID:lTPGS6M3
・・・・・・・・・

あなた「……ライブ、大成功だったね♪」

ミア「あぁ……途中から、客が入りきらないっ!って店員が言ってるのを見て笑っちゃったよ♪」

ミア「ほら、見てよこれ。さっきのライブ、ネットニュースに載ってる♪」

あなた「……『あの有名なテイラー家が二人組ユニット結成!?相手はなぞのジャパニーズ』……え、こんなおおごとにっ!?」

ミア「あははっ♪ もしかしたら、明日にでも仕事のオファーが来るかもね♪」

あなた「え、でもミアちゃんならともかく私は……」

ミア「……ベイビーちゃんとだったら、いいかなって思うよ?」

あなた「え?」

ミア「ボクはベイビーちゃんのこと好きだし、結婚だってしてもいいよ?」

あなた「っ!?///」

ミア「ぷっあははっ! どうしたんだい? 顔が真っ赤じゃないか♪」

あなた「もう……/// 冗談でもあんまりそういうことは言わない方がいいよ…///」

ミア「Sorry♪ でも、こうしてからかわれるのは嫌いじゃないだろ?」ニッ

あなた「ミアちゃんったら……///」

ミア「まあでも、認めたとはいえさ。ボクはまだキミの事をベイビーちゃんだと思ってる」

ミア「まだまだ一人前のアーティストになるには早いかな」

あなた「そっか……私もそう思うよ……」
 
617: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:18:06.33 ID:lTPGS6M3
ミア「……でもさ、認めてはいるんだ」

あなた「え?」

ミア「ボクさ、日に日に笑顔が増えてる気がする。全部ベイビーちゃんのおかげだよ?」

あなた「私が?」

ミア「そう。キミに出会って、キミの作った曲を聴いて、自分に足りないものに気付けた」

ミア「誰かの為に作る曲、誰かの為に歌うことの楽しさを、また思い出すことが出来たんだ!」

あなた(それって前に璃奈ちゃんが言ってた……)

あなた(そっか、この曲世界では私がミアちゃんに……)

あなた「うーん……それなら、別に私は特別なことはしてないと思うよ」

あなた「それにきっとミアちゃんなら、私が居なくても自分で、もしくは他の人が解決してたと思うし」

ミア「……そうかもね」

ミア「でもさ、きっかけはキミなんだよ」

ミア「例え違った形で解決したとしても、それでも必ずキミが間接的にでも関わってくる。そんな気がする……」

ミア「だから……感謝してる///」
 
619: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:27:15.91 ID:lTPGS6M3
ミア「……ねえ、ベイビーちゃん///」

ミア「改めて言うけど、ボクの相棒……パートナーになる気はない?」

あなた「ミアちゃんの、パートナー……?」

あなた「なりたいっ!! ミアちゃんとこれからも一緒に作曲するってこと?」

ミア「……dull」

ミア「ボクが言うパートナーって言うのはさ、作曲もそうだけど……人生の、パートナーって意味だよ?///」

あなた「え…///」

あなた「えっと……あはは、また冗談?///」

ミア「……ボクがこんな冗談を言うのはキミだけだけどさ///」

ミア「本気で言うのも、キミだけなんだよ?///」

あなた「……///」ドキドキ

ミア「キミはボクの事、憧れてて好きって言ってくれたけどさ……」

ミア「……♡」ンチュ

あなた「んっ……!?///」

ミア「いつか憧れをさ、愛してるに変えてみせるよ♪」ニッ
 
620: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:27:39.68 ID:lTPGS6M3
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
621: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:36:47.02 ID:lTPGS6M3
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ぁ」パチリ

ミア「Hey. どうだった? ボクの気持ち、ちゃんと伝わった?」

あなた「えっと……/// あはは……///」

ミア「huh? なんだいその反応は? もしかして伝わらなかった?」

あなた「うーん……/// 私の事、少しは認めてくれたってことでいいのかな?」アハハ

ミア「んーまあ、そうだね。まだまだベイビーちゃんだけど、ボクも少しは認めてるって事がちゃんと伝わったみたいだね♪」

あなた「……ちなみに一応聞くんだけどさ?///」

ミア「?」

あなた「私と、人生のパートナーになりたい……とかは伝えようとしてないよね?///」

ミア「………」

ミア「What's!!? なにふざけたこと言ってんのさっ!!///」カァァァァァ
 
622: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:42:43.54 ID:lTPGS6M3
あなた「あはは……だよねぇ…///」

ミア「それは……まだ伝えるのは早いよ……///」ボソッ

あなた「ありがとうねミアちゃん!」

ミア「え?」

あなた「私、これからもまだまだ頑張るっ! ミアちゃんにも本格的に認めてもらえるような、相棒って呼ばれるくらいの人に絶対なってみせるからさ♪」ニコッ

ミア「……そういうところっ!!///」

あなた「え?」

ミア「だからキミはまだまだベイビーちゃんなんだよ……///」
 
623: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 02:51:48.63 ID:lTPGS6M3
── 次の日

あなた「璃奈ちゃーん……あれ? まだ来てない?」

ランジュ「遅かったじゃない! 待ちくたびれたわ!」

あなた「え、ランジュちゃん?」

ランジュ「ミアから聞いたわよ! なんだかとってもエキサイティングな事をしてるって!」

ランジュ「アナタだけ楽しんでるなんてズルいわ!!」

ランジュ「ランジュにもその、キョクセカイ?とやらに連れて行きなさい!」

ランジュ「きゃあっ♪ そこでは、色んなニジガクのメンバーと出会えるんでしょ? ワクワクするわ~♪」

あなた「え、えっと……多分ランジュちゃんは、ほかの子の曲世界には行けないと思う、よ?」

ランジュ「えぇ~~~!? なんでよ~~!! アナタは良くてランジュがダメだなんて不公平だわ!!」

あなた「え、えっと……色々訳があってね? かくかくしかじかで───」
 
625: (もんじゃ) 2021/10/31(日) 03:01:27.49 ID:lTPGS6M3
ランジュ「───なるほど、つまり曲作りに大きく関わったアナタと当事者の二人しかその世界には入れないってこと?」

あなた「うん、前にそんなことを聞いたから」

ランジュ「じゃあやっぱりランジュはみんなの世界に行けないってことじゃない!! ズルい、ズルいわ~~!!」ポカポカ

あなた「あはは……えっと、ごめんね?」

ランジュ「じゃあいいわ! それなら当然、ランジュの曲世界にも行くんでしょ?」

あなた「うん、今日はそのつもりで来たんだ。ちなみに、ランジュちゃんで最後だよ?」

ランジュ「きゃあっ♪ トリにランジュを選ぶなんて、わかってるじゃない♪」

ランジュ「行けないのは残念だけど、このランジュの曲世界を体験するんだから」

ランジュ「このランジュのが一番良かったって、アナタに言わせてみせるわ♪」

あなた「うん! 楽しみにしてる!」

ランジュ「そうと決まれば早速行ってもらいましょ♪ このボタンを押せばいいの?」

あなた「うん! お願い!」


── ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
643: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 22:53:40.69 ID:SIgRWL+w
── Now Loading……

……
…………
………………

── Load Complete!!


────『夜明珠』START ────
 
644: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 22:57:49.88 ID:SIgRWL+w
あなた「うん……ここは……?」

あなた(見慣れない部屋……)キョロキョロ

あなた「うわぁ……! 煌びやかな装飾が施された内装!」

あなた(昔見た中国ドラマに出てくるみたいな……ランジュちゃんの曲世界だし、もしかしてここは中国の宮廷だったりするのかな?)

── ガチャ!!

ランジュ「いるわね!! 今日こそアナタをこのランジュが支配してみせるわ!!」

あなた「ランジュちゃん! うわーー綺麗っ!! その衣装、すっごく似合ってるよ〜!!」

あなた(まさに、皇后って感じのランジュちゃんにぴったりな絢爛中華衣装! それに、あの胸元に装飾された真珠は……)

ランジュ「ふふっ♪ このランジュなのよ? 似合わない服なんてないわ♪」

ランジュ「って、じゃなくてっ! 今日こそアナタを支配するわ!!」

あなた「支配……?」
 
645: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 23:05:00.98 ID:SIgRWL+w
ランジュ「そうよ、今度こそ!」スッ

ランジュ「──ランジュに支配されなさい…♪」フワッ

あなた(ランジュちゃんの胸元に装飾された真珠が青、いや翡翠色?に光って……)

あなた「綺麗……」

ランジュ「ふふっ♪ さあ、今すぐ跪きなさい!」ニコッ

あなた「え、えっと……跪く?」

ランジュ「アイヤー! なんで今日もダメなのぉ……」

ランジュ「もうっ! なんでアナタにはランジュの力が効かないのよ!!」

あなた「えっと、力って……?」
 
646: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 23:14:46.29 ID:SIgRWL+w
ランジュ「……わざと言ってるの? このランジュの特別な力……」

ランジュ「夜明珠の光を見たものはみんなランジュに支配されるのに……!」

あなた(夜明珠……! やっぱりあの真珠は夜明珠なんだ!)

あなた(本物を見るのは初めてだなぁ……)ジーー

ランジュ「うぅ〜〜!! ジロジロ見て! バカにしてるんでしょ!!」プンプン

あなた「え、いやそんなつもりじゃ……」

あなた「綺麗だなって。その夜明珠も、ランジュちゃんも!」ニコッ

ランジュ「くぅぅぅ〜〜!/// もう!! 絶対バカにしてるでしょ〜〜!!///」꜆꜄꜆ ポカポカポカ

あなた「いや、だからそんなつもりじゃ…」

ランジュ「今に見てなさい!! このランジュが、アナタを絶対に支配してみせるんだから!!」ビシッ!
 
648: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 23:22:16.43 ID:SIgRWL+w
ランジュ「ほら、行くわよ!!」グイッ

あなた「わわっ行くってどこに?」

ランジュ「今日はアナタをランジュのティーパーティーに招待するわ♪」

ランジュ「きゃあっ♪ このランジュお気に入りの茶葉で、きっとアナタはランジュに支配されちゃうわ♪」

ランジュ「あ、逃げようとしたって無駄よ?」

ランジュ「この宮廷にはランジュのシモべがたっくさん居るんだから♪」

ランジュ「アナタはこのランジュが支配するまで、絶対にこの後宮から返さないんだから!!」ニコッ
 
649: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 23:33:30.37 ID:SIgRWL+w
・・・・・

あなた「うーん! いい香り〜♪」

ランジュ「そうなのそうなの♪ このお茶は味も香りも最高なのよ!」

使用人「今お注ぎ致します」

ランジュ「あ! アナタのお茶はランジュが注ぐわ! お茶は淹れたてが一番なのよ♪」

使用人「ランジュ様っ! 素手で茶器を触っては…!」

ランジュ「あっちゅっ!!? アイヤーーー!」

ランジュ「フーー…! フーー…!」パタパタ

使用人「今すぐ氷をお持ちします!!」ダッ!

あなた「ランジュちゃん大丈夫!?」

ランジュ「あぅ〜〜! このランジュに手を負わせるなんて……」

使用人「ランジュ様、お茶は私がお注ぎしますので、無理はなさらないでください……」スッ(手を冷やし

ランジュ「うぅ……だって……」

ランジュ「ランジュが注いであげたら、アナタも喜ぶと思ったんだもん……」シュン

あなた「ランジュちゃん……!」
 
653: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 23:44:02.09 ID:SIgRWL+w
使用人「……ランジュ様、今度お茶の注ぎ方をお教えさせてください」

ランジュ「謝謝……貴方が淹れてくれるお茶、ランジュ大好きよ……」

使用人「勿体ないお言葉ですランジュ様…♪ 今度は気をつけましょうね」

ランジュ「ええもちろんよっ!」パァァ

ランジュ「今日は上手くいかなかったけど! 次は絶対にランジュの淹れたお茶を飲んでもらうわ!!」

ランジュ「その時は、アナタは絶対にランジュに支配されちゃうんだから!!」

ランジュ「覚悟してなさい!!」ニコッ

あなた「……うん♪ 楽しみにしてる♪」
 
655: (もんじゃ) 2021/11/02(火) 23:52:43.64 ID:SIgRWL+w
・・・・・・・

側近「皇帝様、そろそろお時間です」

ランジュ「……もうそんな時間? しょうがないわ……」

あなた(皇帝……? ランジュちゃん、女王様なんだ……)

ランジュ「ティーパーティーはここまでよ。明日こそ、このランジュがアナタを支配してみせるんだから!」

ランジュ「逃げたりするんじゃないわよ!!」ビシッ!

あなた「別に逃げたりはしないよ」アハハ…

ランジュ「まあそうよね! アナタはランジュの事が大好きだものね!」ニコッ

ランジュ「はぁ……それなのになんで支配されないのかしら……」

あなた(支配……ランジュちゃんの言う支配って、なんの事なんだろう……?)
 
656: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 00:02:46.49 ID:fdKMtLKH
下僕「皇帝っ!! 大変です!!!」

ランジュ「なに? そんなに慌てて……」

下僕「敵襲っ!! 敵襲ですっ!! 宮廷前にて大勢の兵士がっ!! 今、警備兵と交戦中です!!!」

ランジュ「なんですって!?」

ランジュ「すぐに行くわっ!! アナタは部屋に戻ってなさい!」

あなた「え、でもランジュちゃん大丈夫なの……?」

ランジュ「無問題ラ♪」

ランジュ「だって、ランジュは特別だから♪」
 
657: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 00:16:43.55 ID:fdKMtLKH
・・・・・

あなた(部屋に戻っててって言われたけど……やっぱり気になるよ!)

あなた(ここの高い位置の窓からなら、よく見えるかな?)ヒョイ

敵兵「……」ゾロゾロゾロ

あなた(うわぁ……あんなに多くの兵士が……)

あなた(あんな多くの兵士、ランジュちゃんはどうするんだろう……)


── 宮廷前

警備兵・敵兵「ワァーー!!」(交戦中


ランジュ「やめなさいっ!!!」


警備兵・敵兵「!!」

ランジュ「我が名は鐘嵐珠。この宮廷の主にして、皇帝。この国の支配者よ!!」

ランジュ「なんでこの国を襲うのかは知らないけど、そんなの興味無いわ」

ランジュ「ただ、このランジュの前では争うことは許さない」

ランジュ「敵兵に告げるわ、すべてをランジュに委ねちゃいなさい」

ランジュ「──支配してあげるわ!!」フワッ

あなた(ランジュちゃんの夜明珠がまた光って……!)
 
658: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 00:23:45.60 ID:fdKMtLKH
敵兵「!!!」

ランジュ「跪きなさい!!」

敵兵「ッ!!」ザッ!!(一斉に跪く

ランジュ「ふふっ♪ これで貴方たちも、みんなランジュのシモべね♪」

ランジュ「シモべになったからには歓迎するわ♪ みんなランジュについてきなさい!!」ニコッ

あなた(すごい……! あんな数の敵兵が一瞬で……)

あなた(あれが、ランジュちゃんの言う支配……特別な力?)
 
659: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 00:32:19.87 ID:fdKMtLKH
── 寝室

あなた(お昼のランジュちゃん、かっこよかったなぁ……!)

あなた(一瞬で敵兵を服従させる姿は、まさに皇帝って感じだったよ!!)

あなた(でも、あの力……私には効かないって言ってたけど、どうしてなんだろう……?)

── ガチャ

ランジュ「あら? まだ寝てなかったのね?」

ランジュ「ちょうどいいわっ! 一緒に寝ましょう♪」

あなた「え?」


・・・

ランジュ「……♪」ギュウ~♪(添い寝

あなた「えっと……///」

あなた「ランジュちゃん?///」

ランジュ「なに? あっ! 支配される気になった!?」

あなた「いや、そうじゃなくて、どうしてわざわざここで寝るの?」

ランジュ「? ここはランジュの宮廷よ? どこで寝たって無問題ラ?」
 
660: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 00:42:10.26 ID:fdKMtLKH
あなた「そうだけど、わざわざ一つのベッドで寝る必要は……///」

ランジュ「ベッドが狭いの? それなら明日にでも新しいベッドに変えるわ!!」ニコッ

あなた「あはは、そういうことじゃないんだけどな……///」

あなた「……ねえランジュちゃん?」

ランジュ「なに?」

あなた「支配するって、どういう事なの?」

ランジュ「きゃあっ♪ アナタも支配されることに興味を持ったのっ!?」

ランジュ「ランジュに支配されたいならいつでも大歓迎よっ!!」ニコッ

あなた「あ、いやそうじゃなくて……」アハハ

ランジュ「なによう……違うのぉ……?」

あなた「えっと、ランジュちゃんのその支配する力について、どういう事なのか知りたくて」

ランジュ「きゃあっ♪ つまり、ランジュに興味があるって事ね! いいわよ! アナタには教えてあげるわ♪」
 
661: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 00:55:18.49 ID:fdKMtLKH
ランジュ「この力は、ランジュが生まれながらに持つ特別な力……」

ランジュ「この夜明珠の放つ光を見た者全て、ランジュが支配する力よ!!」

あなた「支配……それで、お昼の敵兵さんたちも大人しくなったの?」

ランジュ「そうよ! このランジュにしか成せない、特別な力なんだから♪」

あなた「支配された人は、どうなっちゃうの?」

ランジュ「このランジュの言うことは絶対! どんな命令でも従う従順なシモべになるの!」

あなた(凄い力……どんな命令でもって……)
 
662: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 01:03:25.64 ID:fdKMtLKH
ランジュ「でも、支配された人にもメリットがあるわ!」

あなた「メリット?」

ランジュ「そう。このランジュの事が大好きになるの!!」ニコッ

ランジュ「このランジュを愛して、精一杯尽くす事。それに幸福を感じられるようになるわ♪」

ランジュ「もちろん、ランジュは主としてシモべに平等に命令を下すわ!」

ランジュ「争いも何も起こらない、ランジュはみんなに愛されて、ランジュもそれに応える。みんなが幸せになれる」

ランジュ「これがランジュの作りたい最高の世界よ♪」

あなた「なるほど……」

あなた(それが、この曲世界のランジュちゃんが成し遂げたい世界平和って感じなのかな?)

あなた(かなりわがままで、無茶苦茶なこと言ってるけど、みんなが幸せになれる……ランジュちゃんらしいな♪)
 
663: (もんじゃ) 2021/11/03(水) 01:12:28.96 ID:fdKMtLKH
ランジュ「その為には、支配されない人がいるなんてことは絶対にあっちゃいけないのよ!!」

あなた「それでランジュちゃんは私に……」

ランジュ「でも無問題ラ! すぐにアナタは、ランジュに支配されるわ♪」

ランジュ「夜明珠の力なんて、ランジュの力のひとつにすぎないもの!」

ランジュ「ランジュは特別だもの♪ 今はダメでも、必ず、アナタを支配してみせるわ!」ニコッ

ランジュ「ほらほら~~早くランジュに支配されなさい~~!!」ギュギュウ~♪

あなた「わわっそんな事言われても~~……///」

ランジュ「アイヤー……やっぱりダメなのね……」

ランジュ「でも! こんな事でランジュは諦めないわ!!」

ランジュ「今日がダメなら、明日も! 明日もダメなら明後日も!!」

ランジュ「ランジュのこと、ちゃんと見てなさいっ♪」ニコッ
 
671: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 22:26:56.20 ID:GWEsln2P
── 次の日

ランジュ「さあ、今日こそアナタを支配してあげるわ!!」

あなた「ランジュちゃん、今日は何するの?」

ランジュ「ふふっ♪ アナタ、お腹すいてるでしょ?」

あなた「お腹? うーん……」

ランジュ「お腹すいてるでしょ~~~?」ニコニコ

あなた「あはは……確かにそろそろお昼だもんね」

ランジュ「!」パァァァァ

ランジュ「そうでしょそうでしょ♪ ふふっ♪ 今日はこのランジュが、アナタのためにお昼を用意したわ!!」

あなた「ランジュちゃんが……それってもしかして手作りっ!?」

ランジュ「そうよ、このランジュの手作り料理。光栄に思いなさい♪」

あなた「うわぁ〜!! 嬉しいっ!! ランジュちゃんの手料理、楽しみだなぁ〜♪」
 
672: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 22:33:40.79 ID:GWEsln2P
ランジュ「うふふふ♪ さあ、いくらでも食べなさい!」


肉だったなにか「」バァーーン!!


あなた「こ、これは……?」

ランジュ「ランジュの大好物のステーキよ!!」

あなた「……真っ黒だけど……?」

ランジュ「それはよく火を通してるからよ♪ お肉はたくさん火を通すのがいいって聞いたわ!!」

ランジュ「ベリーウェルダンって奴ね!!」

あなた(ウェルダンというか、これはもう炭になってるような……)コンコン

ランジュ「さあ、思う存分食べるがいいわ!!」

あなた「……えっと」

ランジュ「……」ニコニコ

あなた「………」

ランジュ「……?」キョトン

あなた「……いただきます」
 
673: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 22:46:00.39 ID:GWEsln2P
あなた「っ……」バリバリ

あなた(うん、炭だこれ!)

あなた(焼肉屋さんで焼きすぎて炭になった肉を塊にして食べてる感じだよ……)ボリボリ

ランジュ「どう? 美味しい? 美味しいに決まってるわよね!」ニコニコ

あなた「あ、あはは……」

ランジュ「そう! 言葉に表せないくらい美味しかったのね!!」パァァァァ

ランジュ「アナタだけ食べるなんてズルいわ!! ランジュも!! あーむ……」バリッ

あなた「あっ……」

ランジュ「アイヤーーー!!!? 何よコレ〜〜〜!!?」

ランジュ「うぇぇぇ……苦い、苦いわぁ……」

あなた「ランジュちゃんっ! ほら、お茶……」

ランジュ「謝謝……ゴクゴク……」

ランジュ「うぅぅ……なんでアナタは平気なの? はっ!! もしかして、ランジュの舌がおかしいの?」

ランジュ「それならもう一度食べて……」アー

あなた「うわぁっ!! ランジュちゃんごめんっ!!」

あなた「私もはっきりと言えなかっただけだから~~!!」
 
675: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 23:03:15.22 ID:GWEsln2P
ランジュ「うぅ……また失敗しちゃったわ……」

ランジュ「ステーキは焼き過ぎたらダメなのね……」

あなた「ステーキに限った話ではないと思うけどね?」アハハ

ランジュ「ドゥイブチー(ごめんなさい)……すぐ料理人に新しく用意させるわ……」シュン

あなた「………」

あなた「あむっ……」バリボリ

ランジュ「ええぇ!? なんでまだ食べるのっ!!?」

あなた「……ボリボリ、ゴクン……食べられないほどじゃないよ? 味はともかくさ、折角ランジュちゃんが私のために作ってくれたんだもん」

あなた「それにランジュちゃんの手……」

ランジュ「え?」

あなた「そんなに傷だらけになって……そんな姿みせられたら、残せるわけないよ♪」ニコッ

あなた「だからこれは私が残さず食べる!」

ランジュ「……もう/// アナタって本当にランジュの事が、大好きでしょうがないのね♪」

あなた「うん!」ニコッ
 
676: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 23:15:58.81 ID:GWEsln2P
・・・・・・・・・

ランジュ「アナタ、ランジュのことは好き?」

あなた「え? 勿論ランジュちゃんの事は大好きだよっ!」ニコッ

ランジュ「きゃあっ♪ それなら、アナタはランジュに恋してるの!?」

あなた「え? うーん……恋、とは違うかなぁ?」

ランジュ「むーー……なるほど分かったわ!!」

ランジュ「アナタはランジュに恋してないから支配されないのね!!」

あなた「そうなの?」

ランジュ「そうに決まってるわ!! この本にそう書いてあったもの!」

ランジュ「だからアナタ、ランジュに恋しなさい!!」ビシッ!

あなた「えぇっと……そう言われても……」アハハ

ランジュ「無問題ラ! 直ぐにアナタはランジュに恋をするわ!」

ランジュ「まずは……」

── ギュッ♪(腕絡ませ

ランジュ「本にはこう書いてあったわ! こうやって、腕を絡ませてるとドキドキするって!」

ランジュ「どう? ドキドキしてる?」ギュッ♪

あなた「……あ、うん…///」

あなた(こんな至近距離でそんなこと言われたら、ドキドキしちゃうよ……///)
 
677: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 23:26:57.12 ID:GWEsln2P
ランジュ「きゃあっ♪ 成功ね!」

ランジュ「それじゃあ、次は……」

ランジュ「我也喜欢你♡(私もあなたが好き♡)」ミミモトササヤキ

あなた「……っ!///」ドキッ

ランジュ「ふふっ♪ こうやって、近くで好きって言い合うのも効果的らしいわ♪」

ランジュ「ほらっ! アナタもランジュに好きって言いなさい!!」ニコッ

あなた「えっと……/// 好きだよ、ランジュちゃん?」

ランジュ「ランジュのどこが好きなの?」ニコニコ

あなた「……ランジュちゃんのね、最高の場所に連れて行くわ。だからどこまでも付いてきなさい!って風に振る舞う姿かな」

あなた「ずっとついて行くよ~~!って気持ちになっちゃうんだ♪」

ランジュ「……」

ランジュ「~~~っ!!///」

── ギュッ♡‬(抱きしめ

あなた「ランジュちゃん?」

ランジュ「ふふっ♪ ランジュもアナタの事、大好きよ♪」ギュゥ~♡‬
 
679: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 23:37:18.17 ID:GWEsln2P
あなた「ランジュちゃん……嬉しいけど、ちょっと苦しいよぉ……///」

ランジュ「こうやって抱きしめるのもいいって書いてあったわ!!」ギュギュゥ~♡‬

ランジュ「それにこれ、ランジュ好きだわ~♪ アナタの温もりを感じられて…♪」ムギュギュ~~♡‬

あなた「ら、ランジュちゃん~…///」

あなた(ランジュちゃんの体格から放たれるパワフルな包容力…! これはやばい…///)ドキドキ

ランジュ「……んふっ♪ アナタのドキドキしてる音が聞こえるわ♪ さっきよりも早くって……」

あなた「うぅ…///」

ランジュ「……今ならいける気がする!!」

あなた「え?///」

ランジュ「──ランジュに、支配されなさい…♪」フワッ

あなた「ぁ……」
 
680: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 23:42:41.27 ID:GWEsln2P
あなた「………」

ランジュ「……どう? ついにランジュに支配された?」

あなた「うーん……多分されてはいない、かな?」

ランジュ「ウェイシェンマー(どうしてよ)……これでもダメなの……?」

あなた(……全てを支配する、ランジュちゃんの特別な力……どうして私には効かないんだろう……?)
 
681: (もんじゃ) 2021/11/04(木) 23:55:31.34 ID:GWEsln2P
── 夜、寝室

ランジュ「……♪」ギュウ~♪(添い寝

あなた「えっと……///」

あなた「ランジュちゃん?///」

ランジュ「なに? あっ! 支配されそう!?」

あなた「いや、そうじゃなくて、どうしてまた一緒に寝てるの?///」

ランジュ「アナタがランジュに支配されるまで、毎日毎晩いつでもどんな時でも、ランジュはアナタと一緒に寝るわ♪」ニコニコ

あなた「……それって、支配されちゃったらもう一緒に寝てくれないってこと?」

ランジュ「ラ? そうね……アナタが支配されたら、今度はアナタの方からランジュに一緒に寝て欲しいって言ってくるに違いないわ!!」

ランジュ「きゃあっ♪ そっちのほうが素敵ね!! ランジュの部屋の大きなベッドで一緒に寝ましょう♪」

あなた「あはは……結局一緒に寝るんだね♪」
 
682: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 00:11:16.54 ID:h1SCG9AV
あなた「うーん、それなら別に、支配されなくてもされなくても変わらないんじゃ……?」

ランジュ「ダメよ、ランジュはどんな人であろうと、全てを支配して完璧な世界を作り上げるんだから!」

ランジュ「その夢を叶えるためには、何があっても支配されない人がいちゃいけないのよ……」

あなた「そっか……」

あなた「私は、ランジュちゃんに支配されてもいいって思ってるよ?」

あなた「正直、なんでランジュちゃんの力が効かないのかも私にはわからないし……」

あなた「だから、ランジュちゃんが私を支配したいって言うなら応援する! 私にランジュちゃんの夢を一緒に叶えさせてよ!」ニコッ

ランジュ「………」

ランジュ「アナタって、欲がないの?」

あなた「え、欲……? うーん……そんなことないと思うけど……」
 
683: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 00:29:06.65 ID:h1SCG9AV
ランジュ「じゃあ、アナタの望みを教えて頂戴!」

あなた「望み……うーん……ランジュちゃん夢を応援したい?」

ランジュ「それはランジュの望みよ、もっとアナタ自身が得するような願いはないの?」

あなた「私自身が得する……うーん……そういうのは考えたことなかったなぁ……」

ランジュ「……なんでアナタがランジュに支配されないのかわかったわ」

あなた「え?」

ランジュ「アナタは、私欲が無いのよ」

ランジュ「いつだって、他人の事を考えてる。他人の幸せが、自分の幸せに感じてるから自分自身の望みに気づかない……」

ランジュ「ランジュの支配する力には、このランジュを愛して、精一杯尽くす事。それに幸福を感じられるようになる効果がある」

ランジュ「つまり人の欲を支配する力とも考えられるわ」

あなた「なるほど……それで私欲の私には効果がないってこと?」
 
684: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 00:34:40.60 ID:h1SCG9AV
ランジュ「私欲が無いって、もしかしたらとってもいい事かもしれないわ」

ランジュ「……でも、きっとそれじゃあアナタが自分勝手に強く望めば叶うはずだった望みは叶わない……」

あなた(私が望めば叶うはずだった望み……)

ランジュ「だからアナタはもっとワガママになるべきだわ!!」

あなた「ワガママ、かぁ……」

ランジュ「ランジュも人のことばっかり気にするワガママとは遠い存在だけど、それでも私欲はあるわ!!」

あなた「え?」

ランジュ「ラ?」

あなた(ランジュちゃんのワガママは、完全に無自覚なんだね……)アハハ

ランジュ「だからアナタもランジュを見習って、もう少しワガママになるべきだわ!!」

ランジュ「そうすれば、きっとアナタもランジュに支配されるはずよ!!」ニコッ
 
685: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 00:52:02.23 ID:h1SCG9AV
・・・・・・・・・・・・

あなた(うーん……わがまま、わがままかぁ……)

あなた(私欲って考えると全然思いつかないなぁ……)

あなた(というか、私がわがままになるのも、ランジュちゃんの夢のためだから、そもそもこれ自体が私欲じゃないのでは?)

あなた(うーん……考えれば考えるほど分からなくなる……)

ランジュ「さあ、アナタのワガママを教えなさい! ランジュが叶えてあげるわ♪」

あなた「あはは……それが全然思いつかなくて……」

ランジュ「はぁ筋金入りね……そうだわ!」

ランジュ「アナタ、ランジュのこと好きでしょ?」

あなた「うん、大好きだよ!」ニコッ

ランジュ「じゃあ、ランジュにして欲しいことを言ってみなさい♪」

あなた「え、ランジュちゃんに……」

あなた「……一緒に居いて欲しい?」

ランジュ「もう一緒にいるわ?」

あなた「……おしゃべりして欲しい?」

ランジュ「それじゃあいつもと変わらないわ?」

あなた「………」
 
686: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 01:04:04.85 ID:h1SCG9AV
・・・・・・・・・・・・

あなた「はぁ……結局昨日は普通に過ごしただけだったし……」

あなた「わがままって難しいなぁ……」

あなた(ランジュちゃん、今日は来ないなぁ……忙しいのかな?)

あなた(ううん、わがままに! 探しに行こう!)トコトコ

あなた「あ、使用人さん!」

使用人「どうかされましたか?」

あなた「ランジュちゃん、今日はどこにいるか知りませんか?」

使用人「ランジュ様なら、本日は書物室で調べ物をしていますよ」

あなた「書物室……分かりました、ありがとうございます!」

使用人「あの……」

あなた「?」

使用人「ありがとうございます」

あなた「え、何がですか?」

使用人「ランジュ様の事です」

使用人「あなたと出会ってランジュ様、とても変わったのですよ」

あなた「変わった?」
 
687: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 01:37:32.36 ID:h1SCG9AV
使用人「はい。以前は常に完璧を目指し、他人のことは気にせずに巻き込み、完璧を求め支配を続ける姿はまさに自由奔放……その力は凄まじく、やがて皇帝にまで上り詰めましたが……」

使用人「それでもランジュ様はいつもどこか寂しげで、満たされないような顔をしていて……」

使用人「ですが、支配されないあなたと出会ってから変わったのです」

使用人「支配されなくても、完璧を崩されても尚ランジュ様を受け入れるあなたを見て、ランジュ様は少しずつ、少しずつ完璧ではない姿も見せるようになりました」

使用人「それから、私たち下婢にも完璧を求めなくなりました。完璧でなくとも、その人の長所を褒め……きっとランジュ様なりの愛なのでしょう」

使用人「もしかしたらランジュ様は、本当は支配したいのではなく、不器用でもわがままでも、全てを見て、受け入れて、愛して欲しいのかも知れません」

使用人「だから、これからもランジュ様の事をよろしくお願いします♪」

あなた「……はい♪」
 
688: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 01:44:52.84 ID:h1SCG9AV
── 書物室

あなた「ランジュちゃーん?」

あなた「……?」キョロキョロ

あなた「あ、ランジュちゃ…」

あなた「っ!」つクチフサギ

ランジュ「すぅ……すぅ……zzz」

あなた(……寝ちゃってたか♪)

あなた(ランジュちゃん、起きてる時はパワフルでいつも振り回されちゃうけど、こうして寝てる姿も大人しくてかわいいなぁ……♪)ジーー

あなた「……♪」ナデナデ

ランジュ「……んふっ♪」

あなた「っ!」ビクッ!

ランジュ「……アナタは……絶対にランジュのものよ……zzz」ムニャムニャ

あなた「……ふふっ♪ 寝言か♪」
 
690: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 01:52:08.72 ID:h1SCG9AV
あなた(ランジュちゃん、本なんて何読んでたんだろう?)

あなた(なになに……『あの子を支配したらしたことまとめ』?)

あなた(これって、ランジュちゃんが私としたいこと……)

あなた(………)ペラペラ

あなた(ランジュちゃん……)

ランジュ「うーん……このランジュが……絶対にしはい……zzz」スースー

あなた「………」
 
691: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 01:57:22.16 ID:h1SCG9AV
・・・・・・・・・・・・・・・

ランジュ「今日こそアナタを支配するわよ!!」

ランジュ「ふふっ♪ 今日はアナタに…」

あなた「ランジュちゃん」

ランジュ「ラ?」キョトン

あなた「私、ランジュちゃんに支配されちゃったかも♪」

ランジュ「……? シハイ? 誰に?」

あなた「ランジュちゃんに」

ランジュ「………」

ランジュ「え? えぇぇーー!!!?」

ランジュ「ほ、本当にっ!? 本当にランジュに支配されちゃったの!!?」

ランジュ「じゃ、じゃあじゃあ! 今すぐ! そこに跪きなさい!!」

あなた「……」スッ(跪く

ランジュ「ブーフェイバー(ありえないわ)!!!」

ランジュ「本当の本当についに!! このランジュに支配されちゃったのね!!」

ランジュ「え、どうしてっ!? いや、ランジュのアドバイスが効いたのね!! きっとそうだわ!!」

ランジュ「きゃあっ♪ それじゃあ、えっと……何しようかしら!! そうだ!! ランジュと一緒に縄跳びで遊びましょ!!」

あなた(……なんで縄跳びなんだろう)アハハ

ランジュ「ほら、もっと近くによらないと一緒に飛べないわよ!」ニコニコ

あなた(……でも、ランジュちゃんがこんなに喜ぶ姿が見れたし、いいかな♪)
 
692: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 02:11:42.79 ID:h1SCG9AV
・・・・・

ランジュ「今日はアナタを支配したらしたかった事をたっくさんするわ!!」

ランジュ「まずはあれに……あとそれとこれも!! あ、こうすればもっとたくさんできるわ!!」

あなた(え、そんなに……? うーん……頑張れ私の体!! ランジュちゃんの笑顔の為に!!)

ランジュ「……あ、でもせっかく支配したんだもの! 支配されてなきゃ出来ないことを今日はしたいわ!」

ランジュ「……だから♡」

ランジュ「このランジュに、キスしなさい♡」ニコッ

あなた「えっ!?///」

ランジュ「もちろん、唇によ?」

あなた「……///」

ランジュ「あら? 出来ないの? そんなわけないわよね、だってアナタはもう、ランジュに支配されてるんだから♡‬」
 
693: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 02:25:10.45 ID:h1SCG9AV
あなた(……やるしかないよね)

あなた「……///」ジリジリ

ランジュ「……///」(目を閉じる

あなた「……///」ドキドキ

ランジュ「や、やっぱりナシ…!///」

あなた「え?///」

ランジュ「考えてみたらおかしいわ!!/// 支配してるのはランジュの方なのに唇を奪われるなんて……///」

ランジュ「だから、アナタが目を閉じなさい!///」

ランジュ「……このランジュが、シモべにご褒美を与えてあげるわ♡‬」
 
694: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 02:31:54.58 ID:h1SCG9AV
あなた「……///」(目を閉じる

ランジュ「……すぅ……はぁ……///」ドキドキ

ランジュ「………///」ドキドキ

あなた「……///」ドキドキ

ランジュ「っ……」

あなた「……?」

ランジュ「……違うわ、やっぱりランジュは……」

あなた「え?」

ランジュ「今日はもうランジュ寝るわ!!」

ランジュ「アナタは部屋に戻ってなさい!! これは命令よ!!」ビシッ!

ランジュ「ランジュはもう行くから!!」ダッ!!

あなた「ぁ……」

あなた「ランジュちゃん……」
 
695: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 02:47:02.49 ID:h1SCG9AV
── ランジュの部屋

ランジュ「……はぁ」

あなた「ランジュちゃん♪」

ランジュ「っ!? な、なんでアナタここにいるのっ!?」

ランジュ「部屋に戻ってなさいって命令したはずよ!!」

あなた「うん、部屋には戻ったよ。そして、次はランジュちゃんと一緒に寝たいから来ちゃった♪」

ランジュ「……ごめんなさい、今は一緒に寝たい気分じゃないの」

ランジュ「今日はもう自分の部屋にいなさい」

あなた「………」

ランジュ「? どうしたの? ランジュの命令は絶対よ?」

あなた「ごめんねランジュちゃん……その命令は聞けない……」

ランジュ「っ!!?」

ランジュ「アナタ……本当は支配されてなかったのね!?」

ランジュ「だ、騙したのねっ!! このランジュを……」

あなた「騙すつもりはなかったんだよ? ランジュちゃんに支配されたのは本当」

ランジュ「? 支配されてないから命令が聞けないんでしょ?」

あなた「私は、ランジュちゃんの特別な力に支配されたんじゃなくて、ランジュちゃん自身に支配されたんだよ?」

ランジュ「え……?」
 
696: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 03:51:19.36 ID:h1SCG9AV
あなた「特別な力なんて必要ない。私はランジュちゃんが全てを支配する夢を追う姿とか、でも本当は支配したいんじゃなくて、大好きなみんなとずっと一緒にいたいって思ってる所とか」

あなた「そういう、特別じゃないランジュちゃんも大好きで、心を奪われちゃったの♪」

ランジュ「……!」

ランジュ「じゃあ、ランジュは本当にアナタを支配したのね……♪」

あなた「うん♪」

ランジュ「……ランジュね、完璧である事が、みんなから一番好かれることだと思ってた」

ランジュ「でも、あなたに出会って完璧じゃなくなった……それでも、あなたもみんなもランジュを受け入れてくれた……」

ランジュ「それが嬉しかった……みんなと過ごす時間は楽しかった!!」

ランジュ「でも、それでランジュは満足しないの!! 絶対にアナタを支配したかったし、世界を支配する夢も追い続ける」

ランジュ「完璧であり続けることだって!!」

ランジュ「ランジュ、かなりワガママなのかも……」

ランジュ「ねえ、それでもランジュの事が好きでいてくれる?」

あなた「もちろん♪」

あなた「ランジュちゃんがわがまま言うなら、これは私のわがまま!」

あなた「私、どんなランジュちゃんでも、ランジュちゃんが否定しても、ずっとずっと大好きで居続けたい♪」ニコッ

ランジュ「っ!///」

ランジュ「〜〜〜〜///」

ランジュ「それなら、支配されたアナタに命令よ!」

ランジュ「目を閉じなさい♡」

あなた「……うん♪」

ランジュ「……んっ///」ンチュ

あなた「っ!///」

ランジュ「……私も大好き♡────」
 
697: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 03:51:33.97 ID:h1SCG9AV
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
── 著しい感情の昂りを検知、強制終了します……
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
698: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 03:57:20.26 ID:h1SCG9AV
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ぅん」パチリ

ランジュ「あっ!! やっと起きたわね!」

ランジュ「ねえ、ランジュのキョクセカイはどうだった? ランジュにお話聞かせなさい!」ユサユサ

璃奈「ランジュさん、起きたばっかりだから少し安静にしてあげなきゃ……」

ランジュ「あっ、そうね! ランジュ少し待つわ!!」

あなた「あはは、私は大丈夫だよ?」

璃奈「お疲れ様、これで全員分のデータが取れた。璃奈ちゃんボード『感謝!』」

ランジュ「ねえねえ! ランジュのキョクセカイはどうだった!?」

ランジュ「当然、ランジュのキョクセカイが一番だったでしょ?」

あなた「うん!!って言いたいけど……私にとってはみんなが一番だからなぁ……決められないよ!」

ランジュ「むぅ……アナタって相変わらずそういう所あるわよね……」

ランジュ「でも分かるわ! ランジュもニジガクの誰が一番かなんて決められないもの!!」

ランジュ「はぁ……そんなにマーベラスな体験をランジュもしたかったわぁ……」

ランジュ「ねえ! 聞かせなさい! みんなのキョクセカイの話について!!」

璃奈「私も聞きたい」

あなた「うん! 私も話したい!! みんなの曲世界での活躍!」
 
699: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 04:08:02.79 ID:h1SCG9AV
・・・・・・・・・

あなた「それで、ランジュちゃんは特別な力であっという間にみんなを支配しちゃってね!」

ランジュ「流石ランジュだわ!! キョクセカイでも特別なのね♪」

璃奈「特別な力……興味深い」

あなた「あっ特別な力と言えばね、彼方さんも曲世界に存在するアヤカシの炎を操る特殊な力を持っててね!」

ランジュ「特殊な力を使うくノ一彼方!! いつもと雰囲気が違って、絶対かっこいいに決まってるわ〜〜〜!!」

あなた「そうなの!! かっこいい彼方さんはね、みんなの笑顔を守るために強大なアヤカシと戦うんだ!!」

ランジュ「なにそれなにそれ!! カッコよすぎるわ彼方〜〜〜!!!」

ランジュ「それで、彼方は勝ったの!?」

あなた「……うん、彼方さんは一人で……ううん、遥ちゃんと一緒に勝利を勝ち取ったんだ……」

ランジュ「……彼方、偉すぎるわ……」グスン

ランジュ「でも、みんなを守る為とはいえ一人で行かせるなんて……ランジュだったら絶対に一人では行かせないわ!!」

あなた「……うん、そうだよね……私も今なら、絶対に一人では行かせない……」ウルウル

璃奈「あなた……」
 
700: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 04:21:31.77 ID:h1SCG9AV
ランジュ「……そういえば、愛のキョクセカイは?」

ランジュ「エマの曲世界に愛が来たってことしか聞いてないわ? どういうこと?」

あなた「ぁ……」

ランジュ「愛のキョクセカイにも行ったんでしょ? 話を聞かせなさい!」

璃奈「えっと……ランジュさん、ごめんなさい」

ランジュ「ラ?」

璃奈「愛さんの曲世界だけは、私のミスで色々あって、あなたも記憶を失ってるみたいで……」

あなた「あ、えっとね璃奈ちゃん」

あなた「私、愛ちゃんの曲世界のこと思い出したんだ」

璃奈「え……?」

あなた「エマさんの曲世界で会ったのをきっかけに、段々と……だから話すね?」


・・・

あなた「って感じで、私は最後に愛さんに……」

璃奈「……」

ランジュ「なによそれ……愛の曲世界だけなんだかモヤモヤするわ!!」

ランジュ「ねえ! 今から愛の曲世界に行きましょう!!」
 
701: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 04:49:48.24 ID:h1SCG9AV
ランジュ「エマの曲世界みたいに、あなたと一緒なら、ランジュも愛の曲世界にいけるんでしょ!!」

璃奈「……多分、無理」

ランジュ「どうしてよ~~!!」

璃奈「愛さんから聞いたの、エマさんの曲世界へあなたを助けに行くときに経由した、愛さんの曲世界はどんな様子だったのかを」

璃奈「そしたら、何もなかったって言ってた……」

あなた「何も、なかった……?」

璃奈「うん、あなたの話を聞く限り、きっと曲世界の愛さんは世界を壊したんだ思う……」

璃奈「でも、問題はそこじゃない。もうあの曲世界にはあなたが存在しないってこと」

璃奈「それが示すのは、あなたはもう愛さんの曲世界に入ることが出来ない」

璃奈「あなたが入れないなら、ランジュさんも入れない……」

ランジュ「むぅ〜〜! じゃあどうしようもないじゃない!!」

あなた「……どうにかして、私が愛ちゃんの曲世界に入れない? ほら、私と愛ちゃんが繋がってるなら、他の曲世界の私を経由して、愛ちゃんの曲世界に行くとか……」

璃奈「……理論上は可能だけど、あなたならまだしも、愛さんを軸に他の曲世界を繋ぐのは無理だと思う……」

璃奈「もし行けるとするなら、あなたと愛さんを繋ぐ、より強い何かが必要」

あなた「より強い……」

璃奈「そもそも、壊れてしまった曲世界は今更どうしようもない。あなた一人でどうこうできるレベルを超えてる」

ランジュ「ダメだわ……ランジュもどうしたら愛を救えるかわからない……」

あなた(愛ちゃんの曲世界に行くには、より強い繋がりが必要……そもそも、私一人じゃ救うことは出来ない……)

あなた(この問題を、解決できる何かがあれば……!)
 
702: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 04:59:09.79 ID:h1SCG9AV
── 次の日

あなた「璃奈ちゃん、また曲世界に行かせて貰えないかな?」

璃奈「え? でも、もうみんなの曲世界には……」

あなた「私ね、ずっと考えてたの。また曲世界のみんなに会いたいなって」

あなた「これはさ、私のわがままなんだけど……曲世界のみんなで、ひとつのライブがしたいの!!」

璃奈「曲世界のみんなでライブを……?」

あなた「うん……」

あなた「本当に曲世界のみんなはこの世界のみんなよりもバラバラ……でも、一つ一つの輝きは負けてない!! そんな一つ一つの大きな輝きが集まったら……絶対にすっごいステージになると思うんだ!!」

あなた「私はそんな最っ高にときめくステージを体験したいの!!」

璃奈「……とても素敵な話だとは思うけど、現実的じゃない」

璃奈「散らばったみんなをひとつの曲世界に繋ぐなんてことは、あなたを通しても難しいと思う」

璃奈「それに、あなたや曲世界の主がロストしてる曲世界だって……」

あなた「うん、わかってる……彼方さんの曲世界に彼方さんはもういないし、愛ちゃんの曲世界に私はもういない……」

あなた「私が救えなかった……一人でいたから」

あなた「でも、一人じゃなければ…!」

あなた「同じ夢で繋がったみんながいれば…!」

あなた「曲世界の運命を変えれるかもしれない……!!」

璃奈「運命を……変える……?」
 
703: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 05:04:04.35 ID:h1SCG9AV
あなた「うん、昨日璃奈ちゃんが強い繋がりが必要だって……だから考えたの、そして見つけた」

あなた「繋げられないかな? この曲で!」

璃奈「……なるほど」

あなた「L!L!L! (Love the Life We Live)……」

あなた「この曲は、みんなの想いを届けるために、みんなと繋がるために作った曲!」

あなた「この曲なら、全員の曲世界と繋げることが出来るんじゃないかな?」

璃奈「……試してみる価値は、ある!」

璃奈「でも、全員の曲世界と繋ぐなんてこと、何が起こるかは分からない。私も協力する」

あなた「璃奈ちゃん…! ありがとう!!」

璃奈「お礼をするのは私のほう、あなたにはいつもお世話になってる。曲世界のみんな作る最高のステージ……あなたに見せてあげたい!!」

璃奈「準備はいい? これが、本当に最後」

あなた「うん! お願い!」


── ツナガルコネクト! リンクスタート!!
 
704: (もんじゃ) 2021/11/05(金) 05:06:43.04 ID:h1SCG9AV
全ての曲世界をハッピーエンドにするために。
曲世界のみんなで創るステージを完成させるために!

これで本当にラスト。もう少しだけ、12人と1人の少女が紡ぐ物語にお付き合いください。

次回更新はまた明日に。
 
714: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 22:50:36.95 ID:1bRTcGde
──Now Loading……

……
…………
………………

──Load Complete!!

────『L!L!L! (Love the Life We Live)』START────
 
715: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 22:55:50.84 ID:1bRTcGde
あなた「ん……ここは……」

あなた「うわぁ……! おっきなステージ!! ここは、ドーム会場?」

あなた「ここが私の作った曲世界……」

あなた「このステージでみんなが歌ったらきっと……!」

あなた「その為には、全員無事にここに来てもらわなくちゃ!」

── プルルルル📱

あなた「ん? スマホ?」

あなた📱「もしもし?」

璃奈📱『あ、よかった。ちゃんと繋がった』

璃奈『そのスマホは現実世界の私と通話出来る、私もそこからあなたに協力する!』

あなた「璃奈ちゃん……! ありがとう!」
 
716: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:02:23.84 ID:1bRTcGde
あなた「早速みんなの曲世界と繋ぎたいんだけど、どうすればいい?」

璃奈『そこはあなたとみんなが強い繋がりを持つ曲世界。だから、あなたが望む曲世界と繋がりたいって強く望めば繋がるはず』

あなた「わかった! じゃあ私がみんなの曲世界に行って、みんなをこの世界に招待すればいいんだね!」

あなた「それならまずは、彼方さんの曲世界を救いに……!」

璃奈『……運命を変えるって言ってたけど、どうするつもり? 彼方さんの曲世界に繋いでも、そこに彼方さんはもういない……』

あなた「大丈夫、私に考えがあるんだ」

璃奈『考え……?』

あなた「うん、私一人じゃ無理かもしれないけど、私には曲世界を通して繋がった、頼れる心強いみんながいる!!」

あなた「みんなと協力すれば、運命すらも変えられるはず!!」

璃奈『曲世界のみんなで、彼方さんを救うって事?』

あなた「そういうこと!」ニコッ

あなた「行こう、みんなの曲世界に……!」

あなた「まずは……」
 
717: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:05:33.80 ID:1bRTcGde
── ツナガルコネクト!

───『いつだってfor you!』!! ───
 
718: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:14:33.67 ID:1bRTcGde
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

「あ、目が覚めてしまいましたか? ご主人様?」

あなた「……エマ」

エマ「はい、あなたのメイドのエマですよ♪」ニコニコ

あなた「……っっ!」

── ギュッ!

エマ「ほぇ…/// ご主人様…?///」

あなた「……久しぶり、会いたかったよ……!」ギュウ~

エマ「ぇ……久しぶりって……」

エマ「も、もしかして、別世界の……?」

あなた「うん、また会えたね♪」ニコッ

エマ「うぅ……ご主人様〜〜♪」ギュギュ~~♡‬

あなた「わわっ!?/// もう、苦しいよエマ♡‬」
 
719: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:23:14.54 ID:1bRTcGde
エマ「だって、また会えるなんて嬉しくて……///」

あなた「ふふっ♪ 変わらずに元気にしてた?」

エマ「はい♪ いままでもこれからも、ずっと変わらずわたしはご主人様のメイドです♡」

あなた「変わってないようでなによりだよ♪ 私が帰ってから、どのくらい時間が経ってるの?」

エマ「えっと……あれから、数ヶ月って所です。わたしは養成学校を卒業して、正式にご主人様のメイドになっているんですよ♪」

あなた「そっか♪ この世界の私と、幸せに暮らしてるんだね♪」

エマ「はい♪ でも、また別世界のご主人様と会えるなんて…♪ また癒されに来たの? それならわたし、早速サンドイッチ作るね!!」ニコニコ

あなた「エマのサンドイッチ……! また食べられるなんて感激だよ~~!!」

エマ「腕によりをかけて作っちゃいますね♪」ニコニコ
 
720: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:33:21.60 ID:1bRTcGde
・・・・・

エマ「はい、あーん♡」

あなた「あーん……うーん! 美味し〜♪」モグモグ

あなた「 エマのサンドイッチ……また食べられるなんて幸せすぎるよ……♪」ニコニコ

エマ「うふふっ♪ ご主人様の笑顔が見られて、わたしも幸せです♡」

エマ「あっ、もうご主人様♪ ソースが頬についてますよ♪」

あなた「え?」

エマ「……♡」チュッ

あなた「っ!!?///」

エマ「うふふっ♪」ペロリ

あなた「………///」ドキドキ

エマ「……あっ/// ご、ごめんなさいっっ!!///」

エマ「わたしったらいつものくせで……///」

あなた「え、いつもの……?///」
 
721: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:38:52.00 ID:1bRTcGde
エマ「あ、えっと……実はわたし、ご主人様が自分の世界に帰ったあとの話なんですけど……///」

エマ「この屋敷の正式なメイドになった時にご主人様へ告白して……///」

エマ「今は恋人同士に……///」

エマ「あっごめんなさいっ/// こんな話、別世界のご主人様に話しても、困っちゃうよね……///」

あなた「ううん! 嬉しい!!」

エマ「え?」

あなた「私もね、エマの事……好きだったから///」

エマ「ぇ……///」

あなた「もう会えないから伝えないようにしてたけど……この世界の私と恋人同士なら、もう話すね♪」

あなた「えへへ/// ありがとうねエマ、大好きだよ♡」
 
722: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:43:08.49 ID:1bRTcGde
エマ「ご主人様……♡」

あなた「エマ……♡」

あなた「って!! いけない!!」

あなた「すっかり堪能しちゃって忘れてたけど私、エマにお願いがあって来たんだった!」

エマ「お願いですか? なんなりとお申し付けください♪」

エマ「ご主人様のためならばわたし、なんでも頑張っちゃいます♪」

あなた「えっとね、実は──」
 
723: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:48:50.31 ID:1bRTcGde
エマ「──なるほど、別世界のご主人様のお友達を助けに……」

あなた「うん、とっても危険かもしれないけど……でもエマの力が…!」

エマ「もちろん断る理由はありませんよ?」ニコニコ

あなた「エマ……! ありがとうっ!」

エマ「うふふっ♪ ついにご主人様を守るために、この鉄モップを振るう時が来たんだね!」

エマ「エマ、張り切っちゃいます♪」ブンブン!!

あなた「あははっ♪ 頼もしいや♪」

あなた「あ。あと私のフルートと、作った魔法楽譜もまだある?」

エマ「はい♪ ご主人様、新しい魔法楽譜もたくさん作っていましたよ」

あなた「よかった! それも絶対に役に立つから、それも持って……」

あなた「それじゃあ行くよ! 次の曲世界に!!」

あなた「掴まって、エマ!」ニコッ

エマ「はいっ♪ どこまでもお供いたします、ご主人様♪」
 
724: (もんじゃ) 2021/11/06(土) 23:52:48.48 ID:1bRTcGde
── ツナガルコネクト!

───『Toy Doll』!! ───
 
725: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:00:25.27 ID:0WhjhAPS
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

エマ「ご主人様? ここは……?」

あなた「エマ…! よかった、ちゃんと一緒に行けたんだね!」

エマ「はいっ♪ ご主人様の手をしっかりぎゅうっと握っていましたから♪」

エマ「それで、ここはどこなんですか? 素敵なお部屋ですね?」キョロキョロ

あなた「ここは、私にとって憧れの人……いや、私のパートナーが住んでる場所だよ♪」

── ガチャ

ミア「ベイビーちゃん、曲のことなんだけど…」

ミア「What's!? 誰だいそのメイドはっ!?」

あなた「あ、ミアちゃん驚かせてごめんね? 紹介するね、この人は…」

エマ「エマです! ご主人様のメイドをしております♪」ニコニコ

ミア「Huh? ごしゅじんさま……メイド……? ボクはメイドなんて雇った覚えはないよ?」
 
726: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:07:41.22 ID:0WhjhAPS
ミア「というか……」

エマ「……♪」ギュッ♡

あなた「あはは……///」

ミア「なんか、ベイビーちゃんとやけに近くない?」ジトーーー

エマ「わたしはご主人様のメイドですから♪」

エマ「ご主人様のすぐそばで支え、癒すのもメイドのお仕事です♡」ギュッ♡

ミア「………」

ミア「……ふーん、メイドね」

ミア「そっちがメイドなら……」

ミア「……♪」チュッ(頬にキス

あなた「っ!///」

ミア「ボクは、ベイビーちゃんの家族だ♪」ニッ
 
727: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:15:49.22 ID:0WhjhAPS
ミア「ベイビーちゃんのメイドって言うなら、家族であるボクのメイドでもあるわけだよね?」

ミア「ほら、ベイビーちゃんから離れろ」シッシッ

エマ「……わかりました」

ミア「ふふん♪」

エマ「じゃあ、ミアちゃんもわたしが癒してあげるね♪」ギュ~♡

ミア「はぁっ!? なんでそうなるんだっ!?/// 離せ~~!」ジタバタ

エマ「ご主人様の家族ですから♪ ご主人様の家族を癒すのもメイドのお仕事です♡」ナデナデ

ミア「ちょ、なでるなっ!!/// 見てないで助けてくれよ~!」

あなた「あはは……」
 
729: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:32:58.29 ID:0WhjhAPS
・・・・・

あなた「──というわけで、ミアちゃんにも協力してもらいたいんだ」

ミア「……別世界から来たベイビーちゃんに、別世界のメイド、他にも救いたい人がいるから協力して欲しい……ベイビーちゃんが言ってることは非現実的すぎて理解に苦しむよ……」

あなた「あはは……ごめんね、いきなりこんなこと言っちゃって……」

ミア「まあいいよ、どうであれベイビーちゃんが困っていて、ボクに助けを求めているんだろう?」

ミア「だったら、助け合うのがパートナーだろ?」

あなた「ミアちゃん……! ありがとうっ!!」

ミア「ふふっ♪……ほら、お礼のハグは?」パッ

あなた「ミアちゃんっ! 大好きっっ!!」ギュゥ~~~♪

ミア「……♪」

エマ「わたしも~♡」ギュゥ~♪

ミア「ちょ、なんでエマまで入ってくるんだっ!!///」

エマ「わたしも同じ、ご主人様のお手伝いをする仲間だから♪」ギュギュゥ~♪

ミア「だからってボクにまで抱きつくな~!!///」

あなた「ふふっ♪ それじゃあこのまま行くよ! 次の曲世界に!!」

あなた「掴まってて、エマ! ミアちゃん!」ニコッ

エマ「はいっ♪」ギュゥ~♪

ミア「OK♪」ギュゥ~♪
 
730: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:36:45.91 ID:0WhjhAPS
── ツナガルコネクト!

───『TO BE YOURSELF』!! ───
 
731: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:48:58.01 ID:0WhjhAPS
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

エマ「ミアちゃん、大丈夫……?」

ミア「んんぅ、平気さ……って! なんでまだ抱きしめてるのさっ!!///」

エマ「うふふっ♪ よかった〜♪」ナデナデ

ミア「だから子供扱いするな〜〜!!///」

あなた「あはは……」

エマ「わぁ! ご主人様、かっこいい服を着ていますね♪」

あなた「え? あぁそういえば、この曲世界の私は魔法作製士でこの魔法学校の生徒なんだっけ……」

ミア「黒を基調としたハリー〇ッターみたいな衣装だね、かっこいいじゃないか♪」

エマ「ミアちゃんも似合いそうだね♪」

あなた「確かに! ミアちゃんにも是非着て欲しいな〜♪」

ミア「うぇ…? ぼ、ボクはいいよっ!///」
 
732: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 00:57:07.34 ID:0WhjhAPS
── ガチャ!

かすみ「せんぱーい! 聞いてくださいよ〜…」

かすみ「って、うぇぇ!!? だ、誰っ!!?」

エマ「エマです! ご主人様のメイドをしております♪」ニコニコ

ミア「ミアだ、このベイビーちゃんのパートナーさ♪」

かすみ「はぁ? めいど……ぱーとなー……?」

かすみ「なんだかよくわかりませんけどっ! ここは先輩とかすみん以外の部外者立ち入り禁止ですよっ!」

あなた「えっと……かすみちゃんあのね……」
 
733: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:02:38.22 ID:0WhjhAPS
ミア「ふーん♪ 部外者ね、じゃあベイビーちゃんの家族であり、人生のパートナーでもあるボクは関係者だね♪」ニッ

かすみ「ほぇ……? 家族……人生のパートナー……?」

エマ「それなら、ご主人様のメイドであり恋人でもあるわたしも関係者だね♪」ニコニコ

かすみ「こ、こいびと~~~っ!!?///」

かすみ「どういうことですか先輩っ!!/// 先輩いつのまに家族や恋人なんて……最高にかわいいかすみんという存在がいながらっ!!!///」

ミア「ぎゃんぎゃん×2うるさいなぁ……まるで子犬だね……」

かすみ「だれが子犬ですかっ!! ガルルルル!!!」

エマ「よしよ~し♪ 落ち着いてかすみちゃん、おすわり♪」ナデナデ

かすみ「だから犬扱いしないでくださいっ!!!」
 
734: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:10:15.04 ID:0WhjhAPS
・・・

あなた「──かすみちゃん、落ち着いた?」ナデナデ

かすみ「……はい」ムスッ

あなた「えっとね、さっき話した通りでかすみちゃんにも協力して欲しいんだ」

あなた「おねがい、出来るかな?」

かすみ「……まあ、よくわかりませんでしたけど、先輩が困ってるってことは分かりました」

かすみ「先輩にはいつもお世話になってますし、かすみんが出来ることならなんでも協力しますよ……」

あなた「かすみちゃんっ! ありがとうっっ!!」ギュゥ~~~♪

かすみ「わぁっ!///……えへへ~///」

かすみ「……でも先輩、聞きたいことが一つだけあります」

あなた「なに?」

かすみ「……かすみんが一番ですよね?」

あなた「え?」
 
735: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:18:21.41 ID:0WhjhAPS
かすみ「……どうやら、べ・つ・の・世界では恋人やパートナーがいるようですけど」

かすみ「先輩にとって一番かわいいのは……かすみんですよね?」

あなた「もちろんっ♪ よしよし……かすみちゃんが一番かわいいよ♪」ニコッ

かすみ「っ!/// そうですか、そうですか♡」

かすみ「えへへ、えへへ〜〜♡ 一番かわいいって言ってくれる先輩、大好きです♡」

ミア「チョロ……」

エマ「ご主人様、わたしはわたしは?」

あなた「え? エマは一番のメイドだよ♪」

エマ「うふふっ♪」ニコニコ

ミア「ふーん……」

ミア「ベイビーちゃん、ボクは?」

あなた「ミアちゃんは一番のパートナーだよ♪」

ミア「ははっ♪ 一番のバーゲンセールだね♪」

エマ「わたしはそんなご主人様でも大好きです♪」

かすみ「ちょっと気に障りますけど……まあ一番かわいいがかすみんなら許します♪」

あなた「?」
 
736: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:29:32.84 ID:0WhjhAPS
かすみ「それで、かすみんにして欲しいことってなんですか?」

かすみ「魔法でみなさんを援護すればいいんですか?」

ミア「魔法……へぇーこの子犬ちゃんが?」

エマ「かすみちゃんって魔法使いさんなの? すご~い! わたし、魔法使いさんを見るの初めてだよ~♪」

かすみ「ふふんっ♪ かすみんはそこらの魔法使いとは違います♪」

かすみ「最っ高にかわいい魔法少女、それがかすみんです✩」

ミア「意味がわからないよ……」ハァ

あなた「えっとね、それもあるんだけどかすみちゃんには……重要な役をお願いしたいんだ!」

かすみ「重要な……?」

あなた「うん、最高にかわいい魔法少女であるかすみちゃんにしか頼めないんだっ!」

かすみ「かすみんにしか……えへへ〜しょうがないですね〜♪ かすみん、先輩のために頑張っちゃいますよ♪」
 
737: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:37:29.93 ID:0WhjhAPS
あなた「ありがとうっ! かすみちゃんに使って欲しい魔法があるんだ!」

かすみ「魔法……どんな魔法ですか? あ、まさか攻撃魔法じゃないですよね?」

あなた「ううん、それは大丈夫。というか、まだ作ってないんだけどね?」

あなた「今から作るつもり、ミアちゃん! 手伝ってくれないかな?」

ミア「ボクに? 魔法なんて作ったことないけど?」

あなた「大丈夫、私もこの曲世界に来た時はびっくりしたんだけどね? 魔法を作るのって、作曲と同じ手法なんだ」

ミア「へぇー作曲と……興味深いね」

かすみ「ミア子に出来るのー?」ニヤニヤ

ミア「ミア子? なんだいそれは?」

かすみ「かすみんより年下だからミア子! かすみん、自分より年下の子はこう呼ぶの♪」

ミア「はぁ……よく吠えるな、そんなんだから子犬ちゃんなんだよ?」

かすみ「むっか~~! なんでそんなに自信満々なの!」

ミア「ふふっ♪ ボクを誰だと思ってるの? 天才作曲家のミア・テイラー……」

ミア「そして、ベイビーちゃんの最高のパートナーさ♪」

ミア「見せてやるよ、ボクとベイビーちゃんが組めば、最強だってことを!!」
 
738: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:45:57.96 ID:0WhjhAPS
・・・

ミア「出来たね」

かすみ「はやっ!!!」

あなた「あはは……さすがミアちゃん! 私だけだったらこんなに早く出来上がらないよ!」

エマ「えらいえらい♪」ナデナデ

ミア「うぁ……撫でるなー……///」

かすみ「ぷぷぷ……エマ先輩には弱いんですね…♪」

エマ「かすみちゃんも♪」ナデナデ

かすみ「なんでかすみんまで……まぁ、別にいいですけど……///」フンッ

エマ「うふふっ♪」

あなた「ありがとうね、ミアちゃん! あとはかすみちゃんがこの魔法を使えれば……」

ミア「ボクは手伝っただけさ、その魔法の核はベイビーちゃんの想いだよ」

ミア「あとは、その想いに子犬ちゃんが応えられるかどうかだね♪」フッ

かすみ「ぐぬぬ……かすみんは最高にかわいい魔法少女なんです! 先輩の想いにだって応えられます!」
 
739: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:52:25.75 ID:0WhjhAPS
かすみ「見せてください! どれどれ……」

かすみ「うえぇっ!!? なんですかこの魔法!? こんな無茶苦茶な魔法、見たことありませんよ……」

かすみ「こんな魔法……短時間で作れるようなものじゃ……」

ミア「ボクとベイビーちゃんが作ったんだ。当然だろ?」

あなた「これを使えるのはかすみちゃんだけなんだ!! お願い!!」

かすみ「でもこれって、時をかける魔法……? 時空魔法なんて、禁忌に触れる極大魔法ですよ……?」

かすみ「いくらかすみんでも、こんな魔法うまく使えるか……」

あなた「え、そうなの……? でも彼方さんを救うには、この魔法を使うしか……」

あなた「お願いかすみちゃん! また、私に奇跡を起こして見せてよ……!」

かすみ「奇跡を……」

かすみ「……やりますよ、やってやりますよ!!」

かすみ「奇跡ぐらい、二度だって三度だって起こしてみせます!」

あなた「かすみちゃん……ありがとう!!」
 
740: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 01:57:16.86 ID:0WhjhAPS
かすみ「その代わり! この件が終わったら……/// 先輩に話があるので忘れずに!!///」

あなた「うんっ! 約束する♪」

あなた「絶対にみんなを無事に返すって誓うから……!」

あなた「それじゃあ、行くよ! 次の曲世界に!!」

あなた「掴まって、かすみちゃん! ミアちゃん! エマ!」ニコッ

エマ「はいっ♪」ギュッ♡(左腕

ミア「OK♪」ギュッ♡(右腕

かすみ「ちょ、じゃあかすみんはっ!」ギュッ♡(正面
 
741: (もんじゃ) 2021/11/07(日) 02:00:18.93 ID:0WhjhAPS
── ツナガルコネクト!

───『エイエ戦サー』!! ───
 
753: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 22:14:45.07 ID:hQK3Onpi
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

あなた「みんな、大丈夫?」

ミア「ボクは平気さ、それにしても今度はなんだい? 森の中?」

かすみ「いや〜ん、かすみん暗いところ怖いですぅ〜☆」ギュ~♪

ミア「おい子犬ちゃん、いつまでベイビーちゃんに抱きついているつもり?」

あなた「かすみちゃん、立てないんだけど……」アハハ

あなた「あれ? エマは?」キョロキョロ
 
754: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 22:20:32.04 ID:hQK3Onpi
── ガサガサッ!!

あなた「ん?」

人ならざる化物「グロワァァァァ!!!」

あなミアかす「え」

人ならざる化物「キシュワァァァァ!!!」ガバッ

あなミアかす「うわぁぁぁっ!!?」ダッシュ!!

かすみ「なになになんなのあの化物っっ!?」ドタドタ

ミア「なんでいきなり襲いかかってくるんだ〜っ!?」バタバタ

あなた(あれ……これなんだかデジャヴだな……)

ミア「子犬ちゃん、魔法使えるんだろっ!? あんなの早く討伐してくれよ!!」

かすみ「無理だよぉ!! かすみん、攻撃魔法とかそんな野蛮な魔法使わないから!!」

ミア「はぁっ!? この状況で何言ってるんだよ!!?」
 
755: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 22:25:47.28 ID:hQK3Onpi
エマ「やぁ~~~!!」ブンッ!

しずく「はぁぁぁ!!」ズバッ!

── ザシュッドゴォ!!

人ならざる化物「グボァァァ……」バタッ

あなた「っ!」

しずく「ふぅ……エマさん、でしたよね? 変わった武器ですが素晴らしい太刀筋をしていますね」

エマ「しずくちゃんもかっこよかったよ〜♪ まさに、サムライって感じだね♪」

あなた「しずくちゃんっ! エマっ!」

しずく・エマ「姫様(ご主人様)っ!」

しずく・エマ「え?」
 
756: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 22:32:25.00 ID:hQK3Onpi
・・・・・

しずく「なるほど、それではエマさんは姫様のお世話係をしていると……」

エマ「お世話係じゃなくて、メイドです♪」ニコニコ

しずく「め、冥土……?」

あなた「あはは……この曲世界にはメイドはいないもんね?」

エマ「しずくちゃんはおサムライさんなの?」

しずく「侍……そうですね、以前は怪異討伐浪士隊の隊長を務めていましたが……」

しずく「……」スッ(あなたの前で跪く

あなた「?」

しずく「……」チュッ(手の甲にキス

あなた「っ!///」

しずく「今は姫様をお守りする侍も兼任しております♪」

エマ「そうなんだ〜なんだかすっごい肩書きだね!」

あなた(しずくちゃん、今も浪士隊の隊長を務めながら、この曲世界の私と一緒にいるんだね)

あなた(久しぶりに会ったけど、この曲世界のしずくちゃんは凛としていてやっぱりかっこいいな〜♪)
 
757: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 22:41:07.55 ID:hQK3Onpi
あなた「それで、さっき話した通りでしずくちゃんにも協力して欲しくて…」

しずく「勿論です。姫様をお守りするのが今の私の役目でもありますので、断る理由はありませんよ?」

あなた「しずくちゃん……! ありがとう!!」

あなた「でも、私の事は守らなくても大丈夫だよ? 守って欲しいのは別の人で……」

しずく「そうですか……でしたらこの刃、姫様も姫様の大切な人も全てをお守りする為に振るいましょう!」

しずく「私たちは、同じ人を助ける目的を持った仲間たちです」

しずく「みなさんも、力を合わせて頑張りましょう!」

エマ「お〜〜♪」

あなた「流石しずくちゃん、みんなの士気を高めるのはお手の物だね♪」

かすみ「ぐぬぬ……なんだかいけ好かない……」

ミア「そう? 子犬ちゃんよりは頼りになりそうだけど?」

かすみ「そういうことじゃなくって! なーんか気になるというか……」
 
758: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 22:47:47.36 ID:hQK3Onpi
あなた「よし、それじゃあこの調子で次の曲世界に…」

── プルルルル📱

あなた「ん? スマホ?」

あなた📱「もしもし? 璃奈ちゃん?」

璃奈📱『あ、よかった。まだ繋がった』

璃奈『順調に曲世界を繋いでるみたいだけど、警告』

あなた「警告?」

璃奈『あなたとみんなを繋ぐ軸となるL!L!L!の曲世界からどんどん離れていってる』

璃奈『さすがにそろそろ定員オーバーかも。曲世界に繋がる時に、ちゃんと全員同じ場所で繋がれた?』

あなた「あ、確かにエマさんと少しだけはぐれちゃったかも……」

璃奈『ならやっぱりそろそろ限界かも、もしまだ彼方さんの曲世界に連れて行きたい人がいるならあと一人が限界』

あなた「あと一人……うん大丈夫! 十分すぎるくらいだよ!」

あなた(最後の一人……なら、あの曲世界に!)
 
760: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:02:25.30 ID:hQK3Onpi
── ツナガルコネクト!

───『Turn it Up!』!! ───
 
761: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:06:39.13 ID:hQK3Onpi
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

あなた「みんな、ちゃんといる?」

しずく「姫様、私はここにいますよ」

あなた「……あれ? しずくちゃんだけ?」

あなた(うーん、はぐれちゃったかぁ……早くみんなを探さないと!)

しずく「姫様……ここは一体どこなのですか?」キョロキョロ

あなた「えっと……ここは教室って言ってね? この世界の学ぶ場所……かな?」

しずく「なるほど……寺子屋のような場所なのですね! とても興味深いです♪」

しずく「へぇー……こんなに綺麗な書物まで……」キョロキョロ

しずく「わっ……字の形も結構違う……」マジマジ…

しずく「あっ…/// すみません、はしゃいでしまい……///」カァァァ

しずく「私の住む世界と全く違う景色で、とてもわくわくしてしまって……///」アセアセ

あなた「ふふっ大丈夫だよ♪」

あなた(しずくちゃん、いつも隊長としての振る舞いを気にしてるんだもんね)

あなた(でも、一人だと途端に年相応の女の子になっちゃう所もかわいいんだよね〜♪)
 
762: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:12:14.92 ID:hQK3Onpi
しずく「姫様の服装も、この世界ならではの?」

あなた「あーそうだね。これは制服っていう、この場所に通う人が着る服なんだ」

しずく「制服……とてもお似合いです♪」

あなた「ふふっありがとう♪」ニコッ

しずく「……///」

── ギュッ(抱きしめ

あなた「え、しずくちゃん……?///」

しずく「……すみません、姫様と二人きりになるとどうしても甘えてしまい……///」

あなた「……ふふっ♪」ナデナデ

しずく「ふぁ……///」

あなた(この曲世界だったらまだ高校一年生の女の子だもん。浪士隊隊長に侍の立場、色々苦労を抱えるには重すぎるようにも感じるなぁ……)

あなた(きっと、しずくちゃんの曲世界の私もこうして二人きりの時だけは、しずくちゃんを甘やかしてあげてるんだろうなぁ……♪)ナデナデ
 
764: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:19:52.92 ID:hQK3Onpi
しずく「……♪」

かすみ「じーーーー……」

しずく「っ!!///」ビクッ!

あなた「かすみちゃん! よかった近くにいたんだね!」

かすみ「はい♪ かすみん、先輩とはぐれちゃってとっても心細いかったんですけど、頑張って見つけました♪」ニコッ

かすみ「ほらほら、頑張ったかすみんにもなでなでしてください♪」

あなた「よしよし、えらいよかすみちゃん♪」ナデナデ

かすみ「えへへ〜〜〜♪」ニコニコ

かすみ「……チラッ」

しずく「……」

かすみ「……でも酷いじゃないですか先輩!」

あなた「え?」

かすみ「先輩のなでなではかすみんだけの特権だと思ってたのに……///」ムスッ

かすみ「これからは、一番かわいいかすみんだけをなでなでしてくださいね!」

しずく「っ!?」
 
765: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:26:11.97 ID:hQK3Onpi
あなた「え? でも……」

かすみ「異論はないよね、桜坂しずくさん♪」

しずく「っ……」

かすみ「じゃあ先輩、かすみんだけを撫でて…」

しずく「……嫌です」ボソッ

かすみ「え? 聞こえないよ?」

しずく「嫌ですっ!!/// 私だって姫様になでなでして欲しいもんっ!!///」

しずく「姫様っ! 私もなでなでしてください……///」

あなた「しずくちゃん……♪」

かすみ「……ふーん、なんだ素直になれるじゃん♪」

しずく「えっ……」
 
766: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:33:01.36 ID:hQK3Onpi
かすみ「なんか、無理して気取ってる気がして気になってたんだよね」

かすみ「別にいいんだよ? 今は、そのなんとかの隊長って立場じゃないんだし」

かすみ「同じ目的を持つ、仲間じゃん♪」ニコッ

しずく「っ!!」

かすみ「これからはしず子って呼ぶね♪」

しずく「……かすみさん、と言いましたよね?」

しずく「……ありがとうございます///」ボソッ

かすみ「なになに〜? まだ素直さが抜けてないね〜?」ニヤニヤ

しずく「っ!/// 二度は言いません!」

あなた(違う世界でも、しずくちゃんとかすみちゃんは仲良くなる運命があるのかな……♪)
 
767: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:38:58.98 ID:hQK3Onpi
あなた「そろそろエマとミアちゃんも探しに行かないと!」

しずく「それもそうですね。では、前は任せてください!」

しずく「姫様に害成す物全て私が切り伏せて…」スチャ

あなた「うわーっ!? この世界はそんな危険な事は起きないから刀しまって!!?」

しずく「そうなのですか? 随分と平和なんですね……」

かすみ「それじゃあかすみんは先輩のとなり〜♪」ギュッ♡(腕にしがみつく

しずく「むっそれなら私だって!」ギュッ♡(腕にしがみつく

あなた「あはは……」
 
768: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:44:38.72 ID:hQK3Onpi
・・・

かすみ「ミア子達見つかりませんね〜」トコトコ

しずく「エマさんと一緒だといいのですけどね……」トコトコ

あなた(……右腕にフリフリな魔法少女、左腕に袴姿の刀持ちの侍……)

あなた(うぅ、下校する生徒の視線が……)

「あれ? 後輩ちゃんじゃん、どうしたの? 演劇部か何かのお手伝い?」

あなた「あっ、果林さんの…!」

しずく「敵ですか? 人を切るのは気が進みませんが、姫様のためなら……」

あなた「わー!! 大丈夫だから! 私の探してる人の友人だから大丈夫!!」

「あははっ、なんだか面白いことしてるねー?」
 
769: (もんじゃ) 2021/11/09(火) 23:51:08.77 ID:hQK3Onpi
あなた「果林さんがどこに行ったか知りませんか?」

「果林? あー病院に行くって言ってたよ? 一人で行くって言ってたけど、大丈夫かなー?」

あなた「病院……ありがとうございますっ!」

「うん、果林によろしくね。あとその姿を見られたら、果林妬いちゃうよ〜?♪」アハハッ

あなた「?」

「……そういう関係になっても後輩ちゃんは相変わらずだな〜、じゃあね!」

かすみ「……先輩、その果林さんって人とはどういう関係なんですか…?」

あなた「え? うーん……かっこよくて、ちょっと可愛いところもある、大好きな先輩って感じかな?」

かすみ「ふーん……そうですか、どうかわいいんですか?」

あなた「うーん……果林さんはギャップのあるかわいさ、かな? いつもかっこいいんだけど、たまに見せる子供っぽいところがかわいくてね〜♪」

かすみ「なるほど……じゃあ普段からかわいいかすみんの勝ちですね!!」

しずく「かすみさんのかわいいに対する勝ち負けの基準が分かりません……」
 
770: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:00:56.81 ID:gYjxi0JQ
・・・・・

かすみ「ここって病院じゃなくないですか?」

あなた「そうなんだけど、何となくこっちの方かなって……」

かすみ「?」

「だからここの道はさっき通っただろ!!」

あなた「あれ、この声は……」

果林「?? でも、こっちだったような気がするのよ」

ミア「それでここの道まで来るの三回目だよ!? エマもなんとか言ってくれよ!」

エマ「果林ちゃん、次はちゃんと道覚えようね?」

果林「エマは優しいわね、今度こそ頑張るわ」

ミア「Oh……もう勘弁してくれよ……」

あなた「みんなっ!!」

ミア「ベイビーちゃん! よかった……もうこのトンチンカンのせいで二度と会えないと思ったよ……」

エマ「ご主人様っ! 心配しましたよ〜……」

果林「助かったわ! 病院から学校までの帰り道が分からなくて……」

あなた「あはは……何はともあれ、みんな無事に会えてよかったよ♪」
 
771: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:08:03.60 ID:gYjxi0JQ
・・・

あなた「……というわけなんだけど、果林さんにも協力して欲しいんだ。お願い出来るかな?」

果林「なるほどね……」

果林「全然分からないわ」


みんな「………」


エマ「果林ちゃん……」

かすみ「……この人、本当に大丈夫なんですか?」

あなた(あはは……この曲世界の果林さん、ひょっとしたらかすみちゃんよりも……さすがにそれはないか?)

あなた「えっと、だからね果林さんもう一度説明を…」

ミア「時間の無駄だよベイビーちゃん……このトンチンカン、さっきからボクの話も全然理解せずに同じ道を何度も歩かされたんだ!」

ミア「もううんざりだよ!」

ミア「要するに、このベイビーちゃんが困ってるから果林はこの楽譜を持ってサックスで演奏する。それだけ、OK??」

果林「演奏すればいいのね? それなら任せなさい♪」

ミア「はぁ……疲れる……」

エマ「お疲れ様、ミアちゃん♪」ナデナデ
 
772: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:19:35.18 ID:gYjxi0JQ
果林「病院に行ってね、指の怪我もようやく完治したらしいのよ? キミに一番に私の完璧な演奏、聞かせてあげるわ♪」

あなた「果林さん……! ありがとう! 演奏楽しみにしてるよ!」ニコッ

果林「ええ、今の私なら演奏もボーカルも両立できるわよ? キミも虜にしてあげるわ♡」

ミア「本当に大丈夫なのかな……」

あなた「果林さん、ちょっと抜けてる所もあるけど、演奏は本当に凄いから…!」

あなた(私の魔法楽譜を持って果林さんが演奏したら……きっと……!)

あなた「それじゃあ、みんな行くよ! 彼方さんを救いに!!」
 
773: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:24:40.72 ID:gYjxi0JQ
── ツナガルコネクト!

───『Silent Blaze』!! ───
 
775: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:37:47.67 ID:gYjxi0JQ
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

あなた(……藁の屋根に囲炉裏……まるで昔話に出てくるような内装……)

あなた(ついに戻ってきたんだ、私……)

あなた「ただいま、彼方さん……」

あなた(……体が勝手に動く、きっとこの曲世界の私の体が覚えてるんだろう)


私たちの家の裏手、少し盛り上げられた土には小さな石碑が。
そこには花と、クナイが添えられていた。
 
777: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:46:55.33 ID:gYjxi0JQ
あなた「……彼方さん」ウルウル

あなた「っ!……ううん、大丈夫。みんな、ごめんね?」

果林「泣きたいなら、泣けばいいじゃない?」

あなた「ぇ……」

ミア「Why!? この状況であんなこと言うか普通?」コソコソ

エマ「……多分、大丈夫だよ?」コソコソ

果林「キミっていつも、自分の弱いところを見せないじゃない?」

果林「いつも心配かけまいと気丈に振舞って……私ばっかり弱い部分を見せる事になってズルいわ」

果林「あなたのわがままなんでしょ? 言いたいなら言ってみなさいよ」

あなた「……果林さん、ありがとう……」
 
778: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:52:31.10 ID:gYjxi0JQ
あなた「……っ」クルッ

あなた「彼方さん、ありがとう。彼方さんおかげできっとこの世界のみんなは笑顔だよ?」

あなた「これがきっと彼方さんの運命だったんだと思う……」グスン

あなた「でも……」

あなた「でも、私はやっぱりまた彼方さんに会いたい……! 生きて、一緒に過ごしたい!!」

あなた「私のわがままできっとこの運命は変わっちゃう……彼方さんが必死で作り上げたこの運命が……」

あなた「この出来事は忘れちゃいけないと思う……」

あなた「だから忘れないために、このクナイは私が持っておくね……」スッ

あなた「さようなら、彼方さん……」グスン

あなた「………」

果林「お別れは済んだ? なら私たちに任せなさい♪ 救うんでしょ? そんな顔じゃ、彼方も救われないわよ?」

あなた「うん……そうだよね!」ニコッ!

あなた「もう大丈夫! お願い!! 力を貸してみんな!!」

みんな「「任せてっっ!!!」」
 
779: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 00:59:08.18 ID:gYjxi0JQ
あなた「かすみちゃん、早速例の魔法をお願いっ!」

かすみ「任せてくださいっ!」

かすみ「って言いたいんですけど、ちょっと気になることが……」

あなた「気になる?」

かすみ「なんて言うかその、この魔法ってなんだかいつもと違う気がするんですよね」

かすみ「いつもなら、かすみんの事を思って作られてるんだって感じるんですけどこの魔法は、かすみんじゃないまるで違う人をイメージしてるような……」

あなた「……わかっちゃった? この魔法はね、私が昔作った強い思いを走らせるイメージの曲を参考に……だから、かすみちゃんとは少し違うかも」

あなた「でも、芯の部分のゆずれない想い……そこは一緒だと思ったから! かすみちゃんなら、絶対にこの魔法が使えると思ったから作ったの!」

かすみ「……なるほど、それが分かればOKです♪」

かすみ「たとえ違う人のイメージでも、かすみんなら、先輩の想いに応えてみせます!!」

かすみ「……スゥ……ハァ……」

かすみ「行きます!!!」


かすみ「──走り出した! 思いは強くするよ!! 夢はいつか、ほら輝き出すんだ!!」

かすみ「これがかすみんと、先輩と頼れる心強い仲間たちの想いが詰まった究極魔法です!!──」



かすみ「──── CHASE! ────」



──────
────
──
 
780: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 01:12:43.15 ID:gYjxi0JQ
あなた「……ん」

あなた「成功、した……?」

かすみ「無茶苦茶ですよ……追いかけたい想いを時をかける力に変換させる究極魔法「CHASE!」……」

かすみ「うぅ……こんな一度にマナを消費したのは初めてですぅ……」

かすみ「この世界にマナが溢れてて本当によかったです……」

あなた「かすみちゃん……! 本当にありがとう!!」ギュ~~!!

かすみ「えへへ……♪ って、まだ感動するのは早くないですか?」

あなた「あっそうだね、つい…」

── ガララ

彼方「ただいま〜」

彼方「えぇっ!? なんか彼方ちゃんの家にたくさん人がっ!?」

彼方「どういうことっ!? 彼方ちゃん、浮気は許さないよ~~!!?」

あなた「彼方さ~~~~ん!!!」ギュウゥッ!!

彼方「わっ!? えっと……どういうことかな?」

あなた「……説明するね?」
 
782: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 01:28:31.08 ID:gYjxi0JQ
・・・・・

彼方「ん〜?? 彼方ちゃん、いまいち状況が分からないんだけど……」

彼方「彼方ちゃん、一人でアヤカシの元凶と戦って力尽きちゃうから、あなたはその運命を変えたくて、戦う前の時間に戻ってきたってこと?」

あなた「うん……彼方さん。今度は一人では行かせないよ……!」

彼方「弱ったなぁ……彼方ちゃん、あなただけは戦いに巻き込みたくなかったんだけど……」

あなた「彼方さんがなんと言おうと、私も一緒に戦う……! ううん、私の仲間と一緒に戦うよ!!」

あなた「そのために、別世界を渡って頼れる最高の仲間を連れてきたんだから!!」

しずく「任せてください。浪士隊隊長及び姫様の侍、桜坂しずく!! この刀で姫様も姫様の大切な人をもお守り致します!」

エマ「ご主人様のメイドのエマです! 前衛は任せてください! ご主人様の為に、この鉄モップを振るって頑張っちゃいます♪」

ミア「ミアだ、ベイビーちゃんの最高のパートナーさ♪ 戦闘は出来ないけど、このベイビーちゃんの作った魔法楽譜と歌で援護するよ」

果林「果林よ、この子とはまあとっても深い関係って所ね♡ 同じく戦闘は出来ないけど、この魔法楽譜とサックスの歌にのせて援護するわ♪」

かすみ「世界一かわいい魔法少女のかすみんです♪ 攻撃魔法とか野蛮な魔法は使いませんが、補助魔法なら任せてください! とびっきりの魔法でみなさんを援護します!」

あなた「今度は私も一緒に戦うよ。このフルートと魔法楽譜で……彼方さんを守ってみせる!!」

彼方「あはは……頼もしい人ばっかりだ♪ 彼方ちゃん、霞んで見えない?」
 
784: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 01:38:31.74 ID:gYjxi0JQ
彼方「それじゃあ、彼方ちゃんも♪」

彼方「くノ一の彼方ちゃんです♪ 実は彼方ちゃん、アヤカシの炎を扱える特殊な力を持ってたりします♪」

彼方「みんなの笑顔の為に……そして、大切なあなたの笑顔を守る為に……一緒に闘ってくれるかな?」

みんな「「もちろんっっ!!!」」

彼方「……ふふっ♪ 遥ちゃんも、なんだか喜んでるみたい♪」

彼方「……不思議な気分」

彼方「彼方ちゃん一人でなにもかも全部、終わらせるつもりだったのに」

彼方「これで最後……なんて気がしないや……♪」

彼方「全然負ける気がしない……!!」

彼方「いくよみんな、力を貸して……!!」


彼方「────風斬れ! 
静かなる焔(サイレントブレイズ)!!────」
 
785: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 01:49:56.04 ID:gYjxi0JQ
・・・・・・・・・

果林「……終わった? なんだかあっという間だったわ……」

かすみ「なんか、しず子とか凄いスピードで周りの敵も一掃してなかった?」

エマ「魔法楽譜の演奏と、かすみちゃんの補助魔法のおかげだね♪」

しずく「はい……とんでもない力とスピードが出ていたような……」

ミア「この魔法楽譜のバフ効果どうなってるんだ……」

あなた「えっと攻撃力、防御力、移動速度に攻撃速度上昇に即時回復etc……持てるだけの楽譜を持ってきたから……」

ミア「RPGだったらチートクラスだね……そりゃオーバーキルにも程があるよ……」

彼方「……なんか、彼方ちゃんも呆気なさすぎて拍子抜けだよ」アハハ

彼方「……でも、これで終わったんだね?」

あなた「うん……」
 
786: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 02:00:52.74 ID:gYjxi0JQ
あなた「……」ウルウル

── ギュッ!!

あなた「彼方さんっ!! よかった〜〜〜!!!!」

彼方「わわっ……もう……♪」

彼方「……あなたの笑顔、守れたかな?」

あなた「うん……!」ポロポロ

彼方「あれ、泣いてるの? 彼方ちゃんはあなたの笑顔が見たいなぁ……♪」

あなた「……えへへ、こうかな?」ニコッ!

彼方「うん…♪ あなたがとびきりの笑顔になってくれて、彼方ちゃんもにっこりだよ…♪」ニコッ

彼方「あなたとみんなのおかげだね……」

あなた「そうだね♪」

彼方「……大好きだよ♪」

あなた「私も大好きだよ、彼方さん♪」
 
787: (もんじゃ) 2021/11/10(水) 02:09:01.76 ID:gYjxi0JQ
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた(さてと、みんなにはとりあえずL!L!L!の曲世界で待っててもらうように言ったけど……)

── プルルルル📱

あなた📱「もしもし? 璃奈ちゃん?」

璃奈📱『……驚いた。まさか、あんな方法で彼方さんの曲世界の運命を変えるなんて……』

あなた「あはは、私もあんなに上手くいくなんてびっくりだよ」

あなた「本当に、曲世界のみんなが凄すぎるおかげだね♪」

璃奈『私はあなたの考えも本当に凄いと思うけど……』

璃奈『これで、未来が変えられることが証明された。次は愛さんの曲世界を救いに行くの?』

あなた「うん。私の本当の目的は、私の作った曲世界で、曲世界のみんなとひとつのライブをすることだからね!!」

あなた「残りのみんなにも協力してもらって、今度は愛さんの曲世界を救いにいくよ!」

あなた「行こう、次の曲世界に……!」
 
795: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 00:12:41.96 ID:DG10KP+q
保守ありがとうございます。助かります。
更新は明日します。
 
798: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 22:32:52.11 ID:DG10KP+q
── ツナガルコネクト!

───『First Love Again』!! ───
 
799: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 22:37:23.52 ID:DG10KP+q
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」


空が朱く染まって、今日と言う日が暮れていく。
ここは、公園のベンチだね
この曲世界の……私の恋人と出会った場所。

右肩に寄りかかる、この小さくて幸せな重みは……♪


璃奈「……zzz」

あなた「……また会えたね、璃奈ちゃん♪」ナデナデ

璃奈「……んぅ?」

璃奈「……ぁ」ムクリ

璃奈「おはよう、あなた♪」ニコ

あなた「おはよう、璃奈ちゃん♪」ニコッ
 
800: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 22:46:53.74 ID:DG10KP+q
璃奈「……♪」(肩ズン

あなた「っ!///」

璃奈「やっぱり嬉しい」

あなた「え?」

璃奈「目が覚めて、あなたにおはようって言える事」

璃奈「あなたの顔を見る度、楽しかった事、嬉しかった事、全部記憶が蘇るの…♪」

璃奈「もう忘れないんだって、改めてそう思うと嬉しい♪」

あなた「そっか♪」ナデナデ

璃奈「大好き……♡」

あなた「……私も♪」ニコッ

璃奈「全部あなたのおかげ。あなたがいてくれなかったから、手術もせずにずっと私はあのままだったと思うから……」

璃奈「記憶が消えなくてもね、私はあなたと一緒にいる度に、何度でも初恋をしてる……///」

璃奈「ううん、今はそれ以上に……あなたが好きって気持ちで溢れてる…!///」

あなた「璃奈ちゃん…!///」

あなた「ふふっ♪ 璃奈ちゃんはいつもそうやって嬉しい事をはっきり伝えてくれるね♪」

あなた(璃奈ちゃん、今は無事に退院して幸せにこの曲世界の私と暮らしてるんだね……♪)
 
801: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 22:54:01.61 ID:DG10KP+q
璃奈「……それだけあなたが好きってこと…///」

璃奈「……///」ジッ

あなた「っ!///」

璃奈「……///」(目を瞑る

あなた「……///」ドキドキ

あなた「……んっ///」ンチュ♡

璃奈「っ……///」

あなた「んっ……えへへ///」

璃奈「大好き……///」ギュッ

あなた「っ!!///」ドキッ

あなた「……♡」チュッ♡チュッ♡

璃奈「……♡」

あなた(それは反則だよ璃奈ちゃん……///)ドキドキ
 
803: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:03:02.49 ID:DG10KP+q
・・・

あなた(目的を忘れて、ついイチャイチャしてしまった……///)

あなた(いけないいけない……ちゃんと璃奈ちゃんにも話さなきゃ…!)

あなた「璃奈ちゃん、大事な話があるんだ…!」

璃奈「だ、大事な話……?///」ドキドキ

あなた「うん、私と璃奈ちゃんにも大きく関係する話なんだけど……」

璃奈「それってもしかして…///」

あなた「私ね、実は…」

璃奈「ちょっと待って!///」

あなた「え?」

璃奈「その……そういう話はまだ早いと思う…///」

璃奈「私たちまだ高校生だしそれに、そういう話は私からしたい……///」

あなた「? 何の話?」

璃奈「……え?」
 
804: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:10:55.82 ID:DG10KP+q
・・・・・

あなた「──というわけで、急な話でびっくりすると思うけど私は別世界から来た……」

璃奈「……なるほど、中々興味深い話」

あなた「協力、してくれる?」

璃奈「別に構わない」

あなた「やった! ありがとう璃奈ちゃんっ!!」ギュー♪

璃奈「……別に構わない」

あなた「……あれ? なんか不機嫌?」

璃奈「……知らない、自分で考えて///」ムスッ

あなた「……?」

璃奈「はぁ……やっぱりあなたにははっきり伝えないと伝わらない……」

璃奈「……いつか、私からそういう話はするからね?///」

あなた「うん……?」

璃奈「今は考えなくていい……/// それで、行くんでしょ?」

あなた「うん! 行くよ、次の曲世界に!!」

あなた「掴まって、璃奈ちゃん!」ニコッ

璃奈「うん♪ 璃奈ちゃんボード『おー!٩('ω')ﻭ』」ギュッ
 
805: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:14:55.42 ID:DG10KP+q
── ツナガルコネクト!

───『コンセントレイト!』!! ───
 
806: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:18:08.22 ID:DG10KP+q
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

あなた(……相変わらずこの曲世界は、私のよく知るいつも通りの私の部屋。でも、手首には……やっぱりアザがあるかぁ……)アハハ

璃奈「ここは……?」

あなた「ここはこの曲世界の私の部屋だよ」

璃奈「……私の知ってるあなたの部屋とは少し違うんだね? 興味深い……」キョロキョロ

璃奈「……」スンスン

あなた「……? 私、なにか臭う?」

璃奈「……知らない人の匂いがする」

あなた「え? あー……今の私は、この曲世界の私の体だからかな?」

璃奈「……///」スリスリ

あなた「え、璃奈ちゃん……?///」

璃奈「マーキング……/// あなたからは、私の匂いもしないと落ち着かない……///」スリスリ

あなた「あはは、マーキングって…///」

あなた(猫ちゃんみたいでかわいいなぁ…♪)
 
809: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:27:55.29 ID:DG10KP+q
── ガチャ

栞子「おはぴ〜……ぃ?」

あなた「あ、栞子ちゃ…」

璃奈「……///」スリスリ

栞子「………」(唖然

あなた(あれ……? これって傍から見たらかなりやばい状況?)

あなた「……えっとこれは…」

栞子「……」カシャ📱

あなた「し、栞子ちゃん……?」

栞子「通報しよっか?」ニパッ

あなた「違う栞子ちゃん! なにか誤解してるからっ!!?」
 
810: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:36:07.65 ID:DG10KP+q
栞子「……まさか、あなたが口リコンだったなんて……」

栞子「それどころか自分の部屋に連れ込むまでの重症だったなんて……」

栞子「うん、これは私の責任でもあるよね……ごめんね気付いてあげられなくて?」

あなた「だから誤解だって! 璃奈ちゃんも何か言って!!?」

璃奈「……」

璃奈「私、この人にどうしてもって頼まれてここに連れてこられた……」

あなた「そうだけどなんか誤解を招く言い方っ!?」

栞子「やっちゃったものはしょうがないよ……私、あなたが署から出るまで待ってるからさ?」

璃奈「カツ丼、食べれるといいね?」

あなた「もう二人ともわざとやってるでしょ!?」
 
811: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:51:05.15 ID:DG10KP+q
・・・・・

あなた「というわけで、改めて紹介するね?」

璃奈「天王寺璃奈です。この人とは恋人関係」

栞子「三船栞子だよ。この人の恋人♪」

栞子「ん? ということは、私と璃奈ちゃんって恋敵……?」

璃奈「不思議な関係。璃奈ちゃんボード『むむむ(`^´)』」

栞子「うーん、でも別世界の話ってわけだし……どちらかと言えば、家族の方が楽しそうだね♪」ニパッ

璃奈「家族……」

栞子「私の方が一個上だからお姉さんだね♪ 栞子お姉さんって呼んでくれたまえ♪」フフン

あなた(栞子ちゃんがお姉さん、かぁ……私の知る世界では璃奈ちゃんと同い年なんだけどな…♪)

璃奈「栞子、お姉さん…?」ウワメズカイ

栞子「っ!!」ズッキューーン

栞子「璃奈ちゃん、撫でていい?」

璃奈「……? どうぞ?」

栞子「よしよし♪」ナデナデ

璃奈「……栞子お姉さんの撫で方、優しくて好き♪」

栞子「うわっかわい過ぎか……これはあなたが口リコンになる理由もわかるよ……」ウンウン

あなた「だから違うって……」アハハ…

あなた(流石この曲世界の栞子ちゃん、相変わらず親しみやすさの塊ですぐに璃奈ちゃんとも仲良くなっちゃったね♪)
 
812: (もんじゃ) 2021/11/12(金) 23:59:28.23 ID:DG10KP+q
栞子「そんなこと言って〜璃奈ちゃんのキュートな姿に、心を奪われてしまったのでしょう? このこの〜♪」ツンツン

あなた「あはは……それもあるけど、私は璃奈ちゃんの前向きな所とか、はっきりと好きって言ってくれる所とかも大好きで…」

璃奈「……/// 璃奈ちゃんボード『テレテレ‪(⸝⸝- ̫ -⸝⸝‬)』」

栞子「……なんだか妬けちゃうなぁ」ムスッ

あなた「え?」

栞子「あなたの彼女としては、そういう話を目の前でされるとな〜」

あなた「あ……ご、ごめん……」

栞子「そういう時はほらほら、どうするのが正解かな〜?」

あなた「えっと……///」

栞子「ん〜?」ニコニコ

あなた「……ごめんね?///」ナデナデ

栞子「うーん、もう一声!」

あなた「も、もうひと……?」
 
813: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 00:04:29.98 ID:uTt1VkDU
栞子「……私の、どこが好き?///」

あなた「……栞子ちゃんの親しみやすさの塊でみんなを笑顔にしちゃう所とか、立派な夢を持ってる所……あとにぱって笑う姿!」

あなた「私、そんな栞子ちゃんが大好きだよっ!」ニコッ

栞子「……♪ よろしい、よく出来ました♪」ナデナデ

あなた「あれ、いつの間にか私が撫でられてる……///」アハハ

栞子「あなたってこういう事になると、はっきり言わないと伝わんないんだよねぇ……」ナデナデ

璃奈「わかる。無自覚でそういう話するくせに」

栞子「お! 流石この子の彼女やってるだけはあるね! 璃奈ちゃんとは話しが合いそうだ♪」ニパッ

璃奈「私も、栞子お姉さんからこの子のお話聞きたい」

栞子「そっかそっか~♪ じゃあ、二人でこの子の恋バナでもしちゃう?」

璃奈「恋バナ……したい! 楽しみ! 璃奈ちゃんボード『(〃♡ω♡〃)キュン』」

あなた(あれ、これもしかして長くなるやつかな……?)
 
814: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 00:13:25.40 ID:uTt1VkDU
・・・・・

栞子「……それで、いつもこの子は私に甘えてきてね~」

璃奈「甘えてくるあなた……私はいつもかっこいいあなたのイメージだから、とても興味深い…!」

あなた(……別世界の私の話とは言え、なんだか聞いてると恥ずかしいな…///)

あなた「って! 長話してる場合じゃないんだった!」

あなた「栞子ちゃん! さっきも言った通りで栞子ちゃんにも協力して欲しくて……」

栞子「あぁ……なんだっけ? 別世界に行ってあなたのご当地彼女に会いに行く旅だったっけ?」

あなた「違うよっ!?」

栞子「あれ? でも話聞く限りだとそうじゃない?」

璃奈「大体合ってる」

あなた「……違うと思うけどなぁ」

栞子「じゃあ次行く曲世界の人は、あなたとどういう関係なの?」

あなた「関係……」

あなた「……私の、支配者……かな?」

栞子・璃奈「………」
 
815: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 00:27:36.09 ID:uTt1VkDU
栞子「聞いた? 支配者だって?」

璃奈「あなたがそんな趣味だったとは……」

あなた「違うからねっ!?/// 今のは私の言い方も悪かったと思うけど多分勘違いしてるよっ!?」

栞子「今度そういうプレイしてみる?」

璃奈「あなたが望むなら、私も頑張る……よ?///」

あなた「あ~もうっ!/// いいから行くよ! 次の曲世界に!!」

あなた「掴まって、璃奈ちゃん! 栞子ちゃん!」

璃奈「うん♪ 璃奈ちゃんボード『れっつご~♪』」ギュッ

栞子「おっけー♪」ニパッ
 
818: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 00:38:37.37 ID:uTt1VkDU
── ツナガルコネクト!

───『夜明珠』!! ───
 
819: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 00:44:00.64 ID:uTt1VkDU
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

あなた「二人共、大丈夫?」

璃奈「大丈夫」

栞子「私も平気だよ?」

栞子「……なんだか煌びやかな部屋だね?」キョロキョロ

璃奈「ついに別世界感ある場所にやって来た…! 璃奈ちゃんボード『わくわく(o>ω
栞子「あなたも、漢服? みたいなの着てるね、かわいいじゃん♪」

璃奈「素敵、記念に写真撮りたい。璃奈ちゃんボード『ピース✌』」

栞子「私も写真撮りたいな~♪ みんなで撮ろうよ✌」ニパッ

あなた「あはは……」
 
820: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 00:59:45.03 ID:uTt1VkDU
── ガチャ!!

ランジュ「遅いじゃない!! 今日はアナタの方から来るって…」

ランジュ「ラ?」キョトン

あなた「ランジュちゃん!」

栞子「ふむふむ、この方が噂の支配者?」

璃奈「……大きい、色々と。璃奈ちゃんボード『むむむ( ˘•ω•˘ )』」

ランジュ「きゃあっ♪ 誰? アナタの知り合い? とってもかわいいわ~!」ニコニコ

あなた「あえっと、二人は璃奈ちゃんと栞子ちゃんで…」

ランジュ「璃奈と栞子ね!! 二人共かわいくて、ランジュ気に入ったわ~♪」

あなた「えっとそれでねランジュちゃ…」

ランジュ「璃奈はお人形さんみたいでとってもキュートね! ランジュと一緒に遊んで欲しいわ!」

ランジュ「栞子はとっても美人さんね! ランジュとお揃いの服を着たらきっと似合うと思うわ!」

あなた「ランジュちゃん? だから話を…」

ランジュ「そうだわ! 今からみんなでお昼を食べましょ! ランジュの大好きなお肉料理をご馳走するわ!」

ランジュ「きっと二人とも、ランジュのことを好きになっちゃうわ!」ニコニコ

あなた「ランジュちゃーん……?」アハハ…

栞子「これがあなたの支配者……話がどんどん進んでいくね?」

璃奈「でも、悪い人ではなさそう。璃奈ちゃんボード『むんっ!』」
 
821: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 01:21:23.81 ID:uTt1VkDU
・・・・・

ランジュ「きゃあっ♪ つまり、栞子と璃奈は別世界のアナタの恋人ってことなのね!」

ランジュ「じゃあランジュとはもう家族のようなものね!」ニコニコ

ランジュ「嬉しいわ~♪ こんなにかわいい二人が家族になるなんて! 早速二人の部屋も用意しないとね!」

あなた「えっと、ここに住むわけじゃないんだよ?」

ランジュ「えぇ~~!? どうしてっ!? ランジュの宮廷の何が気に入らないって言うのっ!?」

あなた「そうじゃなくって、二人には二人の帰る世界があるから……」

ランジュ「むぅ……じゃあしょうがないのね……」シュン

璃奈「……ランジュさんは、私があなたの恋人である事は気にしないの?」

ランジュ「え? そんなの無問題ラ♪」

ランジュ「ランジュはアナタの支配者で、ランジュにとってもアナタは特別な人だけど、その恋人だって全部ランジュが愛してあげるわ♪」

璃奈「さすが支配者、器が大きい……璃奈ちゃんボード『あっぱれ』」
 
822: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 01:42:29.07 ID:uTt1VkDU
ランジュ「ふふっ♪ 璃奈はかわいいわね♪ 流石ランジュの妹ね!」

璃奈「じゃあ、ランジュお姉さん…?」ウワメズカイ

ランジュ「きゃあっ♪ なによこれ、幸せすぎるわ〜♪」

栞子「それじゃあ、私は?」

ランジュ「栞子も、ランジュの妹よ!」

栞子「ほほう、ついに私にも姉ができるんだね!」ニパッ

ランジュ「アナタはみんなの妻ね! とっても素敵な家族だわ〜♪」ニコニコ

あなた「あはは……私のせいで急に複雑な家族になったね…?」

ランジュ「そうだわ! みんなにランジュのお気に入りのお茶をご馳走するわ!」

ランジュ「勿論お茶はランジュが注ぐわ! お茶は淹れたてが一番なのよ♪」

あなた「ランジュちゃん? お茶を淹れる時は気を付けて…」

ランジュ「無問題ラ♪ ランジュだって成長してるのよ!」
 
823: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 01:51:29.14 ID:uTt1VkDU
ランジュ「茶器を触るときは濡れ布巾で……」

ランジュ「アイヤッ!?」ツルッ

あなた「ランジュちゃんっ!?」

── パシッ(キャッチ

栞子「大丈夫? 盛大に転んだね♪」アハハ

ランジュ「栞子…!」

栞子「うーん、なんかランジュはどこか危なっかしくてほっとけないというか……」

璃奈「栞子ちゃんの方がお姉さんっぽいね?」

あなた「ランジュちゃんは末っ子って感じがするからね~」アハハ

あなた(栞子ちゃんがランジュちゃんに手を焼くのは、どこの世界でも同じ、なのかな♪)
 
824: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 02:04:58.38 ID:uTt1VkDU
・・・

あなた「それで改めてだけど、ランジュちゃんの力が必要なんだ!」

ランジュ「ふふっ♪ 任せなさい! シモべのお願いを聞くのも、支配者としての役目ね!」

あなた「助かるよ! ランジュちゃんの『夜明珠』の力が、絶対必要だと思うんだ!」

璃奈「『夜明珠』の力……?」

ランジュ「そうよ、ランジュには特別な力、『夜明珠』の力があるの♪」

ランジュ「この力に支配された者は、全てランジュのどんな命令でも従う従順なシモべになるの!」

栞子「凄すぎない?」

璃奈「それで全て解決できるような……私たち、いる?」

あなた「あはは……確かにすごいけど、私にとっては二人だって負けない力を持ってると思うよ?」

璃奈「チカラ…? そんな特殊能力はないけど……?」

あなた「私がこんなにときめいて、好きになったんだもん。絶対にみんなとなら、奇跡だって起こせるって信じてる!」

栞子「……なにか考えがあるって顔だね♪」ニパッ
 
825: (もんじゃ) 2021/11/13(土) 02:08:33.08 ID:uTt1VkDU
あなた「うんっ! 信じてるから♪」

あなた「それじゃあ、行くよ! 次の曲世界に!!」

あなた「掴まって、璃奈ちゃん! 栞子ちゃん! ランジュちゃん!」

栞子「おっけー♪ 次はどんなご当地彼女に会えるのかな♪」ギュッ

ランジュ「ご当地彼女? なにそれ、ランジュ楽しみだわ~♪」ギュッ

璃奈「私の予想では、次は妹系が来ると見た」ギュッ

あなた「だから違うってば……」アハハ…
 
845: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:14:30.21 ID:vuKPFF8C
── ツナガルコネクト!

───『ヤダ!』!! ───
 
846: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:18:54.62 ID:vuKPFF8C
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……ん」

あなた「みんな、ちゃんといる?」

璃奈「大丈夫」

栞子「私も平気だよ?」

ランジュ「急に部屋が変わったわ! これが別世界なの!? すっごくわくわくするわ~!!」

あなた(よかった、今回は逸れずにみんな一緒に来れたんだね)

璃奈「……またあなたから知らない匂いがする」スンスン

璃奈「とても濃い匂い……これはまたマーキングしないと……///」スリスリ

あなた「り、璃奈ちゃん……///」

栞子「じゃあ私もしちゃおっかな〜♪」スリスリ

ランジュ「きゃあっ♪ 何よそれ、とっても楽しそうじゃない! ランジュも〜♪」スリスリ

あなた「ちょ、三人同時は潰れちゃう〜〜!///」ムギュ~
 
847: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:30:54.79 ID:vuKPFF8C
── ガチャ!!

せつ菜「もう!! ばたばたうるさいお姉ちゃん!!」

せつ菜「いい加減……に……?」キョトン

栞子「聞いた? お姉ちゃん、だって?」スリスリ

璃奈「やっぱり妹キャラ来た」スリスリ

ランジュ「きゃあっ♪ アナタの本物の妹っ!? ランジュ感激だわ〜♪」スリスリ

せつ菜「だ、誰ですかっ!?」

あなた「あ、せつ菜ちゃんびっくりさせてごめんね? この人達は…」

せつ菜「お姉ちゃんから離れてください!!」ビシッ!

ランジュ「せつ菜って言うのね! ねえねえランジュの事もお姉ちゃんって呼んで欲しいわ♪」ギュゥ~♪

せつ菜「なんなんですかこの人はっ!? 抱きつかないでください〜〜!!」グググ

せつ菜「そこの小さい人も! お姉ちゃんの膝の上に座らないでくださいっ!!」

璃奈「この席は私の特等席。譲れない」チョコン

せつ菜「ん〜〜っ!!///」プク~~~

栞子「これがあなたの妹かぁ♪ あなたとはまた違った可愛さがあるね♪」ナデナデ

せつ菜「勝手に撫でないでくださいっ!!///」

せつ菜「お姉ちゃんも満更でもない顔してないで何か言ってよ~~っ!!///」

あなた(このメンバー、まとめてくれる人がいないから収拾がつかないなぁ……)アハハ…
 
848: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:38:07.58 ID:vuKPFF8C
・・・

あなた「──というわけで、私は別世界から来た私でね?」

せつ菜「……じゃあ、この人達は別世界のお姉ちゃんの恋人ってこと?」

あなた「うん、それでせつ菜ちゃんにも協力して欲しいんだけど…」

せつ菜「ヤダ!!!」

あなた「え?」

せつ菜「お姉ちゃんのバカ!! 女ったらし!! ハーレム物の主人公〜〜!///」

── バタン!!

あなた「え、えぇ……?」

ランジュ「せつ菜はなんで出て行っちゃったの?」

璃奈「……妹さんの言うことも一理ある」

栞子「まあ、何も間違ったことは言ってないしね〜」アハハ

栞子「それに妹ちゃんからしたら、別世界とはいえ急にお姉さんが恋人連れて来たらねぇ……」

あなた「……びっくりさせちゃったのかなぁ?」

栞子「はぁ……そういう所……」

璃奈「そういう所……」

あなた「???」
 
849: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:43:31.08 ID:vuKPFF8C
ランジュ「せつ菜はアナタの事が大好きなのね!!」

ランジュ「つまりヤキモチを妬いてるのよ!」

あなた「そっか……お姉ちゃんが構ってくれなくなると思っちゃったのかな……」

栞子「もうそれでいいよ……」

璃奈「本当にはっきり伝えないと気付かない鈍感……」

あなた「?」

ランジュ「でもそれならランジュが説得してくるわ!」

あなた「ランジュちゃんが?」

栞子「あの特別な力を使うの?」

ランジュ「そんなの必要ないわ! ランジュに任せなさい! アナタの妹だもの、すぐにランジュの事も好きになるはずだわ!」

ランジュ「せつ菜〜! ランジュとお話しましょ〜♪」トタトタ

栞子「……大丈夫かなぁ?」
 
850: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:43:31.38 ID:vuKPFF8C
ランジュ「せつ菜はアナタの事が大好きなのね!!」

ランジュ「つまりヤキモチを妬いてるのよ!」

あなた「そっか……お姉ちゃんが構ってくれなくなると思っちゃったのかな……」

栞子「もうそれでいいよ……」

璃奈「本当にはっきり伝えないと気付かない鈍感……」

あなた「?」

ランジュ「でもそれならランジュが説得してくるわ!」

あなた「ランジュちゃんが?」

栞子「あの特別な力を使うの?」

ランジュ「そんなの必要ないわ! ランジュに任せなさい! アナタの妹だもの、すぐにランジュの事も好きになるはずだわ!」

ランジュ「せつ菜〜! ランジュとお話しましょ〜♪」トタトタ

栞子「……大丈夫かなぁ?」
 
851: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:47:34.09 ID:vuKPFF8C
── 数分後

ランジュ「うぅ……グズッ……」ポロポロ

あなた「ランジュちゃんっ!? 何があったの!?」

ランジュ「うぅ〜〜せつ菜に嫌いって言われた……二度と近づかないでって……ランジュ嫌われるような事した……?」グスン

栞子「よしよし、頑張ったねランジュ……」ナデナデ

璃奈「ああいう姉大好き妹キャラは、警戒心が高くて攻略が難しい」

あなた「璃奈ちゃん……?」

璃奈「次は私に任せて欲しい。こういうギャルゲーはよくやってきたから攻略法を知ってる」

璃奈「私がせつ菜ちゃんを攻略する……! 璃奈ちゃんボード『やったるでー!٩('ω')ﻭ』」

栞子「頑張れ璃奈ちゃん♪」

あなた「……なんか趣旨が変わってきてない?」
 
852: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:51:22.04 ID:vuKPFF8C
── 数分後

璃奈「璃奈ちゃんボード『惨敗……( ˟꒳˟ )』」

璃奈「やっぱりリアル妹攻略は無理ゲー……」

あなた「一体何言われたの……」アハハ

栞子「やっぱり説得するならあなたがしなきゃダメじゃない?」

あなた「うん、そうだよね?」

栞子「でも面白そうだから私も行ってくるね♪」ニパッ

栞子「あなたは最後ってことで、じゃあ妹攻略行ってきま〜す♪」トコトコ

あなた「……なんか楽しんでない?」


・・・

栞子「おはぴ〜♪ 栞子お姉ちゃんが来たぞ♪ なんちゃって♪」

せつ菜「……私のお姉ちゃんは一人だけだもん……///」プクーー(布団に包まり

栞子「お〜、これが萌えってやつ? たまんないね♪」ニパッ

せつ菜「……出てってください、私はあなたが嫌いです!!」
 
853: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 22:55:44.64 ID:vuKPFF8C
栞子「……そっか〜」

栞子「じゃあせつ菜ちゃんってさ、あの子……お姉さんのことは好き?」

せつ菜「………」

栞子「まあ、好きじゃなかったからこんなことにはなってないよね」アハハ

栞子「ちなみに私は大好きだよ♪ そりゃもう婚姻届の一つや二つは即印しちゃうくらいに♪」ニパッ

せつ菜「……何が言いたいんですか?」

栞子「好きだからさ、あの子が助けを求めてるなら力になってあげたいんだ」

せつ菜「……」

栞子「まあ、あの子が他の女の子とイチャイチャしてるのはちょっとあれだけどさ……」

栞子「……なんか、負けないぞっ!って思えてくるんだよね♪」ニパッ

せつ菜「っ!」

栞子「でも実際は、別世界をあの子と一緒に愉快なご当地彼女達も含めて冒険するのが楽しそうって思ったのもあるんだけどね♪」

栞子「ま、私が言いたいのはそれだけ♪ じゃね〜♪」フリフリ

せつ菜「………」
 
854: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:01:21.47 ID:vuKPFF8C
・・・

栞子「いや〜ダメだったね!」アハハ

ランジュ「栞子でもダメだったのね……」

璃奈「リアルの妹キャラはゲームみたいに上手くいかない……」

栞子「ほら、さっさとあなたも行ってきなよ、妹攻略♪」

あなた「妹攻略って……」アハハ…

栞子「あ、あと余計なこと言ったり妹ちゃんの言うことを否定しちゃダメだよ?」


・・・

あなた「せつ菜ちゃん、あのね……」

せつ菜「ここに座って!」

あなた「え? うん……」

せつ菜「……」チョコン(あなたの膝上に座る

あなた「えっと……?」

せつ菜「んっ!」(頭突き出し

あなた「?」

せつ菜「ん〜〜!!」ボフンボフン

あなた(……撫でればいいのかな?)ナデナデ

せつ菜「ん……///」

せつ菜「……手も握って///」
 
855: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:06:16.68 ID:vuKPFF8C
あなた「はい♪」ギュッ♪

せつ菜「そのままぎゅってして……///」

あなた「……こう?」ギュゥ♪

せつ菜「ん……///」

あなた「……♪」ナデナデ

せつ菜「……お姉ちゃん、困ってるの?」

あなた「え?」

せつ菜「さっき、八重歯の人が言ってた……」

あなた「栞子ちゃんが……」

あなた「うん、どうしてもせつ菜ちゃんにも協力して欲しいんだ……!」

せつ菜「……どうして私なの? さっきの人達だけでも…」

あなた「せつ菜ちゃんが私にとって、大好きでとってもときめく存在だから!」ニコッ

せつ菜「っ!///……他の人よりも?」

あなた「他の人にも負けないくらい♪」

せつ菜「……そこは、一番って言って欲しいんだけど……///」ムスッ

せつ菜「……でも、わかった」

せつ菜「お姉ちゃんが困ってるなら、私も助けになりたい……」

あなた「せつ菜ちゃん…! ありがとうっ!」

せつ菜「でも、お姉ちゃんのわがまま聞いたんだから、帰ってきたら私の言うことも聞いてよね!!」

あなた「うんっ! それは勿論♪」ニコッ
 
856: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:11:37.42 ID:vuKPFF8C
・・・

せつ菜「……皆さん、先程はすみませんでした」

せつ菜「ですが、私は認めた訳じゃありませんからっ!」

せつ菜「私にとってのお姉ちゃんはお姉ちゃんしかいませんからっ! そこの所は勘違いしないように!」

ランジュ「きゃあっ♪ せつ菜、仲直りしてくれるのね! ランジュ嬉しいわ〜♪」ギュウ~~♪

せつ菜「だから抱きつかないでくださいっ!!///」

栞子「これで妹キャラも、PT入りだね♪」

璃奈「妹に支配者に恋人……異様なPTになってきた」

栞子「そういえば今更だけど、私達って何をすればいいの?」

璃奈「それは私も気になってた。ランジュさんみたいに特殊な能力があるわけじゃないのに、どう力になればいいの?」

あなた「うーん……私の予想なんだけどね、次の曲世界の主がまだ困ってると思うんだ」

せつ菜「次の? お姉ちゃんが言ってた助けたい人とはまた違う人?」

あなた「うん、その人の力が、最後に助けたい世界の鍵となってるんだけど……もしまだ困ってるなら、きっとみんなが力になれる思うんだ」

あなた「だからみんな、力を貸して!」

みんな「「うんっ!!!」」

あなた「行くよ! 次の曲世界へ!!」
 
857: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:14:45.38 ID:vuKPFF8C
── ツナガルコネクト!

───『Break The System』!! ───
 
858: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:20:15.49 ID:vuKPFF8C
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「ん……」

あなた(……私のよく知る、いつも通りの私の部屋。そういえば、この曲世界が初めて来た曲世界だったなぁ……)

栞子「あれ、私の知ってるあなたの部屋だね?」キョロキョロ

栞子「もしかして、私の世界に戻ってきた?」

あなた「ううん、ここは違う曲世界だよ。同じなのは私もびっくりしたんだけどね?」

栞子「へー……なんか不思議だね?」

璃奈「……でも、匂いは違う」スンスン

ランジュ「きゃあっ♪ またアナタの部屋なの? 」

せつ菜「皆さん、お姉ちゃんに近づき過ぎです! 離れて〜〜〜!!!」グイグイ

ランジュ「きゃあっ♪ せつ菜、もっとランジュを引っ張って〜♪」ギュギュウ~♪

せつ菜「ベタベタするなぁ〜〜!!!///」

── ガチャ!!

歩夢「あなたっ!! ってええっ!? 誰っ!!?」

歩夢「え? ええ?? なんで、え……こんなループ初めて……なにがどうなって……?」

あなた「歩夢ちゃんっ! 久しぶりっ!!」

歩夢「え? 久しぶりってことは……もしかして……!」
 
860: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:26:21.22 ID:vuKPFF8C
・・・

あなた「そっか……やっぱり歩夢ちゃんはまだループを繰り返して……」

あなた(もしかしたらって思ってたけど、まだ歩夢ちゃんは私を救うためにループを繰り返しているんだね……)

歩夢「うん、あなたに教えてもらったループを抜け出す方法……」

歩夢「ロケットをタイムマシンに改造して隕石にぶつける……何度も試してるんだけど、何回やっても時間が間に合わなくて……」

あなた「でも大丈夫だよ歩夢ちゃん!」

あなた「歩夢ちゃんが一人で何度もループを繰り返して私を救おうとしてくれたみたいに、今度は私が歩夢ちゃん救うために頑張るから!」

あなた「一人じゃ無理なら二人で……二人で無理ならもっとたくさん!!」

あなた「今度は私が……ううん私たちが! 歩夢ちゃんを救ってみせる!!」ニコッ

歩夢「あなた……ありがとう♪」

あなた「時間がないんでしょ? 早速みんなで作戦を考えよう!」
 
862: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:39:16.50 ID:vuKPFF8C
・・・・・・・

栞子「ループを繰り返してあなたを救う、かぁ……いや~別の世界では苦労してる彼女枠もいるんだね~平和な世界であることに感謝だね♪」

栞子「そう思わない? せつ菜ちゃん?」

せつ菜「なんで私がお姉ちゃんと離れてこの人と行動しなきゃいけないの……」ムスッ

栞子「そんなに拗ねないでよ、ほら笑って笑って~♪ 可愛い顔がもったいないぞ♪」ニパッ

栞子「あ、でも拗ねてる顔もそれはそれで可愛いか~♪」

せつ菜「………」フンッ

栞子「仲良くしようよ~? そうじゃなきゃ、この作戦うまくいかないぞ?」

栞子「うーんじゃあ、あの子の好きな所どっちが言えるか勝負でもする? 負けないぞ~?」

せつ菜「むっ、それなら負けません!! 私の方がお姉ちゃんの事大好きだもん!!」

栞子「いいね♪ なんかね、せつ菜ちゃんとはさ、どこか不思議と競い合おうとしちゃう気がするんだよね~」

せつ菜「……不思議です。私も何故か、栞子さんには負けたくないと思いますから!」
 
863: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:52:04.83 ID:vuKPFF8C
栞子「……っと、そろそろ目的地だね」

栞子「ここで、出来るだけ沢山の人の気を引いて留まらせる……」

栞子「それで別行動の歩夢ちゃん達を動きやすくするっていう割と責任重大な役目だけど、沢山の人の気を引くねぇ……」

栞子「せつ菜ちゃんはどうやって気を引かせる? 大声でも出す?」

せつ菜「……当たらずとも遠からず、です」

せつ菜「私は、こう見えてお姉ちゃんとアーティスト活動をしているんですよ?」

せつ菜「私の歌で、皆さんを惹きつけてみせます!!」

栞子「……奇遇だね、私もやるなら歌、だと思ったんだ♪」

せつ菜「栞子さんも歌えるんですか?」

栞子「うん♪ まあ、プロには負けちゃうだろうけど、あの子に曲を作ってもらってね? 生徒会活動の一環としてステージに立ったりもしたんだ♪」

せつ菜「……では、曲は栞子さんに合わせます」

栞子「え? いいの?」

せつ菜「お姉ちゃんが私じゃなくて、他の人に向けて作った曲、興味ありますから一度聞かせてください……」

栞子「いいよ♪ 私のスマホに入ってるから聞いてみてよ」スッ📱
 
864: (もんじゃ) 2021/11/17(水) 23:59:32.44 ID:vuKPFF8C
せつ菜「………」

栞子「どう?」

せつ菜「お姉ちゃんが作った曲……栞子さんに向けた気持ちがとても強く感じます……♪」

栞子「嫉妬しちゃった?」ニパッ

せつ菜「この曲も、私が歌ってやろう! って気持ちになりました!」ペカッ

栞子「あははっ♪ そりゃ聞き捨てなりませんな〜♪ 私の曲だし、負けるわけにはいかないね♪」

せつ菜「私も絶対に負けません!!」

栞子「じゃあ、行くよ? せつ菜ちゃんがあわせてね?」ニパッ

せつ菜「いいえ、合わせるのは栞子さんの方になります!!」ペカーー



栞子&せつ菜「──── 決意の光!! ────」
 
866: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 00:11:23.85 ID:T+hfmNpi
・・・・・

歩夢「っ…!! 人が、こんなに少ない……」

あなた「せつ菜ちゃんと栞子ちゃん、上手くやってくれてるみたいだね!」

歩夢「うん…! 本来ならここの道は人が多くて進めないけど、これなら最短で真っすぐ進める!」

璃奈「タイム短縮、RTAの醍醐味…!」

ランジュ「あーるてぃーえー? 璃奈は難しい言葉を知ってるのね!」


・・・

歩夢「すごい……もう目的地についちゃった!」

あなた「ロケットがある施設……前は裏口から侵入したけど、今回は正面からなんだね?」

歩夢「うん、本当はこっちのほうが近いけど、警備の人が沢山いて強行突破するのは難しくて……」

ランジュ「そこで、ランジュの出番ってわけね!」

あなた「ランジュちゃん、行けるかな?」

ランジュ「無問題ラ♪ ランジュに任せなさい♪」
 
867: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 00:22:46.15 ID:T+hfmNpi
ランジュ「……♪」トコトコ

警備員「っ! そこの人、止まりなさい!!」

ランジュ「ふふっ♪ このランジュに命令していい人なんていないのよ?」

ランジュ「命令するのはこのランジュ♡」

ランジュ「支配してあげるわ……♪」フワッ

警備員「っ!!」

ランジュ「跪きなさい!」ビシッ!

警備員「っ」ザッ!(跪き

ランジュ「これで無問題ラ♪」ニコッ

璃奈「圧倒的チート能力……」

歩夢「ランジュちゃんが味方で本当によかったね……」アハハ

あなた「本当に心強いね♪」
 
869: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 00:31:37.73 ID:T+hfmNpi
・・・

歩夢「こんなに早くロケットにたどり着けるなんて……!」

歩夢「あとはロケットの改造が間に合えば……!」

璃奈「歩夢さん、私にも手伝わせて欲しい。機械いじりは得意」

歩夢「本当? ありがとう!」

あなた「……タイムマシンってどうやって作るの?」

歩夢「動力源は、私が持ってるこの火星の隕石……これを過去に戻るエネルギーに変換する装置を組み立てるの」

歩夢「設計図はここにあるから、璃奈ちゃんにはここの部分を……」

璃奈「なるほど……それならやること自体はPC組立と変わらないだね?」

あなた「……うーん、私が聞いてもいまいちわからないなぁ……」


・・・・・・・

歩夢「……出来た! ありがとう璃奈ちゃん!」

璃奈「お役に立てて良かった。璃奈ちゃんボード『にっこりん♪』」
 
870: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 00:41:27.48 ID:T+hfmNpi
歩夢「あとはこのスイッチを押せば……」ポチッ


── εε=🚀ゴォォォォォ!!!


轟音と共に宇宙へと飛び立つロケットはやがて……
彼方へ消えたあと、隕石とぶつかったことを知らせる衝撃波を送る……


歩夢「……ここまでは順調」

歩夢「あとは、隕石の破片さえ降ってこなければ……!」



……

………


歩夢「……落ちて、来ない?」

あなた「……これで、終わったの?」

歩夢「……完全に隕石が消滅した……!」

歩夢「……生きてる……あなたが生きてる……!!」ウルウル

歩夢「よかった~~!」ギュゥゥ~~!!

あなた「わわっ! 歩夢ちゃん……よかった♪」ギュゥ♪

歩夢「これで、あなたとこれからもずっと一緒にいられるんだね……」グスン

あなた「……うん♪ そうだね♪」
 
873: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 00:54:16.87 ID:T+hfmNpi
せつ菜「あっ! お姉ちゃんったら、私がいない隙にまた他の人と……」プクー

栞子「まあまあ、ここは抑えてあげようよ。ほら、正妻の余裕ってやつ?」

ランジュ「せつ菜! 栞子! 戻ってきたのね!」

歩夢「……っ!/// ご、ごめん……私ったらつい感動しちゃって……///」パッ

あなた「あはは……/// 別にいいんだよ、私も嬉しかったし♪」ニコッ

歩夢「~っ!/// もう、あなたったら……///」

栞子「……ほうほう、この世界の彼女枠はまだそういう関係だったか♪」ニパッ

璃奈「このキュンキュンする感じ、懐かしい。璃奈ちゃんボード『ほわわ~(˶°口°˶)』」

歩夢「っ!?/// え、えっとその……///」アセアセ

あなた「歩夢ちゃん……一段落付いた後に続けてで悪いんだけどさ、私と一緒に来てくれない?」

歩夢「え?」

あなた「歩夢ちゃんの力が必要なんだ!」

歩夢「私の力が……?」
 
875: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 01:02:10.09 ID:T+hfmNpi
── ツナガルコネクト!

───『L!L!L!』!! ───
 
876: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 01:08:43.61 ID:T+hfmNpi
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「みんな、ただいま!」

しずく「姫様っ! 無事で何よりです♪」

ミア「待っててくれって言ってたけど随分早かったね?」

果林「まだ5分くらいしかたってないわよ?」

かすみ「って! なんかまたたくさん人がっ!?」

エマ「わぁ…♪ 大賑わいですね♪」

あなた「あはは……」

歩夢「あなた、ここは……?」

あなた「ここはね、私の曲世界♪ それぞれ別の曲世界のみんなを繋ぐための世界なんだ♪」

あなた「私ね、みんなにここでひとつのステージに立って欲しいの!」

歩夢「ステージ……」

あなた「うん! それぞれの世界の12人が作る最高のステージを、この目で見てみたいんだ!!」

あなた「それがここにみんなを呼んだ理由♪」

彼方「なるほどね~あなたの真の目的はそれだったのか♪」
 
877: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 01:21:19.47 ID:T+hfmNpi
かすみ「12人……? 11人しかいませんけど……あ、先輩もステージに立つんですかっ!?」

あなた「……ううん、あと一人。救わなきゃいけない曲世界の人がいるんだ」

ランジュ「きゃあっ♪ ということは、もしかしてその世界には全員で行くってこと!?」

あなた「……そうしたいのは山々なんだけどね?」

── プルルルル📱

あなた「璃奈ちゃん、行けるかな?」📱

璃奈『全員は無理。それどころか、愛さんの曲世界にはあなたが存在していない』📱

璃奈『つまり、精神リンクではなくこの曲世界のあなたを直接愛さんの曲世界に送らなきゃいけない』

璃奈『そうなると、L!L!L!の曲世界の強い繋がりを持ったあなたでも……愛さんの曲世界に行くにはあなた一人……無理してもあなた含めて3人が限界かも』

あなた「……やっぱりそうだよね」

ランジュ「……ねえ、なんで璃奈はあの四角い箱から話してるの?」

ランジュ「というか璃奈はここにいるじゃない! どうやって話してるのっ!?」

璃奈「あれは多分、私じゃなくて、違う世界の私が話してるんだと思う。不思議な感覚……璃奈ちゃんボード『むむむ……』」

しずく「なぜ箱から声が聞こえるのでしょう……これも異世界だからですか……?」

ミア「あれはスマホだよ」

エマ「果林ちゃん、スマホって何?」

果林「えっ!? そ、そうね……とても便利なものよ……」
 
878: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 01:34:39.59 ID:T+hfmNpi
栞子「なるほどね、つまりあと二人……あなたと最後の曲世界へ一緒に行く人をここでドラフトするってわけだ♪」

かすみ「それならかすみんが行きますっ! かすみんの魔法で先輩を守ってみせますから♪」

せつ菜「お姉ちゃんっ! 私が絶対一緒に行くから!!」

歩夢「そ、それなら私もっ!」

あなた「え、えっと……ごめんね? 愛ちゃんの曲世界には私一人で行くつもり」

みんな「っ!?」

あなた「あの曲世界の愛ちゃんが今どうなってるのか私にも分からないし、もしかしたら危険だとも思う……だから、みんなにはここで待っていて欲しい」

あなた「歩夢ちゃん、タイムマシン借りていい?」

歩夢「え? タイムマシンを……?」

あなた「うん、曲世界の愛ちゃん……ううん、愛さんを救うには過去に戻る必要があるから」

歩夢「……嫌」

あなた「え?」
 
880: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 01:46:01.36 ID:T+hfmNpi
歩夢「このタイムマシンは、使い方を間違えれば私みたいにループに囚われることになる……」

歩夢「あなたにそうはさせない……あなたをこれ以上危険な目には合わせたくない……!」

歩夢「どうしても使いたいなら私も一緒に行く! そうじゃなきゃ、これは貸さないからっ!!」

あなた「……歩夢ちゃん」

あなた「……わかった。歩夢ちゃんも一緒に来て?」

歩夢「……もちろん♪」

かすみ「じゃああと一人は、魔法で守ることの出来るかすみんに決定ですね!」

しずく「姫様をお守りするのが、侍女である私の勤めです。私が行きましょう!」

ランジュ「ランジュが行くわ! この特別な力が必要なんでしょ?」

エマ「それなら、間をとってわたしにしませんか♪」

あなた「え、えっと……危険なんだよ? もしかしたら、戻って来れない可能性も……」

あなた「私はみんなには無事でいて欲しくて……」

彼方「それなら、彼方ちゃんに行かせてくれない?」

あなた「彼方さん……?」
 
881: (もんじゃ) 2021/11/18(木) 01:56:42.59 ID:T+hfmNpi
彼方「彼方ちゃん、あなたに助けて貰ってばっかりで……あなたを救うつもりが、結局あなたに命を救って貰っちゃってさ……」

彼方「これじゃあ、遥ちゃんにも顔向け出来ないよ♪ まだ残り火だけど、力も使える」

彼方「この焔で、今度はあなたと、あなたの大切な人を救うと誓うよ♪」

あなた「彼方さん……」

あなた「……危なくなったら、すぐ帰るからね?」

彼方「彼方ちゃんに任せなさい♪」

かすみ「むぅ……かすみんだって守れるのに……」

エマ「まあまあ、ここは彼方ちゃんを信じてあげよう♪」

しずく「共闘した時に感じました。悔しいですけど、彼方さんはこの中で1番強いと思います」

しずく「どうか、姫様をお守りくださいっ!」

彼方「うん、約束する!」

せつ菜「……お姉ちゃんも、絶対に帰ってきてよね?」

あなた「うん、約束するよ!!」

あなた「行こう、愛ちゃんを救いに……!!」
 
914: (もんじゃ) 2021/11/30(火) 00:20:13.72 ID:upvifX08
保守ありがとうございます!
最後の最後で色々立て込んでしまって中々更新できなくて申し訳ない……
何とかこのスレ内で完結すると思います。(お気遣い本当に感謝です)

明日、更新します!
 
917: (もんじゃ) 2021/11/30(火) 21:29:27.45 ID:upvifX08
── ツナガルコネクト!

───『Diabolic mulier』!! ───
 
918: (もんじゃ) 2021/11/30(火) 21:32:52.59 ID:upvifX08
・・・・・・・・・・・・・・・

あなた「……うん?」


瞼の蓋を開けて、その世界を見渡す。

……夜だ。

だけど月明かりが眩しく、視界ははっきりしている。

消えたはずの朧気だった記憶が鮮明に甦る……

そういえば、この曲世界の……吸血姫である愛ちゃんと出会ったのもこんな月明かりの指す夜だったな……
そしてもう一人の愛ちゃんと出会ったのは、目の前に見える村……

夜であるにも関わらず、村には明かりも、人の気配も一切存在しない……
 
919: (もんじゃ) 2021/11/30(火) 21:38:19.71 ID:upvifX08
彼方「……寂しい村だね」

彼方「ひとけがない、人が消えた村……アヤカシに滅ぼされた彼方ちゃんの故郷を思い出すよ……」

あなた「……うん」

あなた「これは多分この曲世界の主、吸血姫の愛ちゃんが……」

彼方「どうしてそんな……」

あなた「愛ちゃんは、過去に村の人との行き違いで最愛の人を失って……それで人を憎んでる……」

歩夢「最愛の人を……」

あなた「その憎しみが募って、きっとこの世界を……」

あなた「でも、本当は愛ちゃんはそんなことを望んでいないんだと思うんだ」

彼方「どういうこと?」

あなた「この曲世界『Diabolic mulier』の元となったお話に出てくる吸血姫もね、過去の悲恋が原因で様々な悲劇を起こすの」

あなた「でも本当は吸血姫の力が暴走して、自分自身でも抑えられなくなってるだけなの……!」

あなた「だから、愛ちゃんも同じように苦しんでるのかもしれない……だとしたら私は愛ちゃんを助けたい!!」


前にこの曲世界へ来た時は私の記憶も無くて、一人さ迷っていた。
何も分からなかった私は愛ちゃんを……愛さんを救うことが出来なかった……

でも、今は違う!


あなた「愛ちゃんと村の人の行き違いで起きた悲恋。その過去の運命を変えることが出来れば……!」

歩夢「それで、タイムマシンなんだね」

あなた「そういうこと♪」ニコッ
 
920: (もんじゃ) 2021/11/30(火) 21:43:57.04 ID:upvifX08
歩夢「でも、私のタイムマシンは使用者をタイムリープさせる装置……」

歩夢「愛ちゃんの過去を変えるには、愛ちゃん自身が使わなくちゃいけないんだよ?」

彼方「え〜そうなの? てっきり彼方ちゃん、かすみちゃんのあの過去に戻る魔法、だっけ? あれみたいに3人で愛ちゃんを救いに行くのかと」

あなた「あはは……あの魔法は、使用者だけじゃなくて周りの人もタイムリープもタイムトラベルも両立させる結構無茶苦茶な魔法だからね……」

歩夢「え、そんな凄い魔法が使えるならどうして私のを……」

あなた「んーあの魔法は、あまり遠い時間を巻き戻すことが出来ないから……それにかすみちゃんの負担も多いだろうし」

あなた「私は歩夢ちゃんの方が適任だと思ったんだ」

歩夢「そ、そっか……///」

あなた「そういう訳だから、愛ちゃんにも協力してもらうつもり」

あなた「その為には、愛ちゃんを説得しなきゃ……」

彼方「なるほどね〜つまりは愛ちゃんを説得してタイムマシンで過去の運命を変える」

彼方「だから、あなたは一人でも大丈夫だと思って行こうとしたって訳だね?」

── ギュッ♡

あなた「か、彼方さん……?///」

彼方「えっへへ〜♪ 大丈夫だよ〜あなたを一人では行かせない♪ 彼方ちゃんも一緒に行って、絶対にあなたを守るからね♡」ギュゥ〜♡

あなた「彼方さん……///」

歩夢「わ、私も! 私もあなたを守るからね……///」ギュッ♡

歩夢「もし無理だったら、愛ちゃんを説得するまでタイムリープを繰り返すから!」

あなた「あはは……/// 本当に何事もなければいいんだけどね?」
 
921: (もんじゃ) 2021/11/30(火) 21:51:27.18 ID:upvifX08
・・・・・

愛ちゃんのいる場所は、ここしかないと思った。

獣道を進んだ先にある、古びている以外は何の変哲もない神社。だけどここだけが纏う異様な空気感……

その正体はきっと、神社の前に佇む……


あなた「愛ちゃん……!」


私の声に気付き振り向く。その動作すらも妖しく、神秘的で美しい。

着崩した花魁のような、妖艶な衣装……
眩しい金色の髪が、その妖しさを惹き立て目を惹かれる……


愛「……待ってたよ、子羊ちゃん♡」

愛「いや、今はもう迷える子羊ちゃんじゃないか……」

あなた「え……?」


どういうこと? おかしい。だってこの曲世界の私は愛ちゃんに消されて……その私が今目の前に立っているんだよ? もっと驚くと思ってた