かすみ「同好会のメンバーを隠し撮りします！」【SS】

～生徒会室～

副会長「中須さん、中須かすみさん？」ﾕｻﾕｻ

かすみ「……」

副会長「中須さん！中須かすみさん！！起きてください！会議はもう終わりましたよ？」

かすみ「……」

副会長「中須さん？中須さん！」

かすみ「むにゃむにゃ……えへへ、しずこ～、もう食べられないよぉ～……」

副会長「……」

ﾊﾞﾝｯ!!

会長「普通科一年！中須かすみさん！！！」

かすみ「わああっ！！はいはいはいはい！！みんなのアイドル、かすみんですよ～！てへっ♪」

副会長「やっと起きましたか……中須さん、もう会議は終了していますよ？」

かすみ「あ、うん。えっと……会議？」

副会長「……もしかして私が申しあげた内容を覚えていらっしゃらないのですか？」

かすみ「ぎくぅっ！！？や、やだなぁ～、そんなわけないじゃないですか～……で、なんだっけ？」

会長「はぁ……部活動情報誌用の個人写真です。あなたがたの同好会だけ提出が遅れているのですが」

かすみ「写真……」

副会長「このままでは予定通りに入稿できません。大至急提出の方をお願いします」

かすみ「あぁ………ああっ！！」

ｽｸｯ!!

かすみ「ヤバっ！！かすみんすっかり忘れてたぁ！！！えっと……」

かすみ「……と、とりあえず！！今すぐに皆さんの写真を集めてきちゃいます～！！！！」ﾋﾟｭｰｯ!!

かすみ「あぅ～……ううっ、生徒会の人に言われてた提出期限とっくに過ぎてんじゃん……かすみん忙しくてすっかり忘れてたよぉ……」

ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

かすみ「はうぅ～……もし万が一提出期限が間に合ってなくて、同好会の紹介ページがカットされちゃったりなんてしたら絶対怒られちゃうよね、特に果林先輩とかせつ菜先輩辺りに……」

かすみ「……」

果林『ねえかすみちゃん。せっかくの同好会の宣伝機会を、あなた丸ごと全部台無しにしたのよね？それ相応の覚悟はできているのかしら？』

せつ菜『かすみさん？あなたは同好会の名前に泥を塗ってくれたんですよ？それも自分の怠慢で。ちゃんと責任は取ってくれますよね？』

かすみ「はぅぅ……」

ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

かすみ「……」

かすみ「……紹介ページ？」

かすみ（それってつまり、かすみんの名前を学校中に知らしめる絶好のチャンスで……）

かすみ（それに確かさっき副会長『個人写真』って言ってたよね……）

かすみ「……！！」

ﾋﾟｺｰﾝ!

かすみ「あっ！かすみんいい事思いついちゃった！！」

かすみ（同好会の紹介ページでかすみん一人だけとびっきり可愛くしちゃって～、他のみーんなは変な写真に差し替えちゃえばいいんじゃない！！？）

かすみ（そしたらページを見てくれたファンのみんなはかすみんのとびっきりの笑顔に釘付けになること間違いなしっ！！さっすがかすみん、あったまいい～☆）

かすみ「ぐふふふふふ………♪」

かすみ（なーんか最近、かすみんのイタズラキャラのことみなさんにすーっかり忘れられちゃってるような気がするし……ちょうどいいチャンスですっ！！）

かすみ（せつ菜先輩たちのことを騙しに騙して！スクールアイドルNo.1の座はこのかすみんが頂いちゃいますよ～！！ぐふふふふ………♪）

かすみ「ふふふ～ん♪」ﾙﾝﾙﾝ♪

～部室～

ｶﾞﾁｬｯ

かすみ「失礼しまーす……」

彼方「……」

かすみ（ぐふふっ、最初の餌食は彼方先輩ですねぇ～……☆）

かすみ（彼方先輩には悪いんですが、先輩にはここでかすみんの踏み台になってもらっちゃうますよ～）

かすみ「むふふ……」ﾆﾔﾆﾔ

彼方「むにゃむにゃ……」

かすみ「えへへ……」

ﾊﾟｼｬ!ﾊﾟｼｬ!

彼方「すやぁ……」

かすみ（ふっふっふ～、彼方先輩の部室でのあられもない姿！こーんなのが流出しちゃったら……）


『スクープ！同好会の眠り姫！部室でも四六時中眠り続けていた！？』


かすみ（なーんて記事が学校中にばらまかれて、ファンをがっかりさせちゃうこと間違いなしですよ～！！むふふふふ……♪）

かすみ（彼方先輩、覚悟っ！！）

ﾊﾟｼｬ!ﾊﾟｼｬ!!

彼方「すやぁ………」

かすみ「……よしっ！盗撮完了ですっ！写真の出来は……」

ﾋﾟｯ!

かすみ「……」

かすみ「……よく考えたらコレ、ただの普通の彼方先輩じゃん」

彼方「やだなぁかすみちゃん、彼方ちゃんもずーっと眠り続けてるわけじゃないよ～」

璃奈「かすみちゃん、何してるの？」

かすみ「りな子！？隙ありっ！」

璃奈「わっ！」

ﾊﾟｼｬｯ!

かすみ「へへーん！りな子の驚き顔頂きっ！きーっとりな子はびっくりしちゃてちょこっと間抜けなお顔に……」

ﾋﾟｯ!

かすみ「……」

かすみ「……りな子？もしかしてびっくりしなかったの？」

璃奈「びっくりはした。ただ表情に出せなかっただけ」

璃奈「かすみちゃん？何してるの？もしかして……いつものイタズラ？」

かすみ「ぎくぅっ！！？それは、えっと……」

璃奈「イタズラは良くない。止めないならしずくちゃんに言いつけちゃうよ」

かすみ「わあああっ！！やめてっ！！しず子はまだ撮ってないからぁ！！えっと、実はかくかくしかじかで……」

璃奈「ふーん。同好会の紹介写真、だったら待ってて」ｶﾞｻｶﾞｻ

かすみ「……？」

璃奈「……はい、準備できた。かすみちゃん、いつでも撮っていいよ」

かすみ「えっと……準備って何したの？」

璃奈「ボードを新調した。いつもより気合入ってる。璃奈ちゃんボード『きりっ！』」

かすみ「いつものと変わんなくない？」

璃奈「全然違う。例えばここ、口角が5.6°上がってる」

かすみ「……」

璃奈「かすみちゃん、緊張するから早く撮って」ｿﾜｿﾜ

かすみ「ボード越しじゃ緊張なんてわかんないよ……」

ﾊﾟｼｬｯ!

かすみ「……とりあえずりな子と彼方先輩はこれでいっか」

ｽﾀｽﾀ

かすみ「次は……あっ、果林先輩！」

果林「ふふふふふ～ん♪」ｸﾙｸﾙ♪

かすみ（チャンスですっ！果林先輩今夢中でダンスレッスンやってますっ！）

かすみ（果林先輩ってちょっとおバカ……頭のネジが抜けてるところもありますし～、ぐふふふっ！果林先輩の恥ずかしいところをかすみんが激写しちゃいますよ～！！！）

果林「ワン、ツー、スリー、フォー～♪」

かすみ「……」ｼﾞｰｯ

果林「ふぅ……こんなものかしら？」ｸﾙｯ♪

かすみ「……」

かすみ（……なかなかボロを出しませんね）

ｼﾞｰｯ

はんぺん「にゃぁ……」

かすみ「はぅっ！？」ﾋﾞｸｯ!!

かすみ（はっ！子ネコ！？）

かすみ「……」

はんぺん「……にゃぁ？」

かすみ「……」

かすみ「ほらはんぺん、行っておいで～」

はんぺん「……？」

ﾃｸﾃｸ

かすみ（にしし、果林先輩の背後から急にはんぺんが現れたら、先輩もビックリして飛び上がっちゃうこと間違いなしです……☆）

果林「～♪」

はんぺん「……」ﾃｸﾃｸ

かすみ（さぁ果林先輩！びっくりして間抜けなお顔をかすみんに……）

果林「……あら？」

ﾋｮｲｯ!

果林「もう、誰よはんぺんを校舎に呼んじゃったのは？」

かすみ「……へ？」

果林「……」ｷｮﾛｷｮﾛ

はんぺん「……」

果林「そう、あなたも迷子なのね」

はんぺん「にゃぁ……？」

果林「ほーら、じっとしてなさい。練習終わったら中庭に帰してあげるから」

はんぺん「……」

かすみ「……」

かすみ（あれれ～？おっかしいなー、今ぜぇーったい果林先輩の死角からはんぺんに襲ってもらったはずなのに……）

かすみ「ぐぬぬ、どうして……」

果林「そうね、おかしいわよね。私だけに死角が存在するなんて」

かすみ「うげぇっ！？果林先輩！！？」ﾋﾞｸｯ!!!

果林「ねえかすみちゃん、そんな隅っこで何をしているのかしら？しかも手にはカメラを持って」

かすみ「あ、いや、これはその……」

果林「答えなくてもわかるわよ。ズバリ……そう、あなたそのカメラで盗撮をしてたのでしょう？」

かすみ「ぎくぅっ！！？……気づいてたんですか？」

果林「当たり前よ。仕事柄カメラの視線は嫌でも感じてしまうものなのよ、私」

かすみ「はぁ……」

果林「それで？かすみちゃんはどうして盗撮なんて悪趣味なことをしていたのかしら？」

かすみ「そ、それは……」

果林「答えの内容によってはタダじゃおかないわよ？」ｽﾞｲｯ!

かすみ「あ、えっと、その、実は……」ｳﾙｳﾙ

エマ「あれれ～？かすみちゃんもしかして果林ちゃんの恥ずかしい写真が欲しいの～？」ひょこっ！

果林「……エマ？」

かすみ「エマ先輩！！？た、助けて下さいっ！！果林先輩がかすみんのことイジメてきますぅ～！！！」ﾀﾞｷｯ!

エマ「よしよし、怖かったね～。でももう大丈夫だよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

かすみ「ふえ～ん！！！」

果林「……エマ？別に私はイジメてるつもりはな

エマ「あ、そういえばね～。私は果林ちゃんの恥ずかしいお写真ならたっくさん持ってるよ～」

果林「エマ！！？」

エマ「例えば……これとかどうかな？」

かすみ「え、これ何の写真ですか？」

エマ「果林ちゃんが自分の筆箱を間違えて食べちゃいそうになってる写真だよ～」

かすみ「……は？」

エマ「果林ちゃんが筆箱を新しくしたみたいなんだけど、それが白い筆箱だったからね～、私のサンドイッチと間違えて食べちゃいそうになったんだって～」

かすみ「へぇ～……」

果林「あ、いや、それは寝ぼけて間違えただけで……//」

エマ「他にも鏡に向かって語りかけてる写真とか～、私のことを間違ってママって呼び続けちゃう動画とか～……」

かすみ「……」

果林「ちょっとエマ！！？その動画は消してって言ってるじゃない！！ほら、スマホ貸しなさい！！！」

エマ「え～？やだよ～、果林ちゃんが寝ぼけてるのが悪いんだよ～？」

果林「ちょっとエマ！！？エマっ！！待ちなさいっ！！」

ﾜﾁｬﾜﾁｬ♪

かすみ「……」

ﾊﾟｼｬｯ!

かすみ（……ま、このお二人はこれくらいで勘弁しといてあげますか。なんだかちょびっとだけ微笑ましい写真が撮れましたし）

かすみ「はぁ……上手くいかないなぁ……」ｼｮﾎﾞｰﾝ

ﾃｸﾃｸ

しずく「……あれ？どうしたの？」

かすみ（しず子ぉ！！？）

ｻｻｯ!!

かすみ「じーっ……」

しずく「もう、遊びたくなっちゃった？ふふふっ♪」ﾆｷﾞﾆｷﾞ

はんぺん「にゃあにゃあ♪」

かすみ「ほっ……」

かすみ（なんだぁ、見つかったのははんぺんの方かぁ……）

しずく「……」

はんぺん「にゃぁ……♡」

しずく「ふふふっ、可愛い♡」

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

しずく「……なんか動物さんと触れ合ってると、本当の自分に戻れる気がするなぁ」

かすみ「！！？」ﾋﾞｸｯ!

かすみ（本当の……しず子ぉ！！？）

かすみ「……」ｼﾞｰｯ

しずく「動物って不思議……人間とはまるで違うから、何考えてるかわかんなくて……そもそも感情とかってあるのかな？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ♪

はんぺん「……？」

かすみ「……」

かすみ（確かに……確かにずーっとしず子は言ってるかも、本当の自分ってなんだろうって……）

かすみ（ということは……本当のしず子を激写できたらそれってもしかして大スクープなんじゃない！！？）

かすみ「それにかすみんも本当のしず子、気になる……」

かすみ「……」

ｺﾞｸﾘ

かすみ「……よしっ！！」

ｻｻｯ!

かすみ（しず子覚悟！！普段さんざんからかわれてるけど！今日はかすみんの方がしず子の本性を……）

かすみ「……」ｼﾞｰｯ

かすみ（しず子の恥ずかしい秘密を！かすみんのこのカメラに……）

かすみ「……」

かすみ（本当の、しず子を……）

かすみ「……」

かすみ「…………かわいい」

かすみ「……」

しずく「ほらほら、こちょこちょしちゃうぞ～♪」

はんぺん「にゃーん♪」

しずく「ふふふっ、あははははっ♪」

ｷｬｯｷｬｯ♪

かすみ「……」ﾎﾟｰｯ

しずく「もうっ、くすぐったいよ～♪」

かすみ「……//」

かすみ（しず子、あんな表情できるんだ……）

かすみ「……」

かすみ（だってかすみん、見たことないもん。しず子があんな顔してるとこ……）

しずく「きゃっ、もうっ！やめてよ～！！」

かすみ「……//」ﾎﾟｰｯ

しずく（じゃああれが……素の、演技してないしず子ってこと？）

かすみ「……」

かすみ（なんだろ、新鮮っていうのももちろんあるけど、それ以上に、すっごく……）

かすみ「か、かわ……//」

璃奈「かすみちゃん、何してるの？」

かすみ「わああああっ！！！！？////」

かすみ「り、りな子！！！？いきなり驚かせないでよっ！！！！//」ﾊﾞｸﾊﾞｸ!!!

璃奈「ごめん。さっき果林さんからかすみちゃんとはんぺんが一緒にいるって連絡が来たから」

かすみ「あっ、そ、そう……もうっ！！それならそう言ってよねっ！！」ﾌﾟｸｰｯ!!!

璃奈「それで、はんぺんはどこ？」

かすみ「しず子と一緒。もうっ、部室に勝手に連れてこないでよね」

璃奈「わかった。ありがとかすみちゃん。璃奈ちゃんボード『ペコリ』」

ﾃｸﾃｸ

かすみ「はぁ～………あっぶな、かすみんがしず子に見とれてるとこ、危うくりな子に見られちゃうとこだったじゃん……」

かすみ「……」

かすみ（見とれ……？）

かすみ「……」

しずく『きゃっ！やめてよ～、くすぐったいよ～！あははははっ♪』

かすみ「……//」ｶｧｧｯ!!

かすみ「こっ、こほんっ！！//とりあえず次っ！！次行かないとっ！！」

ﾋﾟｭｰｯ!!

璃奈「しずくちゃん？」

しずく「あ、璃奈さん！ごめんね？はんぺん急に借りちゃって」

璃奈「ううん、大丈夫。はんぺんにもいい散歩になったと思う」

ﾋｮｲｯ!

璃奈「はんぺんを中庭に戻してくるね」

しずく「うん！ありがと璃奈さん、助かっちゃった！」

ﾃｸﾃｸ

しずく「ふぅ……」

ｽｯｽｯ

しずく「……くすっ」

しずく（うん！ちゃんと撮れてる。かすみさんのちょっぴり赤くなったお顔♡）

しずく「もうっ、ダメだよかすみさん。隠し撮りならちゃんと相手に見つからないようにやらないと」

ｽｯｽｯ

しずく（でも、やっぱりかすみさんが頬を赤らめてるってことは、動物と楽しそうに戯れている私がちょっぴりだけど可愛かったってこと……なのかな？）

しずく「……な～んて、自惚れすぎだよね。ふふっ♡」

ﾙﾝﾙﾝ♪

しずく（さっきのかすみさんの写真はスマホの壁紙にしちゃお～っと！）

かすみ「はぁ～……」

かすみ（ああ～……このままだとかすみん、骨折り損のくたびれ儲けですぅ～……）

ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

かすみ「せめて、せめて残りの三人だけは上手く変な写真を用意しないと……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

かすみ（特にせつ菜先輩と歩夢先輩は、かすみんの不動の大人気を脅かしつつあるって聞きますし……）

かすみ「どうにかして、せめて二年生組だけでも変な写真を……」

愛「おっ、かすかすじゃーん！どしたの？悩み事？」

かすみ「あっ、愛先輩………そうだっ！！そうなんですよ～！かすみん実は一つだけちょー悩んでることがあって～」

愛「なになに～？愛さんに言ってみ～！愛さんがズバッと解決してあげるっ！」

かすみ「その、実は……どうしても愛先輩の変顔が欲しいんです」

かすみ（ぐふふっ、引っかかりましたね愛先輩……☆）

かすみ（今まで隠し撮りしようとしたから失敗して来たんですよっ！だから発想を180°回転させて！愛先輩には直接変な顔をするように頼めばいいんですっ！！）

かすみ（それにこうすれば～、愛先輩は性格がいいから絶対に断れませんよ～、むふふふふふ～……）

愛「え？変顔？どして？」

かすみ「かすみん今度にらめっこの全国大会に出ることになったんですけどぉ～」

愛「おっ！いいねぇ～全国大会！！」

かすみ「はいっ！でもかすみんってばにらめっこ初心者だから～、どうしたら相手を笑わせられるかわかんなくて困ってたんですぅ～、てへっ♪」

愛「ほぉ……」

かすみ「だから愛せんぱぁ～い、かすみんに変顔の極意、教えて欲しいなぁ～、なんてぇ～……きゃるん♪」

愛「なるほど～、やっぱり初めての大会は不安だよね……でもかすかすなら大丈夫っ！なんてったってかすみんの仕草は今のままでも十分ギャグとして成立

かすみ「それ以上言ったらぶん殴りますよ愛先輩」

かすみ「とにかくっ！かすみんは愛先輩に変顔の見本を見せて欲しいんです～！！お願いしますよ愛先輩～！！」ﾕｻﾕｻ

愛「よーしわかったっ！じゃあまずは……ほらっ！こんな感じ？」

かすみ「ぷひょっ！！あははっ！！なんですかその表情は！！」

愛「わかってないなかすみんは～、変顔は大袈裟にやるから面白いんだぞ～！！他にも……こうっ！とか？」

愛「あっ！目をこーんな感じにしてみるのもいいんじゃね？どう？」

かすみ「あははははっ！！愛先輩ってば面白すぎますよぉ～！！いひひひひっ！！！」

かすみ（あははっ！！愛先輩ってば面白すぎますっ！！こ～んなにもかすみんの手のひらの上で踊ってくれるだなんて！！）

ﾊﾟｼｬ!ﾊﾟｼｬ!!

愛「え～、かすかすってば褒め上手だなぁ～、もうっ！！」

かすみ「だって愛先輩が面白すぎるんですも～ん！！」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

歩夢「あれ？二人とも何してるの？」

かすみ「あっ、ちょうどいいところに！」

愛「あゆむ～、かすみんが変顔の極意を教えて欲しいんだって！」

歩夢「変顔の……極意？」

かすみ「そうなんですっ！実はかすみん、にらめっこの全国大会に出なきゃいけなくなっちゃって……」

歩夢「？？？」

愛「そうだあゆむっ！！あゆむも変顔やってみなよ！」

歩夢「ええっ！？私が……変顔！？」

愛「見たいみたい～！！愛さんあゆむが変顔してるとこ見てみたい～！！ね～、かすかす？」

かすみ「はいっ！！かすみんの勉強のためにもぜひっ！！お願いします歩夢先輩っ！！」

歩夢「ええっ～！？」

歩夢「えっと……ほんとにやるの？」

愛「わくわく……！！」

かすみ「どきどき……！！」

歩夢「うう～っ、二人ともズルいよ～、そんな顔で見るなんて……」

あいかす「きらきら……！！」

歩夢「うう～っ！！………………えいっ！！」

ｶﾞﾊﾞｯ!!

歩夢「……どうかな？」

愛「うん！いい感じ！ばっちぐー！ね、かすかす？」

かすみん「はい！とってもいい感じです！！」ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ

愛「いっつもゆーゆとにらめっこする時もそんな感じなの？」

歩夢「えっ？ううん、侑ちゃんとにらめっこする時は……こうかな？」

愛「ぷひょっ！！こっちの方が面白いよ～！！あははははっ！！」

歩夢「も、もうっ！！愛ちゃん笑い過ぎだよ～！！///恥ずかしい……//」

侑「恥じらう歩夢も可愛いYO～！！」

愛「そうだぞそうだぞ～！！こういうのは全力でやってるから面白いんだぞ～！！」

歩夢「あぅ………//」

ｷｬｯｷｬｯ♪

愛「……それで？かすかすはいい写真撮れた？」

かすみ「は、はい、撮れたことには撮れたんですが……」

かすみ（……なんだかこの写真は使っちゃいけない気がします）

かすみ「……」

ゆうあい「もーいっかい！もーいっかい！！」

歩夢「え、えっと………///」

ゆうあい「あ～ゆ～むっ！！あ～ゆ～むっ！！」

歩夢「じゃ、じゃあ………もう一回だけだよ？//」

ゆうあい「うおおおおおお！！！！」

かすみ「……」

かすみ（……はぁ、やっぱり歩夢先輩には敵いませんよ、ほんとに）

ﾋﾟｯ!ﾋﾟｯ!

【削除しますか？】
▶はい
　いいえ

ﾋﾟｯ!

かすみ「あぅ……」

かすみ「かすみんこ～んなにも頑張っているのに未だに取れ高ゼロですよぉ……」ｼｮﾎﾞｰﾝ

ﾃｸﾃｸ

かすみ「それに残りは……」

せつ菜「……」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

かすみ（あそこにいる禍々しい空気を放っているせつ菜先輩だけ……）

かすみ「はぁ～………」

かすみ「……」

せつ菜「ぐふふふふふ………」

かすみ（先輩、何やってるんですか……？）

せつ菜「なんと……なんとたったの石500個で、新フェス限をお出迎え出来ちゃいました……」

かすみ（あ、ソシャゲ。せつ菜先輩相変わらずそんなものにハマってたんですね）

せつ菜「くぅ～っ！！嬉しくて思わず感情が爆発してしまうそうです……！！！」

かすみ（もうだいぶ爆発してると思いますよ～）

せつ菜「もしかして、もしかして私、運が良すぎて明日死んじゃったりしないでしょうか……？」

かすみ「……」

せつ菜「むふふ～ん♪むふふふふふふ………」ﾆﾁｬｯ

かすみ（うっわ、せつ菜先輩気持ちわるっ……思いっきり悪役みたいな顔しちゃってますよ、大丈夫なんでしょうか……）

せつ菜「ぐふふふふふっ………！！！」ﾆﾁｬｧ

かすみ（はぁ、やれやれ。ファンのみんながあんな先輩見ちゃったら、ほんとにがっかり……）

かすみ「……」

かすみ「……あれ？がっかり？」

かすみ「……」

せつ菜「……♪」ﾆﾀﾆﾀ

かすみ「……」

ﾊﾟｼｬｯ!

かすみ「……」

かすみ（ということはこの写真、部活動情報誌の写真にすればいいんじゃないの？）

かすみ「そっか。そうじゃん。これでいいんじゃん」

かすみ「……」

かすみ（と、いうことは……）

かすみ「……え？終わり？こんなのでいいの？」

かすみ「……」

かすみ（できたできたできたっ！！せつ菜先輩の恥ずかしい写真、かすみんが見事に頂いちゃいましたよ～！！）

かすみ「わーいわーい！！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ!!

かすみ（あとはこの写真を生徒会に提出して……）

ｶﾞｼｬﾝ!!

かすみ「あっ！」

せつ菜「！！？」

ｶﾞｯｼｬｰﾝ!!!

せつ菜「なっ！！？い、今の、何の音ですか！！？」

かすみ「！！？」ﾋﾞｸｯ!!

せつ菜「じーっ……」

かすみ「……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ!!

せつ菜「……もしかしてそこに誰かいたりしますか？」

かすみ「！！？」ﾋﾞｸﾝ!!

かすみ（ヤバっ！！バレた！！？）

せつ菜「じーっ……」

かすみ「……」どきどき！！

せつ菜「じーっ……！！！」

かすみ「……」ﾊﾞｸﾊﾞｸ!!

せつ菜「……ま、気のせいですよね」

かすみ「ほっ、よかったぁ～……」

せつ菜「……」

かすみ（じゃああとはこの写真を生徒会室に持っていけば……）

ﾋﾟｭｰｯ!!!

かすみ「にしし～、かすみんこれでミッションクリアです～！！」

せつ菜「……」

～生徒会室～

ｺﾝｺﾝ

副会長「はい」

かすみ「失礼します！」

ｶﾞﾁｬｯ!

かすみ「あのっ！頼まれていた写真、持ってきました！！」

副会長「写真……？ああ、部活動情報誌の」

かすみ「はいっ！！かすみん頑張ってみんなの写真撮って

副会長「いえ、その件なのですが実は既に生徒会には写真データが届けられていて」

かすみ「……へ？」

副会長「ですよね、会長？」

会長「ええ、そうですね。スクールアイドル同好会の紹介写真は既にこちらで受理しております」

かすみ「え？なんで？かすみん担当じゃなかったっけ？」

副会長「ご覧になられますか？こちらが頂いた写真データです」

ﾋﾟﾗｯ!

かすみ「……普通の写真じゃん」

副会長「ええ、そうですね」

かすみ（誰だろ、かすみんの代わりに写真用意してくれたの……歩夢先輩とか？）

かすみ「なんだぁ～、じゃあかすみんが頑張ってみんなの写真撮んなくても良かったんじゃん。だって……あれ？」

かすみ（よく見たらかすみんだけ、ヨダレ垂らしながら寝てる写真になってる）

ｶﾞｻｯ!

かすみ「待って！これ、どういうこと！！？」

副会長「はい？どうかしましたか？」

かすみ「かすみんだけヨダレの写真になってるんだけど！！！」

副会長「ああ、どうやら優木せつ菜ちゃんたってのお願いだそうで。ね、会長？」

会長「はい、そうです。私が優木せつ菜さんに直々にお願いされたんです」

かすみ「……はぁ？」

会長「……」ﾆｺﾆｺ

かすみ「はぁぁぁぁ！！！！？」

かすみ「どうして！！？どうしてかすみんの寝顔がせつ菜先輩に！！？いったいいつ……はっ！！」

かすみ（もしかして、最初にかすみんが生徒会室に来た時……）

副会長『中須さん？中須さん！』

かすみ『むにゃむにゃ……えへへ、しずこ～、もう食べられないよぉ～……』

副会長『……』

ﾊﾞﾝｯ!!

菜々『普通科一年！中須かすみさん！！！』

かすみ『わああっ！！はいはいはいはい！！みんなのアイドル、かすみんですよ～！てへっ♪』

かすみ（やっぱりあの時、せつ菜先輩も生徒会室にいたんじゃん！！！！）

かすみ「ちょっとせつ……菜々先輩！！！卑怯ですよ！！勝手に使う写真を決めるだなんて！！」

菜々「あなたの方こそせつ菜さんの恥ずかしい姿を校内中に知らしめようとしていたと伺いましたが？」

かすみ「ぐぬぬぬぬ………！！！」

ﾃﾛﾘﾝ♪

菜々「そんなことより中須さん、どうやら貴女のTwitterのリプ欄、大変なことになっているみたいですけど」

かすみ「……はい？」

菜々「確認しなくて大丈夫なのですか？」

かすみ「……」

ｽｯｽｯ

かすみ（ほんとだ。通知すんごいことになってる）

ｽｨｯ!

かすみ「……なにこれ。ヨダレかすみんだらけになってるんだけど」

菜々「はい、みたいですね」

かすみ「……」

かすみ「……ひょっとしてさっきの写真、もうネット上にはアップされてるとか？」

菜々「さすがかすみさん。察しがいいですね」

副会長「既に情報誌の電子版の公開は完了しております」

かすみ「……」

菜々「よかったですねかすみさん。ファンのみんなも喜んでくれたみたいで」

かすみ「……はぁ？」

ｶﾞﾀｯ!!

かすみ「はぁぁぁぁ！！！？」


購買部から『かすみんのヨダレ』なるコラボ商品が売り出されるようになったのは、もう少し先のお話である

終わりです。お粗末様でした。長くなってすみません
当初はにじよんみたいに仕上げるつもりだったけど、途中から別の世界線が邪魔してきちゃいました……

かすみんはかわいいよ

素晴らしい
こういうのでいいんだよなぁ…

素晴らしいこれぞニジガクって感じ

なにこれ可愛すぎ
いたずらかすみん好き

なんだかんだいたずらできないかすみんいいぞ、おつ