千歌「私に宿る9人の女神」【長編SS】

ちか (7) AqoursーSS


294: 2016/12/25(日) 19:21:34.85 ID:/1wpXpnV.net
千歌「………………」ボー

ナース「高海さん、今日は良く休んでくださいね。何かあったらすぐに呼ぶように」

千歌「はい…」

 

千歌「………………」

千歌「過労…自分じゃ何もしてないから全然実感がわかないや」アハハ


千歌「(作詞…作曲…衣装作り……能力以上のパフォーマンス…)」

千歌「(九人分の労力に身体がついて行ってなくて……)」

295: 2016/12/25(日) 19:22:11.92 ID:/1wpXpnV.net
千歌「(そうだよね、いくら心を完璧にしても身体まで普通じゃなくなるわけじゃない)」

千歌「(当たり前のことなのに。わかってたことなのに…!気づかないふりして)」


千歌「くっ…!」ギリ


ガラガラ!

曜・梨子「千歌ちゃんっ!」


ダイヤ「二人とも、病室で大きな声を出さないでください!」

果南「そういうダイヤも大声出してるじゃん」

ダイヤ「こ、これは…」

296: 2016/12/25(日) 19:23:06.55 ID:/1wpXpnV.net
千歌「みんな…」

梨子「千歌ちゃん大丈夫!?」

千歌「うん、大丈夫だよ」

梨子「あの後千歌ちゃん目を覚まさなくて私…!」

千歌「迷惑かけてごめんね。次からは気をつけるから」

ルビィ「こ、これ、御見舞のお菓子置いておくね」

千歌「ありがと」

297: 2016/12/25(日) 19:28:02.71 ID:/1wpXpnV.net
曜「――」

千歌「あはは、うん」


千歌「(みんなが来てくれたのにあんまり嬉しくない…。声も遠く……)」


果南「――」

千歌「そうだね」

298: 2016/12/25(日) 19:28:34.69 ID:/1wpXpnV.net
千歌「(次からは練習に参加しないで他のことに専念しよう。μ'sの人たちなら練習しないでも踊れるよね)」


梨子「――」

千歌「うん」


千歌「(そうすれば今回みたいに倒れることはないはず。私がリーダーなんだから、もっとしっかりしないと)」

299: 2016/12/25(日) 19:29:09.38 ID:/1wpXpnV.net
鞠莉「――」

千歌「うん」

果南「って千歌、それは無理でしょ!」

千歌「え?」

鞠莉「えー、私が今度御見舞の品にシャイ煮を持っていくって案、goodだと思ったんだけどなー」

花丸「さ、さすがに無理があるずら」

千歌「あはは、そうだよね。うっかりしてた…」

曜「………………」

ダイヤ「………………」チラッ

300: 2016/12/25(日) 19:32:53.82 ID:/1wpXpnV.net
ダイヤ「ふぅ…それでは皆さん帰りますよ」

鞠莉「えっ!?今来たばかりじゃない!」

ダイヤ「いつまでも居座っては千歌さんも休めませんわ」

鞠莉「確かに…そうだけど」

ダイヤ「それに、曜さんが千歌さんに話があるみたいですし、ここは曜さんに任せましょう」

曜「え?」

301: 2016/12/25(日) 19:33:43.93 ID:/1wpXpnV.net
果南「…まあ曜がそういうなら、ここは任せるよ。ダイヤの言う通り、大人数で押しかけても千歌が大変だろうしね」

ルビィ「そういうことなら…」

鞠莉「…わかったわよ」


花丸「千歌ちゃん、ゆっくり休んでほしいずら」

善子「早く休んで練習に来なさいよね。リーダーが来ないと始まらないんだから」

ダイヤ「そうですわよ。リーダーはあなたなのですから」

千歌「はい…」

302: 2016/12/25(日) 19:34:24.39 ID:/1wpXpnV.net
梨子「曜ちゃん、千歌ちゃんのことよろしくね」

曜「う、うん」

梨子「やっぱり、ずっと一緒にいる曜ちゃんにしか話せないこととかもあると思うから」

曜「……そうかな」ボソッ

梨子「え?」

曜「な、何でもない。千歌ちゃんは任せて」

梨子「うん」

303: 2016/12/25(日) 19:35:08.10 ID:/1wpXpnV.net
 

鞠莉「じゃあバーイ!また明日も来るからね」

ダイヤ「だから他の患者もいるのですから病室で大きな声を出さないでと何度言えば…!」

花丸「またダイヤさんも大声出してるって言えばいいずら?」

ルビィ「ぷっ」

ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「ご、ごめんなさい~」

304: 2016/12/25(日) 19:37:48.49 ID:/1wpXpnV.net
曜「あはは…相変わらず騒がしいね」

千歌「うん…」


千歌曜「………………」


カチッ…カチッ…カチッ…


曜「ち、千歌ちゃ…」
千歌「曜ちゃん」

曜「え、あ、何?」

305: 2016/12/25(日) 19:38:47.74 ID:/1wpXpnV.net
千歌「曜ちゃん、その…ごめんね」

曜「何が?」

千歌「倒れちゃったこと。リーダーの私がみんなを引っ張っていかなきゃいけないのに」

曜「…一生懸命Aqoursのために頑張って倒れちゃったんでしょ?それなら怒れるはずないよ」

千歌「そっか…」

306: 2016/12/25(日) 19:39:27.53 ID:/1wpXpnV.net
カチッ…カチッ…カチッ…


曜「千歌ちゃ…」
千歌「それに」

千歌「それに、この前のこともちゃんと謝ってなかったよね」

千歌「私…曜ちゃんに酷いこと言っちゃったと思うから」

千歌「…ごめんなさい」

曜「別にそんな…」

曜「私もあの時は言いすぎちゃったし」

千歌「…ありがと」

307: 2016/12/25(日) 19:44:06.13 ID:/1wpXpnV.net
千歌「あーそれにしても曜ちゃんのビンタ、すごく痛かったなぁ」

曜「た、確かにビンタはやりすぎたかも…」

曜「でも私も千歌ちゃんにあんなこと言われるなんて。涙堪えられなくて思わず泣いちゃったよ」

千歌「そ、それは…ごめんね」

千歌曜「………………」

千歌曜「……ぷっ」

308: 2016/12/25(日) 19:44:14.58 ID:/1wpXpnV.net
曜「ふふっ、やっと千歌ちゃん笑ってくれた」

千歌「え?」

曜「千歌ちゃん、今日ずっと怖い顔してたから」

千歌「私が…?」

曜「うん。でも、やっぱりいつもの…普通の千歌ちゃんみたいで安心した」

千歌「普通の…私」

曜「…?」

309: 2016/12/25(日) 19:44:51.44 ID:/1wpXpnV.net
曜「ねえ、千歌ちゃ…」
千歌「あ、そうだ。この前ね」

曜「千歌ちゃん!」


千歌「な、何?」

曜「私も話があるの」

310: 2016/12/25(日) 19:45:25.36 ID:/1wpXpnV.net
千歌「どうしたの?そんなに怖い顔して。それじゃダイヤさんみたいだよ」

千歌「あ、ダイヤさんと言えば…」

曜「千歌ちゃん」

千歌「ぁ……うん…」

曜「千歌ちゃん、私に隠してることあるよね」

千歌「な、ないよ…」

曜「本当に?」

千歌「…うん」

311: 2016/12/25(日) 19:49:16.79 ID:/1wpXpnV.net
曜「……あれが」ボソッ

千歌「曜ちゃん…?」

曜「あれが千歌ちゃんじゃないって私がわからないとでも思った!?」

千歌「……え?」

曜「いつから一緒にいると思ってるの?」

曜「私には千歌ちゃんにどんな事情があるのかなんて知らない。だけど一つ言えることは…」

曜「私はあの千歌ちゃんが好きなのっ!」

千歌「…っ!」

312: 2016/12/25(日) 19:49:37.31 ID:/1wpXpnV.net
千歌「今更…今更そんなこと言われたってっ!」

曜「千歌ちゃん…」ギュッ

千歌「曜、ちゃん?」

曜「千歌ちゃん、ずっと辛そうな顔してる…」

曜「もう千歌ちゃんのそんな顔は見たくないの……だから私は千歌ちゃん何て思われたって…!」

千歌「…っ」

曜「ね?一緒に考えよう?」

千歌「う、ぅ…やだ…」

313: 2016/12/25(日) 19:50:13.94 ID:/1wpXpnV.net
曜「千歌ちゃんっ!」

千歌「やだやだやだっ!」


千歌「(いやだいやだっ、もうこれ以外聞きたくないっ!私にはμ'sがいる。助けて海未さん…!)」

千歌「(海未さんなら前回みたいに曜ちゃんを泣かせたりしないから…)」

千歌「(お願いっ…)」


曜「私は千歌ちゃんの言葉が聞きたいの!」

千歌「えっ…」

314: 2016/12/25(日) 19:50:56.55 ID:/1wpXpnV.net
曜「千歌ちゃんの本心じゃない…嘘の言葉なんて言わないで!」

千歌「私の、本心………あれ…?」

千歌「(海未さん…?海未さん!?どうして代わらないの!?)」

千歌「ど、どうして…」

曜「私には言えないの?」


千歌「………………」

千歌「もう…わかんない。わかんないよ…」

315: 2016/12/25(日) 19:52:05.00 ID:/1wpXpnV.net
千歌「普通の私にはみんなみたいな誇れる個性がないから…」

千歌「そんな私がリーダーとしてみんなを引っ張っていくにはこれしかない」

千歌「そう思って頑張ってきたのに…」

曜「そんなことを…」

千歌「私からこれを取って――」


千歌「何が残るのかな…?」ポロ


曜「千歌ちゃん…」

千歌「お願い…もう放っておいて…」

316: 2016/12/25(日) 19:53:06.63 ID:/1wpXpnV.net
曜「………………」

曜「千歌ちゃん、何か勘違いしてない?」


千歌「…………ぇ?」

曜「リーダーだからとか、個性がないからだとか…そんなことばっかり言ってるけどさ」

曜「千歌ちゃんが教えてくれたんでしょ?」


曜「…“出来るかどうかじゃなくて、やりたいかどうかだよ”…って」

317: 2016/12/25(日) 19:53:40.53 ID:/1wpXpnV.net
曜「千歌ちゃんは、スクールアイドルに憧れて“やりたい”って思ったんじゃないの?」

千歌「あ…」

曜「忘れてたの?もうっ、それじゃあ普通星人じゃなくて馬鹿千歌だよ」

曜「私たちは同じAqoursのメンバーでしょ?助け合っていかなきゃ」

千歌「……っ!」ジワ

318: 2016/12/25(日) 19:54:21.03 ID:/1wpXpnV.net
千歌「でも…!!」

曜「もう……一人で頑張らなくても良いんだよ?」ギュッ

千歌「~~~っ!」


千歌「うぁ…あ…」

千歌「私…わたしっ……!」

千歌「私がまとめていいのかってずっと不安で…」

曜「うん」

319: 2016/12/25(日) 19:54:51.27 ID:/1wpXpnV.net
千歌「私は…この力に頼るしかなくて…!」ジワ…

曜「よしよし」

千歌「普通だってわかってて…でも!どうにかしたくて…っ!」ポロ

曜「千歌ちゃんが頑張ってたのはよく知ってるよ」

320: 2016/12/25(日) 19:55:40.39 ID:/1wpXpnV.net
千歌「何度も…何度も悩んだけど…っ、やっぱりスクールアイドルが好きだから……っ!」ポロポロ

曜「よく頑張ったね」

千歌「く…っ…ぁ…うあぁぁああぁ…っ!」

曜「私は千歌ちゃんに何もないなんて思わないよ」

曜「千歌ちゃんは…私の中の一番のリーダーなんだからっ!」

千歌「ようちゃん……っ!」

322: 2016/12/25(日) 20:02:55.78 ID:/1wpXpnV.net
――


カチッ…カチッ…カチッ…


千歌曜「………………」

千歌「曜ちゃん」

曜「なーに?」

千歌「ありがとね」

曜「ふふっ、これで本当の本当にいつもの千歌ちゃんに戻ったね」

千歌「えへへ」

323: 2016/12/25(日) 20:03:27.97 ID:/1wpXpnV.net
曜「じゃあその調子で早く退院して次のライブ成功させるよ。練習に衣装作り…やることは山積みっ」

曜「もちろん、いつもの千歌ちゃんのままでね!みんなもすごい心配してたんだから」

千歌「でも…」

曜「でもも何もない!」

千歌「…うん、そうだね!」

千歌「よーし、早く退院して練習頑張るぞー!」ガバッ

324: 2016/12/25(日) 20:03:55.57 ID:/1wpXpnV.net
曜「あはは、もう、立ったりしたら駄目だよ。安静にして無いと」

千歌「大丈夫大丈…ぶ……」クラッ

曜「ち、千歌ちゃん!?」


千歌「………………」スッ


曜「大丈夫…?まだ安静にしてないと…」

千歌「曜ちゃん、ありがと」

曜「うんっ」

千歌「なーんて言うと思った?」

曜「……え?」

325: 2016/12/25(日) 20:04:49.26 ID:/1wpXpnV.net
千歌「私の本心が聞きたいんでしょ?」

曜「う、うん」

千歌「じゃあ言うね」


千歌「…私は、曜ちゃんに何を言われても自分を変えるつもりはないよ」

曜「ち、千歌ちゃんどうしたの?」

千歌「というか、ずっと鬱陶しかったんだよね~」

千歌「私の本心はね――」

千歌「曜ちゃんの顔なんて見たくない」

曜「え…」

326: 2016/12/25(日) 20:05:33.83 ID:/1wpXpnV.net
千歌「もちろん、友達だとも思ってなかったよ」

曜「う、嘘だよね?」

千歌「ううん、本当」

千歌「千歌は曜ちゃんのことなんて大っ嫌いなの」

曜「…っ」

千歌「もう出てってくれるかなぁ。ついでにもうここには来ないでねっ」

328: 2016/12/25(日) 20:06:25.22 ID:/1wpXpnV.net
曜「な、なんで…っ」

千歌「え?だって曜ちゃんが言ったんじゃん」


千歌「“私の本心が聞きたい”って」


曜「そんな…だって……!…っ!う…っ」ポロ…

曜「………………」ダッ


ガラガラ!


千歌「そんなに勢いよく扉を開いたら他の患者さんの迷惑だよ~」

329: 2016/12/25(日) 20:06:50.53 ID:/1wpXpnV.net
千歌「…………なーんて」

千歌「ふふん、どうだった?千歌の演技っ。今年の主演女優賞は千歌に決定ちか」


千歌「せっかく手に入れたこの身体、そう簡単に手放すわけないでしょ」


千歌「――そうよね?みんな」

331: 2016/12/25(日) 20:13:08.88 ID:/1wpXpnV.net
明日
多分今話のちょうど真ん中くらい

353: 2016/12/26(月) 18:00:22.34 ID:qjb1jOVM.net
――


ダイヤ「どうですの?」

千歌「うーん、やっぱり繋がらない…」

梨子「曜ちゃん、どうしちゃったんだろう…」

果南「ここのところ、学校にも来てなくて、電話にも出ない…」

鞠莉「家にはいるみたいだけど…」

花丸「心配ずら…」

355: 2016/12/26(月) 18:03:22.29 ID:qjb1jOVM.net
善子「でも、急に学校に来なくなるなんてどういうこと?」

ルビィ「曜ちゃん、千歌ちゃんのお見舞いに行った時は普通だったよ」

ダイヤ「しかし、曜さんが学校に来なくなったのはその翌日から」

梨子「千歌ちゃんは何か気づかなかった?曜ちゃんの変わったところとか」

千歌「えっと…実は…途中からよく覚えてなくて…」

善子「え?」

356: 2016/12/26(月) 18:04:05.34 ID:qjb1jOVM.net
千歌「疲れてたのかもしれないけど、曜ちゃんと話したあとそのまま寝ちゃってたみたい」

千歌「気づいたら曜ちゃんもいなくなってた」

善子「そう…」

鞠莉「本当にどうしたのかしら」


千歌「今日、私が一回会いに行ってみるよ」

ダイヤ「そう、ですわね。私たちは取り合ってもらえませんでしたが、千歌さんなら何かあるかもしれませんわ」

千歌「うんっ」

358: 2016/12/26(月) 18:05:54.54 ID:qjb1jOVM.net
――


千歌「曜ちゃんのお家、久しぶりだなぁ」

千歌「…………よしっ」


ピンポーンッ


千歌「………………」

千歌「…留守?」


『はい…』

359: 2016/12/26(月) 18:06:33.65 ID:qjb1jOVM.net
千歌「あ、いたっ」

千歌「曜ちゃん!私、千歌だよ!」

千歌「曜ちゃんの電話にも繋がらなくて」


『千歌ちゃ…んっ』


千歌「どうして学校に来ないの?みんな心配してるよ?それに…」


『どうして来たのっ!?あんなこと言っておいて!』

360: 2016/12/26(月) 18:07:20.54 ID:qjb1jOVM.net
千歌「…え」

千歌「ちょっと待って、どういう…」


『今更しらばっくれないでよ!』


千歌「曜ちゃ…」


『私も千歌ちゃんの顔なんて見たくない!帰って!!』


千歌「曜、ちゃん…?」

361: 2016/12/26(月) 18:09:46.87 ID:qjb1jOVM.net
――


先生「Z座標が――」


千歌「………………」


『私も千歌ちゃんの顔なんて見たくない!帰って!!』


千歌「(曜ちゃん…どうして…?)」

千歌「(あんなに笑ってたのに…。頑張ろうって励ましてくれたのに…)」


千歌「(何が…あった…の…?)」

362: 2016/12/26(月) 18:10:20.10 ID:qjb1jOVM.net
千歌「(あれ?…眠気が…急に……)」ウトウト

千歌「(まだ疲れが…抜けてないの……かも…)」

千歌「(少し…だけ…)」ウト…


千歌「………………」スッ

363: 2016/12/26(月) 18:10:57.06 ID:qjb1jOVM.net
――


千歌「………………」ウトウト


梨子「(千歌ちゃんすごい眠たそう…)」

梨子「(まだ本調子じゃないのかな?)」


千歌「………………」スッ


梨子「(あれっ?)」


千歌「」カキカキ


梨子「(急に元気に…)」


千歌「…ん、何よ」

梨子「な、なんでも…」

364: 2016/12/26(月) 18:12:59.61 ID:qjb1jOVM.net
――


キーンコーンカーンコーン…


千歌「………………」スッ

千歌「……はぇ?」


先生「じゃあ今日の授業はここまで~」


千歌「やばっ、寝ちゃってた!」

梨子「え?」

365: 2016/12/26(月) 18:14:21.99 ID:qjb1jOVM.net
千歌「ノート全然取ってないよ~!」

梨子「ち、千歌ちゃんそれは?」

千歌「それって?……あ」

千歌「ノート、取ってある…」

梨子「もしかして、寝ながらノート取ってたの?」クスクス

千歌「そうなのかなぁ?」

366: 2016/12/26(月) 18:15:27.24 ID:qjb1jOVM.net
――


ガチャ

千歌「先生と話し込んでたらこんな時間っ」

千歌「みんなもう屋上に行ってるよね」


千歌「私も早く着替えて…向かわなきゃ…」


千歌「あれ…?また…っ」ウトウト



千歌「こんな…っときにっ……!」

千歌「屋上に…っ、行かない、っと……」


千歌「ぅ…ぁ……」ウト…


千歌「………………」スッ

367: 2016/12/26(月) 18:16:39.00 ID:qjb1jOVM.net
――


梨子「千歌ちゃん遅いね」

鞠莉「どうしたのかしら」

ダイヤ「どうせぼーっとして遅れているだけですわ。まったく…気が抜けているのではありませんこと?」

果南「まあ何か理由があるかもしれないし、ね?」


タッタッタッ…


千歌「みんな、遅れてごめんねっ」

368: 2016/12/26(月) 18:17:18.29 ID:qjb1jOVM.net
善子「やっと来たわね」

千歌「ちょっとぼーっとしてて」

ダイヤ「ほうら、言った通りでしょう?」

千歌「えへへ」

ダイヤ「早く準備運動をしてください」

千歌「よーし、今日も練習行っくにゃ~!」

372: 2016/12/26(月) 18:47:46.81 ID:qjb1jOVM.net
――


千歌「…やっぱりおかしい」

千歌「最近…急に眠くなって、知らないうちに時間が経ってる」

千歌「でもみんなは私が普通に起きてるって…」


千歌「今はまだ学校にいる時にしか影響が出てないけど、これってもしかして」

千歌「μ'sの人たちが私の身体を勝手に…」


千歌「曜ちゃんなら」ピッピ…

千歌「…あ」


千歌「曜ちゃんと連絡取れないんだ…」

373: 2016/12/26(月) 18:50:24.69 ID:qjb1jOVM.net
千歌「なら梨子ちゃん、ダイヤさん…他のみんなに。でも」


千歌「こんな話、誰が信じてくれるんだろう…」

千歌「やっぱり、私一人でどうにかするしか」

千歌「だって、私はAqoursのリーダーだもん。みんなに迷惑はかけられないよ」

千歌「……この話はもうおしま…」


――私たちは同じAqoursのメンバーでしょ?助け合っていかなきゃ


千歌「あ…」


~~~~~
曜『もう…一人で頑張らなくても良いんだよ?』

~~~~~


千歌「曜ちゃん……そっか」

374: 2016/12/26(月) 18:51:02.93 ID:qjb1jOVM.net
千歌「……そうだよね」

千歌「助けられてばかりだけど…みんな…!」


ピッピッピッ

プルルルルル…


ダイヤ『はい、何ですの?』

千歌「ダイヤさん、明日…練習が始まる前にみんなに話したいことがあるんですけど…いいですか?」

ダイヤ『…わかりましたわ。それでは明日』


千歌「(私に力を貸して…!)」

375: 2016/12/26(月) 18:51:35.52 ID:qjb1jOVM.net
――


ダイヤ「全員揃ったようですわね」

梨子「曜ちゃんは今日も休み…」

ダイヤ「…曜さんは仕方ありませんわ」

果南「それで、話ってなに?」

ダイヤ「私も話は聞いていませんので。千歌さん」

千歌「はい」

376: 2016/12/26(月) 18:53:06.70 ID:qjb1jOVM.net
梨子「千歌ちゃんから、話?」

千歌「うん」


千歌「…今から私が話すことは信じられないような、突拍子もない話だと思う」

千歌「でもみんなの力を貸して欲しいから……」

梨子「…?」

377: 2016/12/26(月) 18:54:33.88 ID:qjb1jOVM.net
千歌「私…ずっと思ってたの」

花丸「何を?」

千歌「何もない、普通の私がリーダーを、スクールアイドルをやってもいいのかな…って」

梨子「そんなこと…!」

千歌「うん、曜ちゃんにも言われちゃった。何もないなんて思わないよって」

千歌「でもね、前の私は全然そんな言葉信じてなくて」

千歌「ある日、突然舞い降りた力に縋ったんだ」

379: 2016/12/26(月) 18:55:12.46 ID:qjb1jOVM.net
善子「力?」

千歌「女神に…μ'sになれる力」

千歌「だから、ここのところみんなには変な私がたくさん迷惑かけちゃったと思う」

Aqours「あ…」

380: 2016/12/26(月) 18:55:31.79 ID:qjb1jOVM.net
『誰か助けてぇぇぇ!』


『所詮スクールアイドルなんてお遊びね』


『失礼しますっ♪』


『それじゃあラブライブまで時間もないんだから早く練習始めるわよ』


『行っくにゃ~!』


『すみません、お待たせしました』


『口答えすると…わしわしするで~?』


『みんなのこと、ちゃーんと見えてるよっ』


『やろう、歌おう全力で!――

381: 2016/12/26(月) 18:58:58.91 ID:qjb1jOVM.net
ルビィ「あ、あれって…」

千歌「でも、曜ちゃんと話して思うようにしたの。私は私のままが一番良いって!」

梨子「うん、私もそう思うな」

千歌「……えへへ」

ダイヤ「今日伝えたかったことはこの話ですの?」

千歌「うん、でも、まだ半分」

善子「半分?」

千歌「…最近ね、お願いしてないのに身体が勝手に使われることがあるの」

382: 2016/12/26(月) 18:59:13.02 ID:qjb1jOVM.net
花丸「μ'sの人たちに?」

千歌「うん、気づいたら時間が飛んでて…」

千歌「私一人じゃどうすればいいのか分からなくて」

梨子「私たちに相談したってわけね」

千歌「うん…」


Aqours「………………」


ダイヤ「にわかには信じ難いことですわ」

果南「うん、千歌には悪いけど…」

383: 2016/12/26(月) 19:03:37.51 ID:qjb1jOVM.net
千歌「……わかった」

千歌「じゃあ見せるよ。花陽さん…お願い」

千歌「………………」スッ


善子「あれ…?」

ダイヤ「(千歌さんの纏う雰囲気が…)」

384: 2016/12/26(月) 19:04:54.92 ID:qjb1jOVM.net
千歌「こ、こんにちは」


果南「…演技でしょ?」

ダイヤ「証明できますか?」

千歌「しょ、証明?」

果南「じゃあ…歌ってみて」

千歌「えっと、はい」

385: 2016/12/26(月) 19:05:20.46 ID:qjb1jOVM.net
千歌「……すぅ」

千歌「~♪」


花丸「わぁ…」

鞠莉「excellent…」

ダイヤ「こ、これは…」

386: 2016/12/26(月) 19:05:57.55 ID:qjb1jOVM.net
ルビィ「……あ!」

ダイヤ「ルビィ?」

ルビィ「そうだ、花陽ちゃんだよ!」

梨子「え?なんでそんな…」

ルビィ「ずっと見たことあるって思ってたの!」

ルビィ「花陽ちゃんの歌とダンスは何度もテレビで見て聴いたからっ」

鞠莉「でも…」

387: 2016/12/26(月) 19:07:12.69 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「………………」

ダイヤ「ルビィが言うなら私は信じますわ」

ルビィ「本当っ!?」

果南「ダイヤ本気…?」

ダイヤ「花陽さん、千歌さんと代わってください」

千歌「千歌は花陽ちゃん?じゃないんだけど…はい」


千歌「………………」スッ

388: 2016/12/26(月) 19:07:46.50 ID:qjb1jOVM.net
千歌「…………あ」

千歌「えーと…どうだった?」

ダイヤ「千歌さん…」

千歌「は、はい」

ダイヤ「私は千歌さんを信じますわ」

千歌「え?」

ルビィ「ルビィも!」

千歌「ほ、本当っ!?」

千歌「じゃあこれで…!」

果南「ちょっと待って」

389: 2016/12/26(月) 19:10:16.46 ID:qjb1jOVM.net
ルビィ「果南さん…?」

果南「私は…正直まだ信じられない」

果南「だって千歌の話は突拍子がなさすぎて」

鞠莉「うーん、確かにダイヤとルビィと千歌のドッキリって可能性もあるもんね」

ダイヤ「私がそんなことするわけがありませんわ!」

ルビィ「うんっ」

390: 2016/12/26(月) 19:11:20.73 ID:qjb1jOVM.net
果南「じゃあさ…もう一人やってくれない?」

果南「千歌がそんなに器用じゃないのは知ってるし、もう一人だけ見せてくれれば」

鞠莉「それいいわね」


梨子「って、果南さんは言ってるけど」

千歌「うん、大丈夫だよ。それで信じてくれるなら」

ダイヤ「そ、それならエリーチカがいいですわ!」

果南「私は誰でもいいけど」

鞠莉「ほんっとにダイヤはエリーチカが好きね」

391: 2016/12/26(月) 19:12:33.85 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「というわけで千歌さん、お願いしますわ」

千歌「あー…」

千歌「えーと…絵里さんは…」

ダイヤ「何か問題があるんですの?」

千歌「絵里さんを出すと…泣かせちゃうというか…」

善子ルビィ「泣かせる?」

千歌「うん、花丸ちゃんとか…曜ちゃんとか…」

392: 2016/12/26(月) 19:13:31.16 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「…もしかして花丸さんに心無いことを言ったのがエリーチカなのですか?」

千歌「……はい」

ルビィ「そうだったんだ…」


花丸「あれ…もしかして、いつもお菓子作ってきてくれたのって…ことりちゃん?」

千歌「多分、そうだと思う」

花丸「…そう、なんだ」

梨子「花丸ちゃん、どうしたの?」

393: 2016/12/26(月) 19:14:44.25 ID:qjb1jOVM.net
花丸「Aqoursの活気がなくなってた頃に、ことりちゃんに嘘ついて素っ気ない態度取っちゃったの思い出して」

ダイヤ「…どうしてですの?」

花丸「マルが悪いの。自分が上手くいかないこととか、Aqoursに活気がないのを、優しくしてくれることりちゃんに当たっちゃって…」

千歌「そうだったんだ…」

花丸「だから、ワガママだけど…あんまり会いたくないかな…」


Aqours「………………」

394: 2016/12/26(月) 19:15:27.34 ID:qjb1jOVM.net
果南「あ、じゃあ星空凛なんてどう?どんな感じか見てみたいな」

千歌「うん、凛ちゃんならいいよ」

千歌「待ってね…」


千歌「………………」フッ


千歌「えへへ、こんにちは。千歌だよ」

ダイヤ「えっと、凛さん?」

千歌「凛じゃなくて千歌ー!」

ダイヤ「そ、そうでしたわね」

395: 2016/12/26(月) 19:16:17.97 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「とりあえず凛さんに代わったようですが、何を聞きましょう?」ヒソヒソ

善子「また歌わせるとか?」ヒソヒソ

千歌「…?」

花丸「ダンスしてみて!」

千歌「了解にゃ!行くよ~?」


千歌「ほっ!ほっ!」

千歌「にゃっ!」クルクル


善子「す、すごい…」

梨子「これが千歌ちゃんの運動神経が突然良くなったタネだったんだ…」

396: 2016/12/26(月) 19:17:04.85 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「千歌さん、もういいですわよ」

千歌「えー、千歌まだ踊り足りないのに~」

ダイヤ「お願いしますわ」

千歌「…わかったにゃ」

千歌「………………」スッ

397: 2016/12/26(月) 19:17:43.46 ID:qjb1jOVM.net
千歌「…あ。…信じてくれた?」

果南「まあ…」

鞠莉「こうやって見せられちゃうと、信じるしかないっていうか…」

善子「そうね」

千歌「ありがと」

398: 2016/12/26(月) 19:18:18.63 ID:qjb1jOVM.net
果南「でも、そもそもどうしてこんな力を…?」

千歌「えっと、その…ちょっと前に善子ちゃんから魔術書貰って、それに書いてあることを実行したら…」

善子「ええっ!?あれ本物の魔術書だったの!?」

千歌「う、うん…」

花丸「本当にふぁんたじーみたいな話ずら~」

ダイヤ「どうやらその本が原因みたいですわね。明日持ってきて貰えますか?もしかしたら解決方法も書いてあるかもしれません」

千歌「はいっ」

399: 2016/12/26(月) 19:19:00.08 ID:qjb1jOVM.net
――


千歌「うーん…」ガサゴソ

千歌「魔術書さーん、どこいったの~?」

千歌「確かにここに仕舞っておいたはずなのに…」


千歌「みと姉かしま姉が勝手に借りていっちゃったとか…?…そんなわけないし」

千歌「押入れの中かなぁ」

千歌「………………」ガサゴソ


千歌「……ん?これは……あった!」

千歌「こんな隠すようなところに仕舞ったっけ?でも、とりあえず一安心だよっ」

400: 2016/12/26(月) 19:19:39.44 ID:qjb1jOVM.net
――


千歌「おはよ~」

梨子「おはようっ」

鞠莉「グッモーニン!」

ダイヤ「おはようございますわ」

ダイヤ「それで…持ってきましたか?」

千歌「はい、これ」

ダイヤ「見せてください。ページは…」

401: 2016/12/26(月) 19:20:09.80 ID:qjb1jOVM.net
善子「私にも見せて!」

ルビィ「ルビィにもっ」

鞠莉「そんなに寄ったら千歌っちが邪魔にならない?」

千歌「だ、大丈夫です」ムギュー

ルビィ花丸「えへへ…」


千歌「えっと、確かこの辺、って…」ペラ


Aqours「あ……」


果南「これは…」

402: 2016/12/26(月) 19:20:39.32 ID:qjb1jOVM.net
千歌「…破られてる」

梨子「それもこのページだけ」


善子「でも一体誰が?」

ダイヤ「…そんなの一人しかいませんわ」

ルビィ「え?」

ダイヤ「魔術書の存在を知っていて」

千歌「………………」

善子「わ、私じゃないわよっ!?」

403: 2016/12/26(月) 19:21:06.35 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「千歌さんの部屋に頻繁に出入り」

善子「………………」ジロリ

梨子「え?ち、違うよ!」


ダイヤ「千歌さんに気付かれることなく魔術書に触れられる…」

梨子「………………」ジロリ

果南「な、なんで私!?」

鞠莉「どっかの誰かさんはよく私の家にアポなしで入ってきたりするもんね~」

404: 2016/12/26(月) 19:21:38.93 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「そうっ、その人物は……!」

Aqours「………………」ゴクッ


ダイヤ「千歌さんですわっ!」


Aqours「…………は?」


ルビィ「千歌ちゃんが、千歌ちゃんに気づかれることなく!?」

善子「矛盾…contradictory…」

果南「なんで言い直したの?」

善子「そっちの方がカッコイイじゃない」

405: 2016/12/26(月) 19:22:06.40 ID:qjb1jOVM.net
千歌「それってどういう……あ」

ダイヤ「気づいたようですわね。…そう」

ダイヤ「最近、千歌さんの意志とは関係なしに身体を使われることから言っても」

梨子「μ'sの誰が…千歌ちゃんの体を借りて」

花丸「ページを破った…」


ダイヤ「どうやら、全員かどうかは定かではありませんが、μ'sは千歌さんから出ていきたくないようですわね」

千歌「そうなんだ…」ホッ

ダイヤ「ん?」

406: 2016/12/26(月) 19:22:42.17 ID:qjb1jOVM.net
鞠莉「でもその手段の魔術書がなければどうすることも…」

梨子「どうすれば…」


Aqours「………………」


千歌「あっ、それじゃあμ'sのみんなに聞いてみればいいんじゃないかな?」

ルビィ「え?」

千歌「だってダイヤさんの言った通り、全員が全員消えたくないって思ってるかは分からないし…きっと助けてくれる人もいるはず!」

407: 2016/12/26(月) 19:23:10.26 ID:qjb1jOVM.net
千歌「それにμ'sの力を使えば私たちが考えるよりもずっといいよ!」

梨子「でも…」

千歌「なんで…?」

ダイヤ「千歌さん、あなたまだ…」

千歌「どうしたんですか?」

ダイヤ「…いえ、なんでもありませんわ」

408: 2016/12/26(月) 19:26:59.28 ID:qjb1jOVM.net
果南「まあ、まだ魔術書が絶対に必要って決まったわけじゃないでしょ?」

千歌「え?…それはそうだけど」

果南「じゃあ色々試してみる価値はあるんじゃない?今は思いつかないけど」

ダイヤ「そう、ですわね。もしかしたら時間が経てば自然と消えるという可能性もありますし!」

梨子「千歌ちゃん、心配しないでね。私たちが協力するから」

千歌「みんな…」

千歌「…ありが……と…」クラッ

梨子「千歌ちゃんっ!?」


千歌「………………」スッ

409: 2016/12/26(月) 19:27:39.95 ID:qjb1jOVM.net
梨子「だ、大丈夫…?」

千歌「………………」

果南「千歌…?」

千歌「うんっ、大丈夫だよっ♡」

ダイヤ「…は?」

千歌「ごめんねっ、アイドルっていうのはファンの前では常にアイドルでいないといけないのに…」ショボーン

千歌「ちょっとだけぼーっとしてたちかっ♡」

410: 2016/12/26(月) 19:28:28.60 ID:qjb1jOVM.net
鞠莉「ち、ちか…」

善子「ねえ、これって…」ヒソヒソ


千歌「みんなに会いたくて来ちゃったちか♡」


鞠莉「ええ…」ヒソヒソ

ルビィ「にこちゃん…だと思う…」ヒソヒソ

ダイヤ「とりあえず私が話を聞きますわ」ヒソヒソ

果南「お願い」ヒソヒソ

千歌「…?」

411: 2016/12/26(月) 19:29:08.37 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「千歌さん」

千歌「なにっ?」

ダイヤ「私たちは千歌さんと話をしていたのですが、何の用ですの?」

千歌「えー、千歌だって千歌だよっ?」

ダイヤ「そ、それはそうですけど」

千歌「それにぃ、今日はみんなのためにイイコト教えてあげようと思って来たのになぁ♡」

果南「良いこと?」

千歌「うんっ♡」

412: 2016/12/26(月) 19:29:38.41 ID:qjb1jOVM.net
千歌「教えてあげるねっ…破れたページの内容!」

Aqours「ええっ!?」

ダイヤ「ぺ、ページ片がどこにあるのか分かるのですか?」

千歌「そ、それは……忘れちゃったっ」テヘ

梨子「…へ?」

千歌「でもでもっ♡内容は覚えてるからっ」

ルビィ「ほんと…?」

千歌「うんっ」

413: 2016/12/26(月) 19:30:21.93 ID:qjb1jOVM.net
鞠莉「や、やったねダイヤ!これで…!」

ダイヤ「今ひとつ信じられませんわ」

Aqours「え?」

ダイヤ「だってμ'sの皆さんは千歌さんの体から出ていきたくない。逆に止めたいはず」

ダイヤ「本当に信用しても良いのですか?」

ルビィ「た、確かに…」

果南「言われてみれば…」

414: 2016/12/26(月) 19:30:58.72 ID:qjb1jOVM.net
千歌「ち、違うのっ!」

善子「何が違うの?」

千歌「身体を返したくないのは…あの怖い人とか、運動が得意な人とかで、千歌は」

千歌「千歌はこの身体の持ち主が可哀想だなって…」

ルビィ「にこちゃん…」

千歌「千歌はみんなの力になりたいのっ」

千歌「だから協力させてほしいな!」

415: 2016/12/26(月) 19:31:25.06 ID:qjb1jOVM.net
鞠莉「良い子そうじゃない」

ルビィ「うんっ、千歌ちゃんを救いたいって言ってるし」

梨子「こんな純粋な人を疑うのも…」

ダイヤ「………………」

果南「ダイヤ?」

ダイヤ「そうですわね。私が少々疑り深かったようです」

ダイヤ「それでは、にこさんのことを信じてみることにしますわ」

ルビィ「うんっ!」

416: 2016/12/26(月) 19:31:49.52 ID:qjb1jOVM.net
千歌「み、みんな…ありがとっ♡」

千歌「……ププッ」

花丸「え?」

千歌「なんでもないちかっ」

花丸「う、うん」

417: 2016/12/26(月) 19:48:51.55 ID:qjb1jOVM.net
梨子「それで…まずは何をすればいいの?」

千歌「えーっと、まずは…」

千歌「そうっ!まずは猫のモノマネをするの!」

Aqours「…へ?」

千歌「どうしたの?早く早くっ」

梨子「は、はい!」

418: 2016/12/26(月) 19:50:04.56 ID:qjb1jOVM.net
梨子「………………」

梨子「…にゃー」カァ///


千歌「ぷっ……あ、ダイヤさんも!」

ダイヤ「い、嫌ですわ!」

果南「諦めなよ、千歌を助けるためなんだから!」

梨子「私だってやったんですよ!?」

千歌「千歌ちゃんを助けられなくてもいいの?」

419: 2016/12/26(月) 19:51:01.65 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「……わ、わかりましたわ」


ダイヤ「………………」


ダイヤ「………………」


ダイヤ「……にゃー」ボソッ


千歌「あははは!面白ーい!」

ダイヤ「」カァ///

420: 2016/12/26(月) 19:51:23.58 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「こっこれ、本当に効果があるんですの!?」

果南「千歌に笑われてると何だか悔しい…」


千歌「もしかしてダイヤちゃん、信じてない…?」

ダイヤ「え?それは…」

千歌「やっぱり千歌の言ったことなんて…ぐすっ」

ダイヤ「うっ…信じてますから!」

千歌「ありがとー♡ダイヤちゃん大好きちかっ♡」

ダイヤ「うぅ…」

421: 2016/12/26(月) 19:56:31.85 ID:qjb1jOVM.net
鞠莉「ダイヤが押されてる…」

梨子「苦手なタイプなのかな」


千歌「それじゃあ次いくよー!」

善子「ま、まだあるのぉ!?」

千歌「うん、魔術っていうのは複雑な関係で成り立っててね。いっぱいやらないと解除できないのっ」

善子「……確かにそうかも」

花丸「納得早すぎるずら…」

422: 2016/12/26(月) 19:57:37.86 ID:qjb1jOVM.net
千歌「次はぁ、そうだな~確か…」


千歌「お菓子をいっぱい買ってきて♡」

ダイヤ「お菓子~?」

千歌「とびっきりあま~いのをいっぱいねっ」


花丸「そ、それにどんな意味があるずら…?」

千歌「いいから買ってきなさい!」

花丸「は、はいっ!」

423: 2016/12/26(月) 19:58:21.56 ID:qjb1jOVM.net
 


ダイヤ「か、買ってきましたわよ…」ゼイゼイ

千歌「ありがとー♡あっ、このドーナツ美味しそう!」パクッ


千歌「ん~、甘くて美味しーい♡」

千歌「こっちのキャンディーも甘~い」

424: 2016/12/26(月) 19:58:58.25 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「あの…果南さん」

果南「………………」

ダイヤ「もしかして…」

果南「やめて。私たちが何のためにお菓子を買ってきたのか分からなくなるから」

ダイヤ「そ、そうですわね…」


千歌「ダイヤちゃ~ん、千歌、喉乾いちゃった~♡」

ダイヤ「…だから何ですの?」ピクピク

千歌「あ、喉が乾きすぎて解除方忘れそう…」

ダイヤ「行ってきますわよぉ…」

425: 2016/12/26(月) 20:00:07.20 ID:qjb1jOVM.net
――


Aqours「はぁ…はぁ…」

千歌「はー、満足ちか♡」

ダイヤ「…途中から薄々気づいてはいましたけど…」

ダイヤ「これって解除方でもなんでもないですわよね?」

千歌「うんっ、ダイヤちゃん賢ーい♡」

426: 2016/12/26(月) 20:00:21.06 ID:qjb1jOVM.net
梨子「う、うそ…」

果南「わかってたことだけど…」

ルビィ「もう疲れたよぉ」

鞠莉「so tried…」


ダイヤ「…っ」

ダイヤ「それでは本当の解除方を…」


千歌「嫌よ」

427: 2016/12/26(月) 20:00:57.27 ID:qjb1jOVM.net
ダイヤ「は?」

千歌「だから、嫌だって言ってるの」

梨子「な、なんで?」

千歌「せっかく好き勝手できる身体を手に入れたのよ?なんでそれを自分から手放さないといけないのよ」

ルビィ「お、教えてくれるって言ったのに」

花丸「そうずらっ」

千歌「騙される方が悪いのよ!」

梨子「そんな…」

428: 2016/12/26(月) 20:01:41.63 ID:qjb1jOVM.net
千歌「曜ちゃんもすっかり千歌の演技に騙されちゃって…ぷぷっ」

梨子「えっ?」

千歌「ちょ~っと千歌が、曜ちゃんのことなんて嫌い~って言っただけなのに、まさか不登校になっちゃうなんて」

梨子「じゃあ曜ちゃんが学校に来なくなったのって…!」

千歌「千歌もびっくり~そんなつもりなかったからっ」

429: 2016/12/26(月) 20:02:17.08 ID:qjb1jOVM.net
千歌「まあでも、そんなくらいで不登校になるなんて相当気が弱いのね」

千歌「そんなのでアイドルが務まるわけ…」

梨子「“そんなくらい”じゃないっ!」

千歌「な、何よ。文句あるの?」

梨子「曜ちゃんを、Aqoursの繋がりを馬鹿にしないでっ!」

千歌「………………」

梨子「………………」

430: 2016/12/26(月) 20:02:50.31 ID:qjb1jOVM.net
千歌「繋がり……別に一人なっても私は…」ボソッ

梨子「…?」

千歌「ふんっ。鬱陶しいし、千歌に変わるわ」

千歌「じゃあせいぜい私が隠した魔術書のページでも探してることね」

ルビィ「え?」

千歌「見つかるわけないと思うけど」

ルビィ「待って!」


千歌「………………」スッ

431: 2016/12/26(月) 20:04:11.56 ID:qjb1jOVM.net
千歌「あ、あれ?私…っていうか」

Aqours「………………」ゴゴゴ…

千歌「み、みんな怒ってる…?」

ダイヤ「千歌さん、一度だけビンタしてもよろしいですか?」

千歌「なんで!?」


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