千歌「私に宿る9人の女神」【長編SS】

ちか (7) AqoursーSS


658: 2016/12/28(水) 20:23:02.79 ID:E11II3mB.net
また明日

667: 2016/12/29(木) 10:53:56.68 ID:Y7+4yTWd.net
──


千歌「あっ、曜ちゃんのお弁当美味しそうっ」

曜「えへへ、今日は私の大好物が入ってるからね~」

梨子「今日は部室に行かないの?」

曜「うん、たまには教室でお昼食べるのもいいかなって」

千歌「今日の千歌のお昼はぁ」

曜「ほら、千歌ちゃんもあんな感じだし…」

梨子「そ、そうだね」

668: 2016/12/29(木) 10:54:23.57 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「曜ちゃんのハンバーグもーらいっ」パクッ

曜「あっ!」

千歌「美味しい~っ」

曜「ちょっと、にこさん!私がハンバーグ好きだって知ってるでしょ!」

千歌「ごめんねっ、千歌、悪い子だよねっ…」ショボーンッ

曜「あーもうっ!」

669: 2016/12/29(木) 10:55:20.88 ID:Y7+4yTWd.net
曜「というかいつになったら私たちがアイドルに相応しいって認めてくれるんですか?」

千歌「そんなの私が相応しいと思ったらに決まってるじゃない!」

梨子「にこさんキャラの差が…」

千歌「あっ、そうだよねっ!今はみんなの前なのにっ。千歌うっかり~♡」

梨子「あ、あはは…」

670: 2016/12/29(木) 10:56:15.38 ID:Y7+4yTWd.net
曜「うーん…」

千歌「…?どうしたのっ?」

曜「に、にこさん今日もオーラがすごいですねっ」

千歌「え?」

曜「アイドルのオーラ……みたいなっ…?」

千歌「………………」ジト

千歌「変わる…」

曜「え、なんで…?」


千歌「………………」スッ

671: 2016/12/29(木) 10:57:12.28 ID:Y7+4yTWd.net
曜「千歌ちゃん?」

千歌「いえ、お久しぶりです」

梨子「これって…」

曜「…海未さん」

672: 2016/12/29(木) 10:57:45.60 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「まったく、千歌が拗ねるのも無理はありません」

曜「え?」

千歌「あの千歌に対して変なお世辞や取り繕いは無駄だと思います」

千歌「取り繕うくらいなら自分の想いを素直にぶつけた方がいいですよ」

千歌「病室でのあなたと千歌の様に」

梨子「病室…?」

673: 2016/12/29(木) 10:58:11.22 ID:Y7+4yTWd.net
曜「み、見てたの?」

千歌「千歌が私を頼ったので、無視して傍観させていただきました」

曜「うぁ…」カァ///

千歌「今度あなたと千歌…友情をテーマに作詞してみるのもいいかもしれませんね」

曜「はっ、恥ずかしいから駄目っ!絶対駄目だからねっ!」

千歌「ふふっ冗談ですよ。もう私にそんな機会もないと思いますしね」

梨子「何かあったの?」

曜「なんでもなからっ!海未さんも書く気がないなら何も言わないで!」

674: 2016/12/29(木) 10:59:08.71 ID:Y7+4yTWd.net
──


ルビィ「ここは?」

千歌「まったく、そんな問題もわかんないの?」

ルビィ「お願ぁい…おしえて…!」ウルウル

千歌「しょっ、しょうがないわねー!」

花丸「なんだかんだ言って教えてくれる真姫ちゃんは優しいずら」

千歌「ふんっ///」プイッ


ちかルビよしまる「………………」モクモク…

675: 2016/12/29(木) 10:59:51.86 ID:Y7+4yTWd.net
ルビィ「あ、そうだ!今度の日曜日、みんなで遊びに行こうよ!」

善子「いいわね!」

花丸「賛成ずらっ」


ルビィ「真姫ちゃんもいいよね!千歌ちゃんにお願いするからっ!」

千歌「べ、別にどうしてもって言うなら…」

ルビィ「本当っ!?」

千歌「…あ」

善子「どうしたの?」

千歌「その日、確か用事あるって…」

花丸「そっかぁ」

676: 2016/12/29(木) 11:00:33.97 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「というか、三人はどこに行きたかったの?」

ルビよしまる「うーん…」

花丸「マルは図書館に行きたいなぁ。みんなでオススメの本を読んだりすればきっと楽しいずらっ♪」

ルビィ「善子ちゃんはいっぱいファンタジーの本とか持ってきそうだね」

善子「悪い?というかヨハネっ!」

677: 2016/12/29(木) 11:01:01.82 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「あんなの現実にあるわけないでしょ」

善子「言いきれるの!?」ズイッ

千歌「ゔぇ…!?それは……完全には…言いきれないけど…」

善子「じゃあ今度貸してあげるから読んでみて!すごいのよ!例えば…」キラキラ

千歌「そ、そうね。持ってきたら読んであげてもいいわ」

678: 2016/12/29(木) 11:01:27.85 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「真姫ちゃんはどんな本を読むの?」

千歌「私?私は…ミステリとかかしら」

ルビィ「ミステリー…ルビィはそういう難しい本は苦手かな…」

千歌「そうでもないわよ?最近は簡単に手に取れるものも多いし…今度あなたに合いそうなものを持ってきてあげるわね」

ルビィ「ありがとっ!」

千歌「べ、別に気が向いただけよ!」クルクル

679: 2016/12/29(木) 11:01:51.70 ID:Y7+4yTWd.net
善子「私はゲームセンターに行きたいわね」

花丸「オラはそういうの疎くて…」

千歌「私も、知識はあるけど全然行かないわ」

善子「じゃあ今度行くわよ!行ったら絶対に楽しめるんだから!」

千歌「まあ機会があればね」

ルビィ「ルビィも楽しみにしてるね!」

680: 2016/12/29(木) 11:02:27.77 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「ルビィちゃんはどこに行きたいの?」

ルビィ「ルビィはやっぱりアイドルショップかな」

ルビィ「μ'sの他にもいっぱい可愛いスクールアイドルはいるんだよ」

花丸「へぇ~」

千歌「私はμ'sとA-RISEくらいしか知らないから他にどんなスクールアイドルがいるのか見てみたいわ」

善子「私たちのライバルとなるアイドルたち…確かにどんなものか見たいっていうのはあるわね」

681: 2016/12/29(木) 11:03:05.96 ID:Y7+4yTWd.net
ルビィ「真姫ちゃんはどこに行きたい?」

千歌「そうね、私は……って」


花丸ルビィ「ふふっ」ニコニコ

善子「私は…?」ニヤニヤ


千歌「べ、別に行きたくなんてないわよっ///」

682: 2016/12/29(木) 11:05:53.42 ID:Y7+4yTWd.net
──


千歌「じゃあ始めるよっ♪」


ルビィ「花丸ちゃん頑張って!」

善子「負けるんじゃないわよ!」


花丸「うぅ…」


千歌「まずは手をしっかりと洗いましょう」

千歌「お菓子作りは美味しく作るとか以前に、しっかりこういう前準備をするの」

千歌「食べてもらう人を思いやる気持ちが大切なんですっ」

683: 2016/12/29(木) 11:06:16.86 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「だからこうやって、しっかり爪の中まで洗って…って」

花丸「………………」

千歌「花丸ちゃん聞いてる?」

花丸「えっ、う、うんっ!聞いてるずら!」

千歌「そしたら次は」


花丸「(き、気まずいずら…)」


千歌「~♪」


花丸「(そもそも、なんでこんなことに──

684: 2016/12/29(木) 12:58:06.05 ID:Y7+4yTWd.net
~~~~~~

~~~~

~~


ダイヤ「皆さん、集まりましたわね!」

千歌「なんですかぁ…?こんな朝方に学校に集合なんて…」

ダイヤ「なっ…!」

ダイヤ「一昨日、次はことりさんを呼ぶので土曜日に学校へ集合だと言ったでしょう!」

ダイヤ「梨子さんが家まで迎えに来なかったらどうするつもりだったんですの!?」

千歌「えっ、き、聞いてないんですけど…」

ダイヤ「伝えたはずです!いいえ、確かに伝えましたわっ!」

685: 2016/12/29(木) 12:58:46.55 ID:Y7+4yTWd.net
曜「確か…そのとき千歌ちゃん、がっつりにこさんだった気が」

梨子「う、うん…」

鞠莉「ダイヤの連絡不足ね」


ダイヤ「や・ざ・わ・に・こ~!」


花丸「今、ダイヤちゃん怖~いっ♡って言うにこちゃんの顔が思い浮かんだずら」

善子「奇遇ね、私もよ」

686: 2016/12/29(木) 12:59:14.70 ID:Y7+4yTWd.net
ダイヤ「まあ…今回の件に関しては私のミスですわ」

千歌「い、いえ、梨子ちゃんも迎えに来てくれたし…大丈夫ですっ」


鞠莉「じゃあ話を戻して、ことりを呼ぶ?」

花丸「きょ、今日じゃなくてもいいんじゃない?」

ルビィ「花丸ちゃん?」

687: 2016/12/29(木) 13:00:43.28 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「先負…先んずれば負けるとも言うし、この前凛ちゃんに勝ったんだからもう少しゆっくり…」

果南「花丸」

花丸「ぁ…」

果南「ことりにどんな態度をとったのかは知らないけど、早く仲直りしないときっと後悔するよ」

花丸「オラが悪いのは分かってるずら…でもいまさら…」

688: 2016/12/29(木) 13:03:35.08 ID:Y7+4yTWd.net
鞠莉「わかるわかる。喧嘩をこじらせると大変だよね~」

果南「なんで私の方を見るの?」

鞠莉「さあね~。どっかの誰かさんが頑固だからかも」

果南「もっとはっきり言っていいんだよ?」

果南鞠莉「………………」バチバチ


曜「ゴホンッ!」


果南鞠莉「あっ」

689: 2016/12/29(木) 13:06:26.80 ID:Y7+4yTWd.net
曜「とにかく!ことりさんを呼ぶことはもう決まってるんだから、呼んでみようよ」

曜「この調子じゃあ呼ばないことには話も進まないだろうし」

ダイヤ「そうですわね。これ以上話が脱線するようなら、ことりさんではなく海未さんを呼ばなくてはいけなくなりますわ」


鞠莉「果南…」

果南「うん、ことり呼ぼうか」

梨子「手のひら返すの早すぎじゃ…」

690: 2016/12/29(木) 13:07:24.70 ID:Y7+4yTWd.net
鞠莉「梨子は怒られたことがないから言えるのよっ!」

果南「そうそう!千歌の顔してすっごい怖いし!」

鞠莉「トラウマものよね…」


ダイヤ「はぁ…それでは千歌さん、お願いします」

千歌「はい」

花丸「………………」

千歌「みんな、頑張って…」


千歌「………………」スッ

691: 2016/12/29(木) 13:09:51.15 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「みんな、おはよう~っ♪」


ダイヤ「お、おはようございます」


ダイヤ「代わったみたいですわね」ヒソヒソ

曜「じゃあ私が…」

692: 2016/12/29(木) 13:10:16.07 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「説明は大丈夫。みんな知ってるからっ」

曜「知ってるって…私たちが勝負を挑んでること?」

千歌「うんっ」


果南「確かに、にこも凛も知ってたよね」

鞠莉「そういえばそうだったわね」


千歌「みんな、今日は宜しくお願いします」ペコリ

曜「こ、こちらこそ…」ペコ

693: 2016/12/29(木) 13:10:48.25 ID:Y7+4yTWd.net
善子「なんだか調子狂うわね」

梨子「でも、ことりさんも千歌ちゃんから出ていきたくないわけだから」

ダイヤ「あんな調子でも油断はできませんわ」


曜「それで、勝負の内容は何にするんですか?」

千歌「千歌、もう決めてきてあるの」

曜「へぇ」

694: 2016/12/29(木) 13:11:56.07 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「ずばり、勝負の内容は…っ!」


 


ルビィ「うぅ…!」

花丸「ほら、そろそろルビィちゃんの出番ずら」

ルビィ「で、でも…」

花丸「ルビィちゃんのお裁縫スキルならきっと大丈夫」

花丸「マルも応援してるからっ」


千歌「ずばり、勝負の内容は…っ!」 ?
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)

695: 2016/12/29(木) 13:12:21.21 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「がんばルビィずらっ!」

ルビィ「う、うんっ!」


千歌「クッキー作り対決ですっ!」


Aqours「………………」

Aqours「……は?」

696: 2016/12/29(木) 13:12:46.63 ID:Y7+4yTWd.net
梨子「クッ、クッキー作り…!?」

千歌「うんっ」

ダイヤ「どうして裁縫やデザイン勝負じゃないんですの!?」

千歌「どうしてって言われても…最初から決めてたことだし…」

ルビィ「ことりちゃんと言えばお菓子作りもあるけど…」

曜「てっきり衣装関係の勝負だと思ってたよ~!」

697: 2016/12/29(木) 13:13:15.55 ID:Y7+4yTWd.net
ダイヤ「そ、それで、それはどういう?ことりさん対私たち八人でいいんですの?」

善子「私たちが八人集まってもことりのお菓子作りの腕には勝てないと思うんだけど…」

花丸「三人寄ればってやつずら」


千歌「ううん」

ダイヤ「では…」

千歌「私と対決してもらうのは一人だけ」

善子「えっ」

698: 2016/12/29(木) 13:13:44.34 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「それは──」


千歌「花丸ちゃんっ♪」


花丸「えっ…?」

千歌「千歌とクッキー作り対決しよっ?」

花丸「ええぇぇぇ!?」


~~~~~

700: 2016/12/29(木) 14:57:30.11 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「(な、なんでオラが…?)」


千歌「じゃあ勝負の前にお手本を見せるからしっかり覚えてね」


花丸「(もしかして、前のことを根に持ってオラをぼこぼこに…)」


千歌「まずは、バターを溶かして滑らかになるまでよく混ぜます」


千歌「………………」マゼマゼ

花丸「………………」

701: 2016/12/29(木) 14:58:45.49 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「…うん、もう大丈夫っ」


千歌「次は、薄力粉と砂糖を入れて、またよく混ぜます」


千歌「………………」マゼマゼ

花丸「………………」

花丸「(き、気まずい…)」

千歌「あ、花丸ちゃんもやってみる?」

花丸「う、うん…」

702: 2016/12/29(木) 14:59:11.51 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「はい、どうぞっ」

花丸「えっと…よく混ぜればいいんだよね」マゼ


花丸「あ、あれ…?」

花丸「上手く混ざらないずら…」マゼ…

千歌「最初は大変だよね」

703: 2016/12/29(木) 14:59:50.10 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「ここはね…こうやって混ぜれば…」ギュッ

花丸「あっ…」

千歌「って手握っちゃって嫌だったかな…?」

花丸「う、ううん…」


花丸「(教えない方が有利なのに…)」

花丸「(そもそも、こんなお手本なんてする義務はことりちゃんには…)」


千歌「まーぜっ♪まーぜっ♪」


花丸「(どうしてマルのことを助けてくれるの?)」

704: 2016/12/29(木) 15:00:14.29 ID:Y7+4yTWd.net
──────

────

──

ルビィ「そ、それじゃあ予行も終わったので」

ルビィ「ことりちゃんと花丸ちゃんのクッキー作り対決…スタートぉ!」

705: 2016/12/29(木) 15:00:39.73 ID:Y7+4yTWd.net
梨子「花丸ちゃん…大丈夫かな」

曜「普通に考えれば、ことりさんが勝つ…けど」

善子「…?」

曜「信じて進めーって感じかな」

善子「なにそれ」

曜「…やっぱそう思う?」

706: 2016/12/29(木) 15:02:07.42 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「……」

花丸「よしっ!」

花丸「くよくよ考えても何も始まらないし、とりあえずやってみるずら!」


花丸「最初は…」


千歌「バターを溶かしてぇ♪」


花丸「滑らかになるまでよく混ぜる…」マゼマゼ

707: 2016/12/29(木) 15:03:46.32 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「次は薄力粉と砂糖を…」


花丸「何回か分けて、また混ぜる」マゼマゼ


花丸「…良い感じ」マゼマゼ


千歌「……」チラッ

千歌「…うん、大丈夫そうだね」

708: 2016/12/29(木) 15:04:52.81 ID:Y7+4yTWd.net
 


花丸「生地ができたずらっ!」

千歌「じゃあ、生地を寝かせましょうっ♪」

 

千歌「そろそろ大丈夫かな」

花丸「そしたら、生地を延ばして…」

 

花丸「型を抜いて…」

千歌「千歌はこれっ」

千歌「小鳥の型で、ことりサブレ~なんてっ」

 

千歌「最後にオーブンに入れてっ」

花丸「よいしょっ」

千歌「焼けるまで待てば…」

709: 2016/12/29(木) 15:05:41.30 ID:Y7+4yTWd.net
──────

────

──


花丸「完成っ」

千歌「私もできたよっ」

千歌「じゃあ冷めないうちに…」

710: 2016/12/29(木) 15:06:18.43 ID:Y7+4yTWd.net
曜「ことりさん」

千歌「なに?」

曜「審査員、本当に私たちでいいんですか?」

千歌「うんっ」

曜「でも、私たちが花丸ちゃんに贔屓とか…」

千歌「曜ちゃんたちならしないってわかってるから」ニコニコ

曜「そう…」

711: 2016/12/29(木) 15:06:59.14 ID:Y7+4yTWd.net
鞠莉「じゃあ早速審査するわよ!」

鞠莉「さっきからすご~くsweetな香りがしてて、もう我慢できないわっ」

ルビィ「ルビィもっ」


花丸「上手にできたかは、わからないけど…」

花丸「これ…」

ルビィ「わぁ…!」

鞠莉「花丸だけに、花丸型のクッキーってわけね」

花丸「うんっ!」

712: 2016/12/29(木) 15:07:36.16 ID:Y7+4yTWd.net
ダイヤ「いただきますわ」

善子「私のも!」

果南「いただきます」


善子ルビィ「はむっ」

ダイかなまり「んっ」

曜梨子「……」パクッ


花丸「……」ドキドキ

713: 2016/12/29(木) 15:09:38.04 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「どうかな…?」


曜「……」


花丸「やっぱり…」


曜「…美味しい」

花丸「えっ?」

曜「花丸ちゃんの作ったクッキーすごくおいしいよっ!」

714: 2016/12/29(木) 15:10:16.30 ID:Y7+4yTWd.net
ルビィ「うんっ!甘くて美味しぃ」

花丸「本当!?」

鞠莉「すごいじゃない!初めてでこんなに美味しく作れるなんて!」

果南「うん、正直びっくりした」

花丸「えへへ」


ルビィ「これなら…これならことりちゃんに勝てるんじゃないかなっ!」

善子「ええっ、これだけ美味しかったんだから…きっと!」

715: 2016/12/29(木) 15:11:00.05 ID:Y7+4yTWd.net
 


ダイヤ「それでは…」

曜「次は…ことりさん」

千歌「はい、どーぞっ♡」


鞠莉「こっちからもvery sweetな香り…それに食欲そそる丁度いい焦げ目…」

ダイヤ「食レポでも目指しているのですか…?」

716: 2016/12/29(木) 15:11:33.31 ID:Y7+4yTWd.net
善子「まあ何はともあれ…」

梨子「いただきますっ」

千歌「召し上がれっ♪」


よしルビようりこ「はむっ」

ダイかなまり「んっ」


曜梨子「あ…」

ダイヤ「これは…」


Aqours「………………」

717: 2016/12/29(木) 15:12:12.87 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「み、みんなどうしたのっ?」


ルビィ「…花丸ちゃん」

花丸「ルビィちゃん?」

ルビィ「ことりちゃんの…これ、食べてみて…」

花丸「う、うん…」


花丸「……」

花丸「はむっ」


花丸「…あ」

718: 2016/12/29(木) 15:12:42.90 ID:Y7+4yTWd.net
梨子「確かに花丸ちゃんのクッキーも美味しかったよ。でも…」

曜「ことりさんのと比べるとどうしても…」

花丸「……」


花丸「やっぱりずっとお菓子を作ってたことりちゃんと、初心者のオラじゃ、こうなるのは当然だよね…」

善子「ずら丸…」

花丸「これじゃあことりちゃんには…」

Aqours「………………」


花丸「みんな…ごめんね…」


千歌「…私の負け」

花丸「…え?」

719: 2016/12/29(木) 15:13:54.46 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「花丸ちゃんの勝ちです♪」

花丸「な、なんで…!」


千歌「……」

千歌「本当はね、こんな勝負もどうでもよかったし、私はいなくなってもいいと思ってたの」

花丸「え…?」

720: 2016/12/29(木) 15:14:35.96 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「でも、約束したから…」

千歌「──いつか花丸ちゃんにクッキーの作り方を教えるって」

花丸「あ…」


~~~~~


花丸『ねえ千歌ちゃん』

千歌『どうしたの?』

花丸『このクッキー、今食べてもいい?』

千歌『うんっ、召し上がれ♡』

花丸『あむ…』

721: 2016/12/29(木) 15:15:53.74 ID:Y7+4yTWd.net
千歌『どう…?急いでて味見してないんだけど…』

花丸『とーっても甘くて美味しいずらっ♪』

千歌『良かったぁ』

鞠莉『私にもplease!』

ルビィ『ルビィもっ』

千歌『たくさん作ってきたから、みんなで食べてっ♪』ニコニコ

722: 2016/12/29(木) 15:16:43.78 ID:Y7+4yTWd.net
ワイワイ


善子『ずら丸…あんた食べ過ぎじゃない…?』

ダイヤ『食べるのはいいですけど、体重を落とすのが大変ですわよ』

花丸『だって美味しくて…』

千歌『あっ、花丸ちゃん』

花丸『なに?』

千歌『花丸ちゃんさえ良かったら、今度クッキーの作り方教えてあげるねっ』

花丸『えっ?』

千歌『だってそうすれば、千歌がいなくても、いつでもクッキー食べられるから』

723: 2016/12/29(木) 15:17:36.53 ID:Y7+4yTWd.net
花丸『絶対だからねっ、約束だよっ』

千歌『うんっ!』


 


 


花丸『うーん…』


宛先:高海千歌
件名:今日はありがとう

本文:千歌ちゃんが焼いてくれたクッキーとっても美味しかったよ♡
今度作り方を教えてくれるって約束、忘れたら駄目だからね(^^)


花丸『これで送信っ』


~~~~~

724: 2016/12/29(木) 15:18:05.70 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「ことりちゃん…」


千歌「こんな変な方法しか取れなくてごめんねっ!」

花丸「そんなこと…!」

千歌「花丸ちゃんがクッキー作れるようになったし、もう安心っ♪」

千歌「じゃあ千歌はそろそろ消えますっ」

花丸「待って…!」


果南「花丸…」

725: 2016/12/29(木) 15:18:47.38 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「マル…」


──ことりにどんな態度をとったのかは知らないけど、早く仲直りしないときっと後悔するよ。


花丸「…っ!」


花丸「マルっ、ことりちゃんのことずっと避けてて!」

花丸「あの時も本当はお寺の掃除なんてなかったのに…!」ポロッ…

726: 2016/12/29(木) 15:19:11.73 ID:Y7+4yTWd.net
花丸「ずっと気まずくてっ…言い出せなくて…っ」

花丸「ごめんなさい…ごめんな…」ポロポロ

千歌「えいっ!」ギュッ

花丸「むぐっ!?こ、ことりちゃん…?」

千歌「うーん、そんなこと千歌は覚えてませんっ♪」

花丸「ひぐっ……こと…りっ…ちゃん…っ!」ポロポロ

727: 2016/12/29(木) 15:19:51.45 ID:Y7+4yTWd.net
千歌「千歌直伝のクッキー、みんなに食べさせてあげてね」

花丸「わかったずら…!」

千歌「えへへ、もう思い残すことはないかなぁ…。それじゃあみんな…花丸ちゃん、ばいばいっ♪」

花丸「待っ……うん…ばいばいっ」

千歌「……」ニコッ

728: 2016/12/29(木) 15:20:13.79 ID:Y7+4yTWd.net
 


千歌「………………」スッ

千歌「…………んって、あれ?花丸ちゃん!?」

花丸「ひっく……ぐすっ…」ギュゥ

千歌「ど、どうしたの?」

果南「千歌、もう少しそうさせてあげて」

千歌「う、うん」

735: 2016/12/30(金) 01:02:01.02 ID:KP9ksoOM.net
──


花丸「みんな~」

曜「あ、花丸ちゃん」

花丸「クッキー作ってきたずらっ♪」

千歌「ありがとー!」

ルビィ「うんっ、美味しいよ!」

花丸「良かったずらぁ」

736: 2016/12/30(金) 01:02:32.20 ID:KP9ksoOM.net
ダイヤ「はい皆さん、こちらに注目して」

鞠莉「はーいっ」

ダイヤ「ここまでで凛さんとことりさんの二人」

鞠莉「半分終わったわね」

果南「でも、その残り二人が関門なんだけどね…」

ダイヤ「そうですわ。凛さんとことりさんに勝てたのは私たちの実力ではありません」

曜「絵里さんもにこさんも、その辺のラッキーは絶対にないと思うし…」

梨子「今まで以上に気を引き締めていかないと…」

737: 2016/12/30(金) 01:02:59.61 ID:KP9ksoOM.net
ダイヤ「それで、次に呼ぶメンバーなのですが…」

ルビィ「にこちゃんは…」

果南「誰か…にこを認めさせられるようなことを思いついた人、いる?」


Aqours「………………」


ルビィ「あっ、μ'sの歌でライブするとか!」

善子「すっごい怒られる気が…」

ルビィ「うゅ…」

738: 2016/12/30(金) 01:03:20.66 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「そ、それじゃあワイヤーで吊ってもらって空中ライブとかっ!」

花丸「そんな設備どこから用意してくるずら…」

ルビィ「うぅ…」


ルビィ「じゃあじゃあ!全員にこちゃんのコスプレしてライブするのは…?」

ダイヤ「ルビィ!ふざけてるんですの!?」

ルビィ「だってぇ…」

739: 2016/12/30(金) 01:03:56.14 ID:KP9ksoOM.net
Aqours「………………」


曜「まだ、無理そうだね…」

梨子「じゃあ次は…」

ダイヤ「……エリーチカ…」


曜「絵里さんか…」

ダイヤ「ほ、本当にエリーチカに勝てるのでしょうか…」

果南「もうっダイヤ!」

740: 2016/12/30(金) 01:04:25.40 ID:KP9ksoOM.net
ダイヤ「果南さん…」

果南「戦う前からそんなこと言ってたら、勝てるものも勝てなくなっちゃうよ!」

果南「絶対に勝つんでしょ!」

ダイヤ「……」

ダイヤ「そうですわ。少々呆けていた様ですわね…」

ダイヤ「ええっ、ここまで来たら、何が何でもエリーチカに勝って見せますわぁ!」

果南「そうそう、その調子」

鞠莉「破竹の勢いで進んでる私たちなら、ドンウォーリー!心配要らないわよ!」

梨子「そうだねっ!」

741: 2016/12/30(金) 01:05:16.36 ID:KP9ksoOM.net
曜「じゃあ千歌ちゃん、お願い」

千歌「うん…」

鞠莉「大丈夫よ安心して!千歌っちが次目覚めたときは、みんな笑ってるから!」

千歌「あはは、それじゃあ…安心して…」


千歌「………………」スッ

742: 2016/12/30(金) 01:05:40.47 ID:KP9ksoOM.net
千歌「………………」

ダイヤ「エリーチカ!」

果南「おおっ!」


千歌「…何?」


ダイヤ「今すぐに千歌さんの身体から出ていきなさい!」

曜「ダ、ダイヤさんがいった!」

743: 2016/12/30(金) 01:06:33.24 ID:KP9ksoOM.net
千歌「……」

ダイヤ「な、何か言ったらどうですの?」

千歌「……………わ」

ダイヤ「え?」

千歌「認められないわぁ」

ダイヤ「ひっ…!」

744: 2016/12/30(金) 01:07:03.00 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「ダイヤ、負けないで!」ボソボソ

曜「全速前進、ですよっ」ボソボソ

梨子「どうしてそんなに小声…?」

曜「絵里さん怖いじゃんっ!」ボソボソ

鞠莉「曜と花丸…すでに二人も犠牲者が出てるのよ?」

善子「犠牲者って…」

花丸「マルも絵里ちゃん怖いずら…」

745: 2016/12/30(金) 01:07:32.31 ID:KP9ksoOM.net
千歌「それで私が、はいそうですかって引き下がると思う?」

ダイヤ「うっ……なら、どうあなたを打ち負かせば良いのですか?」

千歌「そうね…」


ルビィ「……」ゴクッ


千歌「私をライブで感動させることができれば認めても良いわよ?」

千歌「スクールアイドルなんて所詮お遊び、私があなたたちを認めることなんて万が一にも無いでしょうけど」

曜「…っ」

746: 2016/12/30(金) 01:07:52.38 ID:KP9ksoOM.net
善子「またこういう勝負なの~?」

果南「にこに然り絵里に然り、めんどくさい人ってなんでこうも抽象的な勝負を…」


ダイヤ「……いいでしょう」

ルビィ「お姉ちゃ…大丈夫なの…?」

ダイヤ「やるしかありませんわ」

花丸「やるって…何を?」

ダイヤ「スクールアイドルである私たちが人を感動させられることと言ったら一つしかないでしょう!」

747: 2016/12/30(金) 01:08:19.19 ID:KP9ksoOM.net
花丸「ら、ライブ?」

善子「ここでっ!?」

梨子「準備も何もしてないけど…」

ダイヤ「だから早く準備に取りかかりますわよ!」


曜「お、お~?」

748: 2016/12/30(金) 01:08:50.00 ID:KP9ksoOM.net
──


ダイヤ「皆さん、準備はできましたか?」

曜梨子「はいっ」

花丸「準備は…」

善子「できたけど…」

ダイヤ「どうしたんですの?」

ルビィ「だって、あの絵里ちゃんを感動させるライブなんて、ルビィたちにできるのかな…?」

花丸「絵里ちゃん、あんな感じだし…」

ダイヤ「………………」

749: 2016/12/30(金) 01:09:34.84 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「No problem!」

ルビィ「えっ?」

鞠莉「大丈夫、だってあの海未、真姫が作った曲と、ことりが作った衣装なんだよ?」

鞠莉「感動させられるに決まってるわ!」


ルビィ「うん…っ、そうだよね…!」

曜「それじゃあ行くよ!」

750: 2016/12/30(金) 01:09:59.48 ID:KP9ksoOM.net
曜「2っ!」

梨子「さん!」

ルビィ「よんっ!」

花丸「ご!」

善子「6っ!」

鞠莉「7!」

果南「はちっ!」

ダイヤ「九!」


Aqours「Aqours…」

Aqours「サンシャイーン!」

751: 2016/12/30(金) 01:10:51.35 ID:KP9ksoOM.net
──


千歌「………………」


Aqours「……」

曜「聞いてください」

曜「──届かない星だとしても」


~♪


夢描くってどんなこと──


千歌「……」


熱くなって、止められないっ

752: 2016/12/30(金) 01:11:27.33 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「(お願いっ…!)」


梨子「(届いて…!)」


果南「(表情一つ変わらない…)」


善子「(笑いなさいよっ!)」


──届かない星だって!


鞠莉「(っ…!)」


花丸「(お願いっ)」


ダイヤ「(あのμ'sが作った曲ですわよ…?)」


曜「(いけっ…!)」


千歌「………………」

753: 2016/12/30(金) 01:12:03.03 ID:KP9ksoOM.net
千歌「…はぁ」

千歌「帰るわ」クルッ


ルビィ「えっ…!?」

曜「ちょ、ちょっと待ってください!」


千歌「何?」

曜「私たちのライブを観て、どう思いました…?」

千歌「……はぁ」

千歌「単刀直入に言うわね」

千歌「話にならないわ。素人以前の問題」

曜「……え?」

754: 2016/12/30(金) 01:12:29.93 ID:KP9ksoOM.net
千歌「いるだけ時間の無駄。だから帰るって言ったの」

千歌「やっぱりスクールアイドルなんてお遊び」

千歌「じゃあね」スタスタ


千歌「………………」スッ

755: 2016/12/30(金) 01:13:06.15 ID:KP9ksoOM.net
千歌「………………」

梨子「千歌ちゃん?」

千歌「あんたたち…」

曜「じゃない…?」

千歌「あんたたち悔しくないの!?あんなに言いたい放題に言われて…!」

千歌「Aqoursを…アイドルを馬鹿にされたのよっ!?」


花丸「それは…」

ルビィ「悔しいですけど…」

千歌「それだけっ?私なら…」

756: 2016/12/30(金) 01:13:38.29 ID:KP9ksoOM.net
 

千歌「…前にも言ったわよね」

千歌「アイドルっていうのは、みんなを笑顔にする仕事なの」

千歌「だけどその前にあんたたちがそんな様子じゃ……もういいわ」

千歌「今のAqoursなんて見ても、誰も笑顔に出来ないから」


千歌「………………」スッ


千歌「んん……あれ?みんなどうしたの?」

Aqours「………………」

757: 2016/12/30(金) 01:14:28.97 ID:KP9ksoOM.net
──


曜「あー、全然思いつかない…」

千歌「絵里さんを感動させる方法…」

梨子「真姫さんたちが作ってくれた曲で挑んだのに、結果は全然…」


鞠莉「もういっそのこと、私たちで劇をしてみる?」

千歌「劇…?」

758: 2016/12/30(金) 01:14:52.43 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「感動する劇をして、絵里を感動させるの!」

善子「あの冷徹な絵里が感動するような劇って…」

鞠莉「そ、それは今から考えればいいじゃない」

鞠莉「ほら、廃校の危機に瀕してる私たちがスクールアイドルを結成してラブライブを優勝するまでの話とかっ!」

花丸「優勝してないずら」

曜「何となく駄目な気が…」

鞠莉「えー、いい案だと思ったのになぁ」

759: 2016/12/30(金) 01:15:34.97 ID:KP9ksoOM.net
千歌「あ、ルビィちゃんは何かいい案ない?」

ルビィ「る、ルビィ!?」

花丸「なんでルビィちゃんに…」


ルビィ「えーっと、えーっと…あっ!」

千歌「おっ!」

ルビィ「絵里ちゃんの好きなちょこれーとを客席にいっぱい設置するとかっ!」


ヒュゥゥゥ…


曜「うーん、何かいい案ないかなぁ」

ルビィ「なんでっ!?」

760: 2016/12/30(金) 01:16:18.39 ID:KP9ksoOM.net
果南「やっぱり、インパクトが必要だと思うんだよね」

花丸善子「インパクト?」

果南「うん、例えば、新しい衣装とか新しい曲を作るだけでもインパクトあると思うよ」

曜「確かに…!」


ダイヤ「それですわ!」

鞠莉「ど、どうしたの?ダイヤ」

ダイヤ「新しい曲を作りましょう!」

ダイヤ「今度は頭に残る曲を作ればいいんですわ!」

761: 2016/12/30(金) 01:16:48.52 ID:KP9ksoOM.net
千歌「確かにいい案ですけど」

梨子「でも、今から作るとなると…」

花丸「まだ歌詞も曲もできてないし…」

ダイヤ「いいえ、違います!」

果南「違うって?」

ダイヤ「μ'sに頼めばいいんですわ!」

千歌「なるほど!」

曜「ことりさんはいないけど、曲だけは真姫さんと海未さんに頼めば…!」

762: 2016/12/30(金) 01:17:15.48 ID:KP9ksoOM.net
梨子「でも、それだと千歌ちゃん一人に…」

ダイヤ「何も毎日呼ぶというわけではありません。千歌さんの無理がない程度に呼べばいいのですわ!」

梨子「千歌ちゃんは大丈夫…?」

千歌「うん、私は大丈夫だよ!」

ダイヤ「決まりですわね。じゃあ千歌さん」


千歌「はい、お願いします」


千歌「………………」スッ

763: 2016/12/30(金) 01:18:37.57 ID:KP9ksoOM.net
千歌「……何?」

曜「真姫さん、お願いがあります」

千歌「だから何よ」クルクル

曜「曲を作って欲しいんですけど」

千歌「え?」

曜「真姫さんの曲なら私たちは輝けると思うんですっ」

鞠莉「うんうんっ!」

764: 2016/12/30(金) 01:19:14.45 ID:KP9ksoOM.net
千歌「…本気で言ってるの?」

曜「は、はい」


ルビィ「真姫ちゃんお願い!」

花丸「マルからもっ」


千歌「………………」

千歌「……嫌」

まりようルビ「なんでっ!?」

千歌「そんなの自分で考えて」

765: 2016/12/30(金) 01:19:41.76 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「え……ぇ…」

ルビィ「真姫ちゃん、ルビィたちのこと嫌いになっちゃったの…?」ウルウル

千歌「…っ!」

千歌「話はそれだけっ?」

千歌「じゃあもう代わるからっ!」


千歌「………………」フッ

766: 2016/12/30(金) 01:20:00.59 ID:KP9ksoOM.net
千歌「…どうだった?」

ダイヤ「駄目でしたわ」

善子「真姫がルビィのお願いを断るなんて…」

花丸「どうしたんだろう…」

鞠莉「やっぱり真姫も絵里側だったってことじゃないのっ?」

ルビィ「真姫ちゃん…」

767: 2016/12/30(金) 01:20:32.72 ID:KP9ksoOM.net
ダイヤ「作曲は手を貸してもらえませんでしたが、まだ作詞がありますわ」

千歌「海未さんを出せばいいんですね」

曜「千歌ちゃんお願い」

千歌「ちょっと待っ……」クラッ


千歌「………………」スッ

768: 2016/12/30(金) 01:20:58.09 ID:KP9ksoOM.net
千歌「聞いていました」

ダイヤ曜「じゃあ…!」

千歌「駄目です」

曜「えぇっ!?」

花丸「また駄目…」

ダイヤ「海未さんまで…どうしてですのっ?」

769: 2016/12/30(金) 01:21:33.51 ID:KP9ksoOM.net
千歌「……ふぅ」

千歌「それは自分たちで気付くべきことです。ただ…ひとつ言える事は──」


千歌「技術の優れたパフォーマンスと、人の心を打つパフォーマンスは必ずしも同じではない…ということでしょうか」

Aqours「…?」

曜「なんで?だって上手ければ上手いほど注目も浴びるし、感動させられるし…」

千歌「そうですね…例えば…」

千歌「親の立場だとして、子供が自分で描いた絵を渡されるのと、子供が有名な画家に頼んで描いてもらった絵を渡されるのとでは、どちらが嬉しいのでしょう」

千歌「……これは少し違いますかね」

梨子「え?」

771: 2016/12/30(金) 01:22:17.14 ID:KP9ksoOM.net
千歌「ヒントは言いました。そこから先は自分自身で考えてください」

花丸「どういうことずら…?」

ルビィ「全然わからないよぉ」


千歌「では…」

曜「ちょっ…!」


千歌「………………」スッ


Aqours「……」

772: 2016/12/30(金) 01:22:51.87 ID:KP9ksoOM.net
千歌「…んん」


千歌「みんな…もしかしてダメだった…?」

梨子「うん…」


曜「あー、ことりちゃんがいればなぁ」

善子「せめて衣装は作ってもらえたのに…」


花丸「…そうなのかな」

773: 2016/12/30(金) 01:24:32.23 ID:KP9ksoOM.net
曜「だってことりさんなら優しいし、私たちがお願いすれば…」

花丸「マルは、ことりちゃんがいたとしても海未ちゃんや真姫ちゃんと同じことを言った気がする」

善子「どうして?」

花丸「それは…わかんない」

果南「わからない?」

ダイヤ「わからないとはどういうことですの?」

花丸「わからないけど、そんな気がするの…」


Aqours「……」

774: 2016/12/30(金) 01:25:14.54 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「もうっ!これじゃあ埒があかないわ!」

ダイヤ「鞠莉さん…?」

鞠莉「千歌っち!」ガシッ

千歌「は、はいっ」

鞠莉「今すぐ穂乃果を呼んでっ!」

千歌「ええっ!?」

鞠莉「真姫や海未じゃ話にならないから、穂乃果にお願いするの!」

776: 2016/12/30(金) 01:25:49.41 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「穂乃果ちゃんは作詞も作曲もできないよ…?」

鞠莉「知らないわよっ!メンバーが協力的じゃないからもうリーダーに頼むしかないでしょ!」ブンブン

千歌「ええぇぇぇ!?」

鞠莉「ハリーっ!」ブンブン

千歌「ちょっ、待ぁっ…」

千歌「……」スッ

千歌「うわぁぁぁっ!?」

鞠莉「千歌、聞いてるのっ?」ブンブン

千歌「な、何~っ!?」

777: 2016/12/30(金) 01:26:20.09 ID:KP9ksoOM.net
 
果南「鞠莉、ストップ!」

鞠莉「…え?」ピタ

果南「それ、多分もう穂乃果…」


千歌「あわあわ…」クラクラ


鞠莉「……」

鞠莉「てへっ」

ダイヤ「てへっ、じゃありませんわっ!」

778: 2016/12/30(金) 01:26:49.34 ID:KP9ksoOM.net
──────

────

──


千歌「もうっ、出てきた途端に世界が揺れてるんだもん!何事かと思ったよ~」

鞠莉「ご、ごめんなさい」

千歌「あはは、別に怒ってないよ」

779: 2016/12/30(金) 01:27:17.48 ID:KP9ksoOM.net
千歌「それで、私に聞きたいんだっけ?」

千歌「どうすれば輝けるのか…」

曜「はい」


梨子「作曲や作詞が駄目ならせめてμ'sのリーダーに、どうしてμ'sが輝けたのかを教えてもらおうかと思って…」

千歌「どうしてμ’sが輝けたのか、か」

千歌「そうだなぁ…」

曜「どんなことでもいいので!」

780: 2016/12/30(金) 01:27:44.14 ID:KP9ksoOM.net
千歌「うーん…」

千歌「わかんないっ!」


Aqours「え…?」


千歌「だって千歌はμ'sじゃないもん!そんなこと言われてもわからないよ~!」

果南「言われてみれば…」

曜「この千歌ちゃんも千歌ちゃんなんだ…」

781: 2016/12/30(金) 01:28:40.09 ID:KP9ksoOM.net
ダイヤ「それならば、あなたはどうすれば私たちが輝けると思いますか?」

千歌「えー、どうすれば…」

千歌「……」


千歌「えっとあの二人のこと、確か…海未ちゃん、それににこちゃんってみんなは呼んでるんだっけ?」

曜「海未さんとにこさんがどうかしたんですか?」

千歌「千歌は、海未ちゃんとにこちゃんが言ってることが全てだと思うなぁ」

鞠莉「それがわからないから聞いてるのっ」

ダイヤ「穂乃果さん、お願いしますわ」

782: 2016/12/30(金) 01:29:12.39 ID:KP9ksoOM.net
千歌「うーん、言うのは簡単なんだけど、やっぱり千歌もみんな自身に気付いてほしいから」


千歌「輝く方法は色々あるけど…」

千歌「千歌だったら、例えば…九人で意見を出し合って一から作り出す…」

千歌「そうやってできた曲で私たちはあの雪の日…」

曜「え?」

千歌「ってあれ?私何言ってるんだろう…?」

783: 2016/12/30(金) 01:29:40.03 ID:KP9ksoOM.net
千歌「とにかくっ、みんなで集まって考えてみればいいんじゃないかな!」

千歌「ほら、作曲とか衣装作りはダメでも、作詞ならみんなで考えられるし」

ルビィ「う、うん…」

曜「そうだね…」


千歌「そうだ!合宿だよ!」

花丸「合宿…?」

千歌「うん、合宿っ」

784: 2016/12/30(金) 01:32:55.52 ID:KP9ksoOM.net
千歌「みんなで学校にお泊まりすれば、絶対に楽しいから!」

梨子「学校にお泊まり…」

善子「確かに楽しそうね!」

千歌「そうと決まれば早速始めるよ~!」


千歌「………………」スッ

785: 2016/12/30(金) 01:33:32.03 ID:KP9ksoOM.net
果南「今日学校に泊まるの!?」

善子「楽しそうじゃない!」

花丸「善子ちゃんノリノリずら」

千歌「…え?」


ダイヤ「しかし学校に宿泊するには生徒会長と理事長の申請が…」

鞠莉「許可するわ!」

ダイヤ「鞠莉さん!?」

786: 2016/12/30(金) 01:34:03.22 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「この浦の星女学院の理事長は私よ?」

鞠莉「そして生徒会長もいる…」

ダイヤ「ですが…」


ルビよしまる「……」キラキラ


ダイヤ「はぁ、わかりましたわ」

ダイヤ「ただし、ちゃんと前々から申請を行っていたということにしてくださいね」

ルビィ「お姉ちゃん…!」

ダイヤ「ふふっ、たまには私もこういうことをするんですよ…?」

787: 2016/12/30(金) 01:34:35.46 ID:KP9ksoOM.net
──


ワイワイ

鞠莉「かなーんっ!布団敷いたよ~!」

果南「もうっ!?まだ夕飯も食べてないのに気が早すぎじゃない?」

鞠莉「そんなことないわよ!」

果南「え?」

鞠莉「だってほら…」

788: 2016/12/30(金) 01:35:03.08 ID:KP9ksoOM.net
花丸「ルビィちゃんのパジャマ、とっても可愛いずら~!」

ルビィ「そ、そうかな?えへへ」

善子「私はっ?最近ネットで買った堕天使パジャマなんだけど」

花丸「善子ちゃんは…うん」

善子「何よそれ!」

ルビィ「善子ちゃんも可愛いよっ」

789: 2016/12/30(金) 01:36:05.89 ID:KP9ksoOM.net
果南「もうパジャマに着替えてる…」

鞠莉「ね?早くないでしょ?」

鞠莉「というわけで、果南も早く着替えるわよ!」

果南「ちょっ、止めてよっ」

鞠莉「動かないで!」

果南「自分で着替えられるからっ!」


ギャーギャー

790: 2016/12/30(金) 01:36:34.96 ID:KP9ksoOM.net
曜「…曲とか衣装作りしなくていいの?」

梨子「みんな見事に遊んでるわね」

千歌「うーん、まだいいんじゃないかな」

曜「え?」

千歌「とりあえず夜ご飯を食べてから考えよう!」

曜「…それって千歌ちゃんも楽しみたいだけじゃ…?」

千歌「そんなことないよ~!」

梨子「あはは…」

791: 2016/12/30(金) 01:37:12.21 ID:KP9ksoOM.net
──


ダイヤ「皆さん、夕食を作りますわよ!」

果南「え?出前じゃないの?」

ダイヤ「いいえ、合宿と言えば夕食作り!」

鞠莉「そうそうっ」


梨子「夕食作りって、何を作るんですか?」

果南「まあ、林間学校とかだとカレーが定番だよね」

ダイヤ「それです!果南さん名案ですわっ」

792: 2016/12/30(金) 01:37:40.45 ID:KP9ksoOM.net
善子「食材はどうするの?」

鞠莉「ふふーん、ここに泊まるって決まってすぐ、ここに運ぶように連絡したの!」


バサッ


花丸「うわ…」

ルビィ「す、すごい…」

千歌「いろんな野菜に果物…」

梨子「これ、何の肉…?」

曜「あ、明らかにカレー以上の料理ができる食材なんですけど」

793: 2016/12/30(金) 01:38:08.96 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「あっ、これ!」

曜「ルビィちゃんどうしたの?」

ルビィ「ハチミツって、カレーに入れると美味しくなるんだよね?」

果南「あっ、それ私も聞いたことある」

果南「確かハチミツの成分がどうとかって話だよね」


曜「果南さん、本当にわかってます?」

鞠莉「成分がどうとかって…」

果南「いやっ、話だけ何となく…」

794: 2016/12/30(金) 01:38:35.02 ID:KP9ksoOM.net
善子「ハチミツを入れるならこれも入れた方がいいんじゃない?」

善子「この──禁断の果実を」

花丸「ただのりんごずら」

善子「それに、チョコレートも良いって聞いたことあるわ」

花丸「それは善子ちゃんがチョコレート好きだから入れたいだけじゃ…」

善子「そ、そんなことないわよ」

795: 2016/12/30(金) 01:39:02.92 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「ちょっと待って!」

善子「鞠莉さん?」

鞠莉「りんごよりもこっちの方が禁断の果実っぽいわよ!」

ルビィ「とまと…」

善子「悪魔の血袋…」

ダイヤ「トマトカレーにするつもりですの?」

ダイヤ「というか、皆さん好き勝手に入れすぎですわ!これでは…」

796: 2016/12/30(金) 01:39:37.70 ID:KP9ksoOM.net
果南「じゃあ私は豚肉に牛肉!」

ダイヤ「果南さんまで!」


花丸「マルも入れるずらっ」

ダイヤ「……」


ダイヤ「それでは私もっ」

797: 2016/12/30(金) 01:41:26.28 ID:KP9ksoOM.net
──────

────

──


千歌「それじゃあ…!」


Aqours「いっただきまーすっ!」


ダイヤ「一時はどうなることかと思いましたが…」

果南「案外ちゃんとできるものだね」

798: 2016/12/30(金) 01:41:41.07 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「あれ…?…すくったら」

花丸「大きなハンバーグ…これ入れたの誰ずら…?」

曜「あ、あはは…」


鞠莉「こうなると…」

善子「気になるのは味ね」

曜「誰か味見した人いる…?」


Aqours「………………」

799: 2016/12/30(金) 01:42:15.68 ID:KP9ksoOM.net
善子「なんで誰も味見してないのよ!」

千歌「いやぁ、あれだけ色んな食材を入れると…」

梨子「味見するのが怖くなっちゃって…」


果南「じゃあみんなで一斉に食べてみる?」

曜「…そうだね」

ダイヤ「怖いですが…はい」

千歌「みんな準備はいい?行くよ~」


Aqours「はむっ」パクッ

800: 2016/12/30(金) 01:43:00.54 ID:KP9ksoOM.net
花丸「~~~~っ!」

花丸「美味しいずら!」

ルビィ「うんっ、とっても!」

果南「あんな色んな食材入れたのに…」

梨子「逆に調和が取れてるとか…?」


ダイヤ「何はともあれ、大成功ですわね」

ルビィ「うんっ!」


花丸「マルおかわりっ」

善子「早っ!?」

801: 2016/12/30(金) 01:43:41.52 ID:KP9ksoOM.net
──


花丸「もう食べられないずらぁ」

善子「あんたは少し食べすぎよ」

梨子「花丸ちゃん大丈夫?」

花丸「うん、大丈夫だよ…って」

花丸「そうだ!」


タッタッタッ


花丸「カレーを作る合間に、デザートになればってクッキー焼いたの忘れてたずら」

曜「端の方で善子ちゃん、ルビィちゃんと何か作ってると思ったら…」

花丸「さすがにくどいかな…?」

802: 2016/12/30(金) 01:44:05.84 ID:KP9ksoOM.net
曜「一つもらうね」パクッ

曜「うんっ、美味しいよっ!」

花丸「わぁ…!」パァァァ


ルビィ「ルビィと善子ちゃんも手伝ったんだよ!」

善子「ヨハネっ!」

梨子「この味…」

善子「悪魔の血を垂らしてみたの」

梨子「えっ!?」

花丸「余ったりんごを擦って混ぜて作ってみたんだ」

梨子「……」ジト

善子「な、何よ!」

803: 2016/12/30(金) 01:44:33.36 ID:KP9ksoOM.net
ルビィ「このハートマークの型はルビィが取ったんだよ!」

ダイヤ「さすが我が妹、よく出来ましたね~」ナデナデ

ルビィ「がんばルビィ!」


千歌「はむっ」パクッ

花丸「千歌ちゃん、どうかな?」

千歌「ふふふ…また腕を上げたね?」

花丸「えへへ」

804: 2016/12/30(金) 01:45:28.57 ID:KP9ksoOM.net
──


曜「よいしょっ!」

善子「うわっ!?」

善子「な、何するのよ!?」

曜「何って、枕投げしかないでしょ!」

善子「枕投げぇ?」

善子「……」


善子「ずら丸覚悟~っ!」

花丸「ずらっ?…っぷ!?」

善子「ふっ、命中…」

805: 2016/12/30(金) 01:45:52.97 ID:KP9ksoOM.net
花丸「むむむ…こうなったらオラも!」

花丸「ルビィちゃん、えいっ!」

ルビィ「え?」


バサッ


ルビィ「あ…」

花丸「まずいずら…」

花丸「…ぴ、ピギィ、ごめんなさいっ」ウラゴエ

ダイヤ「…ルビィ~?」

ルビィ「えっ!?ルビィじゃ…!」

ダイヤ「言い訳は許しませんわよ!」


ピギィィィ!

ワーワー

806: 2016/12/30(金) 01:46:15.98 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「何だか昔のAqoursに戻ったみたい」

果南「これがAqoursって感じだよね」


千歌「あ……!」


曜「ん…?」

ルビィ「千歌ちゃん?」

ダイヤ「どうしたんですの?」

807: 2016/12/30(金) 01:47:00.62 ID:KP9ksoOM.net
千歌「これなんじゃないかな」

曜「え?」

千歌「μ'sのみんなが言いたかったこと」

千歌「確かに誰かに全部作ってもらうのもいいかもしれない。けど、この料理みたいにみんなで意見を出し合って一つのものを作り出す」

千歌「それで、こうやってみんなで楽しみながら歌えば、きっとファンのみんなも笑顔に──」

千歌「…グループを、Aqoursを輝かせることができるんじゃないかなっ!」


曜「Aqoursを…」

梨子「輝かせる」

808: 2016/12/30(金) 01:47:28.41 ID:KP9ksoOM.net
曜ルビィ「あっ…」


梨子「あっ…」


果南「あっ…!」


ルビィ「曜ちゃん…っ!」

曜「うんっ!私もアイデアが!」


梨子「曲が頭の中に流れて…」


果南「今ならいい振り付けが考えられる気がする…!」

809: 2016/12/30(金) 01:47:52.88 ID:KP9ksoOM.net
曜「ち、千歌ちゃん!私たち衣装デザイン考えてくるから先に作詞に取り掛かってて!」

果南「私も!」

梨子「わ、私もっ」


千歌「うん、わかった」


曜「じゃあルビィちゃん、被服室行くよ!」

ルビィ「うんっ!」


ガラガラ


曜「ちゃんと私たちのところ残しておいてねっ!」

千歌「わかってる~!」

810: 2016/12/30(金) 01:48:34.98 ID:KP9ksoOM.net
 


鞠莉「じゃあまずは私たちだけで考えましょ」

花丸「良い歌詞が書ける気がするずらっ」


千歌「……」

千歌「みんな」

鞠莉「What?なに?」

千歌「この歌詞の冒頭、私が書いていいかな?」

善子「千歌が?」

千歌「うんっ!」

811: 2016/12/30(金) 01:49:15.70 ID:KP9ksoOM.net
鞠莉「でも、入りの掴みは重要だよ~?」

ダイヤ「本当に行けるんですの?」

千歌「はいっ、もう決めてるんです」

花丸「へぇ~」

善子「なら見せてもらおうじゃない」

812: 2016/12/30(金) 01:49:55.41 ID:KP9ksoOM.net
千歌「えっと」

千歌「最初は──」カキカキ


花丸善子「今…」

ダイヤ鞠莉「未来…?」


千歌「……変えてみたくなったよ…!」

822: 2016/12/31(土) 02:15:18.54 ID:H5tZ89te.net
――


チュンチュン…


千歌「…んん」

千歌「朝…」


千歌「えいしょっ」ガラガラ


千歌「わぁ…!良い天気!」


ピロリンッ


千歌「曜ちゃん…?なんだろ」

823: 2016/12/31(土) 02:19:40.65 ID:H5tZ89te.net
From.渡辺曜
件名:絶対に

本文:とうとう今日だね。もう、絵里さんにお遊びだなんて思わせたくないから。。。



絶対に勝つよ!』


千歌「曜ちゃん……うんっ!」

千歌「行こうっ、みんなのところに!」

824: 2016/12/31(土) 02:20:43.52 ID:H5tZ89te.net
──


ルビィ「うぅ…お姉ちゃ…」

ダイヤ「ルビィ、あなたはもっと自分に自信を持ちなさい」

ダイヤ「堂々としていれば、きっとあなたはもっと魅力的に見えますわ」

ルビィ「でも…」

ダイヤ「ということで、今日はこの勝負スカートを着ていきなさい」バッ

ルビィ「え…」

ダイヤ「少しだけ丈が短いですが、これもあなたの度胸を付けるため。仕方ないことですわ」

ルビィ「こ、これをルビィが…?」

ダイヤ「履くのです」

ルビィ「えっ…え!?」

ダイヤ「ルビィ」

ルビィ「む、むっ…」


ルビィ「む~りぃ~~~!」ダッ

825: 2016/12/31(土) 02:21:16.15 ID:H5tZ89te.net
──


鞠莉「かなーんっ!」

果南「鞠莉…今日はヘリじゃないの?」

鞠莉「ふふっ、この道なら果南に会えると思って」

果南「なにそれ」

果南「…早く学校行くよ」


鞠莉「果南」

826: 2016/12/31(土) 02:21:47.60 ID:H5tZ89te.net
果南「なに?」

鞠莉「緊張してる?」

果南「どうして…?」

果南「だってクマが…」


果南「緊張なんてするわけないでしょ」

鞠莉「え?」

果南「確かに昨日は中々眠れなかったけど…」

果南「今日のライブが楽しみで眠れなかったのっ」ダッ


鞠莉「…ふふっ」

827: 2016/12/31(土) 02:22:48.91 ID:H5tZ89te.net
──


花丸「少し早く学校に着いちゃった」

花丸「まだ誰も来てないよね…ってあれ」


善子「……」


善子「善子ちゃんずらっ」

花丸「善子ちゃーん!」


善子「」ブツブツ…

花丸「善子ちゃん?どうしたの?

善子「あっ、ずら丸…」

花丸「呪文ずら?」

善子「違うわよっ!…違くて…」

828: 2016/12/31(土) 02:23:25.13 ID:H5tZ89te.net
善子「ほら、歌詞も振り付けもギリギリまで確認しとかないと不安で…」

花丸「……」

花丸「善子ちゃんが一生懸命練習してきたのはよく知ってるよ」

花丸「もちろんオラも、みんなも」

花丸「だからきっと大丈夫」

花丸「頑張り屋さんの善子ちゃんが失敗するなんてありえないずらっ」

善子「うぅ…」

花丸「善子ちゃん…?」

善子「善子じゃなくてヨハネよっ!」カァ///

829: 2016/12/31(土) 02:24:32.49 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「それでね~」

梨子「そんなことが…ふふっ」


曜「二人ともおはヨーソロー!」

千歌「あ、曜ちゃん!」

梨子「おはようっ」


曜「二人は…」

千歌梨子「…?」

曜「うんっ、大丈夫そうだね!」

梨子「何が?」

曜「不安がってるんじゃないかって思って」

曜「でも、全然そんなことなかったみたい」

830: 2016/12/31(土) 02:24:56.42 ID:H5tZ89te.net
梨子「なんでだろう…千歌ちゃんと話して来たからかな」

千歌「私も、梨子ちゃんと話してたら不安な気持ちなんてどっかにいっちゃったみたい」

曜「そっか、なら安心だね!」

千歌「曜ちゃんはどうなの?」

曜「わ、私…?」

梨子「もしかして…不安?」

曜「そ、そんなこと」

千歌「なーんだ、そうならそうと早く言ってくれればいいのに~!」

千歌「この前ね!」

梨子「千歌ちゃんの話、すごく面白いんだよ」

曜「……ふふっ」

千歌「ちょっと、聞いてるのっ?」

831: 2016/12/31(土) 02:25:25.15 ID:H5tZ89te.net
──


ダイヤ「それでは千歌さん」

千歌「はい──」


千歌「………………」スッ


千歌「あなたたちのライブは話にならない、そう言ったはずよね」

千歌「今度は何の用?」


曜「もう一度、ライブを見てほしいんです」

千歌「もう一度?」

832: 2016/12/31(土) 02:26:07.43 ID:H5tZ89te.net
千歌「…何度やっても結果は同じだと思うけど」

曜「そんなことありません」

千歌「…?」

曜「今回はきっと」


千歌「……」

千歌「そこまで言うのなら見せてもらおうかしら」

千歌「あなたたちのライブ」

曜「はいっ」

833: 2016/12/31(土) 02:26:59.64 ID:H5tZ89te.net
──


曜「みんな、緊張とか…」


ダイヤ「ふふっ」

ルビィ「えへへ」

鞠莉「ドンウォーリーっ!」

果南「私も大丈夫だよ」

花丸「うんっ」

善子「堕天使の力…解放…っ!」


曜「心配要らないみたいだね」

834: 2016/12/31(土) 02:27:17.19 ID:H5tZ89te.net
果南「そういう曜はどうなの?」

曜「私?私は…」チラッ


千歌「えへへ」

梨子「うんっ」


曜「もう大丈夫!」

果南「そっか」

835: 2016/12/31(土) 02:28:26.31 ID:H5tZ89te.net
鞠莉「曜、何か一言ないの?いつもの千歌っちの代わりに私たちを鼓舞する言葉とか」

曜「あはは…」

曜「私は仮でもリーダーって柄じゃないし」

曜「それに、今更千歌ちゃんの代わりに何かを言おうとも思わないです」

曜「だって、きっとここにいる全員の気持ちは同じだと思うからっ!」

梨子「うん、私もそう思う!」

836: 2016/12/31(土) 02:29:00.01 ID:H5tZ89te.net
果南「じゃあそろそろ行こうよ。観客をいつまでも待たせるわけにもいかないし」

ルビィ「うんっ!」

曜「そうだね。……」


曜「みんな、準備はいいっ?」


果南ルビィ花丸「うんっ!」

ダイヤ鞠莉梨子善子「ええっ!」


絵里「想いを乗せて歌えば、絵里さんにだって届くはず!」

梨子「うん!」

837: 2016/12/31(土) 02:29:43.89 ID:H5tZ89te.net
曜「それじゃあみんな、精一杯全力で輝こうっ!」

曜「行っくよーっ!」


曜「2っ!」

梨子「さん!」

ルビィ「よんっ!」

花丸「ご!」

善子「6っ!」

鞠莉「7!」

果南「はちっ!」

ダイヤ「九!」


Aqours「Aqours…」

Aqours「サンシャイーン!」バッ

838: 2016/12/31(土) 02:36:45.05 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「………………」

千歌「(どうせ、ただ歌って踊って終わり。女子高校生のお遊戯が始まるだけ)」

千歌「(早く始めてくれないかしら)」

 

ルビィ「……」

花丸「……」

善子「……」


鞠莉「……」

果南「……」

ダイヤ「……」

839: 2016/12/31(土) 02:38:04.37 ID:H5tZ89te.net
 

梨子「……」


曜「……すぅ」


~♪


曜梨子「──今未来変えてみたくなーったよ♪」


だって僕達はまだ夢に──


千歌「え…?」

千歌「(これが…あのAqours……?)」

840: 2016/12/31(土) 02:43:25.34 ID:H5tZ89te.net
善子「きーっかけは──」キラキラ


千歌「(何よこれ…この前とはまるで別人…)」


──トクンッ


花丸「ほーんとうに望むっことならっ♪──」キラキラ


千歌「(目が…離せない…)」


──トクンッ


千歌「(何なの、この胸の高鳴りは)」

841: 2016/12/31(土) 02:44:19.15 ID:H5tZ89te.net
──トクンッ


千歌「(一つ一つのパフォーマンスに変な余韻…こんなの知らない、知らないはずなのに…)」

千歌「(何か変な感じ…)」


──もう、認めてあげてもいいんじゃない?私


千歌「…え?」

千歌「空耳…かしら」

842: 2016/12/31(土) 02:44:47.22 ID:H5tZ89te.net
今日も太陽は照らしてる──


千歌「………………」


『μ'sに入ってください!』

『一緒にμ'sで歌ってほしいです!スクールアイドルとして!』


──ドクンッ!


千歌「なに…この感情…」

千歌「……ふふっ、なるほどね」

843: 2016/12/31(土) 02:45:12.20 ID:H5tZ89te.net
千歌「もう…頭の中も変な声でうるさいし、これだと落ち着いて曲が聴けないじゃない」


曜「──たーいくつは苦手で良いのさっ!」キラキラ

 

ルビィ「上手ぁくいかないってっ!」キラキラ


 


千歌「…スクールアイドルはお遊び。そんな考えは間違っていたのかもしれないわね」

844: 2016/12/31(土) 02:45:28.61 ID:H5tZ89te.net
梨子「君は何度もっ──」キラキラ


千歌「…約束は約束。名残惜しいけど、ちゃんと消えるわ」

千歌「それじゃ……そうだ」


千歌「にこ…と言ったかしら。あなたも変な意地を張るのはもうやめにしましょ」

千歌「じゃあ今度こそ…」


千歌「………………」フッ

845: 2016/12/31(土) 02:46:26.89 ID:H5tZ89te.net
──────

────

──

~♪……


果南「はぁ…はぁ…」

曜「出し切ったよ…全部!」


曜「え、絵里さんっ!」

曜「私たちのライブはどうでしたかっ?」


千歌「………………」

846: 2016/12/31(土) 02:46:59.17 ID:H5tZ89te.net
曜「絵里さ……んん?」


千歌「………………」スゥ…スゥ…


曜「ね、寝てる!?」

花丸「そんなに酷かったずら!?」

善子「終わりだわ…。ハルマゲドン…もう終わりよぉっ!」


千歌「うぁ……え?」


梨子「千歌ちゃん…?」

千歌「う、うん」

鞠莉「千歌っちごめんね!またダメだったみたいで…」

千歌「いつの間に戻って…」

847: 2016/12/31(土) 02:47:30.48 ID:H5tZ89te.net
ダイヤ「もうっ、一体何が問題でしたの!?今までで最高のライブでしたというのに」

花丸「確かに…何が駄目だったのかな」

鞠莉「自信を持って良かったって言えるライブだったわよ…でも駄目だったってことは、もう絵里はスクールアイドル自体認めない気じゃ…」

ルビィ「えっ…それじゃあ…!」

Aqours「………………」


善子「あーっもう!そんなうじうじしてないで、何が駄目だったのか直接絵里に聞けばいいでしょ!」

花丸「善子ちゃん…」

848: 2016/12/31(土) 02:48:02.53 ID:H5tZ89te.net
善子「それで聞いて、駄目なところを直して少しずつ前に進んでいけばいいじゃない!」

善子「それが、ゼロをイチにしていくってことじゃないの?」

ルビィ「あ…」


千歌「善子ちゃんの言う通りだよ」

千歌「ダメなら、そのダメなところを直して、直して直して、それで私たちはやっと一に進めるんだと思う」

千歌「善子ちゃん、ありがとね。当たり前のことなのに」

849: 2016/12/31(土) 02:48:27.19 ID:H5tZ89te.net
善子「別に」

善子「誰かが道を見失っていたら、他の仲間が道を教えてあげればいい」

善子「グループってそういうものでしょ?」

ルビィ「善子ちゃんっ!」


花丸「誰の受け売りずら?」

善子「私の言葉よっ!」

850: 2016/12/31(土) 02:49:22.81 ID:H5tZ89te.net
千歌「それじゃあ絵里さんに代わるね」

千歌「酷いことをいっぱい言われるかもしれない。やめた方が良いって勧められるかもしれない。でも」

ダイヤ「そんなこと言われなくても分かっていますわ!」

果南「私たちがそんな程度で折れると思う?」

梨子「そうだよ千歌ちゃん。私たちはスクールアイドルが好きでやってるんだから」

鞠莉「今更そんなことを言われてもぜーんせん気にならないわ」

851: 2016/12/31(土) 02:50:00.89 ID:H5tZ89te.net
千歌「…ふふっ。そっか」

曜「うんっ」

千歌「じゃあ絵里さん、お願い──」


千歌「………………」


曜「絵里さん…?」

千歌「…あれ?」

千歌「おかしいな…」


千歌「………………」


千歌「……絵里さんが呼べない。というか…」


千歌「い、いなくなってる…!」

曜「え?」

852: 2016/12/31(土) 02:50:33.80 ID:H5tZ89te.net
梨子「そ、それってつまり…」


善子「消えたってこと…!?」

千歌「う、うん」

善子「ということは…!」


曜「納得してくれたってことだよね」

曜「私たちの…私たちが作った曲で感動させられたってことだよねっ?」


千歌「…うんっ!」

853: 2016/12/31(土) 02:51:33.32 ID:H5tZ89te.net
Aqours「……」


ダイヤ「…や……やっ!」

ダイヤ「やりましたわっ!」


花丸「ルビィちゃん!やったずら!」

ルビィ「ほ、本当に…?」


鞠莉「まあ、私は分かってたけどね」

果南「よくいうよ。絵里がどうとかって言ってた癖に」

鞠莉「え~、果南の聞き間違いじゃない?」

果南「…そうかもっ」

854: 2016/12/31(土) 02:52:02.56 ID:H5tZ89te.net
梨子「千歌ちゃん、曜ちゃんっ!」

千歌「うん、やったね!」

曜「あの絵里さんを感動させたって…嘘みたい…」

千歌「……」

千歌「えいっ!」

曜「いたたっ!」

梨子「千歌ちゃん…!?」

千歌「ほら、頬をつねっても大丈夫でしょ?」

曜「あはは……うんっ、そうだね!」

855: 2016/12/31(土) 02:52:36.49 ID:H5tZ89te.net
千歌「………………」

千歌「……ねえ、見て」

曜梨子「え?」


ズラ~

アハハハハッ!

カナーン

イケマセンワッ


千歌「ね?」

梨子「ね、って」


千歌「みんなすごい楽しそう…」

856: 2016/12/31(土) 02:53:09.74 ID:H5tZ89te.net
千歌「前のAqoursに戻ったみたいじゃない?」

曜「あっ」

千歌「いろいろ迷ったりしたけど、もう大丈夫。今の私たちならきっと迷わない」

千歌「だから…」グイッ

曜「うわっ…!」

梨子「えっ!?」


千歌「みんなっ、行くよ~っ!」ダッ

857: 2016/12/31(土) 02:53:42.78 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「ふんふんふーん♪」タッタッタッ

千歌「今日はずっと楽しみにしてたケーキバイキングの日っ♡」

千歌「この財布でたくさん買い物して、本人が気付いたときには…ふふふっ!」

 

千歌「ちかちーちかちゃん可愛いなっ♪」タッタッタッ

千歌「ちかちー、千歌ちゃん…」タッ…タッ…


千歌「……どうして」

千歌「(…楽しいはずなのになんでこんなにモヤモヤするの?)」

858: 2016/12/31(土) 02:53:59.49 ID:H5tZ89te.net
──絶対に諦めない…!千歌ちゃんを助けるんだ!


──曜ちゃんのハンバーグもーらいっ♡

──あっ!


千歌「(なんで…)」


──こ、ことりちゃん…?

──うーん、そんなこと千歌は覚えてませんっ♪


──Aqours…サンシャイーンっ!


──変な意地を張るのはもうやめにしましょ


千歌「(なんでこんなこと思い出すのよ…)」

859: 2016/12/31(土) 02:54:48.20 ID:H5tZ89te.net
千歌「(どうせアイドルをお遊びでやってるような連中に決まってるのに)」


千歌「(Aqoursの中にいると、私が変になって…)」

千歌「(宇宙ナンバーワンアイドルになることよりも大切なものができちゃう気がして…)」


千歌「………………」


千歌「やっぱり私で一人でやった方がいいのかしら」

千歌「一人は慣れてるし、今からAqoursを抜けたって問題ないでしょ…って」

 

曜「……」テクテク

 

千歌「げっ、曜じゃない…」

860: 2016/12/31(土) 02:55:16.76 ID:H5tZ89te.net
千歌「こんなところで会いたくないし」

千歌「仕方ないわね。別の道から…」

 

ウワァァァンッ!

 

千歌「え?」

 

子供「ままぁ……ままぁ…っ!」

 

千歌「また迷子の子供?」

千歌「しょうがないわね、宇宙ナンバーワンアイドルの私が…」スッ


曜「えっと…ちっかちっかちー…だっけ?」


千歌「」ピタッ

861: 2016/12/31(土) 02:55:54.22 ID:H5tZ89te.net
──


曜「練習が休みって言われても特にやることがないんだけど、ただ散歩するっていうのも悪くないよね」

曜「うーん、結構歩いたし、このまま千歌ちゃんの家に行っちゃってもいいかな」

曜「あ、でも何か用事があるかもしれないし、一応は連絡しといた方がいいのかも…」


ウワァァァンッ!


曜「え?」


子供「ままぁ……ままぁ…っ!」


曜「あそこの子…お母さんとはぐれた…?」

曜「…っ!」ダッ

862: 2016/12/31(土) 02:56:26.78 ID:H5tZ89te.net
 

子供「うゎぁぁんっ!」ポロポロ

曜「…ふぅ、ねぇどうした…

子供「わぁぁぁん…っ!」ポロポロ

曜「…困ったな。どうすれば…」


曜「(そもそもこういう経験ないし、この前も…)」

曜「あっ…」

曜「(こういうとき…にこさんなら…!)」

863: 2016/12/31(土) 02:56:51.50 ID:H5tZ89te.net
子供「ままぁ…!」

曜「えっと…ちっかちっかちー…だっけ?」

子供「うゎぁ……ぁ…?」

曜「(おおっ、流石天下のちかちかちー!)」

曜「(よしっ、このまま)」


曜「ねえ、君は何ていう名前なの?」

子供「…ア…リサ」

曜「アリサちゃんって言うんだ!」

864: 2016/12/31(土) 02:57:13.38 ID:H5tZ89te.net
曜「じゃあアリサちゃん、一緒にちっかちっかちーっ♪」

曜「からのヨーソロー!」

子供「ちっか…?よーそ?」

曜「そうそうっ、ポーズはこうやって…」


曜「それじゃあ全速前進、ママを探しに行くよー!」

子供「よーそ!」


キャッキャッ…!


曜「よし、上手くいった!……ん?」


千歌「」ダッ


曜「…あれ千歌ちゃん?」

865: 2016/12/31(土) 02:57:52.97 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「(もうわかんない…)」


──そうっ!まずは猫のモノマネをするの!

──…へ?


千歌「……」


──すごいですね

──まあね


──これがアイドルなの


千歌「…………」


──あっ、曜ちゃんのお弁当美味しそうっ♡

──えへへ、今日は私の大好物が入ってるからね~


千歌「………………」

866: 2016/12/31(土) 02:58:44.08 ID:H5tZ89te.net
千歌「(ううん、本当はわかってた)」


千歌「(ずっと一人でいた方がいいって思ってたけど本当は…)」


千歌「羨ましかったの…」ボソッ


千歌「(みんなでスクールアイドルをするのに嫉妬してた)」


~~~~~


Aqours『君の心は──


~~~~~


──トクンッ


千歌「あの子たちのライブ…キラキラしてた…」


千歌「……宇宙ナンバーワンアイドルが嫉妬しちゃうくらいに」

867: 2016/12/31(土) 02:59:21.07 ID:H5tZ89te.net
千歌「………………」

千歌「もう、つまらない意地を張るのはやめね」


ピッピッ…

プルルルルル


千歌「…もしもし、曜ちゃん?」

千歌「うん……あのね」

千歌「今から会えないかな?」

868: 2016/12/31(土) 02:59:49.72 ID:H5tZ89te.net
──


曜「あっ、千歌ちゃん!」

千歌「曜ちゃん」

曜「ちょうど千歌ちゃんの家に行こうと思ってたときに、千歌ちゃんから電話あるんだもん」

千歌「えへへ、ちょっと話したくて」


曜「そういえば、さっき千歌ちゃんが走っていくのを見たんだけど、何かあったの?」

千歌「えっ、な、何にもないよ!」

曜「でも」

千歌「な・ん・に・も・な・いっ!」

曜「な、ならいいんだけど…」

869: 2016/12/31(土) 03:00:29.65 ID:H5tZ89te.net
曜「それで、話って何?」

千歌「……えっとね」

千歌「曜ちゃんは…アイドルについてどう思ってるんだろうって」

曜「アイドルについて…?どうしてまた…」

千歌「聞きたかったの。それじゃダメかな?」

曜「ううん、別に」

曜「…そうだなぁ」

870: 2016/12/31(土) 03:01:07.78 ID:H5tZ89te.net
曜「正直、最初はスクールアイドルなんて全然興味なかった」

曜「千歌ちゃんと一緒に何かやりたくて。たまたまそれがスクールアイドルだったの」

千歌「……」


曜「でもね」

曜「でも歌ったり衣装作ったりするのが楽しくて」

曜「にこさんじゃないけど、ステージでみんなが笑顔なのを見るとやっぱり嬉しいし…」

曜「今じゃすっかりスクールアイドルが好きになったよ!」

871: 2016/12/31(土) 03:01:33.81 ID:H5tZ89te.net
千歌「ふふ、そっか」

曜「うんっ」

千歌「…じゃ、じゃあさ、その千歌…じゃなくてにこちゃんは、どう思ってる?」


曜「にこさん…」

曜「最初は意地悪な人だなって思った」

千歌「はぁ?」

曜「え?」

千歌「な、何でもないっ!…ちかっ♡」

曜「へ、変な千歌ちゃん」アハハ

872: 2016/12/31(土) 03:02:06.67 ID:H5tZ89te.net
曜「でね、最初は意地悪な人だなって思ったの」

千歌「そ、それで…?」

曜「でもね、そう思ってたけど、にこさんってアイドルに真っ直ぐひたむきで、本気でやってるのが伝わってきて」

曜「本人にその気があるのかは分からないけど…私たちにアイドルについて教えてくれたりもして…」

千歌「……」

曜「一応は尊敬…してるのかな?」

曜「ってなんか恥ずかしい…っ!こんなの絶対面と向かって言えないよっ」

873: 2016/12/31(土) 03:02:55.87 ID:H5tZ89te.net
千歌「…ふふっ」

曜「千歌ちゃん?」

千歌「その、悪かったわね。病室でのこと。あんなこと言って」

曜「え?」


ギュウッ


曜「…!?」


千歌「お詫びの印♡」

曜「千歌ちゃん…!?」

千歌「お詫びとはいえ、ちかちーのハグが貰えるなんて世界で一番幸せよ?」

874: 2016/12/31(土) 03:03:21.40 ID:H5tZ89te.net
千歌「…じゃあね……あ」

千歌「千歌も…私もあんたのこと、嫌いじゃないわよっ」プイッ


千歌「………………」スッ


千歌「……んん。あれ…?」

千歌「曜ちゃん?ここどこ…?」


曜「ち、千歌ちゃんっ!」

千歌「…え?」

曜「そういうのは誰にでもやっちゃ駄目!やるなら好きな男の子と…ってそれも寂しいし悔しいから嫌なんだけど!あーもう!」ブンブン

千歌「な、なんのことー!?」

875: 2016/12/31(土) 03:04:12.79 ID:H5tZ89te.net
また夜に。次で最後

881: 2016/12/31(土) 13:49:38.98 ID:H5tZ89te.net
──


ダイヤ「にこさん、消えてしまいましたのね」

千歌「はい…」

ダイヤ「確かに喜ばしいことなのですが、エリーチカとの勝負に勝ってこのまま勢いづこうと思っていたので…」

果南「何かあっけないというか」

鞠莉「GO!と思ったら相手がいなくて、あれっ?って感じだよね」


ルビィ「ルビィたちの何がアイドルにふさわしいって思ったんだろう…」

善子「やっぱりライブが良かったんじゃない?」

善子「あの絢瀬絵里もヨハネのリトルデーモンに…♡」

花丸「善子ちゃんのリトルデーモンにはなってないと思うずら」

善子「じゃあ何が良かったっていうのよっ」

梨子「うーん、考えれば考えるほどわからない…」

882: 2016/12/31(土) 13:50:13.74 ID:H5tZ89te.net
千歌「今はわからなくてもいいんじゃないかな

Aqours「え?」

ダイヤ「わからなくても良いとは?」

千歌「だって今の私たちを認めてくれたってことでしょ?」

千歌「こうやって進んでいけばいずれきっとわかるはずっ!」

梨子「千歌ちゃん…」

ダイヤ「そうですわね」

千歌「そうやって、私たちは成長していくんだよ」

梨子「うんっ」

883: 2016/12/31(土) 13:50:48.65 ID:H5tZ89te.net
ダイヤ「それにしても、ようやく全てが終わりましたわね」

鞠莉「longなようでvery shortな期間だったわ」

花丸「全部終わって、やっと一息つけるずら」

ダイヤ「何言ってるんですの!ラブライブまであと少しなのですよっ」

ダイヤ「今回の件で練習できなかった分は、どんどん詰めていきませんと!」

花丸「ずらぁ…」

884: 2016/12/31(土) 13:51:16.78 ID:H5tZ89te.net
曜「練習、大変になりそうだね」

梨子「これからより一層頑張っていかないとだね」

梨子「ね、千歌ちゃんっ!」

千歌「………………」

梨子「千歌ちゃん…?」


千歌「まだだよ」

Aqours「え?」

千歌「まだ残ってる…」

885: 2016/12/31(土) 13:51:41.32 ID:H5tZ89te.net
曜「ま、まだ残ってるって?」

梨子「あ…」

果南「……」


ルビィ「い、嫌だっ!」

ダイヤ「ルビィ!?」

ルビィ「ルビィは…花陽ちゃんと真姫ちゃんと…みんなとお別れしたくないっ!」

ダイヤ「なりませんわ!」

ルビィ「やだやだ!」

ルビィ「こんなに仲良くなれたのに…お別れだなんて…」

886: 2016/12/31(土) 13:52:06.94 ID:H5tZ89te.net
Aqours「………………」


千歌「私たち…」

千歌「穂乃果さんや、海未さんにこさん…他のみんなにも色んなことを教えてもらったね」


ルビィ「千歌、ちゃん…?」


千歌「色んな問題の原因もμ'sだったけど、ずっと真っ暗だった私に──私でも輝けるって教えてくれたのもμ'sだった」

千歌「これからは前を向いていかないといけない」

千歌「だから、ちゃんとお別れしなきゃ!」


ルビィ「……」

ダイヤ「ルビィ…」

ルビィ「うん…」

千歌「じゃあみんなを呼ぶね…」

887: 2016/12/31(土) 13:52:43.99 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「………………」スッ


千歌「最後にお別れが言いたくて…」

ルビィ「花陽ちゃん…」

千歌「みんな、短い間だったけどありがとう」ペコ

ダイヤ「私たちこそありがとうございましたわ」

千歌「うんっ、じゃああんまり長くなっちゃうと千歌ちゃんに悪いから、そろそろ消えるね」

ルビィ「花陽ちゃんっ…!」ジワ…

千歌「ルビィちゃん…そんな顔しないで?私まで悲しくなっちゃう」

ルビィ「うん…っ。えへへ」

888: 2016/12/31(土) 13:53:48.99 ID:H5tZ89te.net
ダイヤ「……ルビィ、言いたい事は今しか言えませんよ」

ルビィ「わかってる。…花陽ちゃん…っ」

千歌「なに?」

ルビィ「ルビィ…ルビィね、少しの間だけど、花陽ちゃんと一緒にスクールアイドルできて、楽しかったよっ!」ポロ…

千歌「うんっ、私もすごく楽しかった」

千歌「ルビィちゃんたちは知らないだろうけど、こんな私が…信じられないくらいキラキラできて…」

ダイヤ「……」


千歌「前も言ったけど、こんな千歌を…」


千歌「こんな私をスクールアイドルにしてくれて、ありがとうっ!」ニコッ

889: 2016/12/31(土) 13:54:21.25 ID:H5tZ89te.net
千歌「それじゃあみんなっ、ばいばいっ」

ルビィ「花陽ちゃ…」

ルビィ「ぁ…」


千歌「………………」スッ


ルビィ「……」

善子「泣いたら駄目よ」

ルビィ「うん…もう大丈夫…」

ダイヤ「………………」

890: 2016/12/31(土) 13:56:05.92 ID:H5tZ89te.net
──


梨子「次は…」


千歌「………………」スッ


千歌「…ふん、勝手に呼び出されてすぐにさようならって、本当にいい迷惑よ」

曜「真姫さん…」


千歌「じゃあもう消えるから」

善子「待ってっ!」

千歌「な、なに?」

891: 2016/12/31(土) 13:56:38.59 ID:H5tZ89te.net
善子「馬鹿にしながらも魔術の話を聞いてくれたり…」

花丸「一緒にご飯食べたり…」

ルビィ「ルビィ、真姫ちゃんのお陰で成績も上がったんだよ!」


千歌「…だから何が言いたいの?」

ルビィ「真姫ちゃんと過ごせて、とっても楽しかったよっ」

花丸「マルも!」

善子「私もよ」

千歌「……」

892: 2016/12/31(土) 13:57:48.04 ID:H5tZ89te.net
梨子「私にも作曲のこと色々教えてくれてありがとうございました」

千歌「っ!」

千歌「べ、別にどれもたまたま気が向いたから付き合っただけ!」

ルビィ「それでも、真姫ちゃんと一緒に遊んだこと、忘れないからね!」

千歌「……っ」


千歌「話はそれだけ!?じゃあ本当に…」

梨子「泣いてる…?」

千歌「別に泣いてなんかいないんだからっ!」ポロポロ

善子「真姫…っ」ジワ…

千歌「こっち見ないで…っ!」

893: 2016/12/31(土) 13:58:22.05 ID:H5tZ89te.net
ルビィ「真姫ちゃん本当は…っ」

千歌「…………そうよ悪いっ!?…ぐすっ……本当はみんなとお別れなんてしたくないわよ……っ!」

千歌「でも…それだと本当の千歌が…みんなが困るから…っ!」ポロポロ


ルビィ「…っ」ギュッ

千歌「ルビィ…」

花丸「マルも」ギュッ

善子「……」ギュッ

千歌「みんな…」

894: 2016/12/31(土) 13:58:54.50 ID:H5tZ89te.net
千歌「………………」

千歌「この後、本物の千歌に会ったら言ってあげて」

善子「…何を?」

千歌「図書館…ゲームセンター…アイドルショップ…………それと美術館…」

善子「あ…」

千歌「私があなたたちと行きたかった場所」

千歌「…絶対にみんなと行きなさいって」

善子「…わかったわ」ポロ

千歌「ふふっ、まあそれなら、この千歌ちゃんも許してアゲル」

895: 2016/12/31(土) 13:59:19.47 ID:H5tZ89te.net
千歌「……手、離さないでよね」

ルビィ「え?…ぁ……うん…」

千歌「……はぁ……じゃあね」

ルビィ善子花丸「ばいばいっ」


千歌「………………」スッ


千歌「………………」スゥ…スゥ…


ルビィ善子花丸「………………」

896: 2016/12/31(土) 14:00:12.30 ID:H5tZ89te.net
ルビィ「……うっぅ…」ポロ

ルビィ「うわあぁぁあ……っ!」ポロポロ

善子「泣かないでよ!」ツー

ルビィ「だってっ…だって…っ!」

花丸「ルビィちゃん」

ルビィ「はな、まるちゃん…?」

花丸「出会いがあれば別れもある…ルビィちゃんもわかってるでしょ?」

ルビィ「でもっ」

花丸「μ'sのみんなの跡は何も残らないわけじゃない」

897: 2016/12/31(土) 14:00:41.35 ID:H5tZ89te.net
花丸「お別れしても、ここに…」


花丸「ことりちゃんから教えてもらったクッキーの作り方も」


花丸「真姫ちゃんと遊んだことも」


花丸「大切なものは、全部マルたちの中にちゃんと生きてるずら」ポロ…

ルビィ「花丸ちゃん…っ!」ポロポロ

花丸「だから泣かないで…?」

花丸「マルたちが泣いてたら、残りの人たちが困っちゃう」ポロポロ

ルビィ「ひっぐ……っ…!」

898: 2016/12/31(土) 14:01:38.52 ID:H5tZ89te.net
Aqours「………………」


千歌「………………」スッ


千歌「やっほー!」

ルビィ「ぇ…?」

曜「希…さん…?」

千歌「変な空気だったから出てきちゃった♪」

千歌「あかんよ~?お別れ会はパーティなんだから」

千歌「もっとパーティは楽しくしないと!」

899: 2016/12/31(土) 14:02:08.84 ID:H5tZ89te.net
 
曜「…そうですよね!」

千歌「ふふ、うんっ、今のみんななら大丈夫そうやね」

千歌「これなら安心してみんなと別れられそうっ♪」

曜「…うんっ」ジワ…

千歌「ちょっと~、そんな悲しそうな顔せんといて」

千歌「そういうのはウチのお別れ会には似合わんよ」


Aqours「………………」


千歌「…もうっ。そういうのウチが苦手なんやから…」ボソッ

900: 2016/12/31(土) 14:02:40.87 ID:H5tZ89te.net
千歌「……」

千歌「…ん?あーーーっ!あれって!」


Aqours「えっ」クルッ


千歌「なーんてっ♪ばいばいっ」

鞠莉「あっ、待って…!」


千歌「………………」スッ


千歌「……」スゥ…スゥ…

901: 2016/12/31(土) 14:03:27.84 ID:H5tZ89te.net
曜「希さん…最後まで…」クスッ

曜「そうだよね…こんな空気じゃ海未さんも穂乃果さんもやりづらいよね」

曜「もう、涙は見せない」

曜「笑って、みんなを送るんだ…っ!」

ルビィ「ルビィもっ!」

花丸「マルも頑張るずら…!」

902: 2016/12/31(土) 14:08:09.23 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「………………」スッ


千歌「…もうほとんど別れは済んだようですね」

千歌「ルビィ、目が赤いですよ」

ルビィ「うぇっ!?」

千歌「…わかります」

ルビィ「…え?」

千歌「私も…正直悲しいです。泣きたいくらいに…っ」

903: 2016/12/31(土) 14:08:39.82 ID:H5tZ89te.net
千歌「私がこのように堅い性格ですから、皆さんはどうかわかりませんが」

千歌「少なくとも私は…この日々が宝物の様に輝いていました…!」


果南「楽しかったに決まってるでしょ」

千歌「え?」

鞠莉「確かに怒られることも多かったけど、海未って恥ずかしがり屋だったり、意外と乙女だったり…」

果南「私も海未といて、楽しかったよ」

千歌「…意外とって何ですか」

904: 2016/12/31(土) 14:09:26.84 ID:H5tZ89te.net
千歌「そうでした。最後に少しだけ」

千歌「…曜」

曜「私…?何ですか?」

千歌「実は、部室の棚の中に“ハミングフレンド”…前に話した詩が」ボソッ

曜「えっ!?書いたんですか!?」

千歌「ふふっ、私からの些細な贈り物ということで」

千歌「あなたが読んで終わりにするのか、それとも曲を付けるのか。曜の好きにしてください」

千歌「贈り物というよりは、私の形見でしょうか」

905: 2016/12/31(土) 14:09:57.02 ID:H5tZ89te.net
曜「…そんな言い方をするのはずるいです」

千歌「ふふっ、すみません、少しおふざけが過ぎました」

曜「うぅ…///」

千歌「それと…話は変わりますが、しっかりと千歌の面倒を見てあげてください」

千歌「本物の千歌は私と違っていい加減なところがありますから」

千歌「きっとあなたの力が必要だと思います」

曜「…はいっ」

千歌「もちろん、Aqoursの皆さんの力も」

906: 2016/12/31(土) 14:11:05.97 ID:H5tZ89te.net
千歌「はぁ…それではそろそろ行きましょうか」

鞠莉「ぷぷっ、なんだか今の海未、大往生する前のおばあちゃんみたい」

果南「あ、確かに!」

千歌「何ですかそれ…」

千歌「では本当に最後にお婆さんらしく、一言…」

鞠莉果南「え?」

千歌「二人は喧嘩をしてダイヤを困らせないように」

千歌「でないと私が枕元に立ちますよ?」


鞠莉「うわぁ、それは大変ね」ウル

果南「幽霊じゃないんだから」ジワ…

907: 2016/12/31(土) 14:11:45.51 ID:H5tZ89te.net
鞠莉「まあでも、たまには立ってもいいのよ?」

果南「海未も鬱憤を発散する場所がないとね」


千歌「ふふっ、こんなことを言ってみましたが、多分…大丈夫ですよ」

千歌「あなたたちならきっと…」


千歌「………………」スッ


鞠莉「行っちゃったね」

果南「うん」

ダイヤ「…次、行きましょうか」

鞠莉「…うん」

908: 2016/12/31(土) 14:12:59.15 ID:H5tZ89te.net
──


千歌「………………」


千歌「千歌が最後?」

曜「はい」

千歌「じゃあ、私も消えるよ」

曜「…はい」


千歌「あ~っ!」

千歌「そうだ!その前に一つお願いしてもいいかなっ?」

ダイヤ「な、なんですの?」

909: 2016/12/31(土) 14:13:28.35 ID:H5tZ89te.net
善子「お菓子でもジュースでも何でも買ってくるわよ!?」

千歌「あはは、そんなにこちゃんみたいなことは言わないよ」

ダイヤ「では…?」

千歌「えっとね、最後にみんなのライブが見たいんだ!」

鞠莉「live?」

千歌「うん、みんなの今出せる精一杯のステージっ」

梨子「千歌ちゃんを抜いた八人でってこと?」

千歌「ううん、千歌は中から見えるから大丈夫。本物の千歌ちゃんもみんなと一緒に」

910: 2016/12/31(土) 14:14:17.99 ID:H5tZ89te.net
千歌「だって…Aqoursは九人でしょ?」

千歌「…いい?」

ダイヤ「もちろんですわ!」


 


 


千歌「お客さんは一人だけだけど、最高のライブにするよっ!」

ダイヤ「もちろんですわっ!」

911: 2016/12/31(土) 14:14:55.84 ID:H5tZ89te.net
果南「おおっ、準備万端って感じ?」

ダイヤ「当たり前ですわ!一人とはいえ、ファンの方に観てもらえるんですから!」

善子「そうね、数は関係ない」

梨子「どんな状況でも笑顔を届ける」

鞠莉「私たちは私たちらしく、ね?」

ルビィ「がんばルビィっ!」

花丸「ずら~!」


曜「じゃあ千歌ちゃん、お願い」

千歌「うんっ」

912: 2016/12/31(土) 14:15:30.44 ID:H5tZ89te.net
千歌「…すごい歌唱力とか、運動神経だとか、オーラだとか、今更無い物ねだりをしたってしょうがない」

千歌「私たちは、今出せる精一杯の力を出し切ろうっ」

千歌「そうすれば、私たちはきっと輝けるからっ!」

曜「うんっ」

梨子「千歌ちゃんの言う通りだよ」


千歌「みんな準備はいい?」


Aqours「うんっ!」


千歌「それじゃあ行っくよ~!」

913: 2016/12/31(土) 14:16:25.35 ID:H5tZ89te.net
千歌「“いち”っ!」


曜「“2”っ!」


梨子「“さん”!」


ルビィ「“よん”っ!」


花丸「“ご”!」


善子「“6”っ!」


鞠莉「“7”!」


果南「“はち”っ!」


ダイヤ「“九”!」

 

千歌「Aqours…」

Aqours「サンシャイーンっ!!」バッ

914: 2016/12/31(土) 14:19:28.62 ID:H5tZ89te.net
――


ザワザワ

ワイワイ


千歌「皆さん、今日はミニライブに来てくれてありがとうございましたっ!」

千歌「でも、もう少し付き合ってください!」


ワァァァ!


千歌「ふふっ…それじゃあサプライズアンコール行くよーっ!」

ルビィ「え!?」

果南「聞いてないんだけど!?」

915: 2016/12/31(土) 14:19:55.56 ID:H5tZ89te.net
曜「実はね、千歌ちゃんと梨子ちゃんの三人で新曲を作ってみたんだ」

梨子「千歌ちゃん、なかなか作詞が上手に書けなくて」

千歌「えへへ、やっぱり海未さんのようにはいかなかったよ」

千歌「でも、曜ちゃんに一緒に手伝ってもらって。梨子ちゃんにも何度も見てもらった」

千歌「だから、私が書きたいことは全部書けたつもりだよ」

ダイヤ「いつの間に…」

916: 2016/12/31(土) 14:20:23.22 ID:H5tZ89te.net
千歌「私たち三人の曲…」

千歌「歌っていいですか…?」


ダイヤ「はぁ…駄目なんて言うわけないでしょう」

鞠莉「そうよ!むしろ早く聴きたいくらいっ」

ルビィ「うんっ」


千歌「みんな…」

ダイヤ「しかし、アンコールに相応しいパフォーマンスでなかったら許しませんわよ?」

千歌「…はいっ!」

917: 2016/12/31(土) 14:21:17.84 ID:H5tZ89te.net
 

千歌「それじゃあ準備はいい?」

曜「うんっ」

梨子「ええっ」


千歌「すーー…はぁ……」

梨子「千歌ちゃん…」ギュッ

曜「手、握って歌おうか」ギュッ

千歌「…ありがと」ギュウ


千歌「それでは聴いてください!私たち三人で…」


千歌曜梨子「空も心も晴れるから!」

918: 2016/12/31(土) 14:22:25.74 ID:H5tZ89te.net
~♪


上手くいかなくて──

泣きそうになるときは

唇噛みつつ願うんだ

──明日は晴れ!

 

ルビィ「花丸ちゃん、善子ちゃん」ギュッ

花丸「ルビィちゃん、どうしたずら?」

ルビィ「なんだかルビィたちも手を繋ぎたくなっちゃって……ダメ?」

善子「ダメなわけないでしょ」ギュッ

花丸「マルも」ギュッ

ルビィ「えへへ」

919: 2016/12/31(土) 14:23:27.07 ID:H5tZ89te.net
――私は普通の女の子。


~~~~~


千歌『みんな、おはようっ!』

梨子『おはよう』

ダイヤ『二人とも遅いですわよ!』

梨子『私が行くまで千歌ちゃん寝てて…』

千歌『えへへ…』

鞠莉『今日から心機一転頑張っていくんだから』

果南『ちゃんとしてよね、リーダー』

千歌『はいっ!』

曜『全速前進ヨーソローっ!』


~~~~~

920: 2016/12/31(土) 14:25:34.71 ID:H5tZ89te.net
──普通星の普通星人。みんなみたいに魅力的な個性なんて何一つ持ってない。

 

船が夕焼けを渡るよ──

悩みを持ち去るように

私はまだまだ頑張れる

──消える波に語ろうか

 

果南「良い歌だね」

ダイヤ「一つ一つの言葉が心に染みますわ」

鞠莉「果南っダイヤっ!」ダキッ

ダイヤ「ちょっ、急にどうしたのです。お、重いですわっ!」

鞠莉「ふふふっ♪」

ダイヤ「ほら、果南さんも鞠莉さんに何か言ってくださいっ!」

果南「まあ、たまには悪くないんじゃない?」

鞠莉「だって、ダイヤ」

ダイヤ「ふふっ、まったく…」

921: 2016/12/31(土) 14:26:13.09 ID:H5tZ89te.net
 

ほらもう大丈夫!──

──家まで走っていこうっ

 

~~~~~


千歌ルビィ『わぁ!』

ルビィ『これ美術の教科書で見たことある!』

千歌『美術館に来てるんだから当たり前だよ~』

花丸『お静かにって書いてあるずらっ』

千歌ルビィ『あっ…』


善子『ねえ、あっちにすごい彫刻が…!』

千歌『え、でも…』

善子『この後図書館にゲームセンター、それにアイドルショップにも行くんだからっ!』

善子『行くわよっ!』グイッ

千歌『まっ、待って~!』


~~~~~

922: 2016/12/31(土) 14:27:17.87 ID:H5tZ89te.net
──ずっとそう思ってた。何も無いって。何か無くちゃ駄目なんだって。でも…


面白いことしたくなったと──

君に伝えなくちゃ


千歌「──家に帰ったら…」


シーン…


占い師「……」

千歌「あ…」

占い師「……」ニコッ

千歌「えへへ………ぶいっ!」

千歌「精一杯の高海千歌でしたっ!」

923: 2016/12/31(土) 14:27:41.44 ID:H5tZ89te.net
 

ワァァァァァァァ!

 

曜「千歌ちゃんっ!」ダキッ

千歌「うわぁ、苦しい…って泣いてるの?」

曜「なんだか千歌ちゃんの笑顔を見たら…」

千歌「…曜ちゃんにもみんなにもいっぱい迷惑かけちゃったよね」

千歌「本当に…」

梨子「千歌ちゃん!」

梨子「そんなの全然気にしてないよっ」

梨子「だから──」

梨子「これからもっともっと…頑張っていこうっ!」

梨子「ゼロをイチにするまで!」

924: 2016/12/31(土) 14:28:11.62 ID:H5tZ89te.net
──でもそんなことなくて…っ!


千歌「……うんっ。でもそれじゃまだ」

梨子「え?」

千歌「ねえ、曜ちゃん梨子ちゃんっ!」

曜・梨子「…?」


──私ならきっと…。私たちならきっと…!


千歌「行くよっ!ラブライブ優勝までっ!」


──自分たちの力だけで輝けるからっ!

Fin.

925: 2016/12/31(土) 14:28:11.98 ID:H5tZ89te.net
──でもそんなことなくて…っ!


千歌「……うんっ。でもそれじゃまだ」

梨子「え?」

千歌「ねえ、曜ちゃん梨子ちゃんっ!」

曜・梨子「…?」


──私ならきっと…。私たちならきっと…!


千歌「行くよっ!ラブライブ優勝までっ!」


──自分たちの力だけで輝けるからっ!

Fin.

926: 2016/12/31(土) 14:29:25.83 ID:H5tZ89te.net
十一日という中期間でしたが、お付き合いいただきありがとうございました

927: 2016/12/31(土) 14:33:47.02 ID:8LP+RFv/.net
乙です
年の終わりに良いものが見られました

928: 2016/12/31(土) 14:34:42.77 ID:vj1Xfof9.net
乙!
とても良かった 読み応えのあるいい長さだった

930: 2016/12/31(土) 14:46:43.03 ID:RNVFX5FD.net

よかった、感動した。

932: 2016/12/31(土) 15:00:11.75 ID:DnM7kOlL.net
乙でした
とても良かったです

935: 2016/12/31(土) 17:08:47.64 ID:WrZ+ZdxG.net

年明け前に泣かせてもらった

937: 2017/01/01(日) 01:33:25.88 ID:BCIeVbj7.net
乙。μ'sもAqourもみんなキャラの表現がよかった。

938: 2017/01/01(日) 15:12:40.58 ID:HcAXhGTl.net
おもしろかった

929: 2016/12/31(土) 14:44:46.05 ID:VjPiJwjf.net
素敵でした

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1482316209/

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