千歌「私に宿る9人の女神」【長編SS】

ちか (7) AqoursーSS


540: 2016/12/27(火) 19:59:07.07 ID:kiLIp5vF.net
明日

552: 2016/12/28(水) 17:58:01.36 ID:E11II3mB.net
――


曜「……むむむ…」

千歌「………………」ニコニコ


曜「しょっ、勝負っ!」バッ

千歌「おっけー!」


曜「フルハウスっ、流石に私の…って!?」

千歌「ふっふっふ…ロイヤルストレートフラッシュ!」

553: 2016/12/28(水) 17:58:32.07 ID:E11II3mB.net
曜「嘘でしょ!?」

千歌「またウチの勝ちやねっ♪」

曜「なんで勝てないの…?」

千歌「やっぱりウチってめっちゃツイてるやん」

曜「悔しい~!」

554: 2016/12/28(水) 17:59:08.40 ID:E11II3mB.net
曜「というか、勝手に千歌ちゃんと変わっちゃっていいんですか?」

千歌「ううん、ちゃんと千歌ちゃんに頼んだよ」

曜「え?」

千歌「昨日一瞬入れ替わって、明日身体使わせてくださいってメモ書きをね」

千歌「さすがにたまには外に出ないと鬱屈な気分になるやん?」

曜「それって昨日入れ替わった時点で勝手に使ってるんじゃ…」

千歌「……それもそうやね」

555: 2016/12/28(水) 17:59:29.37 ID:E11II3mB.net
千歌「じゃあ…出てきたからには助言でもしようかな」

曜「助言?」

千歌「うん、こういうのは中立の方がいいんだろうけど、やっぱりウチはAqoursのみんなに勝ってほしいから」

千歌「近いうちに誰かと勝負するんじゃないの?」

曜「えーと…にこさんは一旦保留で、絵里さんも…」

曜「多分…凛さんかことりさんだと」

千歌「あはは、まあ前の二人は意地っ張りやからね」

556: 2016/12/28(水) 18:00:01.38 ID:E11II3mB.net
千歌「うーん、その二人かぁ」

千歌「まあ、ことりちゃんは…心配せんでも大丈夫」

曜「え?」

千歌「信じて進めーって感じかな」

曜「…それって助言なんですか…?」

千歌「これも立派な助言よ」

曜「じゃ、じゃあ凛さんは?」

千歌「凛ちゃんは――

557: 2016/12/28(水) 18:06:04.73 ID:E11II3mB.net
――


千歌「それで、どうするんですか?」

ダイヤ「そうですわね…」


果南「結局、誰もにこを納得させられるようなパフォーマンスを考えてこれなかったね」

鞠莉「考えれば考えるほどわからなくなるのよね…にこの認めるアイドルって何なのか」


ダイヤ「……にこさんは一旦保留にしましょう」

曜「うん、私もそれがいいと思う」

善子「何の打開案もないんじゃしょうがないわよね…」


Aqours「………………」

558: 2016/12/28(水) 18:06:31.72 ID:E11II3mB.net
ルビィ「ということは…」

果南「今日ダイヤが私たちをわざわざ学校に呼んだのは…」

曜「にこさん以外のメンバーを攻略していくため?」

ダイヤ「ええ、その通りですわ」


梨子「にこさんで、勝負の内容も多岐にわたるってことがわかったから」

果南「うん、気を引き締めていかないとだね」

千歌「今回は誰を呼ぶんですか?」

559: 2016/12/28(水) 18:07:04.85 ID:E11II3mB.net
ルビィ「凛ちゃんかことりちゃんか、絵里ちゃんだよね」

ダイヤ「エリーチカはやめておきましょう」

果南「そうやっていつまでも先延ばしにしてても、後が辛くなるだけだよー?」

ダイヤ「そうですけど…」

果南「まあいいけどさ。それじゃあ残るのは…」

曜「凛さんか、ことりさん」

560: 2016/12/28(水) 18:11:34.26 ID:E11II3mB.net
梨子「どっちの方が簡単だとかはないよね…」

善子「うーん…」

ダイヤ「私は凛さんよりこと…」


花丸「り、凛ちゃんがいいずらっ」

善子「え?」

花丸「凛ちゃんの方が千歌ちゃんの身体を勝手に使うことが多いし、それに運動勝負になるなら、今の方がいいよ!」

ルビィ「どうして?」

花丸「先延ばしにして果南さんが怪我して勝負できなくなっちゃったら大変だから!」

561: 2016/12/28(水) 18:12:06.91 ID:E11II3mB.net
梨子「は、花丸ちゃんがそこまで言うなら…」

果南「確かに怪我したら勝負できないし、ね」

花丸「う、うん!」


ダイヤ「…決まりですわね」

ダイヤ「それでは千歌さん、お願いします」

千歌「はい」

562: 2016/12/28(水) 18:12:41.64 ID:E11II3mB.net
千歌「…みんな」

曜「ん?」

千歌「凛ちゃんの運動神経のことは、多分私よりもみんなの方が分かってると思う」

千歌「でも…!」

千歌「みんなに任せることしかできないけど、信じてるからっ」

千歌「――お願いしますっ!」

563: 2016/12/28(水) 18:13:02.32 ID:E11II3mB.net
果南「もちろんっ、任せておいて」

曜「絶対に勝ってみせるから!」

ダイヤ「安心して、代わってください」


千歌「はい!」

千歌「じゃあ、凛さん――」


千歌「………………」スッ

564: 2016/12/28(水) 18:19:15.76 ID:E11II3mB.net
千歌「………………」

ルビィ「凛ちゃん?あのね…」

千歌「千歌知ってるよ」

千歌「みんな千歌を追い出したいんだよね?」

ダイヤ「わかってるなら話は早いですわ」

ダイヤ「勝負の内容はどうするんですの?」

千歌「え~、どうしようかなぁ」

千歌「せっかく動けるんだし…うーん」

565: 2016/12/28(水) 18:19:58.12 ID:E11II3mB.net
千歌「…あっ!」


千歌「鬼ごっこ!」


ダイヤ「はぁ?」

千歌「鬼ごっこがいいにゃ!」

梨子「鬼ごっこ…」

曜「また随分と懐かしい遊びを…」

566: 2016/12/28(水) 18:20:57.62 ID:E11II3mB.net
果南「鬼は?」

千歌「千歌が逃げる方でいいよ!だって――」


千歌「千歌が捕まえる方だったらすぐに終わっちゃうでしょ?」


善子「く、悔しいけど…」

ルビィ「多分ルビィが逃げるほうだったらすぐに捕まっちゃうんだろうなぁ」

花丸「オラも…」

567: 2016/12/28(水) 18:22:53.37 ID:E11II3mB.net
千歌「ね、だから…」

果南「そうかな?」

千歌「捕まらない自信があるの?」

果南「うーん、分かんないや」


千歌「………………」

果南「………………」

568: 2016/12/28(水) 18:23:19.30 ID:E11II3mB.net
千歌「…っ」ダッ

果南「おっと」ヒョイ


鞠莉「ちょっと!急に…!」

ダイヤ「止めるのは…無理そうですわね」


千歌「っ!…ふっ!」バッ

果南「ほっ、はっ」ヒョイ

569: 2016/12/28(水) 18:23:49.03 ID:E11II3mB.net
千歌「はぁ…はぁ…」

果南「ふぅ…ふぅ…もう終わり?」

千歌「にゃっ!」ダッ

果南「っと!」ヒョイ


千歌「これなら…っ!」ザー


曜「鬼ごっこでスライディングタッチ!?」

花丸「本気すぎるずら…」

570: 2016/12/28(水) 18:25:03.26 ID:E11II3mB.net
果南「残念っ」ピョン

千歌「く…っ!」


梨子「すごい…」

鞠莉「これがアダルトな鬼ごっこ…」

ダイヤ「言い方はあれですけど、確かにすごいですわ」

善子「果南さんとは絶対に鬼ごっこしたくないわね」

571: 2016/12/28(水) 18:26:36.41 ID:E11II3mB.net
果南「こっちまで…っ、おいで!」ダッ

千歌「追いかけっこなら…負けないにゃ!」ダッ


ルビィ「ま、待って!」ダッ

善子「どこまで走っていくつもりなのよ!」ダッ


善子「私たちも追いかけようっ」ダッ

梨子「うん!」ダッ

572: 2016/12/28(水) 18:30:57.41 ID:E11II3mB.net
 


曜「か、果南さんと千歌ちゃんは!?」

ルビィ「あっ、あそこ!」


果南「………………」ジリジリ

千歌「あははっ」ジリジリ


鞠莉「壁際に!」

ダイヤ「退路なし、ですわね…」

花丸「鬼ごっこでそれじゃあ…!」

573: 2016/12/28(水) 18:31:44.33 ID:E11II3mB.net
千歌「ね?すぐ終わっちゃったでしょ?」

果南「………………」

千歌「ごめんね」ジリ…

千歌「これでおしまいにゃ!」ダッ


ルビィ「ああっ!」

鞠莉「果南っ!」

574: 2016/12/28(水) 18:32:36.63 ID:E11II3mB.net
果南「………………」

千歌「…?」

果南「ふふっ」ダッ

千歌「っ!?」


ルビィ「なんで壁の方に走って…!?」


タン!

タン!


善子「なっ…!?」

花丸「今何やったの!?」

ルビィ「あっという間に千歌ちゃんの後ろに回っちゃった…」

575: 2016/12/28(水) 18:32:59.09 ID:E11II3mB.net
ダイヤ「走った勢いで壁を蹴って、その勢いでバク宙…」

曜「それで千歌ちゃんの上を追い越したの!?」

鞠莉「セイントスノーの宙返り見てから練習してたもんね~」


果南「はっ、恥ずかしいから黙ってて!」

576: 2016/12/28(水) 18:33:52.24 ID:E11II3mB.net
千歌「く…っ!」ダッ

果南「あっぶない!」ヒョイ

千歌「うっにゃぁぁっ!」

果南「っ……ふぅ」


梨子「もしかして…いい勝負してる…?」

善子「ええ…」

577: 2016/12/28(水) 18:34:18.03 ID:E11II3mB.net
ダイヤ「これ、勝てるんじゃないですの!?」

ルビィ「う、うんっ!」


千歌「………………」

果南「はぁ……はぁ…ど、どう?」

果南「舐めてると…はぁ…いつまで経っても捕まえられないよ?…ふぅ」

千歌「…そうだね」

578: 2016/12/28(水) 18:35:16.72 ID:E11II3mB.net
千歌「じゃあ、着替えてもいい?」

果南「え?」

千歌「誰の入れ知恵か分かんないけど、スカートって動きにくくて…」

果南「う、うん…」


曜「………………」

579: 2016/12/28(水) 18:35:51.89 ID:E11II3mB.net
千歌「それに千歌…スカート嫌いなんだよね」

千歌「千歌には似合わないもん…」ボソッ

果南「何か言った?」

千歌「ううん、何でもない」

千歌「それで…ズボンある?」

果南「うん、私の替えのジャージで良ければ貸すよ」

千歌「ありがとにゃ!」

580: 2016/12/28(水) 18:40:55.80 ID:E11II3mB.net
――


千歌「……うんっ!」

千歌「これでおっけーにゃ!」ピョン


果南「なら、いつでも来ていいよ」

千歌「よーしっ!」


ダイヤ「だ、大丈夫でしょうか…?」

善子「よくよく考えたら…最低限見えないように庇いながらあそこまで動けるのって異常よね…」

曜「でも、信じるしかないよ」

花丸「うん…」

581: 2016/12/28(水) 18:41:18.71 ID:E11II3mB.net
千歌「………………」

果南「………………」


千歌「…にゃっ」ズイッ

果南「…っ!?」


善子「な、なにあれ…!?」

曜「はやっ…」

582: 2016/12/28(水) 18:42:08.18 ID:E11II3mB.net
千歌「あははっ!」タンタン…!

果南「うっ……!?」


鞠莉「飛びついたと思ったらそのままロンダートに移って…ってあーもう、全然追いつかない!」

梨子「これじゃ…」


千歌「行っくよ~?」タタンッ!

果南「…っ!?」ヨロッ

千歌「タ~ッチにゃ!」ピト

583: 2016/12/28(水) 18:42:31.54 ID:E11II3mB.net
Aqours「………………」


果南「………………」


千歌「やったにゃ!ちっかの勝ち~!」ピョン


ダイヤ「果南さん…」

果南「ごめん…」

曜「負けちゃった…」

花丸「ということは千歌ちゃんは…!」


Aqours「………………」

584: 2016/12/28(水) 18:43:09.29 ID:E11II3mB.net
千歌「みんなっ、もう何してるの!」

曜「だって…」

千歌「早く準備して!」

千歌「みんなが鬼で本番始めるよ~!」

Aqours「……え?」

千歌「だから言ったでしょ!千歌が鬼だとすぐに終わっちゃうからみんなが鬼になるって!」

千歌「これで終わりなんてつまらないにゃ~!」

585: 2016/12/28(水) 18:46:08.99 ID:E11II3mB.net
梨子「こ、これって…!」

曜「もう一回私たちにチャンスが与えられたってことだよね?」

ダイヤ「本人はただ単純に楽しみたいだけのようですけど…」

果南「こうなったらとことんやろうよ。このままやられっぱなしなんて悔しいし!」

曜「うん…そうだね!」

586: 2016/12/28(水) 18:46:49.04 ID:E11II3mB.net
ダイヤ「凛さん」

千歌「千歌だけど、何?」

ダイヤ「制限時間はいつまでですか?」

曜「確かに、それを決めないと夜も走り回ることになりそうだしね」


千歌「うーん、じゃあ…日が落ちるまで!」

ダイヤ「わかりましたわ。皆さんもいいですよね?」

果南「もちろんっ!」

ルビィ「うんっ!」

587: 2016/12/28(水) 18:52:24.34 ID:E11II3mB.net
 

千歌「じゃあ…今から、スター…とって」


ダイヤ「逃がすとでも?」

鞠莉「出られるものなら出てみなさい」

ルビィ「こうやって凛ちゃんを八人で囲っちゃえば!」

花丸「逃げられないずら!」

善子「ふふふ…この囲いを水の八星陣とでも名付けましょうか…」

梨子「善子ちゃんそれはちょっと…」

善子「別にいいでしょっ!」

588: 2016/12/28(水) 18:53:03.71 ID:E11II3mB.net
果南「絶対に捕まえるから」

千歌「…あははっ」


曜「それじゃあ…全速前進、行けー!」


Aqours「……っ!」ダッ


千歌「………………」

589: 2016/12/28(水) 18:53:42.74 ID:E11II3mB.net
鞠莉善子「捕まえたっ!」ダッ

千歌「」ヒョイ

鞠莉「あっ…」

善子「ちょっ…!」

 

鞠莉「いたた…」

善子「最悪よっ!」

千歌「あははははっ!」

花丸「オラだって!」スッ

ルビィ「ルビィもっ!」

590: 2016/12/28(水) 18:54:25.69 ID:E11II3mB.net
ルビィ「えいっ!」ダッ

千歌「」スカッ

花丸「やっ!」

千歌「」スカッ


千歌「これで…っ!」

ルビィ「あわわ…!」ヨロッ

花丸「ルビィちゃん!?」

ルビィ「は、花丸ちゃ…よ、避けてっ!」

花丸「むっ無理ずら~!」


ピギィィィ!

591: 2016/12/28(水) 18:55:54.17 ID:E11II3mB.net
千歌「もうっ、みんなもっと真面目に来てよ!」

曜「言われなくてもっ!」バッ

千歌「っとと。危ない危ない」

梨子「二対一で駄目なら…」

果南「三対一!」


千歌「いいよ…勝負にゃっ!」

592: 2016/12/28(水) 18:56:38.03 ID:E11II3mB.net
曜「ふっ!」ダッ

千歌「」ヒョイ

梨子「えいっ」

千歌「~♪」ヒョイ

曜梨子「っ!」ダッ

千歌「~~♪」ヒョイヒョイ

果南「まだまだっ!」ダッ

千歌「おっとっと!」

593: 2016/12/28(水) 18:57:26.44 ID:E11II3mB.net
曜「なんで捕まらないの!?」

梨子「はぁ…はぁ…身体は千歌ちゃんのはずなのに…!」

果南「運動神経…体の動かし方から常人とは違うのかも…」


千歌「じゃあ待ったね~!」


梨子「ま、待って…!」


果南「っ!」ダッ

曜「善子ちゃんっ!」ダッ

善子「ええっ!」ダッ

594: 2016/12/28(水) 19:00:12.65 ID:E11II3mB.net
梨子「わ、私もっ!」

ダイヤ「梨子さん!」

梨子「ど、どうしたんですか?早く追わないと…!」

ダイヤ「人海戦術でゴリ押ししても、無駄だということは今ので良くわかったでしょう」

梨子「それは…でもここで休んでいるわけには!」

ダイヤ「何もしないわけではありません」

梨子「え?」

595: 2016/12/28(水) 19:01:02.07 ID:E11II3mB.net
鞠莉「そうだよ、私たちにもできることはあるでしょ?」

梨子「私たちに…できること」

ダイヤ「果南さんや曜さんはただ突っ走って行ってしまいますから」

ダイヤ「私たちが必要な情報や、作戦を立てる。これもチームワークですわよ?」

花丸「適材適所ってやつずら」

ルビィ「うんっ!」

596: 2016/12/28(水) 19:01:28.47 ID:E11II3mB.net
梨子「…そっか」

梨子「うんっ、よろしくお願いします!」

ダイヤ「では早速教室に行きますわよ!」

花丸「別にここでも…」

ダイヤ「こういうのは最初の雰囲気作りが肝心なのです!」

ルビィ「お姉ちゃん…」

梨子「あはは…」

597: 2016/12/28(水) 19:04:11.27 ID:E11II3mB.net
――――――

――――

――


千歌「こっちだよー!」


善子「はぁ…はぁ…何て体力なの…」

曜「もう日が傾き始めたし早くしないと…!」

果南「でも、走って追いかけても近づく頃には体力がなくなってて逃げられるし…」

曜「それを何度も繰り返されたら…」

598: 2016/12/28(水) 19:04:52.48 ID:E11II3mB.net
善子「でも、私たち一度も千歌のこと見失っていないわよね?」

曜「あ、確かに」

果南「舐められてるってことだよ」

曜善子「え?」

果南「私たちが見失っちゃったら追いかけっこができないでしょ?」

曜善子「………………」

599: 2016/12/28(水) 19:06:54.28 ID:E11II3mB.net
プルルルルル


曜「電話…?」

曜「…私のだ」

善子「えっ、私にも」

果南「どうやら、みんなにグループ通話で掛けてきたみたい、あの生徒会長さんは」

曜「とりあえず出てみようよ」

善子「そうね」

600: 2016/12/28(水) 19:07:27.20 ID:E11II3mB.net
ピッ


ダイヤ『皆さん、聞こえますか?』

曜「はい、それは大丈夫ですけど…」

善子「何の用ですか?私たちは早く千歌を追いかけないと!」

ダイヤ『落ち着いてください』

善子「でも…」

ダイヤ『何の策もなしに、ただ闇雲に行動しても日が暮れてしまいますわ』

果南「でも策なんて」

ダイヤ『ありますわ!』

601: 2016/12/28(水) 19:07:56.60 ID:E11II3mB.net
果南「え?」

ダイヤ『私とルビィ、鞠莉さん。それに梨子さんと花丸さんも一緒になって考えた策が!』

果南「…信じていいの?」

ダイヤ『もちろんですわっ!』

鞠莉『私たちが考えたperfectなplanが信用できないの!?』

ダイヤ『ちょっ、会話に入ってこないでくださいっ』

善子「ほ、本当に信用していいの…?」

曜「あはは…」

602: 2016/12/28(水) 19:08:37.10 ID:E11II3mB.net
ダイヤ『とりあえず、曜さんと善子さんは学校まで戻ってきてください』

曜善子「え?」

ダイヤ『作戦の内容は二人が戻りながら説明いますわ』

曜「でも…」

果南「二人とも」

善子「…?」

果南「ダイヤのこと、信用してあげて」


曜善子「……はいっ!」

603: 2016/12/28(水) 19:09:10.93 ID:E11II3mB.net
ダイヤ『それでは…私の好きな言葉を借りて…』


ダイヤ『エリーチカ作戦、開始ですわっ!』


鞠莉果南『「かっこ悪い」』

ダイヤ『お黙らっしゃい!』

604: 2016/12/28(水) 19:16:59.81 ID:E11II3mB.net
――


千歌「あれっ?みんな急に追いかけてこなくなっちゃった…」

千歌「諦めちゃったの?」

千歌「………………」

千歌「つまんないの…」


果南「おーいっ!」

千歌「え…?」

605: 2016/12/28(水) 19:17:33.86 ID:E11II3mB.net
果南「ついてくれば面白い場所に連れて行ってあげるよーっ!」

果南「じゃあねっ」ダッ

千歌「あっ…!」


千歌「罠…?」

千歌「………………」

千歌「いいよっ、乗ってあげるにゃ!」ダッ

606: 2016/12/28(水) 19:19:56.36 ID:E11II3mB.net
――


千歌「待つにゃー!」

果南「ダイヤの言った通り、本当についてきた」

果南「次は…」


~~~~~


ダイヤ『凛さんはきっと誘いに乗ってくるでしょう』

ダイヤ『ですから果南さんは上手く学校まで誘導してください』


~~~~~


果南「おっけー」

果南「スピード上げていくよ!」

607: 2016/12/28(水) 19:21:28.52 ID:E11II3mB.net
――


キィィィ…


千歌「はぁ…ふぅ……面白い場所って校舎の中…?」


果南「っ!」ダッ

千歌「うわっ」ヒョイ

千歌「えへへ、危ない危ない…」


果南「っ…!ふ…っ!」

千歌「い…くら、狭いところに連れてきても…」

千歌「こうやって逃げちゃえば関係ないにゃ!」ダッ

果南「逃がさないよっ!」ダッ

608: 2016/12/28(水) 19:22:19.08 ID:E11II3mB.net
 

千歌「っは…っは……そこの角を曲がれば外に…!」


千歌「…!?」ビクッ

千歌「っ!」バックステップ

曜「捕まえたっ!って…あれ!?」

曜「凛さんの場所からは角を挟んで見えないはずなのにっ」

609: 2016/12/28(水) 19:22:40.91 ID:E11II3mB.net
千歌「…この道がダメなら…こっちにゃ!」


曜「待て~!」

千歌「千歌は何人来ても大歓迎だよ!」


果南「曜っ!」

曜「わかってる!果南さんは凛さんを追いかけてっ」ダッ

610: 2016/12/28(水) 19:23:21.51 ID:E11II3mB.net
 


千歌「この道をまっすぐ行けば外っ!」

梨子「えいっ!」ダッ

千歌「っ!?」キュゥゥゥ!

梨子「避けられちゃった…」

千歌「別の道っ!」ダッ

611: 2016/12/28(水) 19:24:42.64 ID:E11II3mB.net
――


千歌「みんなどこに隠れてるのかわからないけど、千歌なら…!」


千歌「えへへ、流石にここには隠れてないよね」

千歌「これで外に…」


曜「…これでっ!」ダッ

千歌「~~~~っ!?」ヒョイ


千歌「…ギリギリセーフにゃ…」

千歌「というか曜ちゃん、果南ちゃんと一緒に…!」

612: 2016/12/28(水) 19:25:38.62 ID:E11II3mB.net
果南「はぁ…はぁ…!」ダッ


千歌「果南ちゃんだけ…ってことは最初から…」

千歌「もしかして、これが作戦?」

曜「そうだよっ」

千歌「校舎の中に隠れて千歌を捕まえる…」

千歌「こんな普通の作戦じゃ千歌は捕まえられないよっ!」ダッ

613: 2016/12/28(水) 19:26:14.24 ID:E11II3mB.net
曜「…うん、わかってる」

曜「果南さんっ!後はお願いしますっ!」

果南「うんっ!」

 

曜「これで良いんですよね?…ダイヤさん」

614: 2016/12/28(水) 19:27:48.59 ID:E11II3mB.net
 


千歌「はぁ…はぁ…今どこ…」

千歌「……あれ、この道まっすぐ行くと…」


ガラガラ…


千歌「体育館…」


ガタッ

果南「はぁ…はぁ…追い詰めた…」

千歌「果南ちゃん…」

615: 2016/12/28(水) 19:28:17.46 ID:E11II3mB.net
千歌「…何言ってるの?だって出入口はあっちにも…」

果南「みんな、お願いっ!」

千歌「えっ…?」

 

ルビよしまる「えいっ!」


ガラガラ…!


梨子曜「しょっ!」


ガラガラ…!


 


果南「ね?言ったでしょ、追い詰めたって」

616: 2016/12/28(水) 19:29:23.85 ID:E11II3mB.net
千歌「ま、まだ!」

果南「逃げようとしても無駄だよ。今みんなが閉めた体育館の出入口は全部外から抑えてる」


果南「この体育館という限られた空間の中…もう逃げられる心配はない…」

果南「そして正真正銘一体一。さっきと同じ状況」

千歌「…さっきは同じ状況で千歌に捕まっちゃったのに、いいの?」

果南「それだね、でも…」

果南「立場はさっきと逆だよっ」ダッ

千歌「っ!」

618: 2016/12/28(水) 19:45:24.78 ID:E11II3mB.net
――


ダイヤ「ふっふっふ…良い眺めですわぁ」

鞠莉「ちょっと私たち悪役っぽくない?」

ダイヤ「そんなことありませんわ!」

ダイヤ「私のエリーチカ作戦でもう凛さんは捕まったも同然」

ダイヤ「二人が良く見える、この体育館二階のギャラリーから、ゆっくり見守るとしましょう」

鞠莉「そうね」

619: 2016/12/28(水) 19:46:12.20 ID:E11II3mB.net
――


果南「ここっ!」バッ

千歌「残念…っ!」ヒョイ


果南「はぁ…はぁ…」

千歌「ふぅ…ふぅ…」


果南「これなら果南に頼んで捕獲用のネット銃でも作ってもらうんだったな」

千歌「あはは、流石にそれは反則だよ」

620: 2016/12/28(水) 19:46:35.79 ID:E11II3mB.net
果南「十秒間止まっててくれたらラーメン奢ってあげるよ?」

千歌「うーん、今はラーメンより鬼ごっこの方が大事かな」

果南「ありゃ、残念」

千歌「って通るとも思ってないでしょっ」

果南「あはは…」

621: 2016/12/28(水) 19:47:10.77 ID:E11II3mB.net
――


ダイヤ「まったく…」イライラ

鞠莉「ダ、ダイヤ?」

ダイヤ「果南さんは何をやっているんですの!?」

ダイヤ「さっきからずっと凛さんと話して…!」

鞠莉「ま、まあ体力を回復させてるとか?」

622: 2016/12/28(水) 19:47:39.49 ID:E11II3mB.net
ダイヤ「ええいっ!」ダッ

鞠莉「どうする気!?」

ダイヤ「私も加勢に行きます!」

鞠莉「でもハシゴ降ろしたら凛に逃げ道が…!」

ダイヤ「ならこのロープを降ろして…」ズルズル

鞠莉「もう、知らないからね!」ズルズル

623: 2016/12/28(水) 19:51:09.74 ID:E11II3mB.net
 


果南「それじゃあそろそろ…」

ダイヤ「果南さんっ!」ダッ

鞠莉「かなーんっ!」ダッ

果南「ダイヤ!?鞠莉っ!?」

果南「どうやって…」

ダイヤ「あのロープで降りてきました」

鞠莉「ハシゴだとまずいからね」

624: 2016/12/28(水) 19:52:02.99 ID:E11II3mB.net
果南「もう、一体一ってダイヤが言ったんだよ?」

ダイヤ「そうですが…」

鞠莉「ダイヤが堪え性ないから」

ダイヤ「果南さんがいつまでも凛さんと話しているのがいけないのですわ!」

果南「もう……まあ来ちゃったものはしょうがないから、早く三人で捕まえちゃうよ」

ダイヤ「ええっ!」

鞠莉「オッケー!」


千歌「………………」

625: 2016/12/28(水) 19:52:53.23 ID:E11II3mB.net
鞠莉「はぁっ!」ダッ

千歌「……」ヒョイ

ダイヤ「これならっ!」バッ

千歌「……」ヒョイ

果南「どうっ…!」バッ

千歌「……」ヒョイ

626: 2016/12/28(水) 19:53:31.20 ID:E11II3mB.net
鞠莉「あー!やっぱり三人になっても捕まらないっ!」

果南「でも…」


千歌「……」


ダイヤ「壁際まで追い詰めましたわっ!」


ダイヤ「ふふ…」ジリ…

鞠莉「さあ、観念しなさい」ジリ…

果南「……」ジリ…

千歌「………………」

627: 2016/12/28(水) 19:54:24.66 ID:E11II3mB.net
果南「これで…っ!」ダッ

鞠莉「今度こそっ!」ダッ

ダイヤ「捕まえましたわっ!」ダッ

 

千歌「………………」ニヤ


ダイかなまり「…!?」


タン!

タン!


果南「嘘でしょ…」

鞠莉「そ、それって…!?」

ダイヤ「先ほどの果南さんの…!」

628: 2016/12/28(水) 19:54:58.48 ID:E11II3mB.net
クルクル


千歌「っと!」タッ

千歌「できちゃった…」


果南「っ!」

鞠莉「で、でも逃げ場がないのは変わらないわよ!」

ダイヤ「そうですわっ!」

629: 2016/12/28(水) 19:55:27.48 ID:E11II3mB.net
千歌「ううん、もうおしまいっ」

ダイヤ果南「え?」

千歌「ダイヤちゃんたちのお陰で…」ピョン


千歌「ほっ…ほっ!」スルスル…


ダイヤ「わ、私たちの降りてきたロープ…」

鞠莉「普通あんなロープで登れるなんて思わないわよ…」


千歌「じゃあ、ばいばーいっ!」

630: 2016/12/28(水) 19:56:00.87 ID:E11II3mB.net
ダイヤ「ま、待ちなさいっ!」

鞠莉「…行っちゃった…」


果南「……っ!」ダッ


鞠莉「果南!?」

果南「まだ時間はあるから追いかければ…!」

631: 2016/12/28(水) 19:56:40.36 ID:E11II3mB.net
ガラガラ!


善子「えっ…か、果南さん!?」

ルビィ「ど、どうしたの!?」

花丸「…凛ちゃんは?」

 

ダイヤ「これ…曜さんと梨子さんにどう説明します?」

鞠莉「わ、私はpassで…」

ダイヤ「逃がしませんわよっ!」

632: 2016/12/28(水) 20:00:16.10 ID:E11II3mB.net
――


千歌「こっちだよーっ!」


曜「はぁ…はぁ…」

善子「もう…はぁ…駄目…はぁ…」

果南「日も落ちそう…時間が…」

善子「これじゃあもう…」

633: 2016/12/28(水) 20:00:50.57 ID:E11II3mB.net
曜「やめてっ!」

善子「よ、曜…」

曜「聞きたくない…」

曜「千歌ちゃんと約束したの…っ!」

曜「勝つって言ったの!」

634: 2016/12/28(水) 20:01:36.52 ID:E11II3mB.net
曜「っ!」ダッ

千歌「よかん当たればっ」ヒョイ

曜「このっ…!」バッ

千歌「わーいくるくる~♪」クルクル

曜「うわっ………っ…痛っ…!」

635: 2016/12/28(水) 20:02:14.98 ID:E11II3mB.net
善子「曜っ!大丈夫!?」

善子「足…少し切ってるじゃない…」

善子「早く手当を…」

曜「嫌だっ」

善子「よ、曜っ」

曜「絶対に諦めない…!千歌ちゃんを助けるの!」

千歌「………………」

636: 2016/12/28(水) 20:02:38.06 ID:E11II3mB.net
千歌「……」ダッ

曜「待って…!くぅ…」

善子「動いちゃダメ!まずは手当しなきゃ!」

曜「でも!」

果南「私が代わりに追いかけるから、後で追いついて」

曜「…わかりました」

曜「………………」

638: 2016/12/28(水) 20:03:43.70 ID:E11II3mB.net
――


善子「はい、これで大丈夫よ」ポンッ

善子「と言っても、傷口を軽く洗い流して手持ちの絆創膏を貼っただけだから、あんまり激しい動きはしないでね」

曜「…ありがと」


曜「…普段から絆創膏とか持ち歩いてるの?」

善子「え?う、うん」

639: 2016/12/28(水) 20:04:14.27 ID:E11II3mB.net
曜「善子ちゃんって意外と女子力高いんだね」

善子「意外とって何よっ!これくらい堕天使にとっては普通なんだから!」

曜「ふふ、なんか善子ちゃんのおかげで元気出てきた」

善子「そう?やっぱり私の堕天使の魅力が…」

曜「じゃあ、もう行くねっ!ありがと!」

善子「うぇっ!?最後まで言わせなさいよっ!」

640: 2016/12/28(水) 20:05:35.24 ID:E11II3mB.net
――


曜「もしもし、果南さんっ?」

果南『あ、曜?』ヒソヒソ

曜「果南さん?どうしてそんなに小声なんですか…?」

果南『今林の中にいるの』ヒソヒソ

曜「は?」

果南『凛を追ってたら林の中に入ってっちゃって…今凛が見える位置に隠れてるんだけど』ヒソヒソ

曜「なんで林の中に…」

641: 2016/12/28(水) 20:06:37.68 ID:E11II3mB.net
果南『わかんないけど…身を隠すためとか?』

曜「(違う、凛さんが隠れようとすれば完全に隠れられるはず…。でも位置を教えてるってことは…)」

曜「楽しむため…」

果南『え?』

曜「逆に私たちが隠れやすくして、私たちが有利がなるようにしてるんだと…」

果南『…つまり、がっつり舐められてるってことだね』

642: 2016/12/28(水) 20:07:27.98 ID:E11II3mB.net
曜「………………」


曜「……よしっ」ボソッ

曜「果南さん」

果南『なに?』

曜「私が凛さんの注意を引くことができれば、捕まえることができますか?」

果南『うん…そうすれば多少は…』

果南『でも、どうやって?』

曜「とっておきの秘策があるんです」

果南『秘策…?』

曜「できれば試したくはなかったけど…」

曜「一か八かのスピリチュアルなお姉さんのとっておきの秘策が!」

643: 2016/12/28(水) 20:10:33.93 ID:E11II3mB.net
――


曜「………………」コソコソ

曜「(作戦は至ってシンプル)」

曜「(私が凛さんの注意を引いて、そのうちに反対方向から果南さんが捕まえる)」

曜「(その凛さんの注意を引く方法が問題なんだけど…)」


曜「本当に大丈夫なのかなぁ」ボソッ


千歌「誰かいるの?」


曜「……」ピタ

644: 2016/12/28(水) 20:12:12.54 ID:E11II3mB.net
千歌「あはは、果南ちゃん?それとも曜ちゃんかにゃ?」タッタッタッ


曜「………………」

曜「(希さん…!)」


~~~~~


曜『じゃ、じゃあ凛ちゃんは?』

千歌『凛ちゃんは…』

千歌『あの占い師さんから貰った凛ちゃんの思念物は、夏頃の小テストだった』

曜『…?』

千歌『いい?ウチらはあくまで千歌ちゃんだから、効くって保証はない』

千歌『だから本当に困ったときの最後の手段』


~~~~~

645: 2016/12/28(水) 20:13:02.44 ID:E11II3mB.net
曜「千歌ちゃんっ!」ダッ

千歌「あっ、曜ちゃん!どうしたの?」

曜「あの…えーっと…その…」


~~~~~


千歌『保証はできないけど、もしもベースになってる凛ちゃんの人格が色濃く出ているのなら――


~~~~~


曜「…千歌ちゃんは……」

646: 2016/12/28(水) 20:14:30.35 ID:E11II3mB.net
曜「千歌ちゃんは…Aqoursの中で一番可愛いよっ!」カァ///


千歌「えっ!?な、なな何言ってるのっ///」アタフタ


~~~~~


千歌『これで動揺を誘えること間違いなしやんっ♪』


~~~~~

647: 2016/12/28(水) 20:15:02.30 ID:E11II3mB.net
果南「……」ダッ


千歌「えっ!?」

果南「…っ!」バッ

千歌「あぶっ…!」スカッ


千歌「もうっ、千歌なんて可愛くない…ってやばっ!」ズルッ

果南「あっ…!」

曜「くっ…!」ダッ

曜「(このチャンスを逃したら…!)」

648: 2016/12/28(水) 20:16:00.15 ID:E11II3mB.net
~~~~~


千歌『えへへ、曜ちゃんっ』


~~~~~


曜「(千歌ちゃん…千歌ちゃんっ!)」


 


 

ピト…


千歌「あ…」

曜「捕まえた……」

649: 2016/12/28(水) 20:16:56.40 ID:E11II3mB.net
千歌「…あーあ捕まっちゃった」


果南「よしっ!」

曜「…捕まえたっ!」

 

果南「もしもしみんなっ?曜がっ!」

ダイヤ『~~~~っ!』


ダイヤ『やりましたのね!』

ルビィ『やったぁっ!』

650: 2016/12/28(水) 20:17:46.18 ID:E11II3mB.net
花丸『よかったずらぁ』


善子『曜…やったのね』

果南「あれ?鞠莉と梨子は?」

ダイヤ『え?あ、ああ、鞠莉さんは梨子さんに凛さんを逃がした件で絞られていますわ…』

鞠莉『なんで私だけ~っ!』

梨子『えっ、曜ちゃんがやってくれたの!?』

ルビィ『あはは…』

651: 2016/12/28(水) 20:18:10.72 ID:E11II3mB.net
 


千歌「………………」

千歌「惜しかったなぁ」

曜「凛さん…」

千歌「動揺して負けちゃったけど千歌なんて可愛くないよ…」

曜「…可愛くないなんて言わないでください…」

千歌「スカートも似合わないし、女の子っぽくないし…」

曜「そんな…っ!」

652: 2016/12/28(水) 20:18:35.44 ID:E11II3mB.net
千歌「でも、そう言われてお世辞でもちょっと嬉しかったよ」

千歌「それに、いーっぱい動き回れて楽しかったからいいにゃ!」

千歌「千歌はもう思い残すことはないよ!」

曜「えっ…?」

千歌「じゃあ、ばいばいにゃ!」

曜「待って!まだ…!」


千歌「………………」スッ

653: 2016/12/28(水) 20:19:07.47 ID:E11II3mB.net
千歌「…あ、あれ?」

千歌「……そっか」

千歌「終わったんだね」

曜「……うん」


――――――

――――

――

654: 2016/12/28(水) 20:19:56.07 ID:E11II3mB.net
曜「凛さんが消える前の言葉…」

果南「私も聞いたよ」

曜「………………」

曜「凛さんが、自分はスクールアイドルに向いてないと思ってたって話、雑誌とかネット上で生まれた嘘だと思ってた…」

果南「…どうして?」

曜「だってあんなに可愛いんだもん」

655: 2016/12/28(水) 20:20:51.20 ID:E11II3mB.net
曜「…μ'sの人たちも、完璧な超人ってイメージがあったけど、本当に色々悩んだりしたのかな」

果南「どうなんだろうね」


曜「でも…そう考えると普通の女の子みたい」

果南「え?」

曜「多分…μ'sの人たちだって私たちと変わらない、普通の女子高生だったんだよ」

果南「…私たちと変わらない、か。そうかも」

曜「ね?」

656: 2016/12/28(水) 20:21:24.44 ID:E11II3mB.net
 


千歌「曜ちゃん、果南ちゃーんっ!」

曜「どうしたの?」

千歌「もうみんな帰るって!帰る準備してないの二人だけだよっ!」

曜「ごめんごめん、私たちもすぐに行くよ」


曜「あ…千歌ちゃんっ!」

千歌「なに?」

657: 2016/12/28(水) 20:22:06.72 ID:E11II3mB.net
曜「千歌ちゃんは可愛いよ、だから自分に自信を持っていいんだよ?」

千歌「あ、ありがと…でも急にどうしたの?」

曜「何にもないけど……ただ、自分では当たり前だと思ってることでも、言わないと伝わってないこともあるんじゃないかって」

果南「ふふっ」


曜「じゃあ帰るよ~!」

千歌「あっ、曜ちゃん待ってよ~」


タイトルとURLをコピーしました