愛「1年生とふれあいたい‼愛だけに‼」【SS】【スクスタ】

SS


1: 2020/02/11(火) 10:08:55.00 ID:2vA+Zba8
放課後 体育館

後輩「先輩、今日もバスケ部の助っ人ありがとうございました」

愛「いいって事よ~愛さんでいいならいつでも呼んで」

愛「かわいい後輩の為ならなんでもしちゃうよ」ナデナデ

後輩「ふふっ、ありがとうございます」

愛「キミもかわいいね~なでなで増量しちゃう!!」

後輩「もう、先輩やめてくださいよ~」テレテレ

愛「あはは、メンゴメンゴ。髪整いたげる」スッ

後輩「櫛まで持って来て用意がいいですね、先輩には敵わないなぁ」

愛「こんなの女の子の基本っしょ。それじゃ、愛さん帰るね~ばいばいき~ん」

後輩「先輩、ありがとうございました。帰り気を付けて」

4: 2020/02/11(火) 10:18:41.72 ID:2vA+Zba8
愛(あぁ~やっぱ1年生ってかわいいなぁ~)

愛(私は妹がいないから余計にそう思うのかな)

愛(『先輩、先輩』って寄って来られると抱き締めたくなっちゃう)

愛(私、変な性癖でも持ってるのかな?)

愛(いやでも、かわいい娘をかわいがるのは普通の事だよね)

愛(常識常識、愛さんの常識は世界の常識。よし、これでオッケー)

愛(もっと1年生とふれあいたいなぁ……)

愛(まだよく知らない娘もいるし、見かけたら積極的に話しかけてみよ)

愛(はぁ~なんかワクワクしてきた‼皆のかわいい姿、早く見たいなぁ‼)

愛「ふっふふん、ふんふん、ふーん」ルンルン

6: 2020/02/11(火) 10:32:08.04 ID:2vA+Zba8
次の日

愛「まずは知ってる顔から探してみますか」

愛「お、あそこにいるのは……」



しずく「いち、に、さん‼ーいち、に、さん‼」ブンブン

愛「よっ、しずくじゃーん。ラケット持ってなにしてんの?」

しずく「あ、愛先輩」

しずく「今度体育の課題でテニスをやる事になって、それで素振りの練習をしていたんです」

愛「へ~そういやしずくは球技が苦手だったんだっけ?」

しずく「はい、なかなかラケットにボールを当てられなくて……」

愛「よかったら愛さんが教えてあげるよ」

しずく「愛先輩が?それは助かります、よろしくお願いします」

愛「そんじゃ、愛さんもラケット借りて来るよ」

7: 2020/02/11(火) 10:44:04.52 ID:2vA+Zba8
愛「いい?見た感じ素振りはよく出来てるからあとはボールをよく見てラケットに当てるんだよ」

愛「ラケットに当てるギリギリまでボールを目で追いかけて」ポコン

愛「こんな感じ、愛さんがボール出すからやってみな」

しずく「は、はい‼」

愛「いくよ……それっ」

しずく「ーえいっ」スカッ

愛「まだボールが追えてないよ、しっかり見て。ほらっ」

しずく「ボールを……よく見て」コツン

愛「おーラケットにかすった、もう少しだよ。よっと」

しずく「ーここです‼」ポコッ

愛「やった、当たったじゃーん。すごいすごい‼」

しずく「今の感覚……忘れないようにしないと」

しずく「愛先輩、またお願いします!!」

愛「了解!!どんどんいくよー!!」

8: 2020/02/11(火) 10:55:58.87 ID:2vA+Zba8
しずく「ーはいっ‼」ポコン

愛「いいよいいよ大分上達したよしずく」

しずく「はぁ……はぁ……段々ボールを当てられるようになれました」

しずく「これも愛先輩の指導のおかげです」

愛「いやいや、しずくの頑張りがあってこそっしょ。やれば出来んじゃん」

しずく「あはは……球技はどうしても苦手意識が先に来てしまうので」

愛「一生懸命苦手を克服するしずくの姿に愛さんは感動した‼」

愛「ご褒美に汗拭いたげる」フキフキ

しずく「あ、愛先輩!?いいですよ自分でやりますから」

愛「遠慮するなって、ほ~らふきふき」

しずく「ふふふ、くすぐったいですよ」

愛(恥ずかしがるしずく、かわいいなぁ~)

10: 2020/02/11(火) 11:14:31.47 ID:2vA+Zba8
愛「あ~かわいかったなぁしずく」

愛「ああいう風に努力してる娘を見るとつい応援したくなっちゃうよ」

愛「この調子で他の娘ともどんどんふれあっていこ~」



部室

かすみ「う~ん……う~ん……」

かすみ「あぁもう!!わかんないよ~」

ガラッ

愛「ん?かすみん来てたんだ、ノートひろげてどうしたの?」

かすみ「うぇっ?愛先輩!?」サッ

愛「おいおい、なぁに隠したんだぁ?怪しいぞ~」

かすみ「な、なんでもないですよ」

愛「なんでもないなら見せてくれたっていいじゃん、ほれほれなにしてたのか白状しないよ~」コチョコチョ

かすみ「残念でした、かすみんにくすぐりは効きませんよ~」

愛「あ?そうなの、そんじゃ」ギューッ

かすみ「痛ったぁ!?つねらないでくださいよ‼」ポロッ

愛「取ったどー‼」

愛「ーなにこれ、宿題?やってなかったの?」

かすみ「あ~見られた~!!」

かすみ「そうですよ……問題が解けなくて今日中に提出するように言われたんです」

愛「なぁんだそんな事だったのか」

かすみ「私にとっては死活問題なんですよ……」

12: 2020/02/11(火) 11:28:12.91 ID:2vA+Zba8
愛「そういう事なら愛さんに任せなさいな」

かすみ「愛先輩、勉強出来るんですかぁ?」

愛「こう見えても私、成績いいんだよ」

かすみ「意外なギャップですね」

愛「このギャップに萌えるっしょ?ギャルだって勉強出来るもんなんだよ」

愛「1年生の宿題くらい教えてあげる」ズイッ

かすみ「ちょ、ちょっと距離近くないですか?」

愛「いーのいーの気にしない気にしない」

かすみ(愛先輩、なんだかいい香りがする……香水かな?)ドキドキ

愛「どったのかすみん?ーさては愛さんに見とれてたな~?」

かすみ「ち、違いますよ‼」

かすみ「早く教えてください‼」

愛(ぷぷぷ、やっぱかすみんはからかい甲斐があるな~)

愛「へ~い、じゃあここからは真面目モードでいくよ」

15: 2020/02/11(火) 11:48:39.39 ID:2vA+Zba8
愛「ほら、そこの計算間違えてるよ。ちゃんとその前の計算からやり直して」

かすみ「えっと……これでいいですか?」

愛「うん、今度は正解だね。あとはどこがわからないの?」

かすみ「ここなんですけど……」

愛「あーこれは惜しい、最後の計算が抜けてるから答えが変なんだよ」

愛「念の為最初から計算し直して」

かすみ「は、はい」




かすみ「はぁ~やっと終わったぁ……」

愛「ほとんど間違えて計算してたね、落ち着いてじっくり考えれば解ける問題だかりだよ」

かすみ「提出日まで全くやってなくて今日焦ってやってたからそこまで余裕がありませんでした」

愛「ダメだねぇそれじゃ、かすみん計算は出来るんだから時間がある内にやっちゃった方がいいよ」

かすみ「耳が痛い……ご忠告ありがとうございます」

愛「わかればよろしい、宿題終わってよかったね」

かすみ「愛先輩に教えてもらってよかったです、私一人じゃ絶対終らなかった……」ゴソゴソ

かすみ「これ、宿題を教えてくれたお礼です」

愛「お、かすみんお手製コッペパンじゃん。ちょうど小腹が空いてたんだよね~」

愛「サンキューかすみん、またわからない問題あったら愛さんが教えたげるから言ってね~」

かすみ「愛先輩、付き合ってくれてありがとうございました」

かすみ(愛先輩に見つかった時はビックリしたけど)

かすみ(まるでお姉さんみたいに優しかったな……)

16: 2020/02/11(火) 12:06:25.93 ID:2vA+Zba8
愛「う~んかすみんのコッペパン、いつ食べてもおいしいなぁ」モグモグ

愛「宿題隠すなんてところもあの子らしくてかわいかったし」

愛「真剣な表情で宿題やってるかすみんの横顔もよかったな」

愛「あ、私も宿題やんなきゃな」



次の日

愛「さぁて、今日は誰とふれあおうかな~」

愛「最初に会うのは誰か、ワクワクするね」

愛「おやおや……今家庭科室に入って行ったのは確か……」



家庭科室

愛「やっほー‼やっぱルビィちゃんだった」

ルビィ「あ、愛さん。こんにちは」

愛「こんちは~かわいい後ろ姿が見えてね。ルビィちゃんかと思ったら当たりだったよ」

愛「こんな所でなにしてるの?」

ルビィ「お裁縫、今新しいAqoursの衣装作ってるの。ミシン借りようと思って」

愛「へぇ~愛さんも見てていいかな」

ルビィ「うん、いいよ。退屈かもしれないけど」

23: 2020/02/11(火) 12:18:01.85 ID:2vA+Zba8
ガタガタガタ……

愛「いや~見事なもんだねぇルビィちゃん、きれいに縫えてるよ」

ルビィ「えへへ……ルビィ、お裁縫は小さい頃から好きだったから」

愛「いつまでも見ていられるねこりゃ」ジーッ

ルビィ「あ、あんまり見つめられると恥ずかしいよぉ~」

チクッ

ルビィ「痛っ‼」

愛「ルビィちゃん大丈夫!?ごめん私が邪魔したばっかりに」

ルビィ「大丈夫、大した事ないよ……」

愛「見せて」スッ

愛「よかった……そんなに深くは刺さらなかったね」

愛「待ってて、今救急箱持ってくるから」

ルビィ「あ、いいよぉ別に。ルビィなら平気」

愛「ダメダメ、そこでおとなしくしてるんだよ。すぐ戻るから」

24: 2020/02/11(火) 12:31:45.40 ID:2vA+Zba8
愛「おまたせ、今治療してあげるよ」

愛「さっきより血が出てきたね、本当は痛いんじゃないの?」

ルビィ「うん……最初より少しズキズキしてきた」

愛「針が刺さった瞬間は気が張って痛みも出なかったんだねきっと」

愛「消毒液、染みるかも。我慢してね」プシュッ

ルビィ「んっ……!!」

愛「あとはガーゼをあてがって包帯を巻いて、と。これでよし」

愛「ごめんね、私のせいで痛い思いさせちゃって」

ルビィ「ううん、愛さんのせいじゃないよ。ルビィもちょっとボーッとしてたから」

愛(ルビィちゃん、私に気を取られたのにそんなかばうような事言って……)

愛(ルビィちゃんは、優しい娘なんだな)

愛「よっしゃ‼ここからは愛さんにお任せだよ、ルビィちゃんの代わりに衣装作っちゃう」

ルビィ「え?愛さんお裁縫出来るの?」

愛「もちのろん!!お裁縫は愛さんの得意技のひとつなのだ~」

25: 2020/02/11(火) 12:45:40.06 ID:2vA+Zba8
愛「うおりゃ~!!」ガタガタガタ

ルビィ「うわぁ、愛さん上手~」

愛「言ったっしょ得意だって、愛さんも小さい頃ばあちゃんに教えてもらってよくやってたんだ」

ルビィ「愛さんなんでも出来るんだねぇ」

愛「なんでもって事はないけど大体の事は出来ちゃうね~」

愛「ーこんな感じでどうかな?」

ルビィ「うん、いい感じ。丁寧に縫ってあって言う事無しだよ」

ルビィ「愛さん、ありがとう」

愛「いやいや、元はと言えば私のせいだったんだし当たり前の事をしただけだって」

愛「ケガをさせちゃったお詫びに……じゃーん‼これあげる」

ルビィ「わぁ~キャンディーいっぱい‼」

ルビィ「はむっ、ーう~んおいしいよぉ~」

愛「あぁ~かわいい~‼マジ癒されるわルビィちゃん……」

28: 2020/02/11(火) 13:15:16.93 ID:2vA+Zba8
愛「ルビィちゃんにケガをさせちゃったのは申し訳なかったけど」

愛「ルビィちゃんと仲良くなってかわいい姿も見れたからヨシとしますか」

愛「ルビィちゃん、お裁縫頑張れよ~」

愛「あ、それで思い出したけどファッション雑誌図書室から借りていたんだ」

愛「ちょっくら返しに行きますか、確か持って来てたはず……」



図書室

愛「すいませーん、借りてた雑誌返しに来たんですけど」

花丸「……」ペラ……ペラ……

愛「あ、花丸ちゃんだ。ねぇ、ちょっといいかな」

花丸「……」ペラ……ペラ……

花丸「……ん?あれ、愛さん?どうしたのこんな所に」

愛「借りてた雑誌を返しに来たんだよ」

花丸「あぁ、それじゃマルが受け取っておくよ」

愛「花丸ちゃんが?」

花丸「うん。だってマル、図書委員だから」

34: 2020/02/11(火) 13:37:26.64 ID:2vA+Zba8
愛「へぇ~花丸ちゃん図書委員やってたんだ」

花丸「マル、本が大好きなんだ。家にも沢山本があるんだよ」

愛「ふ~ん、そうなんだなぁ。読書家なんだね~」

愛「ね、隣座ってもいいかな?」

花丸「いいよ、マルはこのまま本読んでるけど」ペラ……ペラ……

愛「随分分厚い本読んでるんだね、なに読んでるの?小説?」

花丸「愛さんに言っても知ってるかわからないけど……」ペラ……ペラ…

花丸「京極夏彦の『魍魎の匣』って言う小説」

愛「京極夏彦かぁ、その人愛さんも知ってるよ」

花丸「え?知ってるの?なんか意外」ピタッ

愛「お、なんかバカにされた気分。実は私も小説読むんだよ」

花丸「本当?どんな小説読んでるの?」パタン

愛(ふっふっふ、小説閉じて食い付いてきたな~よっしゃ)

愛「愛さんは清涼院流水や西尾維新が好きだな、あの二人は言葉遊びが上手でさ。だじゃれのいいヒントになるんだよね」

愛「清涼院流水は『Wドライブ院』西尾維新は『戯言シリーズ』や『物語シリーズ』が好き」

花丸「愛さんらしいね、マルはその人達の作品読んだ事ないや」

愛「面白いよ~本好きなら一度は読んでみるべき」

花丸「読書するギャル……なんかすごく賢そう」

36: 2020/02/11(火) 13:55:48.10 ID:2vA+Zba8
愛「まぁ、最近はあんまり読まなくなったけどね」

愛「やっぱ愛さんは本を読んでるより外に出て遊ぶのか好きかな」

花丸「マルはあまり出歩かないな、最近の流行りものとかもよくわからないし」

愛「だったら尚更外に出ないと、流行りに乗らなくても外に出ると色々な発見があるんだよ」

愛「今までなかった場所に洋服屋が出来たり、行きつけのカフェで新商品が出てたり……」

愛「街の人達とも仲良くなれる、本を読んでるだけではわからない世界だってあるんだよ」

花丸「確かに、本ばかり読んでたら本の中の世界しかわからないよね」

愛「もしよかったらさ、今度愛さんと街に行こうよ」

愛「花丸ちゃんの知らない事いっぱい教えてあげちゃうよ~」

花丸「なんか少し興味が湧いてきたたかも……」

花丸「それじゃあ……今度案内してもらおうかな」

愛「よしキタ、任しといて」

37: 2020/02/11(火) 14:16:04.74 ID:2vA+Zba8
愛「へっへ~花丸ちゃんと遊ぶ約束しちゃった~」

愛「外の世界に対するかすかな憧れ、愛さんじゃなきゃ見逃しちゃうね」

愛「本を読む花丸ちゃんも清楚でよかったけど」

愛「あの見た目を放っておくのはもったいないよね、今度街に行ったらかわいい洋服買ってあげよ」




キーンコーンカーンコーン……

愛「お昼だ~さぁて、パンを買いに購買部でも行きますかぁ」

購買部

愛「うわすっごい人だかり……いや~やっぱ今の時間は皆集まるんだよね~」

???「わ、わ……ちょっと!!押さないでよ‼」

愛「ん?あの声は……」

???「だから押すなって……きゃっ‼」

愛「おっと、大丈夫?」ムギュッ

善子「んむっ!?なにこれやわらか……」

善子「ーぷはぁっ。あ、あなたは」

愛「よかったねぇ、愛さんのエアバッグのおかげで助かったよ善子ちゃん」

38: 2020/02/11(火) 14:32:46.09 ID:2vA+Zba8
善子「あ、愛さん!?」カァァ

善子「ごごご、ごめんなさい!!私変な気持ちがあった訳じゃ」アタフタ

愛(善子ちゃんが悪い訳じゃないのにこんな必死に謝って……)

愛「くうぅ~!!善子ちゃんかわいい~!!」ギュウ~

愛「わかってるよ~善子ちゃんは悪くないから~」

善子「うげぇ!?ちょ、ちょっと苦しいってば~!!」



善子「まったく、心臓が止まるかと思ったわ……」ドギマギ

愛「いや~善子ちゃんがかわいくてつい」

愛「善子ちゃんもパン買いに来たの?」

善子「そうよ、でも人が多くて弾かれちゃったの」

善子「あぁ、所詮堕天使は人間界には溶け込めないと言うのね。不幸だわ……」

愛「んなパンくらいで大袈裟な」

愛「パン、なんでもいい?」

善子「え?それはどういう……」

愛「愛さんが買ってきてあげる、適当に掴んだ物買うから種類は選べないけど」

愛「よぉく見てなよ~人混みはこうやって掻き分けるんだ……よ!!」

善子「あっ、愛さんが人混みの中に」

39: 2020/02/11(火) 14:50:17.71 ID:2vA+Zba8
愛「はいはいごめんよちょっと通してねぇ~」スルスル

善子「すごい……人の流れに逆らわないようになおかつ愛さんの進みたい方向にちゃんと進んでる」

愛「ーよっしゃ~‼善子ちゃんパンゲットしたよー‼」ブンブン

善子「でかしたわ愛さん‼流石よ‼」



屋上

愛「売り切れ寸前でね、これしか取れなかったよ」

愛「コロッケパンと焼きそばパン、どっちがいい?」

善子「それじゃ、コロッケパンで」

善子「愛さん、ありがとう……いただきます」パクッ

愛「なぁにこのくらい軽いもんだよ」パクッ

愛「あ、1個で足りる?愛さんの半分あげようか?」

善子「い、いいわよそんな。愛さんだってお腹空いてるでしょう」

愛「そう?じゃあ食べちゃうよ、あむ」

善子「……」ジーッ

40: 2020/02/11(火) 15:07:40.41 ID:2vA+Zba8
愛「ん?ろーふぃふぁろ?」訳(どーしたの?)

善子「愛さんに会わなかったら私、一人で食べようと思ってたの」

愛「ーんぐっ……クラスの娘達と一緒に食べないの?」

善子「クラスの娘達とはその……話が合わなくて」

善子「他の娘達がグループ作って私一人だけ余っちゃうからいつも教室の外で食べてるの」

愛「ふぅん、で?善子ちゃんは本当はどうしたい訳?」

善子「本当は……私もクラスの娘達と食べたいわ」

善子「でも、どうやって輪の中に入ればいいのか……」

愛「なら簡単だよ」

愛「一緒に食べようって言えばいいんだ」

善子「えぇ?だから話が合わないって」

愛「別に無理に喋らなくてもいい、話も合わせなくていいよ」

愛「ただ、自分が知ってる話題が出たら逃さずキャッチして話に混ざればそれで大丈夫」

愛「愛さんなんて知らないクセに適当に頷いて話に入っちゃうよ、あはは」

善子「そのくらい強引にいかないと入れないのね……」

41: 2020/02/11(火) 16:09:55.29 ID:2vA+Zba8
善子「私にそこまで出来るかわからないけど……」

善子「もし機会があったら、頑張って声をかけてみるわ」

善子「愛さんの話、参考になった」

愛「ガンバ~善子ちゃんならきっと出来るよ」

愛「それでもダメな時は愛さんの所においで、また一緒に食べよう」

善子「愛さん……ありがとう」

善子「その時は、よ……よろしく」



愛「善子ちゃんも苦労してるんだな~」

愛「愛さん、寂しい堕天使を救っちゃったか?なんつって」

愛「かわいいところあるもんだなぁあの娘も」



放課後 部室

愛(今日は誰かいるのかな?)ガラッ

愛「ありゃ、誰もいないや。愛さんが一番乗りかぁ」

愛「まぁいいや、誰か来るまで待ってますか」

花陽「あ、あの……」

愛「ん?ーうわっ、花陽ちゃん!?いたんだ」

花陽「ぴゃあ!?驚かしてごめんなさい‼ずっといました‼」

43: 2020/02/11(火) 16:26:40.01 ID:2vA+Zba8
花陽「ごめんなさいごめんなさい‼」ペコペコ

愛「いや、そんなに謝らなくてもいいってば」

花陽「私、地味だから……クラスでもよくいるのかいないのかわからないって言われるの」

愛「花陽ちゃんおとなしいもんね、まぁ気にしないで。それも花陽ちゃんの個性だよ」

花陽「愛さんはいつも明るくて面白いよね、一緒にいるだけで楽しくなっちゃう」

愛「それもどうかと思うよ~愛さんよくうるさいって言われるんだから、花陽ちゃんの事見習わないとねぇ」

愛「花陽ちゃんは趣味とかあるの?」

花陽「私は……アイドルのグッズを集めたり、あとは折り紙が好きでよくやってるの」

愛「へぇ、折り紙?いい趣味してるね~」

花陽「そ、そっち?まさか折り紙に食い付くとは思わなかったな……」

愛「愛さんも小学生の頃夢中で折り紙で遊んでてさ、いや~懐かしいね」

花陽「よかったらカバンに折り紙あるから一緒にやる?」

愛「お~持って来てるの?やるやる、久し振りにやりたくなってきた」

花陽「ふふ、今出すね。持って来てよかった」

46: 2020/02/11(火) 16:43:40.73 ID:2vA+Zba8
花陽「はい、好きな色使っていいよ」

愛「あ~金色とか銀色がある~!!これってもったいなくて結局使わないで終わっちゃうんだよね」

花陽「そうそう、なんだか特別な感じがして他の色ばかり使っちゃうよね。わかるわかる」

愛「愛さんの得意なものはね~」オリオリ

愛「じゃーん‼東京タワー‼」

花陽「わぁ、愛さんそんな難しいもの折れるんだ」

愛「そんな難しくないって、花陽ちゃんもなにか折って見せてよ」

花陽「そうだね……私は……」オリオリ

花陽「……」

愛「うわっ、なにそれ?超細かい……」

花陽「……」

花陽「……」オリオリ

花陽「……出来た」

花陽「これ、菊の花。最近折り方を覚えたんだ」

愛「なにこれ……もはや芸術作品じゃん」

愛「愛さんの東京タワーがちっぽけに見える……花陽ちゃん、レベル高すぎ」

花陽「確かに、簡単には出来ないね。覚えるまで結構かかったよ」

48: 2020/02/11(火) 17:02:30.05 ID:2vA+Zba8
愛「私ももっとハイレベルなもの折ってみたいなぁ」

愛「ねぇ、なにか愛さんでも出来る割りと難易度高めなものってなにかない?」

花陽「えぇ?なにその注文……そんなものあったかなぁ」

愛「あぁいや別に簡単なものでもいいんだけど」

花陽「それじゃ……立体的なものを折ってみる?ユニコーンって言うんだけど」

愛「おぉ、いいねいいね。ユニコーンでもとんがりコーンでもなんでも来いってね~」

花陽「えっとね、まずは三角形に折って」

愛「ふむふむ、三角形に折って」

愛(そう言えば小学生の頃、こうしてばあちゃんに色々折り紙教えてもらったっけ)

愛(東京タワーもその時に覚えて……今こうやって花陽ちゃんと一緒に折り紙をやってる)

愛「私、折り紙やっててよかったな」

花陽「え?どうしたの急に」

愛「あ、声に出てた?いやぁこうやって花陽ちゃんと折り紙出来てよかったなぁって思ってさ」

愛「教えてくれたばあちゃんに感謝してたとこ、なんだか花陽ちゃんがウチのばあちゃんに見えてきたよ」

花陽「あはは、私がおばあちゃんにね……なんか複雑」

49: 2020/02/11(火) 17:16:19.41 ID:2vA+Zba8
花陽「あとはここを折って……」

花陽「これで完成、ユニコーンの出来上がりだよ」

愛「お~めっちゃカッコいい~ちゃんと立ってるね、いやぁすごいな」

愛「帰ったらばあちゃんに見せてやろ~っと」

花陽「折り紙って周りでやってる人あまりいないから私も愛さんと一緒に出来て嬉しかったよ」

愛「またやろうよ、今度は愛さんも花陽ちゃんに負けないような超大作を作るから‼」

花陽「うん、今日はありがとう。愛さん」




愛「久し振りの折り紙、楽しかったなぁ~」

愛「花陽ちゃんも最初はオドオドしてたけど折り紙を通して仲良くなれたし」

愛「楽しい時間を過ごせて愛さんも大満足だ」

50: 2020/02/11(火) 17:51:26.87 ID:2vA+Zba8
次の日

愛「昨日花陽ちゃんと折り紙やったらすっかり目覚めてハマっちゃったなぁ」

愛「ドラゴンなんてのもあってやり応えあったし、今度善子ちゃんにくれてやろ」

凜「あーいたー!!愛ちゃん!!」

愛「はい?凜ちゃんだ、愛さんになにか用?」

凜「探したにゃ、今日は愛ちゃんに決闘を申し込みに来たんだよ」

愛「決闘?」




凜「前にやった九番勝負、覚えてる?」

愛「あぁ、確か私と凜ちゃんが長距離走で競争して私が勝ったあの勝負か~」

凜「そう。あの時愛ちゃんにギリギリで負けて凜、悔しかった」

凜「だから今度は、短距離走で勝負するにゃ‼」

愛「えぇ~そんなの凜ちゃんが勝つに決まってんじゃん」

凜「え?ダメ……?」

愛(絶対に自分が勝つ勝負持ちかけといてそりゃないよ凜ちゃん……)

愛(仕方ない……付き合ってあげるか)

愛「あーもーわかったわかった、いいよ。短距離走で勝負してあげる」

愛「ただし、愛さんは手加減なんかしない。全力で走るよ」

凜「もちろん、それでこそ凜のライバル‼」

愛「私っていつの間にかライバルにされてたんだ……」

52: 2020/02/11(火) 18:03:58.23 ID:2vA+Zba8
凜「100メートルを三回走って勝負するよ」

凜「先に二回ゴールした方の勝ちね」

愛「きっちり保険かけて来たね~そんなに愛さんが怖いのかな?」

凜「ち、違うにゃ‼勝負は公正にと思って」

愛「はいよ、そんじゃ始めますか」

凜「陸上部の意地、見せてあげる」




愛「あら、花陽ちゃん。どうしたの?」

花陽「凜ちゃんにスターターの役を任されて」

凜「かよちん、凜達の勝負を見届けてね」

愛「そうだね、ちゃんと勝敗を判断してくれる人がいないとね」

花陽「私はゴールから合図を送るからそしたらスタートしてね」タッタッタ

花陽「二人共ー準備はいいー!?」

凜「オッケーにゃ‼」

愛「愛さんもいつでもいけるよー‼」

花陽「それじゃ、よーい……スタート!!」

55: 2020/02/11(火) 18:16:26.62 ID:2vA+Zba8
凛「とぉりゃー‼」ダッ

愛「うわっ、相変わらずスタートダッシュ早っ‼」ダッ

愛(ちょっと出遅れたなぁ……でも!!)

凛「にゃにゃにゃにゃー‼」

愛「くっ……うおりゃぁぁぁ~!!」

ダダダダッ……ダンッ

花陽「ご、ゴール!!」

花陽「今の勝負、凛ちゃんの勝ちです!!」

凛「やったにゃ~!!」

愛「うぐ……やっぱスタートダッシュで出遅れたのがいけなかったか~」

花陽「でも、そんなに差はなかったよ。いい勝負だった」

凛「愛ちゃん大丈夫、勝負はあと一回残ってるよ」ニヤニヤ

愛「勝者の余裕ってやつ……?そんな事言われたらさぁ」

愛「愛さん本気と書いてマジになるよ、次は私が勝ぁつ!!」

58: 2020/02/11(火) 18:28:39.84 ID:2vA+Zba8
花陽「二回目、いきまーす‼」

花陽「よーい……スタート!!」

愛「ふっ‼」ダッ

凛「わにゃっ!?愛ちゃん!?」ダッ

愛(凛ちゃんには悪いけど、大人げないけど)

愛(たまには本気の愛さんを見せちゃうよ‼)

凛「こんのぉ~!!」

愛「ぬぐっ‼おぉぉぉ~!!」

ダダダダッ……ダンッ

花陽「ゴール!!」

花陽「今度は……愛さんの勝ちです!!」

愛「へっへっへ……やったね」

凛「そんな~凛も全力で走ったのに~」

凛「愛ちゃん、大人げないにゃ‼後輩に華を持たせようとか思わないの?」

愛「悪いね凛ちゃん、愛さんは基本後輩には優しく親切がモットーだけど」

愛「勝負となると話は別なんだなぁ、それに凛ちゃんの得意分野で勝負してる事も忘れちゃ困るねぇ」

凛「くっ……そう言えばそうだった……」

59: 2020/02/11(火) 18:44:51.51 ID:2vA+Zba8
花陽「あの……次が最後の勝負になるけど、二人共大丈夫?」

凛「わかってるよ、この勝負で勝っても負けても恨みっこなし」

愛「これ以上全力疾走は出来ない……次で決めるよ、凛ちゃん」

凛「この勝負で負けた方が、勝った方とかよちんにラーメン奢りね」

愛「え?なにその追加ルール?聞いてないんだけど」

凛「だって今思い付いたから」

愛「あっそ……もう好きにすれば」

花陽「どちらが勝っても私はラーメンが食べられる……来てよかった」

花陽「よし、それじゃ最終勝負いくよ‼」タッタッタ

凛「かよちん、急に元気になったにゃ」

愛「意外と現金だね花陽ちゃん……」

愛(こりゃあ二つの意味で負けられないね)

花陽「それでは、よーい……スタート!!」

60: 2020/02/11(火) 19:11:03.02 ID:2vA+Zba8
凛「んにゃー!!」ダッ

愛「くっ‼」ダッ

愛(さすがに三回目はキツいって、全然力入らない……)

愛(凛ちゃんがもうゴール目前、こりゃ勝ち目ないね)

愛(しゃーない、不本意だけど華を持たせてやるか)

凛「ゴォールッ‼」

花陽「凛ちゃんの勝ちです!!」



凛「いやぁ~愛ちゃんにごちそうになるラーメンはおいしいにゃ~」

愛「凛ちゃんにはやられたねぇ、私が負けるのわかってあんな事言ったんでしょ」

凛「なんの事だか、凛わからないなぁ」

愛「まったくこいつは~」グリグリ

凛「あう~頭ぐりぐりしないで~」

花陽「あの……愛さん、もう一杯頼んでもいい?」

愛「花陽ちゃん……?それ何杯目?」

花陽「えっと……さ、三杯目」カァァ

愛「……いいよ、頼みな」ヒクッ

愛(財布の中身、足りるかなぁ……)

愛(勝負に負けたのは悔しかったけど)

愛(こうして三人でラーメン食べられたから、まぁいっか。凛ちゃんも花陽ちゃんもかわいいし)

61: 2020/02/11(火) 19:33:03.21 ID:2vA+Zba8
次の日

愛「あ~育ち盛りはよく食べる事、愛さんのお小遣いほとんどなくなっちゃったよ……」

愛「昨日は走りまくったから久し振りに疲れたな……はぁ、癒しが欲しい」

ポロン……ポロロン……

愛「ん、なんだろ?ピアノの音?一体どこから……」



音楽室

~♪~♪~♪~

愛(あそこでピアノを弾いてるのは……真姫ちゃんだ)

愛(いいねぇピアノの音……疲れた体に染み渡る~)

ヴェェ‼……ピタッ

愛「およ、終わっちゃった」

ガラッ

真姫「ちょっとあなた、ずっと廊下に突っ立ってどういうつもり?呆けた顔しちゃって」

真姫「おかげで集中が切れちゃったじゃない」

愛「え?私そんな顔してた?あはは、ごめんねぇ」

真姫「邪魔するならどこか行ってよ」

愛「ちょっと待った。邪魔しないからさ、もう少し真姫ちゃんのピアノを聴かせてよ」

真姫「なんであなたに聴かせなきゃいけないのよ」

愛「愛さん疲れてるんだよ~癒しが欲しいんだよ~お願い聴かせて真姫ちゃ~ん」スリスリ

真姫「ちょ、離れなさいよ‼」ベシッ

真姫「はぁ……まったくもう、わかったわよ。聴いて満足したら出て行きなさいよ」

62: 2020/02/11(火) 20:03:22.04 ID:2vA+Zba8
~♪~♪~♪~

愛(う~ん……よく音楽は癒しなんて言うけど本当だな、疲れが溶けてくようだよ)

愛「あぁ~」トローン

真姫「……」

真姫「……ふん」

~♪~♪~♪~



ポロロン……ポロン……ロン…

真姫「ーこれで終わりよ」

愛「いやぁよかった、最高だったよ。ブラボー」

真姫「なに心にもない事を言ってるのよ、見え見えのお世辞やめてよね」

愛「真姫ちゃんちょっとひねくれすぎじゃない?お世辞じゃないんだけど」

真姫「そんな疲れきった顔で言われても説得力ないわよ」

愛「確かに半分ボーッとして聴いてはいたけど、よかったのは本当だってば」

真姫「私は真剣に演奏してるの、なら聴く側のあなたも真剣に聴いてもらわないと意味ないでしょ」

愛「それって、愛さんにちゃんと聴いてしっかり評価して欲しいって事?」

真姫「なっ!?そ、それは……」

真姫「違うわよ!!そんなつもりで言ったんじゃないわ」

真姫「大体あなた、ピアノやクラシックの事わかるの?」

愛「わかるよ」

真姫「えっ?」

63: 2020/02/11(火) 20:17:51.07 ID:2vA+Zba8
愛「こう見えて愛さん、ピアノ弾けるんだよ」

真姫「へぇ、意外な特技があったのね」

愛「聴いて驚け、これが愛さんの得意な曲だぁ」

ネコフンジャッタ ネコフンジャッタ

真姫「……」シラーッ

真姫「……あなた、暇なの?私をからかって遊んでるならさっさと出てって欲しいんだけど」

愛「本当に真姫ちゃんは冗談が通じないよねぇ~」

真姫「それが冗談のつもりならつまらないわよ」

愛「はは、遠慮なしのツッコミもたまにはいいもんだね」

愛「さて、と。そろそろ冗談は終わりにしようかな」

真姫「まだやるの?いい加減に」

~♪~♪~♪~

真姫「!?」

64: 2020/02/11(火) 21:31:44.43 ID:2vA+Zba8
~♪~♪~♪~

真姫(こ、これってベートーヴェンの『月光』じゃない)

真姫(なんでこの人がこんな本格的な曲を……)

ポロン……ポロロン……ポロン……

愛「久し振りに弾いたし、こんなもんかな」

真姫「待って、どうしてあなたこんな曲弾けるの?」

真姫「『月光』なんてピアノをやってないと弾けないのに」

愛「ん?あー実は私、ピアノをかじってた時期があってね」

愛「それでこの曲は弾けるんだ」

真姫(かじってた、ですって?しかも久し振りに弾いたとか言ってたし……一体なんなのこの人は)

愛「ちなみにさっき真姫ちゃんが弾いてた曲だけど」

愛「美しく青きドナウだね、真姫ちゃんが真剣に弾いてたから曲の情景が浮かんだよ」

真姫「そ、その通り。美しく青きドナウよ……」

真姫(曲名まで当てて情景まで浮かべてたなんて、ただのチャラチャラした先輩じゃなかったのね)

65: 2020/02/11(火) 21:43:54.98 ID:2vA+Zba8
真姫「……」

真姫「……あなたの事、誤解してたわ」

真姫「最初から私の演奏、ちゃんと聴いてくれていたのね」

愛「だから言ったじゃんよ。最高だよ、ブラボーって」

真姫「言葉が軽すぎなのよ」

愛「どうすれば素直になってくれるのさ」

真姫「私は最初から素直よ‼」プックー

愛「あはは……そりゃ失礼」

愛「ねぇ、あともう少しだけ……聴かせて」

真姫「……もう、しょうがないわね」

真姫「これで最後よ」

~♪~♪~♪~

愛(あ、これ……『子犬のワルツ』だ)

愛(真姫ちゃんのピアノ、暖かく胸に響いて本当癒される)

愛「真姫ちゃん、ありがとう」

真姫「……」

真姫「……どういたしまして」ボソッ

66: 2020/02/11(火) 22:04:23.50 ID:2vA+Zba8
愛「はぁ……真姫ちゃんのピアノ、よかったなぁ~」

愛「あの後『もう満足したでしょ、出てって!!』って言われて追い出されちゃったけど」

愛「少しだけ、真姫ちゃんとの距離が縮まった気がしたなぁ……」

愛「これで一通りの娘達とはふれあえたかな」

愛「あとは……くふふ、やっぱあの娘っしょ」

愛「フルコースの最後はおいしいデザートが待ってるってね」



部室

愛「おーっす‼りなりー、いる?」

しずく「あ、愛先輩」

かすみ「りな子なら来てませんよ」

愛「え?学校には来てると思ったんだけど」

かすみ「まぁ確かに学校には来てますけど……」

かすみ「しず子、あの事愛先輩に言った方がいいかな」

しずく「そうだね、愛先輩にも関係のある事だし」

愛「私に関係……?なに?どうしたの?」

しずく「実は……」

かすみ「りな子、愛先輩に会いたくないって言ってるんです」

愛「……え」

68: 2020/02/11(火) 22:13:21.26 ID:2vA+Zba8
愛「はぁっ、はぁっ……!!」



かすみ『最近、りな子は元気がなくて』

かすみ『理由を聞いても話してくれないんです』

しずく『ただ、愛先輩には会いたくないと言って……私達も心配してるんです』



愛(なんだよそれ、一体どうしたんだよりなりー)



かすみ『どこにいるか、ですか?さぁ、そこまでは』

しずく『私、さっき屋上に向かって行くのを見ました。もしかしたらそこにいるのかも』



愛「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!」

バンッ

愛「りなりー‼」

璃奈「……」クルリ

璃奈「愛さん……」

璃奈「……なにしに、来たの?」

69: 2020/02/11(火) 22:22:29.88 ID:2vA+Zba8
愛「かすみん達から聞いたよ」

愛「私に会いたくないって……」

愛「りなりー……どうしたのさ一体」

璃奈「……」

璃奈「……自分の胸に、聞いてみなよ」

愛「え……?」

愛(な、なんだろ?私なにかしたかな?えぇでもりなりーにはなにも悪い事はしていないはず)

愛「わからないよ……」

愛「私……りなりーにはなにもしてない、心当たりが浮かばないよ」

璃奈「……」

璃奈「今……答え言ったよ」

愛「え?答え?」

璃奈「愛さんは私になにもしていない、そう……なにも」

璃奈「それが、答え……私が会いたくなかった理由」

愛「………あ」

72: 2020/02/11(火) 22:40:22.38 ID:2vA+Zba8
璃奈「最近、愛さんは他の1年生と遊んでるって噂を聞いた」

璃奈「愛さんがそうやって楽しんでる間、私がどんな気持ちだったか、わかる?」

愛「あ……あぁ……」

愛(そうだよそうだよ私のバカタレ‼他の娘達とふれあう事に夢中になってりなりーを放ったらかしにしてた……なんてうかつ)

愛「ち、違うのりなりー。私は」

璃奈「言い訳なんか……聞きたくない‼」

愛「!?」ビクッ

璃奈「愛さんにとって私はどうでもいい存在になったんだよね」

璃奈「私が寂しいって思っても気付いてくれない」

璃奈「愛さんには私の気持ちなんてわからないんだ」

愛「……こんの」ブチッ

愛「いい加減に……しろぉ‼」

73: 2020/02/11(火) 23:00:28.92 ID:2vA+Zba8
璃奈「!?」ビックゥ

愛「……」ツカツカ

璃奈「な、なに……?」

ギュウッ

愛「ごめんよ……りなりー」

愛「ずっと、寂しい思いをしてたんだね」

愛「本当……ごめん」

愛「でもさ、りなりー」

愛「私の話も聞いてよ……」

愛「私にだって理由があるんだよ」

愛「私、他の1年生とふれあってきたけど」

愛「最後にふれあうのはりなりーって決めていたんだ」

愛「りなりーを忘れていた訳じゃないんだよ」

愛「都合のいい言い訳だと思われてもしょうがない」

愛「でも、それでも私はりなりーの事、大好きなんだ」

璃奈「愛さん……」

愛「ごめん、自分でもなに言ってるかわからないや」

愛「いいよ、私の事嫌いになったならそれで。ただ、事情だけは知ってもらいたかったから」

璃奈「……」

璃奈「……ばか」

璃奈「私が、愛さんの事嫌いになんてなる訳……ないでしょ」ギュウッ

璃奈「私の方こそ、やきもち焼いて……ごめんなさい」

璃奈「私も愛さんの事、大好きだよ」

74: 2020/02/11(火) 23:24:01.96 ID:2vA+Zba8
愛「へぇ、りなりーやきもち焼いてたんだ」

愛「かわいいところあるんだねぇ」

璃奈「う、うるさい。この八股ギャル」

愛「はっ?ちょ、なにそれ割りと傷つくんですくど。今日のりなりー毒舌」

璃奈「浮気者にはお似合いの称号」

愛「誰が浮気者だこら~愛さんはりなりーひと筋なんだからな~」スリスリ

璃奈「そうやってスキンシップでごまかせると思ったら大間違い」プイッ

愛「えぇ?じゃあどうすればいいのさ」

璃奈「誓いなさい」

璃奈「今度他の1年生と遊ぶ時は私も誘う事」

璃奈「私も、他の娘達と仲良く……なりたい」

愛「りなりー……」

愛「誓います、今度はりなりーと一緒に皆でふれあいます」

璃奈「愛さん。約束、だよ」ギュッ

愛「もちろん、どこに行くのも一緒だよ。りなりー」ギュウ~

愛(りなりーには寂しい思いさせちゃったけど)

愛(それでも1年生達とふれあえてそれぞれの娘の知らない一面が見れたり仲良くなれたから)

愛(色々あったけど愛さんのふれあい作戦は逆転大勝利!!)

76: 2020/02/11(火) 23:26:34.87 ID:2vA+Zba8
長くなりましたがこれで終わりです。愛さんの年下好きが不快に思ったらごめんなさい。最後まで読んでいただきありがとうございました。

77: 2020/02/11(火) 23:31:25.89 ID:wLFucKkz
おつおつ

78: 2020/02/11(火) 23:36:44.91 ID:jTOVhfo1
良かったよ

79: 2020/02/11(火) 23:45:21.04 ID:iZcPh5JZ
おつおつ

81: 2020/02/12(水) 00:10:31.73 ID:d3dXlhZp
面白かったよ
愛さんのSSは貴重だしまた読みたい

82: 2020/02/12(水) 00:52:10.15 ID:sidrNk9F

83: 2020/02/12(水) 00:53:04.29 ID:eizfE5DY
八股ギャル、大概に酷くて草

84: 2020/02/12(水) 12:29:50.94 ID:VIQezSkd

愛さんにワロタ

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1581383335/

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