【SS】ことり 「私の来世!?」

SS


1: 2016/02/23(火) 22:59:30.04 ID:jJNPk51g.net

2: 2016/02/23(火) 23:00:12.57 ID:jJNPk51g.net
~とある病室~

μ's解散から70年。ことりは病室のベッドの上で横になっていた。……ことりはもう、自分の死期が近いことを悟っていた。


ことり 「私の人生、色んなことがあったな……。せめて、死ぬ前にもう一度だけ、穂乃果ちゃん達に会いたかった…な…。」

ことり 「あなた…私ももうすぐそっちに行くね。」

娘 「お母さん、そんなこと言わないで! 私お母さんとまだ一緒にいたいよ!」

孫 「おばあちゃん! いやだよぅ!」

ことり 「ごめんね……。私、もう……。」

3: 2016/02/23(火) 23:01:13.55 ID:jJNPk51g.net
…気付けばことりは、広い草原の中にいた。あたりを見回しても、建造物どころか、人影一つ見当たらない。


ことり 「ここは? ……ってあれっ? 私いつの間に音ノ木坂の制服を?」

ことり 「しかも顔にシワがない! 私、女子高生の時の体になってるんだ! すごいすごい、体が軽いよ!」


約2年振りに自分の足で歩けた。嬉しくて走り回っていると、目の前に突然一つの建物が現れた。看板には、『不動産』と書かれている。


ことり 「こ、ここは? ……ピィッ!?」


ことりが入ろうとすると、扉から勢いよく鶏が飛び出してきた。鶏は元気よく鳴きながら走っていき、徐々にその姿は見えなくなっていった。


ことり 「な、何今の……。取り敢えず、入ってみよう。」


ことりが中に入ると、そこには1人の青年がいた。スーツをしっかり着こなし、いかにも好青年という印象だ。


青年 「いらっしゃいませ。どうぞ、おかけ下さい。」

ことり 「えっ、あ、はい。どうも……。」

4: 2016/02/23(火) 23:02:42.85 ID:jJNPk51g.net
案内されたとおり椅子に座ると、机を挟んで向かい側に青年が座り、近くにあったパソコンを操作しだした。


ことり 「あの、ここは一体……?」

青年 「『来世不動産』です。」

ことり 「来世不動産?」

青年 「えぇ。一つの人生の契約を終えた方に、次に生まれ変わる物件を紹介する場所です。」

ことり 「物件?」

青年 「まぁ要するに、魂が次に宿る体のことです。」

ことり 「なるほど……。つまり、私は死んだんですね。」

青年 「ご存知なかったですか?」

ことり 「いえ、そんなことは。でも、実感がないというか。」

青年 「分かります。皆さんそうおっしゃいますから。」

ことり 「そうなんですか。」


机の上にあった資料に目を通してみると、たしかにそれっぽいことが書いてある。

『超人気物件! パンダ』123万ポイント
『快適な暮らし。大富豪』74万3千ポイント

など、様々な “物件”がある。
それらを眺めていると、青年がお茶を出してくれた。

5: 2016/02/23(火) 23:04:49.15 ID:jJNPk51g.net
青年 「えっと、南ことりさんですね。」

ことり 「あっ、はい。」

青年 「どのような物件をお探しで?」

ことり 「そうですね…。次は、日本人で男性がいいですね。」

青年 「異性になりたいんですか。」

ことり 「はい。やっぱり女の子と繋がれないのはちょっと……。」

青年 「繋がれない……?」

ことり 「こっちの話です。」

青年 「そうですか……。えっと、人間をご希望ですね。」

ことり 「人間じゃない場合もあるんですか?」

青年 「勿論です。特に人間は希望者が多いので、人間を希望する場合は、それなりに前世の行いが良くないといけません。」

ことり 「前世の行い?」

青年 「はい。お客様の前世の行いを足し引きして、人生のトータルポイントを出します。それで次に選べる物件が決まるわけです。」

ことり 「なるほど……。それで、私のポイントはどのくらいですか?」

青年 「少々お待ちください。今出しますので。」


そう言うと、青年はまたパソコンを操作し出した。

6: 2016/02/23(火) 23:07:20.41 ID:jJNPk51g.net
青年 「お待たせしました。こちらにお客様の前世の行いが全て書き出されています。」

ことり 「全て?」

青年 「はい。いいことも悪いことも普通のことも、その事柄と数が全てもれなく記載されています。」

ことり 「す、すごい!」

青年 「例えばこの31390という数字は、お客様が生前、顔を洗った数になります。」

ことり 「そ、そんな細かいことまで……。」

青年 「えっと、特に目立つところで言うと……これですね、131。」

ことり 「それは何の数ですか?」

青年 「これはお客様が男をフッた数ですね。モテたんですね。」

ことり 「そ、そんなにされたかなぁ。」

青年 「お客様、生前結婚なされていた方以外の人からの告白は、すべて断ってたみたいですね。一途なんですね。」

ことり 「ありがとうございます。で、これはプラスとマイナス、どっちになるんですか?」

青年 「そうですね、これはなかなか判断が難しい所ですので、プラマイゼロになります。」

ことり 「へぇ……。」

青年 「あとは……えっ?」

ことり 「どうしました?」

7: 2016/02/23(火) 23:08:46.54 ID:jJNPk51g.net
青年 「この327という数字なんですが、好きな人のリコーダーを吹いた数です。あなた何やってるんですか!?」

ことり 「えっ! そんなことまでバレちゃうの? 恥ずかしい!」

青年 「これ普通は男がやることですよ! 何男のリコーダー吹いて喜んでるんですか! 」

ことり 「えっ、ことりが吹いてたのは、男の人のリコーダーじゃないよ。」

青年 「えっ」

ことり 「えっ」

青年 「……この話は止めましょう。あ、これは勿論マイナスポイントになります。」

ことり 「そんなぁ!」

8: 2016/02/23(火) 23:10:22.74 ID:jJNPk51g.net
青年 「えっと、どれどれ……はぁっ!?」

ことり 「今度は何ですか?」

青年 「えっと、好きな人が汗を拭くのに使ったタオルの匂いを嗅いだ数……267!?」

ことり 「あー。そんなになるかなぁ。」

青年 「本当にやってたんですか!? 男の汗が染み付いたタオル嗅いで何が嬉しいんですか!?」

ことり 「だから、それも男の人のじゃないです!」

青年 「えっ」

ことり 「えっ」

青年 「……マイナスポイントです。」

ことり 「信じられない!」

青年 「信じられないのはあなたの思考回路です……。」

9: 2016/02/23(火) 23:12:35.54 ID:jJNPk51g.net
青年 「もうこれ以上見るの嫌だ……。」

ことり 「波乱の人生だったなぁ。」

青年 (被害者の方がな。)

青年 「えっと……は?」

ことり 「どうしましたー?」

青年 「好きな人の下着を盗んだ回数、81。」

ことり 「意外と少ないなぁ。」

青年 「馬鹿かお前はっ!?」

ことり 「うわぁ! ついに敬語じゃなくなった!」

青年 「何なんだよ! 確かに好きな人の下着盗んだやつなんて何人も見てきたよ! でも81って! しかも少ないって! お前なんなんだよ!」

ことり 「枚数で言ったらその3倍は……。」

青年 「その人も気付けよ! 警察いけよ! そしてあれか、それも男の人じゃねぇんだな!?」

ことり 「はいっ!」

青年 「あらいい返事ですこと!」

ことり 「ありがとうございます! じゃあこれはプラスポイントですね!」

青年 「マイナスだマイナス! てかお前もう生まれ変わるな! 生まれ変わった先の生物に失礼だろ!」

ことり 「そんなぁー。」

10: 2016/02/23(火) 23:14:05.60 ID:jJNPk51g.net
青年 「えっと……先程は取り乱してしまい、申し訳ありませんでした。お客様のトータルポイントが出ました。」

ことり 「いえいえ、気にしないでください。で、どうでした?」

青年 「2万ポイントです。」

ことり 「それは低いんですか?」

青年 「今までいろんなお客様を相手してきましたが、最低点です。」

ことり 「えぇ!? 私、いい行いも結構したと思うんだけどなぁ。」

青年 「悪い行いのインパクトと回数が多すぎるんです。」

ことり 「はぁ……。それで、私は人間になれますか?」

青年 「無理です。」

ことり 「えっ。いや、いい環境に生まれなくてもいいんで。」

青年 「無理です。」

ことり 「えぇー……。じゃあ何にならなれるんですか?」

青年 「そうですねぇ……じゃあ、こんなのはいかがですか?」

ことり 「……こ、これは!」

11: 2016/02/23(火) 23:15:42.43 ID:jJNPk51g.net
それから私は、1匹のノミに生まれ変わった。人から人へと移っていき、ついにお気に入りの娘の元へとたどり着いた。顔、体格、性格……どれも穂乃果ちゃんにそっくり♪


ことり 「はぁ……シアワセ。」


しかし幸せな時間というものは、そう長く続かない。ノミの寿命は短い。私は、その娘の香りに包まれながら、息を引き取った。

ーーーーーーーー
ーーーーー
ーー


青年 「……。」

ことり 「また来ちゃった。」

青年 「帰れぇぇぇ!!!」


ことり編 終わり

12: 2016/02/23(火) 23:16:45.36 ID:jJNPk51g.net
めちゃくちゃ短いですが、これにて終わりです。読んでくださった方、ありがとうございました。

もし、もし評判がよければ他のメンバーのお話も書いてみようと思います

18: 2016/02/23(火) 23:29:50.91 ID:jJNPk51g.net
~星空凛 編~

青年 「お待たせしました、お客様。」

凛 「おぉ! 凛の行いはどんなものかにゃー?」

青年 「えっと……いじめられっ子を助けた回数 180!?」

凛 「凛、小学校の先生をしてたから、いじめられてた子をよく助けてたにゃ!」

青年 「なるほど。これはプラスポイントですよ。しかも、かなり高い数値です。」

凛 「本当に!? やったー!」

19: 2016/02/23(火) 23:33:48.45 ID:jJNPk51g.net
青年 「あとは……ん? 遊具を壊した回数、27回。」

凛 「あっ……そ、それは……。にゃはは。」

青年 「何やってるんですか、あなた……。」

凛 「生徒のみんなと一緒に遊んでる時、ついつい楽しくなっちゃって……。」

青年 「あぁ、なるほど……。残念ですが、これはマイナスポイントになります。」

凛 「みんな笑ってくれてたんだけどなぁ……。」

青年 (それは嘲笑では?)

21: 2016/02/23(火) 23:43:34.39 ID:jJNPk51g.net
青年 (でもよかった……。この人はいい人そうだ。これならポイントもかなり…)

青年 「ん?」

凛 「どうしたにゃ?」

青年 「隠し撮りをした回数…247。」

凛 「にゃぁぁあ!?」

青年 「こ、これは一体どういう…。てかこれ、普通に犯罪の項目ですからね?」

凛 「だ、だって! かよちんが凛と一緒に着替えるの急に恥ずかしがるから! かよちんの着替えを見れなくなるの、寂しくて……グスッ。」

青年 「……失礼ですが、そちらの方は男の人…。」

凛 「女の子にゃ。」

青年 「またか……。」

23: 2016/02/23(火) 23:51:53.32 ID:jJNPk51g.net
青年 「えっと、相手が男であれ女であれ、これは犯罪項目ですので、大きなマイナスポイントとなります。丁度、いじめられっ子を助けた分のポイントが打ち消される感じですね。」

凛 「せ、折角のポイントがぁ……。」

青年 「あと目に付くのは……寝ている女の子に性的行為をした数、27ァッ!?」

凛 「なぁっ!? 凛そんなハレンチなことしないにゃ!」

青年 「いぃやっ! このデータは嘘をつかない! しかも見ろ、ついにデータ自体も被害者の性別を書くようになっちゃいましたよ!」

凛 「で、でも凛、寝ている女の子にえ ちなことなんて……。」

青年 「……そのかよちんって娘にしたんじゃ?」

凛 「そんなことしないにゃ! 確かに一緒に寝たりしたこともあったけど、え ちなことなんてしてないにゃ!」

青年 「…このデータ、実際その行為をした時の動画も見れるんですよ。」

凛 「なっ…!」

青年 「…じゃ、再生しますね。」

凛 「や、やめるにゃぁぁぁ!!!」

25: 2016/02/23(火) 23:59:31.56 ID:jJNPk51g.net
~花陽&凛 inホテル~


花陽 「明日はいよいよライブか…。海外の人に見てもらうなんて、緊張しちゃうね。」

凛 「大丈夫! この日のために、みんなで練習したんだよ!?」

花陽 「そうだね、頑張ろ! …さて、そろそろ寝ようか。」

凛 「うん!」

ーーーーーーーー

青年 「へぇ…。アイドルやってたんですね。」

凛 「う、うん。穂乃果ちゃんとかことりちゃんとかと一緒にスクールアイドルをやってたにゃ。」

青年 「…ことり?」ピクッ

凛 「? もしかして知ってるにゃ?」

青年 「いや、あんなノミ野郎は知らない。」

凛 「ノミ…?」

青年 「い、いえ。こっちの話です。さて、そろそろ問題のシーンですよ。」

凛 「ひぃっ!」

青年 「…やはり心当たりが?」

凛 「な、何のことか分からないにゃ!」

28: 2016/02/24(水) 00:06:40.70 ID:sVNl5E30.net
花陽 「あ、あの…凛ちゃん?」ゴソッ

凛 「何、かよちん。」

花陽 「そこ、私の太ももなんだけど…んっ…///」

凛 「凛知ってるよ。かよちん、ここ撫でられると気持ちよくなるんでしょ?」

花陽 「り、凛ちゃん? 誰からそんなこと…ピャァッ!?」

凛 「かよちんの胸、柔らかいにゃー。」モミモミ

花陽 「り、凛ちゃん…/// 今の凛ちゃんおかしいよ。や、やめ……あっ///」

凛 「…今日は寝かせないよ、かよちん。」

ーーーーーーーー

凛 「にゃぁぁぁぁぁっ!!!」ガンガンッ!

青年 「あっ、ちょっ! パソコン叩かないで! 壊れる!」

凛 「今すぐ再生やめるにゃ! お願いもう許して! ポイント0でいいからぁ!」

青年 「わ、分かりました! 動画止めるんでパソコン叩くのやめて!」

凛 「う、うぅぅ…凛は悪い娘にゃ。」

青年 (自覚があるだけ、あのノミよりマシか。)

29: 2016/02/24(水) 00:14:30.79 ID:sVNl5E30.net
青年 「…トータルポイントが出ました。」

凛 「うっ…うっ…ひぐっ。」グスッ

青年 「えっと、トータルポイントは8万1000点でした。ご希望の人間になるのは、不可能ではないですが、厳しいと思います。」

凛 「もういいにゃ。凛はもう、人間になっちゃいけないにゃ…。グスン。」

青年 「あ、あの。元気だしてください。あなたの4分の1ほどの点数の人もいましたから。」

凛 「そんな奴と比べないで欲しいにゃ。」

青年 (聞いてるかノミ野郎。お前、過去の仲間に“そんな奴” 呼ばわりされてるぞ。)

青年 「あ、あの。いい条件の人間ではないですが、こんなのならありますよ。」

凛 「にゃ…?」

【人間】売れないラーメン屋店主! 8万2千点


凛 「ら、ラーメン!」ジュルリ

青年 「ラーメンが好物だとお聞きしましたので。どうでしょう?」

凛 「で、でも、1000点足りないにゃ…。」

青年 「オマケしますよ。」

凛 「本当ですかっ!?」

青年 「私もいいもの見せてもらえましたし。」

凛 「? 何か言ったにゃ?」

青年 「いえ何も。」

30: 2016/02/24(水) 00:21:03.69 ID:sVNl5E30.net
それから凛は、ラーメン屋の店主になったにゃ。小学校の先生もいいけど、やっぱりこの仕事は楽しいにゃ!…お客さんは、あまり来ないけど。


凛 「へいらっしゃい! お、お嬢ちゃん1人にゃ?」

女の子 「は、はい。ごめんなさい…。」

凛 「何言ってるにゃ。大歓迎にゃ! で、ご注文は?」

女の子 「のりラーメンで。」

凛 「何言ってるにゃぁぁ!? ラーメンといえば玉ねぎかニラだにゃ!」

女の子 「えぇ!? メニューにあるのに!?」

凛 「客寄せ用にゃ!」

女の子 「えぇー…。じ、じゃあ玉ねぎで。」

凛 「あいよ! ちょっと待ってるにゃ!」


女の子 「……うーん。やっぱりこの服着ると、ちょっと痒いなぁ。」

ノミ 「う、うぅぅ…。ニンニクの匂い…。グハッ!」


少女の匂いを好んで住み着いたノミは、ニンニクの匂いであっさり死んだのだった。

星空凛編 終わり

31: 2016/02/24(水) 00:23:27.78 ID:sVNl5E30.net
凛ちゃん編でした。ありがとうございました

安易な百合ネタ失礼しました

38: 2016/02/24(水) 00:57:04.80 ID:sVNl5E30.net
~西木野真姫 編~

青年 「お待たせしました…お客様のデータ出ました。」

真姫 「あの、大丈夫? 相当疲れてるようだけど。」

青年 「あ、いえ。最近ハードな客が多くてですね…。」

真姫 「大変なのね。」クルクル

青年 「えっと、お客様の生前の行いですが…人の命を救った回数 380!?」

真姫 「そりゃ私医者だもの。患者の命なら、何回も救ってるわ。」

青年 「なるほど…。これはもう、ご希望の人間になれるのはもう確定的ですね。」

真姫 「ま、トーゼンよね。」クルクル

40: 2016/02/24(水) 01:06:01.82 ID:sVNl5E30.net
青年 (あの二人の担当をして以来、人間の女性を相手するのは少しトラウマになっていたが…この人は大丈夫そうだな。)

青年 「その他ですと…あっ…。」

真姫 「? どうしたの?」

青年 「いや、あの…この 人の女を寝とった回数 1 って…。」

真姫 「あぁ、花陽のことね。」

青年 「お前もかぁぁぁぁ!!!?」

真姫 「な、何いきなり大声出してるの!? イミワカンナイ!」

青年 「意味わかんないのはこっちだよ! 何!?何なの!? 現世では人間はもう異性との恋はしなくなったのかえぇ!?」

真姫 「何言ってるのよ。ちゃんと男の人とも恋したわよ。ただ花陽はその…別なのよ。」

青年 「それが意味わかんねぇっつってんだよ!」

41: 2016/02/24(水) 01:12:44.39 ID:sVNl5E30.net
青年 「取り敢えず、これはマイナスポイントになりますから! いいですね!?」

真姫 「えぇ。…あの頃は、私も若かったわね。凛、本当にごめんなさい。」

青年 「凛? まさか、星空凛か?」

真姫 「あら、知ってるの?」

青年 「まぁ、ちょっとした縁で。」

青年 (花陽ちゃん、とんだ災難だな。)

青年 「えっと、他の項目で目に付くものはっと…。」

真姫 「まぁ、いい行いしか見つからないでしょうけど。」

青年 (人の女寝とった奴が何を言う。)

青年 「うーんと… 女の子に無理矢理性的行為 1…。はぁ、もう正直慣れてきましたよ。これも花陽ちゃんにですか?」

真姫 「あ、いえ。それはにこちゃんね。」

青年 「お前二股かけてたのかよぉぉぉ!!?」

43: 2016/02/24(水) 01:19:43.23 ID:sVNl5E30.net
真姫 「二股とは人聞きの悪い!」

青年 「二股に人聞きがいいも悪いもあるか馬鹿!」

真姫 「にこちゃんが私を誘うような態度をとるから! 私は悪くないわ!」

青年 「にこさん…可哀想に。でも、1度だけで踏みとどまったんですね。」

真姫 「え? 何回もやったわよ?」

青年 「えっ、でもデータでは1回って。」

真姫 「あぁ、2回目からはお互い同意の上だったからかしら。」

青年 「にこ、お前もそっち側かぁぁぁ っ!!!」

真姫 「さっきからどうしたのよ? 普通のことじゃない。人間の性よ。」

青年 「異性とやれ! 同性同士ってのは普通じゃないんだよ!」

真姫 「あら、それは差別かしら。」

青年 「うるさい! くそっ! 医者だからっていい人だと思った俺が馬鹿だった!」

真姫 「にこちゃん、元気でやってるかしら。」

46: 2016/02/24(水) 01:25:55.76 ID:sVNl5E30.net
青年 「お客様のトータルポイントが出ました……。11万ポイントです。」

真姫 「あら。物件の相場を見る限り、相当高いんじゃない?」

青年 「そうですね。人間としては、素晴らしい数値です。」

青年 (納得いかねぇ…。)

真姫 「で、私の希望はこれなんだけど、大丈夫かしら。」

青年 「はぁ。…ん? あの、これでいいんですか?」

真姫 「えぇ。何か問題でも?」

青年 「い、いえ。ただ、あなたの得点でしたら、もっといい物件にも…。」

真姫 「私がそれがいいって言ってるんだからいいの。」

青年 「分かりました…。それではここに判子お願いします。」

真姫 「…はい。じゃ、また次よろしく。」

青年 「…ありがとうございました。」

青年 (二度とゴメンだ。)

47: 2016/02/24(水) 01:30:00.64 ID:sVNl5E30.net
そして私は、新たな人生を歩み出した。私が生まれ変わったのは、日本人の女の子。
前世と違うところは、『普通』だということ。家はお金持ちではない。私自身アイドルという理由でもない。普通の女の子。

そう、私は普通の生活をしてみたかったのだ。この環境で、新たな発見をしたかったのだ。今まで見えなかったものが、この世界では見える。なんて素晴らしいんだろう。


真姫 「…あら?」

真姫 「あの女の子…可愛いわね。」ジュルリ


西木野真姫 編 終わり

50: 2016/02/24(水) 01:40:42.30 ID:sVNl5E30.net
~矢澤にこ 編~

青年 「はい、これデータ。」

にこ 「雑っ!? 一生を決めることなんだから、もっと丁寧にやりなさいよ!」

青年 「あぁ、すいませーん。」

にこ 「な、なんなのよアンタ! 初対面なのに!」

青年 「私は何故か、初対面であるアナタがどんな人間か知ってるんですよ。」

にこ 「はぁ!? はっ!もしかして、あなた私のストーカーでしょ!?」

青年 「はぁ?」

にこ 「にこは生前、アイドルをやってたのよ!」

青年 「あぁ、知ってます。スクールアイドルですよね。」

にこ 「あぁ…そんな時代もあったわね。」

青年 「…? ということは、アナタは本当のアイドルを?」

にこ 「そうよ! あなた知らないの!?」

51: 2016/02/24(水) 01:45:37.25 ID:sVNl5E30.net
にこ 「にこと言えば、大銀河宇宙ナンバーワンアイドルよ!」

青年 「すいません。私はそっちの世界の住民ではないので。」

にこ 「でも私がスクールアイドルやってたこと知ってたじゃない。」

青年 「ほかのお客様から聞いたんです。」

にこ 「何それ! プライバシーの侵害じゃない! 誰!?」

青年 「あなたのよく知る人物ですよ。もう他の物件に宿ってますが。」

にこ 「……そう。」

青年 「さて、あなたの生前の行いですが…… 人を笑顔にした回数 測定不能…?」

にこ 「にこはアイドルだもの! 当然よ!」

青年 「こんな数値見たのは初めてです…。どうやら私はあなたのことを見誤ってたようですね。」

にこ 「ようやく分かってくれたわね。私の偉大さに!」

52: 2016/02/24(水) 01:50:41.66 ID:sVNl5E30.net
青年 「でもこの次の項目…スキャンダルを起こした回数 3。」

にこ 「げっ…。」

青年 「これは大きなマイナスですよ。えっとお相手は…?」


『矢澤にこ、まさかの同性愛者!?』
『相手は高校時代の同級生!』


青年 「そうだったぁぁぁ!!!」

にこ 「ひぃっ!」

青年 「危うく忘れるところだった! お前もそっち側だったな! くそっ!どいつもこいつも!」

にこ 「な、何なのよアンタ…。」

青年 「マイナスしておきますね! はいっ!この話もう終わり!」

にこ 「アンタから始まったんじゃない…。」

53: 2016/02/24(水) 02:00:01.90 ID:sVNl5E30.net
にこ 「あの、もう生前の話はいいから、来世のことさっさと決めていい?」

青年 「えっ?」

にこ 「なんか、ちょっとあなた怖いわ。」

青年 「ま、まぁ構いませんが。」

青年 (何故俺が怖がられなくちゃならん。むしろ怖いのはこっちだ。)

青年 「えっと、希望の物件は?」

にこ 「人間。女の子がいいわね。」

青年 「えっと…お客様のポイントは9万2千点ですね。さすがアイドル、高いですね。このポイントなら、人間への入居も可能ですね。」

にこ 「あっ、もう一ついい?」

青年 「なんでしょう?」

にこ 「普通に異性を好きになる女の子にして。」

54: 2016/02/24(水) 02:06:03.95 ID:sVNl5E30.net
青年 「えっ……。えぇぇぇ!!!?」

にこ 「なんでそんなに驚くのよ!?」

青年 「えっ、いやだって…。」

にこ 「私も、普通の恋がしてみたいのよ。男の人と恋をして、結婚して子供を産んで…。そんな人生を送りたいの。」

青年 「…分かりました。それでは、こちらはどうでしょう?」

にこ 「…なるほど、悪くないわね。分かった。これにするわ。」

青年 「では、こちらに判子を。」

にこ 「…ん。」

青年 「ありがとうございました。」

にこ 「あ、あともう一つだけいい?」

青年 「はい?」

にこ 「もし、今後μ'sのみんながここに来ることがあったら、伝えておいて欲しいの。」


にこ 「私は元気にやってるわ。」


青年 「……承知しました。」

にこ 「頼むわよ。じゃ。」

青年 「……。」

55: 2016/02/24(水) 02:09:31.89 ID:sVNl5E30.net
そして私は、一人の女の子として新たな人生を歩み出した。今は漫画家志望の高校生。夢に向かってひたすら努力する、そんな女の子。
そして、高校では好きな人もできた。サッカー部のキャプテン、彼と結ばれる日は来るのだろうか。それは分からない。
でも、結果がどうなろうと、これが私の人生。新しい、私の人生だ。精一杯、楽しもうじゃないか。


にこ 「ふんふんふーん♪」

?? 「あの女の子…可愛いわね。」ジュルリ

にこ 「…!?」ゾクッ

にこ 「き、気のせい…かしら?」


矢澤にこ 編 終わり

56: 2016/02/24(水) 02:10:39.15 ID:sVNl5E30.net
にこ編が終わったところで、今日は寝させていただきます。

もし今日の昼までスレが残ってたら続きを書こうと思います。それではみなさん、最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

69: 2016/02/24(水) 09:21:51.40 ID:sVNl5E30.net
~園田海未 編~


青年 「お客様のデータ出ました。」

海末 「あ、ありがとうございます。」

青年 「ところで、あなた元μ'sの園田海未さんですよね?」

海末 「は、はい! μ'sのこと、ご存知なのですか?」

青年 「えぇ。何人かここでお会いしましたから。」

海末 「ここで!? ということは、他のみんなももう…うっ……。」グスンッ

青年 「な、泣かないで下さい! 大丈夫、みなさんいい来世を送ってますよ。」

海末 「そうですか…。それはよかったです。」

青年 (約一名除いてな。)

海末 「みなさん、元気でやってるでしょうか…。」

70: 2016/02/24(水) 09:35:18.39 ID:sVNl5E30.net
青年 (慎重に、慎重にだぞ俺…。一見まともそうだが、こいつもどこかに地雷があるに違いない!)

青年 「えっと、目に付くものは…。」

海末 「自分の人生を覗かれるのは、恥ずかしいものですね…。」

青年 「大事な手続きですので…すいません。えっと……虫を故意に倒した数 4。」

海末 「それは高いんですか?」

青年 「とんでもない。むしろ優秀な方です。ほとんどの人間は、3桁行きますから。」

海末 「母から無益な〇生はするなと、小さい頃から教わってましたから。」

青年 (これはもしかして、もしかすると、本当に大丈夫なのでは?)

青年 「さ、残りも見ていきまし……。」

海末 「? どうしました?」

71: 2016/02/24(水) 09:51:06.16 ID:sVNl5E30.net
青年 「い、いえ…この81って数なんですが…。」

青年 (ものすごいデジャヴを感じる)

海末 「それは何の回数なんですか?」


青年 「…親友の下着を盗んだ回数です。」


海末 「あー。それくらいやりましたねー。」

青年 「罪悪感0かよぉぉっ!?」

海末 「そんな、罪悪感はあります! 私が下着を盗んだせいで、次の日その親友に軽蔑の目で見られると…ゾクゾクしたんですっ! 」

青年 「それ罪悪感って言わねぇからなっ!? てかお前思いっきりバレてんじゃねぇか!」

海末 「穂乃果は犯人がわかっても言わない、優しい娘なんです!」

青年 「その優しい娘に何してんだよお前!? しかもあれか! ことりと同じ回数ってことは…。」

海末 「! ことりを知ってるのですか!?」

青年 「あの変態のことならよく知ってるよ!」

海末 「共犯なんです!」

青年 「もうやだぁぁぁぁ!!」

72: 2016/02/24(水) 10:03:25.66 ID:sVNl5E30.net
海末 「盗んだ穂乃果の下着を身にまといながら夜道を走る私達の姿は、まるで鼠小僧様のようでした…!」

青年 「謝れ! 鼠小僧に今すぐ謝れ!」

海末 「これはプラスポイントですか!?」

青年 「マイナスに決まってんだろ!? あのノミ野郎もそうだが、どうしてそれがプラスになるなんて思うんだよ!?」

海末 「だって穂乃果はそんなに嫌がってなかったですし!」

青年 「なんで分かるんだよ?」

海末 「たまに、『今日のおすすめだよ♡』って書かれた紙が下着に挟まってましたし!」

青年 「穂乃果ぁぁぁぁ!!!」

73: 2016/02/24(水) 10:16:32.68 ID:sVNl5E30.net
青年 「えっと…お客様のトータルポイントが出ました。」

海末 「ど、どうでしょう?」

青年 「6万2千ポイントです。これだと、人間になるのは難しいですね。」

青年 (俺にはわかる。こいつを人間に転生させちゃダメだ。)

海末 「いえ、私の希望は人間ではないので、大丈夫です。」

青年 「あれ、そうだったんですか。ちなみに何をご希望で?」

海末 「花です。」

青年 「花ぁっ!?」

74: 2016/02/24(水) 10:23:51.66 ID:sVNl5E30.net
海末 「魂は森羅万象に宿ると聞きましたが…無理ですか?」

青年 「いえ、大丈夫ですが…。本当によろしいんですか?」

海末 「はい。」

青年 「どの花にします? いろんな花がありますが…。」

海末 「そうですね、それじゃあ…。」

75: 2016/02/24(水) 10:34:45.79 ID:sVNl5E30.net
そして私は、一輪のアジサイに生まれ変わりました。花というのはいいものです。体全体で日の光を浴び、時には雨に打たれ、それでも美しく咲き続ける。
…そういえば、私の前世もこんな感じだった気がします。私を照らしてくれる、眩しい太陽の元で、楽しい時も辛い時も全力で生きていました。
私は今回の人生で、そんな太陽のような存在に出会えるでしょうか。


女の子 「…ん?」

女の子 「このお花綺麗! 持って帰って髪飾りにしよっと!」ブチッ

海末 「あっ」


私はとある女の子に摘まれ、髪飾りとなりました。どうやら地面から離れても、枯れるまではこの一生は続くようです。これも、私の一生なのですね。
…この女の子を見ていると、不思議と穂乃果のことを思い出します。彼女が、私の太陽となってくれるのでしょうか。今から楽しみです。

園田海未 編 終わり

76: 2016/02/24(水) 10:37:26.91 ID:sVNl5E30.net
続きはお昼に。

81: 2016/02/24(水) 11:46:59.38 ID:sVNl5E30.net
~小泉花陽 編~


青年 「…お待たせしました。データ出ましたよ。」

花陽 「あ、ありがとうございます!」

青年 (ついに、この娘が来てしまったか…。)

青年 「うっ…うぅう…。」グスンッ

花陽 「エェェ!? ど、どうしたんですか!?」

青年 「い、いえ…同情してしまって。」グスッ

花陽 「ど、同情…?」

青年 「花陽さんっ!」ガシッ

花陽 「ピャァッ!? な、何ですか?」

青年 「生前…特に高校時代、よく頑張りましたね…。」

花陽 「高校時代…? あぁ…そうですね。スクールアイドル、頑張りました。」

青年 「それもですけど…本当、よく頑張りましたね。」

花陽 「は、はぁ…。ありがとうございます。」

青年 「さて、花陽さんの生前の行いを見てみますか。」

82: 2016/02/24(水) 11:48:17.20 ID:sVNl5E30.net
青年 「ご飯を残した回数 0!」

花陽 「出されたものはちゃんと食べる主義ですから!」

青年 「偉いですね。これはもちろん、大きなプラスになります。」

青年 (あぁ…癒しだぁ…。)

花陽 「あ、ありがとうございます!」

青年 「えっと、他には……。あっ」

花陽 「? どうしたんですか?」

青年 (俺もうこの仕事やめたい。)

83: 2016/02/24(水) 11:50:23.69 ID:sVNl5E30.net
青年 「女の子を夜這いをした回数…12。」

花陽 「少なかったですか?」

青年 「多いよぉぉっ!」

青年 「やり過ぎだよ! てか普通は0なんだよ! もう何なんだよ!? お前ら全員サイコパスなの!?」

花陽 「サイコパスだなんてそんな…ひどいですっ!」

青年 「うるさいっ! 相手は誰だ!?」

花陽 「凛ちゃんです!」

青年 「笑顔で答えるなぁぁぁ!!」

花陽 「そっちが聞いたんですよ!?」

青年 「真姫ちゃんは!? 真姫ちゃんはどうしたんだよお前!?」

花陽 「真姫ちゃんの時は向こうからしてくるから…。凛ちゃんはなんかこう、襲いたくなるっていうか…。」

青年 「凛ちゃんに迫られて恥ずかしがってた花陽はどこいったんだよぉぉ!!」

花陽 「やられたらやり返す手技なんです♪」

84: 2016/02/24(水) 11:52:25.52 ID:sVNl5E30.net
青年 「…トータルポイントが出ました。」

花陽 「うわぁ、楽しみだなぁ。」

青年 (よくそんなセリフが言えるな…。)

青年 「えっと、9万2千点ですね。」

花陽 「人間にはなれそうですか?」

青年 「…まぁ、なれるでしょうね。」

花陽 「やったぁ!」

青年 (真姫の時もそうだったが、やっぱり納得いかねぇ。)

青年 「えっと、じゃあ日本人女性でいいですね。ちょうどいい物件あったかな…。」

花陽 「あ、あの!」

青年 「はい? なんでしょう。」

花陽 「一つだけ、お願いがあるんです!」

85: 2016/02/24(水) 11:54:26.93 ID:sVNl5E30.net
青年 「お願い?」

花陽 「はい…。その、凛ちゃんも真姫ちゃんも、つい最近ここに来たんですよね?」

青年 「えぇ、まぁ。」

花陽 「じゃあその、生まれ変わっても、二人のそばにいたいなぁなんて…。」

青年 「えっ」

花陽 「無理…ですか?」

青年 「いえ、無理ではないんですが、もし仮にそばにいれたとしても、生前の記憶と、ここで過ごした記憶は、年をとるにつれ徐々に消えていきます。」

花陽 「な、なるほど。」

青年 「つまり、一緒にいたとしても、凛と真姫のことは忘れてしまいます。それでもいいんですか?」

花陽 「……。はい! たとえ前世の記憶がなくなっても、私はμ'sのみんなといたいんです!」

青年 「…分かりました。では、コチラがオススメですよ。」

花陽 「…はい。ここに決めました。」

青年 「それでは、ここに判子を。」

花陽 (凛ちゃん、真姫ちゃん、みんな…。待っててね。)

86: 2016/02/24(水) 11:57:46.25 ID:sVNl5E30.net
そして私は、一人の女の子に生まれ変わりました。成長した私は、大好きなラーメンのお店を開く夢を叶えるため、師匠の店で特訓中です!
やっぱり…麺は最高ですっ!


? 「それにしてもお嬢ちゃん、そのお花可愛いね!」

女の子 「これですか? ついさっき、そこで咲いてたのを摘んで来たんです。髪飾りにしようと思って。」

? 「絶対似合うにゃ! ねっ!?」

花陽 「そうですね、師匠! 」


ガララッ


花陽 「あっ、いらっしゃいませー!」

?? 「ち、ちょっと離してよ! 私早く帰って漫画の続きを描かなきゃ…!」

??? 「いいじゃない。ここのラーメン美味しいのよ?」

?? 「ちょっ…近いって! 女の子同士で気持ち悪い…!」

??? 「あら、私はそっちもいけるのよ?」クルクル

?? 「ひぃぃー!! 助けてぇ!!」


…私の人生は、まだまだ色んなことがありそうです。

小泉花陽 編 終わり

91: 2016/02/24(水) 13:39:15.15 ID:sVNl5E30.net
~絢瀬絵里・東條希 編~


絵里 「……。」

希 「……。」

青年 「……。」

絵里 「…な、何よ。何か言いなさいよ。」

青年 「いえ…ふたり同時というのは、かなり珍しいなと感じまして。」

希 「まぁ、一緒にぽっくり逝っちゃったからなぁ。」

絵里 「このKKEがトラックに轢かれるなんて…認められないわぁ!」

希 「年もとって、耳も聞こえにくくなってたからなぁ。トラックのクラクションに気付かなかったんよ。」

青年 「そうなんですか…。」

96: 2016/02/24(水) 13:48:58.23 ID:sVNl5E30.net
>>92
その辺の詳しい説明は
>>95 にのっけました!

93: 2016/02/24(水) 13:41:11.77 ID:sVNl5E30.net
青年 「老後も仲良しだったんですね。」

絵里 「まぁ、結婚してたからね。」

希 「わざわざ海外に行って籍入れたんよー。」

青年 「そうですか。」

希 「あれ、反応薄いね。みんなビックリするか軽く引くのに。」

青年 「もう慣れました。μ'sはみんなそっち側だと学びました。」

絵里 「あら、死後の世界の人なのに私たちの事知ってたのね。賢いじゃない。」

青年 「何かと最近縁がありましてね。さて、どうしますか? データ出たんですが、どちらを先にしますか?」

希 「別に同時でもええよー。」

絵里 「私たちずっと一緒だったし、きっと前世の行いもお互い似たようなものよ。ねー、希?」

希 「んもぅ、照れるやん!///」

青年 (なんか腹立つな)

94: 2016/02/24(水) 13:46:57.91 ID:sVNl5E30.net
青年 「…あの、希さん?」

希 「んー? どうしたん?」

青年 「この、女の子の胸を揉みしだいた回数 170 って一体…。」

希 「わしわしって言ってもらえる?」

青年 「わしわし…?」

希 「そう、こうするんよー!」ワシワシ!!

絵里 「きゃあっ!? の、希! やめてぇー!///」

希 「うーん、やっぱりエリちの艶っぽい表情ええなぁ。」

絵里 「んもう……あっ///」

青年 (こいつらもノミにしてやろうか)

95: 2016/02/24(水) 13:48:13.85 ID:sVNl5E30.net
夜這いをした回数 281
下着を盗んだ回数 53
無理やり襲った回数 91

青年 (なんだこの今までの総集編みたいな内容!? 強い…強すぎる!)

希 「…なんか回数少なくない?」

青年 「うわぁ!? 勝手に覗きこまないでくださいっ!」

絵里 「多分、お互い同意の上でやってたことは回数に含まれてないのね。」

希 「なるほどなぁ。」

絵里 「なんなら、今この場で回数増やしてもいいのよ?」

希 「あっ…/// エリち、見られてるから…。」

絵里 「大丈夫。」

青年 「大丈夫じゃねぇからなぁぁっ!?」

絵里 「何よケチね。もう生まれ変わったらこんなこと出来ないかもしれないのよ?」

青年 「そういう関係になれる物件探してやるから、もう俺の目の前でイチャイチャするなぁぁ!」

希 「もしかして羨ましいん?」

青年 「ちっがぁぁぁぁう!!!」

97: 2016/02/24(水) 13:51:41.43 ID:sVNl5E30.net
青年 「……お待たせしました。あなた達のポイントで入れる、ちょうどいい物件がありましたよ。しかも生前のような関係にもなれます。」

絵里 「……。」

希 「? どうしたん、エリち。」

絵里 「うん。…ねぇあなた。」

青年 「はい?」

絵里 「みんなは…μ'sのみんなは、どうなったの?」

青年 「え?」

絵里 「私たちが死ぬ一週間前、μ'sのみんなも息を引き取ったと連絡があったわ。」

希 「……。」

絵里 「彼女達もここに来たんでしょ!? ねぇ教えて。みんなはどうなったの!?」

青年 「…それは規則で、教えられないことになってます。」

絵里 「そこをなんとか! お願いよ!」

希 「エリち!」

青年 「…本当、すいません。」

絵里 「そんな…。」

希 「大丈夫や、エリち。」

絵里 「希?」

希 「カードがウチに告げるんや。みんな近い場所で、仲良くやってるって。」

絵里 「希…。」

99: 2016/02/24(水) 13:53:08.98 ID:sVNl5E30.net
青年 「…物件の話に戻りましょうか。ここでよろしいですか?」

絵里 「…ねぇ、希。」

希 「ん?」

絵里 「私、あなたが好きだわ。」

希 「…うん。ウチも。」

絵里 「でも私…みんなのことも大好き。」

希 「…うん。」

絵里 「希…!私……。」

希 「大丈夫。言わんでも、分かってるよ。エリちの気持ち。」

絵里 「希…ありがとう。」

青年 「…それで、どうしますか?」

絵里 「…そうね、生まれ変わっても希と一緒にいたいっていうのは変わらないわ。でも…。」

絵里・希 「「μ'sのみんなとも、一緒にいたい!」」

100: 2016/02/24(水) 13:55:31.91 ID:sVNl5E30.net
青年 「…それは構いませんが、そうなると、お二人が恋をするという条件を諦めなくてはなりませんよ。二つの条件が揃った物件が、生憎ないので。」

絵里 「未来は私たちが決めるわ。」

希 「そうね。ウチらはまた結ばれる。そして、みんなとも一緒にいれる。」

青年 「…そうですね。あなた達なら出来ますよ。きっと。」

絵里 「ありがとう。」

青年 「では、ここに判子を。」

絵里 「希。」

希 「…うん。」チュッ

絵里 「また、会いましょうね。」

希 「…うん!」


青年 「それでは、お気をつけて。」

101: 2016/02/24(水) 13:56:19.92 ID:sVNl5E30.net
そして私は日本人の女の子に生まれ変わった。5歳の頃、引っ越した先でお隣さん同士になったのが希だった。それ以来、就職先まで私達はずっと一緒だった。
希は、かけがえのない友達。いや、親友だ。


絵里 「お腹…空いたわね。」

希 「そうだねぇ。…おっ、いい香り。」

絵里 「ラーメン屋さんね。ちょうどいいわ、今麺の気分だったの。」

希 「私も。私たち、気が合うね!」

絵里 「親友だもの、当然でしょ。」

ガララッ

? 「へいらっしゃいにゃ! 今日は女性のお客さんが多いなぁ。」


…あの時の不動産屋さん、私は元気にやってます。私達をまた巡り会わせてくれて、本当にありがとう。
希はやっぱり、最高の仲間よ。

絢瀬絵里・東條希 編 終わり

106: 2016/02/24(水) 14:45:05.75 ID:sVNl5E30.net
~高坂穂乃果 編~


青年 「はぁ……お腹痛い…。」

穂乃果 「お疲れ、お兄さん♪」

青年 「あぁ…穂乃果か。ほら、ちゃんと8人分終わらせたぞ。」

穂乃果 「ごめんねぇ、こんなこと頼んじゃって。」

青年 「本当だよ全く…。」


彼らが一体何の話をしているのか。
それを説明するには少し時間を巻き戻す必要がある。…それは、最初の客のことりが来る、2日ほど前のこと。

107: 2016/02/24(水) 14:46:12.53 ID:sVNl5E30.net
青年 「す…すごい! 264万点なんて! こんな点数初めて見ました…!」

穂乃果 「えへへぇ。それほどでも。」

青年 「どうします? これならどんな物件でも入れますよ! 大富豪、絶滅危惧種、宇宙人…。」

穂乃果 「…でも私、次も普通の女の子になりたいんだよなぁ。」

青年 「そ、そうなんですか…?」

穂乃果 「おっ、これ! これなんていいじゃん!」

青年 「でもそれ、7万点で入れますよ? 257万点も無駄にすることになりますが…。」

穂乃果 「うーん…じゃあ! その余分な点数で、お願いできる!?」

青年 「お願い…?」

108: 2016/02/24(水) 14:47:31.95 ID:sVNl5E30.net
穂乃果 「私、μ'sっていうスクールアイドルやってたの。でも、その時の仲間達とは、もう全然会えてなくて…。だから、来世でも会いたい。出来れば一緒にいたい! 」

青年 「なるほど…それで、私にどうしろと?」

穂乃果 「お願い! μ'sのみんなが来たら、みんな上手いこと私の来世の近くに転生させて!」

青年 「そんな無茶苦茶な! だいたい、ポイントっていうのはそういうことには使えないんです! あくまで物件を決めるための基準値なんです!」

穂乃果 「そこをなんとか! お願い!」

青年 「で、でも…。」

穂乃果 「一生のお願いだからぁ!」

青年 「あなたの一生はもう終わりました!」

109: 2016/02/24(水) 14:48:38.11 ID:sVNl5E30.net
~そして現在に至る~


青年 「全く…特別ですからね?」

穂乃果 「うん。ありがとう…本当に。」

青年 「あぁ。久しぶりにやりごたえのあることをした気がしたよ。」

穂乃果 「でも海末ちゃんがお花になるとはなぁ…。こりゃ私が連れてかないとダメか。」

青年 「ここでの記憶は徐々に消えていきます。早めに行動しないと、彼女のことも忘れてしまいますよ。」

穂乃果 「ありがとう。じゃ、私もそろそろ行くね。」

青年 「はい。お気をつけて。」

穂乃果 「あっ、そうだ!」

青年 「?」

穂乃果 「ことりちゃんが来たら、今度こそ人間にしてあげてよね! ノミばっかりはどうしようにもないから!」

青年 「うぅ…俺の胃がもつのかどうか…。」

110: 2016/02/24(水) 14:50:16.44 ID:sVNl5E30.net
~ラーメン屋~

凛 「へいお待ちにゃ!」

穂乃果 「うわぁ、ありがとう!」

花陽 「あついから気をつけてね!」

真姫 「すいませーん! こっちにも同じのを2つ!」

にこ 「私帰りたいんだけど!」

絵里 「玉ねぎラーメン美味しそうね。」

希 「じゃあ私はニラにしよっかな。」

穂乃果 「お花さんにもラーメンあげるね! はい、あーん!」

海末 (あっつぁぁぁ!!?)

凛 「今日は大繁盛にゃー! …おっ、またお客さんにゃ!」

花陽 「いらっしゃいませー!」

ことり 「わー! にんにくのいい匂い! 玉ねぎラーメン一つお願いします!」

111: 2016/02/24(水) 14:51:23.85 ID:sVNl5E30.net
私たちは今、お互いのことを知らない。前世のことなんて、もちろん覚えていない。でも、今確かにここにみんなで一緒にいる。
私は今、最高に幸せだ。

…徐々に記憶が薄れていく。もうすぐ、私もみんなのことを忘れてしまうのだろう。


穂乃果 「ありがとう…みんな、大好きだよ。」



~おしまい~

112: 2016/02/24(水) 14:53:01.00 ID:sVNl5E30.net
スッキリしない終わり方ですが、これにて完結です!最後までお付き合いくださり、ありがとうございました!
今後のss作りに生かすため、感想等あれば、是非お願いします!

本当にありがとうございました!

113: 2016/02/24(水) 14:57:27.55 ID:nCpenKje.net

μ'sは永遠なんだよなぁ…

119: 2016/02/24(水) 16:21:33.46 ID:rxnEP6bE.net
海未ちゃんお花のままなん…
私たちは未来の花とかけてるのか

128: 2016/02/24(水) 20:23:35.60 ID:8TS+SC0e.net
おもしろかった
また頼む

132: 2016/02/24(水) 22:36:48.82 ID:NfEW+pLv.net
短編が繋がっていく感じ良かった
途中からいい話になってて不意に感動した
良かった!

146: 2016/02/25(木) 21:06:24.39 ID:rBX6Ptv/.net
面白かった
乙です

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1456235970/

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