曜「お料理がしたい?」鞠莉『イエース!』

シャイにー曜まりーよう鞠莉 SS


2: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:27:34.35 ID:AZE/C1la
鞠莉『というわけで、これから曜のお宅にお邪魔してもいい?』

曜「えっ、ウチで?急にどうしたの」

鞠莉『言ったでしょ、お料理がしたくなったの』

曜「それは聞いたけど、なんで私の家なのかってこと」

鞠莉『海の家では、私たち同じお料理チームだったじゃない』

曜「いまいち理由になってないような…なら、善子ちゃんは?声かけなかったの?」

鞠莉『誘ったんだけど、遠慮しておくって断られちゃって』

曜「むぅ。善子ちゃん、うまくやったね…」

3: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:28:21.16 ID:AZE/C1la
鞠莉『うまくって、何を?』

曜「なんでもない、こっちの話。いいよ、ちょうど今日はママも出かけてるし、一人でご飯も寂しいなーって思ってたから」

鞠莉『ありがと!材料は揃えていくから、よろしくね!チャオ!』

曜「またねー。ふふっ、元気いいなあ。それにしても、お料理、かぁ…」

鞠莉『シャイ煮、コンプリート…!』

曜「懐かしいな。高級食材をごった煮した、前代未聞の料理だったけど。見た目と調理プロセスとは裏腹に、どういうわけか凄く美味しかったっけ」

曜「おっと、こうしちゃいられない。鞠莉ちゃんが来るまでの間に、色々と準備しておかないと。材料は揃えていくって言ってたけど…んー、大丈夫かな」

4: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:28:41.55 ID:AZE/C1la
……………………………………

ピンポーン

曜「おっ、来たかな。はーい」

鞠莉『シャイニー!』

曜「シャイニー!今行くね!」

ガチャ

鞠莉「曜、こんにちは」

曜「こんにちは!待ってたよ。荷物は、これ?」

鞠莉「そうよ。あ、大丈夫よ。自分で運ぶから」

5: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:29:27.27 ID:AZE/C1la
曜「歩いてきたの?」

鞠莉「車で送ってもらったわ」

曜「なるほど。思ったより荷物が少ないね。てっきり前みたく、食材を満載してくるものかと」

鞠莉「ご家庭のキッチンで、海の家と同じことはしないわ」

曜「あはは、そうしてもらえると助かるよ。さ、入って」

鞠莉「ええ。あ、自分で持つってばー」

6: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:29:56.81 ID:AZE/C1la
――――――――

鞠莉「というわけで、早速お料理開始ね!」

曜「エプロン姿もよく似合うね」

鞠莉「ありがと。曜も素敵よ?」

曜「えへへっ。それで、今日は何を作るの?」

鞠莉「もちろん、シャイ煮よ」

曜「もちろん、なんだ。でも、以前とは食材がだいぶ違うよね。高級食材のオンパレードとは打って変わって、お肉も魚も調味料も、普通に用意できそうなものばかりだ」

7: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:30:43.05 ID:AZE/C1la
鞠莉「今回のテーマは『ご家庭でも簡単に作れて優勝できるシャイ煮』だからね」

曜「優勝?」

鞠莉「とびっきり美味しいって意味よ。食べた人が笑顔になるような、心のこもった料理を目指したいの」

曜「大事なことだよ。料理は心でするもの、ってやつだね」

鞠莉「気持ちだけではどうにもならないときは、フォローよろしくね?」

曜「任せてよ。それじゃ、スタートだね!」

鞠莉「ええ!レッツ、クッキーング!」

曜「おーっ!」

8: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:31:00.38 ID:AZE/C1la
鞠莉「まずは、お鍋にお湯を沸かします」

曜「ご家庭サイズとはいえ、大きめの鍋だね」

鞠莉「シャイ煮の基本は具沢山だからね。お湯が沸くまでの間に、具材をカットしていくわ」

曜「切り方や大きさは?」

鞠莉「フィーリングよ」

曜「う、うーん」

鞠莉「大丈夫よ。真心を込めれば、きっと美味しくなるから」

曜「気持ちだけだと不安だなぁ…あ、でもちゃんと同じくらいのサイズになってる」

9: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:34:37.92 ID:AZE/C1la
鞠莉「お湯が沸いたら、お鍋の中に数種類の調味料をジャボジャボして」

曜「ジャボジャボ?」

鞠莉「粉末調味料もパラパラしたら」

曜「パラパラ…」

鞠莉「いよいよ今日のハイライト!カットした具材を、お鍋の中にヒドゥン・シャドウ・スネーク・ハンズデース!」

曜「ヒドゥン・シャドウ、潜む影…スネークハンズ、蛇の手…」

鞠莉「具材が入ったら、素早く蓋をしてマフーバ!」

曜「魔封波。うーん…」

10: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:35:14.13 ID:AZE/C1la
鞠莉「これでよしっと。後はじっくり煮込んでいくだけね」

曜「えっと、鞠莉ちゃん、もしかしてYouTubeとか見てる?」

鞠莉「あら、よくわかったわね」

曜「やっぱりか。それで料理を?」

鞠莉「ええ。見ているうちに、なんだかやってみたくなっちゃって」

曜「人気だもんね。面白いから私も見てるよ」

鞠莉「それなら話が早いわ。曜も一緒にやりましょう!ヒドゥン・シャドウ・スネーク・ハンズ!」

曜「えっと…あ、私、食器準備しちゃうね!」

11: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:36:05.42 ID:AZE/C1la
――――――――

曜「少し様子見てみようか。蓋開けるよ」

鞠莉「グツグツしてるから、火傷しないようにね」

曜「大丈夫だよ、っと。わ…」

鞠莉「オーウ!ルックスグーッド!」

曜「相変わらず凄いビジュアルだなぁ…」

鞠莉「ルックス、グーッド!」

曜「わ、わかったわかった。でも、いい匂いがするから不思議だよね」

鞠莉「これこそがシャイ煮のグッドコンディションの証よ」

12: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:36:40.81 ID:AZE/C1la
曜「あ、灰汁が浮いてる。取っちゃうね」

鞠莉「ふーむ」

曜「ん、どうかした?」」

鞠莉「手際がいいのね。灰汁だけを正確に掬って、スープや具材を無駄にしていない」

曜「一緒に捨てちゃうのはもったいないからねー」

鞠莉「曜がやると簡単そうに見えるけど、私には真似できそうにないわ」

曜「ちょっとやってれば、すぐ身につくよ」

13: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:37:02.88 ID:AZE/C1la
鞠莉「そうかなぁ」

曜「鞠莉ちゃん、筋は悪くないから、きっとすぐだよ」

鞠莉「ありがとう、信じるわ。なら、これからも曜には練習に付き合ってもらわなきゃね」

曜「んー、いいよ」

鞠莉「え、本当?」

曜「私も別に料理上手ってわけじゃないけど、こういうの、なんか楽しいから。私でよければ付き会うよ!」

鞠莉「曜…ふふっ、やっぱり曜にお願いしてよかった」

曜「えへへっ」

14: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:37:35.28 ID:AZE/C1la
鞠莉「なんて話をしている間に、完成ね!」

曜「おおっ。なんていうかこう、前のものよりコンパクトっていうか、少しシンプルだけど、まごう事なきシャイ煮だ」

鞠莉「後はお皿に盛りつければ、完成!」

鞠莉「私たちは未成年だから、麦茶で乾杯ね」

曜「一応コーラとかもあるけど」

鞠莉「んー…ちょっと迷うけど、まずは麦茶で試してみましょう」

曜「了解ー。それでは、早速」

ようまり「いただきまーす!」

15: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:37:51.21 ID:AZE/C1la
曜「どれどれ…あ、美味しい!」

鞠莉「んー、デリシャス!優勝!」

曜「うん、うん!ご家庭でも用意できる食材を使ってるはずなのに、この味はまさしく優勝だよ!」

鞠莉「ほんっとうに美味しいわ!ウマすぎて、スターブライトになっちゃうわね!」

曜「あはは、すっかりハマってるねー」

鞠莉「言ってみたかったの、ふふっ」

16: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:38:28.67 ID:AZE/C1la
曜「でも本当、箸が止まらないね。このシャイ煮、麦茶とも相性バツグンで」

鞠莉「そんなに美味しそうに食べてもらえて、嬉しいわ」

曜「この美味しさに嘘はつけないよ。これがお家で食べられるなんて、正直びっくりしてるくらい」

鞠莉「まだまだ沢山あるから、お腹いっぱい召し上がれ」

曜「うん!心のこもった料理、ありがとう、鞠莉ちゃん!」

鞠莉「どういたしまして♪」

17: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:38:52.92 ID:AZE/C1la
曜「今日はこうして料理に挑戦したわけだけど、他にもやってみたいこととかあるの?」

鞠莉「そうね、家事かしら」

曜「家事?」

鞠莉「最近漫画で読んだの。コワモテの専業主夫が、テキパキと家事をこなすってやつ」

曜「ああ、あれかぁ。私持ってるよ。鞠莉ちゃん、意外と影響されやすいんだね」

鞠莉「流行に敏感って言ってほしいわ。料理もだけど、ああいう家庭的なのって憧れるの。曜も結構、家庭的よね」

曜「ん、初めて言われたよ。そうかなぁ」

鞠莉「そうよ。将来、曜と一緒になる人は幸せね」

18: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:39:10.09 ID:AZE/C1la
曜「あはは、褒め言葉として受け取っておくよ」

鞠莉「本気で言ってるのに。ところで、曜」

曜「ん?」

鞠莉「さっき、私が読んだ漫画、持ってるって言ったわよね」

曜「ああ、うん。多分そうだと思うけど、どうかした?」

鞠莉「実は私、ネットでお試し読みをしただけなの。続きがずっと気になってて」

19: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:39:33.83 ID:AZE/C1la
曜「なら、食べ終わったら読もっか。っていうか、もし良かったら泊まっていく?」

鞠莉「嬉しいお誘いだけど、ご迷惑じゃないかしら」

曜「ママなら大丈夫って言ってくれると思うよ。それに、鞠莉ちゃんが持ってきた荷物の中に、ちゃっかりお泊りセットがあるみたいだしね」

鞠莉「あ、バレた?」

曜「まあね。初めから泊まりたいって言ってくれればいいのに」

鞠莉「もしもの時の備えよ。実際、役立つ場面がやって来そうでしょ?」

20: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:41:30.01 ID:AZE/C1la
曜「まぁ、そうだね。『備えあれば嬉しいな』だもんね!」

鞠莉「それを言うなら『憂いなし』よ」

曜「あ、そっか!あっはは!」

鞠莉「うふふっ。私はお代わりよそってくるけど、曜は?」

曜「あ、お願いしていい?」

鞠莉「はーい。二杯目はコーラで乾杯、どうかしら?」

曜「賛成!シュワシュワのやつで!」

21: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:41:50.79 ID:AZE/C1la
……………………………………

翌日、バス停

善子「おはよう。あら」

曜「善子ちゃん、おはヨーソロー!」

鞠莉「シャイニー、善子!」

善子「ヨハネよ。鞠莉さんも一緒なのね」

曜「昨日は私の家に泊まったんだ!」

善子「なるほどね。楽しかった?」

鞠莉「そりゃもう、優勝!な、お泊まり会だったわ」

22: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:42:08.61 ID:AZE/C1la
善子「優勝?」

曜「この上なく楽しいってことかな」

善子「それは良かったわね」

曜「本当に楽しかったよ。善子ちゃんも来ればよかったのに」

善子「言ったでしょ、遠慮するって」

鞠莉「むぅ、つれないわねぇ」

善子「それに、二人のお邪魔するのも、悪いかなって」

23: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:42:30.40 ID:AZE/C1la
曜「邪魔?」

鞠莉「邪魔、って?」

善子「なんでもないわ。朴念仁さん」

鞠莉「ボクネンジン?」

曜「それって、新しい堕天使か何か?」

善子「さあね、自分で考えて」

曜「鞠莉ちゃん、わかる?」

鞠莉「さあ…」

善子「ふふっ。ほら、バスが来たわよ」



終わり

24: (らっかせい) 2020/01/12(日) 09:42:42.27 ID:AZE/C1la
全弾撃ち尽くしました。お料理ようまりでした。

↓は前に書いたものです。よろしければ併せてお願いします。

鞠莉「クリスマス・アフター・クリスマス」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1577631654/

ありがとうございました。

ラブライブ!まとめブログ ぷちそく!!
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引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1578788780/

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