1:※ふたなり(非工口) (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:44:27.07 ID:7YVozdpe0.net
絵里「――それで海未ったら、
さっきまで一人でなに読んでたのかしら?」にやっ
海未「っ、いいでしょう私の話は!」
海未「それより絵里、今日は遅くなるんじゃなかったんですかっ、
その、心の準備が・・・・
いやいや今は絵里に聞いてるんですっ!」
絵里「掃除当番だと思ってたんだけど、勘違いだったのよ。
そしたらほら、向こうの窓、
部室でにやにや本読んでる海未が見えてね、」ひょいっ
海未「にやにやなんてしてな――ああっ、返してくださいっ!?」
絵里「なになに、どんなはずかしい本を・・・・って、」
【完訳 アンデルセン童話集(岩波文庫)】
絵里「これのどこが隠すような本なのよっ」ムッ
さっきまで一人でなに読んでたのかしら?」にやっ
海未「っ、いいでしょう私の話は!」
海未「それより絵里、今日は遅くなるんじゃなかったんですかっ、
その、心の準備が・・・・
いやいや今は絵里に聞いてるんですっ!」
絵里「掃除当番だと思ってたんだけど、勘違いだったのよ。
そしたらほら、向こうの窓、
部室でにやにや本読んでる海未が見えてね、」ひょいっ
海未「にやにやなんてしてな――ああっ、返してくださいっ!?」
絵里「なになに、どんなはずかしい本を・・・・って、」
【完訳 アンデルセン童話集(岩波文庫)】
絵里「これのどこが隠すような本なのよっ」ムッ
3: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:49:20.37 ID:7YVozdpe0.net
海未「それは、そうですけど・・・
見られたら、なんとなく隠しちゃうじゃないですか」むぅ
絵里「うーん、でも読んでても違和感はないわねぇ。
だってほら、海未の作る歌詞って、ロマンチックじゃない?」ぱらぱら
海未「・・・確かに、参考になればと
子供の頃に読んでいた本をひもといてはみたのですが」
絵里「子供の頃に読んでたんだぁ・・・ふふっ。
それより、根詰めすぎちゃだめよ? 今は急ぎの予定もないんだから」
海未「っ・・・その、こういう時期だからこそ心身を鍛えるべきなんですっ!
って、なにがおかしいんですかっ」
絵里「ちがう、違うわよ海未。
私も小さい頃に絵本で読んで、・・・大好きだったから。
ねぇ、『みにくいアヒルの子』って、この本に入ってる?」
見られたら、なんとなく隠しちゃうじゃないですか」むぅ
絵里「うーん、でも読んでても違和感はないわねぇ。
だってほら、海未の作る歌詞って、ロマンチックじゃない?」ぱらぱら
海未「・・・確かに、参考になればと
子供の頃に読んでいた本をひもといてはみたのですが」
絵里「子供の頃に読んでたんだぁ・・・ふふっ。
それより、根詰めすぎちゃだめよ? 今は急ぎの予定もないんだから」
海未「っ・・・その、こういう時期だからこそ心身を鍛えるべきなんですっ!
って、なにがおかしいんですかっ」
絵里「ちがう、違うわよ海未。
私も小さい頃に絵本で読んで、・・・大好きだったから。
ねぇ、『みにくいアヒルの子』って、この本に入ってる?」
4: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:50:31.45 ID:7YVozdpe0.net
海未「ええと・・・その巻ではないですね。
家に文庫で全七巻そろっていますので、よかったら」
絵里「そうね、・・・私も久しぶりに読んでみたくなったかな」
海未「そうですか・・・!
でしたらあした全巻持ってきますね!」ルンルン
絵里「・・・あの、すごーくうれしいんだけど、
いきなり全巻まとめては、ちょっと読みきれないと思う・・・」
海未「っ!・・・そうですね、すみません///」
家に文庫で全七巻そろっていますので、よかったら」
絵里「そうね、・・・私も久しぶりに読んでみたくなったかな」
海未「そうですか・・・!
でしたらあした全巻持ってきますね!」ルンルン
絵里「・・・あの、すごーくうれしいんだけど、
いきなり全巻まとめては、ちょっと読みきれないと思う・・・」
海未「っ!・・・そうですね、すみません///」
5: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:52:06.14 ID:7YVozdpe0.net
絵里「ふふっ、心配しなくても大事に読ませてもらうわ」
絵里「そうだ、『アヒルの子』の巻から借りていいかしら?」
海未「はいっ! 絵里はあの話が好きなのですか?」
絵里「そうねぇ・・・『親指姫』や『雪の女王』も好きだけれど、
やっぱり、アヒルの子は別格っていうか・・・
あの話、考えてみたら、私がバレエを始めるきっかけだったの」
海未「そうなんですか・・・
あれ、でもあの話って、バレエは出てこなかったような、」
ガチャッ
希「もーっ、えりち暇やったんならうちの当番手伝って!
って、あれ?海未ちゃん? ・・・・さては急接近?」
海未「ちょっ、なんの話ですか!? やめてくださいっ!」///
絵里「そうだ、『アヒルの子』の巻から借りていいかしら?」
海未「はいっ! 絵里はあの話が好きなのですか?」
絵里「そうねぇ・・・『親指姫』や『雪の女王』も好きだけれど、
やっぱり、アヒルの子は別格っていうか・・・
あの話、考えてみたら、私がバレエを始めるきっかけだったの」
海未「そうなんですか・・・
あれ、でもあの話って、バレエは出てこなかったような、」
ガチャッ
希「もーっ、えりち暇やったんならうちの当番手伝って!
って、あれ?海未ちゃん? ・・・・さては急接近?」
海未「ちょっ、なんの話ですか!? やめてくださいっ!」///
6: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:53:12.87 ID:7YVozdpe0.net
希「あははっ、海未ちゃんかわいいなぁ。
えりちもそう思わん?」
海未「・・・今日のユニット別練習、とっても楽しみですね」ギロッ
希「ひっ?!
やぁんえりち助けてーっ! 海未ちゃんがいじめるぅーっ!!」
海未「元はと言えばあなたがっ!!
っ、まあ今する話じゃないですけどね、はい、」
絵里「本当に何の話よ、おいてかないでよ・・・
あっそうだ、
いきなりだけど、希はアンデルセンの童話で好きなのある?」
希「ほんとにいきなりやね・・・
うーん、・・・あっ、『ブレーメン』! みんなで楽しそうだから!
あと、『ラプンツェル』もうち好き!」
海未「・・・・それは両方ともグリムです」はぁ
希「えっ、・・・そうなん?」
えりちもそう思わん?」
海未「・・・今日のユニット別練習、とっても楽しみですね」ギロッ
希「ひっ?!
やぁんえりち助けてーっ! 海未ちゃんがいじめるぅーっ!!」
海未「元はと言えばあなたがっ!!
っ、まあ今する話じゃないですけどね、はい、」
絵里「本当に何の話よ、おいてかないでよ・・・
あっそうだ、
いきなりだけど、希はアンデルセンの童話で好きなのある?」
希「ほんとにいきなりやね・・・
うーん、・・・あっ、『ブレーメン』! みんなで楽しそうだから!
あと、『ラプンツェル』もうち好き!」
海未「・・・・それは両方ともグリムです」はぁ
希「えっ、・・・そうなん?」
7: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:56:58.67 ID:7YVozdpe0.net
絵里「もっとこう、ないの?
『人魚姫』とか、『マッチ売りの少女』とかあるでしょう」
希「・・・うーん、アンデルセンさん、
もっとハッピーエンドの話はなかったん?」むむむ
絵里「なっ、あれはあの終わり方だからいいんじゃないっ!
ハッピーとかバッドじゃなくって、
幻想的なのにリアリティがあって、それは彼の生涯が反映さr」クドクド
希「ま、まあまあ!
えりちの言いたいことは分かったから、ね?」あわわわ
絵里「そんな適当なこと言って・・・
あのねえ、映画とかで勝手にハッピーエンドにするのって本当に、」
海未「絵里。スマホが鳴ってます」
絵里「え? ああっもしもし、亜里沙どうしたの?
ごめん今の話はあとでね、」
ガチャッ
希「いやー命拾いしたわぁ」
海未「・・・」
希「・・・それで、海未ちゃん?
今のえりちとのやりとり、そんなに不自然だったかなぁ?」
『人魚姫』とか、『マッチ売りの少女』とかあるでしょう」
希「・・・うーん、アンデルセンさん、
もっとハッピーエンドの話はなかったん?」むむむ
絵里「なっ、あれはあの終わり方だからいいんじゃないっ!
ハッピーとかバッドじゃなくって、
幻想的なのにリアリティがあって、それは彼の生涯が反映さr」クドクド
希「ま、まあまあ!
えりちの言いたいことは分かったから、ね?」あわわわ
絵里「そんな適当なこと言って・・・
あのねえ、映画とかで勝手にハッピーエンドにするのって本当に、」
海未「絵里。スマホが鳴ってます」
絵里「え? ああっもしもし、亜里沙どうしたの?
ごめん今の話はあとでね、」
ガチャッ
希「いやー命拾いしたわぁ」
海未「・・・」
希「・・・それで、海未ちゃん?
今のえりちとのやりとり、そんなに不自然だったかなぁ?」
8: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:57:59.11 ID:7YVozdpe0.net
海未「・・・普段は大丈夫なんですけど、
気にし出すと、気になっちゃうんです」シュン
希「まぁまぁ。えりちも海未ちゃんと絶対仲良くなりたいと思ってるよ」
海未「それは全員に対してですよ・・・
それに、・・・気のせいだと良いのですが、」
希「・・・?」
海未「・・・やっぱり、絵里はどこか、今も壁を感じるんです。
私だけでなくて誰に対しても、
ふとした弾みで、・・・遠くにいってしまうような」
希「・・・そうかなあ」
海未「否定、しないのですね」
希「・・・うちもね、本当はわかるんよ。えりちの、壁」
海未「希でさえも、そうなのですね・・・」
希「――だってえりちだけ絶対わしわし許してくれないんやもん!!」クワッ
海未「そんな根拠ですか!?」
気にし出すと、気になっちゃうんです」シュン
希「まぁまぁ。えりちも海未ちゃんと絶対仲良くなりたいと思ってるよ」
海未「それは全員に対してですよ・・・
それに、・・・気のせいだと良いのですが、」
希「・・・?」
海未「・・・やっぱり、絵里はどこか、今も壁を感じるんです。
私だけでなくて誰に対しても、
ふとした弾みで、・・・遠くにいってしまうような」
希「・・・そうかなあ」
海未「否定、しないのですね」
希「・・・うちもね、本当はわかるんよ。えりちの、壁」
海未「希でさえも、そうなのですね・・・」
希「――だってえりちだけ絶対わしわし許してくれないんやもん!!」クワッ
海未「そんな根拠ですか!?」
9: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 22:59:37.83 ID:7YVozdpe0.net
希「だから希ちゃんにとってもえりち攻略は高い壁なのです」ふんっ
海未「それは厳しそうですね、あはは」
希「うわー海未ちゃん温度差激しっ・・・
まあでも、もし本当にそうなら、えりちも嬉しいんじゃないかな」
海未「そう・・・でしょうか?
人には誰だって、踏み込まれたくない部分の一つや二つ」
希「あるねえ。たとえば海未ちゃんのバス・・・とぁっ?!」ポカッ
海未「真面目に聞いてください」イラッ
希「はい・・・・」
海未「それは厳しそうですね、あはは」
希「うわー海未ちゃん温度差激しっ・・・
まあでも、もし本当にそうなら、えりちも嬉しいんじゃないかな」
海未「そう・・・でしょうか?
人には誰だって、踏み込まれたくない部分の一つや二つ」
希「あるねえ。たとえば海未ちゃんのバス・・・とぁっ?!」ポカッ
海未「真面目に聞いてください」イラッ
希「はい・・・・」
10: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:00:51.84 ID:7YVozdpe0.net
希「うーん、でも本当は、
そんな人だって触れてほしいって思ってたりしないかなぁ」
海未「・・・そういうもの、でしょうか?」
希「いったん胸の奥に押し込めちゃうとね、
自分でもどうにもならなかったりするん。そういうのって」
海未「・・・・」
海未「あの、さっきから胸の話ばかり続いてませんか?」
希「海未ちゃん、それは自意識過剰やん・・・」
そんな人だって触れてほしいって思ってたりしないかなぁ」
海未「・・・そういうもの、でしょうか?」
希「いったん胸の奥に押し込めちゃうとね、
自分でもどうにもならなかったりするん。そういうのって」
海未「・・・・」
海未「あの、さっきから胸の話ばかり続いてませんか?」
希「海未ちゃん、それは自意識過剰やん・・・」
11: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:02:39.33 ID:7YVozdpe0.net
◆ ◆ ◆
海未(それからずっと、絵里のことを考えていました)
海未(ランニング後、疲れ切った花陽にドリンクを差し出す姿
真姫と話し合いながら振り付けを作っていく姿
穂乃果が抱きついて、少し困ったような顔でことりに目を向ける)
海未(それはとても、普段と何一つ変わらない光景のように見えていました。)
海未(私は希にひとつ嘘をついています)
海未(絵里を避けてしまっていたのは・・・きっと、私の方です)
海未(あの人に近づくだけで胸の奥が熱くなって、
息の仕方もわからなくなって。
いないと不安で、ずっとあの人の温もりやにおいばかり思い出して)
海未(心の乱れを正そうと日々の鍛錬を増やしても、
絵里の前に来ると、・・・もうだめでした)
海未(でも、及び腰で遠ざかろうとしていたのは
この目が節穴でなければ、私の方だけではなかったようなのです)
海未(それからずっと、絵里のことを考えていました)
海未(ランニング後、疲れ切った花陽にドリンクを差し出す姿
真姫と話し合いながら振り付けを作っていく姿
穂乃果が抱きついて、少し困ったような顔でことりに目を向ける)
海未(それはとても、普段と何一つ変わらない光景のように見えていました。)
海未(私は希にひとつ嘘をついています)
海未(絵里を避けてしまっていたのは・・・きっと、私の方です)
海未(あの人に近づくだけで胸の奥が熱くなって、
息の仕方もわからなくなって。
いないと不安で、ずっとあの人の温もりやにおいばかり思い出して)
海未(心の乱れを正そうと日々の鍛錬を増やしても、
絵里の前に来ると、・・・もうだめでした)
海未(でも、及び腰で遠ざかろうとしていたのは
この目が節穴でなければ、私の方だけではなかったようなのです)
12: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:03:33.88 ID:7YVozdpe0.net
凛「――みちゃん、海未ちゃん?」
海未「あ・・・はっ、失礼しました。それでは柔軟からですね!」
凛「それはもう終わってユニット練習だよ・・・
ねぇ海未ちゃんどうしたの? 今日、なんだか、」
海未「気温のせいですよ、きっと!
ほら、今日って最近にしてはこんなに暑いじゃないですか」
凛「海未ちゃんすごいにゃー・・・
凛なんて、きょうジャージ忘れてちょっと寒かったのに」
海未「そうです! こんな時にこそ日々の鍛錬が・・・」ふらっ
ぱたっ
海未「あ・・・はっ、失礼しました。それでは柔軟からですね!」
凛「それはもう終わってユニット練習だよ・・・
ねぇ海未ちゃんどうしたの? 今日、なんだか、」
海未「気温のせいですよ、きっと!
ほら、今日って最近にしてはこんなに暑いじゃないですか」
凛「海未ちゃんすごいにゃー・・・
凛なんて、きょうジャージ忘れてちょっと寒かったのに」
海未「そうです! こんな時にこそ日々の鍛錬が・・・」ふらっ
ぱたっ
13: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:04:41.28 ID:7YVozdpe0.net
海未「・・・あ、あれ・・・?
すみません、ちょっと手を、かりても、いいです・・・」
凛「ちょっ、海未ちゃんどうしt・・・うそっ?! すごい熱だよ!?
ねえ ちょっとみんなぁっ、練習タンマ!!
いま海未ちゃんが倒れちゃって、熱がすごくてっ、」
海未「っ・・・つぅ・・・大丈夫です、立てます・・・」くらくら
海未(そういう私の声は遠くて、
凛や駆け寄ってきたメンバーの声も遠くなって)
海未(ひとりぼっちみたいに感じた時、
誰かの背中の熱が、胸の奥まで流れ込んできました)
海未(私の意識は白い熱に溶かされながら、そのまま――)
すみません、ちょっと手を、かりても、いいです・・・」
凛「ちょっ、海未ちゃんどうしt・・・うそっ?! すごい熱だよ!?
ねえ ちょっとみんなぁっ、練習タンマ!!
いま海未ちゃんが倒れちゃって、熱がすごくてっ、」
海未「っ・・・つぅ・・・大丈夫です、立てます・・・」くらくら
海未(そういう私の声は遠くて、
凛や駆け寄ってきたメンバーの声も遠くなって)
海未(ひとりぼっちみたいに感じた時、
誰かの背中の熱が、胸の奥まで流れ込んできました)
海未(私の意識は白い熱に溶かされながら、そのまま――)
14: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:06:04.34 ID:7YVozdpe0.net
――――――
――――
――
海未「・・・・ぁ・・・」
海未「ぅ・・・わたしは、どうして・・・・」
海未「・・・あ! そうです、ユニット練習のつづk」
絵里「それはもういいのっ」ぎゅうっ
海未「っ!? え、えり・・・?」
絵里「どうしたのよ海未ぃ、心配したんだからっ・・・」なでなで
海未「あの、ええと、・・・すみません、私は何を、」
――――
――
海未「・・・・ぁ・・・」
海未「ぅ・・・わたしは、どうして・・・・」
海未「・・・あ! そうです、ユニット練習のつづk」
絵里「それはもういいのっ」ぎゅうっ
海未「っ!? え、えり・・・?」
絵里「どうしたのよ海未ぃ、心配したんだからっ・・・」なでなで
海未「あの、ええと、・・・すみません、私は何を、」
15: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:08:56.69 ID:7YVozdpe0.net
絵里「海未。ここはどこだか分かる?」
海未「・・・こんなベッド、保健室にしかありません、よね?」
絵里「そうよ。あなた、昨日ちゃんと寝たの?
体調管理が大事だって、穂乃果やみんなに散々言ってたのにっ、」
海未「・・・ご迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありまs」
絵里「違うのっ! そんなことじゃなくって、
・・・ああもう私なにが言いたいんだろう、えっと・・・」
絵里「・・・とにかく反省してるなら、ゆっくり休んで回復しなさい?
こないだも言ったけど、今は差し迫ったライブもないんだから」
海未「はい・・・すみません」
絵里「そう、・・・よかったあ。本当に、よかった」ぎゅうっ
海未「っ・・・!」
海未「・・・こんなベッド、保健室にしかありません、よね?」
絵里「そうよ。あなた、昨日ちゃんと寝たの?
体調管理が大事だって、穂乃果やみんなに散々言ってたのにっ、」
海未「・・・ご迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありまs」
絵里「違うのっ! そんなことじゃなくって、
・・・ああもう私なにが言いたいんだろう、えっと・・・」
絵里「・・・とにかく反省してるなら、ゆっくり休んで回復しなさい?
こないだも言ったけど、今は差し迫ったライブもないんだから」
海未「はい・・・すみません」
絵里「そう、・・・よかったあ。本当に、よかった」ぎゅうっ
海未「っ・・・!」
16: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:10:18.48 ID:7YVozdpe0.net
――――――
――――
――
絵里「じゃあ、私もカバン取りに戻るわね。
自宅にはことりが電話してくれてるから、
穂乃果と二人に付き添ってもらって、なんなら迎えに――」
海未「・・・あの、ちょっとすみません」
絵里「え・・・?」
ぎゅうっ
海未「・・・っ」
絵里「・・・ねえ、これ・・・どういう意味」
海未「すみません・・・ごめんなさい・・・」
海未(絵里、ごめんなさい・・・でも、今だけは、おねがいです、)
絵里「・・・・・海未。やめなさい」
――――
――
絵里「じゃあ、私もカバン取りに戻るわね。
自宅にはことりが電話してくれてるから、
穂乃果と二人に付き添ってもらって、なんなら迎えに――」
海未「・・・あの、ちょっとすみません」
絵里「え・・・?」
ぎゅうっ
海未「・・・っ」
絵里「・・・ねえ、これ・・・どういう意味」
海未「すみません・・・ごめんなさい・・・」
海未(絵里、ごめんなさい・・・でも、今だけは、おねがいです、)
絵里「・・・・・海未。やめなさい」
17: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:12:59.07 ID:7YVozdpe0.net
海未「っ!」
絵里「そういうのは、家でご両親を頼った方がいいわ。
それかその、
・・・あなたには気の置けない、幼なじみもいるでしょう」
海未「いやです、・・・私はっ、絵里がいいんですっ・・・!」
絵里「・・・ごめんなさい、
でも、そういうの・・・私、困るの」
海未「・・・ぁ・・」
絵里「あなたが眠ってる間、希が全部白状してくれたわ。
あなたたち二人で、変な悪だくみしてたんでしょう?」
絵里「そういうのは、家でご両親を頼った方がいいわ。
それかその、
・・・あなたには気の置けない、幼なじみもいるでしょう」
海未「いやです、・・・私はっ、絵里がいいんですっ・・・!」
絵里「・・・ごめんなさい、
でも、そういうの・・・私、困るの」
海未「・・・ぁ・・」
絵里「あなたが眠ってる間、希が全部白状してくれたわ。
あなたたち二人で、変な悪だくみしてたんでしょう?」
18: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:13:54.05 ID:7YVozdpe0.net
海未「ちがっ、そんなんじゃ、ないです・・・」
絵里「ありがた迷惑なのよ、距離感も考えないで・・・
もうそういうの、勘弁してくれる?」
海未「・・・私は、絵里となかよく、」
絵里「海未。あなたはさっきまで過労で熱出して倒れてたのよ。
最近ずっとそうだったでしょう? 穂乃果のこといえないわね」
海未「今は絵里の話をしてるんです・・・!」
絵里「・・・だから、早く熱をさましなさい。
そしたらきっと、気の迷いだったって、分かるから」
海未「・・・なんでそんなこと、ぐすっ・・・ぅあっ、どうしてぇ・・・」
絵里「ありがた迷惑なのよ、距離感も考えないで・・・
もうそういうの、勘弁してくれる?」
海未「・・・私は、絵里となかよく、」
絵里「海未。あなたはさっきまで過労で熱出して倒れてたのよ。
最近ずっとそうだったでしょう? 穂乃果のこといえないわね」
海未「今は絵里の話をしてるんです・・・!」
絵里「・・・だから、早く熱をさましなさい。
そしたらきっと、気の迷いだったって、分かるから」
海未「・・・なんでそんなこと、ぐすっ・・・ぅあっ、どうしてぇ・・・」
19: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/26(月) 23:14:52.26 ID:7YVozdpe0.net
絵里「ごめんなさい。私もちょっと、頭を冷やしてくるわ。
海未、お大事にね」
海未「っ、・・・・・・はい」
海未「絵里・・・ありがとう、ございました」
絵里「・・・それに、海未のせいじゃないの、ぜんぶ」
海未「え・・・?」
絵里「ごめんなさい。・・・さよなら」
バタンッ
海未(どうして、)
海未(どうしてあなたは、そんなつらそうな顔で言うんですか・・・!)
海未、お大事にね」
海未「っ、・・・・・・はい」
海未「絵里・・・ありがとう、ございました」
絵里「・・・それに、海未のせいじゃないの、ぜんぶ」
海未「え・・・?」
絵里「ごめんなさい。・・・さよなら」
バタンッ
海未(どうして、)
海未(どうしてあなたは、そんなつらそうな顔で言うんですか・・・!)
24: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:35:38.62 ID:oRl2d1tQ0.net
◆ ◆ ◆
希「・・・」
海未「あの、遠慮せずに召し上がってください。
お呼びしたのは私なんですから」
希「・・・ごめん、海未ちゃん」
海未「いえ・・・元はといえば、希は私が無理を言って」
希「だけど、わたしがあんな、・・・海未ちゃんまで避けられたり、」
海未「いいんです。
私が、絵里の都合を考える余裕をなくしてたんですよ」
希「・・・」
海未「あの、遠慮せずに召し上がってください。
お呼びしたのは私なんですから」
希「・・・ごめん、海未ちゃん」
海未「いえ・・・元はといえば、希は私が無理を言って」
希「だけど、わたしがあんな、・・・海未ちゃんまで避けられたり、」
海未「いいんです。
私が、絵里の都合を考える余裕をなくしてたんですよ」
25: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:36:22.49 ID:oRl2d1tQ0.net
希「・・・にこっちがね、あんたたちどうしたの、って。
他人みたいな感じがする、って。するどいなあ、にこっち」あはは
海未「・・・」
希「海未ちゃんのことも心配してたんよ。
『μ'sに不仲説が流れたらどうすんのよ』、って」
海未「・・・やさしいのですね」
希「そう、・・・うん」
希「うちね、えりちの壁のこと、見ない振りしてたん」
他人みたいな感じがする、って。するどいなあ、にこっち」あはは
海未「・・・」
希「海未ちゃんのことも心配してたんよ。
『μ'sに不仲説が流れたらどうすんのよ』、って」
海未「・・・やさしいのですね」
希「そう、・・・うん」
希「うちね、えりちの壁のこと、見ない振りしてたん」
26: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:36:59.72 ID:oRl2d1tQ0.net
海未「それは・・・いつからなんですか?」
希「一年生で出会ったときから、ずっとかな。
でもうちが気にしすぎるのもよくないかな、って。
でね? 最近はμ'sのおかげで、あんまり感じなくなってたの」
海未「希は・・・強いのですね」
希「んーん、単純なだけやって。
単純だから、距離感とかわかんなくて失敗したなあってたまに、」
海未(そんなことないです、
絵里もきっと、あなたが踏み込んでくれたおかげで)
希「・・・あー。前にもこんなことあったんよ!
生徒会のスピーチの前日だったかな、リラックスさせようって思って、
えりちにわしわししようとしたん」
海未(前言の撤回を検討しましょうか・・・)
希「一年生で出会ったときから、ずっとかな。
でもうちが気にしすぎるのもよくないかな、って。
でね? 最近はμ'sのおかげで、あんまり感じなくなってたの」
海未「希は・・・強いのですね」
希「んーん、単純なだけやって。
単純だから、距離感とかわかんなくて失敗したなあってたまに、」
海未(そんなことないです、
絵里もきっと、あなたが踏み込んでくれたおかげで)
希「・・・あー。前にもこんなことあったんよ!
生徒会のスピーチの前日だったかな、リラックスさせようって思って、
えりちにわしわししようとしたん」
海未(前言の撤回を検討しましょうか・・・)
27: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:37:46.30 ID:oRl2d1tQ0.net
希「そしたらえりち、ものすごく怒って。
ああもう思い出したくない、あんな形相見たことない」ブルッ
海未「あなたはどんな風にしたんですか・・・」
希「いやいや、いつも通りやったんやって!
ほら、海未ちゃんやにこっちにしてるように!」ワシワシ
海未「あの・・・絵里は、その頃にはもう友達だったんですよね?」
希「一緒にお出かけもしたんよ?! それって普通は友達やん!!」
海未「・・・ええと、では、ちょうど虫の居所が悪かったですとか」
希「うーん・・・
あれからうちも考えたけどね、
・・・合ってるか、自信ないけどね?
えりち、いきなり誰かに身体をさわられるのが嫌いなん」
海未「・・・ああ」
希「なんか腑に落ちたみたいだけど、
海未ちゃん、最近いきなりえりちの身体にふれた?」
海未「っ・・・・その、心当たりは・・・あります」
希「・・・ごめん、今のなし」
ああもう思い出したくない、あんな形相見たことない」ブルッ
海未「あなたはどんな風にしたんですか・・・」
希「いやいや、いつも通りやったんやって!
ほら、海未ちゃんやにこっちにしてるように!」ワシワシ
海未「あの・・・絵里は、その頃にはもう友達だったんですよね?」
希「一緒にお出かけもしたんよ?! それって普通は友達やん!!」
海未「・・・ええと、では、ちょうど虫の居所が悪かったですとか」
希「うーん・・・
あれからうちも考えたけどね、
・・・合ってるか、自信ないけどね?
えりち、いきなり誰かに身体をさわられるのが嫌いなん」
海未「・・・ああ」
希「なんか腑に落ちたみたいだけど、
海未ちゃん、最近いきなりえりちの身体にふれた?」
海未「っ・・・・その、心当たりは・・・あります」
希「・・・ごめん、今のなし」
28: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:38:28.96 ID:oRl2d1tQ0.net
海未「いいんです。
それに・・・そんな人だって、本当は触れてほしいもの、なのでは?」
希「・・・そうかなあ」
海未「もう、希が言ったんですよ?
私だって絵里もそうだと信じたいんです」
海未「それに、こうやって絵里のことを考えていけば、
また一歩ずつ近づけると思うんです。
信じたいんですよ、絵里を。・・・絵里に近づける、自分を」
希「・・・ふふ、強いなぁ。
じゃあ、うちもえりちとちゃんと話してみる!」
それに・・・そんな人だって、本当は触れてほしいもの、なのでは?」
希「・・・そうかなあ」
海未「もう、希が言ったんですよ?
私だって絵里もそうだと信じたいんです」
海未「それに、こうやって絵里のことを考えていけば、
また一歩ずつ近づけると思うんです。
信じたいんですよ、絵里を。・・・絵里に近づける、自分を」
希「・・・ふふ、強いなぁ。
じゃあ、うちもえりちとちゃんと話してみる!」
29: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:39:09.06 ID:oRl2d1tQ0.net
◆ ◆ ◆
絵里「それで、真姫はいつ来るの?」
希「うーん、一年生のクラスはまだ授業なんかなぁ?」
絵里「・・・・」
絵里「ごめんなさい。私ちょっと今日忙しいの」
希「えりち待った!」ぐいっ
パシッ
希「っ!」
絵里「・・・ごめんなさい。
その、こんなことするつもりじゃなかったの」
絵里「でも・・・ねえもういいかしら?
急ぎの用事がなければ、」
希「・・・えりち、うちらのこと、苦手?」
絵里「それで、真姫はいつ来るの?」
希「うーん、一年生のクラスはまだ授業なんかなぁ?」
絵里「・・・・」
絵里「ごめんなさい。私ちょっと今日忙しいの」
希「えりち待った!」ぐいっ
パシッ
希「っ!」
絵里「・・・ごめんなさい。
その、こんなことするつもりじゃなかったの」
絵里「でも・・・ねえもういいかしら?
急ぎの用事がなければ、」
希「・・・えりち、うちらのこと、苦手?」
30: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:39:59.58 ID:oRl2d1tQ0.net
絵里「そんなことっ!
・・・・自分の胸に、聞いてみたら」
希「・・・嫌いではなかった、って信じてるよ」
絵里「親しき仲にも、って言うでしょう」
希「それでもうちらは、同じメンバーなんだよ?
言えないなら他の誰かにだっていい、
せめて、海未ちゃんには、」
絵里「わかってる、・・・わかってるからお願い」
希「海未ちゃんはえりちにいじわるなんてしてない。
えりちのことを信じたくって、仲良くしたかっただけ」
絵里「やめてよ・・・」
希「それにね、うちだって・・・
えりちのこと、できるだけわかってあげたいから、」
絵里「――やめてって言ってるでしょう!?
私のことなんにも知らないくせに、勝手なこと言わないでよ!」
希「ぁ・・・」
絵里「・・・っ!」
・・・・自分の胸に、聞いてみたら」
希「・・・嫌いではなかった、って信じてるよ」
絵里「親しき仲にも、って言うでしょう」
希「それでもうちらは、同じメンバーなんだよ?
言えないなら他の誰かにだっていい、
せめて、海未ちゃんには、」
絵里「わかってる、・・・わかってるからお願い」
希「海未ちゃんはえりちにいじわるなんてしてない。
えりちのことを信じたくって、仲良くしたかっただけ」
絵里「やめてよ・・・」
希「それにね、うちだって・・・
えりちのこと、できるだけわかってあげたいから、」
絵里「――やめてって言ってるでしょう!?
私のことなんにも知らないくせに、勝手なこと言わないでよ!」
希「ぁ・・・」
絵里「・・・っ!」
31: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:41:26.17 ID:oRl2d1tQ0.net
希「・・・ごめん。またあとで、はなそうね」
絵里「・・・のぞみ、」
ガチャッ バタンッ
絵里「・・・・・」
絵里(あぁ・・・・もういや、もういやよ)
絵里(希も海未も、ちゃんと私のことを分かってるのに
結局同じエンディングにとらわれて)
絵里(私はいつまでたっても、みにくい姿のままで
結局ずっと自分自身に呪われたままで)
絵里(・・・いっそ、自分をころしてしまいたくなるわ)
絵里「・・・ごめんなさい
私はまだ、だめだったみたい」
絵里「・・・のぞみ、」
ガチャッ バタンッ
絵里「・・・・・」
絵里(あぁ・・・・もういや、もういやよ)
絵里(希も海未も、ちゃんと私のことを分かってるのに
結局同じエンディングにとらわれて)
絵里(私はいつまでたっても、みにくい姿のままで
結局ずっと自分自身に呪われたままで)
絵里(・・・いっそ、自分をころしてしまいたくなるわ)
絵里「・・・ごめんなさい
私はまだ、だめだったみたい」
32: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:42:01.11 ID:oRl2d1tQ0.net
――――――
――――
――
亜里沙「・・・ねぇ、」
絵里「もう、そんな顔してどうしたの?
早く食べないとお味噌汁、さめちゃうわよ」
亜里沙「お姉ちゃん、きょう学校で何かあったの?」
絵里「・・・どうしてそう思ったのよ?」ふふっ
亜里沙「だって・・・
お姉ちゃん、前みたいな顔してた、から」
絵里「・・・・」
絵里「ねぇ、亜里沙はしあわせになるのよ。
すてきな人と普通に結婚して、普通のしあわせな家庭を築いて」
――――
――
亜里沙「・・・ねぇ、」
絵里「もう、そんな顔してどうしたの?
早く食べないとお味噌汁、さめちゃうわよ」
亜里沙「お姉ちゃん、きょう学校で何かあったの?」
絵里「・・・どうしてそう思ったのよ?」ふふっ
亜里沙「だって・・・
お姉ちゃん、前みたいな顔してた、から」
絵里「・・・・」
絵里「ねぇ、亜里沙はしあわせになるのよ。
すてきな人と普通に結婚して、普通のしあわせな家庭を築いて」
33: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:44:08.89 ID:oRl2d1tQ0.net
亜里沙「そんなの、亜里沙だけじゃいや、
お姉ちゃんだって、だれかとお嫁さんに、」
絵里「やさしいのね、あなたは」ぎゅっ
亜里沙「あっ・・・」
絵里「・・・私、三年間もうかれちゃってね。はじめてだったから。
だから、自分のことだって忘れちゃってた」
亜里沙「・・・お姉ちゃんだって、しあわせになれるもん」ぎゅうっ
絵里「そうね、私は私なりに青い鳥をみつけるわ。
・・・ありがとう、亜里沙」
亜里沙「でも、μ'sの人たちは違う・・・
お姉ちゃんのこと、分かってくれるのに」
絵里「ごめんね・・・私、こわがりだから」
亜里沙「そんなのって・・・」
絵里「さ、早く食べなくちゃ!
私は大切な家族がいればじゅうぶんだから。ね?」
亜里沙「・・・うん」
お姉ちゃんだって、だれかとお嫁さんに、」
絵里「やさしいのね、あなたは」ぎゅっ
亜里沙「あっ・・・」
絵里「・・・私、三年間もうかれちゃってね。はじめてだったから。
だから、自分のことだって忘れちゃってた」
亜里沙「・・・お姉ちゃんだって、しあわせになれるもん」ぎゅうっ
絵里「そうね、私は私なりに青い鳥をみつけるわ。
・・・ありがとう、亜里沙」
亜里沙「でも、μ'sの人たちは違う・・・
お姉ちゃんのこと、分かってくれるのに」
絵里「ごめんね・・・私、こわがりだから」
亜里沙「そんなのって・・・」
絵里「さ、早く食べなくちゃ!
私は大切な家族がいればじゅうぶんだから。ね?」
亜里沙「・・・うん」
34: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:45:39.40 ID:oRl2d1tQ0.net
絵里(小さい頃から、アンデルセンのあのお話が好きだった)
絵里(ひとりぼっちで泣いてた頃だって、
いつか自分の居場所が見つかるって夢見て慰めてきた)
絵里(髪や目の色も、からだのかたちも、周りと全然違った私は
あの物語のアヒルの子どもにそっくりだった)
絵里(どこに行っても気持ち悪がられて、
転々としながら、一度は日本を出てみたことだってあった)
絵里(『リトル・ダンサー』って映画の、あの男の子)
絵里(私はあんな風に「本当の自分」を認めてほしかったんだと思う)
絵里(ひとりぼっちで泣いてた頃だって、
いつか自分の居場所が見つかるって夢見て慰めてきた)
絵里(髪や目の色も、からだのかたちも、周りと全然違った私は
あの物語のアヒルの子どもにそっくりだった)
絵里(どこに行っても気持ち悪がられて、
転々としながら、一度は日本を出てみたことだってあった)
絵里(『リトル・ダンサー』って映画の、あの男の子)
絵里(私はあんな風に「本当の自分」を認めてほしかったんだと思う)
35: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/27(火) 08:48:31.47 ID:oRl2d1tQ0.net
絵里(十年前、おばあさまに連れられて
モスクワのボリショイ劇場で見たクラシックバレエ作品
ピョートル・チャイコフスキー作曲、『白鳥の湖』)
絵里(呪いをかけられ姿を変えられた女の子オデットが、
月の光を浴びて、永遠の愛を誓われることで呪いを解こうとする物語)
絵里(オデットも、アヒルの子も、みずうみで本当の姿に変われたの)
絵里(私も白鳥に、認められる自分に生まれ変わりたかった)
絵里(・・・でも、私のからだに掛けられた呪いは、
まだこんなに強くって)
絵里(海未の気持ちは分かってた、
同じになって一つになりたかった
そしたらあのオデットのように、生まれ変われるのに
・・・でもいえないわ、いえないのよ)
絵里(だって、あなたに見つけられたら、
私、・・・今度こそきっと、こわれちゃうから)
モスクワのボリショイ劇場で見たクラシックバレエ作品
ピョートル・チャイコフスキー作曲、『白鳥の湖』)
絵里(呪いをかけられ姿を変えられた女の子オデットが、
月の光を浴びて、永遠の愛を誓われることで呪いを解こうとする物語)
絵里(オデットも、アヒルの子も、みずうみで本当の姿に変われたの)
絵里(私も白鳥に、認められる自分に生まれ変わりたかった)
絵里(・・・でも、私のからだに掛けられた呪いは、
まだこんなに強くって)
絵里(海未の気持ちは分かってた、
同じになって一つになりたかった
そしたらあのオデットのように、生まれ変われるのに
・・・でもいえないわ、いえないのよ)
絵里(だって、あなたに見つけられたら、
私、・・・今度こそきっと、こわれちゃうから)
39: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:00:01.34 ID:ITtJvse+0.net
◆ ◆ ◆
海未「――はい、分かりました。
もちろん希のことも伝えておきます。
それでは、そろそろ絵里の家なので失礼します」ピッ
海未(・・・・私は、あなたの力になれるのでしょうか)
海未(いえ、なるんです! なるために私は来たんですっ!)ぶんぶんっ
ピンポーン
亜里沙「海未さん、こんにちは!」ガチャッ
海未「――はい、分かりました。
もちろん希のことも伝えておきます。
それでは、そろそろ絵里の家なので失礼します」ピッ
海未(・・・・私は、あなたの力になれるのでしょうか)
海未(いえ、なるんです! なるために私は来たんですっ!)ぶんぶんっ
ピンポーン
亜里沙「海未さん、こんにちは!」ガチャッ
40: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:02:15.11 ID:ITtJvse+0.net
海未「はい、こんにちは。
昼にラインでお伝えしました通り、絵里のお見舞いに来ました」
亜里沙「ありがとうございますっ!
あがってください、羽を伸ばして足を洗ってください!!」
海未「え、ええ・・・・ありがとうございます」
亜里沙「あ、ホットココアのみませんか?
亜里沙、最近はまっちゃってて、いい感じなんです!」
海未「はい、ではお言葉に甘えさせていただきます」にこっ
亜里沙「やったあ! えへへっ、がんばりますっ!」たたたっ
昼にラインでお伝えしました通り、絵里のお見舞いに来ました」
亜里沙「ありがとうございますっ!
あがってください、羽を伸ばして足を洗ってください!!」
海未「え、ええ・・・・ありがとうございます」
亜里沙「あ、ホットココアのみませんか?
亜里沙、最近はまっちゃってて、いい感じなんです!」
海未「はい、ではお言葉に甘えさせていただきます」にこっ
亜里沙「やったあ! えへへっ、がんばりますっ!」たたたっ
41: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:03:22.80 ID:ITtJvse+0.net
海未(たまには、このような甘い飲み物もいいですね)
海未(遅いですね・・・絵里の具合も、芳しくないのでしょうか)
海未(・・・あ、あのお人形さん、かわいいです。
絵里が作ったのでしょうか?)
海未(って、いけませんいけません!
私は遊びに来たんじゃありません、気合いを入れ直さないと、)
ガチャッ
海未「・・・あの、どうですか?」
亜里沙「・・・お姉ちゃん、まだ眠っているみたいです」
海未「そうですか・・・大事でなければよかったです」
亜里沙「でも、すごく苦しそうで、
いやな夢でも見てるのかな・・・って」
海未(遅いですね・・・絵里の具合も、芳しくないのでしょうか)
海未(・・・あ、あのお人形さん、かわいいです。
絵里が作ったのでしょうか?)
海未(って、いけませんいけません!
私は遊びに来たんじゃありません、気合いを入れ直さないと、)
ガチャッ
海未「・・・あの、どうですか?」
亜里沙「・・・お姉ちゃん、まだ眠っているみたいです」
海未「そうですか・・・大事でなければよかったです」
亜里沙「でも、すごく苦しそうで、
いやな夢でも見てるのかな・・・って」
42: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:12:16.39 ID:ITtJvse+0.net
海未「・・・私のせいかもしれません」
亜里沙「そうなんですか?」
海未「はい。絵里はその、・・・うまく言えませんが、
自分の世界があって、あまり踏み込んでほしくない人なのでは、と」
亜里沙「・・・ええ? そうかなあ・・・
あっすみません!」
海未「家では、絵里の様子は違うのですか?」
亜里沙「うーん・・・最近、一緒にお風呂に入らなくなったんです
ちょっと前は一日中くっついてたのに」
海未「えっ・・・ええっ///」
亜里沙「あっあのっ違います! 変な意味じゃなくってー!!」あわわっ
海未「変な意味ってなんですか?!」///
海未「・・・お、落ち着きましょう///」
亜里沙「はいっ///」
亜里沙「そうなんですか?」
海未「はい。絵里はその、・・・うまく言えませんが、
自分の世界があって、あまり踏み込んでほしくない人なのでは、と」
亜里沙「・・・ええ? そうかなあ・・・
あっすみません!」
海未「家では、絵里の様子は違うのですか?」
亜里沙「うーん・・・最近、一緒にお風呂に入らなくなったんです
ちょっと前は一日中くっついてたのに」
海未「えっ・・・ええっ///」
亜里沙「あっあのっ違います! 変な意味じゃなくってー!!」あわわっ
海未「変な意味ってなんですか?!」///
海未「・・・お、落ち着きましょう///」
亜里沙「はいっ///」
44: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:37:17.37 ID:ITtJvse+0.net
亜里沙「でも、亜里沙はうれしいんです」
海未「・・・?」
亜里沙「だって、μ'sのみなさんの話をするお姉ちゃん、
とっても楽しそうで、
お姉ちゃんが生徒会以外のこと話すのがびっくりで、
亜里沙も、いろんな人の話が聞けて楽しくって、」
亜里沙「あっ海未さん!
海未さんの話、ずっと聞かせてもらってたんですよ!」
海未「それは・・・その、恐縮です」
亜里沙「セーソ?で品があってきれい、とか、
なのに、むじゃき?でとってもかわいい、とか、
私のこと分かってくれてうれしい、
照れ屋さんなのにカッコいいのずるい、あとあと、」
海未「その辺で勘弁してくださいっ///」
亜里沙「・・・だから、海未さんのせいでも、
海未さんはぜったいわるくないんです。
だってお姉ちゃんは、海未さんのことが、本当に、」
海未「・・・」
亜里沙「・・・あの、海未さんは、
お姉ちゃんの身体のこと、知ってますか?」
海未「・・・?」
亜里沙「だって、μ'sのみなさんの話をするお姉ちゃん、
とっても楽しそうで、
お姉ちゃんが生徒会以外のこと話すのがびっくりで、
亜里沙も、いろんな人の話が聞けて楽しくって、」
亜里沙「あっ海未さん!
海未さんの話、ずっと聞かせてもらってたんですよ!」
海未「それは・・・その、恐縮です」
亜里沙「セーソ?で品があってきれい、とか、
なのに、むじゃき?でとってもかわいい、とか、
私のこと分かってくれてうれしい、
照れ屋さんなのにカッコいいのずるい、あとあと、」
海未「その辺で勘弁してくださいっ///」
亜里沙「・・・だから、海未さんのせいでも、
海未さんはぜったいわるくないんです。
だってお姉ちゃんは、海未さんのことが、本当に、」
海未「・・・」
亜里沙「・・・あの、海未さんは、
お姉ちゃんの身体のこと、知ってますか?」
45: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:45:11.06 ID:ITtJvse+0.net
海未「それはその、クォーター、ということですか?」
亜里沙「違います、そっちじゃなくて、
・・・・いや、なんでもないです。ごめんなさい、言えません」
海未「・・・そうですか」
亜里沙「お姉ちゃんのことだから、お姉ちゃんに聞いてください」
海未「それは、私が聞いていいことなのでしょうか?」
亜里沙「・・・聞かれたい、って思います。
亜里沙は聞かれたいです」
亜里沙「あ、えっと、ちがくて、
お姉ちゃんが聞かれるのが、亜里沙はうれしい、
・・・あー、なんていうんだろう・・・・」
海未「・・・ふふっ、分かりました。
私から、絵里にそれとなく聞いてみます」
亜里沙「わあっ・・・ありがとうございますっ!」
「・・・ありさぁ?
ねえ、誰かお客さんが・・・」
海未「・・・っ!」
絵里「・・・え、うそ、」
バタンッ
亜里沙「違います、そっちじゃなくて、
・・・・いや、なんでもないです。ごめんなさい、言えません」
海未「・・・そうですか」
亜里沙「お姉ちゃんのことだから、お姉ちゃんに聞いてください」
海未「それは、私が聞いていいことなのでしょうか?」
亜里沙「・・・聞かれたい、って思います。
亜里沙は聞かれたいです」
亜里沙「あ、えっと、ちがくて、
お姉ちゃんが聞かれるのが、亜里沙はうれしい、
・・・あー、なんていうんだろう・・・・」
海未「・・・ふふっ、分かりました。
私から、絵里にそれとなく聞いてみます」
亜里沙「わあっ・・・ありがとうございますっ!」
「・・・ありさぁ?
ねえ、誰かお客さんが・・・」
海未「・・・っ!」
絵里「・・・え、うそ、」
バタンッ
46: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 00:50:01.10 ID:ITtJvse+0.net
亜里沙「あ、おねえちゃ――」
海未「すみません、ちょっと行ってきます!」
海未「絵里、えりっ! 話があるんですっ!!」ドンドン
『・・・・・』
海未「絵里っ! 開けてくださいっ」ドンドン
『・・・帰ってよ!』
海未「・・・・っ、入りますからね?! いいですねっ!?」
『・・・勝手にして』
ガチャッ
海未「すみません、ちょっと行ってきます!」
海未「絵里、えりっ! 話があるんですっ!!」ドンドン
『・・・・・』
海未「絵里っ! 開けてくださいっ」ドンドン
『・・・帰ってよ!』
海未「・・・・っ、入りますからね?! いいですねっ!?」
『・・・勝手にして』
ガチャッ
49: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 08:59:51.42 ID:ITtJvse+0.net
海未「・・・・」
「・・・・」
海未「・・・・あの、・・・お見舞いに、参りました
新鮮なりんごをいただいたので、先ほどお渡ししました。
あとは身体が楽になったら・・・文庫本をどうぞ、約束なので」
「・・・・あは、そうじゃないでしょう、話題。
海未はいつも海未ね」
海未「絵里は寝ているのですか?」
「・・・うん。寝ているわ」
海未「では、そのまま布団の中で聞いてください。
まず・・・絵里、本当にごめんなさい」
「・・・・」
海未「・・・・あの、・・・お見舞いに、参りました
新鮮なりんごをいただいたので、先ほどお渡ししました。
あとは身体が楽になったら・・・文庫本をどうぞ、約束なので」
「・・・・あは、そうじゃないでしょう、話題。
海未はいつも海未ね」
海未「絵里は寝ているのですか?」
「・・・うん。寝ているわ」
海未「では、そのまま布団の中で聞いてください。
まず・・・絵里、本当にごめんなさい」
50: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:00:52.75 ID:ITtJvse+0.net
「・・・海未のせいじゃないって、言わなかったかしら」
海未「初めて聞きました。
それでも、私の気持ちは私の問題なんです」
「私の話なのに?」
海未「はい。
今日の昼休みに希と話して、はっきり自覚しました。
これはきっと、私の罪なのだと」
「・・・・・」
海未「絵里は大切な友達なのに、
友達によこしまな気持ちを抱いてしまって、
“それ以上”を望んでしまった・・・そういう罪です」
「・・・あなたにとっては、これでも友達なのね」
海未「いいえ、もう違います。
私は、あなたに触れたい、あなたを知りたい。
あなたの言葉を無視してても、あなたのためになりたい」
海未「私はあなたと、・・・・信じ合いたいです」
海未「初めて聞きました。
それでも、私の気持ちは私の問題なんです」
「私の話なのに?」
海未「はい。
今日の昼休みに希と話して、はっきり自覚しました。
これはきっと、私の罪なのだと」
「・・・・・」
海未「絵里は大切な友達なのに、
友達によこしまな気持ちを抱いてしまって、
“それ以上”を望んでしまった・・・そういう罪です」
「・・・あなたにとっては、これでも友達なのね」
海未「いいえ、もう違います。
私は、あなたに触れたい、あなたを知りたい。
あなたの言葉を無視してても、あなたのためになりたい」
海未「私はあなたと、・・・・信じ合いたいです」
51: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:01:35.95 ID:ITtJvse+0.net
「・・・・・」
海未「・・・こんなこと、誰にでもいえませんよ」
海未「はずかしくて、自分勝手で、
それに・・・友達に向ける気持ちじゃ、ないです」
海未「こわいです。
一番の気持ちですから、逃げられません」
海未「数日前まで知られるのが怖くて、
自分から絵里を遠ざけようとまでしてしまってたのに」
「・・・敵陣で丸腰だなんて、
無防備すぎて、危ういにもほどがあるわ」
海未「・・・隠していたら、話はできないと思ったんです」
海未「きょうの私は罪を〇す悪い子です。
だから、ずるいこと言います。
絵里のことも、私にだけ話してください」
「・・・ひどい人ね」
海未「・・・すみません。これしか、思いつかないんです」
「っ・・・ねえ海未。
あなた、男の子とつきあったことはある?」
海未「・・・こんなこと、誰にでもいえませんよ」
海未「はずかしくて、自分勝手で、
それに・・・友達に向ける気持ちじゃ、ないです」
海未「こわいです。
一番の気持ちですから、逃げられません」
海未「数日前まで知られるのが怖くて、
自分から絵里を遠ざけようとまでしてしまってたのに」
「・・・敵陣で丸腰だなんて、
無防備すぎて、危ういにもほどがあるわ」
海未「・・・隠していたら、話はできないと思ったんです」
海未「きょうの私は罪を〇す悪い子です。
だから、ずるいこと言います。
絵里のことも、私にだけ話してください」
「・・・ひどい人ね」
海未「・・・すみません。これしか、思いつかないんです」
「っ・・・ねえ海未。
あなた、男の子とつきあったことはある?」
52: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:02:30.54 ID:ITtJvse+0.net
海未「・・・ありませんよ。
なんでそういうこと言うんですか・・・」
海未「でも私の気持ちはきっと、
あなたに向ける気持ちはきっと、・・・そういう気持ちで、」
「その人と、キスとか、したいの?」
海未「ぅあ・・・・よく、わかりません」
海未「・・・ぎゅってしてほしいです。
あなたがそうしてくれたら、きっと、満たされます」
「・・・キスのその先、なんて?」
海未「そういうのは・・・うぅ、考えて、いません!」
海未「・・・でも、いつか、
私もそういうふうに、なると、思います」
海未「本当は、男の人とそうすべきらしいです。
そういうふうに学校でも教わりました、
この世界も、そうやってできてきたって分かります」
海未「でも、私は・・・・あなたに、抱きしめてほしいんです」
「・・・私もいつか、誰かとそうなりたいって思ってた。
でも私には、無理なのよ」
海未「・・・どうしてですか?」
「だって私、男の子にも、女の子にもなれないから」
なんでそういうこと言うんですか・・・」
海未「でも私の気持ちはきっと、
あなたに向ける気持ちはきっと、・・・そういう気持ちで、」
「その人と、キスとか、したいの?」
海未「ぅあ・・・・よく、わかりません」
海未「・・・ぎゅってしてほしいです。
あなたがそうしてくれたら、きっと、満たされます」
「・・・キスのその先、なんて?」
海未「そういうのは・・・うぅ、考えて、いません!」
海未「・・・でも、いつか、
私もそういうふうに、なると、思います」
海未「本当は、男の人とそうすべきらしいです。
そういうふうに学校でも教わりました、
この世界も、そうやってできてきたって分かります」
海未「でも、私は・・・・あなたに、抱きしめてほしいんです」
「・・・私もいつか、誰かとそうなりたいって思ってた。
でも私には、無理なのよ」
海未「・・・どうしてですか?」
「だって私、男の子にも、女の子にもなれないから」
53: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:03:30.56 ID:ITtJvse+0.net
海未「・・・・どういう意味ですか」
「性分化疾患、って、分かる?
私、染色体がXXモザイクで・・・
ああ、両性具有って言ったらイメージしやすいかしら」
海未「なっ・・・はい?
あの、それってどういう、すみません、」
「はぁ・・・だからね、
私の身体は女性に見えるでしょう? なのに、男性器があるの。
今も定期的に、新宿の病院で診てもらってるの」
海未「・・・そんな、ことって・・・」
「性分化疾患、って、分かる?
私、染色体がXXモザイクで・・・
ああ、両性具有って言ったらイメージしやすいかしら」
海未「なっ・・・はい?
あの、それってどういう、すみません、」
「はぁ・・・だからね、
私の身体は女性に見えるでしょう? なのに、男性器があるの。
今も定期的に、新宿の病院で診てもらってるの」
海未「・・・そんな、ことって・・・」
54: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:04:24.58 ID:ITtJvse+0.net
「だからね、ふふっ、・・・私は男にも女にもなれない、
みにくいだけのアヒルの子なの」
海未「・・・・」
「ねぇ海未、これで満足?
私は、その程度のことで諦めがつかないだけだから」
「海未はあんまり気にしないで。
それでも、今まで通りにしてくれたら、・・・うれしいわ」
海未「・・・っ、ひっ、えうっ・・・ぐすっ・・・・」
「・・・もう、なんであなたが泣いてるのよ」
海未「・・・だって、えりがっ、・・・」
「・・・私とつきあえないって、わかったから?」
海未「――ちがいますっ!
これまで、絵里がどうやって、生きてきたかって、
思うだけで・・・わたしは、なんにもできなくて、
なんにも、・・・ぅあっ、しらなくってぇ、・・・えぅっ、」
「・・・やめてよ、お願いだから。
そんなこと言われたら・・・私また、あきらめられなく、」
海未「・・・えり、失礼しますっ!」
「なっ、ちょっ!? だめえっ!?」
みにくいだけのアヒルの子なの」
海未「・・・・」
「ねぇ海未、これで満足?
私は、その程度のことで諦めがつかないだけだから」
「海未はあんまり気にしないで。
それでも、今まで通りにしてくれたら、・・・うれしいわ」
海未「・・・っ、ひっ、えうっ・・・ぐすっ・・・・」
「・・・もう、なんであなたが泣いてるのよ」
海未「・・・だって、えりがっ、・・・」
「・・・私とつきあえないって、わかったから?」
海未「――ちがいますっ!
これまで、絵里がどうやって、生きてきたかって、
思うだけで・・・わたしは、なんにもできなくて、
なんにも、・・・ぅあっ、しらなくってぇ、・・・えぅっ、」
「・・・やめてよ、お願いだから。
そんなこと言われたら・・・私また、あきらめられなく、」
海未「・・・えり、失礼しますっ!」
「なっ、ちょっ!? だめえっ!?」
55: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:05:24.10 ID:ITtJvse+0.net
がばっ
「離してよっ、はいってこないでっ、」
海未「いやですっ、絶対に離しません!」
ばさっ
絵里「やだぁっ、海未がきらいになるのやだあっ!!」ぐいっ
海未「そんなこと、ぜったいに、・・・っ!」ぎゅうっ
絵里「いやなのっ、出てって、忘れてよぉ・・・!!」
海未「だめです、
いまの絵里は、絶対はなしませんっ!!」バタンッ
絵里「・・・あっ・・・」
海未「っ!/// え、ええと、今その、当たったのが、」
絵里「・・・・やだ、ゆわないで・・・
うぁっ、ぐすっ・・・きらわないで、もうやなのぉ・・・っ」
海未「・・・」
絵里「おねがい、見ないで・・・
きもちわるいんでしょ、わかってる、からっ・・・うぅっ」
海未「・・・では、大丈夫なように、
後ろからなら、だきしめてても、いいですか?」ぎゅうっ
絵里「まだいいって言ってない・・・ひどいわぁ・・・」ぎゅっ
「離してよっ、はいってこないでっ、」
海未「いやですっ、絶対に離しません!」
ばさっ
絵里「やだぁっ、海未がきらいになるのやだあっ!!」ぐいっ
海未「そんなこと、ぜったいに、・・・っ!」ぎゅうっ
絵里「いやなのっ、出てって、忘れてよぉ・・・!!」
海未「だめです、
いまの絵里は、絶対はなしませんっ!!」バタンッ
絵里「・・・あっ・・・」
海未「っ!/// え、ええと、今その、当たったのが、」
絵里「・・・・やだ、ゆわないで・・・
うぁっ、ぐすっ・・・きらわないで、もうやなのぉ・・・っ」
海未「・・・」
絵里「おねがい、見ないで・・・
きもちわるいんでしょ、わかってる、からっ・・・うぅっ」
海未「・・・では、大丈夫なように、
後ろからなら、だきしめてても、いいですか?」ぎゅうっ
絵里「まだいいって言ってない・・・ひどいわぁ・・・」ぎゅっ
56: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:15:12.37 ID:ITtJvse+0.net
――――――
――――
――
絵里「・・・海未、ありがと。
ほんとうに、ありがとう」
海未「・・・お礼を言われることなんてしてないです」
絵里「・・・私、血のつながらない人から、
こんなふうに思ってもらえたの、はじめて」
海未「私が勝手に、あなたのこと、だいすきなだけですよ」
絵里「そうね。・・・あなたは勝手なひとよ」
絵里「・・・ねえ、海未ちゃん。
やっぱり、だめよ。私たち、別れなくちゃ」
海未「・・・まだ付き合ってないじゃないですかぁ」
絵里「そうだけど・・・って、“まだ”ってなによ」
海未「・・・ぷふっ、あは」
絵里「くふふっ、ふふっ」
――――
――
絵里「・・・海未、ありがと。
ほんとうに、ありがとう」
海未「・・・お礼を言われることなんてしてないです」
絵里「・・・私、血のつながらない人から、
こんなふうに思ってもらえたの、はじめて」
海未「私が勝手に、あなたのこと、だいすきなだけですよ」
絵里「そうね。・・・あなたは勝手なひとよ」
絵里「・・・ねえ、海未ちゃん。
やっぱり、だめよ。私たち、別れなくちゃ」
海未「・・・まだ付き合ってないじゃないですかぁ」
絵里「そうだけど・・・って、“まだ”ってなによ」
海未「・・・ぷふっ、あは」
絵里「くふふっ、ふふっ」
57: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:15:52.02 ID:ITtJvse+0.net
絵里「希も心配してるんでしょう?
今日はもう大丈夫だから、明日からちゃんとするわ」
海未「はい・・・それは、安心しました」
絵里「・・・本当にありがとう。
私も、あなたのこと、・・・ううん、やめときましょ」
海未「それはちゃんと言葉にしてほしいです・・・」
絵里「そうよね。でも、うん。
じゃあ、明日また学校でね?」
海未「・・・・だめ、です」
絵里「っ、ねえ、海未、分かってるでしょう?」
海未「それでもです。
私は私の都合であなたの秘密を暴いてしまいました。
だから、責任をとらせてください」
海未「その重みを半分、私に背負わせてください。
あなたの苦しみで、私も痛みたいです」
今日はもう大丈夫だから、明日からちゃんとするわ」
海未「はい・・・それは、安心しました」
絵里「・・・本当にありがとう。
私も、あなたのこと、・・・ううん、やめときましょ」
海未「それはちゃんと言葉にしてほしいです・・・」
絵里「そうよね。でも、うん。
じゃあ、明日また学校でね?」
海未「・・・・だめ、です」
絵里「っ、ねえ、海未、分かってるでしょう?」
海未「それでもです。
私は私の都合であなたの秘密を暴いてしまいました。
だから、責任をとらせてください」
海未「その重みを半分、私に背負わせてください。
あなたの苦しみで、私も痛みたいです」
58: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:16:31.86 ID:ITtJvse+0.net
絵里「・・・・・」
海未「・・・・・」
絵里「・・・・いいの?」
海未「はい。・・・覚悟は、します
絵里のこと、もっとちゃんと知っていきます」
絵里「・・・おそっちゃうかも、しれないわよ?」
海未「それはその・・・こまります」
絵里「ほらぁ、困るんじゃない・・・」
海未「困るけど、その、・・・なんとかします」
絵里「なんとかしてくれるの?」
海未「はい。
私が、絵里に合うかたちになります」
絵里「海未・・・・」
海未「っ・・・・・ぁああっ今のなしですっ
今のは精神的な、とにかくそういう意味じゃないんですうっ!」///
海未「・・・・・」
絵里「・・・・いいの?」
海未「はい。・・・覚悟は、します
絵里のこと、もっとちゃんと知っていきます」
絵里「・・・おそっちゃうかも、しれないわよ?」
海未「それはその・・・こまります」
絵里「ほらぁ、困るんじゃない・・・」
海未「困るけど、その、・・・なんとかします」
絵里「なんとかしてくれるの?」
海未「はい。
私が、絵里に合うかたちになります」
絵里「海未・・・・」
海未「っ・・・・・ぁああっ今のなしですっ
今のは精神的な、とにかくそういう意味じゃないんですうっ!」///
59: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:29:14.29 ID:ITtJvse+0.net
絵里「あははっ、・・・ひどいわぁ、今のちょっとぐっと来たのに」
海未「やめてくださいっ!
絵里、なんだか楽しんでませんかっ!?」///
絵里「決まってるじゃない、
だってあの海未が、あんなハレンチなこと・・・ねえ?」にやにや
海未「ぁああああほんっと無理です勘弁してくださぁいっ」///
絵里(ううん、これだけは海未のお願いでもダメ。
私は絶対、今の言葉、忘れないんだから)
絵里(だって、さっきのことだけで、私、
今までの人生が全部ゆるされた気がしたんだもの)
絵里(自分がこういう形で生まれてこれたのだって、
海未のかたちに合うためだったんだって、
いつかちゃんと、そう思える気がする)
絵里(だから・・・もう私、大丈夫みたい)
海未「やめてくださいっ!
絵里、なんだか楽しんでませんかっ!?」///
絵里「決まってるじゃない、
だってあの海未が、あんなハレンチなこと・・・ねえ?」にやにや
海未「ぁああああほんっと無理です勘弁してくださぁいっ」///
絵里(ううん、これだけは海未のお願いでもダメ。
私は絶対、今の言葉、忘れないんだから)
絵里(だって、さっきのことだけで、私、
今までの人生が全部ゆるされた気がしたんだもの)
絵里(自分がこういう形で生まれてこれたのだって、
海未のかたちに合うためだったんだって、
いつかちゃんと、そう思える気がする)
絵里(だから・・・もう私、大丈夫みたい)
60: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 09:30:55.30 ID:ITtJvse+0.net
絵里「・・・ねえ、海未」
海未「はひっ?!
・・・す、すいませんっ。・・・はい」
絵里「・・・私のパートナーに、なってくれる?」
海未「・・・こちらこそ、よろしくお願いします」にこっ
絵里「・・・海未ぃ、だいすきっ!」ぎゅうっ
海未「あのっ、ちょっ、そんないきなり・・・!」
ガチャッ
亜里沙「お姉ちゃん大丈夫?!
急にすごい音がして、声が、・・・・・・あっ」
えりうみ「「・・・・」」
亜里沙「――お楽しみくださいっ!!」ガチャッ バタンッ
絵里「待って亜里沙!!
これはその違くて、まだそういうんじゃないのぉっ」
海未「うぅ・・・えりが、えりがぁ・・・」///
海未「はひっ?!
・・・す、すいませんっ。・・・はい」
絵里「・・・私のパートナーに、なってくれる?」
海未「・・・こちらこそ、よろしくお願いします」にこっ
絵里「・・・海未ぃ、だいすきっ!」ぎゅうっ
海未「あのっ、ちょっ、そんないきなり・・・!」
ガチャッ
亜里沙「お姉ちゃん大丈夫?!
急にすごい音がして、声が、・・・・・・あっ」
えりうみ「「・・・・」」
亜里沙「――お楽しみくださいっ!!」ガチャッ バタンッ
絵里「待って亜里沙!!
これはその違くて、まだそういうんじゃないのぉっ」
海未「うぅ・・・えりが、えりがぁ・・・」///
61: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 10:03:12.41 ID:ITtJvse+0.net
◆ ◆ ◆
希「それじゃあまた明日、あとは若いお二人で!」
海未「それってどういう意味ですかあっ」///
絵里「ちょっとー、あんまりうちの海未ちゃんいじめないでくれる?」
希「あはははっ、えりちもまたね?」
海未「はぁ・・・なんで希は一発で分かるんですかぁ・・・」
絵里「あなたがいけないんじゃない♪
あのねえ、そんなに顔に出やすいと、この先、生きづらくなるわよ?」
海未「ことりにも言われました・・・だって、どうしたらいいんですか?
その、恋人なのですよ!?」ぐいっ
絵里「さ、さあ・・・ええと、普通にしましょう? 普通に」
海未「・・・普通ってなんですかぁ」ムスッ
絵里「ふふっ・・・
ああそうだ、海未。私、ひとつ決めたことがあるの」
希「それじゃあまた明日、あとは若いお二人で!」
海未「それってどういう意味ですかあっ」///
絵里「ちょっとー、あんまりうちの海未ちゃんいじめないでくれる?」
希「あはははっ、えりちもまたね?」
海未「はぁ・・・なんで希は一発で分かるんですかぁ・・・」
絵里「あなたがいけないんじゃない♪
あのねえ、そんなに顔に出やすいと、この先、生きづらくなるわよ?」
海未「ことりにも言われました・・・だって、どうしたらいいんですか?
その、恋人なのですよ!?」ぐいっ
絵里「さ、さあ・・・ええと、普通にしましょう? 普通に」
海未「・・・普通ってなんですかぁ」ムスッ
絵里「ふふっ・・・
ああそうだ、海未。私、ひとつ決めたことがあるの」
62: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 10:03:52.10 ID:ITtJvse+0.net
海未「?」
絵里「大学に入って時間の余裕ができたら、
私、またバレエをやり直してみようと思うの」
海未「それは・・・それは、すごく楽しみですっ」
絵里「そう?海未にそう言ってもらえるの、うれしいわ」
海未「だって、あの時の・・・
あの、先日見せていただいた、白鳥の湖」
絵里「うん・・・あの頃より、もっと自然にできる気がするの。
何かになりたいとかじゃなくって、自分らしく」
海未「・・・そうですね」
絵里「・・・私は、今度こそ白鳥になれるのかしら」
海未「何言ってるんですか、」
絵里「大学に入って時間の余裕ができたら、
私、またバレエをやり直してみようと思うの」
海未「それは・・・それは、すごく楽しみですっ」
絵里「そう?海未にそう言ってもらえるの、うれしいわ」
海未「だって、あの時の・・・
あの、先日見せていただいた、白鳥の湖」
絵里「うん・・・あの頃より、もっと自然にできる気がするの。
何かになりたいとかじゃなくって、自分らしく」
海未「・・・そうですね」
絵里「・・・私は、今度こそ白鳥になれるのかしら」
海未「何言ってるんですか、」
63: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 10:04:33.61 ID:ITtJvse+0.net
絵里「あっ海未ひどーい、海未のくせにっ」
海未「だって、あなたはずっと前から、」
絵里「・・・待ち受けになってると、ちょっと恥ずかしいわ
いや、うれしいんだけど、うん」
海未「この娘はもう、誰がどう見たって、
うつくしい白鳥ですよ」
絵里「・・・そっか。海未がそういうなら、そうよね」
海未「はい。そうです」にこっ
海未「だって、あなたはずっと前から、」
絵里「・・・待ち受けになってると、ちょっと恥ずかしいわ
いや、うれしいんだけど、うん」
海未「この娘はもう、誰がどう見たって、
うつくしい白鳥ですよ」
絵里「・・・そっか。海未がそういうなら、そうよね」
海未「はい。そうです」にこっ
64: (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 10:05:28.72 ID:ITtJvse+0.net
絵里(それから、分かれ道までいろんな話をして帰った)
絵里(お互いの小さい頃の話。楽しかったこと、かなしかったこと)
絵里(こうやってちょっとずつお互いのイメージを確かにしていく)
絵里(声を聞いて、手をつないで、私をあなたに近づけていく)
絵里(いつか、あなただけの私になれるようにって)
絵里(これから先、私たちはどうなるんだろう?)
絵里(ラブライブが終わって、高校を卒業して、大学に行って)
絵里(・・・海未のことだから、急には進めないけれど、
いつか同棲でもしてみたいな・・・ふふっ)
絵里(身体が軽くなって、どこにでも飛んでいけそうな気がした)
絵里(あのおとぎ話の、
みずうみで生まれ変わった、一羽の白鳥のように)
絵里(お互いの小さい頃の話。楽しかったこと、かなしかったこと)
絵里(こうやってちょっとずつお互いのイメージを確かにしていく)
絵里(声を聞いて、手をつないで、私をあなたに近づけていく)
絵里(いつか、あなただけの私になれるようにって)
絵里(これから先、私たちはどうなるんだろう?)
絵里(ラブライブが終わって、高校を卒業して、大学に行って)
絵里(・・・海未のことだから、急には進めないけれど、
いつか同棲でもしてみたいな・・・ふふっ)
絵里(身体が軽くなって、どこにでも飛んでいけそうな気がした)
絵里(あのおとぎ話の、
みずうみで生まれ変わった、一羽の白鳥のように)
65: ◆rB0CA7jVXk (テレビ埼玉)@\(^o^)/ (ワッチョイW 7946-FPhQ) 2015/10/28(水) 10:09:14.69 ID:ITtJvse+0.net
絵里「じゃあまた明日。あっそうそう、
アンデルセン、次の巻も持ってきてくれる?」
海未「わかりました。楽しみにしてます!」
絵里「・・・それとね、海未にプレゼントがあるの。
ちょっとこっち来て」
海未「はい。なんです――」
絵里(その瞬間、私はあの子の頬に唇を寄せた)
絵里(小さく音がして、あの子はぼうぜんと、
やがて顔を真っ赤にする)
絵里(私のほっぺたもひりひりし出して、
きっと海未と同じ色になって、)
海未「っ・・・いきなりは、やめてくださいっ///」
絵里「・・・ねえ、今日最後に、海未のもちょうだい?
今はまだほっぺでいいから。ね?」
海未「むりで・・・そんな顔しないでくださいっ!
わかりました、ええと、目を閉じてくださいっ」
絵里(目を閉じて、何万年にも思える数秒間が過ぎたとき、
あいする人の熱いのが、頬にふれる)
絵里(呪いが解ける音、生まれ変わる音がした)
おわり。
アンデルセン、次の巻も持ってきてくれる?」
海未「わかりました。楽しみにしてます!」
絵里「・・・それとね、海未にプレゼントがあるの。
ちょっとこっち来て」
海未「はい。なんです――」
絵里(その瞬間、私はあの子の頬に唇を寄せた)
絵里(小さく音がして、あの子はぼうぜんと、
やがて顔を真っ赤にする)
絵里(私のほっぺたもひりひりし出して、
きっと海未と同じ色になって、)
海未「っ・・・いきなりは、やめてくださいっ///」
絵里「・・・ねえ、今日最後に、海未のもちょうだい?
今はまだほっぺでいいから。ね?」
海未「むりで・・・そんな顔しないでくださいっ!
わかりました、ええと、目を閉じてくださいっ」
絵里(目を閉じて、何万年にも思える数秒間が過ぎたとき、
あいする人の熱いのが、頬にふれる)
絵里(呪いが解ける音、生まれ変わる音がした)
おわり。
引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1445867067/