【SS】千砂都「恋ちゃんが洋酒入りチョコレートで酔っちゃった……」【ラブライブ!スーパースター!!】

SS


1: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:07:16.40 ID:3Hs+Gpcb
はじめに


ちされん(ちぃれん)

本編セリフの改変やキャラ崩壊等、ご注意ください
 

2: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:07:53.23 ID:3Hs+Gpcb
バレンタインデー数日前

千砂都「うーん、今度のバレンタインは何を作ろうかなぁ……かのんちゃんには毎年チョコを贈ってるけど、今年はLiellaのみんなにも作ってあげたいしなぁ……」

…ベッドに寝そべって頬杖をつきながら、いかにも美味しそうなチョコレートの写真が掲載されたバレンタイン特集の雑誌をパラパラとめくる……ふと視線を向けたベッド脇の壁にはコルクボードがあり、そこにはLiella全員が集合したときのものや、ふざけあっている愉快な日常のひとこまを写した写真が飾ってある……片手で髪留めの組み紐をいじりながら、しみじみと写真を眺める千砂都…

千砂都「……それにしても、この一年でみんな変わったなぁ」
 
3: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:08:58.05 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「最初なんて体力のないクゥクゥちゃんと自信をなくしちゃってたかのんちゃん、あとは「ショウビジネス」が上手くいかなくて、口でこそ強がっていたけど本当は弱気でちぐはぐな感じになってたすみれちゃん……それに勇気を出して踏み出すことも出来なかった私だもんね」

千砂都「……でも、一番変わったのはやっぱり恋ちゃんかな」
 
4: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:09:33.74 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「恋ちゃん、根は素直なのにピリピリした雰囲気で近寄りがたい感じだったけど、最近はずいぶん丸くなったし……やっぱり廃校が阻止できて安心したんだろうなぁ」

千砂都「それに、何だかんだ言っても音楽科の時にお世話になったし、好きなイチゴ味でチョコを作ってあげたら喜んでもらえるよね」

千砂都「……よし、決めた。バレンタインの当日は恋ちゃんに「ピエール・マル〇リーニ」直伝のとびきり美味しいチョコレートを贈ってあげよう……っと♪」
 
5: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:10:41.71 ID:3Hs+Gpcb
バレンタインデー当日・部室

千砂都「……それがどうしてこうなっちゃうかな」

恋「千砂都さぁ……ん♡」

千砂都「恋ちゃんってば完全に出来上がっちゃってるね……」

恋「千砂都さーん、無視しないでくださぁーい♡」

千砂都「大丈夫だよ恋ちゃん、ちゃんと聞いてるから……」

恋「そうれすかぁ、よかったれす……♡」

千砂都「うーん、やっぱり最後の「あれ」がまずかったかぁ……」
 
6: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:12:26.31 ID:3Hs+Gpcb
バレンタインデー前日・千砂都ハウス

千砂都「材料、よし」

千砂都「調理器具、よし」

千砂都「レシピ、よし」

千砂都「お団子まんまる、よし」

千砂都「うん、ばっちり準備完了……うぃっす、うぃっす、うぃっすー」

…指差し確認を終えると三角巾をきゅっと締め、気合いを入れる千砂都……台所にはまな板と包丁、調理用はさみ、重さを計るはかり、綺麗に洗って水をよく拭き取ってあるボウル、やかんで沸かしているお湯と料理用の温度計、大小さまざまなヘラと計量カップ、スプーン……そして肝心の製菓用チョコレートにトッピング用の製菓材料、それと綺麗な色の液体が入った小瓶が所狭しと並んでいる…

千砂都「それじゃあ、まずはチョコレートを湯煎して……と」
 
7: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:13:18.21 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「温度は熱くなりすぎないように……もうちょっとお湯を冷まして……」

千砂都「うん、いい温度……」

…まずはおおよそ50℃のお湯を満たしたボウルにチョコレートの入ったボウルを浮かべゆっくり溶かしていく……おはじき程度の粒状をしたチョコレートが溶けきるとヘラで撫でるようによく混ぜ、照りが出るまで温度を維持する……そして艶がでたら冷たいステンレスのバットに広げるようにして冷ます…

千砂都「ん、テンパリングはこのくらいでいいかな……」
 
8: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:14:27.91 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「それじゃあ仕上げの風味付けにイチゴリキュールを……っとと」

…テンパリングして冷ましたチョコレートをもう一度溶かして型に流しこむ前に、香り付けのイチゴリキュールを加えようと小さい計量スプーンを添えて、慎重に小瓶を傾ける……が、なかなか流れてこないのでつい勢いよく傾けると、今度は注ぎ口からリキュールが一気に流れ出て小さじからあふれた……ボウルのチョコレートに綺麗なルビー色のしずくがポタポタとしたたり落ちると、ふわっと甘いイチゴの香りが漂う…

千砂都「あちゃー、ちょっと多めに入っちゃった……」

千砂都「……まぁ「リキュール」っていってもそんな量じゃないし、大丈夫だよね」
 
9: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:15:16.33 ID:3Hs+Gpcb
恋「千砂都さぁーん……♡」

千砂都「やっぱり「あれ」が不味かったかぁ……」

恋「むぅ……千砂都さんが心を込めて作ってくださったチョコレートがまずいなんてことないれす……っ!」

千砂都「あー、うん……不味いっていうのは「チョコレートが」じゃなくてね……」

恋「ならいいれす……ちさとさん♡」

千砂都「なーに、恋ちゃん?」
 
10: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:16:29.42 ID:3Hs+Gpcb
恋「ふふ、呼んでみただけれす……♡」

千砂都「ん、そっか……でもこのままじゃあダメだから、お水でも……」

恋「ちさとさん、ちさとさん……っ♡」

千砂都「はいはい、今度はなにかな?」

恋「……ぎゅー」

千砂都「ん?」
 
11: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:18:06.07 ID:3Hs+Gpcb
恋「ですからぁ、ぎゅー……♡」

千砂都「ああ……もしかして「ぎゅー」ってして欲しいの?」

恋「そうれす、しゃいしょからそう言っているではありませんか」

千砂都「分かった分かった……それじゃあおいで、恋ちゃん」

恋「えへへぇ、ちさとさぁん……♡」ぎゅっ……♡
 
12: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:19:05.96 ID:3Hs+Gpcb
数分後

千砂都「うーん、困った……つい抱きつかせちゃったけど、かのんちゃんたちも来るのにこのままって言うわけにもいかないし……」

恋「……ちさとさん、ほっぺがふにふにれす♡」

千砂都「えへへ、ありがと♪」

恋「それに、とってもあまくていい匂い……♡」

千砂都「んー、そんなことないと思うけど……チョコレートの匂いじゃない?」
 
13: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:20:01.30 ID:3Hs+Gpcb
恋「いえ、とってもあまくていいにおいれす……」

千砂都「そっか」

恋「はい……それにこんなにいいにおいれすから、味もきっとおいしいにちがいありません」ちゅ…♡

千砂都「れ、恋ちゃん……っ!?」
 
14: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:23:18.20 ID:3Hs+Gpcb
恋「はむっ……あまくはないですが、すべすべもちもちれす♡」

千砂都「ちょっと恋ちゃん、それはだめだって……///」

…ろれつの回らない恋がとろんとした目で抱きつき、千砂都のほっぺたを唇でなぞる…

恋「どうしてれす……なにかいけないというきまりでもあるのれすか」

千砂都「うーん、別に決まりはないけど……」
 
15: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:24:13.18 ID:3Hs+Gpcb
恋「ならだいじょうぶれす……はむっ、あむっ♡」

千砂都「あははっ、ダメだってば……くすぐったいから……っ///」耳たぶを甘噛みされると、吐息が耳をくすぐってくる……

恋「むむむ、ちさとさんはわがままれす……」

千砂都「えー……」

恋「そんなわがままなちさとさんには、しばらく「ぎゅー」をつづけてもらいます♡」

千砂都「もう、仕方ないか……」
 
16: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:26:17.03 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「恋ちゃん、どう?」

恋「ちさとさん、あったかくてきもちいいれす……」

千砂都「そっか……でも恋ちゃんもぽかぽかしてるし、柔らかくて抱き心地がいいよ?」

恋「そうれすか、ではもっとぎゅーってしてあげます♡」
 
17: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:28:03.92 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「わわ……っ///」

…無邪気に抱きついてくる恋は子供に戻ったようでなんとも微笑ましいが、一方で年相応に柔らかな胸や張りのあるふとももがぐいぐいと押しつけられてきて、次第に千砂都もおかしな気分になってくる…

恋「ちさとさぁん……♡」

千砂都「……恋ちゃん、ちょっといいかな?」
 
18: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:31:50.37 ID:3Hs+Gpcb
恋「ふぁい、なんでしょう?」

…焦点の定まらない瞳にぽーっと赤みが差した頬で、千砂都のことを眺めている恋…

千砂都「うん、ちょっとお水を飲もっか……」

恋「おみず……ですか?」
 
19: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:32:45.65 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「そうそう、お水……」

…しがみついて離れてくれない恋を抱きしめたまま、練習に備えて持ってきておいた水筒に手を伸ばす…

恋「むぅ……せっかくおいしいイチゴの味がしているのに、お水なんてのみませんよ」

千砂都「そっか……じゃあ仕方ないね」

恋「んむ……っ///」
 
20: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:36:43.82 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「んくっ、んく……っ♡」

恋「ん、んっ……こくんっ///」

…唇を押しつけて舌先で恋の唇を開かせ、人工呼吸の要領で水を口に流し込む……触れあった唇に感じるぷるっとした感触と、水と入れ違いに入ってくる甘いチョコレートとイチゴの味…

千砂都「ぷは……どうだった?」

恋「ふわ……つめたくておいしいれす♡」

千砂都「そっか、でももうちょっと飲まないと……だよね♡」そういうと、舌先で唇をちろりと舐めた……

恋「……ふぁい♡」
 
21: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:43:33.94 ID:3Hs+Gpcb
千砂都「それじゃあ……んちゅぅ♡」

恋「ちゅぅ、ちゅぱ……んむ♡」

…向かい合わせに抱き合っている椅子から恋が滑り落ちないよう片手をヒップに回し、もう一度口移しで水を飲ませる千砂都……一方の恋も火照った体に沁みわたる冷水が美味しいのか、嫌がる様子もなく受け入れる…

千砂都「……おー、恋ちゃんってば上手だねぇ♪」

恋「そうれすか? もしかして、れんが小さくておくすりをのめないとき、おかあさまがこうしてくれたかられしょうか」

千砂都「うん、きっとそうだね……さ、それじゃあもう一口♡」
 
22: (らっかせい) 2022/02/16(水) 00:49:31.33 ID:3Hs+Gpcb
恋「んくっ、こくんっ……♡」

千砂都「ぷは……♡」

恋「ちさとさん、もっとお水がほしいれす……」

千砂都「お水……はもうないけど、それでもいい?」

恋「はい……♡」

千砂都「はい、それじゃあ……♡」

…空になった水筒をかたわらに置くとしっとりと水気を含んでいる唇を触れあわせ、そのまま舌を滑り込ませる…

千砂都「ちゅぅ……ちゅるっ♡」

恋「ちゅむ……ちゅ……♡」
 
23: (らっかせい) 2022/02/16(水) 01:01:10.50 ID:3Hs+Gpcb
恋「ちゅっ、ちゅ……♡」

千砂都「んむ……ちゅ、ちゅる……っ♡」

恋「ん、んぅ……ぷはぁ♡」

千砂都「ふぅぅ……恋ちゃん、満足した?」

恋「……もっと♡」

千砂都「そっか……それじゃあもっとしてあげる♡」
 
24: (らっかせい) 2022/02/16(水) 01:11:21.31 ID:3Hs+Gpcb
数十分後

千砂都「……どうにか酔いはさめたみたいだね、恋ちゃん?」

恋「ええ///」

千砂都「ありゃ、もしかして酔ってた時のこと……覚えてたりする?」

恋「は、はい……///」

千砂都「そっかぁ……いやぁ、とんでもないことになっちゃったね///」

恋「そ、そうですね……///」

…お互いに少し気まずいような表情を浮かべているが、ただそれだけではない、Liellaの皆には明かせない、なにか「二人だけの密かな秘密」を共有する満足感のようなものが流れている…

千砂都「うん、まさかあんなになるとは思わなかったよ……今度バレンタインを贈るときはリキュールなしのチョコレートにするね」

恋「……です///」

千砂都「ん?」

恋「来年も……リキュール入りのチョコレートがいいです///」

千砂都「……そうだね♡」


おしまい
 
25: (らっかせい) 2022/02/16(水) 01:13:22.65 ID:3Hs+Gpcb
あとがき

まずはお読み下さりありがとうございます。バレンタインデーということで遅ればせながら「ちされん」で書かせていただきました……他にもかのん受けのくーかーちーで「うひょー、チョコレートを塗ったかのんちゃんたまんねー♡」的なナンセンスコメディでも書こうかと思いましたが、バレンタイン前後に間に合わせるのと、ちされんの供給が少ないことからこちらにしました。


あと、ちぃちゃんの口調が意外と難しく、いまいち再現できていない感じです……
 
26: (らっかせい) 2022/02/16(水) 01:14:00.92 ID:3Hs+Gpcb
過去作

すみれ「やっちゃったったらやっちゃったのよ…」可可「スバラシイテクニックノヒト…♡」 https://lovelive-petitsoku.com/chat-category/147259/
かのん「そういえばちぃちゃんのお団子ってどんな味がするんだろう…」
かのん「リバーサイドホテル?」千砂都「そうだよ」
恋「禁断のセカイを開いてしまいました…」
恋「なんと『ママ活』をするとイチゴがいただけるのですか」
恋「平安時代の雅な遊びをしましょう」すみれ「いいけど?」

かのんのグルメ https://lovelive-petitsoku.com/chat-category/177427/

可可「クゥクゥは実家に帰らせてもらいマス」かのん「そんな…!」
https://lovelive-petitsoku.com/chat-category/180369/
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1644937636/

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