桜坂しずく(27)【長編SS】 | ラブライブ!まとめ ぷちそく!!

桜坂しずく(27)【長編SS】





SS
1: 2020/01/23(木) 22:58:49.22 ID:3NPrSEHY
若くして数々のドラマや映画に出演する大人気女優となったしずくちゃん

超有名な作詞家と作曲家つけてもらえて、多数の音楽番組やイベントへの出演も確約されてる超好条件のアーティストデビューの話が来るものの、頑なに首を縦に振ろうとしないしずくちゃん

業界関係者は、しずくちゃんが提示したとある条件に頭を悩ませているらしい……


そんなニュースをぼーっと見ていた、埋もれたソングライターのあなたちゃんに一通のメールが


その相手は、いつの間にか疎遠になっていたしずくちゃんからだった………

5: 2020/01/23(木) 23:07:55.37 ID:3NPrSEHY
『お久しぶりです、先輩

 先輩にお願いがあります

 今夜"あのバー"で待ってます』


何か準備しようとするも何もできず、結局ボサボサの髪もヨレヨレのシャツも直さず家を飛び出すあなたちゃん

初めてしずくちゃんとお酒を飲み交わしたお台場のバーに飛び込む


「…待ってましたよ」


テレビで死ぬほど見慣れていたはずなのに、綺麗になったしずくちゃんに、どうしようもなくときめいてしまうのだった

6: 2020/01/23(木) 23:10:29.06 ID:3NPrSEHY
ここまでは考えました
後はどなたか素敵なシナリオに導いてください><

10: 2020/01/23(木) 23:46:56.47 ID:3NPrSEHY
たぶんスレ落ちるから続き考えてからまた建てるかも
将来ニジガクメンバーって何してるか決めておきたいんだけど

かすみ→パン屋
しずく→女優
果林→モデル
愛→もんじゃ屋
せつ菜→アイドル
璃奈→IT企業の期待の若手

せつ菜はアイドルってよりまさにともりるみたいなことしてそうかもだけど
歩夢、彼方、エマがいまいち想像つかない

11: 2020/01/23(木) 23:50:29.66 ID:d8IhCOuS
お嫁さん、調理師、牧畜家やろ

13: 2020/01/23(木) 23:54:50.57 ID:MuJut1pV
なりたいものとなるものは違うんだよなぁ

1: 2020/01/24(金) 00:39:30.11 ID:drbS1b/R
元スレ
書こうとしてたら落ちてたので

しずくちゃんが将来アーティストデビューするとして
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1579787929/

ピピピッ

ピピピッ

ピピピッ

あなた「んん…………うるさいな」カチッ

あなた「ん、もう昼過ぎか……昨日何時に寝たっけ。いい加減昼夜逆転直さなきゃ」

引用元: https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1579787929/

引用元: https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1579793970/

4: 2020/01/24(金) 00:46:40.19 ID:drbS1b/R
あなた「テレビテレビっと。リモコンどこかな?」ガサガサ

あなた「あ、あった」ピッ

リモコンは無造作に散らばった雑誌と真っ白なノートの下敷きになっていた。

別に何を見るわけでもなくとりあえずテレビを付ける。
聞き流してもいいからテレビを付けると朝目がシャキッとするみたいなことを聞いたことがある。
もう昼だけど。

「今日のゲストは今大ブレイク中の桜坂しずくさんです!!」

しずく「どうも、桜坂です!」
 
あなた(綺麗だな……)

テレビには背もあの頃より少し伸び、チャームポイントの1つだったリボンも外して大人の女性となったしずくちゃんが映っていた。

あなた(いや、もうしずくちゃんなんて馴れ馴れしく呼べるもんじゃ無いか)

5: 2020/01/24(金) 00:52:13.86 ID:drbS1b/R
若くして数々のドラマや映画に出演する大人気女優となったしずくちゃん。
今やテレビで見ない日など無い。


超有名な作詞家と作曲家つけてもらえて、多数の音楽番組やイベントへの出演も確約されてる超好条件のアーティストデビューの話が来ているにもかかわらず、頑なに首を縦に振ろうとしないみたいだ。

アーティストデビューは嫌で、あくまで女優としてお芝居をしたいということだろうか。

あなた「ふふっお高くとまっちゃって。私ならどんな仕事でも喜んで引き受けるのに」

インタビューによるとしずくちゃんは自分が指定する作詞で意外は受けないと言っているらしいのだけれど。
そんなこと私には関係の無いことだった。

6: 2020/01/24(金) 00:56:33.05 ID:drbS1b/R
ピコン

あなた「ん?メールだ。仕事の依頼かな?」

あなた「なんて、こんな底辺ソングライターに依頼なんて──」


From:しずく
『お久しぶりです、先輩

 先輩にお願いがあります

 今夜"あのバー"で待ってます』


あなた「…………」


あなた「………………?」

7: 2020/01/24(金) 00:57:46.62 ID:drbS1b/R
ガララ


「…待ってましたよ」


テレビで死ぬほど見慣れていたはずなのに、綺麗になったしずくちゃんに、どうしようもなくときめいてしまった。

8: 2020/01/24(金) 01:01:15.83 ID:drbS1b/R
しずく「ふふっ、さっきまで寝てたんですか?」

あなた「え?」

しずく「だって、髪がボサボサですし、シャツもヨレヨレですよ」

あなた「あ……」

結局行くか行かないか散々悩んだ結果夜になってしまっていたので、慌てて家を飛び出したせいだ。

9: 2020/01/24(金) 01:07:40.25 ID:drbS1b/R
しずく「じっとしててください。シャツ直してあげます」フワァ

あなた「うわっ……」

あなた(めっちゃいい匂いする!)


しずく「はい、出来ました!髪は……ブラシ使います?」

あなた「いや、いいよ。桜坂さん」

しずく「桜坂さんだなんて、そんな他人行儀な……。あの頃みたいにしずくちゃんって呼んで下さい!あ、いっそしずくでも」

あなた「………しずくさん」

しずく「さんは付けるんですね。私あなたの後輩ですよ?」

12: 2020/01/24(金) 01:14:14.73 ID:drbS1b/R
あなた「だって桜坂さん毎日テレビで見ない日が無いくらいの大女優だし。日本で桜坂さん知らない人なんていないんじゃないかな」

あなた「そんな人に私みたいな底辺が呼び捨てなんて、恐れ多いよ」

しずく「底辺だなんてそんな──」

あなた「私一応ソングライターとして活動してるんだけど、活動名知ってる?」

しずく「っ!それは……」

あなた「ね、知らないでしょ」

13: 2020/01/24(金) 01:19:05.85 ID:drbS1b/R
あなた「別に気まずそうにする必要は無いよ。皆にも言ってないし、桜坂さんみたいな大物の耳に入るような活動だってとても出来てない」

あなた「最後に曲を提供したのもいつだったかも思い出せないや」

しずく「すみません。仕事が忙しくて中々他の方の曲を聴けていなくて……」

14: 2020/01/24(金) 01:23:00.74 ID:drbS1b/R
あなた「それより今日は何で私に連絡くれたの?」 

しずく「あ、それはですね!」ゴソゴソ

あなた「?」

しずく「私がアーティストデビューの話を断っているのはご存知ですか?」

あなた「うん。インタビューで何回も言ってるよね。確か自分が希望した人の歌じゃ無いとデビューはしないって」

しずく「あれ、あなたのことです」



あなた「…………………」


あなた「え?」

15: 2020/01/24(金) 01:26:11.33 ID:drbS1b/R
しずく「これ、契約書です。ここに名前さえ書いていただければ明日にでも──」スッ


あなた「ちょっと待ってちょっと待って!!」

しずく「何ですか?」キョトン

あなた「そんな邪心の無い目で見られても困るんだけど……」

16: 2020/01/24(金) 01:30:10.09 ID:drbS1b/R
あなた「何で私なの?」

しずく「それ聞きます?私達スクールアイドル同好会のメンバーに曲を提供してくれていたのは一体誰ですか?」

しずく「私気付いたんです。私がほんとに歌いたいのは他の有名な人の曲じゃなく、やっぱり、あなたの曲なんだって。そう思ったらいても立ってもいられなくなって──」

ガタッ

しずく「どうしたんですか?」

あなた「帰るね」

しずく「えっ……」

17: 2020/01/24(金) 01:32:21.89 ID:drbS1b/R
しずく「待って下さい!」

あなた「しずくちゃん、私を買いかぶりすぎだよ。多分しずくちゃんが思ってる私はあの頃で止まってるから」

しずく「話を聞いて下さい!お願いします!」


バタン

18: 2020/01/24(金) 01:35:10.16 ID:drbS1b/R
あなた「しずくちゃんに酷いことしちゃったかな……」

あなた「でも仕方ないよね。今の私がしずくちゃんにどんな顔して接すればいいっていうんだよ」

あなた「あ、お金払ってないや」スッ

あなた「……………ん?」

あなた「ていうか帰りの交通費足りなくない……?」

19: 2020/01/24(金) 01:37:43.07 ID:drbS1b/R
しずく「うぅ、先輩……」

ガララ

しずく「……!先輩!考え直してくれたんですか!?」

あなた「いや、なんというか。非常に申し上げにくいんですが」

しずく「……?」

20: 2020/01/24(金) 01:48:29.04 ID:drbS1b/R
しずく「あははは!先輩、財布にお金入れ忘れるなんてうっかりさんですね!」

あなた「いやぁ、入れ忘れたのはうっかりなんだけど。ぶっちゃけ飲んだりするお金も無かったりして……」

しずく「そんなに売れてないんですか?」

あなた「まぁね……今やソングライターなんて名ばかりでバイトでの収入が殆どだから」

しずく「安心してください。ここの料金と交通費くらい私が払います」

しずく「とりあえず5万円ほど渡しておきましょうか」スッ

あなた「そんなの受け取れないよ!!」

あなた「って言いたいところだけど、とりあえず今日の所は1枚だけ受け取らさせていただきます……」

あなた(後輩からお金貸して貰うとかいよいよ私クズじゃん)

22: 2020/01/24(金) 01:52:17.67 ID:drbS1b/R
あなた「でもこれで分かったでしょ桜坂さん」

しずく「しずく」

しずく「って言ってくれなきゃお金は渡しません」

あなた「……しずくちゃん」

しずく「はい、どうぞ」スッ

あなた「私は今のしずくちゃんに相応しいような人じゃない。あの頃の私はもういないんだよ」

しずく「そんなこと無いです。先輩、これ見て下さい」

26: 2020/01/24(金) 02:01:32.78 ID:drbS1b/R
あなた「これは……」

しずく「こっちが先輩が最初に私にくれた曲、それにこっちが私と先輩が一緒に歌詞のキャラクターの設定から考えた曲」

しずく「他にも先輩がくれた曲、全部今でも大切に持ってます」

あなた「嬉しいな。今でも持っててくれてるんだ」

しずく「はい!だから先輩──」

あなた「でもしずくちゃん、過去に囚われてちゃだめだよ」

しずく「そんなこと言わないで下さい!あの頃の先輩があるから今の私があるんです!過去に囚われてなんていません!」

あなた「囚われてるよ!じゃなきゃ今の私にこんな契約頼んだりしない!!」バンッ

しずく「先輩……」

27: 2020/01/24(金) 02:12:35.16 ID:drbS1b/R
あなた「ホントに今のしずくちゃんはキラキラ輝いてる」

あなた「しずくちゃんだけじゃない。果林ちゃんは有名なモデルさんだし、せつ菜ちゃんは何回もアニメになってる人気ラノベ作家で声優も勤めてる」

あなた「他の皆も立派に職に付いて頑張って暮らしてる。それに比べて私は今も夢を捨てきれないでまともに職にも就いてないダメ人間」


しずく「もしかして先輩が同好会の皆と連絡を取ってないのって」


あなた「うん、今の私に皆は眩しすぎるから」


しずく「そんなこと言わないで下さい!皆きっと先輩に会いたがってます!」


あなた「そうかもしれない。同好会の皆は優しいから」

あなた「でも怖いんだ。今もキラキラしてる皆に会うと、自分が惨めになるような気がして」

28: 2020/01/24(金) 02:18:25.69 ID:drbS1b/R
あなた「これ、今の私が書いた曲。見てみて」スッ

しずく「これは……」

あなた「ね、酷いでしょ?あの頃に書いてた曲の10分の1の良さも無い。なんであの頃はあんなにいい曲が書けたのかな」

しずく「それはキラキラしてる皆を身近に見ていたからじゃないですか?」

あなた「え?」

29: 2020/01/24(金) 02:34:19.58 ID:drbS1b/R
あなた「確かに、言われてみればそんな気もする……」

しずく「どうですか先輩、もう一度みんなに会ってみませんか?」

あなた「みんなに?」

しずく「トキメキを思い出すんです!頑張ってるみんなに実際に会って、それで」

しずく「あの頃以上にもっと頑張るので、応援よろしくお願いします!」

あなた「応援……」

しずく「もちろん、とは直ぐに言ってくれないんですね」

あなた「ごめん」

30: 2020/01/24(金) 02:37:05.11 ID:drbS1b/R
しずく「どうします?連絡しづらいなら私からでも──」

あなた「いや、私から連絡するよ。そろそろ自分がどうしたいか考えなきゃいけないなって思ってたところなんだ」

あなた「それに私昔から実行に移すのは早いほうなんだよ」

しずく「ふふっ、知ってます」

31: 2020/01/24(金) 02:42:12.65 ID:drbS1b/R
しずく「それじゃあ先輩、もし気が変わったら私に連絡下さい。待ってますから」

あなた「うん」ニコッ


しずく「!」

32: 2020/01/24(金) 02:45:22.58 ID:drbS1b/R
しずく「先輩!」


あなた「え?」


しずく「今、いい笑顔してましたよ!」


あなた「そっ、そうかな……?」


しずく「はい!」


あなた(皆ともう一度話すのは怖いけど……)

あなた(頑張ろう)

33: 2020/01/24(金) 02:47:24.99 ID:drbS1b/R

以降虹メンバーが成長に辺り結婚していたりする描写があります。

男に拒否反応を示す方はご注意ください。

34: 2020/01/24(金) 02:57:14.36 ID:drbS1b/R
ーーーーー

「はいっ450円になります!」

「かすみちゃん大分お腹大きくなってきたけど、お仕事お休みしなくても大丈夫?」

「心配いりません!周りのサポートまありますし、パン作りは私が好きでやってることなので!」

「子どもが生まれたら子ども服いっぱい持ってくるわね!」

「うわ~ありがとうございます!助かります~!」

スッ

「あら、これ以上は後ろのお客さんに迷惑になるわね。それじゃあまたね。かすみちゃん」

「はーい!今後ともかすみんベーカリーをよろしくお願いしまーす!」

「次の方どう──」

「!?せ、せ、せ……」


あなた「久しぶり、かすみちゃん」

62: 2020/01/24(金) 16:43:21.48 ID:drbS1b/R
かすみ(27)「せ……せんぱぁいぃぃぃ!!!!」ダッ

ギュッ

かすみ「うわぁぁぁぁん!!!せんぱぁい!!!」

あなた「うわっ、かすみちゃん!?」

かすみ「どこ行ってたんですかぁぁぁ!!!連絡も全然つかないし、滅茶苦茶心配してたんですよ!!」

あなた「かすみちゃん……」

あなた「ごめんね」ナデナデ

かすみ「うっ……うっ……」

かすみ「うわぁぁぁぁぁんんん!!」

あなた「あわわわ」

「おい、どうしたんだかすみ!」バッ

かすみ「せんぱっ、せんぱぁいぃぃぃ!」ギュゥゥゥ

「…………あなたは?」

あなた「あははは……」

63: 2020/01/24(金) 16:53:49.45 ID:drbS1b/R
「後は私が店番しておきますので、どうぞ2人でゆっくりしていって下さい」

あなた「ありがとうございます」

かすみ「ちょっ、私も店番するって!」

「お前はそんなグチャグチャの顔でステージに立つのか?」

かすみ「うっ……」

「閉店時間まで先輩待たすのも悪いだろ。それにお前お腹のこともあるんだから、今日はもう仕事休め」

かすみ「分かりましたよ……」ボスッ

あなた「やっぱりかすみちゃんは愛されてるんだね」

かすみ「そりゃあ超絶可愛いかすみんですから当然です!」

64: 2020/01/24(金) 16:58:20.70 ID:drbS1b/R
かすみ「…………って今言っても平気ですかね?痛くないですか?かすみんもうすぐ三十路なんですけど」

あなた「大丈夫、かすみちゃんは今でも可愛いよ!」

かすみ「ホントですか?流石先輩優しいです!!」


別にお世辞でもなんでもなく、かすみちゃんは今でもとっても可愛かった。

スラッと背が伸びて美人となったしずくちゃんとは対称的に、かすみちゃんはあの頃と比べちょこっと背が伸びたかな?といった程度でスタイルは殆ど変わっていない。

顔は寧ろあの頃より可愛くなっているような気もして、年相応の色気と相まって自然に周りも笑顔にしてしまうような力があるようだった。

65: 2020/01/24(金) 17:08:42.44 ID:drbS1b/R
かすみ「それで先輩!なんでずっと連絡くれなかったんですか!!」

あなた「あっ……」

かすみ「メールもメッセも送っても返信が帰ってこないし、家に行っても先輩はいない、步夢先輩や皆もどこに行ったか何をしているかも知らないって」

かすみ「どれだけ皆が心配したと思ってるんですか!!」

あなた「いや、それには色々訳があって……」

かすみ「私先輩に本気で怒った事なんて無いですけど、今回だけは本気で怒ってますからね!!!!」

あなた「ごめん……」

かすみ「まぁ、先輩もこうして無事だったことですし、とりあえずは許します」

かすみ「あんまり怒ってもこの子に悪そうですし」サスサス

あなた「お腹、何ヶ月なの?」

かすみ「6カ月です。触ってみます?」

あなた「いいの?」

かすみ「勿論ですよ!こんにちは~って言ってあげてください!」

66: 2020/01/24(金) 17:11:17.75 ID:drbS1b/R
あなた「こ、こんにちは~」ピトッ

ドンッ

あなた「わっ!」

かすみ「あ、今動きましたね!」

あなた「凄い……」

あなた「かすみちゃんも立派なお母さんか……」

かすみ「…………」


かすみ「ねぇ先輩、一体何があったんですか?何で皆から隠れるみたいに……」

あなた「うん、話すよ。話さなきゃいけないと思う」

あなた「でもその前に、かすみちゃんの今までも教えて貰ってもいいかな?」

かすみ「……分かりました。でも、ちゃんと後で先輩の事も教えて下さいね」

あなた「うん。分かってる」


かすみ「ごほん。えーと、まずどこから話そうか……」

67: 2020/01/24(金) 18:23:31.68 ID:drbS1b/R
かすみ「たしか先輩が最後に一緒にいたのって」

あなた「かすみちゃんが高校卒業する直前くらいだったかな」

かすみ「ですよね。高校の頃はちょくちょく顔を出したり、私達に合う楽曲を提供してくれてたりしてたのに」

あなた「…………」

かすみ「それで私、卒業後はバイトしながらアイドルのオーディション受けてました」

かすみ「確か2年目くらいだったかな。無事アイドルオーディションに受かりました」

あなた「そうだったんだ!凄いね、流石かすみちゃん!」

かすみ「受かったんですけど、人気も出ずに1年も経たずに解散しちゃいました」

あなた「えっ……」

かすみ「先輩本当に何も知らなかったんですね……」

あなた「あっ」

68: 2020/01/24(金) 18:28:57.12 ID:drbS1b/R
かすみ「アイドル活動が上手くいかない時だって、先輩に色々聞きたかったのに、先輩とは全然連絡つかないし!」

かすみ「ずっと私のことそばで見てくれるって言ってたじゃないですかぁ!あれは嘘だったんですか!?」

あなた「ごめん」
   
かすみ「謝らないでください……きっと先輩には先輩の事情があるって分かってますから」

かすみ「でも連絡が付かなくても、ちゃんと先輩は私のこと見てて応援してくれてると思ってました……」

罪悪感で胸が締め付けられる。
だから皆に会うのが嫌だったんだ。

71: 2020/01/24(金) 21:40:41.48 ID:drbS1b/R
かすみ「それからは見ての通りです。この町でパン屋さんを経営してます。美人で可愛い子がいるって結構ネットで評判なんですよ~」

かすみ「それで私のこと本気で好きって言ってくれる人にも出会って、子どもを授かりました」

かすみ「ニブチンの先輩がモタモタしてたからですよ~!かすみん他の人に取られちゃいましたけどよかったんですか~?」

あなた「正直言うとちょっと寂しいかな。あの頃は私によく懐いてくれてたのに」

あなた「でももうかすみちゃんは自分の幸せを見つけたんだよね。やっぱり私はもう必要無いか……」

かすみ「そんなこと無いです!!」 


あなた「かすみちゃん……?」

72: 2020/01/24(金) 21:42:57.61 ID:drbS1b/R
かすみ「旦那さんは大切な人ですけど、先輩も同じくらい大切な人です!!」

かすみ「先輩ならいつでも大歓迎です!!愛情たっぷりの特性かすみんパンをプレゼントしますから!」

かすみ「だから必要ないなんて、そんな悲しいこと言わないで下さい!!」

73: 2020/01/24(金) 21:45:19.81 ID:drbS1b/R
かすみ「よければ先輩のことも聞かせてください!私に出来ることなら何でもしますから」

かすみ「スクールアイドルをしていた頃はずっと先輩に応援してもらったんです。きっと今度は私が先輩を応援する番なんですよ!」


あなた「ありがとう、かすみちゃん」

あなた「でもそんな大層なことじゃないんだ」

74: 2020/01/24(金) 21:51:44.21 ID:drbS1b/R
あなた「卒業してからソングライターの仕事を始めたんだ。だけど高校生だったころよりいい曲が書けないことに焦って一年後、自分を追い込むために独り暮らしを初めて皆との連絡を取るのもやめたんだ」

かすみ「どうしてそんなこと……」

あなた「多分、皆に会うと甘えちゃうからだと思う」

あなた「かすみちゃんも分かってるでしょ?かすみちゃんが高校3年生になってから私が提供した楽曲は明らかに質が落ちてた」

かすみ「それは……」

あなた「なんて、優しいかすみちゃんが『確かにそうでした』なんて言えるわけないか」

75: 2020/01/24(金) 21:57:34.25 ID:drbS1b/R
あなた「私ね、あの頃皆の応援するのが、皆に楽曲を提供するのが好きだった」

あなた「あのトキメキを求めて今もずっとソングライターの仕事をしている」

あなた「でも駄目なんだ。一度もあの頃のようなトキメキは得られてない。それでもいつか取り戻せると信じて今の仕事にしがみついてるんだ」



あなた「そしてどんどんクオリティが低くなっていく私に仕事の依頼なんて来るはずも無く」

あなた「ソングライターとは名ばかりのフリーター生活をしてます。もう30手前なのにね」

76: 2020/01/24(金) 22:01:35.61 ID:drbS1b/R
あなた「幻滅した?」

かすみ「いえ、気持ちは分かります」

かすみ「私もあの頃のトキメキが忘れられませんから……」


あなた「それでもかすみちゃんはそれを過去にしてちゃんと別の夢を追ってる。私にはそれが眩しすぎて直視できないんだ」


あなた「それが皆を避けてきた理由」


あなた「ただ私が弱いだけ」

77: 2020/01/24(金) 22:05:48.53 ID:drbS1b/R
あなた「ねぇかすみちゃん、私はどうしたらいいと思う?」


かすみ「…………」


かすみ「先輩はどうしたいんですか……?」

あなた「分からない……」

かすみ「そうですか…………」

78: 2020/01/24(金) 22:13:38.40 ID:drbS1b/R
あなた「ごめん、変なこと聞いちゃって」

かすみ「いえ!私こそおバカだから気の利いたこと言えなくてすみません……」

あなた「もう帰るね、お邪魔しました」

かすみ「待って下さい!もう帰っちゃうんですか!?」

あなた「今の私がかすみちゃんの傍にいても迷惑なだけだよ」


かすみ「先輩!!」


あなた「ん?」


かすみ「今日は久しぶりに会えて、ちょっとですがお話しできて、とっても嬉しかったです!!」

かすみ「またいつでも来てください!!かすみんはどんな先輩でも大好きですから!!」


あなた「ありがとう、かすみちゃん。また来るね」

83: 2020/01/25(土) 00:44:16.02 ID:rLguE79U
ー自宅ー

あなた「はぁ、疲れた……やっぱり体力消耗するなぁ」

あなた「結局答えは出なかったけど、ニジガクのメンバーは他にもいるし、とりあえず皆と会ってみよう」


あなた「きっと近いうちに答えは出るはず……いや、出さなきゃ行けないんだよね」

84: 2020/01/25(土) 00:45:57.32 ID:rLguE79U
ー翌日ー

あなた「さて、今日は誰のとこに行こうかな」

あなた「んー」

あなた「あっ」

あなた「…………」

85: 2020/01/25(土) 00:49:42.06 ID:rLguE79U
ーーーー

かすみ「ありがとうございました!今後ともかすみんベーカリーをよろしくお願いしまーす!」
 

ガララ


あなた「かすみちゃんいる?」


かすみ「うわっ!?思ったより早くまた来ましたね……てっきりもう来ないものかと思ってたのに」

あなた「いやぁ、それが」

93: 2020/01/25(土) 18:23:48.71 ID:rLguE79U
かすみ「なるほど、他の皆がどこにいるか分からないと」

あなた「うん。かすみちゃんは分かりやすい店の名前だったから分かったんだけど」

あなた「家知らない子もいるし連絡して聞いて欲しいなって」

かすみ「それなら直接聞けば……ってそれが聞きにくいから私のところに来たんですよね」

あなた「ごめんね」

かすみ「このくらいお安いご用ですよ!でも有名になっちゃってる子もいますから会えるかどうかは分かりませんけどね。しず子とか」


あなた「しずくちゃんとは会ったよ」


かすみ「えぇぇぇぇぇ!!?本当ですか先輩!?」

あなた「実はかすみちゃんに会おうと思ったのもしずくちゃんと話したからだったり」

かすみ「まさか1番連絡取りづらそうなしず子ともう会ってたとは……流石先輩。今度私もりな子と3人でご飯誘ってみようかな」

かすみ「じゃなくて!皆の場所ですね」

94: 2020/01/25(土) 18:30:48.27 ID:rLguE79U
かすみ「そういえば步夢先輩には連絡入れます?住んでる場所も変わってませんけど」

あなた「あぁ……步夢ちゃんはいいよ。家は覚えてるし、私から話しに行くから」

かすみ「分かりました。他の皆の分先輩のケータイにメッセ送りますね」

ピロン

あなた「ありがとう、かすみちゃん」

かすみ「えへへっ……」

あなた「どうしたの?」

かすみ「いえ、久しぶりに先輩のケータイにメッセージ送れるのが嬉しくて」

あなた「…………」

95: 2020/01/25(土) 18:35:01.88 ID:rLguE79U
かすみ「あのあの!これからもメッセージ送ってもいいですか?」

あなた「……うん、いいよ」

かすみ「やったー!また先輩といっぱいお話しできます!!」

あなた「そんなに嬉しい?」

かすみ「当たり前ですよ!先輩のこと大好きなんですから!皆もきっと同じ気持ちです!」

かすみ「だから先輩、皆と仲直りして、一緒に美味しいものでも食べに行きましょう!!」

かすみ「それか彼方先輩に作って貰うのも良いかもしれませんね!かすみんもパン作り頑張っちゃいますし!」

96: 2020/01/25(土) 18:38:41.98 ID:rLguE79U
かすみ「うふふふふ///楽しみです!」

あなた(やっぱりかすみちゃんの笑顔は素敵だなぁ)

あなた(こんな素敵な笑顔のかすみちゃんに恥じない人にならなくちゃ……)

97: 2020/01/25(土) 18:41:38.66 ID:rLguE79U
あなた「ありがとうかすみちゃん!それじゃあ早速行ってくるよ!」

かすみ「あの、先輩!このパンよかったら持っていって下さい!!」サッ

あなた「え、いいの?」

かすみ「もちろんです!その代わり……」

あなた「なに?」

かすみ「またそのうち、かすみんベーカリーに来てくれますか……?」

98: 2020/01/25(土) 18:47:03.47 ID:rLguE79U
かすみ「その、皆の連絡先も聞いたし、ここに用が無くなったらまた来なくなるんじゃないかって……」

あなた「…………」

あなた「そうだなぁ。かすみちゃんのパンが美味しかったらまた来ようかな」

かすみ「それなら心配いらないですね!だって、かすみん達が作ったパンは世界一愛情のこもったパンですから!」ニコッ

99: 2020/01/25(土) 18:49:19.56 ID:rLguE79U
ーーーー

あなた(さてと、まずはここに向かうとして。かすみちゃんに貰ったパンを食べようかな)

ブー!ブー!ブー!

あなた(…………)スッ


着信 
上原 步夢

ブー!ブー!ブー!ブー!


あなた(だよね)

100: 2020/01/25(土) 18:50:29.58 ID:rLguE79U
ブー!ブー!ブー!


ブー!ブー!ブー!


ブー!ブー!ブー!


ブー!ブー!ブー!







シーン……


あなた(はぁ……)


あなた「ごめん步夢ちゃん」

106: 2020/01/25(土) 22:05:36.54 ID:rLguE79U
ーーーー

あなた「ここだよね」 


カララン

「いらっしゃいませ。ご予約はしておりますでしょうか」

あなた「え?いや、してません」

「すみません。当店は只今ご予約していただいているお客様のみの受付となっていまして……」

あなた「あっ、そうなんですね。すみませんでした」 

あなた(人気なんだな……)

107: 2020/01/25(土) 22:10:43.49 ID:rLguE79U
「ふぅ……今日もつかれた~。早く帰って晩御飯作らないと~」

あなた「あ、出てきた!おーい、彼方さーん!」

「え……?え?あなた?」

108: 2020/01/25(土) 22:21:12.25 ID:rLguE79U
ガチャッ

彼方「ただいま」

彼方「って、誰もいないんだけどね~。どうぞ、入って?」

あなた「あれ、遥ちゃんは一緒じゃないんだね」

彼方「うん……遥ちゃんが大学に行ってた頃はウチで一緒に暮らしてたんだけど、働き出してすぐに『私自立するから』って巣立っていっちゃったのさ~」

あなた「そうなんだ」

彼方「うん。喜ばしいことなんだけど、当時はもう大号泣で遥ちゃんにしがみついちゃったよ」

彼方「でも、妹離れしないとって我慢した……」

あなた「ちょっと意外かも。てっきり遥ちゃんとずっと一緒にいる、って言ってそうなのに」

彼方「むぅ。いくら彼方ちゃんでもそこまでは……でも遥ちゃんが言い出さなかったら多分ずっと一緒に暮らしてたと思う」

109: 2020/01/25(土) 22:39:24.92 ID:rLguE79U
彼方(29)「そういえばあなた晩ご飯はもうすませた?」

あなた「そういえばまだだったよ。彼方ちゃん夢中で待ってたから」

彼方(29)「せっかくだからあなたにも彼方ちゃんの手料理をご馳走するよ~」

あなた「え、いいの!?もう夜中だし大変じゃない?」

彼方(29)「気にしなくていいよ~。1人分増えたところでそんなに変わらないし」

あなた「おお!……でももう夜中だし大変じゃない?」

彼方(29)「それも大丈夫!毎日勉強も兼ねて作ってるから」     

彼方(29)「それに、あなたに成長した彼方ちゃんの料理食べて欲しい」

あなた「そういうことならお言葉に甘えて……」

112: 2020/01/25(土) 22:55:31.78 ID:rLguE79U
>>109
彼方(29)「そういえばあなた晩ご飯はもうすませた?」

あなた「そういえばまだだったよ。彼方ちゃん夢中で待ってたから」

彼方(29)「それじゃあ、せっかくだからあなたにも彼方ちゃんの手料理をご馳走するよ~」

あなた「え、いいの!?」

彼方(29)「気にしなくていいよ~。1人分増えたところでそんなに変わらないし」

あなた「おお!そういうことならお言葉に甘えて……」   

彼方(29)「うん、あなたに成長した彼方ちゃんの料理食べて欲しい!」

111: 2020/01/25(土) 22:46:22.76 ID:rLguE79U
>>110
ほんとだ 多分さっきのんだ酒のせいかな
訂正するわ

117: 2020/01/26(日) 13:03:03.37 ID:gnpMB374
あなた「んん……!!美味しい!!!」

彼方「ほんと?あなたに喜んで貰えてよかった……」

あなた「流石人気レストランのコックさんだね!あの頃の料理も美味しかったけど、これはレベルが違うよ!!こんなに美味しいハンバーグ食べたことない!!」

彼方「ありがと~。まぁ、これでもあの店では1番下っ端なんだけどね……」

あなた「うそ!?こんなに美味しいのに!!」

彼方「うん……皆凄いから」

彼方「虹ヶ咲だって最後まで特待生ではいられたけど、主席じゃ無かったしね。お料理の世界は厳しいのさ……」

118: 2020/01/26(日) 13:18:41.05 ID:gnpMB374
彼方「それよりあなた、一体今まで何してたの?」

あなた「あー……うん、大したことは無いんだけどね」


ーーーーー
ーーーー
ーーー


あなた「って感じで単に落ちぶれた私が輝いてる皆の前に顔出しずらかっただけなんだ」

彼方「ふーん……」

彼方「あなた、覚えてる?私にずっと彼方ちゃんのサポートしてくれるって言ったよね?」

あなた「あーうん、言ったね」

あなた「ごめんなさい……」

彼方「あなたは遥ちゃんと同じくらい彼方ちゃんにとって無くてはならない存在なんだからね……」

彼方「それと、心配してた……」

あなた「かすみちゃんにも言われたよ。ホントにごめん」

119: 2020/01/26(日) 13:28:18.10 ID:gnpMB374
あなた「あ、そうだ。かすみちゃんで思い出したけど、かすみちゃん結婚してて妊娠してたんだ」

彼方「それなら彼方ちゃんも知ってるよ~可愛い赤ちゃんとのご対面が楽しみ」

あなた「彼方ちゃんの方はさ、そういうの無いの?付き合ってる人とか」

彼方「うっ……それ、職場の先輩とか親にも言われた……」

彼方「彼方ちゃんは別にそういうのはいいかなって。毎日忙しくて暇も無いし……」

あなた「ふーん…………本当は?」

彼方「興味無くは無いけど、出会いが無い……」

あなた「ふふっ。偉そうに言っておきながら実は私もそんな感じ」

120: 2020/01/26(日) 13:36:39.26 ID:gnpMB374
あなた「でもよかったー……仲間がいて。てっきりもう皆結婚とかしてるのかと思ったから」

あなた「どうする?彼方さん。私達もう30手前だよ。貰ってくれる人いるかな?」

彼方「あなたなら大丈夫だよ~」

あなた「彼方ちゃんこそ」



「「あははははは」」

 
彼方「うん、やっぱりあなたと話すのは楽しい……。この笑顔でいられる時間がずっと続けばいいのに」

あなた「お、My Own Fairy-Taleだね!覚えてるよ!!」





オネエチャン!オネエチャン!オネエチャン!

彼方「!!!遥ちゃんからだ!!」


あなた(遥ちゃんの声着信音にしるんだ)

122: 2020/01/26(日) 13:48:39.53 ID:gnpMB374
彼方「遥ちゃん!どうしたの!!」

彼方「あ、今あの子も来てるんだ、せっかくだからスピーカーにして一緒に聞いてもらうね!」

あなた「遥ちゃん久しぶり」

遥「え!?お久しぶりです!!お姉ちゃん連絡ついたんだね!!」

彼方「それが今日たまたま会ってね~。それより何か彼方ちゃんに用でもあった?別に彼方ちゃんは用なんて無くても遥ちゃんとお喋りできるだけでとっても嬉しいけど……」

遥「せっかくだから2人一緒に聞いて下さい!」



遥「実は私、この人と結婚することになりました!!!」


「どうも……遥さんとお付き合いさせていただいてます」



彼方「…………………………………」



彼方「え?」

131: 2020/01/26(日) 22:03:43.73 ID:gnpMB374
彼方「え、え、ちょっと待って……。遥ちゃん付き合ってる人いたの……?いつから……?」プルプル

遥「大学の2年くらいからずっと付き合ってて」

彼方「そんな前から!?え、うそ……全然知らなかった……」

遥「中々プロポーズしてくれなかったんだけど、今日やっとこの人の方からしてくれて」

遥「これで遥も1人だちできたよお姉ちゃん!」

彼方「あ……あわ……あわ……」

あなた(彼方さん、目がグルグルしてる……!)

132: 2020/01/26(日) 22:13:44.45 ID:gnpMB374
遥「今まで心配かけてごめんね。でもお姉ちゃんはもう遥の心配しなくていいから!」

遥「お姉ちゃんも早くいい人見つけて幸せになってね!お姉ちゃんとっても美人さんだから直ぐ見つかるよ!」

彼方「あはー……うん……そうだね……」

あなた(だめだ!多分今彼方さんの脳はフリーズしちゃってる!)


あなた「ごめん、遥ちゃん!彼方さん今日は凄く疲れちゃってるみたいで!」

あなた「また明日電話するから、今日はもう切るね?」


遥「あ、はい!すみません……夜遅くに……」

遥「じゃあお姉ちゃん、また明日ね!」


ブチッ

133: 2020/01/26(日) 22:16:25.28 ID:gnpMB374
あなた「…………彼方さん、大丈夫?」


彼方「…………」

彼方「…………」

彼方「ねぇ、明日仕事休みだったりしない……?」


あなた「え?あー、明日は空いてるかな」


彼方「ならお願い、彼方ちゃんと一緒に寝てほしい……」グスッ

彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


あなた「うわっ!大丈夫、彼方さん!」

あなた「とりあえず一緒にベッドに……」

134: 2020/01/26(日) 22:21:24.16 ID:gnpMB374
あなた「落ち着いた?」ポンポン


彼方「うう……遥ちゃん……」

彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁ」 


あなた「全然泣き止まない……どうしよう」

あなた「とりあえず今日は私のこと抱き枕にしていいから」


彼方「うっ……うっ……ありがとう」

彼方「うっ……うっ……」

彼方「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


あなた(今夜は眠れなさそうだなぁ)

あなた(でもこれで彼方さんが落ち着くならこれくらい……)


ーーーー

135: 2020/01/26(日) 22:23:05.28 ID:gnpMB374
ーーーー

チュンチュンチュン

あなた「うーん……朝……?」

あなた「えーと時間は……8時半か」

あなた(いつもグータラしてるのに比べたら早い方だね)

あなた「…………」

あなた「はっ!彼方さん!彼方さんは……」


ポツン


あなた「隣にいない……」

136: 2020/01/26(日) 22:28:24.03 ID:gnpMB374
あなた「リビングに何か置いてある。えーと」


『朝ご飯作ってあるから食べてね。それと、あなたのためにお弁当も作ったから良かったらこっちも食べてね。
家から出ていく時は玄関脇の植木鉢の下に隠して置くからそれを使ってね~ 彼方』



ガチャッ


スッ


あなた「ホントに植木鉢の下に鍵があった……。今時こんな防犯意識じゃ盗まれちゃうんじゃないのかな」

あなた「とりあえずこれは回収してと」

137: 2020/01/26(日) 22:31:33.17 ID:gnpMB374
あなた「鍵が心配だし、今日は彼方さんが帰ってくるまでここにいようかな」

あなた「でもずっと家にいるのも暇……ん……?」

ドサッ

あなた「昨日は気にならなかったけど、服が結構散らばってるよ……」


あなた「下着も脱ぎっぱなし!!」


あなた「というかこの布団も最後に干したのいつ?ってくらい臭いする!!」


あなた「よーし、彼方さんが頑張ってる間に、私も家事頑張っちゃいますか!!」

139: 2020/01/26(日) 22:46:39.09 ID:gnpMB374
あなた「それにしても彼方さんちゃんと朝起きられるようになってるんだね。昨日は特にあんな状態になってたのに」

あなた「……彼方さん大丈夫かな。レストランでも遥ちゃんのことで泣いたり寝不足で居眠りしちゃったりしてないかな……」

あなた「うわぁ、めちゃくちゃ心配になってきた!!彼方さん早く帰ってきてー!!」

141: 2020/01/26(日) 23:05:11.56 ID:gnpMB374
ゴソッゴソゴソ

『あれぇ?鍵が無い。鍵しめた後そのまま持ってっちゃったのかなー?』


あなた「あ、彼方さんかな」

ガチャッ

あなた「彼方さん?」


彼方「わっ、びっくりした!まだ家にいたんだね。てっきりもう帰っちゃったかと」


あなた「昨日はあんまりお話しできなかったしね」

あなた「それと、家にいる間洗濯とか家事色々しておいたから!」ブイッ


彼方「うぉ~!あなたが神かぁ~!」

彼方「よーし、彼方ちゃん今晩の料理は張り切っちゃうぞー!」


あなた「ほんと?やったー!」

147: 2020/01/27(月) 22:30:32.46 ID:Q3qCZNyn
モグモグモグ


あなた「そういえば、今日大丈夫だった?」


彼方「ん?なにが……?」


あなた「その……遥ちゃんのこと。昨日んなにショック受けてたけど」


彼方「あぁ……うん」

彼方「遥ちゃんが完全に自立しちゃうのは寂しいけど、やっぱりそれ以上に遥ちゃんが幸せになるのは嬉しいし」

彼方「それに、今は落ち込んでる場合じゃないしね」


あなた「それって、仕事のこと?」


彼方「うん。お仕事は大変だけど、好きなことに打ち込めてとっても楽しいんだ」 

彼方「お給料も多くて遥ちゃんや親に迷惑かからないし、この仕事をずっと続けていきたい」


あなた「いいね。好きなことで食べていけて」


彼方「あっ……ごめんね。なんだか自慢みたいになっちゃった……?そんなつもりは無かったんだけど……」


あなた「いやっ、そんなことないよ!彼方さんがとっても大変なの知ってるし。今日だって朝から晩までずっと働きっぱなしだったんでしょ?」


彼方「うん、ここ数年ずっと料理のこと考えてて……ふぁぁぁぁ……」

彼方「あっ、ごめん……食事中にあくびしちゃって」


あなた「気にしてないよ、疲れてるんでしょ?それに、なんだか昔の彼方さんみたいで懐かしく思っちゃった」


彼方「そう……?へへへ……」


あなた「よしっ!今日も早く寝ちゃいますか!」


彼方「ごめんね。せっかく来てくれてるのにあんまりお話しできなくて……」


あなた「何度も謝らないで!どうせ私暇だし」

148: 2020/01/27(月) 22:47:04.05 ID:Q3qCZNyn
彼方「ホントに今日も泊まっていってくれるの……?」


あなた「うん。というか彼方さんさえよければしばらくいさせてもらっていいかな?」


彼方「え、いいけど……お仕事は大丈夫なの……?」


あなた「あ、うん。それなんだけど……実は今仕事してないんだ」


彼方「え?」


あなた「ソングライターなんだけど、依頼なんて全然来ないから実質フリーターで、バイトもちょっと前にやめちゃって」

あなた「だから私、今ニートなんだ」

あなた「失望した?」


彼方「しない、けど……ちょっとビックリした……。」

彼方「あんなにいい曲作れるあなたに依頼が全然無いなんて」


あなた「好きなことで食べていくって難しいんだね。もっと早く気付いていればやり直しもできたのかな……なんて」


彼方「あなた……」


あなた「さ、こんな辛気くさい話してないで早く寝よう!」

あなた「私のこと抱き枕にしていいから!」


彼方「おぉ……おおおぉぉ!!久々のあなた枕……!嬉しすぎる~」

ギュゥゥゥ

149: 2020/01/27(月) 22:51:00.96 ID:Q3qCZNyn
あなた(うわっ、やっぱりいい匂い)


彼方「やっぱりあなたいい匂いするね~」


あなた(それはこっちの台詞!なんで仕事終わってシャワー浴びてないのにこんなにいい匂いなの!?)


彼方「この枕は彼方ちゃんだけのものなのだ~」ギュゥゥゥ


あなた(ちょっと力強いな……でも)


彼方「んふふふふ……♡」


あなた(こんな幸せな顔されたら振りほどけないや)

150: 2020/01/27(月) 22:56:15.43 ID:Q3qCZNyn
こうして私の居候生活が始まった。

『彼方ちゃん起きてー!!!!』

『布団剥がしちゃうぞー!!!』


あなた「うーん……」


カチッ


彼方「あ、起こしちゃった~?あなたはまだ寝てていいよ」


あなた「いや、折角起きたし彼方さんと朝ごはん食べたいから起きるよ」ガバッ

151: 2020/01/27(月) 23:00:02.44 ID:Q3qCZNyn
あなた「それより彼方さん、さっきの声って……」


彼方「あぁ、この目覚まし?あなたが考案してくれた時計だよ。今でも愛用してるんだ~」


あなた「なんか、嬉しいな……」


彼方「ふふ……これのおかげで彼方ちゃん寝坊しないのだ~」

154: 2020/01/27(月) 23:18:14.87 ID:Q3qCZNyn
あなた「いってらっしゃい彼方さん」


彼方「ふふ、誰かに送って貰えるのっていいね~。大分前遥ちゃんに言って貰って以来かな~」

彼方「今日も晩御飯一緒に食べようね~」


あなた「うん!待ってるね!」


バタンッ


あなた「さてと、今何時だろ」サッ

あなた「ってまだ朝の5時!?彼方さんいっつも終わるの夜の11時くらいだよね!」

あなた「……あの頃以上にキツい生活してるみたいだけど彼方さん大丈夫なのかな……?」

155: 2020/01/27(月) 23:21:00.73 ID:Q3qCZNyn
ーPM11:30ー

ピンポーン

ガチャッ

彼方「今日も疲れたぁぁぁ……」バッ

ギュゥウ

あなた「うわっ、ビックリした!お疲れ様彼方さん!とりあえずソファ座ろう!」

156: 2020/01/27(月) 23:29:32.33 ID:Q3qCZNyn
彼方「ふぅぅぅ今日も疲れたぁぁ~このまま寝ちゃいそう~」

彼方「はっ、寝たら駄目出!待ってて、すぐ料理作るから……!」


あなた「ついさっきまでずっと仕事してたんでしょ?いいよ、あんまり上手くないけど私作るから」


彼方「大丈夫、これは彼方ちゃんの料理のスキルアップも兼ねてるから……」

彼方「あなたはお客さんなんだから座ってて!」


あなた「でも」


彼方「あなたが傍にいてくれるだけで彼方ちゃんは幸せだから……」


あなた「…………」


私は結局彼方さんの好意に甘えることにした。

157: 2020/01/27(月) 23:34:48.72 ID:Q3qCZNyn
ジュゥゥゥゥ

あなた「ねぇ彼方さん。今料理中だけど話していい?」


彼方「いいよ~何かな?」


あなた「……いつもこんな生活してるの?」


彼方「いつもって?」


あなた「朝5時に出て夜の11時30分に帰ってくる生活」


彼方「あぁ、彼方ちゃんまだ駆け出しだから。早く職場に行って色々準備や勉強があるのさ~」

彼方「その分休みの日はちゃんと寝る時間増やしてるから大丈夫~」


あなた「何時間くらい?」


彼方「6時間くらいかな……」


あなた「それでも6時間……」

158: 2020/01/27(月) 23:40:51.94 ID:Q3qCZNyn
あなた「昨日もちょっと話したけど、彼方さん働き過ぎじゃない?」


彼方「確かにニジガクにいた頃よりかなりキツいけど、でも好きなことだし」


あなた「楽しい……?」


彼方「うん……!」


あなた「……そっか」


あなた(…………こんなにも働いてる彼方さんだけど、不思議と怠さは感じられず、寧ろイキイキしているようにさえ感じられた)


あなた(労基だとか何とか今の私が言うのは無粋か……)

159: 2020/01/27(月) 23:44:47.13 ID:Q3qCZNyn
あなた「これが今の彼方さんの夢なんだね」


彼方「うん、いつか自分の店を開いて遥ちゃんや同好会の皆ともう一度集まりたいなって思ってるの……」

彼方「店を出したら、1番にあなたを招待するよ~」


あなた「ありがとう!楽しみにしてるね」

あなた(それまでに私も彼方さんに見合う人にならないとなぁ……)

160: 2020/01/27(月) 23:55:31.44 ID:Q3qCZNyn
ー翌日ー

彼方「ホントにもう帰っちゃうの?」

彼方「あなたさえよければずっといてもいいんだよ~」


あなた「ありがとう。私もできることならずっといたい。でもそうなったら多分私は一生グータラになっちゃう気がするから」

あなた「それに、彼方さんも私が遥ちゃんの代わりみたいになっちゃうんじゃない?」


彼方「むー……彼方ちゃんももう自立してるからそんなことは……」

彼方「あるかも……久々に送り迎えしてくれてすっごく嬉しかった……」


あなた「はは、でしょ?」

あなた「もし独り身が寂しいならいい人見つけたら?」


彼方「彼方ちゃんを貰ってくれる人がいたらね~」


あなた「それじゃあ、行こう彼方さん!駅まではご一緒させてもらうよ」

161: 2020/01/27(月) 23:59:40.39 ID:Q3qCZNyn
ーーーー

あなた「それじゃあまたね、彼方さん」


彼方「結局あんまり話せなくてごめんね……。」


あなた「こっちこそ急に押しかけてお泊まりまでさせて貰ってごめんね」


彼方「連絡くれたら彼方ちゃんも予定合わせるからまた話そう~」


あなた「うん、それまでには私、もうちょいマシな人間になるから」


彼方「それじゃあ彼方ちゃん、今日もお仕事行ってきます!」


あなた「行ってらっしゃい」

クルッ

162: 2020/01/28(火) 00:01:09.71 ID:AxsP74/y
「おーーい!!」


あなた「ん?」クルッ


「今電車乗るとこ?」


あなた(私じゃ無かった……ん?あの人彼方さんに話しかけてる)

163: 2020/01/28(火) 00:05:31.77 ID:AxsP74/y
彼方「おー!キミか~偶然~。最近よく会うね~」


「そ、そうだな……。偶然だな……」

「その……今日も一緒に行っていいかな」


彼方「いつもそんなこと聞くなんてキミも変な人だね~。別に断る理由は無いよ」


「そうだよな……同じ職場だもんな」

「それより近江さ、次の休みの日……」



あなた「…………」クルッ

あなた(やっぱり。彼方さんの夢に私はいらない)

166: 2020/01/28(火) 00:19:13.24 ID:AxsP74/y
私の居候生活が始まったとか書いときながら想定以上に早く終わらせてしまった
長くてもダレるししゃあないか

174: 2020/01/28(火) 23:49:43.02 ID:AxsP74/y
あなた「かすみちゃんによるとこの辺のはず……えーっと」



あなた「あっ、ここか……都内に一軒家なんて凄いなぁ」

ピーンポーン

あなた「…………」

ピーンポーン

あなた「…………」

あなた「出ないね」

175: 2020/01/28(火) 23:52:50.44 ID:AxsP74/y
あなた「やっぱ忙しいのかな……」

あなた「それとも警戒してアポとか取らないと出ないとか……?」

あなた「ありえそう。だってこんなに有名になってるんだし」


あなた「ちょっと気が進まないけど、スマホでメッセージ送ってみようかな」

 

178: 2020/01/29(水) 00:00:51.81 ID:RFDZaunp
あなた「【もしもし、久しぶり】っと」

あなた「…………」

あなた「はやっ、もう既読付いた!」

プルルルル

ピッ

「もっ……もしもし!?えっ、ホントにあなたなんですか!?」


あなた「相変わらず元気な声だね、えーと……今はどっちで呼べばいいのかな」


「ふふっ、あの時と一緒でいいですよ!」

菜々(28)「せつ菜!って、あの時みたいにそう呼んでください!!」

180: 2020/01/29(水) 00:07:37.36 ID:RFDZaunp
菜々「ちょっと待って下さいね、今出ますから!!」

菜々「あ、その前に……」


あなた「ん……どうしたの?」


菜々「あなたの後ろに人影とか無いですか……?」


あなた「え?」

クルッ


あなた「別に無いけど……」


菜々「本当にありませんか?よく確認してください!」


あなた(……?)

あなた「あ」


コソコソ

「あっ」

181: 2020/01/29(水) 00:15:13.37 ID:RFDZaunp
よく見ると、せつ菜ちゃんの家の正面の壁付近に隠れている男がいた。

「あははは……こんにちは」


あなた「こんにちは……」

あなた(なんだろうこの人。なんで隠れてたのかな)


あなた「あの……」


「ひょっとしてもしかしてあなたもせつ菜に用が?」


あなた「え?まあ……」


せつ菜「あなた、誰と話してるんですか?やっぱり誰かいたんですか?」


「え!?その声はせつ菜!?なんでお前せつ菜と通話してるんだよ!」


せつ菜「すみません、今話してるケータイスピーカーモードにして目の前の人に向けて貰っていいですか?」


あなた「え?あ、うん。分かった」


「?」


せつ菜「スゥゥゥゥ」

182: 2020/01/29(水) 00:27:36.57 ID:RFDZaunp
せつ菜「こおらぁぁぁぁぁ!!!」


「!」ビクッ


あなた「!」ビクッ


せつ菜「いくら私に会いたいからって、こんなストーカー行為はしないで下さい!!!」

せつ菜「プライベートでファンの大好きを受け取るつもりはありませんし、家に来られても迷惑でしかないです!!」

せつ菜「あなたが本当に私のことが大好きなら、ちゃんと公式のイベント内で私に会って下さい!!」

せつ菜「監視カメラも設置してますし、これ以上ここにいるなら、警察を呼びますよ!!」


「うわっ、生せつ菜だ……!やべぇぇ」


あなた(怒られてるのにこの人喜んでない?)

183: 2020/01/29(水) 00:35:34.14 ID:RFDZaunp
「それなら【あれ】やってくれたら帰ります!……」


せつ菜「まだ言いますか……本当に──」


「わ、分かりました!!もう帰りますから!!」ピュー


せつ菜「はぁ……全く……」

せつ菜「もしもし、あの人帰りましたか?」


あなた「うん。行ったみたい」


せつ菜「玄関まで来て下さい。今開けますから」

184: 2020/01/29(水) 00:41:45.13 ID:RFDZaunp
ガチャッ

せつ菜「あ……」

せつ菜「ホントにあなたなんですね……」


あなた「うん、ごめん。いきなり押しかけちゃって」


せつ菜「ううん。会いたかったです!」

せつ菜「さぁ、早く入って下さい!!あなたと語り合いたいことが山ほどあるんです!!」

186: 2020/01/29(水) 01:02:29.22 ID:RFDZaunp
せつ菜「どうぞ、上がって下さい!!」


あなた「うわぁ広い……」


せつ菜「こっちに来て下さい!!あなたに見せたい物があるんです!!」

ーーーー

せつ菜「見て下さい、この部屋!!」


あなた「うわぁ、凄い!!本棚がいっぱい!!」

あなた「ってえ!?これ全部ラノベやアニメのBlu-ray?」


せつ菜「そうです!特にいいと思ったアニメは保存用布教用と合わせて最低3つは購入してます!」

せつ菜「友達はそんなに多くないんですけど、布教用はたまに声優友達の子にもプレゼントしたりして……」

せつ菜「あ、知ってますか?私声優やってるんですけど……」


あなた「知ってるよ。……って言っても最近アニメあんまり見ないから詳しくは知らないんだけどね」


せつ菜「そうなんですか……。それなら、私が出てるアニメ何本か一緒に見ましょう!!今書いてる小説も一段落着きましたし、あなたに私の大好きを知って貰いたいんです!!」


あなた「…………」

あなた(せつ菜ちゃんの大好きか……)


せつ菜「どうしたんですか?……いやですか……?」


あなた「え?あ、ううん、そんなこと無いよ!私もせつ菜ちゃんが出てるアニメ見たい!!」


せつ菜「よーし、今日は宴ですよー!!今コーラとポテイトチップスと、色々お菓子持ってきますね!!」ダッ


あなた「あっ……いっちゃった」

あなた「せつ菜ちゃんは変わらないな……」

187: 2020/01/29(水) 01:24:48.12 ID:RFDZaunp
それから私達はお菓子を食べながらひたすらアニメを見ていた。

せつ菜ちゃんがオススメしたアニメはどれも面白く(あまり表では言えないけど、自分が出演したアニメの中にはストーリーが残念だった物もあったと言っていたから、面白い物だけをチョイスしたのだろう)、
更に途中でせつ菜ちゃんの解説も入るものだから飽きずに見ることが出来た。




せつ菜「わっ、もう夕方!やはりアニメを見ていると時間を忘れてしまいます!」

せつ菜「そうだ、もしよかったらお夕飯食べていきませんか!」


あなた「えっ、夕飯!?」

188: 2020/01/29(水) 01:29:31.78 ID:RFDZaunp
あなた「ひょっとしてそれってせつ菜ちゃんの手作り……?」


せつ菜「?はい、そうですけど。ここにはあなたと私しかいませんし」キョトン



あなた「いやぁ、せつ菜ちゃんの手作りか……はは」

198: 2020/01/30(木) 00:15:20.39 ID:d7e3DT79
せつ菜「むっ。まさかあなた、私があの頃のマズい料理しか作れないと思ってませんか!?」


あなた「いや、そんなことは!」


せつ菜「大丈夫です、安心してください!!1人暮らしを始めてちゃんと自分で食べるようになってから味はマトモになりましたから!」


あなた「あっ、やっと自覚したんだ」


せつ菜「ああ酷い!やっぱりマズいと思ってたんですね!!」


あなた「あ」


せつ菜「とにかくあなたはお客様なんですから!私を信じてそこに座っておいて下さい!!」


あなた「大丈夫かな……」

200: 2020/01/30(木) 00:25:10.20 ID:d7e3DT79
せつ菜「よしっ、ではお料理頑張ります!!」


あなた「…………」

あなた「ねぇせつ菜ちゃん、お料理作ってる間話しかけてもいい?」


せつ菜「はい、いいですよ!いっぱいお話ししましょう!!」




あなた「私が来るとき玄関で待ち伏せしてた人って」


せつ菜「あぁ、私が声優のお仕事をしているのは言いましたよね?自分で言うのも恐縮なんですけど、結構人気出ちゃって」

せつ菜「家もバレてるからたまにああやってファンの方が来ちゃうんです。迷惑だって何回も言ってるんですけどね」

せつ菜「でも私も悪いところがあるんですよ」


あなた「せつ菜ちゃんが?」


せつ菜「はい。私がまだあまり売れて無くてアパートで暮らしてた頃、今みたいにファンがウチの近くに来たことがあったんです」

せつ菜「今考えたらストーカー行為なんですけど、当時は駆け出しということもあってファンの方と交流するのが楽しくって、ついアニメの決め台詞を言ってしまったんです。『スカーレットストーーーーム!!!』って」

せつ菜「それがいけなかったらしくて、家に会いに行けてレスをくれる声優ってことで話題になっちゃって。そのせいで今も今日みたいな人が来るんです」

せつ菜「私が人気になったのはこの件のおかげというのもちょっとありますし、ファンとの交流は楽しいからちょっと複雑で」 

せつ菜「売れない時期はファンに媚びて、売れ出したらファンに塩対応だとか、結構叩かれてます。少なくとも公式イベントではきちんと対応してると思うんですけどね」

201: 2020/01/30(木) 00:30:08.19 ID:d7e3DT79
あなた「へぇ、凄いね。私の曲なんか空気過ぎて叩かれることすら無いよ」


せつ菜「そういえばあなたはソングライターの仕事をしてるんですよね?」


あなた「一応……今もしてるんだけど、全然売れないから今は依頼すら来ない。今の収入は全部バイトなんだ」

あなた「皆と連絡を絶ってたのも、こんな自分を皆に見せるのが恥ずかしかったからなんだ」


せつ菜「何でですか?」ピタッ


あなた「えっ」


せつ菜「なんで恥ずかしいんですか?」

202: 2020/01/30(木) 00:38:37.61 ID:d7e3DT79
あなた「え、いや、だって……皆立派に成功してるし、せつ菜ちゃんなんか超売れっ子だし……」

あなた「そんな人の前にいくら昔の中だからってこんな落ちぶれた私なんかが──」


せつ菜「だって、あなたは今、夢に向かってがんばってるんですよね?」

せつ菜「それのどこが恥ずかしいんですか!?」


あなた「えっ……あぁ……」

せつ菜ちゃんは料理の腕を一旦止め、真っ直ぐに私の目を見つめてくる。
その瞳は、スクールアイドルをしていた頃の真っ直ぐな目そのままだった。

あなた(うん、なんて言えない)

あなた(もう何年もマトモに曲作りもしてないんだ)

あなた(転職もせず、ソングライターとして食べていくっていう夢を追いかけてるふりをして今の宙ぶらりんの自分を誤魔化してるだけなんだ)

あなた(本当はもう分かってるんだ。自分は音楽で食べていけるような人間じゃ無かったって)

そんな私が夢に向かってがんばってるなんて、嘘でも言えなかった。

208: 2020/01/31(金) 12:46:45.79 ID:12AMPZfb
あなた「ねぇ、せつ菜ちゃんは嫉妬とかしたことない?他の人より私の方が凄いのにー!とか」


せつ菜「嫉妬、ですか。もちろんありますよ。私にだって」


あなた「だよね!じゃっ、じゃあ!そういう時はどう乗り越えたの?」


せつ菜「関係ありません、いつも通りです。いつも通り、私の大好きをぶつけただけです」


あなた「え?」

209: 2020/01/31(金) 12:48:59.52 ID:12AMPZfb
あなた「それで気が付いたら有名になってたってたの?ほんとに、他には何もしてないの?」


せつ菜「はい。もちろん努力はしましたよ?」

せつ菜「最初にラノベを書いていた時は目立ちませんでしたが、徐々にネットでも話題になってアニメ化まで決まって。そこでゲスト声優をやらせてもらったんですけど、それが受けたみたいで」

せつ菜「そこから声優業の方も人気が出て声優デビュー!!大好きなアニメにラノベ作家と声優という両方の関わり方が出来て今とっても幸せです!!」


あなた「そうなんだ。すごいね……」


あなた「…………」

210: 2020/01/31(金) 12:49:35.53 ID:12AMPZfb
せつ菜「ところでずっと気になってたんですけど」


あなた「ん?」


せつ菜「あなたは、今本当に自分が大好きなことをやれていますか?」





……

211: 2020/01/31(金) 12:51:23.02 ID:12AMPZfb
あなた「えっ、何いきなり……」


せつ菜「目を見ればなんとなく分かります。さっきだって折角久しぶりに会ったのに嫉妬なんてマイナスなことを聞いてきましたし」

せつ菜「それにソングライターの事を話す時あなたには覇気が無く、まるで後ろめたい雰囲気がしました」


あなた(せつ菜ちゃん、いつもは空気読めない感じだけど、変なところで鋭いんだよね……)

212: 2020/01/31(金) 13:01:48.59 ID:12AMPZfb
せつ菜「私は自分が好きだからお話を書いてます。自分が好きだから声のお仕事をしています」

せつ菜「あなたはソングライターをしてると言っていましたが、それは本当にあなたの大好きなことなんですか?私にはいまいち──


あなた「うるさい!!」バンッ


せつ菜「えっ……」

213: 2020/01/31(金) 13:06:22.41 ID:12AMPZfb
あなた「私のこと何にも知らないくせに!いいよね、せつ菜ちゃんは売れっ子で。自分の実力が皆に評価されて!!それが大ヒットして!!!」

あなた「私才能無いから。他の人の曲がに嫉妬してる」

あなた「なんなら高校の時に書いた自分の曲ににさえ嫉妬してる」

あなた「この曲より私の曲の方がいいはずなのにって何の根拠も無く思ってる」

215: 2020/01/31(金) 13:21:02.90 ID:12AMPZfb
あなた「そうだよ、せつ菜ちゃんの言う通り!もう何が自分の大好きなのか分かんなくなってるよ!!」


あなた「もう曲を書くときに昔みたいなワクワクは感じない!」


あなた「でもだからって、今更止まる訳にはいかないし、他に大好きな事も無い……」



あなた「ねぇ、せつ菜ちゃん。私どうすればいいのかな……?」

216: 2020/01/31(金) 13:27:17.97 ID:12AMPZfb
せつ菜「ならやめればいいんじゃないですか?」


あなた「え?」


せつ菜「あなたを見てるととっても辛そうです。大好きを感じられず惰性でやっているなら、いっその事やめてしまうというのはどうでしょう」


あなた「やめる……?曲を書くのを……?」


せつ菜「えぇ。嫌なんですか?」


あなた「嫌というか、ずっと続けてきたから今更やめづらいって言うか……」


せつ菜「私には、このままズルズル続けていてもいい結果になるとは思えません」


あなた「それは、私も何となくそう思うけど……」


せつ菜「とにかく事情は分かりました。あなたが本気で将来のことに悩んでいるのなら、紹介したい方がいます」


あなた「え?」

217: 2020/01/31(金) 13:30:08.25 ID:12AMPZfb
ポチポチ

せつ菜「これでよしっと」

せつ菜「さ、待ってる間に食事完成させちゃいましょう!」


あなた(紹介したい人って誰だろう)

218: 2020/01/31(金) 13:34:46.07 ID:12AMPZfb
せつ菜「よしっ出来た!完璧です!」


ピンポーン


せつ菜「あ、来たみたいですね!あなたはここで待っていて下さい!!」


あなた「うん……」




せつ菜「こんなに早く来てくれるなんて、ありがとうございます!!」


「あなたが急用だというからでしょう……。とにかく、私に会って欲しいというのは誰のことなんですか?」


せつ菜「懐かしく感じると思いますよ。とにかくリビングまで来て下さい!」


「はぁ、分かりました。……っ!あなたは……」


あなた「えっ、三船さん……?」

238: 2020/02/04(火) 01:12:34.88 ID:ZyWdyKiM
栞子「あなた、生きてたんですね」

あなた「一応ね……」

栞子「菜々さんからあなたとの連絡が一切取れないと聞いていたので、てっきり蒸発でもしたのかと思ってました」

あなた(ん?菜々さん?)

せつ菜「ちょっとしおりん!!いきなりそんなキツく言うこと無いんじゃ無いですか!?折角高校の時以来の再会なのに!!」

あなた「しっ……しおりん……?」


栞子「なっ……///」

245: 2020/02/04(火) 01:20:29.65 ID:ZyWdyKiM
>>238初回付け忘れてた

栞子(27)「あなた、生きてたんですね」

あなた「一応ね……」

栞子(27)「菜々さんからあなたとの連絡が一切取れないと聞いていたので、てっきり蒸発でもしたのかと思ってました」

あなた(ん?菜々さん?)

せつ菜「ちょっとしおりん!!いきなりそんなキツく言うこと無いんじゃ無いですか!?折角高校の時以来の再会なのに!!」

あなた「しっ……しおりん……?」


栞子(27)「なっ……///」

239: 2020/02/04(火) 01:13:41.03 ID:ZyWdyKiM
栞子「ちょっと菜々さん!!!」

せつ菜「はっ、しまった!!他の人がいるのにしおりんと呼んでしまいました!!!」 

せつ菜「しおりん、菜々、ってお互いに呼び合うのは2人きりの時だけと決めていたのに!!!」

あなた(何てことなんだ……。あの三船さんが誰かを呼び捨てにするなんて!)

栞子「もういいです!!これ以上何か漏らす前にあなたは口を閉じて下さい///」

あなた(これ以上まだ何かあるっていうの!?)ドキッ

240: 2020/02/04(火) 01:15:26.16 ID:ZyWdyKiM
あなた「2人ともいつの間にそんな仲良く……」

あなた(何かよく分からないけどショックだ)

栞子「はぁ……もう隠しても無駄のようですね。菜々、今は別にしおりんでいいですよ」

せつ菜「よかったです。栞子さんって意識して呼ぶの疲れるので助かります!」

栞子「それで、相談に乗って欲しいとは?あなたのことだと大方予想はつきますが」

あなた「せつ菜ちゃん。三船さんにも話すの?」

せつ菜「はい!必ず助けになってくれます!」

あなた「うーん……」

栞子「私の顔に何か付いてますか?」ムスーン

あなた「いや、まだあの頃の印象が強くて苦手意識あるっていうか……」

せつ菜「気持ちは分かりますが大丈夫です。しおりんはあの頃と比べて大分丸くなりましたから。私を信じて下さい!!」

あなた(せつ菜ちゃん……)

あなた(そうだ、私は答えを探しにここに来たんだ)

あなた「分かった。実は──」

241: 2020/02/04(火) 01:16:45.11 ID:ZyWdyKiM
ーーーー

栞子「なるほど……大体の事情は分かりました」

栞子「つまりあなたは」

栞子「『無謀』にも『一握り』しか食べていけない音楽業界に飛び込み」

あなた「うっ」グサッ

栞子「そして案の定芽も出ないままズルズルとバイトと掛け持ちする生活」

あなた「うっ」グサグサッ

栞子「更にはそのバイトすら辞め、今現在28にも関わらずお先真っ暗のニート生活、と」

あなた「復唱しないで……」


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