【SS】凛「あー!今日は絵里先輩が一番乗りだにゃー!」絵里「こ、こんにちは……」

SS


1: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 20:51:00.89 ID:tFqfAcI5.net
――――部室

凛「こんにちはー!今日は生徒会お休みなんですか?」

絵里「え、えぇ。そうなの。」

凛「珍しいですね。希先輩は?掃除当番ですか?」

絵里「そうね。確か……廊下の掃除だったと思うけど」

凛「今日はかよちんも真姫ちゃんも掃除なんです」

絵里「あっそうなんだ。あの……優しそうな子と…クールな感じの……」

凛「そうですそうです!かよちんと、真姫ちゃん!」

絵里「真姫……えっと西木野…真姫さんそれに……こ……」

凛「小泉花陽!」

絵里「あぁ。そうだわ。小泉さん。ね……」

凛「もしかして…絵里先輩って人の名前覚えるの苦手なんですか?」

絵里「実はそうなの。……ごめんなさい。」

凛「へー!意外です!!じゃあ……り…私は?私は誰でしょう!」

絵里「えっ…星……田さん?」

3: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 20:59:35.90 ID:tFqfAcI5.net
凛「もう!ひどーい!凛!星空凛です!」

絵里「ごめんなさい!!本当にごめんなさい星空さん……」

凛「凛でいいです」

絵里「えっ…でも」

凛「あまり苗字で呼ばれることなんか無いですし…それに……絵里先輩ともっと仲良くなれそう、ですし!」

絵里「ありがとう……り、凛」

凛「!……ううん///こちらこそ……そうだ!絵里先輩は先輩だけど、まだμ's1日目の新人さんだから、凛がいーっぱい教えてあげます!」

絵里「本当?それは助かるわ!」

凛「あっ…でも…ダンスとか歌とかは……絵里先輩の方が上手だし…凛教えられることないかも……ですね」

絵里「そんなことないわよ。凛のバネや瞬発力は本当にすごいわ。すごく羨ましく思う。」

凛「えぇ!そんな!やめてください!絵里先輩に比べたら全然です……」

絵里「…そうだ。じゃあ早速質問していいかしら?」

凛「何ですか?」

7: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 21:07:34.95 ID:tFqfAcI5.net
絵里「凛は……その。どうしてスクールアイドルになろうって思ったの?」

凛「んー……なんというか……成り行き……ですねぇ」

絵里「そうなの?」

凛「はい。スクールアイドルっていうのが流行ってるってことは知ってたんですけど、別に興味とかは無くて……」

絵里「ならどうして?」

凛「かよちんの夢だったんです。アイドルになることが。」

絵里「小泉さんの?」

凛「はい。だから、そのお手伝いができたらな。って思って入ったんです。凛がそばにいることで、かよちんの勇気が出るのなら、アイドルにだって何だってなれます!」

絵里「優しい…のね。二人は長い付き合いなのかしら?」

凛「そうです!凛とかよちんは、ちーーーーっっちゃなころから大親友の幼馴染です!」

絵里「幸せ者なのね。小泉さん」

凛「凛もです。凛も幸せ者です。」

絵里「…ふふ♡そうね」

12: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 21:18:29.57 ID:tFqfAcI5.net
凛「絵里先輩は、希先輩と出会ってから結構長いんですか?」

絵里「凛たちほどでは無いわ。高校1年生のころにね、初めて喋って…こっちでできた初めての友達なの」

凛「こっち?引っ越してきたんですか?」

絵里「えぇ……随分前にね……」

凛「あっ……ごめんなさい」

絵里「謝らないで!私の方こそごめんなさい……気を使わせてばかりね……」

凛「ううん!凛の方こそ……馴れ馴れしい…ですよね……」

絵里「そんな……そんなことないわ。私とても嬉しかったもの。凛が話しかけてくれて。私いっつも周りに壁作ってばかりだし……」

凛「……」

絵里(やってしまった……やってしまったわよ。絢瀬絵里…考えなさい。考えるのよ……!)

凛「……あっ。じゃあ逆に質問…してもいいですか?」

絵里「は……はい!」

凛「絵里先輩は、どうしてスクールアイドルになろうって思ったんですか?」

16: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 21:29:08.59 ID:tFqfAcI5.net
絵里「えっ」

凛「不思議に思っていたんです。これまで、ずっと絵里先輩は、μ'sと違う方法で…ううん。たまに、意地悪に感じるときもありました。」

絵里「…ごめんなさい……」

凛「でも、絵里先輩は、ダンスを教えてくれました。」

絵里「……!」

凛「馴れ馴れしかったら…ごめんなさい。でも、どうしても聞きたいんです。絵里先輩が凛たちに力を貸してくれた…理由」

絵里「…………私、羨ましかったんだと思う。いいえ。羨ましかったわ。妬んでいたかもしれない。」

凛「……」

絵里「希に言われたわ……本当にやりたいことは何なの?……って。分かっていたの。分かっていても、私の声を、聞くことができなかった。」

19: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 21:38:24.37 ID:tFqfAcI5.net
凛「昔から…やりたかったんですか?スクールアイドル」

絵里「いいえ…そうではないの。惜しいんだけどね…私は昔、ロシアに住んでいて、バレエを習っていたの」

凛「やっぱり絵里先輩って……」

絵里「もちろん生粋ではないわよ。おばあさまがね、ロシア人なの。……あの頃は、楽しかったわ。踊るのが大好きだった。」

凛「それで、ダンスが上手なんだ。」

絵里「私なんて全然ダメ。勝てなかったわ。一番になんか届かなかった。」

凛「そんなことありません!絵里先輩は!」

絵里「それだけなら良い……私、自分はできるのに。って思っちゃってたのよ。心のどこかで。だから余計に勝てなくなって、悔しくって」

20: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 21:49:35.69 ID:tFqfAcI5.net
絵里「ほかの人と、何が違うのかって、私はこんなに踊れるのにって……あっという間に時は経って、日本に来てすっかり踊らなくなった。」

凛「嫌いに…なっちゃったんですか?」

絵里「違うわ。違うのに、言っちゃったのよ。私に向かって『踊るのなんか大嫌い!』って。嘘を……付いたのよ。」

凛「どうして……」

絵里「好きなものを好きでい続けること、それは私にとってすごく難しいことだったわ。誰にも褒めてもらえない、誰にも気づいてもらえない。それは私にとって十分すぎる言い訳だった。」

絵里「……自分に嘘をついてはいけないってどこかで聞いたこと、無いかしら?自分に嘘をつくと、本当になってしまうの。だからダメなの。」

凛「嘘が本当に?」

絵里「私は、その日その瞬間生きることになったの。『踊るのが嫌いな絢瀬絵里』として。誰かがそれは間違いだと言っても、それは正解ではないの。正解は私が隠してしまったから。」

凛「……」

21: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 21:58:39.37 ID:tFqfAcI5.net
絵里「私の声を否定する私は、いつしか、私がしたいと思うこと、叶えたいと思うこと、どんなことだって封じた。生徒会に入ったのだって、おばあさまに勧められたから。」

絵里「そしていつしか、生徒会長に選ばれて…今度は廃校になるだなんて聞いたから、おばあさまのために、この学校を守ろうって思った。」

絵里「だけど……その時になってようやく気付いた。誰かに興味を持ってもらうために…どうしたらいいのか……分からない。」

絵里「もちろん簡単な話ではないわ。でも私にはあまりにも分からなかったの。『好き』とか『興味』とか全部忘れてしまっていたの。」

絵里「だから、それは一生懸命に。がむしゃらに、いろんなことを考えてやろうと思った。けど全然うまくいかなかった。」

絵里「情けなかった。生徒会長の私が、何も思いつかない、何もできないなんて。……そんなときにμ'sが始まった。」

23: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:09:01.51 ID:tFqfAcI5.net
絵里「はじめ見たときね。『私の方がうまく踊れる』って思ったの。ひどいでしょ。」

凛「えっ……ううん。だって絵里先輩は」

絵里「ひどいの。『そんなパフォーマンスなんか、誰も評価してくれるわけがない』そう、思ったの。でも違った。少しずつμ'sは大きくなった。」

絵里「凛たちが入ったのだって信じられなかった。なぜそこまで人を惹きつけることができるのか。私にはさっぱり分からなかった。」

凛「そうだったんですか……」

絵里「分からなかった……フリをしてしまったの……」

凛「フリ……?」

絵里「心のどこかで、きっと……『私だって踊りたい』って思ったはずなのに……ね。希には全部バレてた」

凛「希先輩に?」

絵里「私だって踊りたい、私だって笑っていたい、私だって夢を見たい。その声に耳を塞いで、目を背けていることが。」

25: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:20:17.16 ID:tFqfAcI5.net
絵里「ダンスを教えてほしいって頼まれて、戸惑った。ダンスなんか嫌いだって思ってたから。」

絵里「でも、やるからにはきっちりやりたいって思った。……正直めちゃくちゃ…だったわよね」

凛「ううん。そんなことありません。絵里先輩のおかげで、凛たちすーっごく変わりました。」

絵里「ありがとう。……教えてるとき、気づいちゃったの。」

凛「『踊りたい』って声に。ですか?」

絵里「…そう。そんな思いがまだ私の中にあるってことにとても混乱したし、思えば思うほど、あなたたちが憎らしくなっていった……」

絵里「でも、μ'sは手を差し伸べてくれた。こんな、最低の私に。」

凛「だって!」

絵里「いつからなの?私が……μ'sに入りたいって思っていたことに気付いたのは……」

凛「……ほぇ?」

絵里「へ?」

26: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:27:30.29 ID:tFqfAcI5.net
凛「ええええ!絵里先輩μ'sに入りたかったんですか!?」

絵里「えっ…えぇ。そうよ……」

凛「もう!そうならそうって最初から言ってくださいよー!!」

絵里「あっ!そうよね…ごめんなさい……」

凛「凛たち、絵里先輩すーっごく怒らせちゃったと思ったから追いかけたのに」

絵里「えぇ?でも……」

凛「んー…言われてみれば、穂乃果先輩も海未先輩も何か知ってる感じしたし……」

希「だって凛ちゃんに言ったら、絵里ちに今みたいに言うてしまうおもたんよ」

凛「にゃあああああああ!?!?」

絵里「希!あなたいつから」

希「フフ♡今来たところよ」キシシ

28: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:37:43.96 ID:tFqfAcI5.net
絵里「あのね……凛。その……私は、みんなのこと下手だとかそういう風には思っていないの。本当よ?」

凛「はい。絵里先輩がほんとはすっごく優しいってこともう分かってますから。」

絵里「私は、『踊りたい』って正直に思えたから、あの時高坂さんの手を取れたの。それがμ'sに入った理由。」

凛「そうなんですね。」

絵里「ごめんなさい。長々と暗い話をしてしまったわね。」

凛「いえいえ!とんでもないです!とても勉強になりました!ちょっと難しかったですけど!」

絵里「そう。ならよかったわ……聞いてくれてありがとう。あなたに話せて良かった。」

凛「はい!ありがとうございます!」

30: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:44:01.89 ID:tFqfAcI5.net
真姫「ねぇ……みんなして部室の前で何やってんのよ?」

穂乃果「シー!」

にこ「今大事なところなの!」

希「いやいやもう大事なところ終わってるで。みんな入っておいでよ」

ことり「はーい♡」

海未「全く…盗み聞きなんてよくありません。」

穂乃果「海未ちゃんだって聞いてたじゃん!」

海未「それは……」

花陽「すみません!遅くなりました!……って何やっているんですか皆さん?」

凛「えー!みんないたのー!?」

絵里「全く……希ぃ?」

希「違う違う!ウチはホントに今来たところ!」

花陽「?何があったの?」

凛「あのね!かよちん!凛ね、絵里ちゃんととーーっても仲良くなったんだよ!」

花陽「ちょっと、凛ちゃん!」

凛「?……あっ!!すみません!!!」

絵里「いいのよ。気にしないで♡」

にこ「よーし全員そろったし練習始めるわよー」

8人「はーい」

絵里(ちゃん付けで呼ばれるなんて……ふふ♡それもいいわね♪)


夏合宿ちょっと前の話なのでした。おわり!

38: (笑)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:59:01.61 ID:tFqfAcI5.net
みんなレスありがとう。敬語凛ちゃん良さみ…分かり申し奉り候で御座る……
と思ってたらこのシチュ思いついて、書かずにはいられなかった。

34: (庭)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:51:35.17 ID:25VutYcV.net

えりりん良きかな

35: (庭)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:52:49.29 ID:IAOXhnK0.net
こういう補完的な話好き

36: (庭)@\(^o^)/ 2017/01/24(火) 22:53:12.32 ID:25VutYcV.net
えりりんハラショーね

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1485258660/

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