【SS】真姫｢ガスリンスタンド｣

前回のラブライブ！

真姫ちゃんが免許取ったって言うから、かよちんと冷やかしついでにドライブに誘ってみたのにゃ。


ｳﾞｪﾛﾛﾛﾛﾛ…ｷｷｨ

真姫「どうでもいいけど運転するのが私なのに誘ってみたっておかしくない？」

凛「細かいこと気にする人は運転に向いてないよー」

花陽「さすがにガソリンの残量は気にしよ？ 走れなくなっちゃうよ」


そんなわけでガソスタにやって来たのにゃ。

ﾊﾞﾀﾝ

凛「さっきの真姫ちゃんの発言は、SNSだと蜂の巣にされるからね」

真姫「そうなの？ 気を付けるわ」

真姫「それはそうと、私ガソリンスタンドって初めてなのよね」

凛「西木野マジ？ちゃん」

花陽「さすが世間知らずのお嬢さまだね…」ﾊﾊ

凛「ちっちっ、かよちん。このくらいは想定内だよ」

凛「生まれてこの方17年、学校以外は何不自由のない無菌室暮らしの真姫ちゃんのこと」

凛「敷地内だけで自給自足は金持ちのステイタスにゃ」

花陽「そういえば初めて真姫ちゃんの家に行ったとき、ママさんが庭の油田でバタフライしてて怖かったよ」

真姫「むっ、またそうやってバカにして」

真姫「私だって一般的な知識くらいあるわよ」

真姫「ここはわざわざお金払って給油する場所なんでしょ」

真姫「ハイオクのほかに、レギュラー？とか軽油とかがあるのね」

真姫「今日私たちが乗ってきたのは、凛のお母さんから借りた軽だから」

花陽「あはは…名前が似てるからってベタな間違いはナシだよ？」

真姫「わかってる、正解はこの醤油でしょ」ｶﾞｺﾝ

花陽「その心は？」

真姫「だって一番安そうだし…これだって油よね」

花陽「醤油を油と認識してる人はどれだけいるんだろう」

凛「醤油の給油ホースを設置してるスタンド側にも問題があると思うにゃ」

真姫「はやりのエコカー用じゃないの？」

凛「うわ、真姫ちゃんの口からその単語が出るなんて」

真姫「そのキャラ付けやめなさいよ」

真姫「うちもパパが常日頃から言ってるもの」

真姫「人体でも機械でも、質のいい燃料はエンジンを長持ちさせるって」

真姫「その点、ここの醤油は余計な添加物のない天然醸造なんですって」

真姫「ね？」

凛｢…？｣

花陽「怖いなぁ…天然の末路」

花陽「まずエコカーってそういう意味じゃないし……そもそも人体と機械を一緒くたにしてる時点で」

真姫「だから本当に車体と人体に優しいかどうか、3㍑ほど花陽に給油してみようと思うの」

花陽「あ、罠だったのォ？」

真姫「凛よりあなたみたいな子にさらっとなじられる方が堪えるのよ」

花陽「ごめんなさい…」

真姫「ところでずっと待ってるのに店員が来ないわね」

凛「ここセルフ式だよー」

真姫「え、じゃあ人いないってこと？」

花陽「今はもう有人の方が珍しいんじゃないかな」

凛「あ、でも凛はそっちの方が好きだよ」

凛「店員さんのハイオク満タンな掛け声がクセになるんだよね！」

花陽「うーん…私は静かな方がいいかな」

凛「えー聞いてて楽しいじゃん。無駄にこぶし効いてるし」

凛「ｱｰ↑ﾗｲ↓、ｱｰ↑ﾗｲ↓って。えへへ、モノマネ上手でしょー」

凛「スタンド行くたびに真似っこしてたの、かよちんも一緒にやったことあるよね？」

花陽「けっこう本物と間違えられてたよね……でもセルフは自分で操作できるのが面白いし」

真姫（会話に混ざりたい…）ｸﾙｸﾙ

真姫「ねえ、あそこの建物はなんなの？」

凛「ストリップ小屋」

花陽「凛ちゃん」

凛「売店だよ」

真姫「なんだ…店員いるんじゃない」

花陽「NPCみたいなものだけどね」

凛「なにか欲しいときは自分から動くしかない」

凛「これが世俗の現実ってやつなんだよ真姫ちゃん」

真姫「そうやってあくせくしても結局はオイルメジャーの掌の上……社会の縮図ね」

凛「ストリップでも見ないとやってられないでしょ」

花陽「ストリップはともかく、世の中自分から面白くしなきゃってのは本当かなって」

凛「なんたってここはセルフスタンドだからね！」

凛「サービスなんかされなくても、凛たちの楽しいは自分で作ってやるにゃああ！」

真姫「具体的には？」

凛「自分で給油してる間ってヒマなんだよ」

真姫「そうなの？」

花陽「まあ3ターンは動けないね」

凛「その間退屈をまぎらわすものが必要なの」

真姫「ふーん、二人は普段どうしてるの？」

花陽「ボンネットが熱くなる日は、そこらで捕まえたモモンガ焼いたりとか」

真姫「…本当に？」

花陽「ホントダヨォ？」

凛「ってなわけでー」

凛「大変長らくお待たせしました！真姫ちゃん初めての給油編、いっくにゃ～！」ﾏﾗｶｽﾌﾘﾌﾘ


真姫（大丈夫よ、家で散々練習してきたじゃない…）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

真姫（こんなの解剖実習のコンクールに比べればチョロチョロよ……これまでの自分を信じて）

真姫「い、ｲｸﾜﾖ…」ｶﾁｺﾁ

真姫「ええっと、油種はレギュラー？、支払いは現金書留を選んで」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

花陽「真姫ちゃん！！先に静電気除去しないと！！」

真姫「ヴェェェ！！早く言ってよもぅ…！」

真姫「こ、これ、もう、ちょっとノズルに触れちゃったけど大丈夫よね？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

花陽「よしよし、真姫ちゃんのブラックジャック先生は無事だよ」

花陽「でも次はないからね…？」

真姫「オーケーボス」

凛「お次はいよいよ給油！」

凛「さあ真姫ちゃん、凛のプリケツめげかけてバッチコイにゃ！」ﾊﾟｼｰﾝ

真姫「突然生まれたての姿でお尻を突き出されても」

真姫「何がしたいのよあなたは」

凛「カチコチの真姫ちゃんを見るに見かねて、本番前の練習台としてはせ参じた次第！」

花陽「多分だけど、凛ちゃんが脱ぎたかっただけだよね？」

凛「えへへ…///かよちんには何でもお見通しか」

真姫「むっ…見せつけてくれちゃって」

真姫（いいわよ、ならお望み通りやってやろうじゃない）

真姫（人の気も知らないで…）

ﾋｸﾋｸ

真姫（！――いまお尻の皺が震えて）

真姫（凛も緊張してる…？ ひょっとして、本気で私のこと……）

ﾌﾟｽｩ

真姫「ってくっさ！！」

真姫「げほごほっ、こ、この臭い…！！」

花陽「また二郎キメチャッタノォ？末期の大腸がんのクセして！」

凛「まだステージ3にゃああああああ」

花陽「まあ嘘ですけど」

凛「嘘にゃ」

真姫「でもこの臭さは冗談になってないわよ」

真姫「ひょっとしなくてもあなた深刻な便秘でしょ。この先どうする気よ？」

花嫁｢カチコチだったのは凛ちゃんの便だったってオチだね｣

凛「だから早くその醤油を凛に給油してほしいんだよ」

真姫「醤油？ それってどういう…」

真姫（……はっ）

真姫「なるほど、そういうことね」

花陽「醤油の主原料である大豆に多く含まれる水溶性食物繊維は便秘の解消に効果的とされてるのは有名な話です」

凛「ついでにお尻から飲めば粘膜摂取で効果倍増！さ、早く早く！」ﾌﾟｽﾌﾟｽｩ

真姫「謎は解けたけどちょっと近寄りがたいわね」

花陽「おならを漏らしながら素っ裸で立ちんぼしてる凛ちゃん…」

真姫「これがほんとのガスリンスタンドね」

花陽「おあとがよろしいようで」


おしり

凛「とはならないのがミソにゃ」ﾌﾞﾘｯ

花陽「凛ちゃんおミソ出てる」

真姫「終わっときなさいよもう…」

凛「ここまでやっちゃった以上、凛としても引き下がれないよ」

凛「おねがい真姫ちゃん…！凛たち友達でしょ？」ｳﾙｳﾙ

真姫「ｳﾞｪｪ…わ、わかったわよ」

真姫「っ……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

花陽「真姫ちゃん、初心者は勢いが肝心だよ！ここは一気にグイッと」

真姫「わっ、わかってるんだけどぉ…！」

真姫（まさか、高校になって初めてできた友達とこんなことする日が来るなんて）

真姫「まだ…心の準備が……」

凛「いいから来い！！！！！この期におよんでまだ分からないの！！！？」

凛｢これが“りんまき”ってことだよ！！！！！！！！！｣

凛「これはもう新しいセ　クスの形にゃああああああああああ」

真姫「そういうこと言われると途端に萎えるわね」ズブスッ

凛「♪」

花陽「私は売店でたてたてのコーヒー買ってくるね」

ｶﾞｰｯ

花陽「炊き立てご飯くださああああああああい」

店員「おにぎりならありますが」

花陽「炊き立てですかああああああああああ」

店員「いえ、コンビニ特有の冷えたやつです」

店員「む…よく見ると君はμ’ｓの絢瀬絵里じゃないか」

花陽「はれえええええ英玲奈さんどうしてここにいい？？？」

英玲奈「ここは実家で、私はA-RISEだからな」

花陽「アー↑ライ↓、アー↑ライ↓」

英玲奈「どうでもいいが普段からそのテンションなのか」

花陽「炭水化物とカフェイン切らしちゃっててええええええ」

花陽「このままじゃおかしくなりそうなんですううううううう」

英玲奈「そうか、お大事に」

花陽「とにかくこのおにぎりと缶コーヒはもらっていきますねええええ」

英玲奈「温めますか？」

花陽「セルフなんで自分でやりまあああああああす」

英玲奈「！――おい、ちょっと待って」

英玲奈「うちのレンジは代々、業務用の強力なやつなんだ」

英玲奈「それを使っておにぎりと缶コーヒーを温めたりしたら…！」


ｶｯ――

そう…凛たちは忘れていたのにゃ


ここがガソスタだってことを……

ﾀﾞｯﾃﾊﾟｰﾃｨｵｰﾜﾗﾅｲ♪　　ﾀﾞｯﾃﾊﾟｰﾃｨｵｰﾜﾗﾅｲ♪


Liella！アニメーション付き デビューシングル


.　　　　「始まりは君の空」


.　　　　2021.4.7. On Sale！

浣

爆破オチの人から爆破オチだけパクリました
もう二度とSSは書きません

乙にゃ

草
独特なテンポすき