穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを~!」【長編SS】

AqoursーSS


1: 2020/06/27(土) 21:23:40.44 ID:qBRXjiCt
何年か前にエタッてしまったSSです
そこまで行くのにだいぶ長いので、以前に読んでくださってた方は退屈かも知れませんがお付き合いください

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1595734963/

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1593260620/

32: 2020/06/27(土) 22:32:51.33 ID:XzktK8eO
>>1おかえり
ずっと待ってた

127: 2020/06/29(月) 02:15:27.14 ID:1qscE13h
>>1 2年半も前なのか
穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを~!」
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1511448684/

3: 2020/06/27(土) 21:27:27.04 ID:qBRXjiCt
-2018年-

穂乃果「ふ~!一段落一段落!」

雪穂(22)「あー!!」

穂乃果「」ギクッ

雪穂「ちょっとお姉ちゃん!!!」

穂乃果「な、なーにぃ?雪穂…」

雪穂「またお饅頭つまみ食いしたでしょ!」

穂乃果「えっ…た、たははぁ~…ば、ばれちゃったか」

雪穂「もう!そんなんでよくお店続けられてるね!やっぱり私が継げば良かったよ!」

穂乃果「むっ!な、なによう~!雪穂がやりたいことあるって言うから私が後継いだんだよ!」

雪穂「それと饅頭つまみ食いすることの話は別っ!」

穂乃果「む~…!」

4: 2020/06/27(土) 21:29:03.90 ID:qBRXjiCt
穂乃果「あれ?雪穂、もう行っちゃうの?」

雪穂「んー、そろそろ戻らないとだしね」

穂乃果「なんだー…泊まっていけばいいのに」

雪穂「お姉ちゃんほど暇じゃないんだよ~」

穂乃果「ちょっとぉ!その言い方だとまるで私が暇人みたいじゃん!」

雪穂「違うの?」

穂乃果「違うよ!」

雪穂「あはは…じゃ、行くね」

穂乃果「うん…まぁ頑張りなよ」

雪穂「ありがと、お姉ちゃんも…」

雪穂「頑張ってね…」

5: 2020/06/27(土) 21:31:43.12 ID:qBRXjiCt
穂乃果母「あら?雪穂ったらもう出たの?」

穂乃果「お母さん、起きてたんだ」

穂乃果「うん、さっき出たよ」

穂乃果母「んもう~!あの子ったら何も言わずに!」

穂乃果「私も泊まっていけばって言ったんだけどね~」

穂乃果「…忙しいんだよ雪穂も」

穂乃果母「そうかもしれないけど…無理が祟って身体を壊しでもしたら…」

穂乃果「大丈夫だよ、雪穂もさ、もう子供じゃないんだし…」

7: 2020/06/27(土) 21:36:19.36 ID:qBRXjiCt
-翌日-

真姫(23)「へぇ、じゃあ雪穂ちゃん今は家にいないのね」

真姫「なんのお仕事してるの?」

穂乃果「それが私もよく知らないんだよねぇ…ただ本人はやりがい感じてるみたいだし良いんじゃないかなぁ」

真姫「ふ~ん…」

真姫「で、穂乃果…あなたは?」

穂乃果「ふえ?」

真姫「お店はいいの?」

穂乃果「大丈夫大丈夫!お母さんいるし!」

真姫「…暇ね」

穂乃果「うっ…真姫ちゃんまで雪穂と同じような事言わないでよ~!」

真姫「私は暇じゃないの」

真姫「そろそろ行くわね、また今度愚痴聞いてあげる」

穂乃果「…はーい」

8: 2020/06/27(土) 21:39:34.30 ID:qBRXjiCt
トボトボ…

穂乃果「はぁ…みんな忙しそうだなぁ…」

穂乃果「って…いやいや!私も忙しいけどね!!」

オギャー!!

穂乃果「ん?」

女「うぅ…お願いだから泣き止んでぇ…」

赤子「オギャーオギャー!」

女「…っ」

穂乃果「へへー!ベロベロバー!」

女「!」

赤子「キャッキャッ!!!」ニコニコ

穂乃果「えへへ、可愛いですね!」

女「助かりました!ありがとうございます!」

穂乃果「いえいえ!そんな大したことじゃ」

女「…ってあなた」

穂乃果「…っ?」

女「あなた…穂乃果さんですよね!!!」

穂乃果「ふぇ!?」

女「高坂穂乃果さんですよね!!!」

9: 2020/06/27(土) 21:41:52.51 ID:qBRXjiCt
穂乃果「そ、そうですけど…なんで?」

女「今からあなたのお店に伺おうと思ってたんです」

穂乃果「あっ!お客さんですか!是非!ご来店お待ちしてますね!」

女「違います!」

穂乃果「え?違うの?」

女「この子を」

穂乃果「この子を?」

チラリッ

赤子「キャッキャ」

穂乃果「この子がどうかしたんですか?」

女「この子の面倒を……この子を育ててあげてください!」

穂乃果「…ほぇ?え?え?」

10: 2020/06/27(土) 21:44:54.02 ID:qBRXjiCt
女「はい!」バッ

穂乃果「え、えぇ!?」

穂乃果「ちょ、ちょっと!」

女「ソレデハ!」 ダッ

穂乃果「ちょ…!待ってっ!!!」

ギュッ!

女「グエッ…首が…!!」

穂乃果「あっ!」パッ

穂乃果「ご、ごめんっ!」

女「ゲホッ!」

女「な、なんですか!」

穂乃果「それはこっちのセリフだよぉ!」

穂乃果「いきなり知らない赤ちゃん育ててって…!無理だよそんなの!」

女「知らない子供って!何バカな事を言ってるんですか!」

穂乃果「え、えぇ…私、何かおかしな事言ってるかなぁ…?」

女「その子はあなたの姪っ子ですよ!」

穂乃果「……は?」

女「その子は…雪穂の…高坂雪穂のれっきとした実の娘……高坂秋穂ちゃんです!」

穂乃果「え…?」

穂乃果「えええええええええ!!!?」

12: 2020/06/27(土) 21:45:28.34 ID:BpUcBrN7
懐かしい

13: 2020/06/27(土) 21:46:03.23 ID:ZrXPOGHi
まじで?ずっと待ってたから嬉しい

14: 2020/06/27(土) 21:46:16.30 ID:36FNeKof
これ読んだような気がするな
保守

15: 2020/06/27(土) 21:46:57.09 ID:FIwFggfR
20世紀少年のやつか
3スレ目までいって後ちょっとってところでエタってたんだっけ

16: 2020/06/27(土) 21:48:10.93 ID:BpUcBrN7
これ見て原作読破したわ

18: 2020/06/27(土) 21:49:01.41 ID:1AKV7MUQ
20世紀少女か

19: 2020/06/27(土) 21:49:05.41 ID:qBRXjiCt
女「じゃあ私はこれで」

穂乃果「い、いや待って!!」

女「まだ何かあるんですか!?」

穂乃果「秋穂って言われても、私…全然…全然わかんないよ!」

穂乃果「雪穂に子供がいるなんて事も聞いた事ないし…」

女「え?聞いてないんですか?」

穂乃果「そうだよ!何もかも初耳だよ!?」

女「でも…私も雪穂から頼まれただけなんです、あなたに…穂乃果さんに預けるようにって」

穂乃果「え、え…?」

穂乃果「ど、どういうこと…?」

女「すみません…もう本当に時間がないんです。あとは姉妹間で連絡を取り合ってください」

女「失礼します」タッタッタッ…

穂乃果「……え、えぇ?」ポカーン

20: 2020/06/27(土) 21:50:32.53 ID:qBRXjiCt
プルルルルルルル

穂乃果「……」

秋穂「スー…zzz」

『おかけになった電話番号は…』

ピッ

穂乃果「んもぅ!何で出ないの!?」

穂乃果「(何やってるの…雪穂…)」

穂乃果「………」チラッ

秋穂「ムニャムニャ…」

21: 2020/06/27(土) 21:54:14.32 ID:qBRXjiCt
ガラッ…

穂乃果「さて…」イソイソ

穂乃果「とりあえずお母さんに見つからないようにした方がいいよね…?」

穂乃果母「穂乃果?帰ったの?」

穂乃果「あ、や、やばっ!」

穂乃果母「まったくどこ行ってたの…って」

穂乃果「あ、いや…ち、違うのお母さん!この子は!」

穂乃果「あの!!その!!」アタフタ

穂乃果母「穂乃果!!」

パチンッ!!

穂乃果「ぐ、ぐぇっ……え、えぇ!?」ドサッ

穂乃果母「私はあなたをそんな子に育てた覚えはないよ!!」

穂乃果「ぅえぇ!?」

穂乃果母「誰との子なの!いつ出来たの!何で隠してたの!」

穂乃果「ち、違う!お母さん話聞いて!」

穂乃果「こ、この子は…お母さんの…その…そう…!孫なの…!」

穂乃果「……」

穂乃果母「……」

穂乃果「(って、これじゃ弁明になってないじゃん~!!)」

穂乃果母「そりゃあそうでしょ何言ってんの!!」

22: 2020/06/27(土) 21:56:07.17 ID:qBRXjiCt
穂乃果「ち、違う!私の子じゃないよ!」

穂乃果母「嘘つかないの!あなたとソックリじゃない!」

穂乃果「え?」

穂乃果「そ、そうかな?」ワタシコンナカワイイ?

穂乃果母「そうよ」ムカシハコンナカンジダッタノヨ

穂乃果「って!ちっがーう!!!」

穂乃果母「!?」ビクッ

穂乃果「この子は私の子じゃないの!!ゆ・き・ほ・の・子・な・の!」

穂乃果「名前は秋穂っていうの…いや、秋穂っていうらしい」

穂乃果母「ゆ、雪穂の!?」

23: 2020/06/27(土) 21:59:44.49 ID:qBRXjiCt
穂乃果「いたた…」サスサス

穂乃果母「ごめんなさい穂乃果…いきなりぶったりして…」

穂乃果「本当だよ、すごい痛かったよ…ンモウ…」

穂乃果「だいたい、お母さんこの1年間で私がお腹膨らましてた事あった!?見た!?」

穂乃果母「た、確かに…見てないわねー…」

穂乃果「早とちりがすぎるよぉ!」

穂乃果母「だ、だからごめんなさいって言ってるじゃない…」

穂乃果母「それにしても……この子が雪穂の子……にわかにも信じがたいわね」

穂乃果「私もだよ…でも…雪穂の面影…あるよね」

穂乃果母「…この子は雪穂が直接?」

穂乃果「うーうん……知らない女の子が……でも、雪穂に頼まれたって言ってた」

穂乃果母「……雪穂と連絡は?」

穂乃果「…ダメ、通じない」

穂乃果母「そう…」

穂乃果母「何はともあれ、雪穂と連絡がつくまでは私たちが責任持って育てるしかなさそうね」

穂乃果「うん、だね」

穂乃果母「もうっ!!雪穂、今度帰ってきたらお説教よ!!」

24: 2020/06/27(土) 22:03:20.97 ID:qBRXjiCt
穂乃果「でも…私も伯母さんかぁ~…なんか感慨深いなぁ…」

穂乃果母「あら…私なんておばあちゃんよ、聞いただけでシワが増えそう」

穂乃果「お父さんがいればきっと大はしゃぎしてただろうね!」

穂乃果母「そうねぇ…孫が出来たんだもの…こんなに急でもきっと喜んだでしょうね」

穂乃果「…でもぉ…似てるってだけで判断しちゃっていいのかなぁ…」

穂乃果母「何言ってるのよ!どっからどう見ても雪穂の子じゃない!」

穂乃果「いやそういう問題じゃなくてだよ~、戸籍とか…さ」

穂乃果母「あ、オシメとかミルクとかも…」

穂乃果「……お母さん」

25: 2020/06/27(土) 22:09:00.15 ID:qBRXjiCt
-数ヶ月後-

ガラッ

穂乃果「いらっしゃいませー!」

「よっ!穂乃果!」

穂乃果「ん?」

ヒデコ「久しぶり!」

穂乃果「え…わっ!もしかしてヒデコ!?」

ヒデコ「うん!」

穂乃果「うわっ!本当に久しぶりだね!何年ぶり!?」

ヒデコ「そうだね~……まぁ、懐かしさに浸る前に……その背中の子、あんた結婚したの?」

穂乃果「違うよ、この子は雪穂の子」

ヒデコ「へぇ~可愛い~///」

ヒデコ「ほれほれ、可愛いでちゅね~♪」

秋穂「」ビクッ

秋穂「フエエエェェン!!」

ヒデコ「ぬ、ぬわっ!」

穂乃果「あ、あれ!?おかしいな…あんまり人見知りしない子なんだけど…!!」

穂乃果「はいはい、秋穂落ち着いて~」ユッサユッサ

秋穂「エッ…エッ…」ピタッ

ヒデコ「お、おぉ~…やるね伯母さん」

穂乃果「ふふん!私、姪っ子にすっごく好かれてるんだ!」ドヤッ

ヒデコ「うわ~ドヤ顔…すっごいムカツク …」

ヒデコ「ま、いいや…穂乃果、今日はあんたに話があって来たの」

穂乃果「話?」

26: 2020/06/27(土) 22:14:45.19 ID:qBRXjiCt
ヒデコ「最近ね、妙な噂があってさ…」

ヒデコ「とある宗教グループが全国のスクールアイドルを中心に勧誘して、かなり規模を大きくしてるって話知ってる?」

穂乃果「いや、知らない…」

ヒデコ「そっか…」

穂乃果「それがどうかしたの?」

ヒデコ「いやね、その宗教団体の教祖があの廃校騒動になった代の音ノ木坂卒業生の可能性があるのよね」

穂乃果「そう…なんだ」

ヒデコ「穂乃果…あんた、何か知らない?」

穂乃果「………」

穂乃果「いや…何も…」

ヒデコ「………」

穂乃果「………」

ヒデコ「そっか。ならいいんだ…邪魔したね、またなんか買いに来るよ」

穂乃果「う、うん…またね」

ヒデコ「あっ、そうだ穂乃果」

穂乃果「ん?」

ヒデコ「今度の日曜日、音ノ木坂OGでちょっとした同窓会やるんだ」

穂乃果「へぇ~」

ヒデコ「あんたもよかったら来なよ、OGだしお母さん誘ってもいいよ?」

穂乃果「ははは。うん、了解!」

ヒデコ「ん!じゃ秋穂ちゃんまたね~!」

秋穂「ン…」

ヒデコ「じゃね、穂乃果」

穂乃果「うん…バイバイ、ヒデコ」

27: 2020/06/27(土) 22:17:28.65 ID:qBRXjiCt
-日曜日-

穂乃果「あ、そういえば今日だ…ヒデコが言ってた同窓会」

穂乃果「せっかくだし行ってみよっかな!」

穂乃果「ね~!お母さーん!あのね~」





穂乃果「んじゃ、行ってくるね!お母さんは本当にいいの?」

穂乃果母「私は秋穂と留守番してる。それにオールドすぎるしね」

穂乃果「そっか…じゃあ行ってきます!」

ガララ

穂乃果母「行ってらっしゃい、気をつけてね」

穂乃果「うん!」

バタンッ

28: 2020/06/27(土) 22:21:29.29 ID:qBRXjiCt
穂乃果「みんなと会うのいつぶりだろ」

穂乃果「ここだ!」

穂乃果「よしっ!久しぶりにみんなと会うんだ!明るく行こう!!」

ガラッ!!

穂乃果「こっんばんっわー!やっほー!みんな久しぶり~!」

一同「・・・・・」

穂乃果「あ、あれ?あはは…こんばんわ…?」

理事長「穂乃果ちゃん」

穂乃果「あ、理事長…お久しぶりです!」

理事長「えぇ…」

穂乃果「あの…私の代の子が見当たらないんですけど、どこに…?」

理事長「……」

穂乃果「……?」

29: 2020/06/27(土) 22:24:47.25 ID:qBRXjiCt
タッタッタッタッタッタッ…

穂乃果「ヒデコ…!」

海未(24)「……!穂乃果…」

穂乃果「はぁ…はぁ…海未…ちゃん…」

海未「…来たんですね」

穂乃果「理事長から聞いて…」

海未「やっぱり…穂乃果にだけ連絡が行ってなかったんですか…」

海未「……まだお通夜ですので顔は見れます」

穂乃果「なんで…」

穂乃果「ヒデコはなんで……」

穂乃果「死んだの…?ねぇ、なんで…?海未ちゃん、知ってるんでしょ…?」

海未「………」

海未「少し、場所を変えましょう…」

31: 2020/06/27(土) 22:31:25.72 ID:qBRXjiCt
~公園~

海未「音ノ木坂の卒業生が教祖の宗教団体の話は聞きましたか?」

穂乃果「うん、それは聞いた…」

海未「…ヒデコはかなり前から、1人でその団体の周りを調べていたようです」

海未「聞いたところ、過激な団体のようです…理由はわかりませんが…おそらくヒデコはその団体に…」

穂乃果「……」

穂乃果「なんでヒデコはそんな危ない事を…」

海未「…わかりません、ですが何か深い理由があるはずです、でないとそんな危険な事は……」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?」

穂乃果「……」

海未「穂乃果!」

穂乃果「ハッ…ど、どうしたの海未ちゃん」

海未「穂乃果…変なこと考えていませんよね?」

穂乃果「え……変なことって……?」

海未「ヒデコがやっていたことを穂乃果がやるなんてこと…ないですよね」

穂乃果「え…い、いや…そんな…私ただの和菓子屋だよ?宗教団体を尾行?監視?出来るほど…優秀じゃないよ…」

海未「そう……ですよね……」

海未「なら、いいんですけど…」

33: 2020/06/27(土) 22:37:18.79 ID:qBRXjiCt
穂乃果「話聞かせてくれてありがとう、葬儀には出るから」

海未「は、はい…」

~~~~~~~~~~~

穂乃果「………」

穂乃果「(友達が死んだ……こんな簡単に……人が死んだ、この前まで話をしてたのに……)」

穂乃果「ヒデコ…」

穂乃果「…お父さんが亡くなった時とはまた違う悲しさ」

穂乃果「なんだろう…この感じ」

穂乃果「どうしよう…」

穂乃果「私…ただの和菓子屋で全然…何も出来ないし…」

穂乃果「……っ」

34: 2020/06/27(土) 22:41:16.36 ID:qBRXjiCt
-翌日-

穂乃果「じゃあ、ヒデコのお葬式行ってくるね…」

穂乃果母「うん、気をつけて…」

穂乃果「…あれ、靴ベラどこだっけ?」

穂乃果母「そこ、秋穂のベビーキャリーの下に埋もれてるわ」

穂乃果「ホントだ…」

オギャァァァァ…!

穂乃果母「あっ秋穂起きたみたい…行ってらっしゃいね、穂乃果」スタスタ

穂乃果「うん…」

穂乃果「……ん?」

穂乃果「ベビーキャリーの紐になんか引っかかかってる…手紙?」

穂乃果「……【穂乃果へ】」

穂乃果「ヒデコから…?」

穂乃果「いつの間に…」

穂乃果「あっ…」


ヒデコ『ん!じゃ秋穂ちゃんまたね~!』

秋穂『ン…』

ヒデコ『じゃね、穂乃果』


穂乃果「あの時かな…なんて…書いてるんだろ…」

35: 2020/06/27(土) 22:45:13.24 ID:qBRXjiCt
【穂乃果へ

この手紙を見てる時、多分私はこの世にいない。
自分で選んだ道なので後悔もしない…。
正直この件に関してはアンタに話すかどうかかなり悩んだよ…。
なんたって正義感で作られてるような人間じゃん、穂乃果は。アンタが無茶するのが怖くてさ…って無茶したあたしが言えることじゃないか。
本題に入るね。もう時間がないから走り書きなのは許してほしい。
まず、アンタにも話した団体の教祖、私が調べていたのはこいつの素性。
顔も年齢も分からない。分かってるのは精々信者に「るどいあ」と呼ばせていること。
単にアイドルのアナグラムってだけなんだろうけど、コイツを野放しにしとくとヤバイ。私の第六感がそう言ってるの。
きっといつか、世界までもコイツは掌握してしまうって。そう思ってる。
穂乃果、この手紙で全ての意図を汲み取れとは言わない。実行しろとも言わない。
ただ一つだけ私の見解を言わせてほしい。

世界を救うのは、アンタにしかできない。】


穂乃果「世界を、救う…」

36: 2020/06/27(土) 22:48:22.75 ID:qBRXjiCt
~葬儀場~

ことり(24)「あ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「…!ことりちゃん…久しぶりだね」

穂乃果「デザイナーのお仕事は?わざわざ日本に戻ってきてくれたの?」

ことり「うん、だって…」

穂乃果「…そっか、ヒデコも喜ぶよ」

海未「二人とも、もうそろそろ中に…」

ことり「うん」

穂乃果「ことりちゃん!海未ちゃん!」

ことり「どうしたの?」

海未「どうしました?」

穂乃果「あとで……話があるんだけど、いいかな?」

ことり「えっ、う…うん…」

海未「…わかりました」

37: 2020/06/27(土) 22:49:56.22 ID:qBRXjiCt
~穂むら~

穂乃果「ただいまー」

穂乃果母「おかえりなさ…ってまぁ!」

ことり&海未「おばさん、お久しぶりです」ペコッ

穂乃果母「ことりちゃんに海未ちゃん!久しぶりねぇ~…」

穂乃果母「さっ…上がって」

ことり&海未「ありがとうございます、お邪魔します」

38: 2020/06/27(土) 22:54:03.07 ID:qBRXjiCt
バタンッ

穂乃果「久しぶりだね…こうやって部屋に3人でって」

海未「そうですね…」

穂乃果「………」

海未「………」

海未「あの…それで穂乃果、話とは?」

穂乃果「うん…私」

穂乃果「ヒデコのやってた事を引き継ごうと思うんだ」

海未「!?」

ことり「…?」

海未「な、なにを言っているんですか!?ヒデコが何故亡くなったのか、あなたは分かっているでしょう!!」

ことり「えっ…」

穂乃果「分かってるよ!でもヒデコは死んだ!これじゃヒデコのやってた事が無駄になっちゃう!」

海未「ヒデコはそんな事望んでません!!!」

穂乃果「望んでるよ!!」

海未「それはあなたの思い込みです!」

穂乃果「思い込みじゃない!!だって…手紙にも!」

穂乃果「ほら!!!」バサッ

海未「………」

穂乃果「……誰かがやらないといけないんだよ」

ことり「穂乃果ちゃん…」

39: 2020/06/27(土) 22:57:30.87 ID:qBRXjiCt
穂乃果「学校が無くなるって時もそうだった」

穂乃果「誰かがやらないと、後で後悔する…誰かが…やらないと…」

海未「その誰かがあなただと言いたいんですか?」

穂乃果「そうは思ってない!思ってないけど…」

穂乃果「私は…この手紙を見た以上…放っておくことなんて出来ないよ…」

穂乃果「海未ちゃんも私の性格、良く知ってるでしょ…?」

海未「それは…。ですが…」

40: 2020/06/27(土) 23:03:16.75 ID:qBRXjiCt
穂乃果「ヒデコは“るどいあ”を危ないって…止めないとって…とにかく危険視してた」

穂乃果「もしこのままみんな何もしなかったら…」

海未「それでも…止めましょう穂乃果」

海未「それに…もしあなたが死んでしまったら誰がその続きをやるんですか?」

海未「ことりでしょうか…それとも私でしょうか…」

穂乃果「………」

海未「私は……あなたが死んだら黙っていられる自信はありません……」

穂乃果「なら…」

海未「だから、ダメですよ…」

穂乃果「」ギリッ

穂乃果「ヒデコが死んで何も思わないけど、私が死んだら泣いてくれるの!?悲しんでくれるの!?なんで…ヒデコと私の何が違うの…!?」

ことり「穂乃果ちゃん海未ちゃん落ち着こうよ!」

ことり「…違うよ、違うよ穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…ッ?」

ことり「海未ちゃん…ヒデコちゃんが亡くなって悲しくないわけない…」

ことり「海未ちゃんは……ただ、これ以上、友達が亡くなるのは嫌だって言ってるんだと思うよ……」

穂乃果「……!」

41: 2020/06/27(土) 23:06:10.21 ID:qBRXjiCt
ことり「私はいま何の話をしてるのかよくわからないけど……」

ことり「でも、何かすごいものに穂乃果ちゃんは立ち向かおうとしてるんだと思う…」

ことり「きっと昔みたいに…」

穂乃果「……」

ことり「穂乃果ちゃんも海未ちゃんの気持ち…わからないわけじゃないよね?」

ことり「穂乃果ちゃんもヒデコちゃんが亡くなって悲しかったでしょ?」

ことり「もし穂乃果ちゃんが行って死んじゃったら次は本当に海未ちゃんが…うーうん、私だって…」

海未「………」

穂乃果「………」

42: 2020/06/27(土) 23:08:02.72 ID:qBRXjiCt
穂乃果「それでも…」

穂乃果「それでも、私は行くよ」

ことり「…!」

海未「…っ、穂乃果!!」

穂乃果「それに大丈夫だよ…海未ちゃん…ことりちゃん」

穂乃果「次なんてない…絶対、私が決着をつけるから…」

海未「…!」

穂乃果「話はこれだけ……ごめん、私が呼んどいて悪いんだけど今日は帰って……ごめんね……」

海未「……」

ことり「(穂乃果ちゃん…)」

43: 2020/06/27(土) 23:10:36.29 ID:qBRXjiCt
穂乃果母「あら、もう帰るの?」

海未「はい、お邪魔しました」

ことり「またお邪魔させてもらいます」

穂乃果母「ええ、またいらっしゃいね。もう、あの子ったら見送りにも来ないなんて!しょうがないわねぇ…」

海未「いえ…いいんですよ」

穂乃果母「……」

穂乃果母「…海未ちゃん、ことりちゃん…あの子弱いから何かあったら助けてあげてね…」

穂乃果母「弱いのに、責任感だけは強いから…1人で全部背負いこんじゃったりしちゃうの」

穂乃果母「だから、お願いね」

海未「…えぇ、存じています」

穂乃果母「ホッ…うん、ありがとね」

44: 2020/06/27(土) 23:14:58.32 ID:qBRXjiCt
穂乃果「とは言ったものの…」

穂乃果「私、その団体のことなんにも知らないし…」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「とりあえずヒデコが遺してくれた情報の中から調べていく必要があるかなぁ…」


穂乃果母「穂乃果ー!秋穂、お風呂に入れてくれない?」


穂乃果「えぇ?こんな時間なのにまだ入れてなかったの?」


穂乃果母「今日お客さん中々引かなくてね」


穂乃果「私、いま忙しい!」


穂乃果母「ッ穂乃果!!!」


穂乃果「」ビクッ

穂乃果「んもう…世界を救うよりも赤ん坊をお風呂に入れる方が急務だよ」

穂乃果「はいはーい…」

45: 2020/06/27(土) 23:17:01.91 ID:qBRXjiCt
-翌日-

穂乃果「じゃ、しばらくお店は任せるね」

穂乃果母「いつもは任せられてるような言い方ね?」

穂乃果「一応、店主は私だよ…」

穂乃果母「はいはい…それじゃ穂乃果、秋穂行ってらっしゃい」

穂乃果母「何やるのかは知らないけど、秋穂に怪我だけはさせないでよ?」

穂乃果「はーい、行ってきます」

46: 2020/06/27(土) 23:21:55.90 ID:qBRXjiCt
穂乃果「えーっと…ヒデコによると確か教祖は音ノ木坂学院卒業生の可能性が高いんだよね…」

穂乃果「なら、とりあえず理事長に当たってみよっかな…」

穂乃果「っていうか、理事長が何も知らなかったら正直、詰み同然なんだけどね…あはは…」

穂乃果「行こうか、音ノ木坂学院に」

~~~~~~~~~~~

~音ノ木坂学院~

穂乃果「わぁ…何年ぶりだろ…来るの」

在校生1「えっ…えっ!あの人μ'sのリーダーだった高坂穂乃果さんじゃない!?」

穂乃果「(へへへ、私もまだ有名なんだなぁ)」エッヘン

在校生2「背中の子はお子さんかな?」

穂乃果「ん…?」

在校生3「えっ…穂乃果さん結婚してたの…?うわあああん!!」

在校生2「ちょ、ちょっと!」

穂乃果「(うっ…なんか、すごい居心地が…)」

穂乃果「は、早く理事長室に行かなきゃ…!」ダダダダダッ

47: 2020/06/27(土) 23:25:10.21 ID:qBRXjiCt
コンコンッ

理事長「どうぞ」

ガチャ

穂乃果「失礼します」

穂乃果「こんにちわ、理事長」

理事長「穂乃果ちゃん…大変でしたね色々と…」

穂乃果「はい…」

穂乃果「…理事長、今日はお話があって来ました」

理事長「あの、その前に…その背中の子は…?」

穂乃果「あっ、この子は…」

理事長「穂乃果ちゃんのためならことりも結婚式に出席するために帰ってきたと思うわ…残念ね」

穂乃果「いや、この子は雪穂の子で…姪っ子なんです」

理事長「あっ…そ、そうでしたか……ご、ごめんなさい……で、要件…お話とは?」

穂乃果「はい…実は」

49: 2020/06/27(土) 23:30:37.70 ID:qBRXjiCt
理事長「……その件でしたか」

穂乃果「はい、理事長はヒデコから何か聞いたりしませんでしたか?」

理事長「……いいえ、私もその件については噂で聞く程度なの」

穂乃果「そう…ですか…」

理事長「……ヒデコさんからの情報ではありませんが……」

穂乃果「?」

理事長「最近学院内でおかしな動向が見られるのです」

穂乃果「おかしな動向…?それって…?」

理事長「穂乃果ちゃんも知っているように音ノ木坂学院は部活の種類が豊富で、どの部活も精力的に活動しているんですが」

理事長「最近…他の部活動からスクールアイドル部へ編入する生徒がかなり多いんです」

理事長「それだけじゃありません……あのUTX学園からわざわざ転入しスクールアイドル部を希望する人も少なくないんです……」

穂乃果「……」

理事長「学院の理事長として学校の繁栄は喜ばしく思います。ですがどこか違和感を覚えるんです」

穂乃果「たしかに…」

理事長「…もしよかったら、スクールアイドル部へ顔を出してみてはどうかしら?」

理事長「何か分かるかもしれないわ」

穂乃果「そうですね…ありがとうございました」

50: 2020/06/27(土) 23:35:02.30 ID:qBRXjiCt
穂乃果「(他の部活から編入……UTXから転校……)」

穂乃果「うーん…」

穂乃果「・・・」

穂乃果「うぅ…!ダメだ、私じゃ何もわかんないよぉ…」

穂乃果「…っと、ついた…。はは、にこちゃんの字のまんまだ」

コンコン、ガチャ

穂乃果「失礼しまーす…」

穂乃果「誰かいますかー…?」

トントン…

穂乃果「え?」クルッ

「…高坂穂乃果さんですね?」

穂乃果「はっ…」

ドスッッッ!!

穂乃果「ゴフッ……!!」

穂乃果「あぅっ…うぇ…」バタンッ

穂乃果「」

「…………ご同行願います」

51: 2020/06/27(土) 23:36:15.44 ID:qBRXjiCt
穂乃果「んっ…」

穂乃果「んぅ…?…ッ痛!」ズキッ

穂乃果「…ここは」

「目、覚めた?」

穂乃果「…!」ビクッ

「驚かないでよ、私はあなたと話がしたいだけなんだよ?」

穂乃果「…あなた、誰?」

「私?私…“あいどる”」

穂乃果「アイドル…?アイドルって…スクール?」

「違うよ、あ、そっかぁ…うん」

穂乃果「なんなの…?」

「前はね、“るどいあ”って名乗ってたの」

穂乃果「!!」

52: 2020/06/27(土) 23:37:46.65 ID:qBRXjiCt
「あなたとずっとずっと話が…」

穂乃果「そんなのどうだっていいよっ!!!」

「・・・・・」

穂乃果「教えて…」

穂乃果「ヒデコを〇したのはあなた?」

「うん」

穂乃果「…っ!」ギリッ

穂乃果「なんでっ…!」ギシッ

穂乃果「ッ…何これっ…!外してよ!」

「私はイスに手を縛りつけろなんて命令してない」

穂乃果「…?」

「私は悪くない」

穂乃果「……なら外してよ」

「時が来たらね」

穂乃果「…なんなの」

53: 2020/06/27(土) 23:39:36.17 ID:qBRXjiCt
「覚えてるかなぁ…あの日の穂乃果ちゃん達の練習」

「すごくはりきっててね……」

穂乃果「……あなた誰なの?」

「………」

穂乃果「……そのお面、取って喋ろうよ」

「このひょっとこのお面…すごく気に入ってる」

「人を笑顔に出来るの」

穂乃果「……名前は?」

「“あいどる”」

穂乃果「そうじゃなくて…本名、あるでしょ?」

「誰でもいいと思う」

穂乃果「え…?」

「分かったら私ともう遊んでくれない、歌ってくれない」

穂乃果「……」

54: 2020/06/27(土) 23:41:18.59 ID:qBRXjiCt
「さて……」

穂乃果「…?」

「そろそろ拘束を解こうと思う」

穂乃果「………」

穂乃果「解いてくれるのは嬉しいけど…」

「けど?」

穂乃果「手足が自由になったら…多分、私…絶対手とか出ちゃうよ……」

穂乃果「そんな事をしても何も変わらない事は分かってるのに……!」

穂乃果「あなたを許せない…!!」

「………うん」

穂乃果「………」

「そっか」

「でもね」

穂乃果「……?」

「秋穂の親を殴れる?」

穂乃果「……え?」

「私はあなたの妹なんだよ」

「ねぇ、秋穂は元気?」

55: 2020/06/27(土) 23:44:26.33 ID:qBRXjiCt
穂乃果「(えっ……ちょっと……待って……)」

穂乃果「(秋穂の親…?私の妹…?)」

穂乃果「(音ノ木坂の卒業生…?)」

穂乃果「(なら……)」

「…………」

穂乃果「(なら……“あいどる”の正体は……)」

「さて、解き終わったよ」

穂乃果「・・・」

「殴らないの?」

穂乃果「……秋穂はどこ?」

「とっくにお家に帰ってるよ」

穂乃果「なんで私の家を知ってるの?」

「知ってて当然だよ」

穂乃果「…………」

フラッ…

穂乃果「かえる……」

「………………」

「近々ライブをしようと思う」

穂乃果「……ライブ?」

「あの一時代を築いた最高で最低の伝説のアイドル、μ'sに……イヤ、μ'sだけに出演してほしい」

「日にちはそうだね……8月3日なんてどう?」

穂乃果「・・・」

「安心して、プレゼントはちゃんと持っていくよ、きっと喜んでくれる」

「穂乃果ちゃん、早く他の8人を集めないとね」

穂乃果「………」スタスタ

「…………」

「一緒に東京を盛り上げようね」

「ホノカちゃん」

56: 2020/06/27(土) 23:46:40.17 ID:qBRXjiCt
~公園~

穂乃果「…………」

海未「…穂乃果」

海未「…こんな所でなにを」

穂乃果「…………」

海未「もうあたりも暗いですし…」

穂乃果「…………」

海未「……?」

海未「隣、失礼しますね…」

穂乃果「…………」

海未「…………」

穂乃果「“るどいあ”に会った…」

海未「!?」

穂乃果「意味はわからないけど今は“あいどる”って名乗ってるんだって…」

海未「……顔は見たんですか?」

穂乃果「なんか、ひょっとこのお面つけてて…」

海未「そうですか…」

57: 2020/06/27(土) 23:47:55.56 ID:qBRXjiCt
穂乃果「でも、もういいや…」

海未「…なぜですか?」

穂乃果「私“あいどる”の正体わかっちゃったもん……」

海未「え?」

穂乃果「………」

海未「誰…ですか?」

穂乃果「…………」

海未「穂乃果?」

穂乃果「…………」

海未「穂乃果…!」

穂乃果「……グスッ、多分……」

穂乃果「雪穂…かなぁって…」

海未「雪…穂…?」

58: 2020/06/27(土) 23:50:47.14 ID:qBRXjiCt
穂乃果「うん…」

海未「そんな…何かの間違いですっ!」

穂乃果「間違いじゃないよ!秋穂の親って言ってたし、それに…」

海未「……それに?」

穂乃果「……私の妹だって言ってた」

海未「……そんなの証拠がありません、きっと混乱させようとしているんですよ」

穂乃果「私の実家だって知ってた…」

海未「家なんて…調べれば簡単に分かります」

穂乃果「でも、でも…!」

海未「穂乃果…落ち着いてください」

海未「ヤケになって無理に結びつけようとしているだけです…だから…落ち着いてください……ね?」

穂乃果「……わかった」

59: 2020/06/27(土) 23:54:05.79 ID:qBRXjiCt
海未「穂乃果は…雪穂であってほしいんですか?」

穂乃果「そんなわけない、そんなわけないよ…!!」

海未「ですよね、違いますよ…きっと」

穂乃果「海未ちゃん……」

穂乃果「うん、だよね…」

海未「ええ、きっと違います」ニコッ

穂乃果「……ありがと、なんか元気出てきたよ」

海未「なら良かったです」

海未「あの、穂乃果……」

穂乃果「うん?」

海未「全部、一人で背負い込もうとしないでくださいね?悩んだり困ったりしたらいつでも私を…私達を頼ってください」

穂乃果「……うん、ありがとね!海未ちゃん」

60: 2020/06/27(土) 23:57:19.55 ID:qBRXjiCt
スタスタ

穂乃果「……私、ヒデコの事もあって焦ってたのかもしれない」

海未「……えぇ」

海未「…焦らない方がいいです」

海未「昔から穂乃果が焦っていて、それでいい方に転んだ覚えがないので」

穂乃果「たはは…たしかにね」

海未「ひたむきな性格が故に、いつも何かを始めるとき視野が狭くなります…」

穂乃果「そう…かな」

海未「そうですよ!」

穂乃果「えへへ、ごめんごめん」

穂乃果「あっ、じゃあ私こっちだから!」

穂乃果「バイバイ、海未ちゃん」

海未「ええ、また…」

61: 2020/06/27(土) 23:58:56.22 ID:qBRXjiCt
ウーウー

海未「………」

海未「(“あいどる”は穂乃果に妹と言った……)」

海未「(肝心の雪穂は消息不明…)」

海未「……ダメですね……穂乃果の手前ああは言ったものの、どう考えても“あいどる”の正体は雪穂という事になってしまいます……」

海未「……穂乃果も馬鹿じゃありません、考えているとまた気持ちは沈んでいくでしょうし」

海未「何とかして雪穂の潔白を…」

62: 2020/06/28(日) 00:01:32.41 ID:/aA6JPT8
ウーウー

海未「なんだか、やけに騒がしいですね……」

海未「火事でもあったんでしょうか…」

「火事よ火事!三丁目の和菓子屋さん!!」

海未「…和菓子屋さん?」

「穂むらだ!!」

「高坂さんのお家よ!!」

海未「そ、それ本当ですか!?」ガッ

「えっ!?え、えぇ……今も消火中だって!」

海未「そんな……」

海未「穂乃果!!!」ダッ

63: 2020/06/28(日) 00:03:11.07 ID:/aA6JPT8
海未「ハァハァ…!」

「離れてください!」「危ないから下がって!」

海未「穂乃果…!」

「おいおい、店主が中にまだ残ってるらしいぞ」

海未「……え?」

海未「中にまだいるんですか!?」

「えっ…う、うんさっき消防隊の人が言ってたよ…」

海未「そんな……」

海未「穂乃果…!」 ダッ

消防隊員「あっ、おいコラ!何してるんだ行くなッッ!!」

64: 2020/06/28(日) 00:04:53.64 ID:/aA6JPT8
海未「ゲホッ!!ゲッホ!!!」

海未「熱さと煙で息が……」

海未「穂乃果…どこにいるんですか…?」

海未「ゲホッゲホッ…」

穂乃果「はっ…はっ…」

海未「…!穂乃果……!」

穂乃果「……!海未ちゃん……!」

海未「良かった無事で……おばさんはどこですか?」

穂乃果「秋穂と一緒に先に逃がしたよ」

海未「そうですか、良かった……ほら、あなたも」

海未「穂むらがもう崩れます!」

海未「さっ、早く!」

穂乃果「ま、待って海未ちゃん!正面はダメだよ、裏口の方から出よう!」

海未「……?は、はい……」

65: 2020/06/28(日) 00:07:24.72 ID:/aA6JPT8
穂乃果「はっ…はっ…ここまで来ればとりあえずいいかな……」

海未「ハァハァ……こんなところにまで逃げる必要……ハァハァ……ないじゃないですか……」

穂乃果「海未ちゃん!私のお願い聞いてくれるかな…?」

海未「え、あっ…はい…」

穂乃果「ありがとう」

穂乃果「まず海未ちゃんにはμ'sのみんなとコンタクトを取ってほしいの」

海未「は、はい…」

穂乃果「それでみんなとコンタクトが取れたら…」

「おい!いたぞ、あそこだ!」

海未「えっ?」

穂乃果「ご、ごめん、海未ちゃん…行かないと」

海未「え、え?」

穂乃果「海未ちゃん……任せたから!!!」

「待て!逃すな!」

穂乃果「……ッ!」ダダッ

66: 2020/06/28(日) 00:08:48.09 ID:/aA6JPT8
海未「警察…?」

海未「なぜ穂乃果が警察に…」

海未「……いえ、今は穂乃果に頼まれたことをやるだけですね……」

海未「コンタクト……ですか……取れますかね……」

海未「ことりやにこならともかく…絵里は…」

海未「所在地はおろか連絡先もわからない状態でどうやって…それに…」

海未「……っ」

海未「……悩んでも仕方ありませんね。とりあえず把握してる方からあたりましょうか」

67: 2020/06/28(日) 00:12:12.64 ID:/aA6JPT8
-翌日-

ピンポーン

海未「……留守でしょうか」

ガチャリ

こころ「はーい、あ、海未さん!お久しぶりです!」

海未「お久しぶりですこころちゃん、にこはいますか?」

こころ「ごめんなさい…今、お姉様はお仕事中で…」

海未「そうでしたか……ごめんなさい、急に来てしまい」

こころ「いえいえ!あの、良かったら中で待ちませんか?」

海未「いえ、また今度お邪魔させてもらいますね」

こころ「そうですか…。お姉様に海未さんが来たこと、お伝えしときますね!」

海未「ありがとうございます、ではまた…」

こころ「はい♪」

68: 2020/06/28(日) 00:15:58.89 ID:/aA6JPT8
スタスタ…

海未「噂によるとここで…」

「何か悩み事ですかな?」

海未「えっ?」

「うーん、苦悩や不安が心に入り混じっているなぁ…」

海未「は、はぁ…」

「ふふっ……」

海未「ん…?もしかしてこの声…」

希(25)「よかった~!気づいてくれて!久しぶりやからウチの事忘れてるかと思った」

海未「希…。元気そうで何よりです」

希「うん。海未ちゃんは元気って感じじゃないね?」

海未「……はい」

希「……ま、中に入りよ」

71: 2020/06/28(日) 01:21:21.62 ID:/aA6JPT8
海未「聞きましたよ、かなり人気があるみたいですね、希の占い」

海未「占いで生計を立てるなんて正直不可能と思っていました…」

希「今の子達はスピリチュアルを待ち望んでるからね」

海未「なるほど…って答えになっていませんよ…いや、そうじゃなくて…」

海未「今日は希に…」

希「大事な話があって来た、それは穂乃果ちゃんの周りで起きてる出来事の話やろ…?」

海未「…はい…よく分かりましたね…」

希「スピリチュアルパワー全開やからね、海未ちゃんが来ることも分かってたよ」

海未「なら話は早いです、相談も兼ねて希に聞きたい事が」

72: 2020/06/28(日) 01:26:34.19 ID:/aA6JPT8
希「“あいどる”……本当にいたんやな」

海未「知っていたんですか?」

希「噂程度やけどね」

海未「…希」

海未「絵里の居場所を教えてください」

海未「μ'sでハッキリした行方がわからないのは絵里だけです」

希「……海未ちゃん、それは無理なんよ……」

海未「…!」

海未「何故ですかッ!」

希「海未ちゃんも絵里ちに何があったのか知ってるやろ?」

海未「……ッ」

海未「知っています……知っていますが……私は、穂乃果のことも……」

希「親友として絵里ちをこの件に巻き込ませるわけにはいかないよ」

海未「別に巻き込むつもりは…それに絵里に何かお願いをしたいわけではないんです、ただ話を…」

希「今朝、警察の人がここに来てね……こんなものを置いていったんよ」パラッ

海未「ッ!これは…」

73: 2020/06/28(日) 01:31:24.77 ID:/aA6JPT8
海未「指名手配って…そんな…」

海未「自宅放火に加えて実母〇害未遂……なんですかこれは……」

海未「穂乃果がこんな事するわけないじゃないですか!デタラメですよ!」

希「当然、穂乃果ちゃんがやったなんてウチは思ってない……」

希「でもな海未ちゃん、ウチらが思ってる以上に世の中っていうものは流されやすい」

希「ウチらが無実と思ってるだけではどうしようもないんよ」

希「……こうやって穂乃果ちゃんみたいに“あいどる”に関わったせいで平穏な日常が、日々が……崩れていくこともある……」

海未「………」

希「海未ちゃんと穂乃果ちゃんには本当に申し訳ないと思ってる」

海未「……なぜ穂乃果にこんな無実の罪が……?」

希「大方“あいどる”の息がかかった警察の仕業やろうね」

海未「………」

海未「わかりました、色々ありがとうございます」

海未「希、申し訳ありませんでした…」

希「……うん」

海未「…また会いましょう」クルッ

希「…………」

海未「…………」スタスタ

バタンッ

希「……はぁ」

希「絵里ち、ごめんね……でもウチは……」

希「海未ちゃん……絵里ちは無理でも、ウチで良かったら、いつでも協力するから……」

74: 2020/06/28(日) 01:39:19.58 ID:/aA6JPT8
海未「…………」

海未「(希がダメとなると、もう絵里と連絡を取ることは不可能に……)」

海未「(それに希の言う通り、こんな状況に絵里を呼ぶべきなんでしょうか…)」

海未「(最悪、絵里との接触は諦めて8人で…)」スタスタ

「…………」ジー

海未「……はぁ、どうすれば……」

「え!?スルー!?ちょ……!ちょっとちょっと!」

海未「え……?あっ」

「いくら久しぶりだからって、私のオーラに気づかないってどうなってんのよ!」

海未「すいません……久しぶりですね、にこ」

にこ(25)「ふんっ!んもぅ!」

75: 2020/06/28(日) 01:43:31.18 ID:/aA6JPT8
海未「にこ、プロのアイドル事務所からスカウトされたみたいですね」

にこ「へへん、まぁねぇ~!」

にこ「まぁ~♪にこの魅力なら当然だしぃ~♪むしろ10代のうちに気付けなかったプロスカウトに問題がある気がするわね!」

海未「それで、どこの事務所に所属するんですか?」

にこ「……フッ」

にこ「結局断ったわ」

海未「え、なぜ?」

にこ「プロのアイドルになったら思うように時間が取れなくなるし……そしたら、あの子達の面倒を見れなくなっちゃうじゃない……」

海未「……ですが」

にこ「あぁ~!もうその話はいいの!というか、話って何?こころに海未が大事な用があるって言ってたって聞いたから待ってたんだけど?」

海未「あっ…えっと、とりあえずマンションの前で話すような事じゃないですし……公園でも行きましょう」

にこ「はいはい」

にこ「………というか………μ's以外で………あんた達以外と活動するとかありえないし………」ボソッ

海未「え?」

にこ「あぁー!もういいから早く行く!」

海未「??は、はい…」

76: 2020/06/28(日) 01:48:03.78 ID:/aA6JPT8




にこ「ふーん、それで私のところに来たってわけね」

海未「はい…ですが希に止められてしまって…」

にこ「なに、それで納得したの?」

海未「えぇ…希の言う通り絵里をこんな状況で呼ぶのは…やはり良くないかと思い…」

にこ「…私は絵里なら喜んで協力してくれると思うけど」

海未「えっ?」

にこ「希だって今、絵里がどこで何してるかなんて知らないはずでしょ?なのに連れ戻す事には否定的って……それはただの希のエゴじゃないの?」

海未「……ですが」

にこ「希の言う事だって一理あるわよ…でも、結局やるかやらないか決めるのは希じゃなくて当人の絵里なんだから」

海未「…………」

にこ「………希だってあんた達が嫌いでそう言ってるんじゃない。希なりの優しさなんでしょうけど」

海未「はい…」

87: 2020/06/28(日) 18:32:53.12 ID:MvGxZyme
にこ「…私も妹がいるから、絵里の気持ちはわかってるつもり」

にこ「でも、いつまでも落ち込んでなんていられないし…何より、絵里はずっと落ち込むような性格じゃない」

にこ「何かしら行動してるはずよ」

にこ「それに…もし、まだウジウジしていたとしても…」

海未「……しても?」

にこ「あの子なら、あんた達がピンチだって聞いたら絶対に駆けつけてくれる」

にこ「μ'sに入る前からコーチしてくれたり、なんだかんだお節介なのよ、絵里も」

海未「………」

にこ「…不幸はあったけど、絶対にμ'sへの愛は無くなってないはずよ」

にこ「私が保証するわっ!」

海未「にこ…ありがとうございます」ペコリ

にこ「ま、にこの願望も入ってるかもだけどね」

88: 2020/06/28(日) 18:34:52.08 ID:MvGxZyme
にこ「っていうか海未」

海未「はい?」

にこ「絵里の所在地や連絡先がわかったところで、あんた、どうやって穂乃果に伝えるの?」

にこ「穂乃果も行方……わからないんでしょ?」

海未「あっ…」

にこ「はぁ…あんた、そんな抜けたキャラだった?」

海未「すいません…最近、色んな事が起こりすぎて……整理が……」

にこ「まっ、いいわ…」

にこ「もし何か困った事があったら私のとこに来なさいよ、相談ぐらいなら乗ってあげるから」

海未「…はい、ありがとうございます」

にこ「んじゃ、私は帰るわね」

海未「…にこ」

にこ「なに?」

海未「にこは…」

海未「にこは…絵里が帰ってきてくれると思いますか?」

にこ「………」

にこ「言ったでしょ、それはあの子が決めること」

海未「……そう……ですよね」

にこ「……じゃあね」

89: 2020/06/28(日) 18:35:47.81 ID:MvGxZyme
海未「………」トボトボ

「海未ちゃん」

海未「…?」クルッ

「やっ」

海未「…誰、ですか…?あっ…」




穂乃果『なんか、ひょっとこのお面つけてて…』




海未「(ひょっとこのお面……それにこの佇まい……雰囲気……)」

海未「もしかして……あなたが」

海未「……“あいどる”?」

「うんっ!情報収集、頑張っているかね?」

90: 2020/06/28(日) 18:38:03.08 ID:MvGxZyme
海未「私に…何か用ですか…?」

「海未ちゃんもライブに招待しようと思ってね」

海未「ライブ…?」

「うん、ライブ。8月3日に音ノ木坂学院の屋上でやろうと思ってるんだ」

海未「(8月3日……)あなたがなにか歌うつもりですか?」

「……穂乃果ちゃんも来る」

海未「!」

「きっと来る、来てくれる」

海未「穂乃果が今どこにいるか知っているんですか…?」

「……さぁ、何処にいるんだろうね」

海未「……あなたの目的は何ですか?」

「………つまらないよねぇ、この町………」

海未「え?」

91: 2020/06/28(日) 18:39:55.37 ID:MvGxZyme
「一昔前、スクールアイドルの大ブームが巻き起こって、町中が盛り上がった……」

「……スクールアイドル界の伝説、μ'sの活躍によってスクールアイドルは一躍人気コンテンツとなったよね」

海未「…質問の答えになっていないんですが」

「でも、数が増えただけ、クオリティの低下は否めないもの」

「アイドルは増え過ぎた」

海未「さっきから何を…!」プスッ

海未「えっ…?」クラッ

海未「(後ろから……)」

「安心して。少しの間、眠っちゃうだけの麻酔だから」

海未「あ……あなた……は……だ………れ………な………」バタッ

「………ライブ絶対に来てね、ウミちゃん」

92: 2020/06/28(日) 18:42:09.16 ID:MvGxZyme
チャン……ミチャン……ウミチャン!!

海未「んっ…」

ことり「海未ちゃんっ!よかった…目覚ました…」

海未「ことり……私は……」ムクッ

ことり「ビックリしたんだよっ?道端に誰か倒れてると思ったら、それが海未ちゃんなんだもん」

海未「(そうでした……私は“あいどる”と話してて……それで……)」

海未「それで………ッ!」ズキッ

ことり「海未ちゃんっ!?大丈夫?」

海未「え、えぇ……平気ですよ」

海未「(麻酔銃か何かですかね……どうりで)」

ことり「本当に大丈夫なの?一応病院に行った方が…」

海未「いえ、本当に大丈夫ですよ……最近、あまり寝れてなかったからか、少し目眩がしただけです」

ことり「そ、そう…?ちゃんと寝ないとダメだよ?」

海未「……そうですね」

93: 2020/06/28(日) 18:44:06.85 ID:MvGxZyme
海未「それよりもことり、日本に帰っていたんですね」

ことり「うん、ちょっと前にね」

海未「それで、今回は何用で?」

ことり「それがね!これからはこっちでお仕事する事になったんだ!」

海未「え…日本で…ですか?」

ことり「え?そ、そうだよ…だ、ダメ…かなぁ?」

海未「い…いえ!そんな事はありませんよ!ことりと会う機会が多くなるのは……嬉しいです」

ことり「えへへ…私も♪」

海未「(……ことり……このタイミングで日本に戻ってくるのは……)」

94: 2020/06/28(日) 18:48:10.29 ID:MvGxZyme
-8月3日-

海未「……行ってきます」

ガララ…バタン

~音ノ木坂学院~

海未「……ふぅ」

ガチャリ

海未「」キョロキョロ

海未「あっ…穂乃果!」

穂乃果「……ッ!」

穂乃果「…海未ちゃん」

穂乃果「良かった、無事で…」

海未「……来たんですね」

穂乃果「そりゃあね…私は戦うって決めたから…」

海未「…そうですよね」

穂乃果「それより、なんで海未ちゃんがここに?」

海未「はい……私も……“あいどる”に会ったんです」

穂乃果「“あいどる”に!?……そっか」

95: 2020/06/28(日) 18:50:12.38 ID:MvGxZyme
海未「穂乃果、それは…」

穂乃果「リボンのこと?へへへ…うん、子供っぽく見えるから外してたんだけどね…変装のつもりで」

パチパチパチパチ

穂乃果&海未「!」

「いやいや、似合ってるよ穂乃果ちゃん」

穂乃果「……」

海未「“あいどる”…」

「二人とも、今日は本当に来てくれてありがとう」

96: 2020/06/28(日) 18:51:38.56 ID:MvGxZyme
穂乃果&海未「…………」

「…………」

「穂乃果ちゃん」

穂乃果「……?」

「海未ちゃん」

海未「……?」

「そして……私」

「三人だけのライブだ」

海未「あなた、何を言って…」

「この広い屋上で三人だけのライブは辛いよね」

「ねぇ穂乃果ちゃん」

穂乃果「………」

「………ねぇ穂乃果ちゃん」

穂乃果「……用があるなら早く言ってよ」

「怒らないでよ穂乃果ちゃん………そのリボン、懐かしいね、似合ってるよ……すごく可愛い」

穂乃果&海未「…………」

「……やっぱり三人だけじゃ盛り上がらないね」

「どんなに頑張ったって、所詮は三人」

「誰も振り向いてくれないんだよね…」

海未「………」

97: 2020/06/28(日) 18:54:50.19 ID:MvGxZyme
「おわり」

海未「……?」

「今日のライブはここまで」

穂乃果「え?」

「ふふっ…でも安心して」

「もう次の予定は決まってるから」

「次は……2019年の12月31日だよ、東京の人たちを巻き込んで、盛大にラブライブ9周年を盛り上げよう」

「同時にμ'sの復活コンサートもやるから絶対にメンバーを集めるんだよ」

穂乃果「……何をする気なの?」

「東京の街を再びアイドルの熱気に包み込むのさ」

海未「…具体性にかけますね」

「海未ちゃんも疎くなったなぁ」

海未「……」

「いずれ分かるよ……じゃあね、二人とも……また会おう」スタスタ

ガチャリ、バタンッ

98: 2020/06/28(日) 18:57:11.40 ID:MvGxZyme
・・・・・

海未「いったい、なんだったのでしょうか…」

穂乃果「……」

海未「穂乃果?どうかしたんですか?」

穂乃果「ねぇ、海未ちゃん……」

海未「はい?」

穂乃果「海未ちゃんも以前“あいどる”に会ったんだよね?」

海未「え、あ…はい、それがどうかしましたか?」

穂乃果「なんだろう……何か今日の“あいどる”には少し違和感があったような」

穂乃果「前とは違う……何かが……」

99: 2020/06/28(日) 19:01:59.44 ID:MvGxZyme
~帰路~

海未「つまり穂乃果は“あいどる”は一人ではなく…複数人存在していると言いたいんですか?」

穂乃果「……どうかな、あくまでもなんとなく感じただけだから……私も断言は出来ない」

穂乃果「でも…あの違和感…その線もあるのかな」

海未「“あいどる”が複数人いるとなると……いよいよ正体と目的が分からなくなってきましたね……」

穂乃果「そうだねぇ…疲れるね…」

「あっ!穂乃果ちゃ~ん!海未ちゃ~ん!」

穂乃果「んっ…あっ!ことりちゃん!」

ことり「えへへ♪久しぶりだね、穂乃果ちゃん♪」

100: 2020/06/28(日) 19:04:45.03 ID:MvGxZyme
穂乃果「ことりちゃん、日本に帰って来てたんだね!」

ことり「うん!しばらくはこっちでお仕事することになったの♪」

穂乃果「へぇ~!お母さんとも定期的に会えるし、よかったねっ!」

ことり「うん!って穂乃果ちゃん、それ!」

穂乃果「ん?」

ことり「そのリボン!またつけ始めたんだぁ~♪懐かしいね~、やっぱり似合ってるし、すごく可愛い!」

穂乃果「…っ!」

海未「えっ…」

ことり「え?」

101: 2020/06/28(日) 19:08:29.63 ID:MvGxZyme
ことり「あっ…えっ…わ、私…何かイケナイ事、言っちゃったかな…?」

穂乃果「……」

穂乃果「……ハッ!」

穂乃果「う、うーうん!そんな事ない!………ありがとね、ことりちゃん♪」

ことり「そっか、よかったぁ…」

ことり「じゃあ私、ちょっとお母さんに用があるからこの辺で♪」

ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん、またね!」

穂乃果「うん、またね!」フリフリ

タッタッタッタ …

海未「……あっ、そういえば……」




『同時にμ'sの復活コンサートもやるから絶対にメンバーを集めるんだよ』




海未「あの!ことr…」

穂乃果「海未ちゃんッ!」

海未「えっ!?……は、はい?」

穂乃果「いいよ、言わなくて…」

海未「え…?」

海未「な、何故ですか?」

102: 2020/06/28(日) 19:13:21.88 ID:MvGxZyme
穂乃果「何故?」

穂乃果「……私は、もう誰も犠牲になってほしくない」

海未「……」

穂乃果「ヒデコが死んだ時……私、すごく悲しくて……寂しくて……冷静でいられなかった」

穂乃果「でも、ヒデコの手紙を読んで思ったの……私が守らなきゃ……って」

海未「……いったい、何を守るって言うんですか?」

海未「ごく普通の市民である私たちが守れるものなんて……」

穂乃果「確かにそうかもしれない、世界を救うなんて……現実的じゃない」

穂乃果「でも、一人だとしても、せめてみんなは……μ'sのみんなだけは……失いたくない……絶対に守りたい」

海未「一人で世界を救うなんて…無理です、そんなの」

穂乃果「……かもね!」

穂乃果「でも、やれるとこまでやるよ」

穂乃果「だから、海未ちゃんも…もう私の事はほっといてくれていいよ」

103: 2020/06/28(日) 19:17:54.56 ID:MvGxZyme
穂乃果「……」 スタスタ

グイッ!

穂乃果「…!」

海未「一人でやるなんて、自分一人で世界を救うだなんて…!」

海未「思い上がりすぎです…!」

穂乃果「……っ」

海未「これは穂乃果だけの問題じゃなく、μ'sの問題のはずです」

海未「なら、一人ではなく九人で解決するべきなんじゃないんですか!?」

穂乃果「……でも、私は……μ'sのリーダーとして」

海未「あの時…栄冠を勝ち取ったのは、あの九人だったからです!一人では成し遂げられなかったはずです!」

海未「あなたがそれを一番わかっているはずなのに!……なのに、なんで……」

穂乃果「………」

104: 2020/06/28(日) 19:24:28.07 ID:MvGxZyme
海未「メンバーにコンタクトを取れと言ったと思ったら、今度は巻き込みたくない?意味がわかりません」

海未「もう、ついていけません…」

穂乃果「………」

海未「……グスッ」ゴシゴシ

海未「…私は集めます」

穂乃果「え?」

海未「メンバー全員…」

海未「私があなたを止める権利がないのなら、あなたが私達を止める権利もないはずです…!」

穂乃果「海未ちゃん…」

海未「…穂乃果に守られる筋合いなんて、こっちにはありません!」

海未「廃校だって一人で阻止できなかったのに、世界を救うなんて大それたこと、無理に決まっていますから…」

穂乃果「……わかったよ……でも無理だと思う、みんな……こんな厄介ごとなんて……」

海未「……待っててください」クルッ

穂乃果「………」クルッ

穂乃果「………またね」

105: 2020/06/28(日) 19:27:31.29 ID:MvGxZyme
穂乃果「……ごめん、海未ちゃん」

穂乃果「でもやっぱり、これは私の問題、みんなに迷惑はかけられないから……」

穂乃果「…とは言っても、何をしたらいいかなぁ…」

老婆「穂乃果」

穂乃果「あ、常連さん、お久しぶりです!」

穂乃果「この間は住処紹介してくれてありがとうございました」

老婆「ただの地下だよ、感謝なんていらないわい」

老婆「それより、これを見てみんさい」

穂乃果「え?どれどれ…」

穂乃果「……ッ!“あいどる”、政治に参入か……って」

穂乃果「これは……なんだかイヤな予感が……」

106: 2020/06/28(日) 19:32:36.72 ID:MvGxZyme
-6ヶ月後- ~ロシア~

コツ…コツ…コツ

ガチャ

オペレーター「ん?……あらあら、この案件にあなたは関係がないはずだけど?」

「潜入捜査に加えて組織撲滅までがミッションだなんてあの子には荷が重すぎるでしょ」

オペレーター「ふーん、それで代わりに出陣なんて、お優しいのねぇ」

「……そんなんじゃないわよ……私はただ、あの手の輩が許せないだけ」

オペレーター「うーん…でも、あなたが担当なら色つけないとね…全く…」

「だから、お金なんていらないって言ってるでしょ…いつも…」

オペレーター「とは言っても、一応『お仕事』なんだからね♪」

「……好きにしてちょうだい」

オペレーター「じゃあ後でマップは送っとくから、よろしくお願いね」

女「…エリーチカ」

絵里(25)「…っ、その名前で呼ばないで」

107: 2020/06/28(日) 19:35:28.31 ID:MvGxZyme
オペレーター「あれぇ…そんな装備でいいのぉ?」

絵里「いつも言ってるでしょ、私は武器なんていらないの」

オペレーター「心で語りかけるってやつ?」

オペレーター「く~!か~っこい~!」

絵里「…茶化さないで」

オペレーター「んもぅ、軽いジョークなのにぃ」

オペレーター「ロシアンジョーク?ってやつよ!」

絵里「ハラショー、とっても笑えるわロシアンジョーク」

オペレーター「でしょでしょー!いやーエリーチカに褒めてもらうとうれs」

絵里「それじゃあ行くから、早くマップ送っときなさい」

バタンッ

オペレーター「……OH」

108: 2020/06/28(日) 19:39:38.89 ID:MvGxZyme
ピピッ

絵里「ん」

絵里「…何よ、すぐそこじゃない」

絵里「こんなのマップじゃなく、口頭で伝えなさいよね」

絵里「…まったく」

「お姉さん!ねぇ、そこのブロンド美女!」

絵里「………」スタスタ

「ちっ…無視すんなよ!」グイッ

絵里「…っ、気安く触らないで!」グリッ

「あいだあぁぁぁ!!!!!」

絵里「…あら、あなた見た事あるわね」

「は、はぁ!?」

絵里「あ、あぁ…あなた、今から尋ねるEN-JINマフィアさんの使いっ走りじゃない」

絵里「お使い中にナンパなんてしてちゃ…ダメでしょ、坊や?」

「うっせぇ……どうせ俺なんて組織の末端、所詮は使い捨てなんだよ……忠誠心なんざハナからねぇ」

絵里「へぇ…」

絵里「ねぇ…あなたにお願いがあるんだけど」

「は?」

109: 2020/06/28(日) 19:43:43.73 ID:MvGxZyme
キィィ…

男1「あん?」

「今、帰りましたー…遅くなってすみません」

男2「おいおい下っ端くんよw お使いにどれだけ時間かけてんだよ」

「す、すみません」

男1「ったくよぉ~……ん?」

男1「お前なんか影が濃くn…」

ドスッ

男1「」ドサッ

男2「!?ど、とうした……って」

男2「誰だテメェは!!」

絵里「……あっ、私?」

男2「テメェしかいねぇだろ!」

絵里「賢い可愛いエリーチカ…頭を文字ってKKEでいいわ」

絵里「なんてね」

男3「なに呼ばせようとしてんだボケ!」

絵里「呼んでくれた方が虫唾が走って、仕事が早く終わるのよ」

男3「知らねぇよ!!」

110: 2020/06/28(日) 19:48:14.00 ID:MvGxZyme
ボス「まぁまぁ、待てや」

男3「ボス……いやしかし」

ボス「いやはや、こんな綺麗なお嬢ちゃんがわざわざ会いに来てくれてるとは」

絵里「」ジッ

男3「なにガン飛ばしてんだコラァッッ!!」

ボス「まぁ落ち着けや」

ボス「なぁ嬢ちゃん、ここに来た理由は一つだよなぁ」

絵里「………」

ボス「女一人でここに乗り込むなんて馬鹿な事するほど、こいつが欲しかったんだろ?」スッ

ボス「もうクスリキメたくてキメたくてたまらねぇんだろ?」

絵里「……えぇ、ありがとう、頂くわ、おいくらかしら?」

ボス「ふふ…金なんていらねぇよ、その代わり…これからは毎日俺と楽しい事をするだけの人生になるだけよ」

絵里「あら嬉しい、じゃあこのお薬、証拠として頂いてくわね」

ボス「あ?」

ドスッ

ボス「」バタッ

男2&男3「テメェ……!!!!」

絵里「すぐ発情するけど…あなた達、もしかしてお猿さん?」

男2&男3「犯してグズグズにして泣かせて、後悔しながら死なせてやるッッ!!」

絵里「…口だけは達者ね」

111: 2020/06/28(日) 19:51:01.37 ID:MvGxZyme
男2&男3「」

「す、すげぇ…」

絵里「さてと……」ジロッ

「い、いや…や、やめて…勘弁してくれ」

「俺はただ、母ちゃんに美味いモン食わしてやりたくて……その、食いっぱぐれないから……この仕事やってるだけなんだよ……!」

絵里「…もういいから、さっさと行きなさい」

「…え、い、いいのか」

絵里「……あなた、どうせ15にもなってない世間知らずちゃんでしょ?」

「んだとッッッ!!」

絵里「大人はあんな人混みで人をナンパなんてしたりしないの」

絵里「大抵ナンパする奴なんて、自分を大きく見せたいだけの見栄っ張りなんだから」

「……チッ!」

絵里「……だから、早く行きなさいよ……私は……その……年下は……興味ないから」

「……ケッ!」ダダダダ

絵里「………はぁ」

絵里「ダメね……もう」

112: 2020/06/28(日) 19:58:40.13 ID:MvGxZyme
プルルルルルルル…ガチャリ

オペレーター「もしもし~?」

絵里「私よ、終わったわ」

オペレーター「お疲れ様、さすがに早いね~、報酬もあるし、とりあえず一旦戻ってきてくれない?」

絵里「だから、報酬なんていらないってば」

絵里「報告はしたし、もう切るわよ」

オペレーター「え!?あ、ああぁ!!ちょ、ちょっと待ちなさい!」

絵里「…っっ、うるさいわね…何よ」

オペレーター「あなた宛に電話が来たのよ、発信源はえーと……ヤポーニャ、日本ね」

絵里「(日本……)……内容は?」

オペレーター「ん~、よくわかんなかったなぁ、なんかずっと同じ事言ってたけど」

絵里「………」

絵里「私は…日本にやり残した事なんてないし、イタズラ電話でしょ」

オペレーター「たしか、ミューズって言ってたかなぁ……」

絵里「」ピクッ

オペレーター「なになにっ!ジャパニーズソープ?」

絵里「……ねぇ、しばらく仕事入れないで」

オペレーター「今日も別に入れた覚えはないんだけどね」

絵里「…っ、いいから」

オペレーター「はいはい、なに、どっか行くの?バカンス?」

絵里「……そこ」

オペレーター「え?」

絵里「日本の…東京よ」

113: 2020/06/28(日) 20:02:33.07 ID:MvGxZyme
~日本~

絵里「……(もう二度と来ることはないと思ってたけど……)」

「おい、あっちで愛民党が選挙活動やってるってよ!行こうぜ!!」

「マジかよ!もしかして“あいどる”も来てたりすんのかなぁ」


絵里「……“あいどる”?」スタスタ


絵里「…………なに、これ…………」

「“あいどる”!“あいどる”!“あいどる”!“あいどる”!」

「うわああああああああああ!!!“あいどる”だああああああ!!!!」

あいどる「」スッ

ピタッ…シーン …

絵里「(……こんな大人数が一瞬で……飼いならしてるって言うの?なんなの……あいつは)」

“あいどる”「やぁ、みんな、今日は来てくれてありがとう」

“あいどる”「『今』を維持する愛民党に清き一票をお願いします、では」

絵里「…これだけ?」

“あいどる”「あっ、そうだ……絵里ちゃんも私に清き一票を」

絵里「………っ!?」

114: 2020/06/28(日) 20:04:36.83 ID:MvGxZyme
“あいどる”「やっと…絵里ちゃんも来たんだね」

絵里「……なに、誰?」

“あいどる”「実は今日会ったのは偶然じゃないんだ、必然さ」

絵里「………」

“あいどる”「絵里ちゃんを待ち伏せてたんだよ」

絵里「……!」

絵里「なんなの…」

“あいどる”「なんで下ばかり見てるの?こっちを向いてよ、寂しいじゃないか」

絵里「………あなたh」ガッ

絵里「え?」

「絵里だぁぁぁ……μ'sのぉぉぉ、“あいどる”の御交友だぁぁ……」

絵里「ちょっと、離しなさい!」ジタバタ

「絵里だぁぁぁ……」

絵里「……ッ!離しなさいってば!!」

グルンッ

「!?……ぐぇっ!?」 ドサッ

絵里「……!」キッ

“あいどる”「あははは」

絵里「…っ!」ダッ


“あいどる”「追って」

「おおおぉぅぅぅぅぅっっっ!!!」

115: 2020/06/28(日) 20:06:34.04 ID:MvGxZyme
ダダダダダダダッ

絵里「まさか、この歳になって数百人と鬼ごっこする事になるなんて……笑えない」

「ああああああああああうううううううう」

絵里「もうしつこいわね…」

絵里「(でも……逃げ切れる!)」

絵里「(あんた達みたいな狂信者より、私の方がこの辺の立地は詳しいんだから…!)」

ダダダダダダダダダッ

絵里「(あとは……ここを右に行けば!……って)」キュイッ

絵里「行き、止まり……?」

絵里「(嘘、前までここに壁なんて……)」

ガシャッ

絵里「(…?足元から…なにか)」チラッ

グイッ!

絵里「え!?」

ウワアアアアアアア………!!!

116: 2020/06/28(日) 20:08:23.83 ID:MvGxZyme
ドサッ!

絵里「いったぁい…」

絵里「誰よぉ…もうっ」

「ごめんごめん、絵里ちゃん…ピンチそうだったから」

「大丈夫?」

絵里「……この声……まさか」バッ

穂乃果「怪我ない?本当にごめんね!」

絵里「穂乃果…」

穂乃果「……久しぶりだね、絵里ちゃん」

絵里「えぇ…」

穂乃果「“あいどる”をマークしてたらさ、絵里ちゃんがいてビックリしたよ」

絵里「……さっきの」

穂乃果「ん?」

絵里「さっきのアレはなに?私が日本を離れている間にいったい何があったのよ」

穂乃果「…とりあえず私の家行かない?ちょっと歩くけど」

絵里「……えぇ」

117: 2020/06/28(日) 20:11:20.18 ID:MvGxZyme
コツ…コツ…

絵里「…ところで穂乃果」

穂乃果「どうしたの?」

絵里「さっきの質問以外にも聞きたい事は山ほどあるんだけど、とりあえず一ついいかしら」

穂乃果「うん」

絵里「家って、あなた…もしかしてこんな地下に住んでるの?穂むらはどうしたのよ?」

穂乃果「全焼…」

絵里「…意味がわからないのだけど」

絵里「なんでそうなったのよ…」

穂乃果「まぁ、色々あって……後でその件も含めて……全部話すから」

絵里「理解しきれるかしら……」

118: 2020/06/28(日) 20:14:36.70 ID:MvGxZyme
絵里「それにしたって、なんで地下なんかに…」

穂乃果「私いま指名手配されてて」

絵里「ダメ、全然頭に入っていきそうにないわ」

穂乃果「そんな時に常連さんが紹介してくれたんだ、ここならひとまずはって」

絵里「常連さんって……あのいつも風呂敷を持ってたおばあさん?」

穂乃果「そうだよ!」

絵里「ふぅん…(いったい何者なのかしら)」

絵里「…ちゃんと栄養は採れてるの?健康は?大丈夫?」

穂乃果「大丈夫だよ!それに、ここに住み始めてから、色々発見があって楽しいよ」

穂乃果「今まですごく贅沢に生きてきたんだなって…」

絵里「そう…ならよかった…」

穂乃果「さて、話してる間に着いたよ」

絵里「ここが……割とちゃんとした家じゃない」

穂乃果「でしょでしょ!!」

119: 2020/06/28(日) 20:18:16.82 ID:MvGxZyme
穂乃果「ただいま、帰ったよ」

穂乃果母「おかえりなさい!って、あら?もしかして…」

絵里「お久しぶりです、おばさん」

穂乃果母「まぁまぁ、絵里ちゃん!本当に久しぶりね~!」

穂乃果「また綺麗になって、昔と違ってワイルドな……すっかり大人の女性ね……」

絵里「えぇ…まぁ最近はオシャレとかはあまり考えてないんですけど…」

ヒョコ

絵里「…ん?」

秋穂「穂乃果おばちゃん、おかえりなさい~!」

穂乃果「秋穂~ただいまー」ダキッ

絵里「」ポカーン

穂乃果「ん、あぁ……雪穂の子だよ」

絵里「あ、あぁ……なるほどね」

秋穂「あれれ、おばちゃんはなにもの?」

絵里「私……私は、そうね……エリーチカって言うの」

秋穂「エリチカおばちゃん!」

絵里「お、おばちゃん……まだ25なんだけれど……」

穂乃果「た、たはは……まだ2歳だから」

120: 2020/06/28(日) 20:21:12.71 ID:MvGxZyme
ドサッ

穂乃果「じゃあ…んーと、どこから話そっか」

秋穂「なにをなにを?」チョコン

絵里「その前に穂乃果、一つ聞かせて」

穂乃果「ん、何?」

絵里「私を日本に来るように促したのはあなた?」

穂乃果「え?何が?」

絵里「…電話、寄越さなかった?」

穂乃果「…?いや、かけてないけど…」

絵里「…?なら、たまたまあのマンホールの下にいたの?」

穂乃果「さっきも言ったけど、私は“あいどる”をマークしてただけだから…ホントに偶然だよ」

絵里「……じゃあ誰が」

「私ですよ」

絵里「?」クルッ

海未「絵里に連絡をしたのは私です」

穂乃果「海未ちゃん…」

121: 2020/06/28(日) 20:24:46.67 ID:MvGxZyme
海未「久しぶりですね、絵里」

絵里「海未…あなただったのね」

海未「はい…すいません、わざわざ出向いてもらって…。それに…」

絵里「いいえ…いいのよ、あなたが連絡を寄越すなんてよっぽどの事でしょうし」

海未「絵里……すいせまん」

穂乃果「海未ちゃん……私一人でやるって……言ったはず……」

海未「…穂乃果、本当に一人でやろうと思っているんですか?」

穂乃果「え…?」

海未「一人でやろうとするなら、何故絵里に事の顛末を説明しようとしたんですか?」

穂乃果「そ、それは…」

海未「……あなたが考えていることなんて……ただの自己満足です……ただの独り善がりです」

海未「出来もしないことを一人で解決しようとする、後先考えずに行動する……ただの馬鹿者です……!」

穂乃果「バカ…」

穂乃果「でも……私は……刺し違えてでも“あいどる”を……」

海未「穂乃果、刺し違えてでもと言いましたが、あなたに何かあった時のことを考えられないほど、あなたは馬鹿ではないでしょう?」

穂乃果「それは……」

海未「……あなたがもし死んでしまったら……残された者はどうすればいいんですか?」

穂乃果「………」

絵里「…………」

122: 2020/06/28(日) 20:26:50.56 ID:MvGxZyme
海未「例えばあなたの膝の上にいる秋穂」

秋穂「ほぇ?」

穂乃果「………」

海未「秋穂だけじゃありません、私だって…」

穂乃果「………」

海未「……一人で背追い込まず、困ったらみんなで解決……そうするって8年前……決めたじゃないですか」

絵里「海未の言う通りよ穂乃果、なにも一人で背追い込む必要なんて」

穂乃果「……無理だよ」

海未「ッ!」

穂乃果「これは……私しか……そう、リーダーの私の問題、みんなは……巻き込めない」

海未「……っ、あなたは……っ……」

絵里「穂乃果……」

穂乃果「…………」

123: 2020/06/28(日) 20:30:59.94 ID:MvGxZyme
「まーったく、ウチのリーダーさんはこんな面倒くさかったっけかなぁ?」


穂乃果「……!?」


「そうにゃそうにゃ!面倒くさいのは一人で十分だよね~!」

「チョット!!それって誰の事よっ!!」

「ま、まぁまぁ…二人とも、あんまり大きい声は……響くし、ね…?」

「でもこうやって、みんな揃うのは久しぶりだよね♪」

「ふんっ!私より絵里の方が必要ってのが気に入らないわね!」


絵里「……ふふっ、スーパーアイドルは多忙だし、仕方ないじゃない、ね?」


「ま、まぁね~!海外にいた割には良く知ってるじゃない!」

穂乃果「こ、こんな……これって……」

海未「あの時、言ったでしょう……絶対にみんな集めてみせると」

穂乃果「みんな……海未ちゃんが……?」

海未「声をかけたのは私です、でも決めたのはみんなです」

海未「…みんな、穂乃果のためならと」

穂乃果「……みんな」

海未「穂乃果、あなたが一番わかっているはずです…あの時にラブライブで優勝出来たのも…みんながいたから、みんなで頑張れたからと…」

海未「今回だって、それは同じではないですか?」

穂乃果「……」ジワッ

穂乃果「…みんな、変だよ」


ことり「へへ…♪」

真姫「まったく、最近全然顔見せないと思ったら…」

凛「真姫ちゃん、すっごく心配してたんだよねー!」

花陽「改めて…久しぶり、穂乃果ちゃん」

希「μ's再集結やねぇ♪」

にこ「多忙の中来たんだから、感謝しなさいよね!」


穂乃果「…グスッ…ッ……みんな……グスッ……エグッ……あ、ありがとう……」

絵里「……フッ」

124: 2020/06/28(日) 20:34:20.37 ID:MvGxZyme
穂乃果「私…私…」グスッ

ナデナデ

穂乃果「…んっ」

秋穂「泣かないで、穂乃果おばちゃん」

穂乃果「…うん、ありがとう、秋穂」

穂乃果「みんな、来てくれてありがとう……本当にありがとう……」

凛「へへへ~!でも、みんな揃うなんて本当に久しぶりだにゃ!」

穂乃果「そうだよね……本当はもっと楽しい感じで再開したかったんだけど……」

花陽「あ、あの…私、実はあまり現状を把握してなくて…」

絵里「そうね…ちょうどいいわ穂乃果、みんな揃ったんだし…これまでのこと、話しなさい」

穂乃果「うん…あのね」


秋穂「おぉー」カチカチ…ピッ


穂乃果「あっ、秋穂、テレビつけちゃダメだよ……」

穂乃果「って!!」

穂乃果「……これ……!!」

【羽田空港では現在も消火活動は続いており、犯人の素性・動機は未だ不明です、死傷者は……】

絵里「……さっきまで私がいた羽田……偶然かしら」

海未「穂乃果……これは」

穂乃果「………間違いない、絶対に………“あいどる”だ………」


“あいどる”とのライブコンサートまで残り9ヶ月。
この空港爆破をキッカケに“あいどる”は暴走を始める。
そして、これはまだ序章にしかすぎなかった。

第1章「はじまった恐怖」-完-


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