穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを~!」【長編SS】

AqoursーSS


224: 2020/08/08(土) 15:38:40.51 ID:fS1Ehd+E
after episode(前)「そして最後のページには」

プロファイラー「私はプロファイラーです」

穂乃果「ぷろふぁいらー…?」

プロファイラー「えぇ…人類を未曾有の危機に追い込んだ“あいどる”の内面を調査しています」

プロファイラー「穂乃果さん、あなたは“あいどる”が誰かを知っていますか?」

穂乃果「……さぁ」

プロファイラー「心当たりは?」

穂乃果「……ないです」

プロファイラー「……ふむ」

プロファイラー「穂乃果さん、我々はあなた方に感謝しています。あなた方がいなければ今のような平和は訪れませんでしたから」

穂乃果「あ、ありがとうございます…」

225: 2020/08/08(土) 15:43:50.47 ID:fS1Ehd+E
プロファイラー「……ですが、協力してもらわないと困るんです」

プロファイラー「日本は今、国連が統治しています」

プロファイラー「指導者がいないからです」

プロファイラー「東京都民も我々の存在に不安を隠せていません」

プロファイラー「しかし……“あいどる”の素性がわからない限り、我々も帰れないんです」

穂乃果「……なるほど」

穂乃果「それで、わかりそうなんですか?“あいどる”の正体は」

プロファイラー「調査は進んでいます」

プロファイラー「ボノカ一派のリーダーにも事情聴取をしました」

穂乃果「花陽ちゃんに?」

穂乃果「どうでした…?上手く喋れました?」

プロファイラー「……とてもシャイな方でしたね」

穂乃果「あはは…」

プロファイラー「ですが、花陽さんがリーダーだったからこそ、余計な血を見ずに済んだんでしょうね」

穂乃果「うん、その通り」

226: 2020/08/08(土) 15:49:52.32 ID:fS1Ehd+E
パサッ

プロファイラー「これはご存知ですね?」

穂乃果「海未ちゃんの歌詞ノート…」

プロファイラー「いえ、違います」

穂乃果「え?いや…海未ちゃんの歌詞ノートですよ」

ペラペラ

プロファイラー「クレジットを見ると、海未さん以外の名前が…作詞:ことり、他のページを見ても…ほら、作詞:穂乃果と書いていますが」

穂乃果「あぁ…μ'sの歌詞ノートですね」

プロファイラー「そうです」

プロファイラー「そしてこれが…」

パサッ

プロファイラー「“あいどる”の歌詞ノート」

穂乃果「……私たち、それは知りません」

プロファイラー「……そうですか」

227: 2020/08/08(土) 15:54:36.35 ID:fS1Ehd+E
プロファイラー「穂乃果さん…あなた、ヴァーチャルリアリティゲームというものをご存知ですか?」

穂乃果「なんですか、それ?」

プロファイラー「“あいどるランド”のアトラクションです。あなた方や“あいどる”の過去を再現し、そこへ入り込めるんです」

穂乃果「……へぇ」

プロファイラー「これから特殊部隊がゲームの中に入ります」

穂乃果「………」

プロファイラー「“あいどる”の歌詞ノートの最後のページ……」

プロファイラー「彼女が唯一、実行していない歌詞…これを探るため」

穂乃果「……あなたの大切なものを奪う」

プロファイラー「はい、それが何を意味するのかを探ります」

228: 2020/08/08(土) 15:57:53.02 ID:fS1Ehd+E
穂乃果「………」

穂乃果「それ、私が行くことって可能ですか?」

プロファイラー「え?」

穂乃果「きっとこの『あなた』って私のことを言ってると思うんです…」

穂乃果「……それに、皆さんが行ってもたぶん何もわからないと思います」

穂乃果「……私がそこに行って“あいどる”の事を調べます」

プロファイラー「穂乃果さん…」

229: 2020/08/08(土) 16:07:14.96 ID:fS1Ehd+E




にこ「コホン…思えばμ'sが結成され…まさかこんなことになるなんて…でも…」

にこ「私たちは戦い…傷つき…それでも前を向いて…」

凛「みんなお疲れー!!」

カンッ

にこ「ちょっと待ちなさいよっ!」

花陽「グスッ…本当に…お疲れ様…」

希「もう、花陽ちゃんまた泣くんやから~」

花陽「だっ…てぇ…!」

にこ「こうしてみんなが無事揃ったのもひとえに!」

真姫「まだ言ってる…」

希「さっ!それより食べよう、飲もう!」

凛「賛成~!お腹も減ってるし!」

絵里「……穂乃果は?」

海未「夜風に当たってくると言ってそれっきり…」

真姫「こういう賑やかなの一番好むタイプなのに…変わったわね」

ことり「ずっと旅してきたんだし…外の方が落ち着くんだよ…」

にこ「ゴクゴクッ…ぷはぁ…!気に入らないわね!」

にこ「せっかく、μ'sが揃ったっていうのに気取っちゃって!!」

凛「あー!にこちゃん、それ凛のビール!!」

ことり「ま、まぁまぁ…」

ギャーギャー…ギャーギャー…




230: 2020/08/08(土) 16:17:31.14 ID:fS1Ehd+E
にこ「…スー…スー…Zzz」

凛「スカー…Zzz」

花陽「スゥ…スゥ…Zzz」

希「……Zzz」

絵里「……秋穂はどうしてる?」

海未「……ツバサさんの看病です」

ことり「ツバサさんの?」

海未「はい…」

海未「今は…音ノ木坂学院にいます」

ことり「え?病院じゃなくて…?なんで、学校なの?」

真姫「病院はもうキャパオーバーしてるわ。ベッドだってたりてない」

真姫「ツバサは軽傷者扱いなのよ」

絵里「じゃあ、そこまで容態は悪くはないのね」

真姫「言ったでしょ?扱いだって…。銃で撃たれたのよ?悪くないわけない……」

真姫「でも、ツバサよりひどい状態の人が…もっといるってことよ」

231: 2020/08/08(土) 16:24:03.85 ID:fS1Ehd+E
海未「……あの子、落ち込んでいるんです」

海未「あの円盤が向かっていた先はアキバドームだった」

海未「アキバドームだけは安全だと思って都民を集めたのに……」

海未「絵里たちが円盤を落とさなければ都民は…」

絵里「………」

海未「何十万人という人が死んでた……と」

ことり「ワクチンがあったんだから、もし来てたとしてもみんな平気だったよって言っても…ずっと、自分を責めてる…」

海未「自分はまんまと“あいどる”の計画に乗せられたって…」

真姫「……計画?“あいどる”に計画なんてないでしょ」

真姫「……そんなものがあったら……自分が死ぬようなハメには……」

232: 2020/08/08(土) 16:28:26.54 ID:fS1Ehd+E
花陽「んぐっ…」

真姫「…!起きたの、花陽?」

花陽「お……おぇぇ」

真姫「えっ…!?ちょ、だ、大丈夫…?」

花陽「ギモヂワルイ…」

海未「もうっ……ほら、立てますか?」

花陽「う、うん…」

海未「ちょっと、花陽の介抱を…」スタスタ

絵里「えぇ」

233: 2020/08/08(土) 16:34:27.62 ID:fS1Ehd+E
花陽「おぇぇ…!」

海未「まったく…飲み過ぎですよ」

花陽「はぁ…はぁ…。ねぇ、海未ちゃん…」

海未「どうしました?」

花陽「はぁ…みんなには言わないでって言われてたんだけど…」

花陽「………」

海未「……なんですか?」

花陽「……穂乃果ちゃん、ヴァーチャルアトラクションに入るんだ……」

海未「え?」

海未「そ、それって確か“あいどるランド”の…」

海未「なぜですか…?」

花陽「連合軍は……まだ“あいどる”が何か仕掛けてくると思ってるらしいんだ……」

海未「……止めなかったんですか?」

花陽「……止めたよ」

花陽「あのアトラクションは怖いよ…入ったら、二度と抜け出せないかもしれない…」

海未「そ、そんなの!危険すぎます!」

花陽「……穂乃果ちゃんのこと、海未ちゃんが一番よくわかってるでしょ?」

花陽「止めて止まるような人じゃ……ないよ……」

海未「……っ」

234: 2020/08/08(土) 16:40:32.63 ID:fS1Ehd+E
海未「……花陽、もう1人で大丈夫ですか?」

花陽「え?あ…うん」

海未「少し…失礼します」

海未「」ダッ

ダッダッダッダッ

海未「……っ、どこまで風に当たりに行ったんですか……?」

海未「……あっ」

タッタッタッタッ…

海未「はぁ…はぁ…」

海未「穂乃果!!」

穂乃果「……ん」

穂乃果「海未ちゃん」

海未「はぁはぁ…なぜ、黙っていたんですか」

穂乃果「……えへへ、懐かしいね」

海未「……はぁ?」

穂乃果「海未ちゃん、今いくつ?」

海未「……44ですが」

穂乃果「じゃあ、私…45か…」

穂乃果「すっかり2人ともおばさんだね……」

穂乃果「しかも……独身か」

穂乃果「いや、でも…それはみんなそうか!」

海未「…っ!なんの話をしているんですか!」

235: 2020/08/08(土) 16:47:31.17 ID:fS1Ehd+E
海未「後のことは連合軍に任せておけばいいじゃないですか!」

海未「もう、すべて終わったんです!」

穂乃果「………」

海未「………」

穂乃果「……2019年の12月31日」

海未「……今度はなんですか」

穂乃果「ミカがビルから落ちた時、遺体の確認は誰がした?」

海未「え?」

海未「……誰もしていませんが」

穂乃果「……そっか」

236: 2020/08/08(土) 16:55:21.19 ID:fS1Ehd+E
穂乃果「……花陽ちゃんがこう言った。“あいどる”は……私たちμ'sが作ったんじゃないかって」

穂乃果「……それは半分正しくて、半分違うんだ」

海未「……どういうことですか」

穂乃果「“あいどる”をつくったのは……」

穂乃果「……私」

海未「………」

穂乃果「……なんで最後のページがあると思う?」

海未「次から次へと…さっきから、なんの話をしているんですか…」

穂乃果「ページに限らず…最後がある理由ってなんだと思う?」

海未「……最初や途中があるからじゃないですか」

穂乃果「……だよね」

穂乃果「だから、見てくるよ。45歳になって…何が見えるか見てくる」

穂乃果「……最後のページに辿り着くまで……何があったか」

穂乃果「じゃあ、行ってくるね…!」

ザッ…ザッ…

海未「あっ…穂乃果!!」

穂乃果「」スタスタ

海未「…っ、穂乃果!!」

240: 2020/08/09(日) 02:42:29.80 ID:WlBu/Lgo




~“あいどるランド”~

軍人1「サンプリング周波数正常!」

軍人2「同期システムも正常です!」

軍人3「脳波、心電図、脈拍、いずれも異常なし!」

軍人4「いつでもアトラクションを開始出来ます!」

プロファイラー「……穂乃果さん、準備はいいですか?」

穂乃果「うん!いつでも」

プロファイラー「入れば、向こうのものに干渉出来ます」

プロファイラー「どうか、最後のページの真意を…“あいどる”が何をやろうとしているのかをハッキリとさせてください」

穂乃果「任せといてください」

プロファイラー「あっ…それと、途中で何があっても勝手に退場しようとしないでくださいね

穂乃果「……なんでですか?」

プロファイラー「向こうの世界と同期したままリタイアするのは危険なんです」

プロファイラー「最悪、命を落とすことに…」

穂乃果「へぇ~…なるほど…」

プロファイラー「……では、行きますよ」

穂乃果「……うん」

ビリッ……ビリビリ……!

穂乃果「…っ」

プロファイラー「」ポチッ

穂乃果「うっ…!!」

グルッ!!ギリリリリリ!!ギュルルルル!!ギュルン!!

241: 2020/08/09(日) 02:48:24.03 ID:WlBu/Lgo




穂乃果「……ん?」パチッ

穂乃果「ここはもう……アトラクションの中?」

スカッ…スカッ…

穂乃果「干渉出来るって言ってたのに…私、実体がない」

穂乃果「……失敗?」


「なんて可愛い女の子…」


穂乃果「ん?」


「私にも抱かせて」

ウッ…ウッ…オギャァァァァァァァ!!!

「ありゃぁ…やっぱり、近づいただけで泣いちゃうか…」

「この子は雪穂ちゃんの方が好きみたいだね」

雪穂「えへへ…よしよし、泣かないで…」

ヒグッ…ヒグッ…


穂乃果「雪穂…?」

穂乃果「じゃあ、あの赤ちゃんは…」

242: 2020/08/09(日) 02:54:27.53 ID:WlBu/Lgo
「……私、この子だけは絶対に守るから」

「……きっと」

雪穂「クスッ…だって。頼もしいでちゅね~♪」

アウー

雪穂「あっ…そうだ、名前は決めた?」

雪穂「ちなみに、この間のアレは無しだよ?」

「なんだっけ…?」

「あぁ、出穂か…あれは冗談だよ」

雪穂「ほんとぉ…?」

雪穂「……で、どうするの?」

「うん、名前はね……」

「……秋穂」

雪穂「秋…穂…?」

雪穂「プッ…」

「ん?ダメ?」

雪穂「い、いや…秋に生まれたから秋穂って…安直すぎるよ」

「………」

243: 2020/08/09(日) 03:06:09.58 ID:WlBu/Lgo
「秋に生まれたからってのもあるけど……別にそれだけじゃないって」

雪穂「他に何か理由があるの?」

「雪穂ちゃんの穂ってのぎへんでしょ?」

「それに、秋には火って漢字が入ってるでしょ?」

雪穂「もしかして、火って…ヒ?」

「そう」

「やっぱり、のぎへんは外せないなって」

「それに、のぎへんって…稞って漢字もあるんだよ」

雪穂「え?まさか……お姉ちゃんの……」

雪穂「穂乃果の果に…のぎへんつけて稞?」

「のぎへんって万能でしょ」

雪穂「万能だけど…ちょっと、こだわりすぎじゃない?」

雪穂「ん…?あっ…そういえば禾って…!」

「ふふ…そうとも読めるんだ…!」

雪穂「確かにすごい!秋穂…うん、私たちの子供だよ!」

「あと…」

雪穂「…まだあるの?」

「秋はのぎへん。そして、高坂の坂」

雪穂「……?どういうこと?」

「ノ木坂」

雪穂「」ポカーン

雪穂「ぷっ…なにそれ…音はどこに行ったの?」

「音は自分で彩っていくんだよ」

「私たちが育った…アキバっていう大切な場所でね」

雪穂「なるほどね…じゃあ、私もお姉ちゃんも自分で音を彩らないとね」


穂乃果「……そっか。秋穂の名前……そんな由来が」

ギュル!!

穂乃果「ぐっ…な、なに…!?」

ギュルルル!!!

244: 2020/08/09(日) 03:10:30.12 ID:WlBu/Lgo




(穂乃果)「……あれ?場所が変わった?」

(穂乃果)「あっ、足がつく…身体にも触れられる」

(穂乃果)「ようやく…この世界に入れたってことかな?」

(穂乃果)「というか…この場所って…確か」


「いったぁーい!」


(穂乃果)「この声…」

(穂乃果)「」タッタッタッタ


ことり「穂乃果ちゃん、もうやめようよ~!」

穂乃果「まだまだ~!次こそ出来るっ!」


(穂乃果)「……やっぱり私だ」


穂乃果「とぉぉーー!」

ラララララ♪

穂乃果「!」

穂乃果「~~♪とぉー!」ピョーン


「……えへへっ」 ダダダッ

(穂乃果)「今の鼻歌…SUNNY DAY SONG…?」

(穂乃果)「……あの子」

245: 2020/08/09(日) 03:16:01.17 ID:WlBu/Lgo
タッタッタッ

穂乃果「ちょ、ちょっと待って!」

「」ピタッ

穂乃果「はっ…はっ…」

穂乃果「あのさ…ちょっと、振り向いてくれない?」

「……なんで?」

穂乃果「え?あっ…いや、すこーしだけでいいんだけど…!」

「……私、穂乃果ちゃんとは小学校が違うからずっと遊びたかった」

穂乃果「え?」

「さっきの子」

穂乃果「あ、あぁ…あの、水たまりで遊んでた…」

「海未ちゃんやことりちゃんが羨ましかった」

「彼女たちは…穂乃果が側にいるありがたみをわかってない」

「彼女たちに…苦痛を味合わせたい…。知らしめてやりたい…穂乃果がいないということがどれだけ辛いかを」

穂乃果「………」

246: 2020/08/09(日) 03:22:13.22 ID:WlBu/Lgo
穂乃果「……顔を見せてもらえないかな?」

「……くくく」

穂乃果「え…?」

「……まだ、早いよ」

「ここのルールがわかってない」

「誰かのためにって言えば聞こえはいいけど、今の穂乃果なんて国連軍の手先になってるだけじゃん」

「やんなきゃいけないことが他にあるんじゃないの?ほーのーかちゃん」

穂乃果「やらなきゃいけないこと…?」

「……可愛い?」

穂乃果「……?」

「やっぱり姪っ子は可愛い?」

「秋穂との約束は果たすのに、私との約束は果たしてくれないんだ」

「穂乃果を取っちゃう悪い子」

「そんな子、守る価値ないよね」

「ほーら、穂乃果」

「未来をしっかり見て?」

「じゃーねー」タッタッタッ

穂乃果「あっ…!待っ…!」

247: 2020/08/09(日) 03:30:57.08 ID:WlBu/Lgo
穂乃果「ゼェゼェ…もう…見えなくなっちゃった…」

穂乃果「……歳、かな」

穂乃果「……そっか」

穂乃果「当たり前だけど、ここは現実じゃないんだよね…」

穂乃果「ここにはここのルールがある」

穂乃果「……未来をしっかり見て?」

穂乃果「…ッ」ギリッ

穂乃果「未来を見るべきなのはそっちの方じゃん…」

穂乃果「私が見なきゃいけないのは……過去」

穂乃果「SUNNY DAY SONG……どんなことも乗り越えられる気がするよ……か」

穂乃果「……いいよ、最後のページがどうなるかなんて…まだ、わからないんだから」

穂乃果「……ちゃんと、向き合わないと」スッ

ザッ…ザッ…

after episode(前)「そして最後のページには」-完-


タイトルとURLをコピーしました