穂乃果(24)「ありがとうございました、またのお越しを~!」【長編SS】

AqoursーSS


211: 2020/07/01(水) 11:45:04.05 ID:8UWfS3nR
第3章「幕を閉じた伝説」

-2019年12月31日- PM2:00

希「ついに今日やね…」

にこ「そういえば、今日って…大晦日なのよねぇ…」

凛「凛、こんなにワクワクしない大晦日初めてかも…」

真姫「……そんなの、みんなそう思ってるわよ」

花陽「いつ……ロボットは出てるくるのかな……」

にこ「さぁね、いつでしょうね…」

ことり「案外…出てこなかったりしてぇ…」

真姫「そうね、出来れば……出てきてほしくないけどね……」

「……………」

パンパンッ

「…………?」

海未「ワンツースリーフォー、ファイブシックスセブンエイト……ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト」

凛「う、海未ちゃん…?」

212: 2020/07/01(水) 11:49:33.56 ID:8UWfS3nR
ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト…ワンツースリーフォーファイブシックスセブンエイト

ことり「……なんだか、懐かしいね♪」

凛「海未ちゃんの掛け声聞くと、どんな時でも気合入るんだよね~☆」

花陽「うん!それで…アドバイスとか貰ったりすると、より一層頑張ろうって気持ちになるんだよね!」

海未「……みんな」

「……?」

海未「勝ちましょうね、絶対…」

真姫「………ナニソレ、誰も負ける気なんてないんだけど!」

海未「真姫…」

にこ「なーに言ってんの、さっきは来てほしくないとか、弱気な事言ってたくせに」

真姫「あ、あれはっ///」

希「とか言いつつ、にこっちも若干腑抜けた感じやったけど?」

にこ「そ、そんな事ないわよ!なんなら、にこが全部見せ場貰うんだから!」

海未「希、にこ…」

ことり「穂乃果ちゃんのためにも頑張ろうね!」

凛「また、みんなが笑って過ごせる為に凛も頑張るにゃ!」

花陽「わ、私も自分のできる事を精一杯…!」

海未「ことり、凛、花陽…」

ザッ

絵里「みんないる?」

絵里「さっ、準備はいい?」

海未「」キッ

海未「行きましょう!!!」

213: 2020/07/01(水) 11:54:00.16 ID:8UWfS3nR
-2019年12月31日- PM10:30 ~商店街~

穂乃果「ラララ~…ラララ~…ラララ~…」

ジャガジャガジャガジャンッ!

穂乃果「……ありがとう」

パチパチパチ

穂乃果「!」

青年1「いいじゃん、お姉さんの歌」

青年2「あぁ、なんか哀愁があって…なのに元気を貰える…いいコード進行してるよ」

穂乃果「えへへっ、ありがと…でもコードは他のシンガーさんのを参考にしてるだけだから…」

青年1「パクリか」

穂乃果「むっ、人聞きが悪いなぁ…」

青年2「いやいや、トレースだろうがオマージュだろうがパロディだろうが、そこに自分の色を加えたら、もうそれは自分の曲だろ」

214: 2020/07/01(水) 11:58:37.20 ID:8UWfS3nR
青年1「なんかさぁ……俺らも不安なんだよね」

穂乃果「何で?」

青年1「いやぁ…だってもう2020年なんて節目の年がやって来るって言うのに、こんな夜にふらふらさぁ」

青年1「だからさ、お姉さん見てるとなんか落ち着くんだよね、その年でこんな事やってるお姉さん見てるとさ」

穂乃果「ぐっ…いいじゃんっ…まだ26だよ?…いや、もう26って方が正しいのかな…?」

穂乃果「…でもさ、私みたいにこんな所で一人虚しく歌うのなんて一番嫌な未来でしょ?」

青年2「へへへ…だね」

青年1「場所が悪るいよ、場所が」

215: 2020/07/01(水) 12:04:22.40 ID:8UWfS3nR
青年1「昔、好きなスクールアイドルがいたんだよな…」

穂乃果「へぇ~…」

青年2「1年ぽっちで解散しちまったけどな」

青年1「今はなんか……ゴタゴタに巻き込まれて指名手配?かなんかになってるんだけど……」

穂乃果「……」

青年2「ありゃ陰謀だね」

穂乃果「!…なんでそう思うの?」

青年1&青年2「応援してるからだよ」

穂乃果「…そっ…か」

青年2「それにそんな事する様な人たちじゃなかったしな!」

青年2「……周りの奴らが何て言おうと、俺たちは信じてるんだ」

216: 2020/07/01(水) 12:06:50.56 ID:8UWfS3nR
青年2「んじゃ、この辺で」

穂乃果「うんっ、気をつけて帰りなよ」

青年1「うっす、お姉さんも頑張ってな」

穂乃果「うん……頑張る」

ブロンッッ!!

青年1「良いお年を!」

ブロロロロロ!!

穂乃果「……良いお年をかぁ」

穂乃果「ちゃんと来年は来るのかな……」

穂乃果「そういえば、本当に服装を変えたらギャラリーが……流石にこちゃんだね」

穂乃果「…よいしょっと…じゃ…行こうか」


秋穂「穂乃果おーばちゃん!!」


穂乃果「え?」

217: 2020/07/01(水) 12:08:53.76 ID:8UWfS3nR
秋穂「穂乃果おばちゃーん!」ダダダッ

穂乃果「……な……え……あ、秋穂……なんで……」

穂乃果「ひ、一人なの…?」

秋穂「うん!」

穂乃果「そんな、どうやって…」

秋穂「電車いっぱい乗ってきた!」

穂乃果「どうして…」

秋穂「穂乃果おばちゃんに会いに来たの」

穂乃果「秋穂…

穂乃果「………もう時間だ、みんなのところに行かなくちゃ」

穂乃果「………秋穂」

秋穂「なーに??」

穂乃果「手、繋ごっか…」

秋穂「うんっ!!」

ギュッ…

218: 2020/07/01(水) 12:12:44.98 ID:8UWfS3nR




ブロロロ…

青年1「いよ~し!じゃあいまから初詣にやって来る振袖美人をナンパしに行くかぁ!」

青年2「馬鹿お前、振袖着てくるような清楚女子は俺たちなんて眼中にねーよ」

青年1「女子のスカート捲るさながら帯外して、そのまま元日ホテルに直行よ!」

青年2「馬鹿じゃねぇのw」

サァァァァ

青年1「ウップ!」

青年2「な、なんだ…?」

青年1「あ、雨?」

青年2「あっ?」

ゴゴゴゴゴ…

青年2「な、なんだこれ…デケェ…」

青年1「ろ、ロボット?」

青年2「うッッッ…!!!」

青年1「ど、どうし……グフッッ……!」

パンッッッッ!!!!
ゴパァァァ!!!!
プシャッッッ!!!!

青年1&青年2「」

ゴゴゴゴゴ…

219: 2020/07/01(水) 12:16:55.72 ID:8UWfS3nR
『たった今入ってきたニュースをお伝えします。
世界各地で謎のウィルスが蔓延し、多数の死傷者が出ている模様です。
そして東京都全域に謎の巨大ロボットが出現。先ほどお伝えしたウィルスと思われるモノを散布しながら移動を続けています。
近隣の住民は速やかに避難を……。』


アナウンサー「ご覧ください!アレが巨大ロボットです!!全長15mはあるでしょうか!?ライトで前方を照らしながら進んでいます!」

サァァァァ

アナウンサー「あっ!今、水のようなモノを噴出させました!一体アレは……!」

アナウンサー「あぁ……楽し気な大晦日からは一変……近場の住民は血を出しながら倒れていきます!」

アナウンサー「さながら血の大晦日です!!この……うぐっ!?……あ……ああぁッッッ!!」バシュッッッ

アナウンサー「」バタッ…

220: 2020/07/01(水) 12:23:26.93 ID:8UWfS3nR




-2019年12月31日- PM23:20 ~とある工事現場~

穂乃果「……」

8人「…………」

ドンッッッドンッッッ

花陽「地鳴りが…」

希「だんだん、近づいてきてる…」

穂乃果「……もし」

8人「………」

穂乃果「もし、自分の命が危ないと思ったら……すぐに……一目散に逃げて」

穂乃果「……お願いだから、誰も死なないで」

絵里「……穂乃果」

穂乃果「……」

絵里「あなたも死んじゃダメだからね」

穂乃果「あはは……死ぬ気なんてないよ……むしろ生きる気満々だよ?」

絵里「ならいいわ…」

221: 2020/07/01(水) 12:27:16.51 ID:8UWfS3nR
穂乃果「最後に聞くよ」

穂乃果「今、辞めたい…抜けたいと思ってる子は……すぐに避難を……」

「……………」

海未「……穂乃果」

穂乃果「なに?」

海未「あなたが一番辞めたいって顔してますよ」

穂乃果「え……ははっ、そうかな……」

凛「みんな決心して来てるっ!今更逃げ出すなんてありえないにゃ!」

真姫「そうよ……何より戦わないと勝てない……勝ってもう一度平和な日々を取り戻してやるんだから」

花陽「勝てたらみんなで…μ'sとしてまた、歌って踊りたいな」

穂乃果「みんなっ…」

穂乃果「うん…そうだね、あとはやるだけだよね…よし!やろう!」

222: 2020/07/01(水) 12:32:49.84 ID:8UWfS3nR
穂乃果「……あとは」チラッ

ザッ…ザッ…

穂乃果「……秋穂」

穂乃果「私、行かなきゃならない」

秋穂「……うん」

穂乃果「人は人生に一度、ゼッタイにやらなきゃいけない事がある」

穂乃果「私はあの時にやりきったと思ってた…」

穂乃果「でも、今がそうみたいなんだ」

秋穂「……うん」

穂乃果「……おばちゃんね、絶対に帰ってくる、約束する」

秋穂「うん…秋穂待ってるよ、おばちゃんの帰り…待ってる」

秋穂「…それまでおばちゃんの歌、歌ってるね」

穂乃果「……うん……うん!!」

ダキッ

223: 2020/07/01(水) 12:42:22.13 ID:8UWfS3nR
穂乃果「……」スッ

秋穂「これ…」

穂乃果「その帽子、おばちゃんが帰ってくるまで預かっといてくれる?」

秋穂「……うん、大切に持っとくね」

老婆「長年の付き合いだから分かる」

老婆「アンタは帰ってくる」

穂乃果「常連さん……秋穂をお願いします」

老婆「あぁ」

老婆「さぁ向こうへ」

秋穂「うん……」スタスタ

穂乃果「…………」

224: 2020/07/01(水) 12:46:04.54 ID:8UWfS3nR
ズドンッッ!ズドンッッ!

穂乃果「よしっ…じゃあ、行こうか!」

絵里「……えぇ」

穂乃果「こんなのが東京中を盛り上げるライブ?私は絶対認めないからっ!!」

にこ「あのデカブツのせいで火災や停電の二次災害も出てるみたいよ」

海未「きっと“あいどる”はそれさえもライブの演出としか思ってないでしょうね…」

希「みんな自分の役割覚えてるよね?」

真姫「えぇ…各自、仕事を果たしましょう」

花陽「ここはこれ以上荒らさせない…」

凛「あのロボットを止めて…」

ことり「μ'sの名前を取り戻そう!」

穂乃果「行くよっ!」

225: 2020/07/01(水) 12:51:05.35 ID:8UWfS3nR
絵里「みんな銃は持ったわね?」

ことり「う、うん…」ドキドキ

絵里「前線に出る者は防護服を忘れないで」

絵里「あのウィルスを生身で浴びたら…ひとたまりもないわ」

穂乃果「うん…大丈夫…」

絵里「…じゃあ、希と穂乃果は車を出してあのロボットの元へ」

希「うん、機内に侵入してロボットを止める…止めるのが不可能ならダイナマイトで爆破…やんね…」

絵里「何かあったら無線機を通して伝えて、いいわね?」

凛「うん、大丈夫にゃ」

絵里「花陽とにこが先に車をまわして、ロボットの動向を監視してる」

絵里「その情報を聞いて、私と凛と真姫と海未が二手に分かれてロボットを遠隔操作している人物を探す」

絵里「ことりは地上から“あいどる”を捜索して。近くにいるかもしれない」

ことり「わかった!みんな気をつけてね!」

絵里「じゃあ…各自、持ち場に」

226: 2020/07/01(水) 12:56:49.17 ID:8UWfS3nR
「おっ……ゴプッ……」ドサッ

花陽「ひ、ひっ…」

ピッ

花陽「い、今…ロボットは自衛隊と交戦した後、靖国通りを通過していきました…」

ピッ

絵里『了解、花陽とにこは引き続き、ロボットの動きを車内から監視しておいて』

にこ「オーケー、任しといて」

絵里『頼んだわよ』

ピッ

花陽「……こんなに〇傷力のあるウィルス、どこから……」

にこ「さぁね……でも、こんなものを作ったのも同じ人間なのよね……」

228: 2020/07/01(水) 12:59:55.58 ID:8UWfS3nR
絵里「はっ…はっ…」

絵里「絶対…どこかにいるはずなのに…」

ヒュー…カタッ…

絵里「え?」

絵里「ひょっとこのお面?」

絵里「今、空から…?」

絵里「………ハラショー」

絵里「凛!このマンションの屋上をお願い!」

凛「え…う、うん!任せるにゃ!絵里ちゃんは!?」

絵里「私はこっちのビルの屋上に行く!そっちは頼んだわよ!」

229: 2020/07/01(水) 13:08:24.06 ID:8UWfS3nR
海未「……ここは愛民党の本部」

海未「」ダッ

真姫「海未っ!」

真姫「もうっ!」

ピッ

真姫「今、海未と愛民党本部前にいる…でも、全然人気がないわ」

ピッ

海未「くっ!!」

ガタガタガタ!

海未「開かない……!!開けなさい!!開けなさい、誰か!!」

真姫「海未、無駄よ!誰もいない…それより向こうの方を調べましょう」

海未「……ッ」

230: 2020/07/01(水) 13:11:26.53 ID:8UWfS3nR
ガタンッッ!

絵里「はぁはぁ…誰か…誰かいない!?」

・・・ヒュー

絵里「いない…?」

ピッ

絵里「凛、そっちは?」

凛『なにもないにゃ…広いから、もうちょっと探すよ』

絵里「そう…わかった…」

ピッ

絵里「なら、このお面はどこから…」

ガチャン

絵里「……?」

絵里「なんの音…?」

231: 2020/07/01(水) 13:14:26.26 ID:8UWfS3nR
ミカ「この!!!それを離せぇぇ!!!」


絵里「ミカ…!?何でそんなところに!!」


ミカ「え、絵里先輩!!見てください!!“あいどる”です!」


絵里「な、なんですって!?」


ミカ「このぉ!!」

“あいどる”「んんぅ……!!くぅぅ!!」


絵里「そっちのビルにっ!!お、お面は風に流されて…」

絵里「ミカ!!そいつを離さないで!今すぐそっちに行く!!」


ミカ「は、はい!」

“あいどる”「このぉ!!」ブンッ

ミカ「あっ…」

“あいどる”「うわっ!!?」

ウワアァァァァ!!!


絵里「……ッッ!!」

絵里「ミカッッ!!!」


ビュー…

232: 2020/07/01(水) 13:17:48.82 ID:8UWfS3nR
絵里「うぅ……くっ」

絵里「あっ!」チラッ

ズドンッ、ズドンッ

絵里「……ダメ」

ピッ

絵里「……ミカが……リモコンを持ってた“あいどる”と一緒に……ビルから落ちた……」

絵里「でも、ロボットは……止まってない……」

ピッ





穂乃果「ミカ……そんな……」

希「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「わかってる……わかってる……大丈夫、行こう」

希「…うん、出すよ」

ブロロロロ…

233: 2020/07/01(水) 13:20:59.70 ID:8UWfS3nR
ブロロロッッ

希「とりあえず、ロボットの下に潜り込むよ!」

ズドンッ!!ズドンッッ!!

穂乃果「流石に、こんな近くだと揺れるね」

希「穂乃果ちゃん、荷台に荷物を取りに行って」

穂乃果「うん」

ガタンッ

穂乃果「え、これ…」

希「なに、どうしたん?」

穂乃果「このロボット、外側から見れば大きいけど、下から見ればただ風船乗っけて面積広げてるだけだよ」

希「…なんか、肩すかしやね」

穂乃果「だね…よし、必要な物は持ったよ!」

234: 2020/07/01(水) 13:24:43.90 ID:8UWfS3nR
穂乃果「というかこれ……ハシゴがないけど……どうやって中に……」

希「どうかしたんっ!?」

穂乃果「うん!ハシゴがないから上がれない……けど、もういいや!」

希「え!?」

穂乃果「ふっ!!」

ガシッ!

穂乃果「ハシゴが無いなら、このぶら下がってる紐みたいなのをロープ代わりにして上がるからぁ~!!!」

希「穂乃果ちゃん!!落ちたらあかんよ…」

穂乃果「はっはっ…うんっ!(す、少しでも鍛えててよかった…!)」

235: 2020/07/01(水) 13:29:44.74 ID:8UWfS3nR
希「……あっ!あれ!」

希「穂乃果ちゃん!」


穂乃果「な、なに希ちゃん!?」


希「あそこのハシゴから内部に行けるかも!」


穂乃果「ほ、本当だ…!あそこからなら!」

穂乃果「でも遠すぎるよぉ…」

穂乃果「……っ、えーい…一か八か!!!」


希「穂乃果ちゃん…まさか飛び移る気!?」


穂乃果「(せーっの……!)」

ガタンッッ!

穂乃果「今だ!!!とりゃあーー!!」

ガンッ!

穂乃果「……いてて……よし」


希「……ロボットが移動する時の反動を利用して飛んだんや……んもう……無茶しぃなんやから」

ピッ

希「今、穂乃果ちゃんがロボットの中に入っていったよ」

絵里『了解、希は離脱して』

ピッ

希「ウチは後退しないと…」

ブロロンッ

237: 2020/07/01(水) 13:40:21.77 ID:8UWfS3nR
穂乃果「……ここが操縦室」

穂乃果「……ッ!」

穂乃果「(中に誰かいる…!)」

穂乃果「(使うつもりはないけど……)」ジャキッ!

穂乃果「……!」 ゴクリッ

バンッ!

穂乃果「手を上げて!!早くこのロボットを止めて!」

・・・

穂乃果「………」

・・・

穂乃果「………」ポンッ

ボトッ

穂乃果「ひっ…く、首が取れた…!?」

【へのへのホノカ、バーカ】

穂乃果「……っっ!!ば、馬鹿にしてる……!」

238: 2020/07/01(水) 13:45:22.03 ID:8UWfS3nR
絵里「……穂乃果」





穂乃果「……壊そう、これで」

ピッ…ピッ…ピッ

穂乃果「よしっ…」

ピッ

穂乃果「ダイナマイトを3分後に設定したよ、みんな……これで終わるからね」

ピッ

穂乃果「ふぅ……ん?」

穂乃果「あれ、あれ…?」

穂乃果「もしかしてこれ…止まってる?」

・・・ホーノーカチャン、ウタイマショー

穂乃果「……?」

穂乃果「今、このモニターから……?」

プツッ

穂乃果「…!!」

「穂乃果ちゃん、よくやったね、おめでとう」

穂乃果「…ッ!…“あいどる”!!」

239: 2020/07/01(水) 13:52:08.77 ID:8UWfS3nR
穂乃果「…っ、こんな回りくどい事ばっかりやって!」

穂乃果「東京の人たちをあんなに〇して……!!」

穂乃果「出てきてよ!!あなたは…誰なのっ!?」

「……いるよ、目の前にいるよ」

プツンッ

穂乃果「……え?」

穂乃果「前……?……!!!!!」

ゴゴゴゴゴ

穂乃果「なに、これ…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

穂乃果「ドームが……歩いてる?」

穂乃果「このロボットよりも…大きい…」

240: 2020/07/01(水) 13:59:57.86 ID:8UWfS3nR
“あいどる”「久しぶりに穂乃果ちゃんと遊べて、すごく楽しかったよ」

穂乃果「あなたは……」

“あいどる”「……穂乃果ちゃんがそのロボットの操縦者で、私はそれに勇敢に立ち向かう、英雄」

穂乃果「なっ…え?」

“あいどる”「昔とは真逆…穂乃果ちゃんはヒーローからヒールになったんだよ」

穂乃果「“あいどる”……なんで……そんなに無防備なのに、感染しないの……」

“あいどる”「……私は神になる存在なんだよ、穂乃果ちゃん」


ピッ

絵里『穂乃果、早くそこから離れなさい…もう時間が!』

・・・

絵里『穂乃果?穂乃果!!』


“あいどる”「マスク、外してみせようか」パッ

穂乃果「え…」

“あいどる”「…………」パサッ

穂乃果「…………ッッ!!!」

穂乃果「そん……なっ……」

241: 2020/07/01(水) 14:07:02.06 ID:8UWfS3nR
絵里「穂乃果!まさか、顔を見たの!?」

絵里「教えなさい!“あいどる”は誰!!」

・・・ジジジ

絵里「穂乃果!?……穂乃果!!」


“あいどる”「流石のμ'sでも、この状況は覆せなかったか…」

“あいどる”「昔から私がいないとダメだったよね」

穂乃果「なん……で」

“あいどる”「……お別れだよ」

“あいどる”「穂乃果」

242: 2020/07/01(水) 14:12:11.66 ID:8UWfS3nR
穂乃果「…………」

“あいどる”「早く逃げないと、時限爆弾が爆発しちゃうよ」

穂乃果「…………」

“あいどる”「ふふふ、相変わらず面白い」





花陽「あと少しで穂乃果ちゃんが言ってた3分だよ!?」

にこ「何してんのよ穂乃果はっ!!」





絵里「穂乃果っ!!」

243: 2020/07/01(水) 14:18:51.57 ID:8UWfS3nR
絵里「穂乃果、答えなさい!……穂乃果!!“あいどる”は……“あいどる”は誰!!」





海未「離して…離してください!!」

真姫「海未、そっちは危ないわ!!やめなさいってば!!海未ッ!!」

海未「穂乃果……!穂乃果ああぁぁ!!」

真姫「(…っ、穂乃果!)」





凛「絵里ちゃん、穂乃果ちゃんは…!!?」

絵里「……応答がない」

凛「そんな…穂乃果ちゃん」





希「もう時間が…」

希「…穂乃果ちゃんッ」





ことり「あと10秒で2020年になっちゃう…穂乃果ちゃん!!」

老婆「………」

秋穂「………おばちゃん」

秋穂「穂乃果おばちゃんっ!!!!!」





穂乃果「………っ!」

カチッ!!

245: 2020/07/01(水) 20:16:09.40 ID:8UWfS3nR















246: 2020/07/01(水) 20:22:29.31 ID:8UWfS3nR
-西暦2035年-

カツ…カツ…カツ

「今日8月3日だよ…」

「これ、よかったら食べて」

「座るね…」

「……………」



「………穂乃果おばちゃん」

第3章「幕を閉じた伝説」-完-

247: 2020/07/01(水) 21:07:34.29 ID:8UWfS3nR
第3.5章「可能性×輝」

-2020年9月- ~浦の星女学院~

ガッ、ガサガサ…

曜「……?」

梨子「……?」

千歌「あ、あわわわ…!」

梨子「ち、千歌ちゃん?」

千歌「……おかしい、こんなの絶対おかしいよ!!」

曜「どうしたの千歌ちゃん」

花丸「悪いものでも食べたに違いないずら」

千歌「むっ…!違うよー!これ見て、これ!」

曜「えぇ、なになにー…東京、愛民党から復興支援?お~、いいねいいね!」

梨子「でも、私たちが行った時でもかなり復興は進んでるように思えたけど……」

千歌「確かにぃ…って、そこじゃなくて!下の記事だよぉ~!」

248: 2020/07/01(水) 21:08:46.78 ID:8UWfS3nR
曜「血の大晦日…東京大規模爆破主犯格は…大人気スクールアイドルだった高坂穂乃果……って……うぇぇ!!!?」

ガタッ

ルビィ「そ、そんな!ありえないですッ!!」

千歌「でも記事にそうやって書いてあるんだもん!」

善子「活字にしただけで信憑性って増すものでしょ、今時どの新聞も当てになんないわよ」

千歌「そうだとしても…こんな確定みたいな書き方嫌だよ~…」

千歌「善子ちゃんは穂乃果さんが犯人だと思う?」」

善子「……ッ、ヨハネ!」

千歌「よ、ヨハネちゃんはどう思う…?」

善子「くく……この退屈な世界へ落とされた神のあるまじき怒り……世界をカオスへと導き……人々を混乱の渦に巻き込む……即ちエクスプロージョン!!」

花丸「でもこんな書き方って本人が訴えでもしたら勝てるんじゃないかな?」

善子「無視!?」

249: 2020/07/01(水) 21:12:02.59 ID:8UWfS3nR
ダダダダダダダダダッ

バンッッッ!!

ダイヤ「た、大変ですわ…!」

千歌「ダイヤちゃん?」

ダイヤ「こ、この新聞に……!」

千歌「あっ…穂乃果さんの記事ですか!今、ちょうどその話をしてたんです!」

ダイヤ「あっ、そうですの…」

ダイヤ「ってそうじゃありませんわ!!どうなってるんですのこれは!!」

千歌「わ、私に言われても…」

ダイヤ「こんっっっっな有る事無い事書いて、新聞社は恥ずかしいと思いませんの!?」

ダイヤ「プロとしてのプライドは無いんですの!?」

ルビィ「お、お姉ちゃんちょっと落ち着いて…」

250: 2020/07/01(水) 21:18:10.55 ID:8UWfS3nR
果南「あながち間違いってわけでもないかもよ」

ダイヤ「か、果南さん…」

鞠莉「これを見れば一目瞭然じゃなーい?」

ダイヤ「鞠莉さん、どういうことですの!?」

ピラッ

鞠莉「これは全部、今日発行された新聞だけど、全てにその記事が載ってるわ」

梨子「……ここまで各メディアが取り上げてるって事は……余程の証拠があるって事……?」

ダイヤ「そんな……なら本当に……μ'sは……?」

千歌「…………」

251: 2020/07/01(水) 21:20:16.24 ID:8UWfS3nR
千歌「なら、確かめに行こう!東京に行って!!」

千歌「自分たちの目で見れば、何かわかるはずだよ!!!」

ダイヤ「そ、そうですわね…きっと何かの間違いですわこんなの!」

ルビィ「ルビィもそう思う……だって変だもん、こんなの!」

梨子「私たち……何回東京に行ったら行くのかしら……」

鞠莉「気にしない気にしない~、それにリーダーのオーダーは絶対だよ?」

果南「……まぁ千歌だけで行っても危ないし、みんなで行った方がいいでしょ」

花丸「今回はどんな未来が待ってるんだろう~!」

善子「ズラ丸あんた…調査に行くのよ、調査に」

千歌「じゃあ暇ができたら行こう!」

ダイヤ「え、い、今すぐではないんですの……?」

千歌「え?だって明日も学校あるんだよ?」

ルビィ「確かに…」

252: 2020/07/01(水) 21:21:23.74 ID:8UWfS3nR
-数日後- ~東京~

千歌「うぉー!東京っだー!」

梨子「復興作業も順調そうね」

花丸「でも…勢いで来たはいいものの、いったいなにするずら?」

千歌「え、うーんと……はは、か、考えてなかった!」

果南「……千歌」

ダイヤ「とうっっっぜん!!聞き込みですわ!!」

千歌「聞き込み?」

ダイヤ「現地の方ならμ'sの潔白を証明出来る証言が出来るでしょう!」

ダイヤ「それを得るのです!」

千歌「なるほど!じゃあ曜ちゃん!」

曜「よしきたっ!」

253: 2020/07/01(水) 21:22:53.26 ID:8UWfS3nR
曜「すみませーん!ちょっとお話いいですか?」

老婆「………」ギロッ

曜「あっ……あの」

老婆「なんだい」

曜「あ、えっとスクールアイドルのμ'sというグループ…ご存知ですか?」

老婆「………さぁね」

老婆「ほらどいとくれ、秋穂…行くよ」

曜「あっ、ごめんなさい!お時間取らせて」

スタスタ…

善子「なーにあの態度、嫌な感じ…」

ルビィ「そばにいた子の顔色が悪かったから、急いでたんじゃないかな…?」

千歌「……あの女の子」

鞠莉「……?千歌ッチ、どうかしたの?」

千歌「………いや、なんでもないや……!次行こ、次!」

254: 2020/07/01(水) 21:25:21.42 ID:8UWfS3nR
パッ

花丸「あっ、わぁ~!未来ずら…未来ずらよ!ルビィちゃん!」

ルビィ「えっ?あ、スクリーン?うん!すごく大きいよね!」

果南「……ただ、内容がね」

ルビィ「え?」

鞠莉「“あいどる”…ねぇ」

果南「愛民党…ウチの地域にも来ることあったりするけど、私、好きじゃない…」

梨子「私もこっちにいた時、たまに見たけど……胡散臭いっていうか……どこか不気味……」

千歌「……あのマスクって」

曜「マスク?」

千歌「うん、あの覆面マスクってなんか意味あるのかな……」

善子「はっ…まさか、あのマスクで自らのパワーを制御して…!?」

トンッ

善子「ぐぇ…」

花丸「そんなわけないずら」ニコッ

千歌「……私もあんまり、好きじゃないな」

255: 2020/07/01(水) 21:26:35.16 ID:8UWfS3nR
ダイヤ「このままでは埒があきません!」

ダイヤ「なので、ここからは効率重視で行きますわ!」

鞠莉「と、言うと?」

ダイヤ「9人を3人1組の3チームに分けます、そして各々情報をかき集めるのです!」

果南「なら集合場所とか決めておいた方が良いかもね」

ダイヤ「19時に駅前に集まりましょう」

ダイヤ「チーム分けは……」

千歌「よし、グッチョッパーで決めよう!」

オーケー、セーノグッチョッパー

花丸「また善子ちゃん、チョキだね」

善子「むむむっ……」

ダイヤ「じゃあ皆さん、お願いしますわよー!」

オーー!!!

256: 2020/07/01(水) 21:28:44.31 ID:8UWfS3nR
しかし、Aqoursが再び9人揃うことはなかった。
19時に駅前に集まったのは千歌・果南・鞠莉の1チームだけ。
それ以外のチームは夜が明けても、月を跨いでも、はたまた年を超えても、帰ってくることはなかった…。

第3.5章「可能性×輝」-完-


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