【SS】絵里「真面目海未ちゃん」

おとといの毎日劇場読んでね




ダイヤ「……という事がありまして」

ダイヤ「絵里さんも生徒会長として大変だとは思いますが、海未さんの事お願いしますね」

絵里「ええ、分かったわ」

絵里「というよりも、その為に電話をかけてくれたの？」

ダイヤ「まあ…その、何といいますか…放っておけなくてですね」
　

絵里「ふふっ。何となくダイヤが海未と意気投合した理由が分かった気がするわ」

ダイヤ「そ…そうでしょうか」

絵里「連絡くれてありがとう。ダイヤ」

絵里「海未の事、ちゃんと面倒見てあげるから」

絵里「お互い忙しい身だけど、まずはスクフェスを成功できるように頑張りましょう」

ダイヤ「ええ。では」
　

絵里「……ふぅん」

絵里「海未ったら、随分とダイヤと意気投合して来たのね」

絵里「ダイヤに頼まれたわけだし、海未の事をしっかりおもてなししてあげないとね」ｸｽｸｽ
　

海未「失礼します」

絵里「あら、お疲れ様。沼津はどうだった？」

絵里「週末誕生日だったのに、みんなでお祝いしてあげられなくてごめんね」

海未「いえ。スクフェスを控えた時期ですし、その気持ちだけで私は嬉しいです」

海未「それに、沼津まで行ったかいがあって、良い打ち合わせができたと思います」

海未「やはり、イベント運営となると分からないことが多いですから」
　

絵里「私が聞きたいのはそういう事じゃなくて」

海未「？」

絵里「ダイヤから聞いたわよ。随分と楽しんでたみたいね」

海未「確かに、沼津…内浦の海は綺麗でいい気分転換になりました」

絵里「ふぅん……本当にそれだけかしら」
　

海未「それだけといわれましても、海岸を少し散歩した以外は打ち合わせで終わってしまいましたし」

絵里「そう……」

絵里「ああ…悲しいわ……」

海未「か…悲しい…ですか？」

絵里「私がμ’ｓに入った時は、あれだけ絵里先輩って慕ってくれていたのに」

絵里「今じゃすっかりダイヤと意気投合して仲良くなったみたいで」

絵里「ああ……あの目を潤ませていたかわいい海未ちゃんはどこへ行ったのかしら……」

海未「なっ」
　

絵里「どうせ、私は海未に好かれるダイヤのような生徒会長じゃないもの」

絵里「だから、ダイヤにお祝いしてもらったことも内緒にされちゃうし」

絵里「和菓子をプレゼントされて、嬉しそうにしてたことも秘密にされちゃうし」

絵里「二人で、ちょっといい時間を過ごしたことも隠されちゃうし」

絵里「心なしかちょっぴりごきげんなのも、全部ダイヤのおかげなのね……」

海未「ななっ……///」
　

絵里「私じゃ海未を喜ばせてあげられないのね…しくしく」

海未「……」

海未「わざとらしいウソ泣きはやめてください。絵里」

絵里「あら。分かっちゃった？」

海未「誰でも分かります……全く……」

絵里「泣いてはいないけど、ちょーっと嬉しかったりもするのよ」

海未「嬉しい……ですか？」
　

絵里「真面目な海未に、真面目なダイヤという友人ができた事は」

絵里「いつも肩の力を抜いたらって言われるぐらい、肩ひじ張って生きてる二人が一緒いるって事でしょ？」

絵里「きっと、似た者同士の二人でいる時間は、気を使ってるようで使ってない時間になって、お互いがリラックスできるって事だと思うの」

絵里「私や穂乃果達からしたら、もう少し力抜いたらとも思うんだけど」

絵里「海未とダイヤにとっては、とても心地の良い時間だったんでしょうね」

海未「……」

絵里「沼津まで行って良かったわね。海未」

海未「……はい」

絵里「ふふっ。気の合う友達ができるっていい事よね」
　

海未「……絵里」

絵里「どうしたの？」

海未「一つ、大事なことをお伝えしておきますね」

絵里「大事なこと？」

海未「ええ。とても大事なことです」
　

海未「私、絵里といる時間も好きですよ」

絵里「なっ……」

海未「多分……一番気を使っていないで自然体でいられるのは」

海未「絵里の前ですから」

絵里「ななっ……」
　

絵里「そ……そう…///」

海未「ええ。ただ、からかって私の反応を見て楽しむのはやめていただけたら……絵里？」

絵里「……」

絵里「なっ…なんでもないわよ」

絵里「なんでもないからっ！」

海未「？」
　

絵里（はぁ……たまにこういう事を平気で言うから、この子は……）

絵里（あーあ、今回はすっかりやられちゃったわ）

絵里（ふふっ。でも）

絵里（私も海未と一緒にいるの好きよ）

絵里（この事は海未には内緒にしておくけどね♪）ｸｽｸｽ
　

おわり
海未ちゃんがダイヤちゃんと過ごせた誕生日はさぞかし良い時間だった事でしょう
遅くなっちゃったけどおめでとう